JP2006272302A - 有機化合物の断熱冷却式晶析方法及び装置 - Google Patents

有機化合物の断熱冷却式晶析方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転及び設備費を低減できる有機化合物の断熱冷却式晶析方法及び装置を提供する。
【解決手段】結晶槽20において冷媒を含む対象の有機化合の混合溶液に対して、冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、蒸発ベーパーは圧縮機30により前記結晶槽20の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器10に導き、前記吸収凝縮器10において、前記有機化合物の溶解液と加圧された前記蒸発ベーパーとを接触させながら冷却して凝縮を図る。この凝縮液を蒸発缶50を通して最終的に前記結晶槽20に導く。蒸発缶50においては、あらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、蒸発ベーパーは前記圧縮機30により前記結晶槽の操作圧力以上に加圧して、前記結晶槽20からの蒸発ベーパーと共に前記吸収凝縮器10に導く。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機化合物の断熱冷却式晶析方法及び装置に関する。特に、パラキシレンの結晶体を得るに適した方法及び装置に係るものである。
ある種の異性体混合物の分離・精製は、混合物を構成する成分の沸点が近接しているために、蒸留操作では困難である。しかし、分子構造の相違により融点は大きく相違する場合が多いために、晶析操作による分離が有効であることが多い。
共晶2成分系や共晶多成分系に第3成分として溶剤(抽剤、付加剤)を加えた抽出晶析や付加化合物晶析があるが、溶剤の回収に難がある。
その点、冷媒として、液化ガス成分を使用する場合には、その回収が容易であるので有効な方法である。
本発明者は、石油化学の工業プロセスにおける典型的なp-キシレン製造における原料である混合キシレン(m−キシレン+o−キシレン+エチルベンゼン+p-キシレン系)や異性化反応後の混合キシレン(m−キシレン+o−キシレン+p-キシレン系)などの共晶多成分系に冷媒として、プロパン(またはプロピレン、エチレン、炭酸ガス、アンモニアなど)を使用して晶析操作を行うことが有効であることを知見した。
この場合、ジャケット式晶析槽で晶析操作を行うことも可能ではあるものの、前記の共晶多成分系におけるp-キシレンは−30℃〜−60℃程度に冷却して晶析する必要があり、このために、晶析槽を冷却面掻取り機構付きとし、ジャケットからの冷媒をコンプレッサーで圧縮し、たとえば20気圧の高圧下で凝縮させ、これをジャケットに循環させる冷媒系が必要となる。
これでは、コンプレッサーの動力費が嵩むだけでなく、晶析槽を複雑で度々のメンテナンスが必要な冷却面掻取り機構を装備させなければならないので、設備コスト及びメンテナンスコストが嵩む。
そこで、ヒートポンプを利用する形態も考えられるが(特許文献1)、ヒートポンプを構成する装置コストと必ずしも見合うシステムとは言い難い。
特開平4―327542号公報
したがって、本発明の主たる課題は、運転費(メンテナンス費も含む)及び設備費を低減できる有機化合物の断熱冷却式晶析方法及び装置を提供することにある。
他の課題は、p-キシレンの晶析に適した方法及び装置を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
結晶槽において冷媒を含む対象の有機化合物の混合溶液に対して、冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、
この操作により生成した結晶スラリーは前記結晶槽から抜き出し、
蒸発ベーパーは圧縮機により前記結晶槽の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器に導き、
前記吸収凝縮器において、前記有機化合物の混合溶液と加圧された前記蒸発ベーパーとを接触させながら冷却して凝縮を図り、
この凝縮液を最終的に前記結晶槽に導くとともに、
前記凝縮液を前記結晶槽に導く前に設置した蒸発缶において、あらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、前記蒸発缶における蒸発ベーパーは前記圧縮機により前記結晶槽の操作圧力以上に加圧して、前記結晶槽からの蒸発ベーパーと共に前記吸収凝縮器に導く、
ことを特徴とする有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
(作用効果)
結晶槽において冷媒を含む対象の有機化合物の混合溶液に対して、冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行うと、実質的には冷媒液成分だけの蒸発に伴い結晶化熱が奪い取られ、結晶が析出する。蒸発ベーパーは圧縮機により前記結晶槽の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器に導き凝縮を図る。蒸発ベーパーを圧縮機により結晶槽の操作圧力以上に加圧する理由は、一般の冷凍サイクルのように凝縮のための温度差を圧縮機により加圧により確保するためである。吸収凝縮器においては、蒸気圧が低い有機化合物の混合溶液と接触するので、沸点上昇が生じ、吸収、凝縮できる温度が高まる。したがって、必要な加圧の度合いが小さくて足り、凝縮に必要な外部からの投入エネルギーが小さいもので足りる。
吸収凝縮器での凝縮液は前記結晶槽に導くことで、連続的に晶析操作が可能である。p-キシレンの晶析を例に採ると、冷媒としてプロパンを使用し、結晶槽では、たとえば常圧であり、吸収凝縮器では圧縮機による加圧によりたとえば8気圧程度である。
結晶槽で生成した結晶スラリーは抜き出し、固液分離手段により結晶分と母液とに分離し、結晶分はそのまま、必要により精製手段により精製し純度を高めて、製品化する。
かかる操作によれば、結晶槽を耐圧容器とすることなく晶析操作が可能である。そして、最低限には圧縮機と吸収凝縮器とで足りるので、先行技術のような高価なヒートポンプ設備構成とする必要がないことも相俟って、システム全体及び運転コストの点で経済的である。
他方、本発明では、凝縮液を結晶槽に導く前に設置した蒸発缶において、あらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、蒸発缶における蒸発ベーパーは圧縮機により結晶槽の操作圧力以上に加圧して、結晶槽からの蒸発ベーパーと共に吸収凝縮器に導くものである。
前述の構成では、圧縮機により加圧された吸収凝縮液が結晶槽に導かれることになる。そこで、この吸収凝縮器での凝縮液を直接結晶槽へ導くと、結晶槽に導入した時点で、大きな圧力低下によって激しい発泡と同時に晶析が直ちに生じ、大きな結晶を得難い。晶析分離プロセスに於いては、製造した結晶粒の大きさが最後の製品の高純度生成において、大きなメリットを生む。この現象は、吸収凝縮器での凝縮液の温度と結晶が生じる温度との温度差、吸収凝縮器での凝縮液中の冷媒濃度と結晶が生じる結晶槽中における冷媒濃度との濃度差も影響していることが知見されている。
結晶槽中では、結晶槽内全体の結晶を含む母液が、可能な限り均一な過飽和の状態にあり、下部から上部に良く循環されているのが望ましい。したがって、圧縮機により加圧された凝縮液が直接、結晶槽に導かれ、直ちに蒸発が起こると供給液だけが激しく冷却される現象が生じるので、これをできるだけ少なくし、既に結晶槽に内在する母液と速やかに混合することが大きな結晶を得るために望ましい。そこで、前記凝縮液を前記結晶槽に導く前に、蒸発缶においてあらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行うことが、大きな結晶を得る上で望ましく、上記の阻害要因(圧力差、温度差、冷媒濃度差)を排除できる。この方法は、先行(断熱自己)蒸発(プレフラッシュ)とも言うべき技術である。また、かかる方法によれば、予め蒸発缶において、冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行うので、結晶槽での蒸発の負荷を減らすことができ、装置をコンパクトに設計でき、設備費の低減に繋がるとともに、結晶缶内における急激な蒸発による圧力変動を緩衝する作用をもたらし、システムの制御を容易ならしめる機能を果たす。
<請求項2項記載の発明>
前記結晶槽から抜き出した結晶スラリーを固液分離し、分離された母液を前記吸収凝縮器に返送する請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
(作用効果)
吸収凝縮器では、有機化合物の混合溶液を供給して加圧蒸発ベーパーとの接触を図るほか、前記結晶槽から抜き出した結晶スラリーを固液分離し、分離された母液を前記吸収凝縮器に返送することで、加圧蒸発ベーパーとの接触を図ることができる。いずれの形態を採るかは、対象の有機化合物の種別や目的の有機化合物の混合溶液中での濃度、操作条件などにより選択できる。ここで、固液分離のための設備や工程に限定はないが、たとえば遠心分離機、ろ過機、溶融精製塔、ピストン式ないしはスクリュー式の洗浄塔などを挙げることができる。
<請求項3項記載の発明>
前記結晶槽の操作圧力が、真空または4気圧以下である請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
(作用効果)
結晶槽の操作圧力(蒸発圧力)としては、結晶槽などに要求される耐圧性や生成結晶の分離方法、装置を考えた場合、常圧付近で操作するのが望ましく、高くとも4気圧とするのが望ましい。
<請求項4項記載の発明>
前記吸収凝縮器から結晶槽に導く吸収凝縮液の冷媒濃度が1〜70%とする請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
(作用効果)
吸収凝縮液の冷媒濃度が濃くなると結晶化点が下がり蒸気圧も下がる。吸収凝縮液の冷媒濃度が薄くなると、分圧の関係で蒸気圧が下がる。したがって、蒸気圧の最高点が存在する。吸収凝縮液の冷媒濃度が1〜70%であれば、蒸気圧の最高点付近での操作が可能である。
<請求項5項記載の発明>
前記有機化合物の混合溶液がパラキシレンを含む混合キシレンであり、これからパラキシレン結晶を得る請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
(作用効果)
パラキシレン結晶を得る場合に好適である。
<請求項6項記載の発明>
前記有機化合物の混合溶液がシクロヘキサンを含む混合ヘキサンであり、これからシクロヘキサン結晶を得る請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
(作用効果)
シクロヘキサン結晶を得る場合に好適である。
<請求項7項記載の発明>
冷媒を含む対象の有機化合物の混合溶液に対して、冷媒の断熱蒸発操作を行う結晶槽と、
この操作により生成した結晶スラリーは前記結晶槽から抜き出す手段と、
前記結晶槽での蒸発ベーパーを前記結晶槽の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器に導く圧縮機と、
前記有機化合物の混合溶液と加圧された前記蒸発ベーパーとを接触させながら凝縮を図る吸収凝縮器と、
この吸収凝縮液を前記結晶槽に導く手段と、
前記吸収凝縮器と前記結晶槽との間に設置した、あらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行う蒸発缶と、
前記蒸発缶における蒸発ベーパーを前記圧縮機に導く手段と、
を有することを特徴とする有機化合物の断熱冷却式晶析装置。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様な作用効果を奏する。
以上の作用効果な欄で記載した効果をまとめれば、冷却晶出設備において、避けられない、冷却面に析出する結晶を掻き取る装置を設備することなく、冷却(冷凍)でき、かつ、その冷却(冷凍)のための用役エネルギーの必要量を低減でき、もって運転費及び設備費を低減できる。さらに、p-キシレンの晶析に適したものとなる。
また、吸収凝縮器と前記結晶槽との間に設置した蒸発缶において、あらかじめ所要量の冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、蒸発缶における蒸発ベーパーは圧縮機により結晶槽の操作圧力以上に加圧して、結晶槽からの蒸発ベーパーと共に吸収凝縮器に導く。その結果、結晶槽での蒸発の負荷を減らすことができるとともに、大きな結晶を得ることができる。
以下本発明の実施形態を挙げてさらに詳説する。
<第1の実施の形態>
図1は、基本的な実施の形態を示したもので、吸収凝縮器10、結晶槽20、圧縮機30及び固液分離手段40を有する。
冷媒を含む対象の有機化合物の混合溶液1(晶析操作の対象液。たとえば、p-キシレン及びその異性体を含む共晶多成分系混合物の液)が吸収凝縮器10に導かれ、ここで冷媒ベーパー(たとえばプロパン)を吸収して凝縮させ、均質な冷媒混合液とする。
この吸収凝縮器10からの均質な冷媒混合液は、管路61Aにより蒸発缶50に管導く。この蒸発缶50において、あらかじめ所要量の冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行う。
蒸発缶50からの冷媒混合液は、管路61を通して結晶槽20に導入し、結晶槽20において冷媒を含む凝縮液に対して、冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行う。
この操作により生成した結晶スラリーは結晶槽20からポンプ62により抜き出し、遠心分離機や液体サイクロンなどの固液分離手段40により結晶分流れCrと母液流れMoとに分離する。
結晶槽20での蒸発ベーパーは管路63を通し、圧縮機30により前記結晶槽20の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器10に導く。前記の蒸発缶50における蒸発ベーパーについても、圧縮機30により前記結晶槽20の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器10に導く。
吸収凝縮器10において、前記有機化合物の混合溶液(混合液1)と加圧された前記蒸発ベーパーとを接触させながら、冷却媒体2(たとえば冷水塔冷却水、冷凍機のブラインなど)のもっている冷熱により冷却して吸収凝縮を図り、この吸収凝縮液を蒸発缶50を通して前記結晶槽20に導くのである。
結晶槽20において冷媒液成分を含む対象の有機化合物混合液に対して、冷媒液成分の断熱冷却、蒸発操作を行うと、冷媒液成分の蒸発に伴い結晶化熱が奪い取られ、結晶が析出する。蒸発ベーパーは圧縮機30により前記結晶槽20の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器10に導き吸収凝縮を図る。
圧縮機(加圧機)30を設けて蒸発ベーパーの加圧を行うのは、結晶槽20の運転温度よりはるかに高温で冷媒を再凝縮させるための、結晶槽20と吸収凝縮器10との温度差を、圧縮機(加圧機)30により加圧することにより確保するものである。p-キシレンの晶析を例に採ると、冷媒としてプロパンを使用し、結晶槽20では、たとえば常圧であり、吸収凝縮器10では、圧縮機30による加圧により、たとえば8気圧程度である。
吸収凝縮器10においては、沸点の高い有機化合物の溶解液と接触するので、沸点上昇が生じ、吸収凝縮できる温度が高まる。したがって、吸収凝縮に必要な外部からの投入エネルギーが小さいもので足りる。
結晶槽20で生成した結晶スラリーは抜き出し、固液分離手段により結晶分流れCrと母液流れMoとにより分離し、結晶分流れCrはそのまま、必要により後述のように、精製手段や洗浄手段により精製し純度を高めて、製品化する。
かかる操作によれば、結晶槽20を耐高圧容器とすることなく晶析操作が可能である。そして、最低限には結晶槽20と圧縮機30と吸収凝縮器10とで足りるので、先行技術のような高価なヒートポンプ設備構成とする必要がないことも相俟って、システム全体及び運転コストの点で経済的である。
<第2の実施の形態>
図2は第2の実施の形態を示したもので、結晶槽20から抜き出した結晶スラリーを固液分離手段40により固液分離し、分離された母液流れMoを管路64を通して吸収凝縮器10に返送するものである。固液分離手段40での濾液に溶存した状態で系外へ排出された分の冷媒は後段の蒸留塔による回収や、メークアップとして圧縮機30のサクション部に供給することができる(図1も参照)。
当初の有機化合物の混合溶液1は、直接結晶槽20に供給するようにしてもよい。
<晶析法の説明>
ベンゼン―シクロヘキサン系の例によって、晶析法の説明を行う。
化学工業での一般的な製造では、シクロヘキサンはベンゼンを水素化して生成される。
66 +3H2 → C612
この水素化反応に際して、副反応により次のような不純物が生成される。
メチルシクロペンタン
n−ヘキサン
n−ペンタン
メチルシクロヘキサン
さらに、原料ベンゼン中に含まれるトルエン、パラフィン類が含まれてくる。
こうした場合に、高純度シクロヘキサンを得る上で最も難しい点は、未反応のベンゼンが含まれた場合に、蒸留では分離することがほとんど不可能になることである。ベンゼンの常圧での沸点は80.75℃で、シクロヘキサンの沸点は80.16℃である。その差は、僅かに0.59℃しかない。さらに、54%付近に最低共沸点(77.62℃)がある。
これに対し、図3に示す、プロパン−ベンゼン−シクロヘキサン系の共晶組成における固液平衡図から判るように、高純度シクロヘキサンを得ようとした場合、晶析して分離精製する方法が採れる。そして、一緒に含まれる少量のメチルシクロペンタンなどの不純物も同時に除去できることになる。
すなわち、相図上では、シクロヘキサンとベンゼンの2成分系の固液平衡線が求まる。この時、微量不純物の含有は僅かに、結晶化点カーブを下げるだけで、実質上の大きな差はない。ここでシクロヘキサンリッチの混合原料を冷却しシクロヘキサンを晶出しようとした場合、左側の固液線にぶつかり晶出を開始する。次に、プロパン断熱冷却法では、供給液とプロパンを混合し、放圧して冷却を開始すると、プロパンを添加した3成分系の固液平衡線(プロパンを抜いた組成として表示してあるが)にぶつかり、それに沿って共晶点近くまで冷却するとシクロヘキサンの結晶が晶出し、この結晶を母液と分離する。
かかる操作を本発明に係る設備構成下で、連続的に行うものである。ベンゼンの結晶と分離された母液は脱プロパンを行い、原料と混合しフィードバックさせるのである。なお、ベンゼンとシクロヘキサンの混合液系は、全濃度範囲において共晶系である。ベンゼンの純品の結晶化点は、5.5℃で、シクロヘキサンの結晶化点は、5.7℃である。
この原理説明から、プロパン−ベンゼン−シクロヘキサン系の共晶組成物からシクロヘキサン結晶を得ることができることは明らかであろう。そして、その分離に際し、本発明法によれば、安価な晶析プロセスとなることも明らかであろう。
<他の説明>
上記例は、結晶槽が1基である例であるが、複数の結晶槽を備えるもの構成も本発明は対象とする。複数の結晶槽を備える設備では、前段の結晶槽での結晶スラリーを後段の結晶槽に導いてさらなる結晶化を図るものである。
この形態において、圧縮機は各段の結晶槽に付設する場合より、一台の加圧機を設けて、各段の結晶槽からの蒸発ベーパーを圧縮機に導き、加圧して上で最終段の結晶槽に付設された吸収凝縮に導く構成が望ましい。また、蒸発缶は、少なくとも最初の結晶槽に設けるのが望ましい。もちろん、蒸発缶をそれぞれ各結晶槽に付設することもできる。
以下、本発明の効果を実施例を示して明らかにする。
(実施例1)
実施例は、図2に示したプロセスにて晶析を行ったものであり、結晶槽として竪型晶出機20(直径300mm×高さ1.5m、スラリーのホールドアップ容量25リットル)を、吸収凝縮器10は水平管式のものを、固液分離装置として遠心分離機40を用いた。
パラキシレン濃度80〜90%で常温の混合キシレン原料を吸収凝縮器10に15〜25kg/hrの割合で供給すると共に、結晶槽20から圧縮機30を通して0.2〜0.7MPaに加圧されたベーパーと接触混合させながら約30℃で凝縮させた。得られた凝縮液はプロパン濃度10〜30%のプロパンの混合キシレン溶液であり、これをプレフラッシュタンク(蒸発缶)50にて130〜350kPaの圧力下にてプレフラッシュさせ、液温度を0〜15℃まで冷却した。プレフラッシュにより発生したベーパーは圧縮機30を通して0.2〜0.7MPaに加圧し、吸収凝縮器10にて吸収液と接触混合させた。プレフラッシュ後の液は常圧下、−10〜0℃で運転されている結晶槽20に導き結晶化を図った。結晶槽20から遠心分離機40には結晶化により得られたパラキシレン結晶スラリーを供給した。その結果、4〜7Kg/hrのキシレン結晶を得ることができた。プロパンの混合キシレン溶液である濾液は系外へ排出し、濾液に溶存した状態で系外へ排出された分のプロパンはメークアップとして加圧機のサクション部に供給した。濾液中のパラキシレン濃度は60〜80%であった。
基本的な実施の形態のフローシートである。 他の実施の形態のフローシートである。 プロパン−ベンゼン−シクロヘキサン系の共晶組成における固液平衡図である。
符号の説明
1…原液、2…冷却媒体、10…吸収凝縮器、20…結晶槽、30…圧縮機、40…固液分離手段、Cr…結晶分(流れ)、Mo…母液(流れ)。

Claims (7)

  1. 結晶槽において冷媒を含む対象の有機化合物の混合溶液に対して、冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、
    この操作により生成した結晶スラリーは前記結晶槽から抜き出し、
    蒸発ベーパーは圧縮機により前記結晶槽の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器に導き、
    前記吸収凝縮器において、前記有機化合物の混合溶液と加圧された前記蒸発ベーパーとを接触させながら冷却して凝縮を図り、
    この凝縮液を最終的に前記結晶槽に導くとともに、
    前記凝縮液を前記結晶槽に導く前に設置した蒸発缶において、あらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行い、前記蒸発缶における蒸発ベーパーは前記圧縮機により前記結晶槽の操作圧力以上に加圧して、前記結晶槽からの蒸発ベーパーと共に前記吸収凝縮器に導く、
    ことを特徴とする有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
  2. 前記結晶槽から抜き出した結晶スラリーを固液分離し、分離された母液を前記吸収凝縮器に返送する請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
  3. 前記結晶槽の操作圧力が、真空または4気圧以下である請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
  4. 前記吸収凝縮器からの吸収凝縮液の冷媒濃度が1〜70%とする請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
  5. 前記有機化合物の混合溶液がパラキシレンを含む混合キシレンであり、これからパラキシレン結晶を得る請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
  6. 前記有機化合物の混合溶液がシクロヘキサンを含む混合ヘキサンであり、これからシクロヘキサン結晶を得る請求項1記載の有機化合物の断熱冷却式晶析方法。
  7. 冷媒を含む対象の有機化合物の混合溶液に対して、冷媒の断熱蒸発操作を行う結晶槽と、
    この操作により生成した結晶スラリーは前記結晶槽から抜き出す手段と、
    前記結晶槽での蒸発ベーパーを前記結晶槽の操作圧力以上に加圧し、吸収凝縮器に導く圧縮機と、
    前記有機化合物の混合溶液と加圧された前記蒸発ベーパーとを接触させながら凝縮を図る吸収凝縮器と、
    この吸収凝縮液を前記結晶槽に導く手段と、
    前記吸収凝縮器と前記結晶槽との間に設置した、あらかじめ所要量の前記冷媒の断熱冷却、蒸発操作を行う蒸発缶と、
    前記蒸発缶における蒸発ベーパーを前記圧縮機に導く手段と、
    を有することを特徴とする有機化合物の断熱冷却式晶析装置。
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