JP2006272769A - 画像形成装置 - Google Patents

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真聡 日高
Takeshi Tamada
武司 玉田
Junichi Masuda
純一 舛田
Koji Obara
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Abstract

【課題】 非接触IC素子が装着されたシートに画像を形成すると共に非接触IC素子と通信が可能な画像形成装置において、コストを上げることなく画像を所定の領域に精度良く形成できる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 台紙203上に複数のラベル200が貼着されてなる連続紙2を搬送させて各ラベル200に画像を印刷する場合に、搬送中の連続紙2の搬送方向先端を検出すると共に非接触IC素子としての無線チップ201を検出し、その検出結果により連続紙2の先端から無線チップ201までの距離X3を算出する。算出されたX3と、予めラベル先端から無線チップ201までの距離として求められたX1との差をとってX2を求め、連続紙2の先端からX2だけ離れた位置をラベル先端(印刷開始予定位置)として画像形成を実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、記録シートに装着された非接触IC素子と無線通信可能であり、当該記録シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
近年、非接触IC素子が装着された、いわゆるRF−ID(Radio Frequency Identification)ラベルに画像を印刷すると共に無線通信で非接触IC素子に必要な電子情報を書き込み、または読み出す機能を有する画像形成装置が提案されている(特許文献1)。
このような画像形成装置では、通常、帯状の台紙上に同じ大きさの多数のラベルを搬送方向に所定間隔をおいて貼り付けたロール紙を記録ヘッドに向けて搬送し、各ラベルが記録ヘッドを通過する毎に当該ラベルに画像を印刷する構成がとられる。
この構成において画像をラベル上にずれなく印刷するには、台紙上のラベルの位置を正確に検出することが必要になる。上記特許文献1の画像形成装置では、ロール紙の搬送路を挟んで対向する位置にラベル先端を検出するためのセンサを配置し、ラベル先端を検出すると、当該検出位置から記録ヘッドまでの距離相当分だけロール紙を搬送させた後、印刷を開始する構成になっている。
特開2003−296669号公報
しかしながら、上記の画像形成装置のようにセンサを用いてラベルの先端を直接検出する構成では、使用するロール紙によっては誤検出され易いという問題がある。すなわち、ロール紙にはラベルの先端を判別し難いもの、例えば淡い色の台紙表面に白色のラベルが貼着されているものや全面がラベル紙からなり印刷予定領域を囲むように切り込みだけが入れられているものなどがあり、このようなロール紙を用いると誤検出され易く、ラベル上への画像の位置ずれが生じ易くなる。
また、ラベルの先端をセンサで直接検出する方法に代えて、例えば台紙上に予め基準マークを印刷しておき、ロール紙の搬送中に当該基準マークがセンサにより検出されるとその検出位置を基準に印刷開始位置を決めるといった構成をとることも可能であるが、基準マークが所定位置に印刷された専用のロール紙を使用しなければならず、コスト面で不利になる。
このような問題は、ロール紙に限られず、A4サイズのシート等に貼着されたラベルに印刷するといった場合にも生じる。さらに、ラベルに印刷する構成に限られず、シート上の所定の領域を検出し、検出された領域を画像形成領域として画像を印刷する構成をとる場合にも生じ得る。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、非接触IC素子が装着されたシートに画像を形成すると共に非接触IC素子と通信が可能な画像形成装置において、コストを上げることなく、シート上のラベル等の所定の領域に画像を精度良く形成できる画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、記録シートに装着された非接触IC素子と無線通信可能であり、当該記録シートを搬送しつつ所定の領域に画像を形成する画像形成装置であって、記録シート上における前記非接触IC素子と画像形成領域の位置関係を示す位置情報を取得する取得手段と、記録シートの搬送中に非接触IC素子と通信を行い、その結果に基づいて非接触IC素子の記録シート上における位置を検出する検出手段と、前記検出された非接触IC素子の位置と前記取得した位置情報とから記録シート上における画像形成領域の位置を決める決定手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記位置情報は、前記非接触IC素子と前記画像形成領域のシート搬送方向先端の位置とのシート搬送方向における間隔を示すものであり、前記決定手段は、前記検出された非接触IC素子の位置からシート搬送方向に前記間隔だけ離れた位置を前記画像形成領域のシート搬送方向における先端位置と決めることを特徴とする。
さらに、前記記録シートは、台紙上に、当該台紙から剥離可能であり前記非接触IC素子が配されている少なくとも1つのラベルが貼着されてなり、前記ラベルが前記画像形成領域であることを特徴とする。
また、前記台紙は、帯状であり、前記ラベルは、複数個がシート搬送方向に間隔をおいて配されていることを特徴とする。
さらに、前記検出手段による検出結果から、前記記録シートの搬送中に、シート搬送方向に隣り合う非接触IC素子同士のシート搬送方向における間隔を求める間隔算出手段と、前記算出された各間隔が一定していない場合にその旨の情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記検出手段による検出結果から、前記記録シートの搬送中に、シート搬送方向に隣り合う非接触IC素子同士のシート搬送方向における間隔を求める間隔算出手段と、前記算出された間隔に基づいて、形成されるべき画像のシート搬送方向における長さを調整する画像調整手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記検出手段による検出結果から、前記記録シートの搬送中に、シート搬送方向に隣り合う非接触IC素子同士のシート搬送方向における間隔を求める間隔算出手段と、前記算出された各間隔に基づいて、前記記録シートの搬送速度を調整する速度調整手段と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記1つのラベルには、複数個の非接触IC素子が配されており、前記位置情報は、前記複数の内の特定の非接触IC素子と前記画像形成領域との位置関係を示したものであり、前記検出手段は、前記特定の非接触IC素子の位置のみを検出することを特徴とする。
このようにすれば、例えばロール紙や連続紙上に貼着されたラベルを所定の領域として画像を形成する構成の場合に、当該ラベルを光電センサ等のセンサで直接検出する必要がなくなり、もって従来のような誤検出の発生を防止できる。また、非接触IC素子との通信を、もともと配されているリーダ/ライター等により行うことができるので、非接触IC素子の位置検出のために新たな部材を配置する必要がなくコスト面でも有利である。
以下、本発明に係る画像形成装置をプリンタに適用した場合の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、プリンタ1の全体構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタ1は、ネットワーク、ここではLANに接続され、外部端末(不図示)からの印刷指示を受けると、ミシン目210(図2)で折り畳まれた連続紙2を搬送して連続紙2上に貼着されたラベル200(図2)にカラー画像を形成する処理を実行することが可能な、いわゆる連続紙プリンタである。
プリンタ1は、主な構成要素として、給送部10、画像プロセス部20、搬送部30、定着部40および制御部100を備えている。
給送部10は、カセット11、トラクター12、シート先端検出センサ13および無線チップリーダー/ライター14等を有している。
カセット11は、連続紙2を収容する。
連続紙2は、図2に示すように、帯状の台紙203上に複数のラベル200、200・・・が用紙(シート)搬送方向に一定の間隔X6をおいて貼り付けられてなる。
ラベル200は、台紙203から剥離可能になっており、非接触IC素子としてのRF−ID素子(以下、「無線チップ」という。)201が埋め込まれている。
無線チップ201は、内部にコイルとICチップを有し、いわゆるリーダ/ライターから発せられる電波を受信して電磁誘導結合により無線通信を行うものである。無線チップとリーダ/ライターとの間の通信方式としては、国際標準規格としてのISO14443やISO15693等に規定されているものがあるが、この通信方式のみに限られるものではない。ここで、ラベル200に対する無線チップ201の位置は、どのラベル200も全て同じ関係にあるものとする。また、連続紙2には、各ページの区切りの位置にミシン目210が設けられている。なお、同図は、例えばユーザが先頭のページをミシン目210と異なる位置で切断したために1ページ目だけが本来のページ長さX6よりも短いX4になってしまった場合の例を示している。
図1に戻って、トラクター12は、矢印A方向に回転駆動されるベルト122、122と、各ベルト122の外表面に用紙搬送方向に所定ピッチで配された複数のトラクタピン121を備え、このトラクタピン121が用紙幅方向の両側端部に所定ピッチで穿設された送り穴204(図2)に係合されて移動することにより連続紙2を矢印A方向に給送させる。ここで、本実施の形態では、連続紙2は、搬送路9上を搬送される際に、ラベル200の貼着面側が同図左側に位置するようにトラクター12にセットされるようになっている。
シート先端検出センサ13は、透過型の光電センサであり、搬送路9上を搬送される連続紙2の先端を検出、具体的には連続紙2の先端が当該検出位置Uを通過したことを検出して、その検出信号を制御部100に送る。
無線チップリーダー/ライター14は、送受信用アンテナとコントロールICからなる公知の構成を有し、そのリーダー部は、連続紙2と共に搬送路9上を移動している無線チップ201と通信し、無線チップ201内に格納されている情報を読み出して、これを制御部100に送出し、ライター部は、制御部100からの指示を受けて必要な情報を無線チップ201に書き込む。なお、無線チップ201に格納される情報としては、例えばラベル200の貼着対象とされる商品等の情報が考えられる。
無線チップリーダー/ライター14は、短い周期で定期的にリクエスト信号を発している。このリクエスト信号は、無線チップ201が無線チップリーダー/ライター14の配設位置付近を通過する際にだけ通信可能になるようにその出力が設定されており、無線チップリーダー/ライター14は、無線チップ201が通信可能範囲内に入り、リクエスト信号に対する当該無線チップ201からの応答信号を受信する。
具体的には、図3に示すように、無線チップリーダー/ライター14が連続紙2上において無線チップ201と通信可能な範囲をHとすると、連続紙2の搬送中に、無線チップ201との通信を開始し、その開始時から連続紙2が距離(H/2)だけ進むのに必要な時間t1の経過時に、無線チップ201が搬送路9上の予め決められた位置(検出位置S。ここでは上記検出位置Uと同位置とする。)を通過したとして、そのことを示す信号を検出信号として制御部100に出力する。この時間t1は、後述のテストプリントにおいて予め求められて当該連続紙2に対応する値として保存される。
図1に戻って、画像プロセス部20は、公知の電子写真技術により連続紙2上のラベル200に画像を形成するものであって、イエロー色用の作像ユニット20Yと、マゼンタ色用の作像ユニット20Mと、シアン色用の作像ユニット20Cと、ブラック色用の作像ユニット20Kと、中間転写ベルト22および二次転写ローラ26等を備えている。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をそれぞれ「Y,M,C,K」と表す。
中間転写ベルト22は、駆動モータ(不図示)からの駆動力により回転する駆動ローラ23、従動ローラ24、25に張架され、矢印B方向に回転駆動される。
作像ユニット20Y〜20Kそれぞれは、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、一次転写ローラおよびクリーナなどを備えており、制御部100からの指示によりラベル200に形成すべき画像を作像する。すなわち、各感光体ドラムごとに、対応する色のトナー像を当該感光体ドラム表面に作像し、作像された各色のトナー像が中間転写ベルト22上に一次転写される。その際、各色の作像動作は、回転する中間転写ベルト22の同じ位置にそのトナー像が重ね合わせて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。また、中間転写ベルト22上のトナー像の搬送方向先端(トナー像先端)と、連続紙2上の各ラベル200の用紙搬送方向先端(ラベル先端)とが同時に二次転写位置Tに到達するように、ラベル200の移動タイミングに応じて実行される。このラベル先端とトナー像先端とを一致させる方法の詳細については、後述する。
中間転写ベルト22上のトナー像は、二次転写位置Tにおいて二次転写ローラ26の静電的作用により連続紙2のラベル200上に一括転写(二次転写)される。トナー像が二次転写されたラベル200は、搬送部30に送られる。
搬送部30は、搬送ベルト31および吸引ファン36等を備えている。搬送ベルト31は、不図示の駆動モータからの駆動力により回転する駆動ローラ32と従動ローラ33に張架され、矢印C方向に回転駆動されて、給送部10から二次転写ローラ26を介して搬送されて来るラベル200を定着部40に搬送する。
吸引ファン36、37は、搬送ベルト31側(同図左側)の空気を吸い込んでその反対側(同図右側)に排出し、その気流により、搬送ベルト31上の連続紙2を搬送ベルト31表面に密着した状態で搬送させる。搬送ベルト31の内側には、面状ヒータ38、39が設けられている。この面状ヒータ38、39は、搬送ベルト31を加熱して、定着部40による予熱の補助をするものである。
定着部40は、予熱器41とフラッシュ定着器42を備えている。予熱器41は、各ラベル200上に二次転写されたトナー像(未定着画像)を定着前に予熱するものであり、熱源としてハロゲンランプが用いられ、継続的にラベル200を照射して加熱を行う。
フラッシュ定着器42は、予熱後の各ラベル200にフラッシュランプによる閃光を当ててそのトナー像を定着させるフラッシュ式の定着器であり、ここではキセノンランプが使用されており、赤外線を含む光を発し、予熱により昇温されたトナー像を溶融させてラベル200に定着させる。定着部40を通過した連続紙2は、搬送ローラ対34、排出ローラ対35を介して装置外に排出され、排紙トレイ90に収容される。
装置上部のユーザが操作し易い位置には、操作パネル50が配置されている。操作パネル50は、液晶タッチパネルからなり、使用される連続紙2の幅やページ長さ等を含む用紙情報の入力画面やテストプリントを実行するための画面等を表示すると共にユーザからの入力や指示等を受付けて、受付けた情報を制御部100に送る。
図4は、制御部100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部100は、主な構成要素として、CPU101、通信インターフェース(I/F)部102、ROM103、RAM104および不揮発性メモリ105を備えている。
通信I/F部102は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM103は、給送部10による給送動作および作像ユニット20Y〜20Kにおける作像動作に関するプログラムなどを格納している。
CPU101は、ROM103から必要なプログラムを読み出して、給送動作等をタイミングを取りながら統一的に制御して円滑な画像形成動作を実行する。また、テストプリント処理を実行する。このテストプリント処理は、ユーザが過去に使用したことのない種類の連続紙を始めてプリンタ1にセットして使用する場合に、試験的に1枚のラベル上に画像を実際に印刷して画像がずれなく適正に印刷されるのかを確認するために実行されるものである。以下、テストプリントと実際の印刷を区別するために実際の印刷を「本印刷」ということにする。
RAM104は、揮発性のメモリであり、CPU101におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
不揮発性メモリ105には、用紙情報を格納する用紙情報テーブルが設けられている。
図5は、用紙情報テーブル1051の内容を例示した図である。
同図に示すように、用紙情報は、用紙ID、用紙幅、ページ長さ、重さ、基準値の各情報を含み、基準値以外の情報はユーザにより操作パネル50から設定入力される。
用紙IDは、使用される連続紙を識別するための番号であり、用紙幅は、図2の長さX7に相当し、ページ長さは、1ページ当たりの用紙搬送方向長さ、具体的には図2の長さX6に相当する。
基準値のX1は図2の距離X1に、t1は上記t1に相当し、本印刷において連続紙2上におけるラベル先端の位置を決めるために用いられ、テストプリントにおいてCPU101により決められて当該欄に書き込まれる。基準値X1、t1は、通常、連続紙の種類によって異なり、そのため本印刷前に予め設定されるようになっている。
図6は、テストプリントの内容を示すフローチャートである。このテストプリントは、ユーザからのテストプリントの実行指示、具体的には操作パネル50上のメニュー画面内のテストプリント実行ボタン(不図示)等が押下されたときに開始される。
同図に示すように、CPU101は、まず操作パネル50に用紙情報の入力受付画面(不図示)を表示させ、ユーザからの用紙情報の入力を受付ける(ステップS1)。ユーザは、当該入力受付画面から、新たに使用する連続紙の用紙ID、幅、ページ長さ、重さの情報をそれぞれ画面上のテンキー等をタッチすることにより入力できる。なお、用紙IDは、連続紙の種類を識別するためのものなので、任意の数値等とすることができる。また、用紙幅、ページ長さ、重さについては、その連続紙の仕様等に定められている値を入力すれば良い。また、実測値を入力するとしても良い。なお、新たに使用される連続紙は、ユーザにより、その先端が給送部10の検出位置Uよりも用紙搬送方向上流側の位置G(図1)に位置するようにセットされる。以下、この位置を「セット位置」という。
CPU101は、受付けた用紙ID、用紙幅等の情報を不揮発性メモリ105の用紙情報テーブル1051の対応する格納領域に書き込む(登録する)(ステップS2)。
そして、ラベルに形成されるべき画像の画像情報を取得する(ステップS3)。例えば、外部端末からLANを介して画像情報を受信したり、またプリンタ1に備えられているスロット(不図示)に画像情報が格納されている記録媒体が装着されたときに当該記録媒体から画像情報を読み出して取得する等としても良い。
画像情報を取得すると、連続紙2を搬送し、無線チップ201の検出位置通過時の特定(検出時の特定)を行う(ステップS4)。具体的には、連続紙2の搬送中に、連続紙2の1ページ目のラベル200に埋め込まれた無線チップ201について、通信不可の状態から可能に移行した時点から、通信可能の状態から不可に移行した時点までの経過時間(図3のHの範囲に相当)を「2」で除算した値を時間t1として算出する。
CPU101は、無線チップ201との通信が可能になった時点から時間t1の経過時を無線チップ201が検出位置S(U)を通過した時とみなす。換言すれば、当該時間t1経過時に無線チップ201が位置Sに位置していることが判り、この意味で、制御部100は、当該処理を実行する場合に、無線チップ201の連続紙2上における位置を検出(連続紙2上のどの部分に無線チップが装着されているのかを検出)する検出手段として機能するものといえる。時間t1の算出後、連続紙2を逆向きに搬送させて元のセット位置まで戻す処理が実行される。
無線チップの検出位置通過時の特定を終えると、ユーザに対し、連続紙2の先端からラベル先端までの距離(図2のX2に相当)の入力を受付ける距離入力画面(不図示)を操作パネル50に表示させ、ユーザからの当該距離X2の入力を受付ける(ステップS5)。ユーザは、距離X2の大体の値を計測等により入力できる。なお、用紙幅方向におけるラベルの位置(画像形成領域)は、外部端末からの画像情報の取得の際に当該端末のアプリケーションやドライバ等から指定されたり、操作パネル50からユーザにより指定される等によりプリンタ1に設定されているものとする。
そして、距離X2が入力されると、連続紙の第nページ、ここではn=1として、1ページ目の先端から用紙搬送方向の逆方向に距離X2だけ離れた位置を印刷開始予定位置として、1ページ目のラベル200に対するテストプリントを実行する(ステップS6)。
具体的には、用紙搬送速度をV、検出位置U(S)から二次転写位置Tまでの搬送路9上の距離をL(図3)としたとき、連続紙2の先端が検出位置Uを通過(先端を検出)してから連続紙2上の印刷開始予定位置が二次転写位置Tに達するまでの時間t2を次の(式1)から求める。
t2={(L+X2)/V}・・・(式1)
時間t2は、連続紙2の印刷開始予定位置が連続紙の先端検出から二次転写位置Tに達するまでに要する時間であるから、連続紙の先端検出から時間t2経過時に中間転写ベルト23上のトナー像の先端が二次転写位置Tに達するように作像ユニット20Y〜20Kにおける作像動作を制御すれば、ラベル先端とトナー像先端とが同時に二次転写位置Tに到達することになり、トナー像をラベル先端からずれることなく二次転写できることになる。なお、上記距離L、用紙搬送速度V等の装置固有値および上記の式1(後述する別の式を含む)のデータは、予めROM103に格納されているものとする。
1枚のラベル200へのテストプリント終了後、連続紙2の1ページ目が排出ローラ対35から装置外に排出される状態になるまで連続紙2を搬送させて停止させる(ステップS7)。
ユーザは、排出されたラベル200を見て印刷の状態を確認することができる。ユーザは、ラベル200上に画像が適正に印刷されていると判断すると、操作パネル50上の終了ボタン(不図示)を押下すれば良い。逆に、画像がラベル200上の適正な位置に印刷されていない、すなわち用紙搬送方向にずれていると判断すると、別のラベル200に再度プリントを行うべく操作パネル50上の継続ボタン(不図示)を押下すれば良い。
いずれかのボタンが押下されると、連続紙2を逆向きに搬送させて元のセット位置まで戻す(ステップS8)。ここで、継続ボタンが押下されたことを判断すると(ステップS9で「NO」)、上記変数nの現在の値に「1」をインクリメント、ここではn=2として(ステップS10)、連続紙をページ長さ、すなわち距離X6だけ搬送させて(ステップS11)、ステップS5に戻る。これにより、連続紙2は、先端から距離X6だけ離れた位置(具体的には、図2の位置α)が、搬送路9上において、給送部10の位置Gと同位置に位置した状態で停止していることになる。
ユーザは、ステップS5の距離入力画面において、テストプリントでの画像のずれがなくなるように距離X2の値を入力し直すことができる。具体的には、例えばラベル200に対し画像が用紙搬送方向に進んでいる場合には、作像タイミングを遅らせるべく入力値を前回の値よりも大きくする。逆に画像が遅れている場合には、入力値を小さくする。
ステップS6では、連続紙2の、位置Gと同じ位置に位置している部分(図2のα)を、第nページ(ここでは2ページ)目の先端位置とみなして、当該先端位置から、新たに入力された距離X2だけ用紙搬送方向の逆方向に離れた位置を印刷開始位置として、2ページ目のラベル200に対するテストプリントを実行する。
そして、ステップS7では、当該2ページ目が装置外に排出されるまで連続紙2を搬送させる。これにより、ユーザは、再度印刷の状態を確認することができる。
ステップS8では、ユーザによる上記終了または継続ボタンの押下により、連続紙2を再度逆向きに搬送させて第nページ、ここでは2ページ目を元の位置に戻す。具体的には、連続紙の2ページ目の先端とみなされた位置(図2のα)が給送部10の位置Gに位置するまで連続紙2を逆方向に搬送させる。ユーザによりラベル200上への画像の印刷が適正であると判断されるまで、ステップS5〜S11の処理が繰り返し実行される。これにより、画像の印刷が適正であると判断された時点では、連続紙2において第nページの先端とみなされた位置が給送部10の位置Gに位置している状態になる。以下、説明を判り易くするため、変数nの値を「1」とした場合を例にして説明する。
ユーザにより操作パネル50上の終了ボタンが押下されたことを判断すると(ステップS9で「YES」)、連続紙2を用紙搬送方向に所定距離、例えば1ページ目の後端が二次転写位置Tを越える程度の位置に来るまで搬送させる(ステップS12)。
その搬送中に連続紙の1ページ目について、その先端からチップ配置位置までの距離(図2のX3に相当)を算出する(ステップS13)。
具体的には、シート先端検出センサ13により連続紙2の先端が検出位置Uを通過したことが検出されてから計時を開始し、無線チップリーダー/ライター14により1ページ目の無線チップ201が検出位置S(位置U)を通過したことが検出されるまでの時間をt3としたとき、距離X3=V×t3・・・(式2)とするものである。無線チップ201が検出位置S(位置U)を通過したことの検出は、上記t1の値に基づいて行われる。なお、上記では、位置SとUを同じ位置とした場合の例を説明したが、例えば位置Sが位置Uに対し用紙搬送方向下流側に距離lだけ離れた位置にあるとした場合には、次の(式3)で表すことができる。
X3=(V×t3)−l・・・(式3)
そして、算出された距離X3と、ステップS5で受付けた距離X2との差分、すなわちX3−X2(図2の距離X1に相当)を求める(ステップS14)。距離X2とX3それぞれは、n=1の場合、連続紙先端を基準(同じ位置を基準)とした値なので、X1とは、1ページ目においてラベル200の先端と無線チップ201との用紙搬送方向における間隔に相当し、その意味でシート上における無線チップと画像形成領域との位置関係を示す位置情報ととらえることができる。
なお、変数nの値が、例えば2になった場合には、ステップS13において、2ページ目について、その先端とみなされた位置からチップ配置位置までの距離(図2のX31に相当)が算出されることになる。この場合、上記計時の開始は、連続紙2の搬送により、連続紙2上の当該先端とみなされた位置αが検出位置Uを通過したときに行われることになる。この通過の判断は、例えば位置GからUまでの搬送路9における距離が判っているので、その距離と搬送速度とから上記通過に要する時間を予め決めておき、その時間を内部タイマーで計測することで行うことができる。
ステップS14では、算出された距離X31を上記X3に置き換えて、距離X1に相当する値を求める。n=2の場合も、新たに入力されたX2と算出されたX31は、連続紙2の2ページ目の先端とみなされた位置αを基準にした値ということになるので、ここで算出されるX1の相当値も、n=1の場合と同じ意味を有するものといえる。このことは、nの値が3以上になった場合も同様である。
なお、上記ステップS5〜S11では、画像がラベル上の適正な位置に印刷されるまで、テストプリントを1、2・・nページの順に進める方法を説明したが、上記X1を求めることができる方法であれば上記の方法に限られない。
例えば、1ページのラベル200へのテストプリントが終了する毎に、ユーザが連続紙2をトラクタ12から解除してテストプリント済みの先頭ページをミシン目210に沿って切り取り、次ページを新たな先頭ページとしてトラクタ12にセットし、当該新たな先頭ページにテストプリントを実行させる方法とすることも可能である。この場合、テストプリントで画像が印刷されるのは、いつも連続紙2の先頭の1ページ目ということになるので、上記ステップS6〜S8のnの値が「1」に固定され、ステップS10、S11の処理が不要になる。また、ステップS5〜S9の処理が繰り返し実行される場合には、1枚のラベルへのテストプリントが実行される毎に、上記したようにユーザが連続紙2を一旦トラクタ12から外し、テストプリント済みのページを切り取った上で、次ページを新たな先頭ページとしてトラクタ12にセットし直す処理を実行するようにすれば実現できる。
ステップS15では、距離X1、時間t1のデータを当該連続紙2の用紙IDに対応する基準値として不揮発性メモリ105に格納(登録)し、具体的には図5に示すテーブル1051の用紙IDに対応する基準値欄に書き込む。そして、その後に、連続紙2をさらに逆向きに搬送させてセット位置まで戻し、当該処理を終了する。
なお、操作パネル50のメニュー画面には、用紙情報の表示、修正等のための用紙情報表示ボタン(不図示)が設けられており、CPU101は、ユーザにより当該ボタンが押下されると不揮発性メモリ105から用紙情報を読み出してその内容を操作パネル50上に用紙情報表示画面として表示させる。ユーザは、当該画面を見ることで現に登録されている用紙ID等の情報を確認できると共に必要に応じて修正等を行うことができる。
図7は、本印刷の処理内容を示すフローチャートである。
この本印刷の処理は、ユーザからの本印刷の実行指示、具体的には操作パネル50上のメニュー画面内の本印刷実行ボタン(不図示)等が押下されたときに開始される。なお、テストプリント時に使用された連続紙と同じ仕様(台紙203の幅、1ページ当たりの長さ、貼り付けられているラベルの大きさ、無線チップの位置等が全て同じ)ものが使用され、ユーザにより予めセット位置にセットされているものとする。また、ユーザは、当該連続紙2の用紙ID、例えば「1」を上記用紙情報表示画面で確認等することにより知っているものとする。
同図に示すように、CPU101は、まず使用される連続紙に対応する用紙IDの指定を受付ける受付画面(不図示)を操作パネル50上に表示させ、本印刷用として現にセットされている連続紙の用紙ID(例えば「1」)の、ユーザからの指定を受付ける(ステップS21)。CPU101は、不揮発性メモリ105に格納されている用紙情報を参照し、指定された用紙IDが登録されていれば、当該用紙IDに対応する幅、基準値等の情報からどの種類の連続紙が現在セットされているのかを判断することができる。
次に、連続紙2をセット位置から用紙搬送方向に搬送させ(ステップS22)、その搬送中に連続紙先端から無線チップ201までの距離X3´(上記X3に相当)を算出する(ステップS23)。ここでテストプリントで算出されたX3の値を用いずに新たに距離X3´を算出するのは次の理由による。すなわち、セットされている連続紙2は、テストプリントと同じ仕様のもの(用紙IDが同じもの)であり、幅、ページ長さ、ラベル等については実質同じといえる。ところが、図2に示すように連続紙2の先頭ページは、必ずしもミシン目210の位置で切り取られているとは限らず、先頭ページについては切り取り位置によってテストプリントで算出された距離X3とその値が変わっている可能性がある。そこで、本印刷の開始前に現在の連続紙2に対するX3の値をX3´として算出し、算出されたX3´を用いて上記X2を求めるようにしているものである。
距離X3´の算出方法は、基本的に上記ステップS13と同じであるが、無線チップ201が検出位置Sを通過したことの検出については、不揮発性メモリ105に格納されている、指定された用紙IDに対応する基準値t1の値が読み出され、読み出されたt1の値に基づいて行われる。なお、上記ステップS13において(式2)の代わりに(式3)が用いられる場合には、ステップS23でも同じ(式3)が用いられることになる。
CPU101は、続いて基準値X1の値を読み出し、読み出したX1の値と算出された距離X3´の値との差分X2´(図2のX2に相当)をとる、すなわちX2´=(X3´−X1)を求める(ステップS24)。
この距離X2´は、実質、連続紙先端からラベル先端位置までの距離に相当するから、連続紙2の先端を検出できれば、連続紙2上において、その先端から用紙搬送方向の逆方向に距離X2´だけ離れた位置を1ページ目の印刷開始予定位置と決めることが可能になる。この意味で、制御部100は、当該処理を実行する場合に、記録シート上における印刷開始予定位置(画像形成領域の位置)を決める決定手段として機能するものといえる。
距離X2´を求めると、連続紙2を停止させ、用紙搬送方向と逆方向に搬送させて元のセット位置まで戻す(ステップS25)。
そして、本印刷用の画像情報を取得する(ステップS26)。この画像情報の取得は、例えば上記ステップS3と同様の方法が用いられる。
画像情報を取得すると、連続紙2を用紙搬送方向に搬送させ(ステップS27)、連続紙先端から用紙搬送方向の逆方向に距離X2´だけ離れた位置が印刷開始予定位置になるように画像形成動作を実行する(ステップS28)。この方法は、基本的に上記ステップS5の処理と同様である。すなわち、上記(式1)において距離X2をX2´に置き換えて、t2´=(L+X2´)/Vとして、連続紙2の先端検出から時間t2´の経過時に、中間転写ベルト23上のトナー像の先端が二次転写位置Tに達するように作像ユニット20Y〜20Kにおける作像タイミングが制御される。
1ページ目のラベルへの画像形成が終了すると、ユーザから指示された枚数のラベルへの画像形成が全て行われたか否かを判断する(ステップS29)。
ここで、指示された枚数に達していないと判断すると(ステップS29で「NO」)、指定された用紙IDに対応するページ長さX6の値を不揮発性メモリ105に格納されている用紙情報から読み出し、連続紙2上において前ページ(1ページ目)のラベル先端位置から用紙搬送方向の逆方向に距離X6だけ離れた位置を次ページ(2ページ目)のラベル先端位置(図2の位置Eに相当)として画像形成を実行する(ステップS30)。
指示された枚数に達したことを判断するまで、ステップS29、S30の処理を繰り返し行う。例えば、3ページ目のラベルに画像を形成する場合には、連続紙2上において2ページ目のラベル先端位置から距離X6だけ離れた位置が3ページ目のラベル先端位置(図2の位置Fに相当)とされる。すなわち、2ページ目以降は、連続紙2上において1ページ目のラベル先端位置から用紙搬送方向の逆方向に距離X6の間隔をおいた位置をそれぞれラベル先端位置として画像形成が実行される。
指示された枚数に達したことを判断すると(ステップS29で「YES」)、本印刷を終了する。
このように本実施の形態では、ラベル200に埋め込まれた無線チップ201との通信結果に基づき当該ラベル200の用紙搬送方向先端の位置を特定する構成にしたので、従来のようにラベル先端を直接光電センサで検出する必要がなくなり、光電センサによる誤検出を防止できる。また、もともと配置されている無線チップリーダー/ライター14を利用するので、新たな部材を必要とせずコスト面で有利である。
また、テストプリント処理においてX1の値が1度算出されれば、プリンタ1はいつでも当該X1の値および上記の各式を用いて、連続紙2上のラベル201の先端位置を印刷開始位置として決めることができるので、ユーザにとって見れば、例えば後日、同じ種類(仕様)の連続紙を用いて画像形成を行う場合、用紙IDをプリント開始前に操作パネル50から入力するだけで済み、操作性が大変向上する。また、例えば図2のように連続紙2の先頭ページが本来のミシン目210の位置で切り取られていない場合であっても(ミシン目210に合わせて切り取られていればX2は本来X5と同じ長さになるはずである。)、ユーザは、その値X2をいちいちプリンタ1に設定し直す等といった操作を一切行う必要がなく手間を省略することが可能になり大変便宜である。
なお、上記では間隔X1等を距離を用いて求める場合の例を説明したが、例えばX3を連続紙先端検出時と無線チップ検出時の時間間隔、X2を連続紙がその先端からラベル先端までの距離を進むのに要する時間を表す値とすることで、X1等を時間でとらえることもできる。このことは後述の無線チップ同士の間隔についても同様である。
また、連続紙上における無線チップの位置を検出(特定)できれば良いので、上記のように時間t1を用いる方法に限られず、例えば通信不可の状態から可能になった時点を無線チップ201の検出時とみなす方法をとるとしても良い。この場合、当該検出時に無線チップ201が位置Sに位置しているとみなされることになるが、上記ステップS4、13、23等において無線チップの検出方法を同じとすれば同条件でX1等を求めることが可能である。
さらに、上記では、テストプリントと本印刷を別々に行う方法の場合の例を説明したが、例えばテストプリントの後に続いて本印刷を行う方法をとることも可能である。この場合、例えば、その指示がユーザにより操作パネル50から行われると、制御部100は、図6のテストプリント処理が終了した時点の変数nの値に対応するページ、例えばn=1であれば、先頭の1ページ目のラベル201に対しステップS13、S14においてX3、X1の算出処理が実行されたことが判るので、図7の本印刷では、ステップS22以降において、第(n+1)ページ目、例えばn=1の場合では、2ページ目を先頭ページとみなして本印刷の各処理を実行するようにすれば実現できる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、本印刷において連続紙2の先端と無線チップ201の検出結果に基づき距離X3´を算出し、算出された距離X3´と予め登録されている距離X1との差分X2´を算出し、連続紙2上においてその先端からX2´だけ離れた位置を印刷開始予定位置とするとしたが、本実施の形態では、距離X2´、X3´を求めずに無線チップの検出だけを行うとしており、その点で第1の実施の形態と異なっている。以下、説明の都合上、第1の実施の形態と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
図8は、本実施の形態の本印刷の処理内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、CPU101は、連続紙2に対応する用紙IDの、ユーザからの指定を受付ける(ステップS51)。このステップS51の処理は、上記ステップS21と同じである。
次に、本印刷用の画像情報を取得すると(ステップS52)、連続紙2をセット位置から用紙搬送方向に搬送させる(ステップS53)。このステップS52、53の処理は、上記ステップS26、27と同じである。
そして、連続紙2の1ページ目のラベル200に埋め込まれている無線チップ201が検出位置S(U)を通過したことが検出されると(ステップS54)、当該検出時から当該ラベル200の先端が二次転写位置Tに到達すると想定される時間t4を算出する(ステップS55)。
具体的には、無線チップ201が位置Sを通過したことの検出は、ステップS4(S13)と同様の方法により行われ、無線チップ201が搬送路9上において検出位置Sに位置したとき、ラベル先端は、検出位置Sから用紙搬送方向に距離X1だけ離れた位置に位置していることになるので、検出位置Sから二次転写位置Tまでの距離をLとすると、ラベル先端位置から二次転写位置Tまでの距離は、(L−X1)ということになり、時間t4は、次の(式4)により求めることができる。
t4=(L−X1)/V・・・(式4)
そして、無線チップ検出時から時間t4が経過する時点において中間転写ベルト23上のトナー像先端が二次転写位置Tに到達するように作像ユニット20Y〜20Kにおける作像動作を制御する(ステップS56)。
1ページ目のラベル200の先端は、無線チップ201の検出位置Sの通過時からt4経過後に二次転写位置Tに到達するはずであるから、ステップS56のように作像動作を制御すれば、ラベル先端とトナー像先端とが同時に二次転写位置Tに到達してトナー像がラベル先端からずれることなく転写されることになる。この意味で、制御部100は、ステップS54等の処理を実行する場合に、搬送中の記録シート上における無線チップの位置を検出する検出手段として機能し、ステップS55等の処理を実行する場合に、記録シート上における画像形成領域の位置を決める決定手段として機能するものといえる。
1ページ目のラベルへの画像形成が終了すると、ユーザから指示された枚数のラベルへの画像形成が全て行われたか否かを判断する(ステップS57)。
ここで、指示された枚数に達していないと判断すると(ステップS57で「NO」)、ステップS54に戻り、1ページ目のラベルへの画像形成と同様の処理を行って、2ページ目のラベル200に対する画像形成動作を実行する。
ユーザから指示された枚数のラベルへの画像形成が全て行われるまで、ステップS54〜S57の処理を繰り返し行い、指示された枚数に達したことを判断すると(ステップS57で「YES」)、本印刷を終了する。
このように本実施の形態では、各ページごとに無線チップ201との通信結果により各ページのラベル先端位置を決めるので、距離X2´とX3´を算出しない分だけCPU101の処理負担を軽減できる。また、仮に連続紙2として各ラベルの用紙搬送(長手)方向における間隔(図2のX6に相当)がページ毎に異なるものが使用される場合でも、各ラベル200について、ラベル200と無線チップ201との位置関係が同じ、すなわちラベル先端から無線チップまでの距離がX1になる位置関係を有していれば、各ラベルに画像をずれなく形成することが可能である。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、連続紙2の1ページ内に1枚のラベルが配置されている例を説明したが、本実施の形態では、図9に示す連続紙3のように1ページ内に2枚のラベル301、302が配置されており、この点が異なっている。
図10は、本実施の形態のテストプリントの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず用紙情報の入力を受付ける(ステップS601)。この処理は、上記ステップS1と基本的に同じであるが、ここでは用紙情報として用紙ID、幅、ページ長さ等に加えて、連続紙3が1ページ内に2枚のラベルが配されているものであることを示す情報、および各ページについて位置関係が同じとなるラベル同士の間隔(図9においてラベル301の場合ではX14、ラベル302の場合ではX15に相当)のユーザからの入力を受付けるようにしており、その点が異なっている。CPU101は、このステップS601の用紙情報の入力受付けにより、当該連続紙3が1ページ内に2枚のラベルが配され、一方のラベル301が間隔X14、他方のラベル302が間隔X15をおいて台紙303上に配されていることが判る。
ステップS602〜S604の処理は、上記ステップS2〜S4と同じである。
ステップS605では、連続紙3の先端からラベル先端までの距離X2とX12(図9)のユーザからの入力を受付け、ステップS606では、1ページ目について、距離X2に応じて画像をラベル301に形成し、距離X12に応じて画像をラベル302に形成するテストプリントを行う。ラベル301へのテストプリントについては、上記ステップS6の処理と同じ方法が用いられ、ラベル302へのテストプリントについては、ステップS6で距離X2をX12に置き換えて印刷開始予定位置を決める方法が用いられる。
ステップS607〜S612の処理は、上記ステップS7〜S12と同じである。
ステップS613では、nページ目についてその先端からチップ検出位置までの距離(例えば、n=1の場合、図9のX3とX13に相当)を求める。距離X3については、上記ステップS13の処理と同じ方法が用いられ、距離X13については、ステップS13で距離X3をX13に置き換えると共に検出対象の無線チップを当該ページの先頭から2つ目のものとする方法が用いられる。
ステップS614では、チップ検出位置からラベル先端までの距離X1とX11を算出する。距離X1については、上記ステップS14の処理と同じ、すなわちX3からX2を差し引く方法がとられる。距離X11については、X13からX12を差し引く方法がとられる。そして、ステップS615では、算出された距離X1とX11およびt1のデータを対応付けて不揮発性メモリ105に格納する。以上の処理により距離X1とX11の値を得ることができる。
図11は、本実施の形態の本印刷の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず用紙IDの入力を受付け(ステップS701)、連続紙3を搬送させる(ステップS702)。各処理は、上記ステップS21、S22と同じである。
ステップS703では、1ページ目について、距離X3´とX13´を算出する。距離X3´の算出方法は、上記ステップS23の処理による方法と同じであり、距離X13´の算出方法は、ステップS23で距離X3´をX13´に置き換えると共に検出対象の無線チップを先頭から2つ目のものとする方法が用いられる。
ステップS704では、距離X2´とX12´を算出する。距離X2´については、上記ステップS24の処理と同じ方法が用いられる。距離X12´については、基準値X11の値が読み出され、読み出されたX11の値と算出されたX13´の値との差分をとる、すなわちX12´=(X13´−X11)・・・(式5)により求める。
ステップS705〜S707の処理は、上記ステップS25〜S27と同じである。
ステップS708では、1ページ目について、連続紙3の先端から距離X2´だけ離れた位置をラベル301に対する印刷開始予定位置、連続紙3の先端から距離X12´だけ離れた位置をラベル302に対する印刷開始予定位置として各ラベル301、302への画像形成を実行する。ラベル301への画像形成については、上記ステップS28の処理と同じ方法により実行される。ラベル302への画像形成については、ステップS28で距離X2´をX12´に置き換える方法がとられる。
ステップS709では、ユーザによる指定枚数に達したか否かを判断し、まだ達していないことを判断すると(ステップS709で「NO」)、ステップS710に移る。
ステップS710では、2ページ目のラベル301、302に対し画像形成を行うべく、1ページ目のラベル301の先端位置から距離X14(図9)の位置を2ページ目のラベル301の印刷開始予定位置とし、1ページ目のラベル302の先端位置から距離X15(図9)の位置を2ページ目のラベル302の印刷開始予定位置として、画像形成が実行されるように作像タイミングを制御する。
以上説明したように、本実施の形態の方法を用いれば、1ページ内に2つのラベルが配されている連続紙3についても各ラベル301、302に画像をずれることなくプリントすることが可能になる。なお、1ページ内のラベル数は、2つに限られず、3以上であっても良い。各ラベルについて、上記X2´、X12´に相当する値を求めるとすれば実現できる。また、第2の実施の形態の構成をとる場合には、各ラベルについてX1、X11に相当する値を求めておけば実現できる。
(第4の実施の形態)
上記第3の実施の形態では、連続紙の1ページ内に複数のラベルが配されている場合の例を説明したが、本実施の形態では、図12に示す連続紙4のように、1ページ内に1つのラベル401が配されているだけであるが、当該ラベル401に無線チップ201が複数、同図の例では2つが埋め込まれており、この点が上記実施の形態と異なっている。
本実施の形態では、用紙情報として、図13に示すように無線チップ201の個数を示す情報が含まれるようになっており、テストプリント処理の用紙情報の入力受付け(ステップS1の処理に相当)の際にユーザにより当該個数を受付けて、その個数が不揮発性メモリ105に格納されるようになっている。CPU101は、当該個数欄を参照することにより、1ページ内の無線チップの個数を知ることができ、例えば2個以上であることが判ると、連続紙4の先端から1つ目の無線チップ201を検出対象とし、2つ目のものを検出対象から外すことで距離X2´等を求める。なお、2ページ目以降については、前ページのラベル401の先端からラベルの貼り付け間隔(1ページ長さ)X41だけ離れた位置を各ページのラベル401の先端位置(印刷開始予定位置)として画像形成を実行する。
このように本実施の形態の方法を用いれば、1つのラベル401内に複数の無線チップが配されている連続紙についても各ラベルに画像をずれることなく画像形成を実行することが可能になる。
なお、第2の実施の形態による方法を用いる場合には、例えば図12のX1の距離を予め求めておけば、各ページについて、1つ目の無線チップ201を検出対象とし(2つ目の無線チップ201を検出対象から外して)印刷開始予定位置を決めることができる。逆に、図12のX42の距離を予め求めておけば、2つ目の無線チップ201を検出対象とし(1つ目の無線チップ201を検出対象から外して)印刷開始予定位置を決めることができる。
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、連続紙の搬送中に用紙搬送方向における隣り合う無線チップ同士の間隔を求め、求めた間隔が予め登録されている値と異なっている場合には、指定された用紙IDの連続紙がセットされていないと判断し、その旨をユーザに知らせる処理(用紙適正判断処理)を実行する。
図14は、用紙適正判断処理の内容を示すフローチャートであり、この処理は、本印刷の処理に並行して実行される。
同図に示すように、CPU101は、連続紙2の搬送中に無線チップ201の間隔Zを求める(ステップS81)。例えば、図2の連続紙2の場合、1ページ目の無線チップ201を検出してから2ページ目の無線チップ201を検出するまでの経過時間をt71して、求めた経過時間t71に用紙搬送速度Vを乗算することで無線チップの間隔Z1(=t71×V)を求める。この意味で、制御部100は、当該処理を実行する場合に、隣り合う無線チップ同士の間隔を求める間隔算出手段として機能するものといえる。
そして、間隔Z1の値が用紙情報として登録されているページ長(図5において用紙IDが「1」の例の場合、8.5インチ)と一致しているか否かを判断する(ステップS82)。ここで、間隔Z1がページ長さと一致しているか否かを判断するのは、図2の例の場合、ページ長さとラベルの貼り付け間隔とが共にX6であると共にラベル200と無線チップ201の相対位置関係がどのラベルでも同じであるという前提から、当該連続紙2が正規のものである場合には無線チップの間隔Zは、ページ長さX6と一致しているとみなすことができるからである。なお、ページ長さを判断基準にする構成に限られず、例えば無線チップ201の正規の間隔そのものの値を用紙情報として予め登録しておく構成をとることもできる。
ページ長さと一致していると判断すると(ステップS82で「YES」)、ステップS81に戻り、次に2ページ目の無線チップ201を検出してから3ページ目の無線チップ201を検出するまでの経過時間t72を求め、求めたt72に用紙搬送速度Vを乗算して2ページ目における無線チップの間隔Z2(=t72×V)を求める、そして、ステップS82において間隔Z2がページ長と一致しているか否かを判断する。
各ページについて上記一致の成否を判断し、一致していないことが判断されると(ステップS82で「NO」)、セットされている連続紙が正規のものでないことを示すメッセージを操作パネル50に表示させて(ステップS83)、プリントを停止して(ステップS84)、当該用紙適正判断処理を終了する。
プリント停止の場合、ユーザにより正規の連続紙がセットし直されるか、または現にセットされている連続紙に応じて用紙情報が変更されると本印刷が再開され、その再開によって用紙適正判断処理も再開されることになる。
このように構成すれば、例えばユーザが自身の指定した用紙IDとは異なる種類の連続紙を誤ってセットしたとしても直ぐにプリント動作が停止されるので、画像がずれてプリントされていることをユーザが気付くまでに既に多数枚のラベルへの画像形成動作が終わってしまい、全てが無駄になるといったことを防止できるという効果を奏する。
上記では連続紙が正規のものでないことを示すメッセージを表示させるとしたが、ユーザに知らせることができるものであれば、その出力形態は表示に限られず、例えば音声等を出力するとしても良い。
なお、用紙適正判断処理は、図9に示す連続紙3が使用される場合でも実行できる。例えば、間隔X14を正規の無線チップの間隔とし、各ページの1つ目の無線チップ201、201・・を検出対象とすることを予め登録しておけば、算出された間隔ZがX14と一致しているか否かを判断することで正規のものか否かを判断できる。また、本印刷中に限られず、例えばテストプリント中に実行するようにしても良い。
(第6の実施の形態)
本実施の形態では、用紙情報として予め登録されたページ長さと、算出された無線チップの間隔との大小関係から画像の搬送方向長さを調整する調整処理を実行する。
具体的には、図15(a)に示すように、1ページに1つのラベル601が配されている連続紙6において、無線チップの間隔をZ、指定された用紙IDに対応するページ長さとして登録されている値をYとしたとき、Z=Yであれば上記第5の実施の形態で説明したように、正規の用紙がセットされているとみなすことができる。ここで、無線チップの間隔Zは、例えば第5の実施の形態におけるステップS81の算出方法と同じ方法を用いて算出される。
一方、図15(b)に示すように、Z>Yの場合、実際にセットされている連続紙6は、指定された用紙IDに対応するページ長さYよりも長いものということになるから、その場合には各ページについてその差分、すなわち(Z−Y)だけ用紙搬送方向上流側(後端側)に余白が形成されるように作像動作を実行すれば画像をずれることなくラベル602上に形成することができる。
逆に、図15(c)に示すように、Z<Yの場合、実際にセットされている連続紙6は、ページ長さYよりも短いものということになり、1ページ内に画像が収まらない場合が生じる。このような場合、その差分、すなわち(Y−Z)だけ画像の後端側がカットされるように作像動作を実行すれば、ページ毎に画像をずれることなくラベル603上に形成することが可能になる。
図16は、本実施の形態の調整処理の内容を示すフローチャートであり、当該調整処理は、本印刷に並行して実行される。
同図に示すように、不揮発性メモリ105に格納されている用紙情報を参照して、指定された用紙IDに対応する連続紙の1ページ当たりのページ長さYの値を読み出す(ステップS91)。
そして、1ページ目と2ページ目に対する無線チップの間隔Zを算出し(ステップS92)、YとZの大小関係を求める(ステップS93)。
ここで、Z=Y(図15(a))と判断すると(ステップS93で「YES」)、通常の画像形成動作を実行して(ステップS94)、当該処理を終了する。
一方、Z>Y(図15(b))と判断すると(ステップS93で「NO」、S95で「YES」)、各ページについて、その後端に(Z−Y)相当分の余白が形成されるように作像動作タイミングを制御して画像形成を実行する(ステップS96)。
また、Z<Y(図15(c))と判断すると(ステップS95で「NO」)、各ページについて、1ページ内に収まらないと想定される(Y−Z)相当分の後端側の部分領域をカット、具体的には全体の画像情報の内、当該部分領域に相当する情報を破棄した情報を、形成されるべき画像情報として用いて画像形成を実行し(ステップS97)、当該調整処理を終了する。この意味で、制御部100は、当該処理を実行する場合に、隣り合う無線チップ同士の間隔に基づいて、形成されるべき画像のシート搬送方向における長さを調整する画像調整手段として機能するものといえる。
なお、図15(c)の例の場合には、形成されるべき本来の画像の一部がカットされることになるので、ステップS95で「NO」と判断された場合、誤った種類の用紙がセットされており、このまま実行すると画像の一部がカットされる旨のメッセージを操作パネル50に表示させ、ユーザからこのまま実行することの指示があった場合にのみ、ステップS97の処理を実行する構成をとるとしても良い。
(第7の実施の形態)
上記実施の形態では、連続紙として用紙の幅方向の両側端部に送り穴204が穿設されたものを用いるとしたが、本実施の形態では、図17に示すように送り穴に相当するものが設けられていない台紙上に、無線チップ201の埋め込まれたラベル701が配されたロール紙7を使用するとしており、この点が異なっている。なお、本実施の形態のプリンタは、第1の実施の形態のプリンタ1と基本的に同じ構成であるが、トラクタ12の代わりにローラ対(またはベルト)が配されており、当該ローラ対等の回動によりロール紙7が搬送されると共に、排出トレイ90に代わりに巻き取りローラが配され、当該巻取りローラの回動により画像形成中にロール紙が巻き取られる構成になっているものとする。
第1の実施の形態のようにトラクタ12を用いる構成では、トラクタピン121が送り穴204に係合されながら連続紙2が搬送されるため、連続紙2がトラクタ12に対しすべるといったことがほとんど起らず搬送速度を一定に維持し易い。ところが、本実施の形態のように巻取りローラにより巻取る構成の場合、ロール紙7の巻取り始めから終わりまでの間に巻取り時の負荷が変化して、例えば巻取り始めには負荷が大きく実際の搬送速度が本来の速度よりも遅くなったり(図17(b))、逆に巻取り終わりころには負荷が小さくなって、ロール紙7に作用する巻取りローラによる引っ張り力が大きくなって実際の搬送速度が本来の速度よりも速くなる(図17(c))といったことが生じ易い。また、このような搬送速度の変化は、例えば搬送用のローラ表面への紙粉等の付着による摩擦力の変化によっても生じ得る。
そこで、本実施の形態では、上記のような事情を考慮して、連続紙7の搬送中に無線チップ201の間隔Z1、Z2・・・を算出し、算出された間隔が図17(a)に示すように一定の場合には現在の用紙搬送速度を維持し、図17(b)や図17(c)に示すように一定でなくなった場合には一定になるように制御するようにしている。
図18は、本実施の形態の搬送速度制御の内容を示すフローチャートである。この処理は、本印刷と並行して実行される。
同図に示すように、CPU101は、無線チップの間隔Z1、Z2・・・を順次求める(ステップS101)。ここで、Z1は、1ページ目の無線チップ702と2ページ目の無線チップ702の間隔、Z2は、2ページ目の無線チップ702と3ページ目の無線チップ702の間隔とする。当該間隔は、上記ステップS81等と同じ方法により求められる。Z3以降についても同様に用紙搬送方向に隣り合う無線チップ同士の間隔とする。求められたZ1等の値はRAM104に一時格納される。
そして、ZiとZ(i+1)が等しいか否かを判断する(ステップS102)。このiは変数であり、正の整数とする。ここでは、まずi=1として、Z1とZ2が等しいか否かを判断する。
Z1とZ2が等しいことを判断すると(ステップS102で「YES」)、現在の用紙搬送速度が一定であるとして、ステップS103に移る。
一方、Z1とZ2が等しくなく、Z1<Z2であることを判断すると(ステップS102で「NO」、S104で「YES」)、連続紙7の実際の搬送速度が遅くなっているとして、用紙搬送速度Vを上げる、具体的には搬送用のローラ等を回転駆動する駆動モータ等の回転速度を所定の量だけ速くする処理を実行し(ステップS105)、ステップS103に移る。その際、Z1とZ2の差から、Z1を求めた時点での用紙搬送速度に対し現在どれだけ遅くなっているのかを求め、求めた分だけ現在の速度よりも速くする方法をとることもできる。また、本来の用紙搬送速度Vに対する遅れ分を求めるとしても良い。
逆に、Z1>Z2であることを判断すると(ステップS104で「NO」)、連続紙7の実際の用紙搬送速度が速くなっているとして、ローラ等の回転速度を所定の量だけ遅くする等の動作を行って用紙搬送速度を下げる処理を実行し(ステップS106)、ステップS103に移る。
ステップS103では、現在の変数iの値に「1」をインクリメント、ここでは「2」に設定してステップS102に戻る。ステップS102では、変数iの値が「2」なので、間隔Z2とZ3が等しいか否かが判断される。
Z2とZ3が等しい場合には、Z1とZ2の場合と同様にステップS103に移る。この場合は、現在の用紙搬送速度がそのまま維持される。一方、Z2<Z3と判断すると、用紙搬送速度を上げる処理が実行され(ステップS105)、Z2>Z3と判断すると、下げる処理が実行される(ステップS106)。当該搬送速度制御処理は、連続紙7が搬送されている間を通して実行され、これにより搬送速度制御しない場合に用紙搬送速度が徐々に変化して行き、形成画像がラベル701からずれてしまうといったことを防止できる。この意味で、制御部100は、当該処理を実行する場合、隣り合う無線チップ同士の間隔に基づいて用紙搬送速度を調整する速度調整手段として機能するものといえる。
本実施の形態のように無線チップの間隔を一定として用紙搬送速度を制御するという方法は、ロール紙を用いる場合に限られず、例えば第1の実施の形態のトラクタ12を用いて連続紙を搬送する構成等にも適用可能である。トラクタ12を用いる構成の場合には、トラクタ12を回転駆動する駆動モータの回転速度等が調整される。
なお、上記では、間隔ZをZ1、Z2・・・と順次求めるとしたが、例えば所定ページ毎や一定時間毎に間隔Zを求める方法をとることもできる。また、求めた間隔Zとページ長さX6とから用紙搬送速度を求め、求めた速度が予め定められた値でない場合に速度調整を行うとしても良い。
(第8の実施の形態)
上記実施の形態では、連続紙やロール紙等の長尺紙を用いるとしたが、本実施の形態では、図19に示すように、A4サイズ等の定型の大きさにカットされた普通紙(以下、「カット紙」という。)5を用いるとしており、この点が上記実施の形態と異なっている。
カット紙5は、台紙502上に1枚のラベル501が配されてなり、ラベル501に無線チップ201が埋め込まれたものである。なお、カット紙5をカセット等から給送して画像をプリントする構成は、公知であるので、ここではその説明を省略するが、連続紙を搬送する構成と同様に、搬送路上にシート先端検出センサ13、無線チップリーダー/ライター14等が配置され、搬送中のカット紙5の先端、無線チップ201を検出できると共に上記テストプリントや本印刷の処理と同様の処理を実行できる構成になっていれば良い。また、カット紙の仕様に応じてそのカット紙に対する用紙情報として、用紙ID、用紙サイズ(A4、A3等)、重さ等の情報がユーザにより予め登録される点についても連続紙の場合と同様に実行できるようにされる。
テストプリント等において画像形成済みのラベルを元の位置に戻す処理(例えばステップS8、S25等)については、本実施の形態では、装置外に一旦排出されたカット紙5をユーザが再度カセット等にセットして、セットされた当該カット紙5を再度給送させることにより実行される。
図19に示すカット紙5を用いる場合、第1の実施の形態の連続紙を用いる方法と同様に、(a)テストプリント処理においてラベル先端から無線チップまでの距離X1を予め求めておき、(b)本印刷において距離X3´を求め、X3´からX1を差し引いた値X2´を算出し、カット紙先端から距離X2´だけ離れた位置を用紙搬送方向におけるラベル先端位置(印刷開始予定位置)とし画像形成を実行するとすれば、画像をずれることなくラベル501上に形成することが可能になる。なお、距離X1が予め判っていれば、第2の実施の形態による方法を用いて、カット紙5上におけるラベル501の先端位置を決めることもできる。このように本発明は、連続紙、ロール紙を使用する場合に限られず、カット紙を用いる場合にも適用可能である。
なお、本発明は、画像形成装置に限られず、シート上の、所定の画像形成領域の位置を決める方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。また、所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1の実施の形態では、連続紙2の用紙搬送速度をテストプリントと本印刷において一定とした場合の例を説明したが、例えば無線チップ201の検出時、具体的にはステップS4、S13、S23において通常の用紙搬送速度Vよりも遅い速度で連続紙2を搬送させる構成をとるとしても良い。連続紙2を遅い速度で搬送させればそれだけ無線チップリーダー/ライター14から短周期で発せられるリクエスト信号に対する無線チップ201からの応答信号の回数が増えて無線チップ201の検出をより精度良く行うことが可能になる。この場合、ステップS4、S13、S23において無線チップの検出を同一条件で行うためには、各ステップでの連続紙2の用紙搬送速度が同速とされることが望ましい。
(2)上記実施の形態では、画像形成領域と無線チップの位置関係を示す位置情報として、テストプリント時に算出された距離X1を用いるとしたが、当該位置関係を示すものであればX1に限られることはない。例えば、無線チップとラベル後端(画像形成領域のシート搬送方向後端)位置との間隔xを位置情報とすることもできる。この場合、無線チップの位置から距離xだけ用紙搬送方向上流側の位置がラベル後端になるので、ラベルの用紙搬送方向長さからxを差し引いた値だけ無線チップの位置からシート搬送方向下流側の位置をラベル先端位置と決めることができる。また、例えば無線チップとラベル中点(画像形成領域のシート搬送方向中央)の位置との間隔を位置情報とすることもできる。さらにシート上のいずれかの位置を基準位置としてその基準位置からの画像形成領域と無線チップの各距離を位置情報とすることも可能である。すなわち、無線チップの位置から画像形成領域の位置を決定できるものであれば特に限定されることはなく、また位置関係を相対位置や絶対位置で現すとしても良い。
さらに、上記では位置情報としてのX1のデータを不揮発性メモリ105に格納しておき、本印刷時にこれを読み出すとしたが、位置情報を取得する方法は、これに限られない。例えば、連続紙2上の無線チップ201に当該X1のデータを予め書き込んでおき、本印刷時に当該連続紙2の搬送中に当該無線チップ201からX1の値を読み出したり、ユーザにより操作パネル50から入力された値を受付けて、これを取得とする構成をとることも可能である。
(3)上記実施の形態では、連続紙やカット紙上のラベルを印刷対象とした場合の例を説明したが、印刷対象はラベルに限られず、シート上の所定の部分領域とすることができる。例えば、無線チップ201が装着されているカット紙上の特定の部分領域に画像を形成する構成に適用することが可能である。この場合でも上記同様に、無線チップと画像形成領域との位置関係を示す位置情報を取得することで所定の部分領域としての画像形成領域の位置を決めることができる。また、シート上における無線チップ201の装着位置が画像形成領域に限られることはない。例えば、無線チップ201が画像形成領域以外の位置に装着されるシートを用いることもできる。
(4)また、画像形成の方式は、シート上に画像を形成するものであれば電子写真方式に限定されず、他の方式、例えばインクジェット方式に適用することもできる。さらに、カラー画像に限られずモノクロの画像を形成する構成に適用しても良い。また、画像形成装置としては、無線チップが装着されている用紙等の記録シートに画像形成が可能なものであればプリンタに限られず、複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、非接触IC素子が装着されたシートに画像を形成すると共に非接触IC素子と通信が可能な画像形成装置において、当該シートの所定の部分領域に画像を精度良く形成する技術として有用である。
第1の実施の形態のプリンタ1の全体構成を示す図である。 プリンタ1で使用される連続紙2の構成例を示す図である。 プリンタ1の無線チップリーダー/ライター14が、連続紙2上の無線チップ201と通信できる範囲を模式的に示した図である。 プリンタ1の制御部100の構成を示すブロック図である。 制御部100の不揮発性メモリ105内に設けられた用紙情報テーブル1051の内容を例示した図である。 制御部100が実行するテストプリントの内容を示すフローチャートである。 制御部100が実行する本印刷の処理内容を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における本印刷の処理内容を示すフローチャートである。 第3の実施の形態で使用される連続紙3の構成例を示す図である。 第3の実施の形態のテストプリントの内容を示すフローチャートである。 第3の実施の形態の本印刷の内容を示すフローチャートである。 第4の実施の形態で使用される連続紙4の構成例を示す図である。 第4の実施の形態の用紙情報の例を示す図である。 第5の実施の形態において実行される用紙適正判断処理の内容を示すフローチャートである。 第6の実施の形態において画像の位置調整が行われた場合の例を示す模式図である。 第6の実施の形態の画像調整処理の内容を示すフローチャートである。 第7の実施の形態において使用されるロール紙7の構成例を示す図である。 第7の実施の形態の搬送速度制御の内容を示すフローチャートである。 第8の実施の形態で使用されるカット紙5の構成例を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ
2、3、4、6、7 連続紙
5 カット紙
10 給送部
13 シート先端検出センサ
14 無線チップリーダー/ライター
20 画像形成部
100 制御部
200、301、401、501、601、602、603、701 ラベル
201 無線チップ
203、303、502 台紙

Claims (8)

  1. 記録シートに装着された非接触IC素子と無線通信可能であり、当該記録シートを搬送しつつ所定の領域に画像を形成する画像形成装置であって、
    記録シート上における前記非接触IC素子と画像形成領域の位置関係を示す位置情報を取得する取得手段と、
    記録シートの搬送中に非接触IC素子と通信を行い、その結果に基づいて非接触IC素子の記録シート上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出された非接触IC素子の位置と前記取得した位置情報とから記録シート上における画像形成領域の位置を決める決定手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記位置情報は、前記非接触IC素子と前記画像形成領域のシート搬送方向先端の位置とのシート搬送方向における間隔を示すものであり、
    前記決定手段は、前記検出された非接触IC素子の位置からシート搬送方向に前記間隔だけ離れた位置を前記画像形成領域のシート搬送方向における先端位置と決めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記記録シートは、台紙上に、当該台紙から剥離可能であり前記非接触IC素子が配されている少なくとも1つのラベルが貼着されてなり、前記ラベルが前記画像形成領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記台紙は、帯状であり、前記ラベルは、複数個がシート搬送方向に間隔をおいて配されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記検出手段による検出結果から、前記記録シートの搬送中に、シート搬送方向に隣り合う非接触IC素子同士のシート搬送方向における間隔を求める間隔算出手段と、
    前記算出された各間隔が一定していない場合にその旨の情報を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記検出手段による検出結果から、前記記録シートの搬送中に、シート搬送方向に隣り合う非接触IC素子同士のシート搬送方向における間隔を求める間隔算出手段と、
    前記算出された間隔に基づいて、形成されるべき画像のシート搬送方向における長さを調整する画像調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記検出手段による検出結果から、前記記録シートの搬送中に、シート搬送方向に隣り合う非接触IC素子同士のシート搬送方向における間隔を求める間隔算出手段と、
    前記算出された各間隔に基づいて、前記記録シートの搬送速度を調整する速度調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記1つのラベルには、複数個の非接触IC素子が配されており、
    前記位置情報は、前記複数の内の特定の非接触IC素子と前記画像形成領域との位置関係を示したものであり、
    前記検出手段は、前記特定の非接触IC素子の位置のみを検出することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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