しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術では、LAN回線を選択し、かつSMTP(Simple Mail Transfer Protocol:簡易メール転送プロトコル)、及びFTP(File Transfer Protocol:ファイル転送プロトコル)による送信が可能な場合についての配慮がなされていない。この場合、G3/G4回線にLAN回線が加わるが、SMTP送信、FTP送信ともLAN回線を使用し、回線指定を共に「MAIL」とすると、前述の回線情報と宛先情報によってプロトコル(SMTP/FTP)をも選択する必要がある。例えば、宛先が「1111」である場合は、G3プロトコル送信(IG3/G3)、G4プロトコル送信、SMTP送信、及びFTP送信の全てについて可能性があり、宛先のみでは誤発呼を防止することが困難である。
本発明の目的は、このような問題点を改善し、LAN及び公衆網に接続され、FTP/SMTP送信可能であって、回線選択時の誤操作を防止することが可能なファクシミリ装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、LAN回線を含む複数の回線に接続され、複数のプロトコルで送信可能なファクシミリ装置であって、入力された宛先情報及び回線情報に応じ、複数のプロトコルを切り換えて送信する制御手段を備えたことを特徴とする。
宛先情報及び回線情報(指定回線)を利用することにより、適切なプロトコルを自動的に選択し、回線選択時の誤操作を防止できる。
請求項2に係る発明は、LAN回線を含む複数の回線に接続され、FTP/SMTP送信可能なファクシミリ装置であって、前記複数の回線のいずれかを指定する回線指定手段と、宛先情報を入力する宛先入力手段と、LAN回線が指定された場合、入力された宛先情報に応じてFTP送信とSMTP送信を切り換える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
公衆網に接続されてG3/G4プロトコル送信を行う場合は、ポート毎に回線種別を指定していたが、これにLAN回線を加えてSMTP送信(メール送信)とFTP送信(ネットワークスキャナによるファイル送信)を行う場合には、SMTP/FTP共に同じNICF(ネットワーク制御部)からの送信となる。特に、LAN回線でFTP/SMTP送信を行う場合、LAN回線を指定し、かつ宛先情報からSMTP送信であるか、FTP送信であるかを判断することによって、ネットワークファクシミリ装置(インターネットファックス)のプログラム構造を利用し、かつ変更量を抑制しながら、FTP送信を実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記LAN回線が指定され、かつ全て数字からなる宛先が入力された場合は、アラート表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
回線選択の設定をユーザが入力する際、連続して宛先を入力すると誤操作するおそれがある。特殊な宛先が入力された場合に設定の間違いがないか、ユーザに確認することによって、回線選択による誤操作を低減することができる。
請求項4に係る発明は、請求項2において、前記FTP送信及びSMTP送信でエラーが発生した場合の再発呼回数を設定する再発呼設定手段を備え、前記FTP送信とSMTP送信とで、送信エラーが発生した場合の再発呼回数を変更することを特徴とする。
FTP送信では、サーバが停止している場合もあるので、通常のFAX通信等における再発呼回数よりも長時間、再発呼動作をすることが望ましい。FTP送信におけるエラー発生時の再発呼回数を、FTP送信以外の再発呼回数とは異なる値に設定することにより、FTP送信に適する再発呼動作を実現できる。
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記FTP送信でエラーが発生した場合は、再発呼回数を制限しないことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4において、前記FTP送信の納期を指定する納期指定手段を備え、FTP送信で納期が指定された場合は、予め設定されたFTP送信用の再発呼回数に拘わらず、納期指定のための再発呼動作を優先させることを特徴とする。
FTP送信時に別の発呼回数指示があった場合、ユーザが指定した再発呼指示に従うことにより、ユーザの意図した処理を確実に実行できる。
請求項7に係る発明は、請求項2において、前記FTP送信が正常終了した場合は、正常終了した旨を登録する登録手段を備えたことを特徴とする。
LAN回線を指定し、NICFからSMTP送信(メール送信)した場合、SMTPサーバに正常送信されても、このSMTPサーバから配信先の通信端末に届いたか否かはわからないため、通信レポート等に通信結果を記載しない(あるいは、「通信結果不定」を記載する)。これに対し、NICFからFTP送信した場合には、FTPサーバに正常送信されると、送信データが確実に保持されるため、通信レポート等に「通信結果OK」を記載する。
請求項1に係る発明によれば、LAN回線を含む複数の回線に接続され、複数のプロトコルで送信可能なファクシミリ装置において、入力された宛先情報及び回線情報に応じ、複数のプロトコルを切り換えて送信するので、特に、LAN回線でFTP/SMTP送信を行う場合、適切なプロトコルを自動的に選択することができる。
請求項2に係る発明によれば、LAN回線を含む複数の回線に接続され、FTP/SMTP送信可能なファクシミリ装置において、回線指定手段によってLAN回線が指定された場合、宛先入力手段によって入力された宛先情報に応じてFTP送信とSMTP送信を切り換えるので、新たにオペレーションを加えたり、回線種別の管理エリアを用意する必要がなく、従来のプログラム資産を流用してFTP/SMTP送信機能を実現できる。
請求項3に係る発明によれば、LAN回線が指定され、かつ全て数字からなる宛先が入力された場合はアラート表示するので、ユーザの誤操作を削減することができる。
請求項4に係る発明によれば、FTP送信とSMTP送信とで、送信エラーが発生した場合の再発呼回数を変更するので、FTP送信の発呼回数をSMTP送信の発呼回数とは別に設定することにより、サーバダウン時にエラーになる確率を低減することができる。
請求項5に係る発明によれば、FTP送信でエラーが発生した場合は再発呼回数を制限しないので、サーバ側のダウン時間に関係なく、確実にFTP送信することが可能である。
請求項6に係る発明によれば、FTP送信で納期が指定された場合は、予め設定されたFTP送信用の再発呼回数に拘わらず、納期指定のための再発呼動作を優先させるので、その納期指定に関し、ユーザからFTP送信用とは別の再発呼回数が指定された場合、ユーザの意図した処理を確実に実行できる。
請求項7に係る発明によれば、FTP送信が正常終了した場合は、正常終了した旨を登録するので、その登録内容を出力表示することにより、ユーザに対して通信結果をわかり易く伝えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、LAN及び公衆網に接続され、FTP/SMTP送信可能であって、回線選択時の誤操作を防止することが可能なファクシミリ装置を提供することができる。
以下、図面を用い、本発明の実施の一形態を説明する。
「第1の実施形態」
図1に、本発明の第1の実施形態に係るネットワークファクシミリ装置の構成を示す。
このネットワークファクシミリ装置には、LANに接続して画情報を電子メールとして送受するための伝送機能と、公衆網(PSTN、ISDN)に接続してG3/G4ファクシミリ伝送手順により画情報を送受する伝送機能と、を備える。LANに接続された通信端末との間のデータの送受には、TCP/IPと呼ばれるトランスポートレイヤまでの伝送プロトコルと、その上位レイヤの通信プロトコルとの組み合わせ(いわゆるプロトコルスイート)が適用される。例えば、電子メールデータの送信(メール送信)には、上位レイヤの通信プロトコルとして前述のSMTPが適用され、画像データを含むファイルの送信(ネットワークスキャナ機能)には、前述のFTPが適用される。
図1において、原稿センサ1は、原稿載置台に原稿が載置されたことを検知すると共に、原稿JAMの有無を検知する。用紙センサ2は、プロッタ5に給紙するための用紙が収納されている給紙カセット位置を検知すると共に、用紙JAMの有無を検知する。バッテリ3は、相手先の電話番号、名称、等を記憶するためのRAM14をバックアップする。
スキャナ4は、所定の解像度で原稿の画像面を読みとって画情報を取り出す。プロッタ5は、所定の解像度で画像データを記録・出力する。
操作表示部6は、テンキー、ワンタッチキー(あるいは、短縮キー)、後述の回線選択キー、内線キー、メールキー、その他のファンクションキーを含む各種操作キー、LCD等の表示器からなり、装置の状態や、操作ガイダンスを表示すると共に、装置の操作や各種モード設定を行うために用いられる。
画像メモリ7は、符号化圧縮された状態の画情報(画像データ)を蓄積するために用いられる。パラメータメモリ8は、ネットワークファクシミリ装置に固有の各種情報(電話番号等のパラメータ)を蓄積する。時計回路9は、現在時刻情報を出力する。
通信制御部10は、網制御部17とモデム16を制御して所定の伝送制御手順により、ファクシミリ通信を行う。符号化復号化部11は、画像信号を符号化圧縮すると共に、符号化圧縮されている画情報を元の画像信号に復号化する。
CPU12は、各部を制御してネットワークファクシミリ装置の所定の動作を実行する。ROM13は、ネットワークファクシミリ装置の動作に必要な制御プログラムが格納されている。RAM14は、CPU12が制御プログラムを実行する際に必要な各種データを記憶すると共に、ワークエリアとして使用される。キャラクタジェネレータ15は、英、数、カナ、記号、漢字、等の各文字フォントデータを記憶している。
また、RAM14には、ファクシミリ伝送手順によって受信するサブアドレス情報と、そのサブアドレス情報に対応したネットワークアドレスとを関連付けて記憶したアドレス変換テーブルが更新可能に記憶されている。また、RAM14には、回線選択キー、内線キー、メールキーによって選択・指定された回線情報、及び、テンキー、ワンタッチキー等によって入力された宛先情報の内容が更新可能に記憶されている。また、RAM14には、後述の空き回線指定機能についての設定内容が更新可能に記憶されている。
モデム16は、伝送手順信号を送受するための低速モデム機能(V.21モデム)、及び主に画情報を送受するための高速モデム機能(V.17モデム、V.34モデム、V.29モデム、V.27モデム、等)を備え、画情報を変復調して伝送すると共に、伝送制御手順における各種手順信号を伝送する。
網制御部17は、回線(PSTN/ISDN)の捕捉、発信先電話番号である選択信号の送出、着信の検出等により、所定の発呼動作および着信動作を行うものであり、自動発着信機能を有する。ネットワーク制御部18は、LAN回線からの送受信を制御するものであって、ネットワークファクシミリ装置をLANに接続し、他の通信端末との間で種々のデータを送受するために所定のプロトコルスイートの通信制御を行う。
前述のスキャナ4、プロッタ5、操作表示部6、画像メモリ7、パラメータメモリ8、時計回路9、通信制御部10、符号化復号化部11、CPU12、ROM13、RAM14、キャラクタジェネレータ15、ネットワーク制御部18は、システムバス19に接続され、各部の間のデータ送受は主としてシステムバス19を介して行われる。また、網制御部17とモデム16の間のデータ送受は直接行われる。
さて、本実施形態のネットワークファクシミリ装置は、図2に示すように、PSTN回線(本体/オプション)、ISDN回線(オプション)、LAN回線の一部又は全てに接続可能に構成され、これらの回線を介し、G3プロトコル/G4プロトコル/SMTP/FTPで送信可能に構成されている。また、これらの回線を内線として使用可能に構成されている。また、操作表示部6には、網制御部17、ネットワーク制御部18に接続される回線(G3/G4)を選択・指定するための「回線選択キー」、内線を選択・指定するための「内線キー」、メール宛先設定時にMAIL回線(LAN回線)を選択・指定するための「メールキー」、を備える。この内線キー、メールキーは、例えば、予め操作表示部6に設けられたユーザファンクションキーを利用して設定することができる。さらに、操作表示部6の操作により、所定の優先順位に従って自動的に空き回線を検出し、その回線を使用して送信を開始する空き回線指定機能を設定するように構成されている。前記空き回線を使用する際の優先度は、予め設けられた複数種類の優先度から、操作表示部6で任意に選択・設定できるものとする。
例えば、前記回線選択キーによって、「G3−1」が選択された場合は本体PSTN回線が指定され、「G3−2」が選択された場合はオプションPSTN回線が指定され、「IG3」が選択された場合はオプションISDN回線が指定され、「G4」が選択された場合はオプションISDN回線が指定されるように、回線選択と実際の使用回線を対応させる。また、前記内線キーによって、「内線」が選択された場合は2回線NCU装着時の内線回線が指定され、「G3−1(内線)」が選択された場合は内線用の本体PSTN回線が指定され、「G3−2(内線)」が選択された場合は内線用のオプションPSTN回線が指定され、「IG3(内線)」が選択された場合は内線用のオプションISDN回線が指定されるように、回線選択と実際の使用回線を対応させる。また、前記メールキーによって、「MAIL」が選択された場合はNICF、IDU、PDUのいずれかのボードから発呼される。
また、操作表示部6で空き回線指定機能が設定された場合は、前記回線選択キー、内線キー、メールキーによる指定内容と、予め設定された回線使用の優先度とに応じ、送信動作を行うように制御する。例えば、前記「G3−1」、「G3−2」、「IG3」のいずれかが指定されると共に、空き回線指定機能が設定された場合は、第1の優先度設定「オプションISDN>オプションPSTN>本体PSTN」、又は第2の優先度設定「オプションPSTN>本体PSTN>オプションISDN」に従って送信を開始する。また、前記「内線」が指定されると共に、空き回線指定機能が設定された場合は、第1の優先度設定「PBX>オプションISDN>オプションPSTN>本体PSTN」、又は第2の優先度設定「PBX>オプションPSTN>本体PSTN>オプションISDN」に従って送信を開始する。前述の第1、第2の優先度のいずれを用いるかは、予め操作表示部6から選択・設定可能とする。
ここで、G4回線(オプションISDN回線)が指定された場合はG4プロトコルで送信され、それ以外のG3回線(本体PSTN回線等)、内線が指定された場合には、G3プロトコルで送信される。また、MAIL回線(NICF)が指定された場合は、宛先ファイルの内容に応じ、SMTP又はFTPで送信される。具体的には、MAIL回線指定時に操作表示部6から入力された宛先が、「#+アドレス(0〜9の数字で1〜4桁まで)+S+サブアドレス(0〜9、#、*、スペースで20桁まで)」で構成される場合は、FTPアドレスと判断する。なお、「DS機能なし」が設定されている場合には、前述の判断条件を満たしていてもSMTPで送信する。DS機能の有無は、予め内部スイッチ(ビットスイッチ等)で選択・設定されている。
次に、図3を参照しながら本実施形態の送信動作を説明する。
操作表示部6で前記回線選択キー、内線キー、メールキー、ワンタッチキー、等により送信動作が指定されると、入力された宛先を読み出す(ステップs101)。
ここで、MAIL回線が指定され、かつ、宛先が特定のパターン(例えば、「#」の後に4桁の数字で示されたアドレスが続くもの)を有する場合は、FTP送信と判断してLAN上のFTPサーバ(図示せず)へ蓄積原稿を送信する(ステップs102のYES、s103)。FTP送信の場合は、前記FTPサーバのディレクトリに送信されるので、宛先に含まれた「#」の後の数字により前記FTPサーバ側で蓄積原稿(画像ファイル)を管理することができる。あるいは、別フォルダとして管理し、他の宛先へ転送することができる。
一方、MAIL回線が指定され、かつ、宛先が前記特定のパターンと異なる場合には、メールの宛先であると判断してLAN上のSMTPサーバ(図示せず)へSMTPで送信する(ステップs102のNO、s104)。SMTP送信の場合は、E−MAILとして相手先通信端末に届くことになる。
「第2の実施形態」
図4に、本発明の第2の実施形態でMAIL回線が指定された場合の送信動作を示す。なお、装置の全体構成は第1の実施形態と概ね同様であるため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
操作表示部6で前記回線選択キー、内線キー、メールキー、ワンタッチキー、等により送信動作が指定されると、キー操作で入力された宛先をRAM14に登録する(ステップs201)。
ここで、MAIL回線を指定され、かつ、入力された宛先が全て数字の場合はアラート表示を行い、回線指定又は宛先入力が間違っていないか否か、ユーザに確認する(ステップs202のYES、s203)。さらに、修正がある場合(ステップs204のYES)はステップs201に戻り、修正がない場合(ステップs204のNO)には前述のようにSMTP又はFTPで送信する。
なお、ステップs202の判断は、回線指定及び宛先入力が完了し、操作表示部6のスタートキーが押下された時点ではなく、回線指定後の宛先入力中に行ってもよい。
また、本実施形態に限らず、G3回線又はG4回線が指定され、かつ、入力された宛先が全て数字の場合についても、アラート表示するようにしてもよい。これは、G3回線又はG4回線が指定され、かつ、宛先として「#」+「数字4桁」が入力された場合、FTP送信の間違いであることも考えられるためである。
「第3の実施形態」
図5に、本発明の第3の実施形態でMAIL回線が指定された場合の送信動作を示す。なお、装置の全体構成は第1の実施形態と概ね同様であるため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
本実施形態では、送信エラーが発生した場合の再発呼回数を設定する際、FTP送信用の再発呼回数と、FTP送信以外の通常再発呼回数と、を異なる値で設定する。これらの再発呼回数は、予めプログラム上で決められた値であってもよいし、あるいは、操作表示部6のファンクションキーの操作で任意に設定し、RAM14上に書き換え可能に記憶するように構成してもよい。
図5に示すように、送信終了時にその通信がエラーの場合(ステップs301、s302のYES)、再発呼動作を行う。この再発呼時、先に指定された回線がMAIL回線であって、入力された宛先が「#」+「数字4桁」の場合は、FTP送信と判断してFTP送信用の再発呼回数を使用する(ステップs303のYES、s304)。また、先に指定された回線がMAIL回線であって、入力された宛先が「#」+「数字4桁」でない場合は、通常の再発呼回数を使用する(ステップs303のNO、s306)。
さらに、こうして読み出された再発呼回数と実際に発呼した回数(宛先毎に管理されている。)を比べ、再発呼可能な場合(ステップs305のYES)は再び発呼動作に移行し、再発呼した回数が前記読み出された再発呼回数に達した場合(ステップs305のNO)は処理を終了する。
「第4の実施形態」
図6に、本発明の第4の実施形態でMAIL回線が指定された場合の送信動作を示す。なお、装置の全体構成は第1の実施形態と概ね同様であるため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
本実施形態では、送信エラーが発生した場合の再発呼回数を設定する際、FTP送信以外の通常再発呼回数のみを設定し、FTP送信については無制限に再発呼可能とする。前記再発呼回数は、予めプログラム上で決められた値であってもよいし、あるいは、操作表示部6のファンクションキーの操作で任意に設定し、RAM14上に書き換え可能に記憶するように構成してもよい。
図6に示すように、送信終了時にその通信がエラーの場合(ステップs401、s402のYES)、再発呼動作を行う。この再発呼時、先に指定された回線がMAIL回線であって、入力された宛先が「#」+「数字4桁」の場合(ステップs403のYES)は、FTP送信と判断して再発呼動作を繰り返す。また、先に指定された回線がMAIL回線であって、先に入力された宛先が「#」+「数字4桁」でない場合は、通常の再発呼回数を使用する(ステップs403のNO、s404)。
さらに、こうして読み出された再発呼回数と実際に発呼した回数(宛先毎に管理されている。)を比べ、再発呼可能な場合(ステップs405のYES)は再び発呼動作に移行し、再発呼した回数が前記読み出された再発呼回数に達した場合(ステップs405のNO)は処理を終了する。
「第5の実施形態」
図7に、本発明の第5の実施形態でMAIL回線が指定された場合の送信動作を示す。なお、装置の全体構成は第1の実施形態と概ね同様であるため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
本実施形態では、前述のように送信エラーが発生した場合の再発呼回数を2種類(FTP送信用/FTP送信以外の通常送信用)、設定する。また、MAIL回線が指定された場合の納期を予め指定し、その指定納期に送信する納期指定モードを操作表示部6で設定可能とする。例えば、納期指定モードで送信動作に先立ち、ユーザが操作表示部6から納期指定時刻(何時何分)を設定・入力し、入力された納期情報をRAM14の所定エリアに更新可能に記憶する。
図7に示すように、送信終了時にその通信がエラーの場合(ステップs501、s502のYES)、再発呼動作を行う。この再発呼時、予めRAM14で納期指定送信が設定されている場合(ステップs503のYES)は、納期指定の再発呼判断処理を行う(ステップs504)。この納期指定の再発呼判断処理で、納期指定時刻に達していない場合(又は、納期指定用の再発呼回数に達していない場合)は、再発呼可能と判断し(ステップs505のYES)、発呼動作を行う。
また、納期指定送信が設定されていない場合(ステップs503のNO)であって、先に指定された回線がMAIL回線であり、入力された宛先が「#」+「数字4桁」の場合はFTP送信と判断し(ステップs506のYES)、さらに、前述のように予め設定されたFTP送信用の再発呼回数に達していない場合は再発呼可能と判断して(ステップs505のYES)、発呼動作を行う。
また、納期指定送信が設定されていない場合(ステップs503のNO)であって、先に指定された回線がMAIL回線であり、入力された宛先が「#」+「数字4桁」でない場合はFTP送信ではないと判断し(ステップs506のNO)、さらに、前述のように予め設定された通常の再発呼回数に達していない場合は再発呼可能と判断して(ステップs505のYES)、発呼動作を行う。
なお、本実施形態に限らず、FTP送信の再発呼判断、及び通常の再発呼判断として、第4の実施形態(図6のステップs403〜s405)を適用してもよい。
「第6の実施形態」
図8に、本発明の第6の実施形態でMAIL回線が指定された場合の送信動作を示す。なお、装置の全体構成は第1の実施形態と概ね同様であるため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
図8に示すように、送信終了後、その送信が異常終了の場合はパラメータメモリ8、又はRAM14の管理エリアに「通信結果NG」を登録し、通信レポート等に出力する(ステップs601、s602のNO、s606)。また、その送信が正常終了の場合(ステップs602のYES)は、さらに、前述のようにSMTP送信か否か(FTP送信か否か)を判断する(ステップs603)。その結果、SMTP送信の場合(ステップs603のYES)は「通信結果不定」を登録し(ステップs604)、それ以外の場合は「通信結果OK」を登録する(ステップs605)。
本実施形態では、SMTP送信の場合、前記SMTPサーバへ正常に送信できたか否かをネットワークファクシミリ装置で検出することができるが、前記SMTPサーバから相手先通信端末へ正常に送信できたか否かを検出することはできないので、その送信が正常終了であっても「通信結果不定」と記録する。これに対し、FTP送信の場合は、前記FTPサーバに原稿(画像ファイル)が蓄積されるので、前記FTPサーバへの送信が正常終了であれば、「通信結果OK」と記録する。
なお、本実施形態に限らず、パラメータメモリ8(あるいは、RAM14)の管理エリアには、SMTP送信/FTP送信に拘わらず、その送信が正常終了の場合は「通信結果OK」と登録しておき、通信レポートの印字出力時、操作表示部6での画面表示時には、宛先がMAIL回線でFTP宛先の場合は「通信結果OK」とし、MAIL回線でSMTP宛先の場合には「通信結果不定」としてもよい。
前記回線選択キー、内線キー、メールキーを含む操作表示部6、CPU12、等が回線指定手段を構成する。また、操作表示部6、CPU12、等が制御手段、宛先入力手段、表示手段、再発呼設定手段、納期指定手段、登録手段を構成する。