JP2007288396A - 超音波用探触子 - Google Patents

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Abstract

【課題】2層構造の音響整合層を有する超音波用探触子において、従来よりも周波数特性を広帯域化する。
【解決手段】超音波用探触子は、圧電セラミックによって形成された圧電体を有する振動子と、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.4〜2.0倍の厚さを有する第1の音響整合層と、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.6〜0.7倍の厚さを有する第2の音響整合層と、振動子の音響インピーダンスの0.42〜0.44倍の音響インピーダンスを有するバッキング層とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を送受信する圧電振動子と、音響インピーダンスの整合を図るための音響整合層とを有し、医療用の超音波診断装置等において用いられる超音波用探触子に関する。
従来より、超音波の送信及び/又は受信に用いられる超音波トランスデューサにおいて、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinyliden difluoride)に代表される高分子圧電材料等の圧電体の両端に電極を形成した振動子(圧電振動子)が、一般的に用いられてきた。
このような振動子の電極に電圧を印加すると、圧電効果により圧電素子が伸縮して超音波が発生する。さらに、複数の振動子を1次元又は2次元状に配列し、所定の遅延を与えた複数の駆動信号によって駆動することにより、超音波ビームを所望の方向に向けて形成することができる。一方、振動子は、伝播する超音波を受信することによって伸縮し、電気信号を発生する。この電気信号は、超音波の受信信号として用いられる。
超音波診断装置は、被検体に超音波を送信し、被検体からの反射波を受信して、その受信信号に基づいて画像を表示することにより、体内の臓器や血管の検査を行っている。しかしながら、圧電セラミックを振動子に用いる場合には、振動子の音響インピーダンス(音響媒質密度と音速との積で表される)と、被検体(人体等)との音響インピーダンスとの間には大きな差があり、そのような音響インピーダンスの差がある境界面においては、超音波の反射が生じて超音波の伝播損失となる。
音響インピーダンスとは、音響媒質密度と音速との積で表される物質固有の定数であり、その単位としては、一般にMRayl(メガ・レイル)が用いられ、1MRayl=1×10kg・m−2・s−1である。一般的な圧電セラミックの音響インピーダンスは、約23MRayl〜約35MRaylであり、人体の音響インピーダンスは、約1.5MRaylである。
圧電振動子を人体に直接接触させると、それらの音響インピーダンスの差により、ほとんどの超音波は接触界面で反射してしまう。圧電振動子の音響インピーダンスをZとし、人体の音響インピーダンスをZとすると、接触界面における超音波の反射率Rは、次式(1)で与えられる。
=(Z−Z)/(Z+Z) ・・・(1)
式(1)において、Z=35MRayl、Z=1.5MRaylとすると、R=0.92となり、超音波は1割も伝播しないことが分る。
この問題を解決するために、振動子と被検体との間に音響整合層を挿入して、音響インピーダンスの整合を図ることが行われている。さらに、音響整合層を多層構造とすることにより、超音波の伝播効率が改善される。ここで、超音波の伝播効率を最大にするために、それぞれの音響整合層における音響インピーダンスの理想値を理論的に求めることが可能である。非特許文献1には、エネルギー伝送論に基づいて求められた最適音響インピーダンスが掲載されている(図8参照)。
また、非特許文献2には、音響整合層の界面における超音波の反射に鑑みて、各音響整合層の厚さを発振波長の1/4に設定することが開示されている。その理由は、以下の通りである。理想的なインパルス波形を有する駆動信号で振動子を励振したとしても、振動子が有する周波数帯域特性の影響により、振動は減衰しながら持続する波形を示すので、時間分解能があまり良くない。そこで、発振波長の1/4の厚さを有する音響整合層を振動子と被検体との間に挿入すると、音響整合層と振動子との境界で反射した超音波は、音響整合層を往復することにより位相が発振波長の1/2だけずれる。この反射波が無反射の直接波に重畳されると、直接波は半波長後の波形から反射波によって抑圧され、直接波の波形が理想的なインパルス波形に近付き、超音波用探触子の広帯域化が図られる。
音響整合層を設けることにより、超音波の伝播効率が向上して感度は上昇するが、一方、発振周波数帯域が狭まるという弊害も存在する。そこで、非特許文献1に従って、2層の音響整合層を有する超音波用探触子における周波数帯域幅を計算してみた。ここでは、一般的な圧電セラミック(Z=35MRayl程度、電気機械結合定数K33=0.7程度)と、一般的なバッキング材料(音響インピーダンスが1.75MRayl〜20.0MRayl程度)とを用いるものとする。一般的に、ダンピング(制動)性のある樹脂に高密度粉末を混ぜることによって、高音響インピーダンスのバッキング材料を作製するが、音響減衰能力とのバランスを考慮して、20MRaylが音響インピーダンスの上限値とされている。また、圧電振動子を保持する観点から、一般的には、エポキシ・ポリスチレン樹脂等の樹脂材料を用いることによって作製された、1.75MRaylが音響インピーダンスの下限値とされている。また、各音響整合層の厚さは、非特許文献2におけるのと同様に、発振波長の1/4に設定する。
その結果、周波数帯域幅fBW(%)は、およそ60%〜65%程度となった。なお、周波数帯域幅fBW(%)は、次式(2)によって表される。
BW(%)=100×(f−f)/f ・・・(2)
ここで、周波数f及びfは、音圧がピーク値から6dB減衰する2つの周波数であり(f<f)周波数fは、周波数fと周波数fとの中心周波数である。
一般に、低周波数領域の超音波は減衰率が小さいので、それにより得られる画像は、輝度は高いが粗い画像となり、高周波領域の超音波は減衰率が大きいので、それにより得られる画像は、輝度は低いが細かい画像となる。それらの特性を生かすように、診断対象によって超音波用探触子が選択的に用いられている。
しかしながら、消化器官に挿入される内視鏡タイプの探触子や、血管に挿入されるカテーテルタイプの探触子においては、低周波領域から高周波領域までの広い周波数帯域を網羅できる性能が求められている。これにより、人体内に探触子を挿入する回数を減らすことができる。このように人体内に挿入される探触子においては、周波数帯域幅fBW(%)が65%程度以上であることが望ましい。さらに、一般的な超音波用探触子においても、広帯域の周波数特性を実現することにより、得られる超音波画像の画質を高めることができる。
そのような事情により、音響整合層の音響インピーダンスを設定する際には、その結果得られる周波数特性も考慮すべきである。音響整合層を多層構造とする場合において、それぞれの音響整合層における音響インピーダンスの理想値は、超音波の伝播効率を最大にするように設定されている。しかしながら、その結果得られる周波数帯域は、広帯域の周波数特性を実現するためには必ずしも適していない。
関連する技術として、下記の特許文献1には、ダンパ層の音響インピーダンスと音響整合層の厚さ及び音響インピーダンスとの組み合わせを適切に設定することによって、適切なパルス幅及び振幅の超音波パルスを放射できる超音波用探触子が開示されている。しかしながら、特許文献1には、2層構造の音響整合層を設ける場合については記載されていない。
特開平6−30933号公報(第5頁、図4) 「超音波便覧」、丸善、p.116 伊東正安、望月剛 著「超音波診断装置」、コロナ社、p.30
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、2層構造の音響整合層を有する超音波用探触子において、従来よりも周波数特性を広帯域化することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る超音波用探触子は、印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.4〜2.0倍の厚さを有する第1の音響整合層と、第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.6〜0.7倍の厚さを有する第2の音響整合層と、振動子の主面と反対の面上に形成され、振動子の音響インピーダンスの0.42〜0.44倍の音響インピーダンスを有するバッキング層とを具備する。
本発明によれば、周波数帯域を考慮して超音波用探触子の音響整合層の厚さを見直すことにより、従来よりも周波数特性を広帯域化することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波用探触子の内部構造を示す斜視図である。図1に示すように、超音波用探触子1は、圧電効果により伸縮して超音波を発生する圧電体11と電圧が印加される電極12及び13とによって構成される圧電振動子と、圧電振動子と人体等の被検体との間で音響インピーダンスを整合させることにより、超音波の伝播効率を高める第1の音響整合層14及び第2の音響整合層15と、圧電体11から発生した不要な超音波を減衰させるバッキング層16とを含んでいる。
さらに、超音波用探触子1は、複数の圧電振動子の間における干渉を低減し、圧電振動子の横方向の振動を抑えて圧電振動子が縦方向のみに振動するようにするために、充填材17を含んでいても良い。また、超音波用探触子1は、超音波を収束させるための音響レンズ18を含んでいても良いが、以下においては音響レンズ18が無い場合について説明する。
本実施形態においては、圧電体11の材料として圧電セラミックが用いられる。圧電セラミックは、電気・機械エネルギー変換能力が高いので、体内の深部まで到達可能な強力な超音波を発生することができ、また、受信感度も高い。具体的な材料としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(Ti,Zr)O)や、同様のペロブスカイト系結晶構造を有する変成組成の材料や、一般にリラクサ系材料と呼ばれている材料等を用いることができる。
圧電体11の材料として圧電セラミックを用いる場合には、圧電振動子の音響インピーダンスと被検体(人体等)との音響インピーダンスとの間に大きな差があるので、圧電振動子と人体との間に、それらの中間の音響インピーダンスを有する音響整合層を設けることにより、音響インピーダンスの整合を図って、超音波の伝播効率を上げることが必要となる。ここで、音響整合層を多層構造とする程、超音波の伝播効率が良くなるが、製造上の観点から、2層構造又は3層構造とすることが多い。なお、本発明において、圧電体の材料は、圧電セラミックに特定されない。例えば、圧電振動子の音響インピーダンスと被検体(人体等)の音響インピーダンスとの差が小さい材料を用いた場合にも、本発明は適用される。
本実施形態において、第1の音響整合層14の材料としては、例えば、石英ガラスや、有機材料(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等)に高い音響インピーダンスを有する材料粉末(タングステン、フェライト紛等)を混ぜ合わせた材料を用いることができる。第2の音響整合層15の材料としては、例えば、有機材料(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等)を用いることができる。また、バッキング層16の材料としては、音響減衰の大きい材料であるエポキシ樹脂やゴム等を用いることができる。
音響整合層の層数と音響インピーダンスを設定する際には、その結果として得られる周波数帯域特性も重要であることから、周波数特性を広帯域化するために、本実施形態においては次のような設計方法を用いている。
まず、超音波用探触子の周波数特性を算出する方法について説明する。超音波用探触子に含まれている各構成要素を等価的な四端子回路に置き換えることにより、超音波の伝送系を、バッキング層、圧電振動子、音響整合層が直列に接続された四端子回路網と考える。各構成要素は固有の音響インピーダンスを有しており、超音波の伝送系を介して超音波を送信又は受信する際に、特有の周波数特性が生じる。従って、この四端子回路網の一端に電圧を入力し、他端を被検体の等価回路によって終端することにより、超音波用探触子の発振性能を、送受波特性VTG(Voltage Transfer Gain)として計算して予測することができる。
伝送系の入力インピーダンスZは、下記(3)のように表され、その入力インピーダンスZに基づいて、送受波特性VTGが計算される。
Figure 2007288396
ここで、
Figure 2007288396
Figure 2007288396
とする。また、Kは電気機械結合定数を表し、Zは圧電振動子の音響インピーダンスを表し、Zは音響整合層の音響インピーダンスを表し、Zはバッキング層の音響インピーダンスを表し、fは設計上の中心周波数(圧電振動子の機械共振周波数)を表し、Cは容量値を表している。角周波数ωは、周波数fを用いて、2πfと表される。また、γは伝送位相を表し、vは圧電振動子内部での縦波の音速を表し、dは圧電振動子の厚さを表している。なお、k、kは、圧電振動子の厚さに対する音響整合層の厚さ及びバッキング層の厚さからそれぞれ決定されるパラメータである。
さらに、この等価回路を2層構造の音響整合層に適用したシミュレーションを行うために、超音波の伝送系を、バッキング層、圧電振動子、第1の音響整合層、第2の音響整合層が直列に接続された四端子回路網と考える。この伝送モデルにおいて、送信音圧と受信音圧とが等しいものとすると、伝送系の入力インピーダンス及び四端子回路網の定数に基づいて、信号伝達関数Tが求められる。この信号伝達関数Tに対して、各周波数において20・log(T)を計算することにより、送受波特性VTGが求められる。
図2に、送受波特性のシミュレーションにおける計算条件と、シミュレーションによって求められた周波数帯域幅とを示す。本実施形態においては、2層構造の音響整合層を用いるので、第1の音響整合層の音響インピーダンスと、第2の音響整合層の音響インピーダンスと、圧電振動子の音響インピーダンスと、バッキング層の音響インピーダンスと、圧電振動子の電気機械結合定数と、圧電振動子の設計上の中心周波数とを示している。
図2においては、バッキング層の音響インピーダンスを10MRayl、15MRayl、20MRaylとした場合の周波数帯域幅を比較している。バッキング層の音響インピーダンス以外の計算条件は同一である。即ち、第1の音響インピーダンスを8.92MRaylとし、第2の音響インピーダンスを2.34MRaylとし、圧電振動子の音響インピーダンスZを34MRaylとしている(図8と同じ計算条件)。また、圧電振動子の電気機械結合定数K33を0.65とし、設計上の中心周波数を6.84MHzとしている。なお、第1の音響整合層の厚さと第2の音響整合層の厚さは、伝播する超音波波長の1/4としている。
図2のシミュレーションによると、バッキング層の音響インピーダンスが10MRaylの場合に、周波数帯域幅fBW(%)は65.97%となる。また、バッキング層の音響インピーダンスが15MRaylの場合に、周波数帯域幅fBW(%)は66.67%となる。さらに、バッキング層の音響インピーダンスが20MRaylの場合に、周波数帯域幅fBW(%)は67.36%となる。従って、バッキング層のインピーダンスを大きくする程、周波数帯域幅fBW(%)が改善されることが分る。
しかしながら、バッキング層の音響インピーダンスを20MRaylまで大きくしても、周波数帯域幅fBW(%)は67.36%であり、近年における広帯域化の要望を満足させる性能は実現されていない。そこで、以下においては、バッキング層の音響インピーダンスをパラメータとし、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させることによって、周波数帯域幅fBW(%)を改善する。
図3の(a)に、本実施形態に係る超音波探触子の送受波特性のシミュレーションにおける音響整合層の厚さを従来例と比較して示す。また、図3の(b)に、従来例と本実施形態とにおいて共通の計算条件を示す。共通の計算条件としては、第1の音響整合層の音響インピーダンスと、第2の音響整合層の音響インピーダンスと、圧電振動子の音響インピーダンスと、バッキング層の音響インピーダンスと、圧電振動子の電気機械結合定数と、圧電振動子の設計上の中心周波数とを示している。ここでは、バッキング層の音響インピーダンスを15MRaylとしている。
従来例においては、第1の音響整合層の厚さ及び第2の音響整合層の厚さを、伝播する超音波波長の1/4としている。図3の(a)においては、音響整合層の厚さを、伝播する超音波波長の1/4を「1」とする比率で示している。本実施形態においては、第1の音響整合層の厚さを、伝播する超音波波長の1/4の1.7倍の厚さとし、また、第2の音響整合層の厚さを、伝播する超音波波長の1/4の0.8倍の厚さとしている。その他の計算条件は、図3の(b)に示すように従来例と同一である。
また、振動子の厚さtを、伝播する超音波波長の1/2としている。従って、設計上の中心周波数fが決定されると、振動子及び音響整合層の物性に基づいて、振動子の厚さと音響整合層の厚さとの間の関係が求められる。
振動子については、f=v/2tが成立する。ここで、vは振動子を伝播する超音波の速度を表している。第1の音響整合層を伝播する超音波の波長λは、λ=v/fで表される。ここで、vは第1の音響整合層を伝播する超音波の速度を表している。従って、第1の音響整合層を伝播する超音波の波長λの1/4は、(v/v)×(t/2)で表される。
さらに、媒体を伝播する超音波の速度v及びvは、弾性定数と音響インピーダンスとを用いて、v=k/Z、v=k/Zで表される。ここで、kは振動子の弾性定数を表し、kは第1の音響整合層の弾性定数を表し、Zは振動子の音響インピーダンスを表し、Zは第1の音響整合層の音響インピーダンスを表している。従って、第1の音響整合層を伝播する超音波の波長λの1/4は、(k/k)×(Z/Z)×(t/2)で表される。同様に、第2の音響整合層を伝播する超音波の波長λの1/4は、(k/k)×(Z/Z)×(t/2)で表される。
図4に、本実施形態に係る超音波用探触子の送受波特性のシミュレーション結果を従来例と比較して示す。図4において、横軸は周波数(MHz)を表し、縦軸は送受波特性VTG(dB)を表している。また、実線は本実施形態における計算結果を示しており、破線は従来例における計算結果を示している。
図4において、音圧がピーク値から6dB減衰する2つの周波数f及びfに基づいて、式(2)を用いて周波数帯域幅fBW(%)を求めると、従来例においては、f=8.6MHz、f=4.4MHz、f=6.5MHzであり、周波数帯域幅fBW(%)は65%となる。一方、本実施形態においては、f=7.75MHz、f=3.4MHz、f=5.58MHzであり、周波数帯域幅fBW(%)は78%となる。このように、従来においては最適とされていた第1及び第2の音響整合層の厚さを変更することにより、従来の設計条件よりも周波数帯域幅を改善することができる。
本実施形態における超音波用探触子は、広帯域の周波数特性を実現するものであるが、図4に示す通り、音響整合層の厚さを新たに規定することにより、周波数特性のピーク値が下がることがデメリットとして挙げられる。しかしながら、本実施形態は、周波数特性のピーク値とのトレードオフによって周波数特性が大幅に改善された超音波用探触子を実現するものであり、例えば、感度がそれほど重視されない用途に用いられる探触子(例えば、身体内部に挿入されるカテーテルタイプの探触子)において有効である。
次に、上記の計算結果に基づいて試作された実施例について説明する。この実施例においては、図1に示す圧電体11として、フジセラ製圧電材料C−91H(厚さ300μm)を約100μmピッチに切断して用い、第1の音響整合層14として、フェライト粉末入りエポキシ樹脂を用い、第2の音響整合層15として、ポリイミドシートを用い、バッキング層16として、フェライト入りゴム材料を用いている。
ここで、圧電体11の音響インピーダンスは、約34MRaylであり、第1の音響整合層14の音響インピーダンスは、約7.0MRaylであり、第2の音響整合層15の音響インピーダンスは、約2.7MRaylであり、バッキング層16の音響インピーダンスは、約15MRaylである。従って、各音響インピーダンスは、図3に示すシミュレーションにおけるのと同一条件である。なお、設計上の中心周波数は、6.8MHzである。
また、第1の音響整合層の厚さは150μmである。これは、伝播波長の1/4が100μmであるので、伝播波長の1/4を「1」とする比率で表すと、第1の音響整合層の厚さは1.5となる。また、第2の音響整合層の厚さは60μmである。これは、伝播波長の1/4が85μmであるので、伝播波長の1/4を「1」とする比率で表すと、第2の音響整合層の厚さは0.7となる。
図5は、送受波特性のシミュレーションにおいてバッキング層の音響インピーダンスを15MRaylとした場合に、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させたときの周波数帯域幅の変化を示す図である。圧電振動子の音響インピーダンスが34MRaylであるから、バッキング層の音響インピーダンスは、圧電振動子の音響インピーダンスの約0.44倍となる。圧電振動子の横方向には、第1の音響整合層の厚さを変化させており、縦方向には、第2の音響整合層の厚さを変化させている。音響整合層の厚さは、いずれも伝播波長の1/4を「1」とする比率で表している。
例えば、図5において、第1の音響整合層の厚さの比率が1.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が1.0であるときには、その超音波用探触子の周波数帯域幅fBW(%)は、66.67%となる。ここで、音響整合層の厚さの比率が1.0であるということは、音響整合層の厚さが超音波波長の1/4であることを意味する。即ち、非特許文献2に示されている理論に従うものであり、上記の周波数帯域幅66.67%という値も、従来の理論とほぼ同一となっている。
図5において、周波数帯域幅の値が従来例における66.67%を超えて比較的大きくなるための条件を選別すると、その周波数帯域幅は、概ね、太線で囲まれた領域で表される。即ち、図5に示すように、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.6〜0.7である組み合わせが該当する。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜1.9であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.8〜0.9である組み合わせが該当する。さらに、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5〜1.8であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が1.0である組み合わせが該当する。加えて、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5〜1.6であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が1.1である組み合わせが該当する。なお、図5〜図7において「−」で示された部分は、分解能が劣化する部分であり、超音波用探触子には適さないので、本実施形態から除外する。
図6は、送受波特性のシミュレーションにおいてバッキング層の音響インピーダンスを20MRaylとした場合に、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させたときの周波数帯域幅の変化を示す図である。圧電振動子の音響インピーダンスが34MRaylであるから、バッキング層の音響インピーダンスは、圧電振動子の音響インピーダンスの約0.59倍となる。横方向には、第1の音響整合層の厚さを変化させており、縦方向には、第2の音響整合層の厚さを変化させている。音響整合層の厚さは、いずれも伝播波長の1/4を「1」とする比率で表している。
例えば、図6において、第1の音響整合層の厚さの比率が1.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が1.0であるときには、その超音波用探触子の周波数帯域幅fBW(%)は、67.36%となる。ここで、音響整合層の厚さの比率が1.0であるということは、音響整合層の厚さが超音波波長の1/4であることを意味する。即ち、非特許文献2に示されている理論に従うものである。
図6において、周波数帯域幅の値が従来例における67.36%を超えて比較的大きくなるための条件を選別すると、その周波数帯域幅は、概ね、太線で囲まれた領域で表される。即ち、図6に示すように、第1の音響整合層の厚さの比率が1.8〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.6である組み合わせが該当する。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.7である組み合わせが該当する。さらに、第1の音響整合層の厚さの比率が1.3〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.8〜1.0である組み合わせが該当する。加えて、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が1.1である組み合わせが該当する。
図7は、送受波特性のシミュレーションにおいてバッキング層の音響インピーダンスを10MRaylとした場合に、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させたときの周波数帯域幅の変化を示す図である。圧電振動子の音響インピーダンスが34MRaylであるから、バッキング層の音響インピーダンスは、圧電振動子の音響インピーダンスの約0.29倍となる。横方向には、第1の音響整合層の厚さを変化させており、縦方向には、第2の音響整合層の厚さを変化させている。音響整合層の厚さは、いずれも伝播波長の1/4を「1」とする比率で表している。
例えば、図7において、第1の音響整合層の厚さの比率が1.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が1.0であるときには、その超音波用探触子の周波数帯域幅fBW(%)は、65.97%となる。ここで、音響整合層の厚さの比率が1.0であるということは、音響整合層の厚さが超音波波長の1/4であることを意味する。即ち、非特許文献2に示されている理論に従うものである。
図7において、周波数帯域幅の値が従来例における65.97%を超えて比較的大きくなるための条件を選別すると、その周波数帯域幅は、概ね、太線で囲まれた領域で表される。即ち、図7に示すように、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.8である組み合わせが該当する。また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5〜1.6であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.9である組み合わせが該当する。
図5〜図7において、太線で囲まれた良好な周波数帯域幅を示している第1の音響整合層の厚さの比率と第2の音響整合層の厚さの比率とのそれぞれの組み合わせについて、バッキング層の音響インピーダンスをある程度変化させても、周波数帯域幅は一定である。従って、製造上、バッキング層の音響インピーダンスに幅を持たせることができる。
例えば、図5における、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.6〜0.7である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが14.3MRayl〜15.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜1.9であり、かつ、第2の音響整合層の厚さの比率が0.8〜0.9である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが14.0MRayl〜15.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5〜1.8であり、かつ、第2の音響整合層が、1.0である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが13.0MRayl〜15.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5〜1.6であり、かつ、第2の音響整合層が、1.1である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが14.3MRayl〜15.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
図6において、第1の音響整合層の厚さの比率が1.8〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層が、0.6である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが13.0MRayl〜20.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層が、0.7である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが15.0MRayl〜20.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.3〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層が、0.8〜1.0である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが18.0MRayl〜20.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.4〜2.0であり、かつ、第2の音響整合層が、1.1である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが16.6MRayl〜20.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
図7において、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5であり、かつ、第2の音響整合層が、0.8である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが9.5MRayl〜10.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
また、第1の音響整合層の厚さの比率が1.5〜1.6であり、かつ、第2の音響整合層が、0.9である組み合わせでは、バッキング層の音響インピーダンスが9.5MRayl〜10.0MRaylの範囲において、同様の周波数帯域幅を示す。
このように、本発明によれば、音響整合層を2層構造とする場合に、第1の音響整合層の厚さと第2の音響整合層の厚さとの組み合わせを選択することにより、超音波用探触子の広帯域化を実現することができる。なお、本発明は、セクタ型、リニア型、コンベックス型、ラジアル型等、いずれの形状の超音波用探触子にも適用することができる。
本発明は、超音波を送受信する圧電振動子と、音響インピーダンスの整合を図るための音響整合層とを有し、医療用の超音波診断装置等において用いられる超音波用探触子において利用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る超音波用探触子の内部構造を示す斜視図である。 送受波特性のシミュレーションにおける計算条件と求められた周波数帯域幅とを示す図である。 (a)は、本実施形態に係る超音波探触子の送受波特性のシミュレーションにおける音響整合層の厚さを従来例と比較して示す図であり、(b)は、本実施形態と従来例とにおいて共通の計算条件を示す図である。 本実施形態に係る超音波用探触子の送受波特性のシミュレーション結果を従来例と比較して示す図である。 送受波特性のシミュレーションにおいてバッキング層の音響インピーダンスを15MRaylとした場合に、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させたときの周波数帯域幅の変化を示す図である。 送受波特性のシミュレーションにおいてバッキング層の音響インピーダンスを20MRaylとした場合に、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させたときの周波数帯域幅の変化を示す図である。 送受波特性のシミュレーションにおいてバッキング層の音響インピーダンスを10MRaylとした場合に、第1及び第2の音響整合層の厚さを変化させたときの周波数帯域幅の変化を示す図である。 エネルギー伝送論に基づいて求められた従来の最適音響インピーダンスを示す図である。
符号の説明
1 超音波用探触子
11 圧電体
12、13 電極
14 第1の音響整合層
15 第2の音響整合層
16 バッキング層
17 充填材
18 音響レンズ

Claims (10)

  1. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.4〜2.0倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.6〜0.7倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.42〜0.44倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  2. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.4〜1.9倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.8〜0.9倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.41〜0.44倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  3. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.5〜1.8倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.0倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.38〜0.44倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  4. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.5〜1.6倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.1倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.42〜0.44倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  5. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.8〜2.0倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.6倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.38〜0.59倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  6. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.4〜2.0倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.7倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.44〜0.59倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  7. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.3〜2.0倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.8〜1.0倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.53〜0.59倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  8. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.4〜2.0倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.1倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.49〜0.59倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  9. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.5倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.8倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.28〜0.29倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
  10. 印加される電圧に従って超音波を送信し、超音波を受信して電圧を発生する振動子と、
    前記振動子の主面上に形成された第1の音響整合層であって、振動子の厚さに(第1の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第1の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の1.5〜1.6倍の厚さを有する前記第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に形成された第2の音響整合層であって、振動子の長さに(第2の音響整合層の弾性定数k/振動子の弾性定数k)×(振動子の音響インピーダンスZ/第2の音響整合層の音響インピーダンスZ)×1/2を乗じた値の0.9倍の厚さを有する前記第2の音響整合層と、
    前記振動子の主面と反対の面上に形成され、前記振動子の音響インピーダンスの0.28〜0.29倍の音響インピーダンスを有するバッキング層と、
    を具備する超音波用探触子。
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