JP2006270725A - 超音波プローブ及び超音波診断装置 - Google Patents

超音波プローブ及び超音波診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006270725A
JP2006270725A JP2005088169A JP2005088169A JP2006270725A JP 2006270725 A JP2006270725 A JP 2006270725A JP 2005088169 A JP2005088169 A JP 2005088169A JP 2005088169 A JP2005088169 A JP 2005088169A JP 2006270725 A JP2006270725 A JP 2006270725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
width
acoustic matching
ultrasonic probe
matching layer
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005088169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4619845B2 (ja
Inventor
Koichi Shibamoto
弘一 芝本
Minoru Aoki
稔 青木
Hisashi Nakamura
寿 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Medical Systems Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2005088169A priority Critical patent/JP4619845B2/ja
Publication of JP2006270725A publication Critical patent/JP2006270725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4619845B2 publication Critical patent/JP4619845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

【課題】 超音波プローブにおいて、圧電振動子の配列方向の指向特性を広めることを目的とする。
【解決手段】 第2の音響整合層5の走査方向の幅は幅d3、圧電振動子3の走査方向の幅は幅d1となっている。ここで、幅d3<幅d1の関係が成立している。つまり、第2の音響整合層5の走査方向の幅は、圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭くなっている。また、第2の音響整合層5の厚さt(送受信方向の幅)は、圧電振動子3の走査方向の幅d1とほぼ等しい。従って、第2の音響整合層5の走査方向の幅d3は、厚さtよりも狭くなり、アスペクト比(幅d3/厚さt)は1より小さくなる。そのことにより、横振動が低減され、圧電振動子3の指向特性が広くなる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、広い指向特性を有する超音波プローブ、及びその超音波プローブを備えた超音波診断装置に関する。
被検体内を超音波で走査し、被検体内からの反射波から生成した受信信号に基づいて、被検体の内部状態を画像化する超音波診断装置が知られている。このような超音波診断装置は、圧電振動子を備えた超音波プローブにより被検体内に超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波プローブで受信して受信信号を生成する。
超音波プローブは送信信号に基づいて振動して超音波を発生し、反射波を受けて受信信号を生成する圧電振動子を走査方向に複数個、配置している。このような超音波プローブでは、圧電振動子に印加する信号に遅延時間を与えて、送信及び受信する超音波を電子的に集束及び偏向させて走査している。超音波を集束させることにより、超音波ビームを細かくすることができるため、分解能を向上させることができる。また、超音波ビームを扇形状に偏向させることにより、広い視野角を得ることができる。超音波を集束及び偏向させるためには、圧電振動子の配列方向に対して、個々の圧電振動子の超音波指向特性を広くすることが重要である。超音波の指向特性を広くするために、従来から様々な提案がなされている(例えば特許文献1)。
ところで、圧電振動子の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとの音響整合を図る目的で、圧電振動子の上に走査方向に複数に分割された音響整合層を設け、その音響整合層を介して超音波の送受信が行われている。この音響整合層を多層構造とする場合もあり、圧電振動子から離れている層ほど音響インピーダンスを小さくし、音響整合を良好にしている。
このように圧電振動子と被検体との音響整合を良好にするのは、圧電振動子の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとの差が大きいと、圧電振動子から被検体に超音波を送信する際、被検体での超音波の反射損失が大きくなってしまうからである。そのことにより、被検体への超音波の送信を効率良く行うことができず、画質の良い画像を得ることができないからである。
ここで、図5を参照しつつ従来の超音波プローブの構成について説明する。図5は、超音波プローブを走査方向(配列方向)に直交する方向から見た図である。超音波プローブは、背面材21の上に圧電振動子22が設けられ、圧電振動子22の上に音響整合層23、24が設けられている。さらに、音響整合層24の上に音響レンズ(図示しない)が設けられている。圧電振動子22、音響整合層23、24は、走査方向(配列方向)に複数に分割されて配列されている。このような超音波プローブでは、圧電振動子22は音響整合層23、24を介して超音波の送受信を行う。
超音波の波長をλとした場合、音響整合層23、24の厚さt(超音波の送受信方向の幅)は、音響整合の観点から一般的に(λ/4)程度に設計される。また、超音波プローブの設計においては、超音波プローブの有効口径、素子数、超音波振動子22の幅d1(配列方向の幅)などが優先されて設計されるため、音響整合層23、24の幅(配列方向の幅)はその設計に制約されて決定されることが多い。
特開平11−205899号公報
しかしながら、圧電振動子22の寸法が優先されて超音波プローブが設計されて、複数に分割されて配列されている各音響整合層24のアスペクト比(幅d1/厚さt)の値が1程度になる場合、超音波が伝播する送受信方向の振動と、送受信方向に直交する走査方向(配列方向)の振動(横振動)とが干渉し、圧電振動子22の配列方向の指向特性を狭めてしまう。そのことにより、超音波ビームの指向角度が制限されるため大きい偏向角においては感度が不足し、その結果、良好な画像が得られないため、診断能の低下を招いていた。従って、診断能を向上させるためには、各圧電振動子の指向特性を向上させる(広くする)必要があった。
この発明は上記の問題点を解決するものであり、音響整合層の配列された方向の幅を圧電振動子の配列された方向の幅よりも狭くすることにより音響整合層のアスペクト比を小さくし、そのことにより、横振動の影響を低減して各圧電振動子の指向特性を向上させる(広くする)ことを目的とする。
請求項1記載の発明は、所定方向に配列された複数の圧電振動子と、各圧電振動子それぞれに重ねて設けられた音響整合層と、を有し、前記音響整合層が重ねられている方向に超音波の送受信を行う超音波プローブであって、各音響整合層の前記配列された方向の幅は、各圧電振動子の前記配列された方向の幅よりも狭いことを特徴とする超音波プローブである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波プローブであって、前記各音響整合層の前記送受信の方向の幅は、前記圧電振動子の前記配列された方向の幅とほぼ等しいことを特徴とするものである。
この発明は、例えば、各音響整合層の送受信方向の幅と、各圧電振動子の配列方向の幅とがほぼ等しい条件において、各音響整合層の配列方向の幅を、各圧電振動子の配列方向の幅よりも狭くすることにより、各音響整合層のアスペクト比を小さくするものである。このようにアスペクト比を小さくすることで、横振動を低減することが可能となり、圧電振動子の指向特性を広くすることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、所定方向に配列された複数の圧電振動子と、各圧電振動子それぞれに重ねて設けられた複数層からなる音響整合層と、を有し、前記音響整合層が重ねられている方向に超音波の送受信を行う超音波プローブであって、前記複数層のうち先端の層の前記配列された方向の幅は、前記各圧電振動子の前記配列された方向の幅よりも狭いことを特徴とする超音波プローブである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の超音波プローブであって、前記先端の層の前記送受信の方向の幅は、前記圧電振動子の前記配列された方向の幅とほぼ等しいことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記圧電振動子から離れて設けられている層ほど前記配列された方向の幅が狭いことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記配列された方向においては、前記各圧電振動子の間及び前記各音響整合層の間に充填材が充填されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波プローブと、前記超音波プローブにより被検体に対して超音波を送受信させ、前記被検体からの反射波に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
この発明によると、音響整合層の配列された方向の幅が圧電振動子の配列された方向の幅よりも狭いため、音響整合層における横振動を低減することができ、そのことにより、圧電振動子の指向特性を広くすることが可能となる。具体的には、音響整合層の送受信の方向の幅が圧電振動子の配列された方向の幅とほぼ等しい条件下で、音響整合層の配列された方向の幅が圧電振動子の配列された方向の幅より狭いため、音響整合層の配列された方向の幅は、音響整合層の送受信の方向の幅よりも狭くなる。つまり、アスペクト比が1より小さくなるため横振動を軽減することができ、その結果、指向特性を広くすることが可能となる。このことは超音波を受信する場合も同じである。圧電振動子の指向特性が広くなることにより、より広い角度から生体情報を収集することができるため、診断能を向上させることが可能となる。
この発明の実施形態に係る超音波プローブについて、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
この発明の実施形態に係る超音波プローブの構成について図1を参照しつつ説明する。図1はこの発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成を示す斜視図である。超音波プローブはヘッド側とケーブル側とからなり、図1には超音波プローブのヘッド側が示されている。
同図に示すように、超音波プローブ1は、背面材2の上に圧電振動子3が設けられている。圧電振動子3は、走査方向(配列方向)に複数に分割されて配列されている。圧電振動子3の上には第1の音響整合層4が設けられ、第1の音響整合層4の上には第2の音響整合層5が設けられている。第1の音響整合層4及び第2の音響整合層5は、走査方向(配列方向)に複数に分割されて配列されている。さらに、第2の音響整合層5の上には音響レンズ6が設けられている。
背面材2は、圧電振動子3から発振された超音波振動や受信時の超音波振動のうち、超音波診断装置の画像抽出にとって必要でない超音波振動成分を減衰吸収する。背面材2には、一般的に、フェライトゴム、エポキシ又はウレタンゴムなどにマイクロバルーンなどを混入した材料が用いられる。
圧電振動子3は、チタン酸ジリコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸バリウム(BaTiO)又はチタン酸鉛(PbTiO)等のセラミック材料からなる。また、圧電振動子3の上下両面には電極(図示しない)が形成されている。圧電振動子3は、走査方向に複数に分割されて配列されているため、この実施形態に係る超音波プローブ1は1次元アレイ超音波プローブと称される。
第1の音響整合層4及び第2の音響整合層5には、エポキシ樹脂やプラスチック材などが用いられ、音響整合を良好にするために、第2の音響整合層5の音響インピーダンスが第1の音響整合層4の音響インピーダンスよりも小さくなるように設計されている。音響整合層を複数の層構造にすることで、音響レンズ6とあいまって被検体の体表との音響インピーダンスの差分による信号ロスの発生を抑えている。なお、この実施形態においては、音響整合層を2層設けているが、1層であっても良く、3層以上設けても良い。第1の音響整合層4及び第2の音響整合層5の詳細な構造については後で説明する。
音響レンズ6は、被検体の体表面に接触して超音波の送受信の仲介を行なう。この音響レンズ6により、体表より所定の深さにスライス方向(走査方向に直交する方向)の音響的な焦点を結ぶ。また、走査方向の音響的な焦点は、走査方向に短冊状に配置された複数の圧電振動子3の送信/受信のタイミングを切り替え制御することにより結ばれる。
複数に分割された圧電振動子3、第1の音響整合層4及び第2の音響整合層5の分割溝には、機械的強度を保つためにシリコーンゴム、ウレタンゴム又はエポキシ樹脂などの充填剤7が充填されている。
次に、圧電振動子3、第1の音響整合層4及び第2の音響整合層5の構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、超音波プローブを走査方向(配列方向)に直交する方向から見た図であり、説明を簡便にするため、音響レンズ6及び充填剤7を省略している。
図2(a)に示すように、第2の音響整合層5の走査方向(配列方向)の幅は幅d3、圧電振動子3の走査方向の幅は幅d1となっている。ここで、幅d3<幅d1の関係が成立している。つまり、第2の音響整合層5の走査方向の幅は、圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭くなっている。第1の音響整合層4の走査方向の幅は幅d1であるため、圧電振動子3の走査方向の幅と等しい。従って、音響整合層全体からみると、先端部にある層(第2の音響整合層5)の走査方向の幅が、圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭くなっていることになる。なお、各圧電振動子3間の幅(分割溝の幅)を幅d2とする。また、第2の音響整合層5の厚さt(超音波の送受信方向の幅)は、圧電振動3の走査方向の幅d1とほぼ等しくなっている。
このように、第2の音響整合層の厚さt(超音波の送受信方向の幅)が圧電振動子3の走査方向の幅d1とほぼ等しい条件下において、第2の音響整合層5の走査方向の幅が、圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭くなっているため、第2の音響整合層5の走査方向の幅d3は、第2の音響整合層5の厚さt(超音波の送受信方向の幅)よりも狭くなる。つまり、厚さt>幅d3となり、第2の音響整合層5のアスペクト比(幅d3/厚さt)は1より小さくなる。
このように第2の音響整合層5のアスペクト比が1より小さくなるため、超音波の横振動を軽減することが可能となり、圧電振動子3の指向特性を向上させることが可能となる。その結果、広い指向角度における感度を向上させることができ、診断能を向上させることが可能となる。
なお、圧電振動子3の指向特性と、音響整合層による音響整合とはトレードオフの関係にある。つまり、圧電振動子3の指向特性を広げるためには、第2の音響整合層5のアスペクト比(幅d3/厚さt)を1より小さくすれば良いが、第2の音響整合層5の走査方向の幅d3を狭くすることによって感度が低下する。従って、指向特性と音響整合とを考慮して、診断のための画像として良好なものが得られるように超音波プローブを設計する必要がある。例えば、第2の音響整合層5のアスペクト比が1より僅かに小さい程度であれば、指向特性を広げることの効果により、アスペクト比がほぼ1に等しい超音波プローブよりも、診断するにおいて良好な画像を得ることができる。具体的には、アスペクト比(幅d3/厚さt)が2/3程度になるまで幅d3を狭くしても、指向特性が広くなる効果により、診断に用いる画像として良好なものが得られる。つまり、音響整合性が悪くなっても、送信感度が低下する以上に指向特性が向上するため、診断に用いる画像としては良好なものとなる。
図2(b)に別の例を示す。この例においては、第2の音響整合層5の走査方向の幅と第1の音響整合層41の走査方向の幅は等しく、幅d3となっている。また、圧電振動子3の走査方向の幅は幅d1となっている。従って、第1の音響整合層41及び第2の音響整合層5の走査方向の幅は、共に圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭くなっている。
このように、第1の音響整合層41及び第2の音響整合層5の走査方向の幅が、圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭くなっている場合も、図2(a)に示す例と同様に、第1の音響整合層41及び第2の音響整合層5のアスペクト比を1より小さくすることができるため、超音波の横振動を低減することが可能となる。そのことにより、圧電振動子3の指向特性を広くすることが可能となる。
図2(c)に更に別の例を示す。第1の音響整合層41の走査方向の幅は幅d3、第2の音響整合層51の走査方向の幅は幅d4となっている。また、圧電振動子3の走査方向の幅は幅d1となっている。ここで、幅d4<幅d3<幅d1の関係が成立している。つまり、第1の音響整合層41の走査方向の幅は、圧電振動子3の走査方向の幅よりも狭く、更に、第2の音響整合層51の走査方向の幅は、第1の音響整合層41の走査方向の幅よりも狭くなっている。従って、圧電振動子3から離れて設けられている音響整合層ほど、走査方向の幅が狭くなっている。
このように、圧電振動子3から離れて設けられている音響整合層ほど走査方向の幅が狭くなっている場合も、図2(a)、(b)に示す例と同様に、第1の音響整合層41及び第2の音響整合層51のアスペクト比を1より小さくすることができるため、超音波の横振動を低減することが可能となる。そのことにより、圧電振動子3の指向特性を向上させることが可能となる。
なお、図1及び図2に示す例においては、音響整合層を2層設けた例について説明したが、音響整合層は1層であっても、3層以上であっても構わない。例えば、1層だけ音響整合層を設ける場合は、図2(a)に示す超音波プローブにおいて、第2の音響整合層5のみを設けることになる。このような構造としても、圧電振動子3の指向特性を広げることが可能となる。
次に、図2(a)に示す超音波プローブの指向特性について、図3を参照しつつ説明する。図3は、この発明の実施形態に係る超音波プローブの指向特性を表すグラフである。このグラフは、公知の有限要素法(FEM)によるシミュレーションを実施することにより得られたものである。超音波プローブとして、図2(a)に示す構造の超音波プローブを用いた。以下にその超音波プローブの寸法を示す。
図2(a)に示す超音波プローブにおいて、圧電振動子3の走査方向の幅d1を0.06[mm]とし、各素子間の幅d2を0.04[mm]とした。また、第2の音響整合層5の走査方向の幅d3を0.04[mm]とし、送受信方向の幅(厚さ)tを0.06[mm]とした。従って、第2の音響整合層5のアスペクト比(幅d3/厚さt)は、2/3となり、1より小さくなる。また、圧電振動子3の走査方向の幅d1と、第2の音響整合層5の厚さt(超音波の送受信方向の幅)は同じ値になる。
また、比較例として図5に示す従来技術に係る超音波プローブについてもシミュレーションを行った。従来技術に係る超音波プローブにおいて、圧電振動子22の走査方向の幅d1を0.06[mm]とし、各素子間の幅d2を0.04[mm]とした。第1の音響整合層23及び第2の音響整合層24の走査方向の幅は、圧電振動子22の走査方向の幅d1と同じであるため、第1の音響整合層23及び第2の音響整合層24の走査方向の幅d1は0.06[mm]となる。また、第2の音響整合層24の送受信方向の幅(厚さ)tを0.06[mm]とした。従って、第2の音響整合層24のアスペクト比(幅d1/厚さt)は1となる。また、圧電振動子22の走査方向の幅d1と、第2の音響整合層24の厚さt(超音波の送受信方向の幅)は同じ値になる。
そして、11[MHz]の周波数で1つの圧電振動子3、22を駆動させ、走査方向の指向特性を計算した。図3の横軸は指向角度[度]、縦軸は相対送信感度[dB]である。角度は超音波ビームを偏向させたときの角度であり、圧電振動子3の走査方向(配列方向)の角度を示している。
図中、グラフAはこの実施形態に係る超音波プローブに対するシミュレーション結果である。例えば、−20[dB]における指向角度は約±40[度]となった。また、図中、グラフBは従来技術に係る超音波プローブに対するシミュレーション結果である。例えば、−20[dB]における指向角度は約±32[度]となった。この結果から、従来の超音波プローブの指向角度に対して、この実施形態に係る超音波プローブの指向角度は約±8[度]も広くなっていることが分かる。また、−20[dB]以外においても、従来の超音波プローブの指向角度よりも、この実施形態に係る超音波プローブの指向角度の方が広くなっているのが分かる。
このように、この実施形態に係る超音波プローブ1によると、従来技術に係る超音波プローブに比べて圧電振動子の指向特性を広くすることができる。そのことにより、広い指向角度における感度を向上させ、診断能を向上させることが可能となる。
なお、アスペクト比が2/3となるまで、第2の音響整合層5の走査方向の幅d3を狭くしたが、この程度では診断に用いる画像に影響を与えるほど送信感度は低下せず、指向特性が広くなった分、従来よりも良好な画像が得られ、診断能を向上させることができた。
また、超音波プローブは一般的に、圧電振動子3の上に第1及び第2の音響整合層4、5を積層した後、圧電振動子3、第1の音響整合層4及び第2の音響整合層5をダイシングブレード(刃)により複数に分割することにより製造される。具体的には、圧電振動子3、第1及び第2の音響整合層4、5を所定のピッチに従ってダイシング(第1のダイシング)した後、第2の音響整合層5を更に広い溝幅で、かつ、第1のダイシングと同じピッチでダイシング(第2のダイシング)する。そして、溝に機械的強度を保つために充填剤7を充填し、更に、第2の音響整合層5の上に音響レンズ6を接着することで、図2(a)に示す超音波プローブ1を得る。
この製造において、材質が同じダイシングブレードを用いて圧電振動子3、第1及び第2の音響整合層4、5を分割しても良く、材質が異なるダイシングブレードを用いても良い。圧電振動子と音響整合層とは材料が異なるため、その材料を分割するのに適したダイシングブレードを用いても良い。例えば、圧電振動子3、第1及び第2の音響整合層4、5を同じダイシングブレードで分割溝がd2となるように分割した後、第2の音響整合層5の材質(樹脂)に適したダイシングブレードを用いて第2の音響整合層5の幅がd3になるように分割しても良い。圧電振動子はセラミック材料からなり、音響整合層は樹脂やプラスチック材が用いられているため、一般的に音響整合層は圧電振動子よりも柔らかい。従って、第2の音響整合層5をダイシングするときには、ダイシングブレードのダイヤモンド粒子の径を大きくしてダイシングを行うと、第2の音響整合層5を良好にダイシングすることができる。
なお、上記の実施形態においては、いわゆる1次元超音波プローブについて説明したが、この発明は1次元超音波プローブに限定されない。圧電振動子及び音響整合層がマトリックス状に配列された2次元超音波プローブであっても、同様の作用及び効果を奏することが可能である。2次元超音波プローブの場合、音響整合層の走査方向の幅を圧電振動子の走査方向の幅よりも狭くする。もしくは、走査方向に直交する方向について、音響整合層の幅を圧電振動子の幅よりも狭くしても良い。このように、音響整合層の幅を圧電振動子の幅よりも狭くすることにより、音響整合層のアスペクト比を小さくすることが可能となり、超音波の横振動を低減させ、圧電振動子の指向特性を広くすることが可能となる。
次に、超音波プローブ1を備えた超音波診断装置について図4を参照しつつ説明する。図4は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
この超音波診断装置10は、主に、超音波プローブ1、送受信部11、信号処理部12、DSC13、画像処理部14、表示装置15及び制御部16を備えて構成されている。この超音波診断装置10においては超音波プローブ1に特徴があり、それ以外の送受信部11などは公知のものが用いられる。
超音波プローブ1には、上述したこの実施形態に係る超音波プローブが用いられる。送受信部11は送信部と受信部とからなり、超音波プローブ1に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、超音波プローブ1が受信したエコー信号を受信する。
信号処理部12は、公知のBモード処理回路、ドプラ処理回路及びカラーモード処理回路を備えている。送受信部11から出力されたデータはいずれかの処理回路にて所定の処理を施される。Bモード処理回路はエコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。ドプラ処理回路はドプラ偏移周波数成分を取り出し、更にFFT処理等を施して血流情報を有するデータを生成する。カラーモード処理回路は動いている血流情報の映像化を行い、カラー超音波ラスタデータを生成する。血流情報には、速度、分散、パワー等の情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。
DSC13(Digital Scan Converter)は、直交座標系で表される画像を得るために、超音波ラスタデータを直交座標で表されるデータに変換する(スキャンコンバージョン処理)。例えば、Bモード処理回路から出力されたデータに対してスキャンコンバージョン処理が施されると、被検体の組織形状を2次元情報として表す断層像データが生成される。画像処理部14は各種画像処理を行う。例えば、断層像データからボクセルデータを生成し、更に、ボリュームレンダリング処理を行って3次元画像データなどを生成する。
表示装置15は液晶ディスプレイなどのモニタからなり、断層像や3次元画像などが表示される。制御部16はCPUからなり、記憶部(図示しない)に記憶されている制御プログラムや画像生成プログラムなどを実行することにより各処理部の制御を行う。記憶部はROMなどのメモリやハードディスクなどからなり、画像データ、各種設定条件及びプログラムなどが記憶されている。その他、ジョイスティックなどのポインティングデバイス、スイッチ又はTCS(Touch Command Screen)などの操作部(図示しない)が備えられ、超音波の送受信条件などに関する各種設定が操作者により入力される。
この実施形態に係る超音波プローブ1を備えた超音波診断装置10によれば、圧電振動子3の指向特性が広いため、より広い角度から生体情報を収集することができ、診断能を向上させることが可能となる。
この発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成を示す斜視図である。 図1の超音波プローブを走査方向(配列方向)に直交する方向から見た図であり、圧電振動子及び音響整合層の幅を説明するための図である。 この発明の実施形態に係る超音波プローブの指向特性を表すグラフである。 この発明の実施形態に係る超音波プローブを備えた超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 従来の超音波プローブを走査方向(配列方向)に直交する方向から見た図であり、圧電振動子及び音響整合層の幅を説明するための図である。
符号の説明
1 超音波プローブ
2 背面材
3 圧電振動子
4、41 第1の音響整合層
5、51 第2の音響整合層
6 音響レンズ
7 充填材

Claims (7)

  1. 所定方向に配列された複数の圧電振動子と、各圧電振動子それぞれに重ねて設けられた音響整合層と、を有し、前記音響整合層が重ねられている方向に超音波の送受信を行う超音波プローブであって、
    各音響整合層の前記配列された方向の幅は、各圧電振動子の前記配列された方向の幅よりも狭いことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記各音響整合層の前記送受信の方向の幅は、前記圧電振動子の前記配列された方向の幅とほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 所定方向に配列された複数の圧電振動子と、各圧電振動子それぞれに重ねて設けられた複数層からなる音響整合層と、を有し、前記音響整合層が重ねられている方向に超音波の送受信を行う超音波プローブであって、
    前記複数層のうち先端の層の前記配列された方向の幅は、前記各圧電振動子の前記配列された方向の幅よりも狭いことを特徴とする超音波プローブ。
  4. 前記先端の層の前記送受信の方向の幅は、前記圧電振動子の前記配列された方向の幅とほぼ等しいことを特徴とする請求項3に記載の超音波プローブ。
  5. 前記圧電振動子から離れて設けられている層ほど前記配列された方向の幅が狭いことを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の超音波プローブ。
  6. 前記配列された方向においては、前記各圧電振動子の間及び前記各音響整合層の間に充填材が充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超音波プローブ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波プローブと、
    前記超音波プローブにより被検体に対して超音波を送受信させ、前記被検体からの反射波に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
JP2005088169A 2005-03-25 2005-03-25 超音波プローブ及び超音波診断装置 Active JP4619845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005088169A JP4619845B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 超音波プローブ及び超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005088169A JP4619845B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 超音波プローブ及び超音波診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006270725A true JP2006270725A (ja) 2006-10-05
JP4619845B2 JP4619845B2 (ja) 2011-01-26

Family

ID=37206181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005088169A Active JP4619845B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 超音波プローブ及び超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4619845B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089380A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 画像再構成装置
US8020447B2 (en) 2007-06-12 2011-09-20 Denso Corporation Ultrasonic sensor and self diagnostic method of the same
WO2022202034A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 富士フイルム株式会社 超音波探触子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60116339A (ja) * 1983-11-29 1985-06-22 オリンパス光学工業株式会社 アレイ型超音波探触子の製造方法
JPH02246700A (ja) * 1989-02-22 1990-10-02 Siemens Ag 超音波アレー及びその加工方法と装置
JPH04338000A (ja) * 1991-05-15 1992-11-25 Toshiba Corp 超音波プローブの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60116339A (ja) * 1983-11-29 1985-06-22 オリンパス光学工業株式会社 アレイ型超音波探触子の製造方法
JPH02246700A (ja) * 1989-02-22 1990-10-02 Siemens Ag 超音波アレー及びその加工方法と装置
JPH04338000A (ja) * 1991-05-15 1992-11-25 Toshiba Corp 超音波プローブの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089380A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 画像再構成装置
US8020447B2 (en) 2007-06-12 2011-09-20 Denso Corporation Ultrasonic sensor and self diagnostic method of the same
WO2022202034A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 富士フイルム株式会社 超音波探触子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4619845B2 (ja) 2011-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4879430B2 (ja) 超音波探触子及びそれを用いた超音波診断装置
JP4787569B2 (ja) 超音波診断装置
US20120004554A1 (en) Ultrasound probe and ultrasound imaging apparatus
JPH10146337A (ja) 超音波探触子及びそれを用いた超音波診断装置
JP2012217611A (ja) 超音波診断装置および超音波画像生成方法
WO2013027756A1 (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置
JP6001161B2 (ja) 穿刺針用超音波プローブ、およびそれを用いる超音波診断装置
JP2006320415A (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置
US20130226006A1 (en) Ultrasonic probe
JP4528606B2 (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置
JP4619845B2 (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置
JP5230248B2 (ja) 超音波探触子、超音波探触子の製造方法、および超音波検査装置
JP2005027752A (ja) 圧電振動子、圧電振動子の製造方法、超音波探触子および超音波診断装置
JP2008066972A (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置
WO2001056474A1 (fr) Sonde a ultrasons et dispositif de diagnostic par ultrasons pourvu de cette sonde
JP6849483B2 (ja) 超音波変換器及び超音波プローブ
JP2019187868A (ja) 超音波探触子及び超音波診断装置
WO2021079906A1 (ja) 超音波探触子用音響レンズ、超音波探触子、超音波プローブおよび超音波診断装置
JP2009201053A (ja) 超音波探触子、その製造方法およびその超音波探触子を用いた超音波診断装置
JP5254390B2 (ja) 超音波診断装置および超音波画像生成方法
US8663115B2 (en) Ultrasound probe and ultrasound diagnostic apparatus
JP2007288396A (ja) 超音波用探触子
JPH11205899A (ja) 超音波探触子
WO2022230601A1 (ja) 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
JP7187165B2 (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080321

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101027

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4619845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350