JP2006320415A - 超音波プローブ及び超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 THIモードに適応する広帯域の周波数特性及び高感度特性を有し、更に、超音波画像のスライス厚を均一にし、サイドローブを低減することが可能な超音波プローブを提供する。
【解決手段】 複数の圧電体層が積層し、少なくとも1層以上の圧電体層に非圧電材料部を混在させる。例えば第1の圧電体層4において、圧電材料部41a、・・・と樹脂材料部42a、・・・とを混在させる。圧電材料部41a、・・・と第2の圧電体層5とが積層している部分(圧電体部44)においては、電気容量が増加するため感度が高くなる。樹脂材料部42a、・・・と第2の圧電体層5とが積層している部分(樹脂部43)においては、圧電体部44に比べて2倍の周波数を有する超音波に対して感度が高くなる。従って、樹脂部43と圧電体部44とにより、基本周波数〜2次高調波までの広帯域の周波数特性を有することになる。
【選択図】 図3
【解決手段】 複数の圧電体層が積層し、少なくとも1層以上の圧電体層に非圧電材料部を混在させる。例えば第1の圧電体層4において、圧電材料部41a、・・・と樹脂材料部42a、・・・とを混在させる。圧電材料部41a、・・・と第2の圧電体層5とが積層している部分(圧電体部44)においては、電気容量が増加するため感度が高くなる。樹脂材料部42a、・・・と第2の圧電体層5とが積層している部分(樹脂部43)においては、圧電体部44に比べて2倍の周波数を有する超音波に対して感度が高くなる。従って、樹脂部43と圧電体部44とにより、基本周波数〜2次高調波までの広帯域の周波数特性を有することになる。
【選択図】 図3
Description
この発明は、超音波の送受信を行う超音波プローブ及び超音波診断装置に関し、特に、THIモード(Tissue Harmonic Imaging)に適応する広帯域の周波数特性、高感度特性を有し、更に、超音波画像のスライス厚を均一化し、サイドローブを低減することが可能な超音波プローブ及び超音波診断装置に関する。
被検体内を超音波で走査し、被検体内からの反射波から生成した受信信号に基づいて、被検体の内部状態を画像化する超音波診断装置が知られている。このような超音波診断装置は、圧電振動子を備えた超音波プローブにより被検体内に超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波プローブで受信して受信信号を生成する。
超音波プローブは送信信号に基づいて振動して超音波を発生し、反射波を受けて受信信号を生成する圧電振動子を走査方向に複数個、配置している。このような超音波プローブは、上記走査方向に直交する方向(以下、スライス方向と称する場合がある)に均一な矩形強度を有する超音波を音響レンズにより遅延差を与えることにより、ある深さで焦点を形成している。
ところで、超音波画像診断の方法として、基本周波数の超音波を被検体に送信し、送信周波数の2倍程度の周波数範囲にある2次高調波信号を受信してその2次高調波信号に基づいて画像データを生成するTHI(Tissue Harmonic Imaging)モードがある。このTHIモードに適応するため、超音波プローブの周波数帯域としては、基本周波数〜2次高調波の周波数までを包含する広帯域の特性が要求される。
一方、従来から、超音波診断装置により収集される画像のスライス厚を均一にし、スライス方向の音場のサイドローブを低減させる試みがなされている。例えば、スライス方向に沿って圧電体に溝を形成し、圧電体の密度分布に重み付けを行う技術が知られている(例えば特許文献1)。また、スライス方向に電気的に分割した圧電体に複数の送信回路を接続し、各圧電体に印加する駆動電圧に重み付けを行う技術が知られている(例えば特許文献2)。さらに、スライス方向に圧電体の厚さを変え、駆動周波数により音圧を制御する技術が知られている(例えば特許文献3)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の超音波プローブにおいては、スライス方向に沿って圧電体を疎密な状態にするため、圧電体の実効的な比誘電率が低下する。そのことにより、超音波プローブのヘッド部のインピーダンスが高くなるため、超音波診断装置本体との電気的インピーダンスの整合が悪くなり、感度が低下する問題があった。また、圧電体が単一の周波数を送受信するための構成となっているため、THIモードに適応したより広帯域な周波数特性を得ることが困難であった。
また、上記特許文献2に記載の超音波プローブにおいては、超音波プローブ及び回路の構造が複雑になるため、超音波診断装置の信頼性の低下、製造工程数の増加、製造コストの増加を招いてしまうおそれがあった。また、特許文献1に記載の超音波プローブと同様に、THIモードに適応したより広帯域な周波数特性を得ることが困難であった。
さらに、上記特許文献3に記載の超音波プローブにおいては、広帯域の周波数特性を得ることができるが、特定の周波数でのみ音圧の制御が可能となるため、周波数特性と音圧制御の設計自由度が低い問題があった。また、圧電体の曲面加工及び接合が難しく、製造性が悪い問題があった。
この発明は上記の問題点を解決するものであり、複数の圧電体層が積層された圧電振動子部のうち、少なくとも1層以上の圧電体層に非圧電材料部を混在させることにより、超音波プローブの製造性を確保した上で、THIモードに適応する広帯域の周波数特性、及び高感度特性を有する超音波プローブ及び超音波診断装置を提供することを目的とする。さらに、超音波画像のスライス厚を均一にし、サイドローブを低減することが可能な超音波プローブ及びそれを備えた超音波診断装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、複数の圧電体が走査方向に配列された圧電体層が電極を介して複数積層された圧電振動子部を有し、前記複数の圧電体層のうち少なくとも1層の圧電体層を構成する圧電体は、圧電材料部と非圧電材料部とが混在する複合圧電体からなることを特徴とする超音波プローブである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波プローブであって、前記複合圧電体を構成する圧電材料部は、所定の重み付けに従った間隔でスライス方向に配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の超音波プローブであって、前記複合圧電体を構成する圧電材料部は、前記複合圧電体のスライス方向の中央部が疎であり、前記スライス方向の中央部から端部にかけて徐々に密になっていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記複合圧電体を構成する非圧電材料部の前記スライス方向の幅は、前記スライス方向の中央部から端部にかけて徐々に狭くなっていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記複合圧電体を構成する圧電材料部の前記スライス方向の幅は、前記複合圧電体の中央部から端部にかけて徐々に広くなっていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記複合圧電体において、前記走査方向の長さと前記スライス方向の単位長さとで規定される2次元平面の単位面積に占める前記圧電材料部の面積の割合が、前記複合圧電体の中央部から端部にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波プローブであって、前記圧電振動子部に接して背面材が設けられ、前記圧電振動子部は前記背面材に接する面の反対側から超音波の送受信を行い、前記複合圧電体は前記背面材に接して設けられ、前記複合圧電体を構成する非圧電材料部の音響インピーダンスは、前記背面材の音響インピーダンスと略一致することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の超音波プローブと、前記超音波プローブにより被検体に対して超音波を送受信させる送受信手段と、前記送受信手段が受信した前記被検体からの反射波に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の超音波診断装置であって、前記送受信手段は、前記超音波プローブにより所定の周波数を有する超音波を前記被検体に対して送信し、前記被検体から前記所定の周波数に対する2次高調波を受信し、前記画像生成手段は、前記2次高調波に基づいて超音波画像を生成することを特徴とするものである。
この発明によると、電極を介して複数の圧電体層を積層することにより、積層しない場合と比べて電気容量が大きくなるため、超音波プローブの感度を高めることが可能となる。また、少なくとも1層以上の圧電体層に非圧電材料部を混在させることにより、非圧電材料部が混在した部分においては、混在していない部分と比べて、高周波帯域の超音波に対して感度が高くなるため、THIモードに適応する広帯域の周波数特性を有することが可能となる。
さらに、圧電材料部をスライス方向の中央部で疎の状態とし、中央部から端部にかけて徐々に密の状態にすることにより、深さ方向に均一な音場が得られるため超音波画像のスライス厚を均一にし、更に、サイドローブを低減することが可能となる。
さらに、圧電振動子部の構造が複雑ではないため、超音波プローブの製造性を確保しつつ上記の効果を奏することが可能である。
この発明の実施形態に係る超音波プローブ及び超音波診断装置について、図1乃至図13を参照しつつ説明する。
この発明の実施形態に係る超音波プローブの構成について図1を参照しつつ説明する。図1はこの発明の実施形態に係る超音波プローブの概略構成を示す断面側面図である。超音波プローブはヘッド側とケーブル側とからなり、図1には超音波プローブのヘッド側が示されている。
同図に示すように、超音波プローブ1は、背面材2の上に圧電振動子部3が設けられている。圧電振動子部3の上には、第1の音響整合層6が設けられ、第1の音響整合層6の上には第2の音響整合層7が設けられている。圧電振動子部3、第1の音響整合層6及び第2の音響整合層7は、走査方向(図面に垂直な方向)に複数に分割されて配列されている。さらに、第2の音響整合層7の上には音響レンズ8が設けられている。
背面材2は、圧電振動子部3から発振された超音波振動や受信時の超音波振動のうち、超音波診断装置の画像抽出にとって必要でない超音波振動成分を減衰吸収する。背面材2には、一般的に、フェライトゴム、エポキシ樹脂又はウレタンゴムなどにマイクロバルーンなどを混入した材料が用いられる。
圧電振動子部3は、複数の圧電体層が積層して構成されている。複数の圧電体層のうち、少なくとも1層以上の圧電体層は、圧電材料部と非圧電材料部とが混在した複合圧電体となっている。非圧電材料部の材料として、例えば樹脂が用いられ、より具体的にはエポキシ樹脂などが用いられる。この実施形態においては、第1の圧電体層4の上に第2の圧電体層5が積層され、2層の圧電体層により圧電振動子部3を構成している。第1の圧電体層4及び第2の圧電体層5は、走査方向(図面に垂直な方向)に複数に分割されて配列されている。
そして、2層の圧電体層のうち、1層の圧電体層(この実施形態では第1の圧電体層4)は、圧電材料部と樹脂(非圧電材料部)とが混在した複合圧電体となっている。この第1の圧電体層4の詳細な構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、第1の圧電体層の概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、第1の圧電体層4は、それぞれ走査方向に延び、走査方向の幅が略等しい、圧電材料部41a、41b、41c、・・・と、樹脂材料部42a、42b、42c、・・・とを、スライス方向(走査方向に直交する方向)に沿って交互に混在して配列して構成されている。ここで、圧電材料部41a、41b、・・・の分布は、第1の圧電体層4の中央部Oに近づくにつれて疎になり、端部に近づくにつれて密になっている。
例えば、走査方向の長さとスライス方向の単位長さとによって規定される2次元平面での単位面積当たりに占める圧電材料部の面積の割合を、第1の圧電体層4の中央部Oに近づくにつれて小さくし、逆に端部に近づくにつれて大きくすることにより、第1の圧電体層4の中央部Oに近づくにつれて圧電材料部の分布を疎の状態にし、端部に近づくにつれて密の状態としている。また、2次元平面での単位面積当たりに占める樹脂材料部の面積の割合は、第1の圧電体層4の中央部Oに近づくにつれて大きくなり、逆に端部に近づくにつれて小さくなる。
この実施形態においては、第1の圧電体層4のスライス方向の中央部Oに近づくにつれて樹脂材料部のスライス方向の幅が長くなり、端部に近づくにつれてスライス方向の幅が短くなっている。具体的には、スライス方向の幅は、樹脂材料部42aが一番長く、樹脂部材料部42bが2番目に長く、樹脂材料部42cが3番目に長くなっている。これにより、走査方向及びスライス方向によって決定される2次元平面での樹脂材料部の面積を、第1の圧電体層4の中央部Oに近づくに従って大きくすることができる。つまり、第1の圧電体層4の中央部Oに近づくに従って、単位面積当たりに占める樹脂材料部の面積の割合が大きくなり、逆に、単位面積当たりに占める圧電材料部の面積の割合が小さくなっている。換言すると、第1の圧電体層4のスライス方向の端部に近づくに従って、単位面積当たりに占める圧電材料部の面積の割合が大きくなり、逆に、単位面積当たりに占める樹脂材料部の面積の割合が小さくなっている。
なお、図1及び図2に示す圧電材料部41a、41b、・・・は、スライス方向の幅が一定となっている。しかしながら、この発明においては、圧電材料部41a、41b、・・・によってスライス方向の幅を変えても良い。例えば、圧電材料部41a、41b、・・・のスライス方向の幅を、中央部Oから端部にかけて徐々に広くすることにより、中央部Oに近づくにつれて、単位面積当たりに占める圧電材料部の面積の割合が小さくなり、端部に近づくにつれて単位面積当たりに占める圧電材料部の面積の割合が大きくなる。
上記のように、圧電材料部の分布がスライス方向の中央部Oで疎となり、端部で密となるように、圧電材料部及び樹脂材料部を所定の間隔で配置することで、圧電振動子部3により送受信される超音波ビームの音圧に重み付けを付けることができる。また、この実施形態における圧電材料部及び樹脂材料部の構成による作用と同じ作用が奏される構成は、この実施形態に係る超音波プローブ1に含まれる。例えば、超音波ビームの音圧に付けられる重み付けが、この実施形態に係る超音波プローブ1の作用により付けられる所定の重み付けと同程度であれば、圧電材料部のスライス方向の幅を、スライス方向の中央部Oから端部にかけて徐々に広くする構成において、一部分の圧電材料部の幅が狭くなっていても構わない。
第1の圧電体層4の圧電材料部41a、41b、・・・と、第2の圧電体層5は、例えばチタン酸ジリコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)又はチタン酸鉛(PbTiO3)等のセラミック材料からなる。
圧電振動子部3は、第1の圧電体層4と第2の圧電体層5とが積層されることにより、第1の圧電体層4の樹脂材料部42a、42b、・・・と第2の圧電体層5とが積層された部分と(以下、樹脂部と称する場合がある)、第1の圧電体層4の圧電材料部41a、41b、・・・と第2の圧電体層5とが積層された部分(以下、圧電体部と称する場合がある)とで構成されることになる。樹脂部と圧電体部について図3を参照しつつ説明する。図3は、この発明の実施形態に係る超音波プローブの圧電振動子部の概略構成を示す断面側面図である。例えば、図3に示すように、第1の圧電体層4の樹脂材料部42aと第2の圧電体層5とが積層された部分は樹脂部43を構成し、第1の圧電体層4の圧電材料部41aと第2の圧電体層5とが積層された部分は圧電体部44を構成する。また、第1の圧電体層4の樹脂材料部42bと第2の圧電体層5とが積層された部分は樹脂部を構成し、第1の圧電体層4の圧電材料部41bと第2の圧電体層5とが積層された部分は圧電体部を構成する。圧電材料部41c、41d、・・・についても圧電体部を構成し、樹脂材料部42c、42d、・・・についても樹脂部を構成する。
また、図1に示すように、圧電振動子部3の上下面に電極9a、9cが接続され、第1の圧電体層4と第2の圧電体層5との間には電極9bが接続されている。電極9a、9cに電圧が印加され、電極9bはGNDに接続されている。これにより、電極9a、第1の圧電体層4及び電極9bで構成される部分と、電極9b、第2の圧電体層5及び電極9cで構成される部分とは、並列接続を構成することになる。
第1の音響整合層6及び第2の音響整合層7には、エポキシ樹脂やプラスチック材などが用いられている。音響整合層は、圧電振動子部3の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとの音響整合を良好にするために設けられる。音響整合層は、1層だけであっても良く、この実施形態のように2層設けても良く、更に、3層以上設けても良い。例えば、この実施形態のように2層の音響整合層を設ける場合、音響整合を良好にするために、第2の音響整合層7の音響インピーダンスが第1の音響整合層6の音響インピーダンスよりも小さくなるように設計されている。音響整合層を複数の層構造にすることで、音響レンズ8とあいまって被検体の体表との音響インピーダンスの差分による信号ロスの発生を抑えている。
また、送受信する超音波の波長と関係なく、圧電振動子部3の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとの音響整合をとるために、深さ方向に徐々に音響インピーダンスが小さくなる音響整合層を第1の音響整合層6及び第2の音響整合層7の代わりに設けても良い。
音響レンズ8は、被検体の体表面に接触して超音波の送受信の仲介を行なう。この音響レンズ8により、体表より所定の深さにスライス方向(走査方向に直交する方向)の音響的な焦点を結ぶ。また、走査方向の音響的な焦点は、走査方向に短冊状に配置された複数の圧電振動子部3の送信/受信のタイミングを切り替え制御することにより結ばれる。
なお、複数に分割された圧電振動子部3、第1の音響整合層6及び第2の音響整合層7の分割溝には、機械的強度を保つためにシリコーンゴム、ウレタンゴム又はエポキシ樹脂などの充填剤(図示しない)が充填されている。
なお、圧電振動子部3と背面材2との界面で発生し得る超音波の反射を防止するために、第1の圧電体層4の樹脂材料部42a、42b、・・・の音響インピーダンスと背面材2の音響インピーダンスとを等しくしても良い。例えば、背面材2の材料と同じ材料を樹脂材料部42a、42b、・・・に用いることで、音響インピーダンスを等しくする。また、樹脂材料部42a、42b、・・・に用いられるエポキシ樹脂などにタングステン(W)などのフィラーを混合させても良い。
(作用)
上記の構成を有する超音波プローブ1によると、次のような好適な作用を奏することが可能となる。
上記の構成を有する超音波プローブ1によると、次のような好適な作用を奏することが可能となる。
この実施形態に係る超音波プローブ1において、第1の圧電体層4の厚さと第2の圧電体層5の厚さは等しいものとする。図3に示すように、第1の圧電体層4の厚さを厚さ(T/2)とし、第2の圧電体層5の厚さも厚さ(T/2)とすると、圧電振動子部3の全体の厚さは厚さTとなる。また、圧電体部44において、走査方向の長さとスライス方向の長さとで規定される面積を面積Sとする。ここで、厚さ(T/2)の第1の圧電体層4及び第2の圧電体層5のそれぞれの電気容量を電気容量C1とすると、電気容量C1は以下の式(1)で表される。
式(1) 電気容量C1=ε{S/(T/2)}
εは誘電率である。
式(1) 電気容量C1=ε{S/(T/2)}
εは誘電率である。
また、この実施形態においては、電極9bを介して第1の圧電体層4と第2の圧電体層5とが積層されているため、圧電体層の接続は並列接続に相当する。従って、圧電振動子部3における圧電体部44の電気容量を電気容量C2とすると、電気容量C2は以下の式(2)で表される。
式(2) C2=2×C1=2×ε{S/(T/2)}=4×ε(S/T)=4×C0
ここで、電気容量C0は、厚さTの1層からなる圧電体の電気容量である。
式(2) C2=2×C1=2×ε{S/(T/2)}=4×ε(S/T)=4×C0
ここで、電気容量C0は、厚さTの1層からなる圧電体の電気容量である。
上記式(2)に表されるように、圧電体部44の電気容量は、厚さTの1層からなる圧電体の4倍の電気容量になる。これは、電極9bを介して厚さ(T/2)の圧電体層を積層して、並列接続としているからである。
ここで、n層の圧電体層が電極を介して積層された圧電振動子部3について説明する。n層の圧電体層が積層されている場合、圧電体部の電気容量は、一般的に、以下の式(3)で表される。
式(3) C=(d1+d2+・・・dn)2/(d1・d2・・・・dn)×C0
ここで、電気容量Cは、n層の圧電体層が電極を介して形成された圧電体部の電気容量である。d1、d2、・・・、dnは、n層の各層の厚さである。電気容量C0は、厚さ(d1+d2+・・・+dn)の1層からなる圧電体の電気容量であり、以下の式(4)で表される。
式(4) C0=ε{S/(d1+d2+・・・+dn)}
式(3) C=(d1+d2+・・・dn)2/(d1・d2・・・・dn)×C0
ここで、電気容量Cは、n層の圧電体層が電極を介して形成された圧電体部の電気容量である。d1、d2、・・・、dnは、n層の各層の厚さである。電気容量C0は、厚さ(d1+d2+・・・+dn)の1層からなる圧電体の電気容量であり、以下の式(4)で表される。
式(4) C0=ε{S/(d1+d2+・・・+dn)}
上記式(3)に表されるように、圧電体部の電気容量は、1層からなる圧電体の電気容量の(d1+d2+・・・dn)2/(d1・d2・・・・dn)倍となる。従って、同じ厚さの圧電体層が2層積層されている場合の電気容量Cは、電気容量C0の22=4倍となり、3層積層されている場合の電気容量Cは、電気容量C0の32=9倍となる。従って、同じ厚さの圧電体層がn層積層されている場合の電気容量Cは、電気容量C0のn2倍となる。
このように電極を介して圧電体層を積層することにより電気容量を大きくすることができるため、超音波プローブのインピーダンスを下げることができ、超音波プローブの感度を向上させることが可能となる。
また、第1の圧電体層4の樹脂材料部42a、42b、42c、・・・と第2の圧電体層5とが積層されている樹脂部においては、第2の圧電体層5の圧電材料部のみが存在するため、圧電材料部が占める厚さは厚さ(T/2)となる。一般的に、圧電体から送受信される超音波ビームの周波数は、圧電体の厚さの逆数の関数で表されるため、圧電体の厚さが薄くなれば周波数は高くなる。例えば、樹脂部43において圧電材料部が占める厚さは厚さ(T/2)であるため、樹脂部43における圧電体から送受信される超音波ビームの周波数は、圧電体部44の周波数の2倍の周波数となる。つまり、圧電体部44により送受信される超音波ビームの周波数をf0とすると、樹脂部43により送受信される超音波ビームの周波数fは2×f0となる。
ここで、圧電振動子部3の全体の厚さを厚さTとし、全体の厚さTのうち圧電材料部が占める厚さを厚さT’とすると、その厚さT’の圧電材料部により送受信される超音波ビームの周波数fは、一般的に以下の式(5)で表される。
式(5) f=(T/T’)×f0
式(5) f=(T/T’)×f0
従って、樹脂部において圧電材料部が占める厚さが厚さ(T/2)であれば、樹脂部により送受信される超音波ビームの周波数fは、f={T/(T/2)}×f0=2×f0となる。また、樹脂部において圧電材料部が占める厚さが厚さ(T/3)であれば、樹脂部により送受信される超音波ビームの周波数fは、f={T/(T/3)}×f0=3×f0となる。
換言すると、同じ厚さの圧電体層がn層積層されている場合であって、樹脂部においてn層のうちm層(m<n)が圧電材料部で構成されている場合、全体の厚さTのうち圧電材料部が占める厚さはT’=(m/n)×Tとなる。従って、樹脂部により送受信される超音波ビームの周波数fは上記式(5)に従って、f=(n/m)×f0と表される。例えば、2層の圧電体層が積層されている場合であって、樹脂部において2層のうち1層が圧電材料部からなる場合、f=(2/1)×f0=2×f0となる。また、3層の圧電体層が積層されている場合であって、樹脂部において3層のうち1層が圧電材料部からなる場合、f=(3/1)×f0=3×f0となる。また、3層の圧電体層が積層されている場合であって、樹脂部において3層のうち2層が圧電材料部からなる場合、f=(3/2)×f0=1.5×f0となる。さらに、4層の圧電体層が積層されている場合であって、樹脂部において4層のうち1層が圧電材料部からなる場合は、f=(4/1)×f0=4×f0となる。
このように、圧電材料部と樹脂材料部とが積層されている部分においては、圧電材料部が占める厚さによって、圧電材料部のみが積層している部分と比べて、高周波の超音波ビームの送受信がなされることになる。圧電体部44は低周波領域の周波数特性を有し、樹脂部43は高周波領域の周波数特性を有するため、両者を有する超音波プローブ1は低周波領域から高周波領域までの広帯域の周波数特性を有することになり、THIモードに適応することが可能となる。
ここで、2層の圧電体層からなり、そのうち1層の圧電体層が圧電材料部と樹脂材料部とが混在した超音波プローブ1の周波数特性を図4のグラフに示す。図4において、横軸は周波数[MHz]を示し、縦軸は音圧[dB]を示す。ここでは、第1の圧電体層4と第2の圧電体層5の厚さを、350[μm]とした。図中、曲線Aは、圧電材料部が積層された部分(圧電体部44)における周波数特性を示し、曲線Bは、樹脂材料部と圧電体とが積層された部分(樹脂部43)における周波数特性を示している。これらの曲線から、圧電材料部が積層された部分(圧電体部44)においては、比較的、低周波数の超音波に対して高感度となり、樹脂材料部と圧電材料部とが積層された部分(樹脂部43)においては、比較的、高周波数の超音波に対して高感度となる。
より具体的には、圧電体部44においては、基本周波数となるf0=2[MHz]付近の周波数の超音波に対して高感度となり、樹脂部43においては、2次高調波となるf=2×f0=4[MHz]付近の周波数の超音波に対して高感度となる。従って、超音波の送信時には圧電体部43の作用により、2[MHz]付近の基本周波数を有する超音波を高感度に送信することが可能となり、THIモードにおける超音波の受信時には樹脂部43の作用により、4[MHz]付近の2次高調波を有する超音波を高感度に受信することが可能となる。つまり、この実施形態に係る超音波プローブ1によると、THIモードにおいて、送信時には圧電体部44の作用により、また、受信時には樹脂部43の作用により、基本周波数〜2次高調波の広帯域の周波数特性を有することになり、良好にTHIモードの超音波画像データを収集することが可能となる。
また、圧電体部44は、上述したように、スライス方向の中央部Oにおいては疎の状態であり、スライス方向の端部に近づくにつれて徐々に密の状態となっているため、超音波プローブ1の中心部Oに近いほど、高調波帯域の周波数特性を有し、端部に近づくほど低周波帯域の周波数特性を有することになる。
ここで、2[MHz]の基本周波数で超音波プローブ1を駆動した場合の、送信時における音圧分布を図5に示す。図5は、2[MHz]の周波数の超音波を送信したときの音圧分布を示すグラフであり、横軸はスライス方向の位置を示し、縦軸は音圧の相対的強度を示す。この音圧分布は、上記の圧電振動子部3の構造に対応している。つまり、圧電体部44を構成している部分においては、2[MHz]の周波数の超音波に対して高感度となり、樹脂部43を構成している部分においては、2[MHz]の周波数の超音波に対して比較的、感度が低くなる。
また、圧電体部44は、上述したように、スライス方向の中央部Oにおいては疎の状態であり、スライス方向の端部に近づくにつれて徐々に密の状態となっているため、スライス方向の端部において2[MHz]の周波数を有する超音波に対して感度が高くなる。一方、樹脂部43の占める割合は、スライス方向の中央部Oに近づくにつれて多くなるため、スライス方向の中央部Oにおいて2[MHz]の周波数を有する超音波に対する感度が比較的、低くなる。
図6に、2[MHz]の基本周波数で超音波プローブ1を駆動した場合の、送信時のスライス方向における超音波の音場分布を示す。また、図7に、2[MHz]の基本周波数で従来技術に係る超音波プローブを駆動したときの、送信時のスライス方向における超音波の音場分布を示す。この従来技術に係る超音波プローブは、矩形状の音圧分布を有する超音波の送受信を行う。図6及び図7において、横軸は超音波プローブからの深さ方向の距離を示し、縦軸は超音波プローブ1のスライス方向の位置を示している。
送信時においては2[MHz]の周波数で超音波を送信しているため、圧電体部の作用により、図5に示すように超音波プローブ1の端部における感度が高くなる。これにより、この実施形態に係る超音波プローブ1により送信される超音波ビームは、図6及び図7に示すように、従来技術と比べてサイドローブが高くなるが、メインビームが絞れた音場が得られる。
THIモードに適応するために、4[MHz]の周波数の超音波を受信した場合の音圧分布を図8に示す。図8は、4[MHz]の周波数の超音波を受信したときの音圧分布を示すグラフであり、横軸はスライス方向の位置を示し、縦軸は音圧の相対的強度を示す。この音圧分布は、上記の圧電振動子部3の構造に対応している。つまり、樹脂部43を構成している部分においては、4[MHz]の周波数の超音波に対して高感度となり、圧電体部44を構成している部分においては、4[MHz]の周波数の超音波に対して比較的、感度が低くなる。
また、圧電体部44は、上述したように、スライス方向の中央部Oにおいては疎の状態であり、スライス方向の端部に近づくにつれて徐々に密の状態となっている。換言すると、樹脂部43が占める割合は、スライス方向の中央部Oにおいて多くなり、端部に近づくにつれて徐々に少なくなるため、スライス方向の中央部Oにおいて4[MHz]の周波数を有する超音波に対して感度が高くなる。
図9に、この実施形態に係る超音波プローブ1により、4[MHz]の周波数の超音波を受信したときの、受信時におけるスライス方向の超音波の音場分布を示す。また、図10に、従来技術に係る超音波プローブにより、4[MHz]の周波数の超音波を受信したときの、受信時におけるスライス方向の超音波の音場分布を示す。この従来技術に係る超音波プローブは、矩形状の音圧分布を有する超音波の送受信を行う。図9及び図10において、横軸は超音波プローブからの深さ方向の距離を示し、縦軸は超音波プローブ1のスライス方向の位置を示している。
受信時においては4[MHz]の周波数の超音波を受信しているため、樹脂部の作用により、図8に示すように超音波プローブ1の中央部Oにおける感度が高くなる。これにより、この実施形態に係る超音波プローブ1により受信される超音波ビームは、図9及び図10に示すように、従来技術と比べてサイドローブが低減し、深さ方向に均一な音場が得られる。
以上のように、この実施形態に係る超音波プローブ1によると、超音波の送信時には圧電体部44の作用により、2[MHz]付近の基本周波数を有する超音波を高感度に送信することが可能となり、超音波の受信時には樹脂部43の作用により、4[MHz]付近の2次高調波を有する超音波を高感度に受信することが可能となる。このように、広帯域の周波数特性を有することが可能となるため、THIモードの超音波画像データを良好に収集することが可能となる。また、圧電体層を複数層積層することにより、高感度特性を有することが可能となる。さらに、圧電材料部を所定の重み付けに従って配置することにより、深さ方向に均一な音場が得られるため、超音波画像のスライス厚を均一にすることができ、また、サイドローブを低減することが可能となる。
また、n層の圧電体層が積層された圧電振動子部は、従来技術に係る一般的な超音波プローブと同様の製造工程により製造されるため、超音波プローブ1の製造性を確保しつつ、上記の広帯域の周波数特性及び高感度特性を奏することができ、更には、超音波画像のスライス厚の均一化、及びサイドローブの低減することが可能となる。また、上記特許文献2のように電気回路の構造が複雑にならず、いわゆる1次元超音波プローブに用いられる電気回路を適用することができるため、上記の効果を奏しつつ製造コストを削減することが可能となる。
なお、圧電振動子部3における電極の配置を図11に示すような配置にしても良い。図11は、この発明の実施形態に係る超音波プローブにおける圧電振動子部の概略構成を示す断面側面図である。図11に示すように、電極9a、9b、9c及び9dを用いて第1の音響整合層6までを含めた電極構成とし、第1の圧電体層4、第2の圧電体層5、及び第1の音響整合層6の3層の上下面に設けた電極9a及び電極9dにより、電圧を印加しても良い。
この実施形態においては、2層の圧電体層により圧電振動子部3を構成したが、この発明は2層に限定されず、上述したようにn層(nは3以上)の圧電体層により圧電振動子部3を構成しても良い。また、各圧電体層の厚さを異なる厚さとしても良い。例えば、3層の圧電体層を積層して圧電振動子部3を構成した場合、3層のうち少なくとも1層の圧電体層を上述した複合圧電体とすることにより、THIモードに適した周波数特性を得ることが可能となる。n層の圧電体層を積層することにより、圧電体部の電気容量は上記式(3)で表され、周波数特性は上記式(5)などにより表される。
次に、この発明の実施形態に係る超音波プローブの様々な変形例について図12を参照しつつ説明する。図12は、この発明の実施形態に係る超音波プローブの変形例を示す図であり、圧電振動子部の概略構成を示す断面側面図である。例えば、図12(a)に示すように、圧電振動子部を第1の圧電体層4と第2の圧電体層20とで構成し、第2の圧電体層20においても圧電材料部21a、21b・・・と樹脂材料部22a、・・・とを混在しても良い。この場合、第1の圧電体層4における圧電材料部41a、・・・と第2の圧電体層20における圧電材料部21a、・・・とが積層している部分においては、上述したように、電気容量が22=4倍になる。また、圧電材料部同士が積層している部分により送受信される超音波ビームの周波数をf0とすると、圧電材料部と樹脂材料部とが積層している部分により送受信される超音波ビームの周波数fは、圧電材料部の厚さが全体の厚さの(1/2)となるため、f=2×f0となる。このように、図12(a)に示す圧電振動子部を有する超音波プローブにおいても、高感度特性及び広帯域の周波数特性を有することが可能となる。
また、図12(b)に示すように、3層の圧電体層を積層しても良い。図示した例においては、3層のうち、2層の圧電体層4に樹脂材料部を混在し、残り1層を圧電材料部のみで形成している。この場合、圧電材料部が重なっている領域においては、電気容量が32=9倍になる。また、圧電材料部同士が積層している部分により送受信される超音波ビームの周波数をf0とすると、圧電材料部と樹脂材料部とが積層している部分により送受信される超音波ビームの周波数fは、圧電材料部の厚さが全体の厚さの(1/3)となるため、f=3×f0となる。このように、図12(b)に示す圧電振動子部を有する超音波プローブにおいても、高感度特性及び広帯域の周波数特性を有することが可能となる。
また、圧電材料部をスライス方向の中央部において疎の状態とし、スライス方向の端部において密の状態とすることにより、深さ方向に均一な音場を形成するため、超音波画像のスライス厚を均一にし、更に、サイドローブを低減することが可能となる。
以上のように、この発明においては圧電体層の積層の数は限定されない。さらに、一部分において圧電材料部が積層していれば、積層していない部分とで周波数特性が異なるため、広帯域の周波数特性が得られる。従って、複合圧電体における圧電材料部の配置パターン(重み付け)が異なった圧電体層が複数層積層されていても良い。また、圧電材料部が積層している部分においては、電気容量が大きくなるため、超音波プローブの感度を向上させることが可能となる。
また、圧電材料部と樹脂材料部とをスライス方向に沿って交互に混在させるだけでなく、走査方向に沿って交互に混在させて配列させても良い。例えば図13に示す斜視図のように、圧電材料部のみからなる第1の圧電体層50の上に、圧電材料部と樹脂材料部とが混在した第2の圧電体層60を設ける。この第2の圧電体層60は、圧電材料部61と樹脂材料部62とがスライス方向及び走査方向に沿って交互に混在して配列されている。この例においては、圧電材料部61の分布は第2の圧電体層の中央部Oに近づくにつれて疎になり、端部に近づくにつれて密になっている。このように圧電材料部61と樹脂材料部62とを混在させることにより、走査方向の長さとスライス方向の単位長さとによって規定される2次元平面での単位面積当たりに占める圧電材料部61の面積の割合を、第2の圧電体層60の中央部に近づくにつれて小さくし、逆に端部に近づくにつれて大きくなる。また、2次元平面での単位面積当たりに占める樹脂材料部の面積の割合は、第2の圧電体層60の中央部Oに近づくにつれて大きくなり、逆に端部に近づくにつれて小さくなる。以上のような圧電振動子部を有する超音波プローブにおいても、高感度特性及び広帯域の周波数特性が得られる。
次に、超音波プローブ1を備えた超音波診断装置について図14を参照しつつ説明する。図14は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
この超音波診断装置10は、主に、超音波プローブ1、送受信部11、信号処理部12、DSC13、画像処理部14、表示部15及び制御部16を備えて構成されている。この超音波診断装置10においては超音波プローブ1に特徴があり、それ以外の送受信部11などは公知のものが用いられる。
超音波プローブ1には、上述したこの実施形態に係る超音波プローブが用いられる。送受信部11は送信部と受信部とからなり、超音波プローブ1に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、超音波プローブ1が受信したエコー信号を受信する。
信号処理部12は、公知のBモード処理回路、ドプラ処理回路及びカラーモード処理回路を備えている。送受信部11から出力されたデータはいずれかの処理回路にて所定の処理を施される。Bモード処理回路はエコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。ドプラ処理回路はドプラ偏移周波数成分を取り出し、更にFFT処理等を施して血流情報を有するデータを生成する。カラーモード処理回路は動いている血流情報の映像化を行い、カラー超音波ラスタデータを生成する。血流情報には、速度、分散、パワー等の情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。
DSC13(Digital Scan Converter)は、直交座標系で表される画像を得るために、超音波ラスタデータを直交座標で表されるデータに変換する(スキャンコンバージョン処理)。例えば、Bモード処理回路から出力されたデータに対してスキャンコンバージョン処理が施されると、被検体の組織形状を2次元情報として表す断層像データが生成される。画像処理部14は各種画像処理を行う。例えば、断層像データからボクセルデータを生成し、更に、ボリュームレンダリング処理を行って3次元画像データなどを生成する。
表示部15は液晶ディスプレイなどのモニタからなり、断層像や3次元画像などが表示される。制御部16はCPUからなり、記憶部(図示しない)に記憶されている制御プログラムや画像生成プログラムなどを実行することにより各処理部の制御を行う。記憶部はROMなどのメモリやハードディスクなどからなり、画像データ、各種設定条件及びプログラムなどが記憶されている。その他、ジョイスティックなどのポインティングデバイス、スイッチ又はTCS(Touch Command Screen)などの操作部(図示しない)が備えられ、超音波の送受信条件などに関する各種設定が操作者により入力される。
この実施形態に係る超音波プローブ1を備えた超音波診断装置10によれば、広帯域の周波数特性及び高感度特性を有することが可能となるため、THIモードによる超音波画像の生成を良好に行うことが可能となる。さらに、圧電材料部を所定の重み付けに従って配置することにより、深さ方向に均一な音場が形成されるため、超音波画像のスライス厚を均一にすることが可能となり、更に、サイドローブが低減された音場を形成することが可能となる。
1 超音波プローブ
2 背面材
3 圧電振動子部
4、50 第1の圧電体層
5、60 第2の圧電体層
6 第1の音響整合層
7 第2の音響整合層
8 音響レンズ
9a、9b、9c、9d 電極
10 超音波診断装置
11 送受信部
12 信号処理部
13 DSC(デジタルスキャンコンバータ)
14 画像処理部
15 表示部
41a、41b、・・・、61 圧電材料部
42a、42b、・・・、62 樹脂材料部
43 樹脂部
44 圧電体部
2 背面材
3 圧電振動子部
4、50 第1の圧電体層
5、60 第2の圧電体層
6 第1の音響整合層
7 第2の音響整合層
8 音響レンズ
9a、9b、9c、9d 電極
10 超音波診断装置
11 送受信部
12 信号処理部
13 DSC(デジタルスキャンコンバータ)
14 画像処理部
15 表示部
41a、41b、・・・、61 圧電材料部
42a、42b、・・・、62 樹脂材料部
43 樹脂部
44 圧電体部
Claims (9)
- 複数の圧電体が走査方向に配列された圧電体層が電極を介して複数積層された圧電振動子部を有し、
前記複数の圧電体層のうち少なくとも1層の圧電体層を構成する圧電体は、圧電材料部と非圧電材料部とが混在する複合圧電体からなることを特徴とする超音波プローブ。 - 前記複合圧電体を構成する圧電材料部は、所定の重み付けに従った間隔でスライス方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
- 前記複合圧電体を構成する圧電材料部は、前記複合圧電体のスライス方向の中央部が疎であり、前記スライス方向の中央部から端部にかけて徐々に密になっていることを特徴とする請求項2に記載の超音波プローブ。
- 前記複合圧電体を構成する非圧電材料部の前記スライス方向の幅は、前記スライス方向の中央部から端部にかけて徐々に狭くなっていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の超音波プローブ。
- 前記複合圧電体を構成する圧電材料部の前記スライス方向の幅は、前記複合圧電体の中央部から端部にかけて徐々に広くなっていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の超音波プローブ。
- 前記複合圧電体において、前記走査方向の長さと前記スライス方向の単位長さとで規定される2次元平面の単位面積に占める前記圧電材料部の面積の割合が、前記複合圧電体の中央部から端部にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の超音波プローブ。
- 前記圧電振動子部に接して背面材が設けられ、前記圧電振動子部は前記背面材に接する面の反対側から超音波の送受信を行い、
前記複合圧電体は前記背面材に接して設けられ、前記複合圧電体を構成する非圧電材料部の音響インピーダンスは、前記背面材の音響インピーダンスと略一致することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波プローブ。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の超音波プローブと、
前記超音波プローブにより被検体に対して超音波を送受信させる送受信手段と、
前記送受信手段が受信した前記被検体からの反射波に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記送受信手段は、前記超音波プローブにより所定の周波数を有する超音波を前記被検体に対して送信し、前記被検体から前記所定の周波数に対する2次高調波を受信し、
前記画像生成手段は、前記2次高調波に基づいて超音波画像を生成することを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
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