本発明の実施の一形態について図1から図28に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図6は、本実施形態に係る用紙積載装置としてのフィニッシャ(後処理装置)2を備えた、画像形成装置としての複写機1の概略構成を示す概略構成図である。複写機1は、本体3および上記フィニッシャ2から構成されている。本体3は、原稿搬送装置4、スキャナ(原稿読取装置)5、および画像形成処理装置6に大別される。原稿搬送装置4は、原稿供給トレイ12にセットされた原稿を順次搬送し、スキャナ5の読取部16上を通過させ、原稿排出トレイ14に排出する。この動作によりスキャナ5に原稿を読み取らせる。原稿搬送装置4は、スキャナ5に対して開閉可能に設けられている。そして、原稿搬送装置4をスキャナ5に対して上方に開いた際に、スキャナ5における原稿搬送装置4と対向する側の面に形成された原稿載置面18にも原稿を載置することができるようになっている。スキャナ5は、原稿搬送装置4にて搬送される原稿、または原稿載置面18上に載置された原稿を読み取り、画像データを生成して画像形成処理装置6に送る。画像形成処理装置6では、ローラや搬送路からなる用紙搬送部20により給紙トレイ22から用紙を取り出して画像形成部24へ搬送する。画像形成部24では、スキャナ5からの画像データに基づいて、搬送されてくる用紙に対して画像を形成する。画像形成部24にて画像が形成された用紙は、排紙ローラ26により排紙トレイ28側へ排出される。なお、本体3の動作は、本体3に設けられた本体制御部7により制御される。
ここで、複写機1にフィニッシャ2が設けられていない場合は、排紙ローラ26から排出された用紙は排紙トレイ28上に積み重ねられるが、本複写機1にはフィニッシャ2が設けられているため、排紙ローラ26から排出された用紙はフィニッシャ2に受け入れられる。
フィニッシャ2は、本体3から用紙を受け入れると、本体3におけるスキャナ5と排紙トレイ28との間に位置する用紙搬送部30により受け入れた用紙を可動トレイ(トレイ)32または固定トレイ34側へ搬送する。用紙搬送部30には、用紙を搬送する経路である第1経路Paおよび第2経路Pbが形成されている。第1経路Paには後処理部36が設けられている。後処理が必要な場合には用紙は第1経路Paを搬送され、後処理が必要でない場合には用紙は第2経路Pbを搬送される。後処理部36は、搬送されてくる用紙に対してステープル処理や穴あけ処理等の後処理を施すものである。
第1経路Paを搬送された用紙は、用紙排出部としての第1排紙ローラ38により可動トレイ32上へ排出されて順次積み重ねられる。第2経路Pbを搬送された用紙は、通常、第2排紙ローラ40により固定トレイ34上へ排出されるが、本体3にて多数枚の連続複写を行っている場合には、第1排紙ローラ38により可動トレイ32上へ排出される。ここで、固定トレイ34は固定式のトレイであるが、可動トレイ32は可動式のトレイである。後処理が行われた場合、つまりステープル処理等により排出される用紙の状態が通常とは異なる場合や、多数枚の連続複写の場合、つまり連続して排出される用紙の量が多い場合では、可動トレイ32側に用紙を排出し、可動トレイ32が第1排紙ローラ38に対して適切な落差を設けて排出される用紙を受けることで、排出された用紙が可動トレイ32上に適正な状態で積み重ねられるようになっている。
フィニッシャ2の動作は、フィニッシャ2に設けられたフィニッシャ制御部8により制御される。なお、本体制御部7およびフィニッシャ制御部8はそれぞれ独立して本体3およびフィニッシャ2を制御するものではなく、本体制御部7とフィニッシャ制御部8とが接続されており、これらが連携して本体3およびフィニッシャ2の動作を制御する。また、フィニッシャ2がフィニッシャ制御部8を備えず、本体制御部7がフィニッシャ2をも制御するようになっていてもよい。以下では本体制御部7とフィニッシャ制御部8とを区別せず、単に「制御部」として説明する。
図5(a)および図5(b)は、図6のフィニッシャ2における可動トレイ32を可動式とするための構成を示す概略構成図であり、図5(a)はフィニッシャ2の正面図、図5(b)はフィニッシャ2の側面図である。なお、図5(a)および図5(b)には主に可動トレイ32やその移動部を図示し、他の構成要素については図示を省略している。可動トレイ32は、図示しないガイドに沿って矢印A方向(鉛直方向)に移動できるように取り付けられている。また、可動トレイ32は、駆動ベルト42と連結されている。駆動ベルト42は、駆動側プーリ44および従動側プーリ46によって可動トレイ32の移動方向に沿って張架されている。駆動側プーリ44は、エンコーダ48を備えたモータ50に取り付けられており、モータ50から回転駆動力が与えられる。モータ50が回転すると駆動側プーリ44が回転し、駆動ベルト42が駆動されて可動トレイ32が移動する。エンコーダ48は、可動トレイ32の精細位置検知用に設けられている。
このように、フィニッシャ2は、用紙を受け入れてトレイ上に積み重ねる用紙積載装置として機能するものであり、用紙を積み重ねるための可動トレイ32と、受け入れた用紙を可動トレイ32側に排出する用紙排出部(第1排紙ローラ38)と、可動トレイ32の用紙載置面から上記用紙排出部までの高さを変化させるべく可動トレイ32を移動するトレイ移動部(駆動側プーリ44、従動側プーリ46、駆動ベルト42、およびモータ50)とを備えている。
フィニッシャ2には、可動トレイ32の移動の制御のために用いられるセンサが設けられている。次に、フィニッシャ2に設けられているセンサについて図1から図4に基づいて説明する。
図1(a)および図1(b)は、図6のフィニッシャ2におけるセンサの配置を示す概略構成図であり、図1(a)はフィニッシャ2の正面図、図1(b)はフィニッシャ2の側面図である。なお、図1(a)および図1(b)には主に可動トレイ32やセンサを図示し、他の構成要素については図示を省略している。フィニッシャ2には、第1センサ52、第2センサ54、および第3センサ56が設けられている。第1センサ52および第2センサ54は同じ構造を有しており、可動トレイ32の位置を検知するためのものである。第3センサ56は可動トレイ32の位置を検知するとともに、可動トレイ32上の用紙を検知するためのものである。可動トレイ32の移動方向においては、第3センサ56が最も上方に取り付けられており、次に第1センサ52、最も下方に第2センサ54が取り付けられている。なお、「上方」および「下方」は、複写機1を通常の状態に設置した場合における上方および下方を指す。
図2は、第1センサ52に関する図1(b)におけるB−B線矢視断面図である。第1センサ52は凹部52aを有しており、この凹部52aには互いに対向する発光素子58aおよび受光素子58bが設けられている。発光素子58aおよび受光素子58bは光センサを構成しており、受光素子58bにおいて発光素子58aからの光を検知することで発光素子58aと受光素子58bとの間に遮光体が介在するか否かを検知することができる。第1センサ52における発光素子58aと受光素子58bとの間は、可動トレイ32の移動にともなって可動トレイ32の第1被検知部32aが通過できるようになっている。ここで、可動トレイ32の第1被検知部32aは、可動トレイ32の一部として形成された遮光体であり、可動トレイ32の移動方向に所定の幅W(図1(a)参照)を有している。そして、可動トレイ32の移動方向において第1センサ52の位置に第1被検知部32aが存在する場合には、第1被検知部32aが第1センサ52の発光素子58aと受光素子58bとの間に介在し、第1センサ52にて第1被検知部32aの存在が検知されるようになっている。なお、上記第1センサ52に関する説明は、第1センサ52と同じ構造を有する第2センサ54に関しても同様に成り立つ。また、第1センサ52および第2センサ54における各検知位置の間には所定の間隔D(図1(a)参照)が保たれている。
図3は、第3センサ56に関する図1(b)におけるC−C線矢視断面図である。第3センサ56も、第1センサ52および第2センサ54とほぼ同じ構造を有している。すなわち、第3センサ56は凹部56aを有しており、この凹部56aには互いに対向する発光素子60aおよび受光素子60bが設けられている。発光素子60aおよび受光素子60bは光センサを構成しており、受光素子60bにおいて発光素子60aからの光を検知することで発光素子60aと受光素子60bとの間に遮光体が介在するか否かを検知することができる。第3センサ56における発光素子60aと受光素子60bとの間は、可動トレイ32の移動にともなって可動トレイ32の第2被検知部32bが通過できるようになっている。ここで、可動トレイ32の第2被検知部32bは、可動トレイ32の一部として形成された遮光体であり、可動トレイ32の移動方向において第3センサ56の位置に第2被検知部32bが達すると、第2被検知部32bが第3センサ56の発光素子60aと受光素子60bとの間に侵入し、第3センサ56にて第2被検知部32bが達したことが検知されるようになっている。
第3センサ56は、可動トレイ32の第2被検知部32bのみならず用紙検知部62(図1(a)および図1(b)参照)に関しても検知を行う。
図4(a)および図4(b)は、用紙検知部62の動作を示す説明図であり、図4(a)は用紙が検知されていない状態、図4(b)は用紙が検知されている状態を示している。用紙検知部62は、回転軸62a、用紙当接部62b、および被検知部62cを備えている。回転軸62aは、フィニッシャ2のフレーム等に回転可能に取り付けられている。用紙当接部62bは、回転軸62aの先端側に取り付けられている。可動トレイ32が上方に移動した際に、可動トレイ32上に所定量以上の用紙が積み重ねられておれば、用紙当接部62bの先端が可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の上面に当接するようになっている。そして、用紙当接部62bの先端が用紙に当接してからさらに可動トレイ32が上方に移動すると、用紙当接部62bは回転軸62aを図4(b)中矢印Eの向きに回転させるようになっている。被検知部62cは、回転軸62aの回転にともなって回転するように回転軸62aの根元側に取り付けられている。そして、回転軸62aが図4(b)中矢印Eの向きに回転すると、被検知部62cの先端が第3センサ56の凹部56aの発光素子60aと受光素子60bとの間に侵入するようになっている。被検知部62cは遮光体であり、被検知部62cが発光素子60aと受光素子60bとの間に侵入すると第3センサ56が検知する。
上記のような構成のフィニッシャ2における可動トレイ32の動作の制御について図7から図13に基づいて説明する。
まず、限界検知およびそのときの動作制御について説明する。なお、「限界」とは、可動トレイ32がその移動方向において上限または下限に達した状態をいう。「上限」および「下限」は、複写機1を通常の状態に設置した場合における可動トレイ32の移動範囲の上方の端部および下方の端部を指す。
限界検知の際には、第1センサ52、第2センサ54、第3センサ56を、適宜、限界検知センサおよび通過検知センサとして用いる。限界検知センサとは、可動トレイ32が移動範囲の端部に達したことを検知するためのものである。また、通過検知センサとは、可動トレイ32が移動範囲内の予め定められた位置を通過したことを検知するためのものである。また、エンコーダ48およびエンコーダ48からの信号を受ける制御部を可動トレイ32の移動量を検知するための移動量検知部(リフトアップセンサ)として用いる。そして、上記限界検知センサにより可動トレイ32が移動範囲の端部に達したことが検知された場合に上記トレイ移動部による可動トレイ32の移動を停止するようになっている。また、上記通過検知センサにより可動トレイ32が移動範囲内の予め定められた位置を通過したことが検知されてから上記移動量検知部によって予め定められた距離だけ可動トレイ32が移動したことが検知された場合にも、上記トレイ移動部による可動トレイ32の移動を停止するようになっている。このような制御は制御部によって行われ、このとき制御部は限界制御部として機能する。
このように、限界検知センサおよび通過検知センサの検知に基づいて限界検知を行うことにより、限界検知センサおよび通過検知センサの何れか一方が故障した場合でも、他方の検知に基づいて可動トレイ32を停止させることができるので、可動トレイ32の暴走を防ぐことが可能になる。ここで、限界検知センサは可動トレイ32が移動範囲の端部に達したことを検知するものであるが、通過検知センサは可動トレイ32が移動範囲内の予め定められた位置を通過したことを検知するものである。したがって、通過検知センサは、限界検知のみならず可動トレイ32が他の位置にあることを検知するセンサとしても利用することができる。つまり、後述するように可動トレイ32の位置を判別する際に用いるセンサを通過検知センサとして利用することができる。これにより、1つのセンサに複数の機能をもたせ、センサの有効利用を図ることができる。
このような限界検知について、以下で上限検知と下限検知とに分けて具体的に説明する。
図7(a)および図7(b)は、可動トレイ32が上限に達したことを検知している状態を示す概念図であり、図7(a)は第1センサ52に基づいて検知している場合、図7(b)は第3センサ56に基づいて検知している場合を示している。
なお、図7から図13では可動トレイ32および各センサの位置関係を明確にするため、他の構成要素については図示を省略している。また、各センサにおいてハッチングを付した部分は、その範囲内に被検知部が侵入することにより各センサがそのことを検知可能な領域(検知領域)を示している。以下では、各センサが被検知部を検知している状態を「オン」、検知していない状態を「オフ」という。
この場合、第3センサ56が上記限界検知センサ(上限検知センサ)として機能し、第1センサ52が上記通過検知センサとして機能する。そして、上記トレイ移動部は、第1センサ52がオンからオフに変化したとき、つまり可動トレイ32の第1被検知部32aが第1センサ52の検知領域外に出たときから可動トレイ32が上方に予め定められた移動距離d1だけ移動した位置(第1上限位置、図7(a))で可動トレイ32を停止するように設定されている。この移動距離d1は上記移動量検知部によって検知される。また、トレイ移動部は、第3センサ56がオフからオンに変化したとき、つまり可動トレイ32の第2被検知部32bが第3センサ56の検知領域内に入ったときの可動トレイ32の位置(第2上限位置、図7(b))で可動トレイ32を停止するように設定されている。ここでは、第1上限位置より第2上限位置の方がわずかに下方となるようにd1が設定されている。したがって、第1センサ52が正常であり第3センサ56が故障している場合には、図7(a)に示すように第1上限位置で可動トレイ32が停止し、第3センサ56が正常であり第1センサ52が故障している場合には、図7(b)に示すように第2上限位置で可動トレイ32が停止する。また、第1センサ52および第3センサ56の何れも正常である場合にも、図7(b)に示すように第2上限位置で可動トレイ32が停止する。ここで、可動トレイ32が第1上限位置で停止した場合には第3センサ56が故障していると認識できるため、本体3に設けられた表示パネル等においてその旨の表示(エラー表示)を行う。なお、第1上限位置より第2上限位置の方がわずかに上方となるようにd1が設定されていてもよく、第1上限位置と第2上限位置とがほぼ同じ位置となるようにd1が設定されていてもよい。
図8(a)および図8(b)は、可動トレイ32が下限に達したことを検知している状態を示す概念図であり、図8(a)は第2センサ54に基づいて検知している場合、図8(b)は第1センサ52に基づいて検知している場合を示している。
この場合、第1センサ52が上記限界検知センサ(下限検知センサ)として機能し、第2センサ54が上記通過検知センサとして機能する。そして、上記トレイ移動部は、第2センサ54がオフからオンに変化したとき、つまり可動トレイ32の第1被検知部32aが第2センサ54の検知領域内に入ったときから可動トレイ32が下方に予め定められた移動距離d2だけ移動した位置(第1下限位置、図8(a))で可動トレイ32を停止するように設定されている。この移動距離d2は上記移動量検知部によって検知される。また、トレイ移動部は、第1センサ52がオンからオフに変化したとき、つまり可動トレイ32の第1被検知部32aが第1センサ52の検知領域外に出たときの可動トレイ32の位置(第2下限位置、図8(b))で可動トレイ32を停止するように設定されている。ここでは、第1下限位置より第2下限位置の方がわずかに上方となるようにd2が設定されている。したがって、第2センサ54が正常であり第1センサ52が故障している場合には、図8(a)に示すように第1下限位置で可動トレイ32が停止し、第1センサ52が正常であり第2センサ54が故障している場合には、図8(b)に示すように第2下限位置で可動トレイ32が停止する。また、第1センサ52および第2センサ54の何れも正常である場合にも、図8(b)に示すように第2下限位置で可動トレイ32が停止する。ここで、可動トレイ32が第1下限位置で停止した場合には第1センサ52が故障していると認識できるため、本体3に設けられた表示パネル等においてその旨の表示(エラー表示)を行う。なお、第1下限位置より第2下限位置の方がわずかに下方となるようにd2が設定されていてもよく、第1下限位置と第2下限位置とがほぼ同じ位置となるようにd2が設定されていてもよい。
次に、可動トレイ32をホームポジションへ移動する際の動作制御について説明する。なお、ホームポジションとは、可動トレイ32上に用紙が積み重ねられていない状態で、用紙の積み重ねを開始する際の可動トレイ32の位置のことをいう。ホームポジションは、第1排紙ローラ38(図6参照)と可動トレイ32の用紙載置面との間の落差が最適な状態となるように設定されており、通常の用紙を排出する際には例えば上記落差が20cmとなるように設定されている。そして、本体3における連続複写により、連続して用紙を可動トレイ32上に排出する際には、排出された用紙の枚数に応じて可動トレイ32が下方に移動することで、第1排紙ローラ38と可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の上面との間の落差が常に20cmを保つように可動トレイ32の移動が制御される。フィニッシャ2に電源が投入されると、まずイニシャル動作として可動トレイ32の位置決めを行い、可動トレイ32をホームポジションへ移動する。
可動トレイ32をホームポジションへ移動する際には存在検知センサを用いる。存在検知センサとは、可動トレイ32の移動範囲に配置され、配置された位置に可動トレイ32の被検知部(第1被検知部32a)が存在しているか否かを検知するためのものである。また、上記複数の存在検知センサは、それぞれの検知結果の組み合わせにより可動トレイ32がその移動範囲における何れの区域に位置しているかを判別できるように配置されている。「区域」とは、可動トレイ32の移動範囲を複数に区分した際の各区分された範囲のことをいい、この区分は上記複数の存在検知センサの配置によって定まる。つまり、可動トレイ32の移動範囲を複数の区域に区分した何れの区域に可動トレイ32が位置しているかを判別できるように、上記複数の存在検知センサが配置されている。
これにより、例えば複写機1に電源が投入された直後等において、この複数の存在検知センサによる検知結果により、可動トレイ32がどの区域に位置しているかを即座に判別することができる。この判別に基づくと、可動トレイ32を所望する位置に移動する際に、より適切な向きに移動することができ、少ない移動量、かつ、短時間で所望する位置に移動することができる。例えば、上記複数の存在検知センサのうちの1つの存在検知センサの位置に可動トレイ32を移動させるような場合に、判別結果に基づいて移動先となる存在検知センサが存在する側に可動トレイ32を移動することが考えられる。なお、この判別は制御部が行い、このとき制御部は位置判別制御部として機能する。
可動トレイ32をホームポジションへ移動させるためには、上記複数の存在検知センサを用いて可動トレイ32の位置決めを行う。この位置決めの際には、可動トレイ32を移動させ、上記複数の存在検知センサによる検知結果の何れかが変化したときの可動トレイ32の位置を基準位置とする。なお、可動トレイ32を移動する向きは、予め設定しておいてもよく、上記複数の存在検知センサの検知結果の組み合わせに基づいて決定してもよい。
これにより、少ない移動量で可動トレイ32の位置決めを行うことができ、可動トレイ32を短時間でホームポジションへ移動することができる。
基準位置を定めた後は、その基準位置からの可動トレイ32の移動量により、可動トレイ32の位置を正確に認識することができる。「移動量」とは、可動トレイ32の移動の向きを考慮した移動量(変位量)のことをいう。なお、何れの存在検知センサの検知結果が変化したときを基準位置としたかによって基準位置が異なることになるが、各存在検知センサの位置は分かっているので、その位置を考慮して可動トレイ32の位置を認識すればよい。上記位置決めの動作、および可動トレイ32の位置の認識は制御部が行い、このとき制御部はそれぞれ位置決め制御部および位置認識部として機能する。
このようにして可動トレイ32の位置を把握することで可動トレイ32をホームポジションへ移動することができる。
第1センサ52および第2センサ54を存在検知センサとして用いた具体例について説明する。
図9は、可動トレイ32が位置する区域と、第1センサ52および第2センサ54の検知結果の組み合わせとの関係を表す図表である。ここでは、第1センサ52および第2センサ54により可動トレイ32の移動範囲が第1〜第4区域に区分されている。可動トレイ32が各区域に位置している場合における、第1センサ52および第2センサ54による検知結果の組み合わせは図9に示すようにそれぞれ特有のものとなる。したがって、第1センサ52および第2センサ54による検知結果の組み合わせにより、可動トレイ32がどの区域に位置しているかを判別することができる。
このように可動トレイ32の移動範囲を区分するためには、可動トレイ32の第1被検知部32aの幅W(図1(a)参照)が第1センサ52および第2センサ54における各検知位置の間隔D(図1(a)参照)より大きく設定されておればよい。
可動トレイ32をホームポジションへ移動する際には、次のように制御する。なお、位置決めのために可動トレイ32を移動する向きは下方に設定されているものとする。可動トレイ32が第1区域にある場合は、可動トレイ32を下方に移動し第1センサ52がオフからオンに変化したときの可動トレイ32の位置を基準位置とする。そこから可動トレイ32をさらに下方に所定距離移動してホームポジションで停止する。可動トレイ32が第2区域にある場合は、可動トレイ32を下方に移動し第2センサ54がオフからオンに変化したときの可動トレイ32の位置を基準位置とする。そこから可動トレイ32を上方に所定距離移動してホームポジションで停止する。可動トレイ32が第3区域にある場合は、可動トレイ32を下方に移動し第1センサ52がオンからオフに変化したときの可動トレイ32の位置を基準位置とする。そこから可動トレイ32を上方に所定距離移動してホームポジションで停止する。可動トレイ32が第4区域にある場合は、可動トレイ32が下限に位置していることになるので、その下限を基準位置とする。そこから可動トレイ32を上方に所定距離移動してホームポジションで停止する。
通常、可動トレイ32をホームポジションへ移動する場合には、可動トレイ32を上限または下限まで移動して位置決めし、上限または下限から所定距離移動させることが考えられる。下限を基準としてホームポジションが設定されている場合、例えば図10における丸1に示すように可動トレイ32が第2区域にあると、丸2から丸3に示すように可動トレイ32を下方に移動する。丸3に示すように可動トレイ32が下限に達すると、その位置を基準として丸4から丸5に示すように可動トレイ32を所定距離上方へ移動する。これにより、丸5に示すホームポジションとする。図10は可動トレイ32をホームポジションへ移動する際の可動トレイ32の移動の様子の一例を示した概念図である。
これに対して、上記のように可動トレイ32を移動させ、第1センサ52および第2センサ54による検知結果の何れかが変化したときの可動トレイ32の位置を基準位置として可動トレイ32をホームポジションへ移動するようにすると図11のようになる。図11における丸1に示すように可動トレイ32が第2区域にあると、可動トレイ32を下方へ移動する。丸2に示すように可動トレイ32が第2区域と第3区域との境界に達すると、その位置を基準位置とし、そこから所定距離可動トレイ32を上方へ移動することにより丸5のホームポジションとする。図11の動作では、図10の動作と比較して図10における丸3および丸4の余分な移動を減らすことができる。図11は可動トレイ32をホームポジションへ移動する際の可動トレイ32の移動の様子の他の例を示した概念図である。
なお、上記の基準位置、および紙排出部(第1排紙ローラ38)から排出する用紙の状態に基づいて、上記用紙排出部から用紙が排出される際の可動トレイ32の位置が決定されることが好ましい。つまり、ホームポジションが上記の基準位置に加えて排出する用紙の状態に基づいて設定されることが好ましい。ここで、用紙の状態とは、仕向地、紙質、厚み等の用紙自体の特性や、ステープル処理等の後処理の有無のことをいう。用紙自体の特性は、例えばユーザが本体3において設定したものを制御部により認識することができ、ステープル処理等の後処理の有無は、例えばユーザが本体3において設定した複写モードに基づいて制御部が認識することができる。
例えば、通常の用紙を排出する際には、ホームポジションを、上記のように第1排紙ローラ38と可動トレイ32の用紙載置面との間の落差が20cmとなるように設定している。このように適度な落差を設けることにより用紙のスタッキング性を高めることができる。これに対してステープル処理した用紙を排出する際には、上記通常時のホームポジションより可動トレイ32を10cm上方に移動した状態をホームポジションとし、上記落差を10cmとする。ステープル処理された用紙は束となっているため、上記落差が大きすぎると用紙の束においてステープル処理により綴じられた部分から離れた部分が乱れやすくなり、用紙の束を積み重ねた際に用紙に折れ等が発生しやすくなる。この場合には、上記落差を小さくすることによりこのような不具合の発生を抑制することができる。ステープル処理した用紙の排出が終了すると、可動トレイ32を通常のホームポジションに戻して待機する。
このように、排出する用紙の状態に基づいてホームポジションを設定することにより様々な用紙の状態に対して適切な位置で可動トレイ32により用紙を受けることができ、用紙のスタッキング性を高めることができる。
上記のように可動トレイ32の位置を認識すると、第3センサ56および用紙検知部62を用いて可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の枚数を推定することが可能になる。ここで、第3センサ56および用紙検知部62は、可動トレイ32を移動した際に、可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の上端が予め定めた位置に達したことを検知する用紙検知センサとして機能する。そして、上記用紙検知センサが用紙の上端を検知したときの可動トレイ32の位置に基づいて、可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の枚数を推定することができる。
図12は、上記用紙検知センサが用紙の上端を検知している状態を示す概念図である。可動トレイ32を上方へ移動した際に、可動トレイ32上の用紙が用紙検知部62と当接すると、図4(a)および図4(b)に基づいて説明したように第3センサ56がオンになる。第3センサ56は、可動トレイ32の上限を検知するための限界検知センサとしても機能するため、第3センサ56がオンになると可動トレイ32の移動は停止される。上記のように可動トレイ32の位置が認識可能な状態では、このときの可動トレイ32の位置を認識することができる。この認識した可動トレイ32の位置は、可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の厚みを反映しているため、この位置に基づいて可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の枚数を推定することができる。この推定は制御部が行い、このとき制御部は枚数推定部として機能する。
可動トレイ32には、その耐荷重に基づいて積み重ねることができる用紙の最大積載量(最大積載スペック)が決められる。この最大積載量を、例えばA4の場合1000枚、A3の場合500枚としたとき、図12に示したように、可動トレイ32上にA3が500枚以上積み重ねられていると、それ以上用紙を可動トレイ32上に積み重ねるのは危険である。したがって、制御部により可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の枚数が推定され、その枚数が最大積載量以上である場合には警告処理を行う。警告処理は、例えば本体3における複写動作を中止または禁止するとともに、本体3に設けられた表示パネル等に図13に示すように「紙を取り除いてください。」等のメッセージを表示する。図13は、本体3に設けられた表示パネルの表示の一例を示す説明図である。
なお、可動トレイ32の位置からは可動トレイ32上に積み重ねられている用紙のサイズを検知することはできないが、より安全を考慮して積み重ねられている用紙が最大サイズのものであると仮定して判断することが好ましい。したがって、可動トレイ32上にA4の用紙が500枚以上積み重ねられている場合でも、警告処理を行うことが好ましい。
なお、可動トレイ32上に積み重ねられた用紙の枚数を推定するためには必ずしも可動トレイ32の位置を正確に認識しなくてもよく、可動トレイ32が位置する区域を判別し、その区域に基づいて推定してもよい。例えば可動トレイ32が第3区域以下に位置しているときに、可動トレイ32上に用紙が500枚以上積み重ねられていると推定することもできる。この場合、ある程度大雑把な推定となるが、警告処理のためにはこの程度でよい場合が多い。
なお、上記では、可動トレイ32の動作を制御部によって制御するものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、限界検知の際に可動トレイ32を停止するような制御は、限界検知センサの検知により、可動トレイ32を移動するために上記トレイ移動部へ送られる信号を絶つといった方法でも実現可能である。
次に、可動トレイに最大積載量の用紙が積載されたことを検知する際の可動トレイの動作制御について説明する。なお、ここでは上述したフィニッシャ2とは異なる構成のフィニッシャ102に基づいて説明する。このフィニッシャ102は、図6に示した複写機1におけるフィニッシャ2の代わりに用いることができる。なお、上述したフィニッシャ2においても、以下に説明する可動トレイの動作を実現することは可能である。
図14は、本実施形態に係る他の用紙積載装置としてのフィニッシャ102の構成を示す概略構成図である。フィニッシャ102は、上記可動トレイ32に相当する可動トレイ132、上記第1排紙ローラ38に相当する排紙ローラ138(用紙排出部)、第1センサ152(可動トレイ第1検知部、大サイズ紙用センサ)、第2センサ154(可動トレイ第2検知部、小サイズ紙用センサ)、第3センサ156(用紙上面検知部)を備えている(図1(a)、図1(b)、図6参照)。また、フィニッシャ102は、排紙ローラ138を用紙が通過しているか否かを検知する用紙通過センサ158、および可動トレイ132が下限に達したことを検知する第4センサ160も備えている。さらに、図示していないが、フィニッシャ102は、可動トレイ132を可動式とするためのモータ、ガイド、駆動ベルト等の構成も備えている。
用紙通過センサ158は、排紙ローラ138に対して用紙排出方向の例えば上流側に設けられており、その位置を用紙が通過しているか否かを検知する。したがって、用紙通過センサ158により用紙の通過が完了したことを検知すると、その直後には用紙の排出が完了するものとみなすことができる。つまり、用紙通過センサ158の検知結果に基づけば、用紙の排出完了を検知できる。
排紙ローラ138は、複写機1の本体3(図6参照)から送られてくる用紙を可動トレイ132側に排出する。可動トレイ132は、排紙ローラ138から排出されて自重により落下した用紙を順次積載する。そのために、可動トレイ132は、積載された用紙の最上面と排紙ローラ138との落差が適切な状態になるように図14中矢印F方向(上下方向)に移動可能となっている。
第3センサ156は、可動トレイ132に積載された用紙の最上面が、可動トレイ132の移動方向における所定の位置(用紙上面基準位置)に位置していることを検知する。可動トレイ132に積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置している状態は、例えば後述する図18(d)に示されている。第3センサ156の検知は、可動トレイ132が上方に移動し、可動トレイ132に積載された用紙の最上面と第3センサ156のプローブ156aとが当接し、このプローブ156a自体が回転しつつ上方に移動することを検知することにより行われる。可動トレイ132に積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置しているときの第3センサ156の検知結果を「ON」、位置していないときの第3センサ156の検知結果を「OFF」と称する。
なお、可動トレイ132上に用紙が積載されていない場合には可動トレイ132の用紙載置面により上記検知が行われる。
第1センサ152は、可動トレイ132が第1基準位置に達したことを検知する。第1基準位置とは、例えばA3等の大サイズの用紙に対して定められた最大積載量(大サイズ紙最大積載量)の用紙が可動トレイ132に正常に積載され、積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置するときの可動トレイ132の位置である。可動トレイ132が第1基準位置に位置している状態は、例えば後述する図18(d)に示されている。つまり、第1基準位置は、可動トレイ132に積載された用紙の積載厚みが大サイズ紙最大積載量に対応する所定の値(第1基準値)となり、かつ、積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置したときの可動トレイ132の位置である。なお、大サイズ紙最大積載量の用紙が積載された場合に限らず、所定量の用紙が積載された場合に基づいて第1基準位置を定めてもよい。
第2センサ154は、可動トレイ132が第2基準位置に達したことを検知する。第2基準位置とは、例えばA4等の小サイズの用紙に対して定められた最大積載量(小サイズ紙最大積載量)の用紙が可動トレイ132に正常に積載され、積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置するときの可動トレイ132の位置である。つまり、第2基準位置は、可動トレイ132に積載された用紙の積載厚みが小サイズ紙最大積載量に対応する所定の値(第2基準値)となり、かつ、積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置したときの可動トレイ132の位置である。なお、小サイズ紙最大積載量の用紙が積載された場合に限らず、所定量の用紙が積載された場合に基づいて第2基準位置を定めてもよい。
可動トレイ132が第1基準位置に達したときの第1センサ152の検知結果を「ON」、可動トレイ132が第1基準位置に達していないときの第1センサ152の検知結果を「OFF」と称する。また、可動トレイ132が第2基準位置に達したときの第2センサ154の検知結果を「ON」、可動トレイ132が第2基準位置に達していないときの第2センサ154の検知結果を「OFF」と称する。
第3センサ156は、可動トレイ132が上限に達したことを検知する。また、第4センサ160は、可動トレイ132が下限に達したことを検知する。なお、図14では可動トレイ132が上限に達した状態を実線で、下限に達した状態を一点鎖線で表している。
なお、ここでは各センサとして機械的センサを用いるものとするが、光センサ等の他のセンサを用いることもできる。
図15は、フィニッシャ102のフィニッシャ制御部103の構成を示すブロック図である。フィニッシャ制御部103には、可動トレイ制御部104、用紙積載量判別部105および用紙サイズ判別部106を備えている。なお、可動トレイ制御部104、用紙積載量判別部105および用紙サイズ判別部106のすべての機能がフィニッシャ制御部103に備えられている必要はなく、複写機1の本体3からの指令に基づいて機能するようになっていてもよい。また、フィニッシャ制御部103が複写機1の本体3に設けられていてもよい。
可動トレイ制御部104は、排紙ローラ138の排出動作と連係しつつ、上記各センサの検知結果に基づいて可動トレイ132の移動を制御する。なお、具体的な制御の内容は後述の図25から図28に基づいて説明する。
用紙積載量判別部105は、可動トレイ制御部104による可動トレイ132の移動にともなう上記各センサの検知結果に基づいて可動トレイ132に積載された用紙の積載量を判別する。なお、具体的な判別の内容は後述の図25から図28に基づいて説明する。
用紙サイズ判別部106は、排紙ローラ138にて排出し、可動トレイ132上に積載する用紙のサイズを判別する。この判別は、複写機1の本体3から用紙サイズに関する情報を受け取り、その情報に基づいて行ってもよく、用紙通過センサ158等のセンサの検知結果に基づいて行ってもよい。
連続して多数枚の用紙を積載するトレイとして固定式のものを用いると、多数枚を積載できるようにトレイと用紙の排出部との間に広い空間を設ける必要があることから、トレイを用紙の排出部から大きく引き離して下方に設ける必要がある。この場合、用紙を取り出す際に、ユーザが腰を屈める必要がある、あるいは用紙の取り残しを誘発する等の不都合が生じる。このため、多数枚を受け入れるトレイは可動式であることが望ましい。
ところで、このようなトレイでは、上述のようにそのトレイに収納できる用紙の量を管理する必要がある。これは、用紙の積載過剰による装置の転倒等を防止するためである。そのためには、トレイに積載された用紙の重量で管理する方法が考えられる。しかし、重量で管理した場合では枚数への換算が難しくなり、用紙の最大積載枚数が把握しにくくなる。しかし、ユーザとしては用紙の最大積載量が枚数で示されている方が把握しやすい。
そこで、上述したようにトレイ上での用紙の積載厚みに基づいてトレイ上に積載されている用紙の量を管理する方法が採用される。これにより、重量に基づく場合より枚数への換算が容易になる。
可動トレイ132への用紙の最大積載量は、上述したように、例えばA4等の小サイズ紙の場合1000枚、A3等の大サイズ紙の場合500枚のように用紙サイズに応じて定められる。
ところで、異なるサイズの用紙を積載するフィニッシャ102においては、積載される用紙のサイズによっては用紙が可動トレイ132上に正常に積載されないことがある。これは、排出される用紙がカールすることに起因する。用紙のカールは、複写機1の本体3における用紙に対する画像形成処理(特に熱がかけられる定着処理)によって起こりやすい。
大サイズ紙がカールすると、用紙の排出方向上流側の端部(後端)がフィニッシャ102の側壁102aに接触し、側壁102aとの摩擦により落下せずに途中で滞留しやすくなる。その結果、すでに可動トレイ132上に積載された用紙との間に空間を保った状態で別の用紙が積載されるという積載不良(不正常なスタッキング)が起こる。このことについて、以下に説明する。
まず、排出される用紙がカールしておらず、正常に積載される場合について図16から図18に基づいて説明する。
排紙ローラ138による用紙Pの排出動作が開始されるまでは、可動トレイ132は上限近傍のホームポジションに位置する。可動トレイ132がホームポジションに位置していることは、第3センサ156がONであることにより検知される。このとき、第1センサ152および第2センサ154はOFFである(図16(a))。排紙ローラ138の排出動作が開始されると、排出される用紙Pと第3センサ156のプローブ156aとが干渉しないようにプローブ156aを退避させるべく、プローブ156aが図示しないソレノイド等により上昇される(図16(b))。用紙Pの排出が完了すると、用紙Pは可動トレイ132の用紙載置面上に落下する(図16(c))。用紙Pが可動トレイ132の用紙載置面に落下したタイミングを見計らってプローブ156aが降下し、用紙Pに当接する。このとき第3センサ156は用紙Pの存在によりONが維持される(図17(a))。
なお、プローブ156aが降下するのは、用紙Pの後端が用紙通過センサ158を通過し、さらに用紙Pが落下するのを見越した所定時間が経過したタイミングである。排紙ローラ138による用紙Pの排出速度は一定であるため、上記所定時間を予め定めておくことができる。
次に、可動トレイ132が下方への移動を開始する。これにともなって、第3センサ156がOFFになる(図17(b))。第3センサ156がOFFになると、可動トレイ132の移動は上方に転じ、やがて第3センサ156がONになり、可動トレイ132の移動が停止する(図17(c))。このとき、第1センサ152はOFFのままであるため、用紙積載量判別部105は可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達していないと判別する。そうすると、さらに用紙Pを可動トレイ132上に積載するために、第3センサ156のプローブ156aがソレノイドにより上昇され(図17(d))、上述した動作が繰り返される。
その結果、あと1枚で最大積載量となる状態になる(図18(a))。さらに用紙Pの排出が開始され(図18(b))、用紙Pの排出が完了すると、プローブ156aが降下し可動トレイ132が下方への移動を開始する(図18(c))。このとき、第3センサ156がOFFになる前に第1センサ152がONになる(図18(d))。このように、第3センサ156がONになり、かつ、第1センサ152がONになると、用紙積載量判別部105は可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達したと判別する。用紙積載量判別部105は、可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達したと判別すると、複写機1の本体3に対して、画像形成処理を停止させる旨の信号、およびユーザに可動トレイ132上の用紙Pを取り除くように警告表示させるための信号を送る。
次に、排出される用紙がカールしており、正常に積載されない場合について図19から図21に基づいて説明する。なお、図19(a)から図19(c)の動作はそれぞれ図16(a)から図16(c)とほぼ同一であるため、その説明を省略する。
図19(a)から図19(c)の動作により1枚目の用紙Pが可動トレイ132の用紙載置面に落下すると、用紙Pがカールしているために用紙Pの後端がフィニッシャ102の側壁102aに当接する。そして、上述したように用紙Pの後端と側壁102aとの摩擦により、用紙Pの後端が可動トレイ132の用紙載置面まで落下せずに途中で滞留する。その上にプローブ156aが降下することで、第3センサ156は用紙Pの存在によりONが維持される(図20(a))。
次に、可動トレイ132が下方への移動を開始する。このとき、可動トレイ132の移動開始後しばらくは用紙Pの後端が途中で滞留した状態が維持されるが(図20(b))、可動トレイ132上に積載されている用紙が少ないと、第1センサ152がONになるまでの可動トレイ132の移動量がある程度大きくなるため、可動トレイ132の移動中に用紙Pの後端が可動トレイ132の用紙載置面まで落下し、第3センサ156がOFFになる(図20(c))。第3センサ156がOFFになると、可動トレイ132の移動は上方に転じ、やがて第3センサ156がONになり、可動トレイ132の移動が停止する(図20(d))。このとき、第1センサ152はOFFのままであるため、用紙積載量判別部105は可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達していないと判別する。そうすると、さらに用紙Pを可動トレイ132上に積載するために、第3センサ156のプローブ156aがソレノイドにより上昇され(図21(a))、上述した動作が繰り返される。
その結果、可動トレイ132にある程度の用紙Pが積載された上にさらに用紙Pが排出され、その後端が落下せずに途中で滞留し、その上にプローブ156aが降下することで、第3センサ156のONが維持された状態となる(図21(b))。そして、可動トレイ132が下方への移動を開始するが、可動トレイ132上に積載されている用紙が多いと、第1センサ152がONになるまでの可動トレイ132の移動量が小さくなるため、用紙Pの後端が可動トレイ132の用紙載置面まで落下するまでに、第1センサ152がONになる。したがって、第3センサ156および第1センサ152がONになって可動トレイ132が停止する(図21(c))。用紙積載量判別部105は、この状態を検知して可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達したと判別する。
用紙積載量判別部105は可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達したと判別すると、複写機1の本体3に画像処理動作の停止を指示し、排紙ローラ138における用紙Pの排出動作を停止する。しかし、この状態では、可動トレイ132に積載された用紙Pが最大積載量に達していない。これは、可動トレイ132上に用紙Pが正常に積載されておらず、積載された用紙Pと用紙Pとの間に空間が存在し、積載不足状態になっているためである。
このように、特にカールした大サイズ紙を多数枚積載する場合には、用紙Pが可動トレイ132上に正常に積載されず、実際には最大積載量に達していないのに最大積載量に達したと誤って判別され、用紙Pの排出動作が停止するという不都合が起こる。その結果、複写機1に対して最大積載量以下の枚数の複写を指示したにもかかわらず、途中で複写動作が中断されてしまい、ユーザにとって不便になる。
なお、このような不都合はカールした大サイズ紙の場合に特に起こりやすいが、これ以外の場合にも起こり得る。大サイズ紙において上記のような不都合が起こりやすいのは、大サイズ紙の方が小サイズ紙より重量が大きいため、用紙Pの後端がフィニッシャ102の側壁102aに当接する当接圧が大きくなるためである。また、大サイズ紙の方が小サイズ紙より長さ(排紙ローラ138から排出される方向における長さ)が大きいため、撓み量が大きく可動トレイ132の移動による用紙Pの後端とフィニッシャ102の側壁102aとの当接状態が変化しにくい形状になっているからである。
そこで、本実施形態では、可動トレイ制御部104が可動トレイ132をさらに図22から図23に基づいて以下に説明するように制御し、それに基づいて用紙積載量判別部105が最大積載量に達したか否かを判別することで、上記不都合の回避を図る。
この制御では、上述した図21(b)の状態から可動トレイ132が下方に移動し、図21(c)のように第3センサ156および第1センサ152がONになっても可動トレイ132が停止せず、さらに移動を続ける(図22(a))。したがって可動トレイ132の移動量が十分確保されることになる。つまり、排紙ローラ138と可動トレイ132の用紙載置面との落差が十分大きくなるように可動トレイ132が移動する。これによって、用紙Pの後端の側壁102aへの当接状態を変化させ、用紙Pの後端がすでに可動トレイ132上に積載された用紙上に落下させることができる。その結果、第3センサ156がOFFになる(図22(b))。
第3センサ156がOFFになると、可動トレイ132の移動は上方に転じる。なお、第2センサ154がONになるまで可動トレイ132が下方に移動し、第2センサ154がONになってから可動トレイ132の移動が上方に転じてもよい。可動トレイ132が上方に移動すると、やがて第3センサ156がONになり、可動トレイ132の移動が停止する(図22(c))。このとき、第1センサ152はOFFのままであるため、用紙積載量判別部105は可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達していないと判別する。そうすると、さらに用紙Pを可動トレイ132上に積載するために、第3センサ156のプローブ156aがソレノイドにより上昇され(図22(d))、上述した動作が繰り返される(図23(a)から図23(d))。
その結果、最大積載量に相当する枚数の用紙Pの排出が可能になる。そして、最大積載量に相当する枚数の用紙Pの排出が完了し、第2センサ154がONになるまで、あるいは第3センサ156がOFFになるまで可動トレイ132が下方に移動した後、可動トレイ132が上方に移動し、第3センサ156がONになって可動トレイ132の移動が停止する。このとき、第1センサ152もONになる(図24)。このように、第3センサ156および第1センサ152がONになると、用紙積載量判別部105は可動トレイ132上の用紙Pが最大積載量に達したと判別する。
このような制御および判別をフローチャートに示すと図25から図28のようになる。なお、上述の説明は大サイズ紙のみに関するものであったが、図25から図28のフローチャートには小サイズ紙の場合も含めている。
以下の制御および判別は、フィニッシャ制御部103が行うものであり、特に可動トレイ132の移動制御は可動トレイ制御部104が、可動トレイ132に最大積載量の用紙が積載されたか否かの判別は用紙積載量判別部105が、用紙サイズの判別は用紙サイズ判別部106が行う。
複写機1の本体3から用紙排出動作開始の指示を受けると(ステップS1)、本体3から送られてくる用紙が大サイズ紙か小サイズ紙かを判別する(ステップS2)。大サイズ紙である場合、可動トレイ132の最大積載量の検知制御を大サイズ紙用に設定する(ステップS3)。
次に、可動トレイ132がホームポジションに位置しているか否かを確認するために第3センサ156の検知結果を確認し(ステップS4)、OFFであれば第3センサ156がONになるまで可動トレイ132を上方に移動させる(ステップS5)。さらに、第1センサ152の検知結果を確認し(ステップS6)、ONであれば可動トレイ132に最大積載量の用紙が積載されているものとみなして、ユーザに可動トレイ132上の用紙を取り除くように警告表示させるための信号を本体3に対して送る(ステップS7)。そして、可動トレイ132上の用紙が取り除かれたことを確認して(ステップS8)、上記ステップS4に戻る。
ステップS6において第1センサ152の検知結果がOFFであれば、本体3に対して用紙排出動作の準備ができたことを示す信号を送り(ステップS9)、本体3から送られてくる用紙の先端が用紙通過センサ158に達するのを待って(ステップS10)、第3センサ156のプローブ156aを退避させる(ステップS11)。その後、用紙が落下するのに必要な所定時間が経過するのを待って(ステップS12)、プローブ156aを降下させる(ステップS13)。このとき、第3センサ156はONとなっている。
次に、可動トレイ132を下方に所定距離だけ移動させ(ステップS14)、第3センサ156の検知結果を確認し(ステップS15)、OFFになっていれば第3センサ156がONになるまで可動トレイ132を上方に移動させる(ステップS16)。そして、第1センサ152の検知結果を確認し(ステップS17)、OFFである場合には可動トレイ132上の用紙が最大積載量に達していないと判別して上記ステップS10に戻る。ステップS17において第1センサ152がONである場合には、可動トレイ132上の用紙が最大積載量に達したと判別し、本体3に対して画像形成処理を停止させる旨の信号、およびユーザに可動トレイ132上の用紙を取り除くように警告表示させるための信号を送る(ステップS18)。
ステップS15において、第3センサ156がONであれば、さらに第1センサ152がONになるまで可動トレイ132を下方に移動させる(ステップS19、S20)。第1センサ152がONになると、第3センサ156の検知結果を確認し(ステップS21)、OFFになっていれば上記ステップS16に移る。
一方、ステップS21において第3センサ156がONであれば、さらに第2センサ154がONになるまで可動トレイ132を下方に移動させる(ステップS22、S23)。第2センサ154がONになると、第3センサ156の検知結果を確認し(ステップS24)、OFFになっていれば上記ステップS16に移る。ステップS24においても第3センサ156がONであれば、可動トレイ132上等において何らかのトラブルが発生していると判別し、本体3に対して画像形成処理を停止させる旨の信号、およびトラブル発生を警告表示させるための信号を送る(ステップS25)。
ステップS2において本体3から送られてくる用紙が小サイズ紙であると判別された場合、可動トレイ132の最大積載量の検知制御を小サイズ紙用に設定する(ステップS53)。以降のステップS54からステップS75までの処理は、基本的には上述したステップS4からステップS25までの処理と同様であるため、その説明は省略する。なお、ステップS4からステップS25において第1センサ152および第2センサ154の検知結果に基づいて行っていた制御および判別が、ステップS54からステップS75においてはそれぞれ第2センサ154および第4センサ160に基づいて行われる点が異なっている。
なお、大サイズ紙の場合のステップS22、S23、および小サイズ紙の場合のステップS72、S73では、それぞれ第2センサ154および第3センサ156がONとなるまで可動トレイ132を下方に移動させることになっているが、何れの場合も第3センサ156がOFFになるまで可動トレイ132を下方に移動させ、第3センサ156がOFFになるとそれぞれステップS16およびステップS66に移ってもよい。これにより最大積載量の判別処理までの時間を短縮することができる。
以上のように、可動トレイ制御部104は、排紙ローラ138から用紙が排出されると可動トレイ132を排紙ローラ138から離れる向き(下方)に移動させるとともに、第1センサ152が可動トレイ132の到達を検知した際に第3センサ156が用紙の最上面を検知している場合には、可動トレイ132をさらに同じ向き(下方)に移動させた後、排紙ローラ138に近づく向き(上方)に向きを変えて移動させる(第1の制御)。
これにより可動トレイの移動量をより大きくとることができ、より確実に用紙の端部を落下させることができるようになる。したがって、最大積載量の用紙が積載されているとの判別をより正確にすることができる。
なお、可動トレイ制御部104による上記第1の制御において可動トレイ132の移動の向きを変えた後、第3センサ156が用紙の最上面を検知した際に第1センサ152が可動トレイ132の到達を検知していれば、可動トレイ132に最大積載量の大サイズ紙が積載されていると用紙積載量判別部105が判別する。
可動トレイ制御部104は、上記第1の制御において、第2センサ154が可動トレイ132の到達を検知したときに可動トレイ132の移動の向きを変えるように制御することができる。
あるいは、可動トレイ制御部104は、上記第1の制御において、第3センサ156が用紙の最上面を検知しなくなったときに可動トレイ132の移動の向きを変えるように制御することもできる。可動トレイ132が排紙ローラ138から離れる向きに移動しているときに第3センサ156が用紙の最上面を検知しなくなると、滞留していた用紙の端部がその時点で落下したものと考えることができる。そこで、その時点で可動トレイ132の移動の向きを変えることで、より迅速に次の用紙の排出を待つ状態に移ることができる。
また、可動トレイ制御部104は、排紙ローラ138から用紙が排出されると可動トレイ132を排紙ローラ138から離れる向き(下方)に移動させるとともに、第2センサ152が可動トレイ132の到達を検知した際に第3センサ156が用紙の最上面を検知している場合には、可動トレイ132をさらに同じ向き(下方)に移動させた後、排紙ローラ138に近づく向き(上方)に向きを変えて移動させる(第2の制御)こともできる。
そして、可動トレイ制御部104は、排紙ローラ138から排出される用紙が大サイズ紙である場合には上記第1の制御を行い、小サイズ紙である場合には上記第2の制御を行う。排紙ローラ138から排出される用紙が大サイズ紙か小サイズ紙かの判別は、用紙サイズ判別部106が行う。この判別を行うために、複写機1で用いる用紙を大サイズ紙または小サイズ紙に予め分類しておけばよい。
これにより、大サイズ紙および小サイズ紙それぞれに別々の最大積載量を設定した場合に、何れのサイズの用紙に関してもより確実に用紙の端部を落下させることができるようになる。したがって、最大積載量の大サイズ紙または小サイズ紙が積載されているとの判別をより正確にすることができる。
このとき、用紙積載量判別部105は、用紙サイズ判別部106による判別結果が大サイズ紙である場合には、上記第1の制御において可動トレイ132の移動の向きを変えた後、第3センサ156が用紙の最上面を検知した際に第1センサ152が可動トレイ132の到達を検知していれば、可動トレイ132に最大積載量の大サイズ紙が積載されていると判別する。また、用紙積載量判別部105は、用紙サイズ判別部106による判別結果が小サイズ紙である場合には、上記第2の制御において可動トレイ132の移動の向きを変えた後、第3センサが用紙の最上面を検知した際に第2センサが可動トレイ132の到達を検知していれば、可動トレイ132に最大積載量の小サイズ紙が積載されていると判別する。
可動トレイ制御部104は、上記第2の制御において、可動トレイ132が移動範囲の端部(下限)に到達したとき、つまり第4センサ160が可動トレイ132の到達を検知したときに可動トレイ132の移動の向きを変えるように制御することができる。
あるいは、可動トレイ制御部104は、上記第2の制御において、第3センサ156が用紙の最上面を検知しなくなったときに可動トレイ132の移動の向きを変えるように制御することもできる。これにより、上述したようにより迅速に次の用紙の排出を待つ状態に移ることができる。
このように、上記の構成では、可動トレイ132上に積載されている用紙の量をより正確に判別できるように、可動トレイ132の位置を適格に把握して適切な動作制御を行うことが可能になる。
なお、本実施形態では用紙を大サイズ紙と小サイズ紙とに分類し、上記第1の制御および第2の制御に基づいてそれぞれの最大積載量を検知する場合について説明したが、特に用紙を分類せず、単に所定量の用紙が可動トレイ132上に積載されていることを検知する場合にも本発明は適用できる。この場合、第1の制御に基づいて所定量の用紙が可動トレイ132上に積載されていることを検知することができる。
また、用紙を3種類以上に分類し、種類ごとに最大積載量を検知してもよい。そのためには、第2センサ154と第4センサ160との間にさらにセンサを設け、そのセンサに基づく第3、第4…の制御を行えばよい。
フィニッシャ102の特徴点は、次のように言い表すこともできる。
すなわち、フィニッシャ102は、複写機1の本体3にて画像形成処理が施され、排出された用紙を積載するための可動トレイ132と、排出された用紙の収納量を検出するための複数の検知センサ(第1センサ152、第2センサ154、第3センサ156)とを有している。そして、フィニッシャ102は、各検知センサの検知結果(ON/OFF)に基づいて排出された用紙の最大積載量検知のための制御を行い、その制御を排出される用紙のサイズによって異ならせるという可動トレイ132の最大積載量検知方法を採用している。
フィニッシャ102は、上記複数の検知センサのうち、用紙排出口(排紙ローラ138)に最も近く、可動トレイ132の移動範囲における最も上方に配置される検知センサ(第3センサ156)を用紙上面検知用のセンサとし、可動トレイ132の移動範囲における中間部に配置される検知センサ(第1センサ152)を大サイズ紙排出時の最大積載量検知センサとし、可動トレイ132の移動範囲における下方に配置される検知センサ(第2センサ154)を小サイズ紙排出時の最大積載量検知センサとしている。
フィニッシャ102において、第3センサ156は、本体3から用紙が送られてくる直前まで可動トレイ132の用紙載置面、または可動トレイ132上に積載された用紙の最上面に当接したON状態にあり、用紙が排紙ローラ138を通過する際には可動トレイ132の用紙載置面、または可動トレイ132上に積載された用紙の最上面から離れたOFF状態にあり、用紙の排出が完了し用紙が落下するとその落下した用紙の上に当接してON状態になる。
フィニッシャ102において、大サイズ紙を排出する際には、用紙の排出動作が完了し、排出された用紙が落下した後、第3センサ156がOFFになるまで可動トレイ132を下方に移動させるが、その移動の最下方の位置は第2センサ154がONになる位置としている。また、可動トレイ132の下方への移動中に第3センサ156がONからOFFに変化すると、可動トレイ132の移動を中断し、第3センサ156がONになるまで上方に移動させてもよい。そして、可動トレイ132が上方へ移動することにより第3センサ156がONになり、そのとき第1センサ152もONになると、用紙積載量判別部105が最大積載量に達したと判別し、本体3に対して、画像形成処理を停止させる旨の信号、およびユーザに可動トレイ132上の用紙を取り除くように警告表示させるための信号を送る。
フィニッシャ102において、小サイズ紙を排出する際には、用紙の排出動作が完了し、排出された用紙が落下した後、第3センサ156がOFFになるまで可動トレイ132を下方に移動させるが、その移動の最下方の位置は第4センサ160がONになる位置としている。また、可動トレイ132の下方への移動中に第3センサ156がONからOFFに変化すると、可動トレイ132の移動を中断し、第3センサ156がONになるまで上方に移動させてもよい。そして、可動トレイ132が上方へ移動することにより第3センサ156がONになり、そのとき第1センサ152もONになると、用紙積載量判別部105が最大積載量に達したと判別し、本体3に対して、画像形成処理を停止させる旨の信号、およびユーザに可動トレイ132上の用紙を取り除くように警告表示させるための信号を送る。
これにより、フィニッシャ102では排出された用紙が可動トレイ132上に正常に積載されるようになり、より確実に最大積載量の用紙を積載することができるようになる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、用紙を受け入れてトレイ上に積み重ねるために、用紙を載置するトレイと、受け入れた用紙を上記トレイ側に排出する用紙排出部と、上記トレイの用紙載置面から上記用紙排出部までの高さを変化させるべく上記トレイを移動するトレイ移動部とを備えた用紙積載装置であって、上記の課題を解決するために、上記トレイの移動量を検知する移動量検知部と、上記トレイが移動範囲の端部に達したことを検知する限界検知センサと、上記トレイが移動範囲内の予め定められた位置を通過したことを検知する通過検知センサとを備え、上記限界検知センサにより上記トレイが移動範囲の端部に達したことが検知された場合、および上記通過検知センサにより上記トレイが移動範囲内の予め定められた位置を通過したことが検知されてから上記移動量検知部によって予め定められた距離だけ上記トレイが移動したことが検知された場合に、上記トレイ移動部による上記トレイの移動を停止することを特徴としている。
上記の構成では、限界検知センサおよび通過検知センサの検知に基づいて限界検知を行う。これにより、限界検知センサおよび通過検知センサの何れか一方が故障した場合でも、他方の検知に基づいてトレイを停止させることができるので、トレイが限界に達していることをより確実に検知して、トレイを停止することができ、トレイの暴走を防ぐことが可能になる。ここで、限界検知センサはトレイが移動範囲の端部に達したことを検知するものであるが、通過検知センサはトレイが移動可能な範囲内の予め定められた位置を通過したことを検知するものである。したがって、通過検知センサは、限界検知のみならずトレイが他の位置にあることを検知するセンサとしても利用することができる。これにより、1つのセンサに複数の機能をもたせ、センサの有効利用を図ることもできる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、用紙を受け入れてトレイ上に積み重ねるために、用紙を載置するトレイと、受け入れた用紙を上記トレイ側に排出する用紙排出部と、上記トレイの用紙載置面から上記用紙排出部までの高さを変化させるべく上記トレイを移動するトレイ移動部とを備えた用紙積載装置であって、上記の課題を解決するために、上記トレイの移動範囲に配置され、配置された位置に上記トレイが存在しているか否かを検知する存在検知センサを複数備え、上記複数の存在検知センサによる検知結果の組み合わせにより、上記トレイの移動範囲を複数の区域に区分した何れの区域に上記トレイが位置しているかが判別できるように、上記複数の存在検知センサが配置されていることを特徴としている。
上記の構成では、例えば装置に電源が投入された直後等において、この複数の存在検知センサによる検知結果の組み合わせにより、トレイがどの区域に位置しているかを即座に判別することができる。これにより、少ない移動量、かつ、短時間でトレイを所望する位置へ移動することができるようになる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記存在検知センサを備えた用紙積載装置において、さらに、上記トレイの移動量を検知する移動量検知部を備え、上記トレイを移動することにより上記複数の存在検知センサによる検知結果の何れかが変化したときの上記トレイの位置を基準位置に設定し、上記移動量検知部により検知される上記基準位置からの上記トレイの移動量に基づいて上記トレイの位置を認識可能であることが好ましい。
上記の構成では、トレイを限界位置まで移動させることなく、近くの存在検知センサによりトレイの位置決めを行うことができる。したがって、少ない移動量、かつ、短時間でトレイの位置決めを行うことができるようになる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記トレイの位置を認識可能である用紙積載装置において、さらに、上記基準位置、および上記用紙排出部から排出する用紙の状態に基づいて、上記用紙排出部から用紙が排出される際の上記トレイの位置が決定されることが好ましい。
上記の構成では、用紙の状態に適した位置でトレイが用紙を受けるように設定することができ、用紙のスタッキング性を向上させることができる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記トレイの位置を認識可能である用紙積載装置において、さらに、上記トレイを移動した際に、上記トレイ上に積み重ねられた用紙の上端が予め定めた位置に達したことを検知する用紙検知センサを備え、上記用紙検知センサが上記用紙の上端を検知したときの上記トレイの位置に基づいて、上記トレイに積み重ねられた用紙の枚数が推定されることが好ましい。
上記の構成では、トレイに積み重ねられた用紙の枚数(用紙の有無を含む)を推定することで、例えば最大積載量を越えてトレイ上に用紙が積み重ねられることを防ぐことが可能になる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、用紙を受け入れて順次積載する用紙積載装置であって、上記の課題を解決するために、受け入れた用紙を排出する用紙排出部と、上記用紙排出部から排出されて自重により落下した用紙を順次積載すべく、上記用紙排出部との落差調節のために移動可能な可動トレイと、上記可動トレイに積載された用紙の最上面が上記可動トレイの移動方向における予め定められた用紙上面基準位置に位置していることを検知する用紙上面検知部と、上記可動トレイに複数枚の用紙が正常に積載され、その積載厚みが予め定められた第1基準値となり、積載された用紙の最上面が上記用紙上面基準位置に位置した状態における上記可動トレイの位置を第1基準位置とすると、上記可動トレイが上記第1基準位置に達したことを検知する可動トレイ第1検知部と、上記用紙排出部から用紙が排出されると上記可動トレイを上記用紙排出部から離れる向きに移動させるとともに、上記可動トレイ第1検知部が上記可動トレイの到達を検知した際に上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知している場合には、上記可動トレイをさらに同じ向きに移動させた後、上記用紙排出部に近づく向きに向きを変えて移動させる第1の制御を行う可動トレイ制御部とを備えることを特徴としている。
上記の構成では、可動トレイ上に第1基準値に相当する用紙が積載されたことを判別することができる。すなわち、可動トレイに積載された用紙の最上面が用紙上面基準位置に位置していることを用紙上面検知部が検知し、かつ、可動トレイが可動トレイ第1基準位置に達していることを可動トレイ第1検知部が検知していると、可動トレイ上に第1基準値に相当する用紙が積載されていると判別することができる。
ただし、可動トレイ上に用紙が正常に積載されず、用紙と用紙との間に空間が介在するような場合には所望とする量の用紙が未だ積載されていないにも関わらず、可動トレイ上に第1基準値に相当する用紙が積載されていると判別してしまうことになる。このように用紙が正常に積載されないのは、特にカールした大サイズの用紙が排出された場合などにおいて用紙の後端が用紙積載装置の側壁等に当接し、落下せずにその位置に滞留することに起因する。このように用紙の端部が滞留した状態では、用紙上面検知部がその滞留した用紙を検知したままの状態となる。
可動トレイを用紙排出部から離れる向きに移動させると、上記滞留した用紙の端部が落下して可動トレイ上に正常に積載されることもあるが、可動トレイの移動量が小さいと滞留した用紙の端部が落下しないことが多い。したがって、単に可動トレイを用紙排出部から離れる向きに移動させ、可動トレイ第1検知部が可動トレイを検知した時点で用紙上面検知部が用紙を検知しておれば直ちに可動トレイ上に第1基準値に相当する用紙が積載されていると判別すると、可動トレイ上に用紙が正常に積載されていない状態での誤った判別をする可能性がある。
そこで、上記の構成では、用紙排出部から用紙が排出されると、可動トレイ制御部が、可動トレイを用紙排出部から離れる向きに移動させ、可動トレイ第1検知部が可動トレイの到達を検知した際になお用紙上面検知部が用紙の最上面を検知している場合には、可動トレイをさらに同じ向きに移動させる。これにより可動トレイの移動量をより大きくとることができ、より確実に用紙の端部を落下させることができるようになる。
その後、可動トレイ制御部が可動トレイを用紙排出部に近づく向きに向きを変えて移動させる。このときには、用紙が正常に積載された状態である可能性が高くなる。したがって、次に用紙上面検知部が用紙の最上面を検知し、その際に可動トレイ第1検知部が可動トレイの到達を検知しておれば、可動トレイ上に第1基準値に相当する用紙が積載されていると判別すればよい。これにより、第1基準値に相当する用紙が積載されているとの判別をより正確にすることができる。
このように、上記の構成では、可動トレイ上に積載されている用紙の量をより正確に判別できるように、可動トレイの位置を適格に把握して適切な動作制御を行うことが可能になる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部を備える用紙積載装置において、上記可動トレイ制御部による上記第1の制御において上記可動トレイの移動の向きを変えた後、上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知した際に上記可動トレイ第1検知部が上記可動トレイの到達を検知していれば、上記可動トレイに上記第1基準値に相当する用紙が積載されていると判別する用紙積載量判別部をさらに備えることが好ましい。この構成では、用紙積載量判別部により上述した正確な判別を実現することができる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部を備える用紙積載装置において、上記可動トレイに複数枚の用紙が正常に積載され、その積載厚みが上記第1基準値より大きい予め定められた第2基準値となり、積載された用紙の最上面が上記用紙上面基準位置に位置した状態における上記可動トレイの位置を第2基準位置とすると、上記可動トレイが上記第2基準位置に達したことを検知する可動トレイ第2検知部をさらに備え、上記可動トレイ制御部が、上記第1の制御において、上記可動トレイ第2検知部が上記可動トレイの到達を検知したときに上記可動トレイの移動の向きを変えるように制御してもよい。
あるいは、本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部を備える用紙積載装置において、上記可動トレイ制御部が、上記第1の制御において、上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知しなくなったときに上記可動トレイの移動の向きを変えるように制御してもよい。可動トレイが用紙排出部から離れる向きに移動しているときに用紙上面検知部が用紙の最上面を検知しなくなると、滞留していた用紙の端部がその時点で落下したものと考えることができる。そこで、上記の構成では、その時点で可動トレイの移動の向きを変えることで、より迅速に次の用紙の排出を待つ状態に移ることができる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部を備える用紙積載装置において、上記可動トレイに複数枚の用紙が正常に積載され、その積載厚みが上記第1基準値より大きい予め定められた第2基準値となり、積載された用紙の最上面が上記用紙上面基準位置に位置した状態における上記可動トレイの位置を第2基準位置とすると、上記可動トレイが上記第2基準位置に達したことを検知する可動トレイ第2検知部と、上記用紙排出部から排出される用紙が予め分類された大サイズ紙か小サイズ紙かを判別する用紙サイズ判別部とをさらに備え、上記可動トレイ制御部は、上記用紙サイズ判別部による判別結果が大サイズ紙である場合には上記第1の制御を行い、上記用紙サイズ判別部による判別結果が小サイズ紙である場合には、上記用紙排出部から用紙が排出されると上記可動トレイを上記用紙排出部から離れる向きに移動させるとともに、上記可動トレイ第2検知部が上記可動トレイの到達を検知した際に上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知している場合には、上記可動トレイをさらに同じ向きに移動させた後、上記用紙排出部に近づく向きに向きを変えて移動させる第2の制御を行うことが好ましい。
上記の構成では、大サイズ紙および小サイズ紙それぞれに基準値を設定し、各用紙が排出された場合に、その用紙の基準値に相当する用紙が積載されているとの判別を、上述のようにより正確にすることができる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部にて第1および第2の制御を行う用紙積載装置において、上記用紙サイズ判別部による判別結果が大サイズ紙である場合には、上記可動トレイ制御部による上記第1の制御において上記可動トレイの移動の向きを変えた後、上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知した際に上記可動トレイ第1検知部が上記可動トレイの到達を検知していれば、上記可動トレイに上記第1基準値に相当する用紙が積載されていると判別し、上記用紙サイズ判別部による判別結果が小サイズ紙である場合には、上記可動トレイ制御部による上記第2の制御において上記可動トレイの移動の向きを変えた後、上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知した際に上記可動トレイ第2検知部が上記可動トレイの到達を検知していれば、上記可動トレイに上記第2基準値に相当する用紙が積載されていると判別する用紙積載量判別部をさらに備えることが好ましい。この構成では、用紙積載量判別部により、大サイズ紙および小サイズ紙ごとに上述した正確な判別を実現することができる。
本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部にて第1および第2の制御を行う用紙積載装置において、上記可動トレイ制御部が、上記第2の制御において、上記可動トレイが移動範囲の端部に到達したときに上記可動トレイの移動の向きを変えるように制御してもよい。
あるいは、本実施形態に係る用紙積載装置は、上記可動トレイ制御部にて第1および第2の制御を行う用紙積載装置において、上記可動トレイ制御部が、上記第2の制御において、上記用紙上面検知部が用紙の最上面を検知しなくなったときに上記可動トレイの移動の向きを変えるように制御してもよい。これにより、上述のようにより迅速に次の用紙の排出を待つ状態に移ることができる。