JP2006270758A - 圧電発振器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】全体構造を小型化するのに適した圧電発振器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】IC素子4及びスペーサ部材5を実装用基体1の上面に搭載するとともに、圧電振動素子3を収容した容器体2をスペーサ部材5を介して実装用基体1の上面側に配置し、容器体2の下面に設けた接続端子とスペーサ部材5の上面に設けた接続パッドとを導電性接合材11により接続してなる圧電発振器であって、スペーサ部材5を複数個の金属柱状体により形成するとともに、スペーサ部材5の上面とIC素子4の上面とを同一高さに位置させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信機器や電子機器等のタイミングデバイスとして用いられる圧電発振器及びその製造方法に関するものである。
携帯用通信機器等のタイミングデバイスとして温度補償型水晶発振器等の圧電発振器が従来から用いられている。
かかる従来の温度補償型水晶発振器としては、例えば図5に示す如く、平板状の実装用基体50上に、枠状のスペーサ部材51を介して内部に水晶振動素子32が収容されている容器体53を載置させた構造のものが知られている。容器体53の下面とスペーサ部材51の内側面とで囲まれる領域には、水晶振動素子32の振動に基づいて発振出力を制御するフリップチップ型のIC素子54が搭載されている。
特開平10−98151号公報
ところで、上述した従来の圧電発振器においては、容器体53がIC素子54に接触しないようにして容器体53をスペーサ部材51の上面に載置させる必要があるため、スペーサ部材51の上面位置をIC素子54の上面位置よりも高くする必要がある。しかしながらこの場合、スペーサ部材51の上面とIC素子54の上面との高さ位置の差分tだけ高さ方向にデッドスペースが形成されてしまう。
そこで、スペーサ部材51の厚みを薄くし、高さ方向のデッドスペースを小さくすることで圧電発振器の低背・小型化を図ることが考えられる。しかしながら、スペーサ部材51は、通常、枠状のセラミック絶縁体層を積層することによって形成されているため、スペーサ部材51の厚みを薄くするとスペーサ部材51の強度劣化を招き、スペーサ部材51に応力等が付加された際にクラック等が発生しやすくなる。スペーサ部材51にクラックが発生すると、スペーサ部材内に形成された配線導体の断線による導通不良や外観不良等の問題が生じる。したがって、従来の圧電発振器はスペーサ部材51の厚みを必要以上に薄くすることは困難であり、低背・小型化に供することが不可となる一要因となっていた。
また、スペーサ部材51の厚みのばらつきやIC素子54を搭載したときのIC素子54の上面位置のばらつき等を考慮すると、容器体53がIC素子54に接触しないようにするためには、スペーサ部材51の上面とIC素子54の上面との高さ位置の差分tを充分に設けておく必要があり、これもスペーサ部材51の厚みを薄くすることが困難となる一要因となっていた。
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その主たる目的は、全体構造を小型化することができる圧電発振器及びその製造方法を提供することにある。
本発明の圧電発振器は、フリップチップ型のIC素子及びスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載するとともに、圧電振動素子を収容した容器体を前記スペーサ部材を介して前記実装用基体の上面側に配置し、前記容器体の下面に設けた接続端子と前記スペーサ部材の上面に設けた接続パッドとを導電性接合材により接続してなる圧電発振器であって、前記スペーサ部材を複数個の金属柱状体により形成するとともに、前記スペーサ部材の上面と前記IC素子の上面とを実質的に同一高さに位置させたことを特徴とするものである。
また本発明の圧電発振器は、前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間には、前記IC素子の一部が配置されていることを特徴とするものである。
更に本発明の圧電発振器は、前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間には、前記IC素子の一部が配置されていることを特徴とするものである。
前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間には、前記IC素子に温度補償データを書き込むための金属柱状体から成る書込制御端子が載置され、該書込制御端子の一部が前記実装用基体の側面と前記容器体の側面との間より露出していることを特徴とするものである。
更にまた本発明の圧電発振器は、前記IC素子の側面及び前記スペーサ部材の側面が樹脂材で被覆されていることを特徴とするものである。
また本発明の圧電発振器の製造方法は、フリップチップ型のIC素子及び複数個の金属柱状体から成るスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載する工程Aと、前記IC素子の上面及びスペーサ部材の上面側を切削することにより、前記IC素子の上面と前記スペーサ部材の上面とを同じ高さ位置にそろえる工程Bと、内部に圧電振動素子を収容した容器体を前記スペーサ部材の上面に載置・固定する工程Cと、を含むものである。
更に本発明の圧電発振器の製造方法は、前記工程AにおいてIC素子及びスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載した後、前記実装用基体上に樹脂ペーストを充填し、硬化させることにより、前記IC素子及び前記スペーサ部材を樹脂材で被覆したことを特徴とするものである。
また更に本発明の圧電発振器の製造方法は、前記工程Aにおいて、前記スペーサ部材の上面が前記IC素子の上面よりも上方に位置していることを特徴とするものである。
本発明の圧電発振器によれば、スペーサ部材の上面とIC素子の上面とを実質的に同一高さに位置させたことにより、従来スペーサ部材上面の高さ位置がIC素子上面の高さ位置よりも上方に位置していたことによって生じていた高さ方向のデッドスペースをなくして圧電発振器の全体構造を低背・小型化することができる。本発明の場合、IC素子の上面−容器体の下面間の間隔を実質的に導電性接合材の厚み程度まで縮めることが可能となる。しかも本発明の圧電発振器によれば、スペーサ部材が複数個の金属柱状体により形成されているため、スペーサ部材の厚みを薄くしてもクラック等が発生しない。また、圧電発振器に外部から衝撃が加わった際、金属の可塑性により、スペーサ部材に印加される応力が緩和され、例えばスペーサ部材の剥離や圧電発振器の耐衝撃性を向上させることが可能となる。
また本発明の圧電発振器では、前記実装用基体の平面形状を略矩形状となし、前記複数個のスペーサ部材を前記実装用基体の四隅に配することが好ましい。これによって、容器体をスペーサ部材上に安定して載置させることができる。
また本発明の圧電発振器では、前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間に、前記IC素子の一部を配置させることが好ましい。これによって隣接するスペーサ部材間に形成されているデッドスペースがIC素子の配置領域として有効利用されることとなる。したがって、スペーサ部材間の領域がデッドスペースとなっている場合に比し、実装用基体の平面寸法を小さくなし、それに伴って圧電発振器の全体構造をより小型化することが可能となる。
また本発明の圧電発振器では、前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間に、前記IC素子に温度補償データを書き込むための金属柱状体から成る書込制御端子を載置し、該書込制御端子の一部が前記実装用基体の側面と前記容器体の側面との間より露出させることが好ましい。これによって隣接するスペーサ部材間に形成されているデッドスペースが書込制御端子の配置領域として有効利用されることとなる。したがって、別途書込制御端子の形成領域を実装用基体上面に確保する必要がなく、小型化に適した圧電発振器となすことができる。
また本発明の圧電発振器では、前記IC素子の側面及び前記スペーサ部材の側面が樹脂材で被覆されていることが好ましい。これによってIC素子及びスペーサ部材の実装用基体に対する接合強度を補強することができるとともに、スペーサ部材を形成する金属柱状体の酸化腐食を有効に防止して圧電発振器の信頼性を高く維持することができる。
また本発明の製造方法によれば、フリップチップ型のIC素子及び複数個の金属柱状体から成るスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載する工程Aと、前記IC素子の上面及びスペーサ部材の上面側を切削することにより、前記IC素子の上面と前記スペーサ部材の上面とを同じ高さ位置にそろえる工程Bと、内部に圧電振動素子を収容した容器体を前記スペーサ部材の上面に載置・固定する工程Cと、を含んで圧電発振器が製造されることから、スペーサ部材の上面とIC素子の上面とを確実且つ簡単に同一の高さにそろえることが可能となる。すなわち、本発明の製造方法によれば、従来のようにスペーサ部材の厚みのばらつきやIC素子を搭載したときのIC素子の上面位置のばらつき等を考慮することなく、IC素子の上面及びスペーサ部材の上面を切削することによって極めて簡単に両者の高さ位置をそろえることが可能となる。
また、各スペーサ部材の上面の高さ位置が均一化され、容器体をスペーサ部材上に安定して載置させることが可能となる利点もある。
また本発明の圧電発振器の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記実装用基体上に樹脂ペーストを充填し、硬化させることにより、前記IC素子及び前記スペーサ部材を樹脂材で被覆しておくことが好ましい。これによって、IC素子及びスペーサ部材の実装用基板への接合強度を補強することができ、例えば、IC素子の上面及びスペーサ部材の上面を切削する際にかかる応力によってIC素子及びスペーサ部材が実装用基体から剥離するのを有効に防止することできる。より好ましくは、IC素子及びスペーサ部材の全体を樹脂材により被覆することである。これによって、IC素子及びスペーサ部材の実装用基板への接合をより強固になすことができる。
また本発明の圧電発振器の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記スペーサ部材の上面を前記IC素子の上面よりも上方に位置させておくことが好ましい。これによって、IC素子より先にスペーサ部材が切削されることとなり、IC素子の切削量を最小限に止め、例えば、IC素子内部の配線等が形成されている面まで切削することを防止できる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の圧電発振器を温度補償型水晶発振器に適用した一実施形態を示す分解斜視図(樹脂材は省略)、図2は図1の温度補償型水晶発振器の断面図であり、これらの図に示す温度補償型水晶発振器は、内部に圧電振動素子としての水晶振動素子3が収容された矩形状の容器体2を、上面にIC素子4が設けられる矩形状の実装用基体1上に、金属柱状体から成る複数個のスペーサ部材5を介して載置・固定した構造を有している。
前記容器体2はガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る基板2aと、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング2bと、該シールリング2bと同様の金属から成る蓋体2cとから成り、基板2aの上面にシールリング2bを取着させ、その上面に蓋体2cを載置・固定させることによって容器体2が構成され、シールリング2bの内側に位置する基板2aの上面に水晶振動素子3が実装される。
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板2aの上面とシールリング2bの内面と蓋体2cの下面とで囲まれる空間内に水晶振動素子3を収容して気密封止するためのものであり、基板2aの上面には水晶振動素子3の振動電極に接続される一対の搭載パッド等が、基板2の下面にはスペーサ部材5に接続される複数個の接合電極6がそれぞれ設けられ、これらのパッド等は基板表面の配線導体や基板内部に埋設されているビアホール導体等を介して対応するもの同士、相互に電気的に接続されている。
尚、前記容器体2の基板2aは、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体となる導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
また容器体2のシールリング2b及び蓋体2cは従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング2bを基板2aの上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子3を導電性接着剤7を用いて基板2aの上面に実装・固定した後、上述の蓋体2cを従来周知の抵抗溶接等によってシールリング2bの上面に接合することによって容器体2が組み立てられる。このようにシールリング2bと蓋体2cとを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング2bや蓋体2cの表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等が被着される。
一方、容器体2の内部に収容される水晶振動素子3は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の振動電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こす。
前記水晶振動素子3は、一対の振動電極をシリコン樹脂やポリイミド樹脂等から成る樹脂材料中にAg等から成る導電性粒子を所定量、添加・混合してなる導電性接着剤7を介して基板上面の対応する搭載パッド8に電気的に接続させることによって基板2aの上面に搭載され、これによって水晶振動素子3と容器体2との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
ここで容器体2の蓋体2cを、容器体2や実装用基体1の配線導体等を介して実装用基体下面に配されるグランド端子用の外部端子10に接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子3や後述するIC素子7を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の蓋体4は容器体1や実装用基体6の配線導体を介してグランド端子用の外部端子10に接続させておくことが好ましい。
そして、上述した容器体2が載置・固定される実装用基体1は概略矩形状を成しており、該実装用基体上面の四隅部にはスペーサ部材5が個々に取着・立設され、これらのスペーサ部材5で囲まれた実装用基体上面の中央域にはIC素子4が搭載され、外周域には書込制御端子9が取着されている。
実装用基体6は、その上面でスペーサ部材5を介して容器体1を支持するとともに、下面に設けた外部端子10がマザーボード等の外部配線基板上の電極パッドと半田等の導電性接合材を介して電気的・機械的に接続されるようになっている。外部端子10は、例えば、実装用基体1の下面四隅部に4個設けられており、それぞれグランド端子、電源電圧端子、発振出力端子、発振制御端子として機能する。ここで、4個の外部端子10のうち、グランド端子用の外部端子10と発振出力端子用の外部端子10とを近接させて配置するようにすれば、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド端子用の外部端子10と発振出力端子用の外部端子10とは近接させて配置することが好ましい。
尚、実装用基体1は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料から成り、これらのセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体となる導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
このような実装用基体1の上面中央域にはIC搭載パッド12等の各種電極パッドや配線パターン等が形成されている。そして、前記IC搭載パッド12とIC素子4の下面側に設けられた接続パッド13とがAuバンプや半田等によって電気的・機械的に接続されることにより、IC素子4が実装用基体1に搭載されることとなる。またIC素子4には、周囲の温度状態を検知する感温素子(サーミスタ)、水晶振動素子3の温度特性を補償する温度補償データを格納するためのメモリ、温度補償データに基づいて水晶振動素子3の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等が設けられ、該発振回路で生成した発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
かかるIC素子4は、例えば図3の断面図に示す如く、シリコン等のIC用基板15に上述した発振回路等を構成するように所定の素子を作りこむことによって形成され、IC素子4の実装面(下面)側が回路形成面となっている。
また実装用基体1の上面四隅には金属柱状体から成る4個のスペーサ部材5が取着・立設されている。これらのスペーサ部材5は、銅等の金属材料を用いて四角柱状に成形されたもので、その下端部で実装用基体1の配線導体等に電気的・機械的に接続され、上端部で半田等の導電性接合材11を介して容器体下面の接続電極6に電気的・機械的に接続されている。尚、前記スペーサ部材5の上面には、容器体2との接合に用いられる導電性接合材11の接合状態を良好となすために、例えば、ニッケルめっきや金めっき等が被着される。
これらのスペーサ部材5とIC素子4とは、両者の上面が実質的に同一高さに位置している。これによって、従来はスペーサ部材上面の高さ位置をIC素子上面の高さ位置よりも上方に位置させていたことによって生じていた高さ方向のデッドスペースをなくして圧電発振器の全体構造を低背・小型化することができる。本実施形態においては、IC素子4の上面−容器体2の下面間の間隔を実質的に導電性接合材11の厚み程度、例えば、導電性接合材11が半田の場合は、25μm程度まで縮めることができる。
しかも本発明の圧電発振器によれば、スペーサ部材が複数個の金属柱状体により形成されているため、厚みを薄くしてもクラック等が発生することない。また、圧電発振器に外部から衝撃が加わった際、金属の可塑性により、スペーサ部材5に印加される応力が緩和され、例えばスペーサ部材5の剥離や圧電発振器の耐衝撃性を向上させることが可能となる。
また本実施形態においては、複数個のスペーサ部材5のうち隣接するスペーサ部材5−5間に、IC素子4の一部を配置させている。これによって隣接するスペーサ部材5−5間に形成されている領域をIC素子4の配置のために有効利用し、その分実装用基体1の平面寸法を小さくなし、圧電発振器の全体構造をより小型化ことが可能となる。
一方、IC素子4の一部が配置されていない他の隣接するスペーサ部材5−5間には、IC素子4に温度補償データを書き込むための金属柱状体から成る書込制御端子9が載置・固定されている。この書込制御端子11は、上述したスペーサ部材5と同じ金属材料を用いて四角柱状に成形されており、その下端部で実装用基体6の配線導体に電気的・機械的に接続してIC素子7と電気的に接続されるようになっており、その側面が容器体側面と実装用基体側面との間より露出するように、実装用基体6の上面外周部のエッジに沿って配置されている。このように書込制御端子9を配置させることによって隣接するスペーサ部材5−5間に形成される領域を書込制御端子9の配置のために有効利用し、別途書込制御端子9の形成領域を実装用基体上面に確保する必要がなく、小型化に適した圧電発振器となすことができる。かかる書込制御端子9の露出部に温度補償データ書込装置のプローブ針を接触させることによって、IC素子4のメモリに水晶振動素子3の温度特性に応じた温度補償データを書込むことができる。
また実装用基体1の上面には、樹脂材14が充填・硬化されており、IC素子4の側面及び下面、スペーサ部材5の側面、書込制御端子9の側面をそれぞれ被覆している。これによってIC素子、スペーサ部材5、及び書込制御端子9の実装用基体1に対する接合強度を補強することができるとともに、スペーサ部材5を形成する金属柱状体の酸化腐食を有効に防止して圧電発振器の信頼性を高く維持することができる。
かくして上述した温度補償型水晶発振器は、マザーボード等の外部配線基板上に半田付け等によって搭載され、IC素子4の温度補償回路によって発振出力を補正しながら、水晶振動素子3の共振周波数に応じた所定の発振信号を出力することによって温度補償型水晶発振器として機能する。
次に上述した温度補償型水晶発振器の製造方法について図4を用いて説明する。図4(a)〜(d)は本発明の製造方法を説明するための断面図である。
(工程A)
まず、図4(a)に示す如く、フリップチップ型のIC素子4及び複数個の金属柱状体から成るスペーサ部材5及び書込制御端子9を実装用基体1の上面に搭載する。
実装用基体1は、ガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料等によって形成されており、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂で形成する場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で重合させることによって実装用基体1が形成される。
そして前記実装用基体1の表面に比較的厚みの厚い銅箔等の金属箔を貼着し、これを従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによってスペーサ部材5や書込制御端子9が形成される。スペーサ部材5と書込制御端子9とを同じ金属材料で形成することによって、スペーサ部材5と書込制御端子9を同一のプロセスで実装用基体1の一方主面に一括的に形成することができる。
このようにしてスペーサ部材5及び書込制御端子9が取着・立設された実装用基体1の上面にIC素子4を搭載する。IC素子4としては、矩形状のフリップチップ型ICが用いられる。かかるIC素子4は、その実装面に設けられている複数個の接続パッド13が、実装用基体1の上面中央領域に設けたIC搭載パッド12に半田等の導電性接合材を介して当接されるようにして実装用基体1の上面に載置され、しかる後、前記導電性接合材を熱の印加等によって溶融させ、接続パッド13及びIC搭載パッド12を前記導電性接合材を介して接合することによってIC素子4が実装用基体1に取着・搭載されることとなる。
かかる工程AにおいてIC素子4を搭載した後、図4(b)に示す如く、実装用基体1の上面側に樹脂ペーストを充填し、硬化することによって、IC素子4、スペーサ部材5、書込制御端子9を樹脂材14で被覆する。このようにIC素子4、スペーサ部材5、書込制御端子9を樹脂材14により被覆することによって、実装用基体1に対する取着強度を樹脂材14でもって補強することができる。これによって、後記の工程Bにおいて、IC素子4の上面及びスペーサ部材5の上面を切削する際にかかる応力によってIC素子4及びスペーサ部材5が実装用基体1から剥離するのを有効に防止することできる。より好ましくは、IC素子4及びスペーサ部材5の全体を樹脂材14により被覆することである。これによって、IC素子4及びスペーサ部材5の実装用基板1への接続強度をより強固になすことができる。またこの樹脂材14により、スペーサ部材5及び書込制御端子9を形成する金属柱状体の酸化腐食を有効に防止して圧電発振器の信頼性を高く維持することができる利点もある。尚、樹脂材12には、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂等が用いられる。
(工程B)
次に、図4(c)に示す如く、前記IC素子4の上面及びスペーサ部材5の上面側を切削することにより、IC素子4の上面とスペーサ部材5の上面とを同じ高さ位置にそろえる。
切削作業を行うには、まずダイヤモンドや金属粉末等の砥粒を含む研磨剤を表面に塗布した研磨板20を準備する。次に、実装用基体1を治具21に固定し、しかる後、樹脂材14の上面を研磨板20に接触させ、治具21により所定の圧力をかける。そして研磨板20あるいは実装用基体1を回転させることにより、樹脂材14の上面側から研磨していき、この研磨作業を研磨板20がIC素子4及びスペーサ部材5に接触する位置まで続ける。
このようにスペーサ部材5の上面及びIC素子4の上面を切削することにより、従来のようにスペーサ部材の厚みのばらつきやIC素子を搭載したときのIC素子の上面位置のばらつき等を考慮することなく、極めて簡単に両者の高さ位置をそろえることが可能となる。またこの場合、各スペーサ部材の上面の高さ位置が均一化され、容器体2をスペーサ部材上に安定して載置させることが可能となる利点もある。
IC素子4の上面側は、図3に示す如く回路の非形成面となっているため、ある程度切削してもIC素子4の機能には何ら支障がない。ただし、必要以上に切削してIC素子4の機能を破損させることのないように前記工程Aにおいて、スペーサ部材5の上面をIC素子4の上面よりも上方に位置させておくことが好ましい。これによって、IC素子4より先にスペーサ部材5が切削されることとなり、IC素子4の切削量を最小限に止め、IC素子内部の配線等が形成されている箇所まで切削することを防止できる。
(工程C)
そして、図4(d)に示す如く、内部に圧電振動素子3を収容した容器体2をスペーサ部材5の上面に載置・固定する。容器体2は、先に述べたように、基板2aとシールリング2bと蓋体2cとで構成されており、その内部には水晶振動素子3が収容されている。ここで容器体2の長さ寸法及び幅寸法は、例えば、実装用基体1の長さ寸法及び幅寸法に対しそれぞれ85%〜100%に設定される。
容器体2の基板2aをセラミック材料により形成する場合は、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体となる導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって基板2aを製作し、得られた基板2aの上面に水晶振動素子3を搭載する。このとき、水晶振動素子3の振動電極と基板上面の搭載パッドとは導電性接合材を介して電気的・機械的に接続される。そして、基板2aの上面に、水晶振動素子3を囲繞するようにしてシールリング2bを載置・固定し、かかるシールリング2bの上面に蓋体2cを従来周知の抵抗溶接等によって接合することにより容器体2が組み立てられる。
尚、シールリング2b及び蓋体2cは、従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、シールリング2bは、基板2aの上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けすることによって基板2aに固定される。また上述のように、シールリング2bと蓋体2cとを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング2bや蓋体2cの表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等が被着される。
このような容器体2の下面にはスペーサ部材5と対応する接続端子6が設けられており、これらの接続端子6とスペーサ部材5とを半田等の導電性接合材11を介して当接させ、しかる後、導電性接合材11を熱の印加等によって溶融・硬化することによって容器体2が実装用基体1に取着される。なお、容器体2をマスター基板20に搭載する前に、接続端子6に周波数測定装置のプローブ針を接触させることにより、水晶振動素子3の周波数測定を予め行っておく。
上記の工程を経て、実装用基体1にIC素子4と容器体2とを取着・搭載することによって、IC素子4内の電子回路が実装用基体1の配線導体やスペーサ部材5等を介して水晶振動素子3や外部端子5等と電気的に接続されることとなる。
最後に、書込制御端子9の露出部に温度補償データ書込装置のプローブ針を当ててIC素子4に温度補償データを書き込む。温度補償データの書込作業は、書込制御端子9の露出部に温度補償データ書込装置のプローブ針を当てて、水晶振動素子3の温度特性に応じて作成された温度補償データをIC素子4の温度補償回路内に設けられているメモリに入力し、これを記憶させることによって行なわれる。尚、IC素子4に書き込まれる温度補償データは、水晶振動素子3の温度特性バラツキを補正するためのものであり、その温度補償型水晶発振器に使用される水晶振動素子3の温度特性を事前に測定しておくことにより得られるものである。
以上の工程を経て製品としての温度補償型水晶発振器が得られる。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば上述した実施形態においては、容器体1の蓋体4をシールリング3を介して基板2に接合させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
また上述した実施形態においては、外部端子5及び書込制御端子11を四角柱状に成形したが、形状はこれに限らず、例えば円柱状に成形しても構わない。
また上述した実施形態においては、隣接するスペーサ部材間の領域にIC素子4の一部あるいは書込制御端子9を載置させるようにしたが、かかる領域にはその他にもチップ状コンデンサ等を必要に応じて配置してもよい。
また上述した実施形態においては、個片の温度補償型水晶発振器の製造方法について説明したが、実装用基体1に対応した基体領域を複数有する大型基板を用いたいわゆる“多数個取り”の手法においても本発明の製造方法は適用可能である。
本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。 図1の温度補償型水晶発振器で容器体を搭載した状態の断面図である。 図1の温度補償型水晶発振器で使用するIC素子の断面図である。 (a)乃至(d)は本発明の製造方法を説明するための断面図である。 従来の温度補償型水晶発振器の断面図である。
符号の説明
1・・・実装用基体
2・・・容器体
3・・・圧電振動素子(水晶振動素子)
4・・・IC素子
5・・・スペーサ部材
9・・・書込制御端子
10・・・外部端子
11・・・導電性接合材

Claims (8)

  1. フリップチップ型のIC素子及びスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載するとともに、圧電振動素子を収容した容器体を前記スペーサ部材を介して前記実装用基体の上面側に配置し、前記容器体の下面に設けた接続端子と前記スペーサ部材の上面に設けた接続パッドとを導電性接合材により接続してなる圧電発振器であって、
    前記スペーサ部材を複数個の金属柱状体により形成するとともに、前記スペーサ部材の上面と前記IC素子の上面とを実質的に同一高さに位置させたことを特徴とする圧電発振器。
  2. 前記実装用基体の平面形状が略矩形状をなし、前記複数個のスペーサ部材が前記実装用基体の四隅に配されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
  3. 前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間には、前記IC素子の一部が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の圧電発振器。
  4. 前記複数個のスペーサ部材のうち隣接するスペーサ部材間には、前記IC素子に温度補償データを書き込むための金属柱状体から成る書込制御端子が載置され、該書込制御端子の一部が前記実装用基体の側面と前記容器体の側面との間より露出していることを特徴とする請求項2に記載の圧電発振器。
  5. 前記IC素子の側面及び前記スペーサ部材の側面が樹脂材で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
  6. フリップチップ型のIC素子及び複数個の金属柱状体から成るスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載する工程Aと、
    前記IC素子の上面及びスペーサ部材の上面側を切削することにより、前記IC素子の上面と前記スペーサ部材の上面とを同じ高さ位置にそろえる工程Bと、
    内部に圧電振動素子を収容した容器体を前記スペーサ部材の上面に載置・固定する工程Cと、
    を含む圧電発振器の製造方法。
  7. 前記工程AにおいてIC素子及びスペーサ部材を実装用基体の上面に搭載した後、前記実装用基体上に樹脂ペーストを充填し、硬化させることにより、前記IC素子及び前記スペーサ部材を樹脂材で被覆したことを特徴とする請求項6に記載の圧電発振器の製造方法。
  8. 前記工程Aにおいて、前記スペーサ部材の上面が前記IC素子の上面よりも上方に位置していることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の圧電発振器の製造方法。
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JP2008193637A (ja) * 2007-02-08 2008-08-21 Epson Toyocom Corp 積層型電子デバイスおよびその製造方法

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