JP4328225B2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、通信機器や電子機器等のタイミングデバイスとして用いられる温度補償型水晶発振器に関するものである。
従来より、携帯用通信機器等のタイミングデバイスとして温度補償型水晶発振器が用いられている。
かかる従来の温度補償型水晶発振器としては、例えば図に示す如く、内部に水晶振動素子が収容されている容器体20を、下面に複数個の外部端子を有した実装用基体21上に、該実装用基体上面に載置した枠体22を介して取着させるとともに、前記容器体20の下面と前記枠体22の内面とで囲まれる領域内に、水晶振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子23を収容させた構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
尚、前記容器体20及び前記実装用基体21は、通常、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成り、その内部及び表面には配線導体が形成され、従来周知のグリーンシート積層法等を採用することによって製作されている。そして、このような容器体20の下面や枠体22の上面には、それぞれ対応する箇所に接合電極が複数個設けられており、これらの接合電極同士を導電性接合材を介して接合することにより容器体20が枠体22を介して実装用基体上に固定されていた。
また、前記IC素子23の内部には、水晶振動素子の温度特性に応じて作成された温度補償データに基づいて温度補償型水晶発振器の発振出力を補正するための温度補償回路が設けられており、このような温度補償データをIC素子23内のメモリに格納するため、枠体22または実装用基体21の外側面には書込制御端子24が設けられ、水晶発振器を組み立てた後、この書込制御端子24に温度補償データ書込装置のプローブ針を当てて温度補償データをIC素子23へ入力することによって温度補償データをIC素子23内のメモリに格納するようにしていた。
特開平10−98151号公報
しかしながら、上述した従来の温度補償型水晶発振器においては、枠体22または実装用基体21の外側面に温度補償データを書き込むための書込制御端子24が設けられており、かかる実装用基体21を製作するために、枠体22が切り出されるセラミック製の母基板に貫通穴を開けて、その内面に導体ペーストを塗布して焼き付けたり、更には金属メッキを施す等して膜状の書込制御端子24を被着させておく必要があり、このような複雑な加工プロセスが不可欠となることによって温度補償型水晶発振器の生産性が著しく低下する欠点を有していた。
そこで上述の欠点を解消するために、書込制御端子24を実装用基体21の下面に配置させることが考えられる。
しかしながら、書込制御端子24を実装用基体21の下面に配置させた場合、温度補償型水晶発振器が実装されるマザーボード(図示せず)の配線と上述の書込制御端子24とが対向していると、マザーボードの配線と書込制御端子24との間で浮遊容量を発生することがあり、その場合、温度補償型水晶発振器が組み込まれる通信機器や電子機器の電気的特性に多大な影響を与える恐れがある上に、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載した際、溶融した半田の一部が書込制御端子24に接触して短絡を起こす危険性があり、温度補償型水晶発振器の取り扱いに簡便性を欠く不都合があった。
また、実装用基体上面にIC素子23以外にもチップコンデンサやチップ抵抗器などの各種電子部品素子を搭載させる場合、実装用基体上面には枠体22が載置されていることから、実装用基体上面の周囲部領域は枠体22を載置させるためのスペースとして使用され、電子部品素子の実装スペースが殆どなくなってしまう。従って、電子部品素子の実装スペースを確保するために実装用基体21の平面形状を大きくせざるを得ず、温度補償型水晶発振器を小型化するのが困難となる欠点も有していた。
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、取り扱いが簡便で、生産性に優れた小型な温度補償型水晶発振器を提供することにある。
本発明の温度補償型水晶発振器は、内部に水晶振動素子を収容している矩形状の容器体を、前記水晶振動素子の発振周波数に対応した発振信号を温度補償データに基づいて補正しつつ出力するIC素子が搭載されている矩形状の実装用基体上に、該実装用基体の四隅部に配された複数個の金属ポストを介して固定してなる温度補償型水晶発振器であって、前記IC素子は樹脂材によって被覆されており、前記樹脂材が、前記複数個の金属ポストのうち温度補償データ書き込み用金属ポストのみ外側側面を露出するように覆っているとともに、前記複数個の金属ポストのうち他の金属ポストの側面を全周にわたって覆っていることを特徴とするものである。
また本発明の温度補償型水晶発振器は、前記温度補償データ書込用の金属ポストが2個以上設けられ、これらの金属ポストが前記実装用基体の四隅部の一つに近接配置されていることを特徴とするものである。
更に本発明の温度補償型水晶発振器は、前記樹脂材の外周部を温度補償データ書き込み用金属ポストが設けられた領域を除いて前記実装用基体のすべての外周部まで延在させたことを特徴とするものである。
本発明の温度補償型水晶発振器は、実装用基体の四隅部に金属ポストを配するとともに、四隅部の少なくとも一つに配される金属ポストの側面を容器体の側面と実装用基体の側面との間より露出させ、該露出部を介してIC素子に温度補償型データを書き込むようになしたことから、これによって、温度補償型水晶発振器を組み立てる際、金属ポストを実装用基体上面の所定位置に取着させておくだけで温度補償型水晶発振器を製作することができ、従来の温度補償型水晶発振器の如く膜状の書込制御端子を実装用基体の外側面に形成する場合のような煩雑な加工プロセスは一切不要となることから、温度補償型水晶発振器の生産性を向上させることが可能となる。
また、温度補償型水晶発振器が実装されるマザーボードの配線と書込制御端子との間で浮遊容量を発生したり、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載する際に、溶融した半田の一部が書込制御端子に接触して短絡を起こすこともなく、温度補償型水晶発振器の取り扱いが簡便なものとなる利点もある。
更に、実装用基体上面にIC素子以外の電子部品素子を搭載する場合であっても、実装用基体上面の金属ポスト間の領域に電子部品素子の搭載スペースが存在することから、実装用基体上面を電子部品素子を搭載するために有効に利用して、温度補償型水晶発振器を小型化することができる。
また本発明の温度補償型水晶発振器によれば、実装用基体上のIC素子を樹脂材で封止するとともに、該樹脂材の外周部を実装用基体の外周部まで延在させて、該延在部を隣接する金属ポスト材間の間隙に充填させておくことにより、IC素子や金属ポスト等の実装用基体に対する取着強度を前記樹脂材によって補強することができるとともに、IC素子の回路形成面を樹脂材によって良好に保護することができ、温度補償型水晶発振器の機械的強度、並びに信頼性を高く維持することが可能となる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図、図2は図1の温度補償型水晶発振器の断面図であり、これらの図に示す温度補償型水晶発振器は、内部に水晶振動素子5が収容された矩形状の容器体1を、上面にIC素子7が設けられる矩形状の実装用基体6上に、金属ポスト12を介して載置・固定した構造を有している。
前記容器体1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る基板2と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング3と、該シールリング3と同様の金属から成る蓋体4とから成り、前記基板2の上面にシールリング3を取着させ、その上面に蓋体4を載置・固定させることによって容器体1が構成され、シールリング3の内側に位置する基板2の上面に水晶振動素子5が実装される。
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板2の上面とシールリング3の内面と蓋体4の下面とで囲まれる空間内に水晶振動素子5を収容して気密封止するためのものであり、基板2の上面には水晶振動素子5の振動電極に接続される一対の搭載パッド等が、基板2の下面には後述する金属ポスト12に接続される複数個の接合電極がそれぞれ設けられ、これらの搭載パッド等は基板表面の配線導体や基板内部に埋設されているビアホール導体等を介して、対応するもの同士、相互に電気的に接続されている。
尚、前記容器体1の基板2は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体となる導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
また前記容器体1のシールリング3及び蓋体4は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング3を基板2の上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子5を導電性接着剤を用いて基板2の上面に実装・固定した後、上述の蓋体4を従来周知の抵抗溶接等によってシールリング3の上面に接合することによって容器体1が組み立てられる。このようにシールリング3と蓋体4とを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング3や蓋体4の表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等が被着される。
一方、前記容器体1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の振動電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こす。
前記水晶振動素子5は、一対の振動電極を導電性接着剤を介して基板上面の対応する搭載パッドに電気的に接続させることによって基板2の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と容器体1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
ここで容器体1の蓋体4を、容器体1や実装用基体6に形成されている配線導体を介して実装用基体下面に配されるグランド端子用の外部端子10に接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子5や後述するIC素子7を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の蓋体4は容器体1や実装用基体6の配線導体を介してグランド端子用の外部端子10に接続させておくことが好ましい。
そして、上述した容器体1が載置・固定される実装用基体6は概略矩形状を成しており、該実装用基体上面の四隅部には金属ポスト12が個々に取着・立設され、これらの金属ポスト12で囲まれた実装用基体上面の中央域にはIC素子7が搭載される。
前記実装用基体6は、その上面でIC素子7や金属ポスト12を介して容器体1を支持するためのものであり、ガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料等によって平板状をなすように形成される。
このような実装用基体6の上面四隅部には銅等の金属材料から成る四角柱状の金属ポスト12が取着・立設されている。この金属ポスト12は下端部で実装用基体6の配線導体に電気的・機械的に接続され、上端部で半田等の導電性接合材を介して容器体下面の接続電極に電気的・機械的に接続されており、容器体内部の配線導体やビアホール導体、あるいは実装用基体内部の配線導体やビアホール導体等を介して、IC素子7の搭載パッドや外部端子10と電気的に接続されている。
実装用基体上面の四隅部に配される4個の金属ポスト12のうち、1個の金属ポスト12aは、その側面を容器体1の側面と実装用基体6の側面との間より露出させるように、実装用基体のエッジに沿って配置されている。
この金属ポスト12aは、IC素子7と電気的に接続されており、IC素子7に温度補償データを書き込むための電極として使用されるものである。かかる温度補償データ書き込み用の金属ポスト12aは少なくとも2個以上設けられており、本実施形態では2個の金属ポスト12a、12aを近接配置させるとともに、各々の金属ポストの側面を実装用基体6の同一側面側から露出させている。そして、温度補償型水晶発振器を組み立てた後、これらの金属ポスト12a、12aに露出している側面に温度補償データ書込装置の2本のプローブ針を当て、水晶振動素子5の温度特性に応じた温度補償データを書き込むことによってIC素子7のメモリ内に温度補償データが格納される。
これら2個の金属ポスト12d、12dを近接配置するとともに実装用基体の同一側面側から露出するようにしておけば、2本のプローブ針を同一方向より金属ポスト12d、12dに当てることができるため、温度補償データの書込み作業を簡単に行うことができるという利点がある。
このように金属ポスト12同士を近接配置させる場合、金属ポスト間の間隙には絶縁性材料を充填しておくことが好ましい。これによって、金属ポスト間の短絡を有効に防止することができる。このような絶縁性材料としては、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂材が好適に用いられる。
尚、前記金属ポスト12の上端面には、容器体1との接合に用いられる導電性接合材の接合状態を良好となすために、例えば、ニッケルめっきや金めっき等が所定厚みに被着される。
また前記実装用基体6の下面には、4つの外部端子10(電源電圧端子、グランド端子、発振出力端子、発振制御端子)が設けられており、これらの外部端子10は、温度補償型水晶発振器をマザーボード(図示せず)等の外部電気回路に搭載する際、半田付け等によって外部電気回路の回路配線と電気的に接続されることとなる。
ここで、4個の外部端子10のうち、グランド端子と発振出力端子を近接させて配置するようにすれば、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド端子と発振出力端子は近接させて配置することが好ましい。
更に、上述した実装用基体6の上面には、その中央域に複数個の電極パッド15が被着・形成されており、これら電極パッド15の形成領域に上述したIC素子7が搭載される。
前記IC素子7としては、例えば、下面に実装用基体6の電極パッド15と1対1に対応する複数個の接続パッド16を有した矩形状のフリップチップ型IC等が用いられ、かかるIC素子7は、周囲の温度状態を検知する感温素子(サーミスタ)、水晶振動素子5の温度特性を補償する温度補償データを格納するためのメモリ、温度補償データに基づいて水晶振動素子5の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等を有している。そして、前記発振回路で生成された発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
尚、前記IC素子7は、その下面に設けた接続パッド16を実装用基体上面の対応する電極パッド15に半田や金バンプ等の導電性接合材17を介して個々に接合させることによってIC素子7が実装用基体6に取着され、これによってIC素子7内の電子回路が容器体1の配線導体や実装用基体6の配線導体等を介して水晶振動素子5や外部端子10等に電気的に接続される。
また、実装用基体6の上面にはIC素子7以外にも、例えば、チップ状の電子部品素子14が搭載される。このような電子部品素子14として、前記発振回路に入力される信号のノイズをカットするためのチップコンデンサなどを設けておけば、ノイズの少ない安定した発振信号を出力することができる。また、電子部品素子14を実装用基体6の上面で隣接する金属ポスト間に配置して搭載するようにすれば、実装用基体6の上面のスペースを有効に利用して、温度補償型水晶発振器の全体構造を小型に構成することができる利点がある。
一方、上述した実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって金属ポスト12や配線導体が形成される。また、前記実装用基体6上に金属ポスト12を介して容器体1を取着・固定する際は、金属ポスト12の上面を半田等の導電性接合材を介して容器体下面の対応する接合電極に当接させ、しかる後、前記導電性接合材を熱の印加によって溶融させる等して両者を電気的・機械的に接続することにより容器体1が実装用基体6上に取り付けられる。
また、上述したIC素子7を図3に示す如く、例えばエポキシ樹脂等から成る樹脂材13によって封止しておき、該樹脂材13の外周部を実装用基体6の外周部まで延在させた上、隣接する金属ポスト12間の間隙に充填しておけば、IC素子7や金属ポスト12等の実装用基体6に対する取着強度を補強することができるとともに、IC素子7の回路形成面を樹脂材13でもって良好に保護することができ、温度補償型水晶発振器の機械的強度、並びに信頼性を高く維持することが可能となる。この場合、温度補償データ書き込み用の金属ポスト12aを以外の金属ポスト12を、実装用基体6のエッジより若干内側、例えば、実装用基体6の外周より1μm〜500μmだけ内側に実装用基体6の外周部に沿って配置するに配置させておき、金属ポスト12の外側側面にも樹脂材13を延在させておけば、金属ポストを12の酸化腐食等を防止することができる。
かくして上述した温度補償型水晶発振器は、マザーボード等の外部配線基板上に半田付け等によって搭載され、IC素子7の温度補償回路によって発振出力を補正しながら、水晶振動素子5の共振周波数に応じた所定の発振信号を出力することによって温度補償型水晶発振器として機能する。
以上のような本実施形態の温度補償型水晶発振器によれば、実装用基体の四隅部に金属ポストを配するとともに、四隅部の少なくとも一つに配される金属ポストの側面を容器体の側面と実装用基体の側面との間より露出させ、該露出部を介してIC素子に温度補償型データを書き込むようになしたことから、これによって、温度補償型水晶発振器を組み立てる際、金属ポストを実装用基体上面の所定位置に取着させておくだけで温度補償型水晶発振器を製作することができ、従来の温度補償型水晶発振器の如く膜状の書込制御端子を実装用基体の外側面に形成する場合のような煩雑な加工プロセスは一切不要となることから、温度補償型水晶発振器の生産性を向上させることが可能となる。
また、温度補償型水晶発振器が実装されるマザーボードの配線と書込制御端子との間で浮遊容量を発生したり、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載する際に、溶融した半田の一部が書込制御端子に接触して短絡を起こすこともなく、温度補償型水晶発振器の取り扱いが簡便なものとなる利点もある。
更に、実装用基体上面にIC素子以外の電子部品素子を搭載する場合であっても、実装用基体上面の金属ポスト間の領域に電子部品素子の搭載スペースが存在することから、実装用基体上面を電子部品素子を搭載するために有効に利用して、温度補償型水晶発振器を小型化することができる。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、温度補償データ書込用の金属ポスト12dを2個設けるようにしたが、温度補償データ書込用の金属ポスト12dは2個に限定されるものではなく、IC素子7の種類に応じて3個以上設けるようにしても構わない。
また上述した実施形態においては、2個の温度補償データ書込用の金属ポスト12dを実装用基体の同一側面側から露出するようしたが、これに代えて図4に示す如く、2個の温度補償データ書込用の金属ポスト12d、12を、その平面形状が直角三角形をなす三角柱状に形成した上、両者の斜辺を向き合わせた状態で基体上面四隅部の一角に配置させ、それぞれの金属ポスト12d、12dが実装用基体の別の側面側から露出するようにしてもよい。この場合、温度補償データ書込用の金属ポスト12d、12dの露出部分を大きくして、温度補償データ書込装置のプローブ針を当てやすくなるという利点がある。
更に上述した実施形態においては、実装用基体上面の四隅部に設けられた温度補償データ書込用の1個の金属ポスト12dに対してもう1個別の温度補償データ書込用の金属ポスト12dを近接配置するようにしたが、温度補償データ書込用の金属ポスト12dの配置位置はこれに限定されるものではなく、例えば図5に示す如く、2個の温度補償データ書込用の金属ポスト12d、12dを実装用基体上面の四隅部のうち対角線上の角部にそれぞれ配置するようにしても構わない。
また更に上述した実施形態においては、容器体1と実装用基体6上のスペーサ部材12とを接合するのに導電性接合材を用いるようにしたが、この導電性接合材は半田等の一般的な導電材料に限られるものではなく、例えば、導電性接合材として異方性導電接着材等を用いるようにしても良く、その場合、実装用基体6に対する容器体1の取着作業が極めて簡単になり、温度補償型水晶発振器の組立工程が更に簡略化される利点もある。
また更に上述した実施形態においては、容器体1の蓋体4をシールリング3を介して基板2に接合させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
更にまた上述した実施形態においては、容器体1の基板上面に直接シールリング3を取着させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に基板2と同材質のセラミック材料等から成る枠体を一体的に取着させた上、該枠体の上面にシールリング3を取着させるようにしても構わない。
(a)は本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図、(b)は図1(a)に示した温度補償型水晶発振器をX方向から見たときの側面図である。 図1の温度補償型水晶発振器の断面図である。 (a)は図1に示した温度補償型水晶発振器に樹脂材を充填した状態における分解斜視図、(b)は図3(a)に示した温度補償型水晶発振器の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。 従来の温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。
符号の説明
1・・・容器体
2・・・基板
3・・・シールリング
4・・・蓋体
5・・・水晶振動素子
6・・・実装用基体
7・・・IC素子
10・・・外部端子
12・・・金属ポスト
13・・・樹脂材
14・・・電子部品素子

Claims (3)

  1. 内部に水晶振動素子を収容している矩形状の容器体を、前記水晶振動素子の発振周波数に対応した発振信号を温度補償データに基づいて補正しつつ出力するIC素子が搭載されている矩形状の実装用基体上に、該実装用基体の四隅部に配された複数個の金属ポストを介して固定してなる温度補償型水晶発振器であって、
    前記IC素子は樹脂材によって被覆されており、前記樹脂材が、前記複数個の金属ポストのうち温度補償データ書き込み用金属ポストのみ外側側面を露出するように覆っているとともに、前記複数個の金属ポストのうち他の金属ポストの側面を全周にわたって覆っている、ことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 前記温度補償データ書込用の金属ポストが2個以上設けられ、これらの金属ポストが前記実装用基体の四隅部の一つに近接配置されていることを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
  3. 前記樹脂材の外周部を、温度補償データ書き込み用金属ポストが設けられた領域を除いて前記実装用基体のすべての外周部まで延在させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度補償型水晶発振器。
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