JP2006271203A - 食品用抗酸化剤及び酸化安定性に優れた水中油型乳化食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体への影響が懸念される化学抗酸化剤を含有せずに、食品に長期間優れた酸化安定性を付与することのできる食品用抗酸化剤を提供することにあると共に、消費者が敬遠することなく安心して食することのできる、長期間酸化安定性に優れた水中油型乳化食品を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤、並びに水相と油相とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、前記食品用抗酸化剤が含有されていることを特徴とする酸化安定性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品用抗酸化剤及び酸化安定性に優れた水中油型乳化食品に関し、より詳しくはマヨネーズ、ドレッシング類などの水中油型乳化食品用等として好適な食品用抗酸化剤と、該抗酸化剤を含有しており、酸化安定性に優れていて長期間保存の可能な水中油型乳化食品とに関する。
食品中に含まれる油脂は、保存期間中に徐々に酸素を吸収し、それらの濃度がある段階に達すると、急速に酸化が進行する結果、食品の変色をもたらす。
ところで、水相と油相とが乳化されてなる水中油型乳化食品の代表的なものとして、マヨネーズやドレッシング類等がよく知られている。これらは、水相原料と油相原料とが水中油型に乳化され、美味しく、且つ、栄養価の高い食品である。
ここで、油相原料としては、大豆油、菜種油、コーン油等の食用植物油が一般的に使用されており、乳化剤としては、通常、呈味、色調及び乳化安定性の観点から、卵黄が主に用いられている。
ところが、卵黄を使用して乳化したマヨネーズやドレッシング類等は、酸化安定性が十分でなく、長期間酸化条件におかれると、変色を生じたり、更には乳化が破壊され、油相が分離するなどの欠点がある。
ここで酸化を防止するためには、抗酸化能を有する化学物質からなる化学抗酸化剤を油脂含有食品に添加するのが一般的である。
例えば、アスコルビン酸脂肪酸エステルを含有していることを特徴とする酸性調味料に係る発明が提案されており、この発明によれば、製造直後の風味がほぼ維持された、風味安定性に優れた酸性調味料が得られるとされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年、化学物質の生体機能への悪影響が問題となっており、消費者は、一般的にこのような合成添加物を避ける傾向にある。
特許第3072100号公報(特願平11−233596号)
従って、本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、生体への影響が懸念される化学抗酸化剤を含有せずに、食品に長期間優れた酸化安定性を付与することのできる食品用抗酸化剤を提供することにあると共に、消費者が敬遠することなく安心して食することのできる、長期間酸化安定性に優れた水中油型乳化食品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、予想外にもセリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理して得られるホスファチジル・セリンが食品用抗酸化剤としての作用を有すること、及びこのホスファチジル・セリンを添加して得られる水中油型乳化食品が優れた酸化安定性を有することを見い出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
なお、セリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理して得られるホスファチジル・セリンが食品用抗酸化剤としての作用を有すること、並びにホスファチジル・セリンを用いた酸化安定性に優れた水中油型乳化食品については、これまでに全く知られていない。
すなわち、請求項1に係る本発明は、ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、ホスファチジル・セリンが、セリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理して得られるホスファチジル・セリンである請求項1記載の食品用抗酸化剤を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、水相と油相とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、請求項1又は2記載の食品用抗酸化剤が含有されていることを特徴とする酸化安定性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、食品用抗酸化剤が、0.01質量%以上含有されていることを特徴とする請求項3記載の酸化安定性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。
本発明によれば、セリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理することにより得られたホスファチジル・セリンは、食品、特にマヨネーズやドレッシング類等の水中油型乳化食品に添加することにより、該食品に長期間の優れた酸化安定性を付与できる食品用抗酸化剤が提供される。
また、該ホスファチジル・セリンを抗酸化剤として用いることにより、酸化安定性に優れており、長期間保存の可能な水中油型乳化食品が提供される。
該ホスファチジル・セリンを抗酸化剤として用いて製造したマヨネーズやドレッシング類等の水中油型乳化食品は、生体への影響が懸念される化学抗酸化物質を含有しないため、消費者が敬遠することなく、安心して食することができ、長期間酸化安定性に優れたものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、請求項1に係る本発明について、詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤に関するものである。
請求項1に係る本発明における抗酸化作用を有するホスファチジル・セリンとは、アミノ酸であるセリンを含有するグリセロリン脂質の1種で、以下のような構造を示す。なお、式中、R,Rはアルキル基を示す。
Figure 2006271203
ホスファチジル・セリンは、動植物界に広く分布するグリセロリン脂質であるが、特に牛やブタなどの脳中やウサギ、ネズミやニワトリなどの骨格筋肉中に比較的多く存在している(Lecithins: Bernard F. Szuhai, American Oil Chemist's Society 1985 )。
また、ホスファチジル・セリンは、近年生体調整機能を持つことが発見されているが、例えば脳内の神経伝達物質であるアセチル・コリンの生成を助けることなどが知られている。
こうして、ホスファチジル・セリンは脳を若く保ち活性化させ、高齢者のボケ防止などに有効とされている。
このようなホスファチジル・セリンとしては、請求項2に記載したものが挙げられる。
すなわち、請求項2に係る本発明は、ホスファチジル・セリンが、セリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理して得られるホスファチジル・セリンである請求項1記載の食品用抗酸化剤に関するものである。
請求項2に係る本発明において、用いられるセリンとしては、微生物を利用した発酵法による生産物等が主に用いられる。
次に、請求項2に係る本発明において、用いられるリン脂質としては、一般的な卵黄リン脂質、大豆リン脂質、菜種リン脂質等が挙げられる。
卵黄リン脂質の組成は、ホスファチジル・コリン73.0%、ホスファチジル・エタノールアミン15.0%、ホスファチジル・イノシトール0.6%、その他であり、一方、大豆リン脂質の組成は、ホスファチジル・コリン38.2%、ホスファチジル・エタノールアミン17.3%、ホスファチジル・イノシトール16.0%であることが報告されている(新食品機能素材の開発、太田明一監修、シーエムシー社、1996年)。
なお、これらリン脂質は、必ずしも純粋なものでなくてもよく、タンパク質、糖脂質類、塩類等、リン脂質以外の成分が混在したものであっても、ホスホリパーゼDの転移反応に影響しない限り、差し支えない。
請求項2に係る本発明において、用いられるホスホリパーゼDは、ホスファチジル基転移酵素活性作用を有するものであり、同時にリン脂質の塩基部分を加水分解する活性を持つことも多い。水酸基を有する物質、例えばセリン等の存在下で、ホスホリパーゼDをリン脂質に作用させることにより、リン脂質の塩基部分とセリンとの間でエステル交換反応が生じ、その結果、ホスファチジル・セリンが得られる。セリンの他、グリセロール、糖類、ビタミンC、多価アルコール等、分子内に水酸基を有する物質との交換反応が可能である。
なお、エステル交換反応の起こり易さは、リン脂質の塩基の種類や水酸基を有する物質の種類によって決まるが、塩基部分としてはエタノールアミン、コリン、セリン等が適しており、水酸基を有する物質としては、セリン、グリセロールや糖類が適している。
このようにエステル交換反応の作用があるものをホスファチジル基転移酵素活性があると言う。
このようなホスファチジル基転移酵素活性作用を有するホスホリパーゼDとしては、植物由来のホスホリパーゼD、例えば、キャベツ由来のホスホリパーゼDや、微生物由来のホスホリパーゼD、例えばストレプトマイセス属(Streptomyces)に属する放線菌が生産するホスホリパーゼD等が挙げられる。
このようなホスホリパーゼDとしては、転移活性が高いストレプトマイセス属(Streptomyces)に属する放線菌が生産するホスホリパーゼD、とりわけ転移活性が高く、生産性も良いことから、ストレプトマイセス・シナモネウム(Streptomyces cinnamoneum;旧名 Streptoverticillium cinnamoneum)が生産するホスホリパーゼDが好適に用いられる。
このホスホリパーゼDは、分子量が約54,000であって、作用至適pHが5〜6であり、作用至適温度が40〜60℃を示すものである(Chiaki Ogino, Yukinari Negi, Toshiko Matsumiya, Koichi Nakaoka, Akihiko Kondo, Shu'nichi Kuroda, Shinji Tokuyama, Ushio Kikkawa, Tsumeo Yamane and Hideki Fukuda; J.Biochem. 125, 263-269 (1999) ; Purification, Characterization, and Sequence Determination of Phospholipase D Secreted by Streptoverticillium cinnamoneum)。
こうしてセリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを作用させると、リン脂質の塩基部分とセリンとの間でエステル交換反応が生じ、その結果、ホスファチジル・セリンが得られる。
リン脂質がレシチン(ホスファチジル・コリン)を例とした場合での、ホスホリパーゼD処理によって得られるホスファチジル・セリンの生成経路について、以下に示す。なお、式中、R,Rはアルキル基を示す。
Figure 2006271203
さらに、請求項2に係る発明におけるホスファチジル・セリンの調製方法の概要について、以下に例示する。但し、以下の説明はあくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
[ホスファチジル・セリンの調製方法]
ホスファチジル・セリンの調製方法としては大きくは2種類あり、リン脂質の可溶な有機溶媒とセリンを含む水溶液との2相にホスホリパーゼDを作用させる2相反応と、リン脂質を分散させた水溶液にセリンを加え、ホスホリパーゼDを作用させる1相反応とがある。
前者には、非極性のヘキサンやヘプタン等と極性のあるアセトンや酢酸エチル等の混液が有機溶媒としてよく用いられ、これらにリン脂質を溶解した有機溶媒相とpHを調整したセリン水溶液にホスホリパーゼDを添加した水相をそれぞれ調製し、この2相が良く混ざるように攪拌することで、塩基交換反応によるホスファチジル・セリンが生成される。生成したホスファチジル・セリンを含む有機溶媒層を分取し、エバポレーター等により溶剤を除去することで回収できる。
また、後者は、pHを調整したセリン水溶液にリン脂質を分散させた状態でホスホリパーゼDを作用させ、塩基交換反応によるホスファチジル・セリンが生成される。
その他、リン脂質もしくはホスホリパーゼDを固定させて反応させる等の方法もあるが、以上の説明はあくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
処理後は、70〜90℃で、5〜60分間・加熱することやプロテーゼで処理することにより、残存ホスホリパーゼDを失活させることができる。また、溶媒抽出したり、シリカゲルや活性炭,活性白土等の吸着剤で処理することにより、残存ホスホリパーゼDを除去することができる。
以上の説明はあくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
請求項1、2に係る本発明の食品用抗酸化剤は、上記した如きものであるが、必要に応じて、その機能を妨げない範囲で、他の既知の抗酸化剤、例えば天然抗酸化剤等を配合することもできる。
請求項1、2に係る本発明の食品用抗酸化剤は、各種食品用、中でも加工食品用、とりわけマヨネーズやドレッシング類等の水中油型乳化食品用の抗酸化剤として有用である。
請求項1、2に係る本発明の食品用抗酸化剤を食品に対し添加する場合には、従来の食品用抗酸化剤と同様に、一般的には食品製造時に添加すればよいが、食品製造後に用いることもできる。
その添加量は、抽出条件や食品の種類等によって異なり、一義的に決定することはできないが、一般的に言うならば、食品に対して固形分として0.01質量%以上である。食品に対して固形分として0.01質量%未満であると、抗酸化効果がやや低くなる。一方、添加量の上限については特に制限はないが、食品に対して固形分として1.0質量%を超えて添加しても、添加量に見合うだけの酸化安定性の向上効果が得られないので、経済的にも好ましくない。
従って、請求項1、2に係る本発明の食品用抗酸化剤の添加量は、食品に対して固形分として、特に0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜1.0質量%であることがより好ましく、0.05〜1.0質量%が最も好ましい。
請求項1、2に係る本発明の食品用抗酸化剤を食品に対し添加し含有させた場合は、全く添加しなかった場合と比べて、著しく酸化安定性が向上する。
次に、請求項3に係る本発明は、水相と油相とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、請求項1又は2記載の食品用抗酸化剤が含有されていることを特徴とする酸化安定性に優れた水中油型乳化食品に関するものであり、換言すれば、水相と油相とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤(請求項1)又はセリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理して得られるホスファチジル・セリン(請求項2)が含有されていることを特徴とする酸化安定性に優れた水中油型乳化食品に関するものである。
請求項3に係る本発明における水中油型乳化食品とは、水相と油相とが乳化剤により水中油型に乳化されてなるものをいい、代表的なものとしてマヨネーズやドレッシング類などが挙げられる。水中油型乳化食品としては、従来公知なものを用いることができる。
請求項3に係る本発明の特徴は、このような水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤、つまり実質的にはホスファチジル・セリンが、添加・配合されている点にある。
請求項3に係る本発明の水中油型乳化食品におけるホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤の含有量は、水相原料と油相原料との配合比率などにより異なるが、請求項4に記載した如く、0.01質量%以上である。水中油型乳化食品中におけるホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤の含有量が0.01質量%未満では、水中油型乳化食品における抗酸化効果はやや低くなる。一方、含有量の上限については特に制限はないが、ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤の含有量が1.0質量%を超えても含有量に見合うだけの効果が得られないので、経済的にも好ましくない。
従って、請求項3に係る本発明の水中油型乳化食品におけるホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤の含有量は、特に0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜1.0質量%であることがより好ましく、0.05〜1.0質量%が最も好ましい。
請求項3に係る本発明の水中油型乳化食品の水相を構成する原料(水相原料)は、マヨネーズやドレッシング類の製造に際して使用される原料や、その配合割合に準じて決定すればよく、特に制限されない。
通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩,食酢,グルタミン酸ナトリウム,イノシン酸ナトリウム等の調味料、乳化剤、糖類、澱粉、ガム類、香辛料、着香料などがある。乳化剤としては、卵黄が一般的であるが、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等を使用でき、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一方、油相を構成する原料(油相原料)としては、通常、食品に添加可能な親油性の物質であれば、特に制限がなく、例えば食用植物油脂や、親油性のある着香料等が挙げられる。
食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、べに花油、サフラワー油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
請求項3に係る本発明の水中油型乳化食品における油相と水相の割合については、特に制限はないが、通常は油相10〜90質量%に対して、水相90〜10質量%、好ましくは油相30〜80質量%に対して、水相70〜20質量%とする。
ここで、油相の比率が10質量%未満であると、調製された水中油型乳化食品が美味しくなく、一方、油相の比率が90質量%を超えると、転相し易くなるので、いずれも好ましくない。
請求項3に係る本発明による水中油型乳化食品の製造は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。
例えば、水以外の水相原料を、水等に分散・溶解し、これらに油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば市販の万能混合撹拌機を用いて予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により仕上げ乳化を行うことによって、水中油型乳化食品を製造することができる。
ここで、前記のホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤の添加は、水以外の水相原料を水等へ分散・溶解する際に行えばよい。
このようにして製造された水中油型乳化食品は、ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤が添加されていることにより、乳化の破壊が防止されており、長期間酸化安定性に優れたものとなっている。ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤を添加することにより、水中油型乳化食品の酸化安定性が付与される理由については、必ずしも明らかではないが、酸化のスタート物質であるラジカルを形成する際の触媒となる鉄等金属イオンの封鎖や、油脂の自動酸化で生じるラジカルや過酸化物の消去等に関与しているものと考えられる。
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲は、これら実施例等により限定されるものではない。
調製例1[ホスファチジル・セリン(本発明品1)の調製]
原料レシチン(ツル−レシチン工業(株)製レシチンSLP−PC70:ホスファチジル・コリン70%以上)100g及び協和発酵(株)製L−セリン420gを0.2M酢酸緩衝液(pH5)に分散し、一晩冷蔵庫に置いた。
次に、これに150mMCaClを添加し、レシチン濃度を10%となるように0.2M酢酸緩衝液(pH5)で調整した。均一になるまで撹拌、分散した。
さらに、30℃にて1時間保温後、50U/gレシチンとなるようにホスホリパーゼD(ナガセケムテックス(株)製)を添加し、一晩30℃にて撹拌し反応させた。反応後、食品用キレート剤ピロリン酸二水素二ナトリウム150mMを添加し、次いで5倍容量のヘプタン:エタノール(10:2)でレシチンを抽出し、残存ホスホリパーゼDを除去した。さらに、抽出液を濃縮した後、5倍量のアセトン中に、撹拌しながら添加した。
次に、晶析物をろ過により回収し、減圧乾燥でホスファチジル・セリン80gを得た。
ホスファチジル・セリン72.5%、ホスファチジン酸3.39%、ホスファチジル・エタノールアミン0.15%及びホスファチジル・コリン0.17%の組成のものが得られ、リン脂質中のホスファチジル・セリンの純度は95%以上であった。
上記で得られたホスファチジル・セリンのリン脂質組成は、HPLCを用い、以下のような条件にて分析した。
[HPLCによる分析条件]
・使用カラム:Unisil QNH2(5μm、4.6×250mm、GL Science(株)製)
・溶離液:アセトニトリル:メタノール:10mMリン酸二水素アンモニウム(1857:873:270)
・カラム温度:37℃
・流速:1.3ml/min
・検出波長:205nm
尚、リン脂質の純度は、上記HPLCで分析したホスファチジル・セリン(PS)の全グリセロリン脂質に占める割合で計算した。
実施例1〜6
(1)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の調製
前記調製例1で得られたホスファチジル・セリン(本発明品1)を下記表1に示す所定量用い、表1に示す配合組成の6種の水中油型乳化食品(マヨネーズ)2kgをコロイドミルにてそれぞれ調製した。
すなわち、水相原料である卵黄、食塩、食酢(10%酸度)及び水、並びに前記調製例1で得られたホスファチジル・セリン(本発明品1)を混合溶解して水相を調製し、この水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルトミキサー(ホバルト社製)にて、予備乳化した。次いで、コロイドミル(クリアランス:4/1000インチ、回転数:3000rpm)により仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
(2)酸化安定性の評価
上記(1)にて得られた各水中油型乳化食品(マヨネーズ)の酸化安定性を次のような方法で評価した。
すなわち、約200g容のガラス瓶に、上記(1)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)を約100g充填し、1重のサランラップで瓶の口を密封し、34℃、暗所の条件下に保管した。保管してから1、3、5及び7週間後の水中油型乳化食品(マヨネーズ)の表層の分離状態により、酸化安定性を次の3段階で評価した。
評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。
結果を表1に示す。
[酸化安定性の評価]
・安定:油分離しておらず、表層の褐変も僅かである。
・やや安定:油分離していないが、表層が褐変している。
・不安定:油分離している。
比較例1
実施例1〜6において、前記調製例1で得られたホスファチジル・セリン(本発明品1)を全く添加しなかったこと以外は、実施例1〜6と同様にして行い、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1〜6と同様にして酸化安定性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2006271203
表1から、以下のようなことが分かる。
ホスファチジル・セリンを添加していない比較例1で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)は、3週間後ではやや安定なものの、5週間後では分離しており、酸化安定性は低い。
これに対し、ホスファチジル・セリンが、水中油型乳化食品(マヨネーズ)に、0.01質量%、0.03質量%、0.05質量%、0.10質量%、0.50質量%及び1.00質量%添加された実施例1〜6で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、いずれも7週間という長期間酸化条件に置かれても、油分離がなく、酸化安定性の高いことが分かる。
このことから、ホスファチジル・セリンを添加することによって、水中油型乳化(マヨ
ネーズ)の酸化安定性が向上することは明らかである。
本発明によれば、食品、特にマヨネーズやドレッシング類等の水中油型乳化食品に添加することにより、該食品に長期間の優れた酸化安定性を付与することのできる食品用抗酸化剤が提供される。
また、該ホスファチジル・セリンを抗酸化剤として用いて製造したマヨネーズやドレッシング類等の水中油型乳化食品は、生体への影響が懸念される化学抗酸化物質を含有しないため、消費者が敬遠することなく、安心して食することができ、長期間酸化安定性に優れたものである。
従って、請求項1〜4に係る本発明は、食品工業分野において有用である。

Claims (4)

  1. ホスファチジル・セリンを有効成分とする食品用抗酸化剤。
  2. ホスファチジル・セリンが、セリンの存在下で、リン脂質にホスファチジル基転移酵素活性を有するホスホリパーゼDを添加し処理して得られるホスファチジル・セリンである請求項1記載の食品用抗酸化剤。
  3. 水相と油相とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、請求項1又は2記載の食品用抗酸化剤が含有されていることを特徴とする酸化安定性に優れた水中油型乳化食品。
  4. 食品用抗酸化剤が、0.01質量%以上含有されていることを特徴とする請求項3記載の酸化安定性に優れた水中油型乳化食品。
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