JP2006174991A - 超音波探触子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 音響整合層を容易に3層以上に構成できるようにして、超音波探触子の周波数の広帯域化を可能にし、高分解能を持つ診断画像を得ることができる超音波探触子を提供する。
【解決手段】 超音波を送信及び受信する圧電素子1を有する超音波探触子において、複数種類の粉体材料を高分子の樹脂に充填し、複数種類の粉体材料を高分子の樹脂内で積層させて音響整合層を設け、3層以上の音響整合層5、6、7を圧電素子1の前面に構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波を用いて生体情報を得るために使用される超音波探触子に関し、特に圧電素子の一方の面に音響整合層が形成された超音波探触子に関する。
超音波探触子は、生体を対象とした超音波診断装置などに用いられている。例えば超音波診断装置用の超音波探触子としては、図4に示すような構造(下記の特許文献1に記載)のものが用いられている。この超音波探触子は超音波を送信し、受信する圧電振動子10の前面に効率よく被検体側に超音波を送受信するために2層の音響整合層11、12が設けられ、更にその前面には診断画像の分解能を高めるために超音波ビームを絞る役目をする音響レンズ13が設けられ、また、圧電振動子10のもう一方の面には圧電振動子10を保持する役目、あるいは不要な超音波を減衰させる役目をする背面負荷材14が設けられた構成となっている。音響整合層11、12としては、圧電振動子10側には音響インピーダンスが大きい値の層11を設け、音響レンズ13側には音響インピーダンスが小さい層12を設けた2層タイプが用いられている。
特開平11−113908号公報(図1、要約書)
近年、基本周波数に対して2次あるいは3次の高調波周波数成分を利用して超音波診断装置の診断画像の分解能を高める方式が用いられているために、超音波探触子の周波数の広帯域化が極めて重要である。しかしながら、2層の音響整合層にした構成では、周波数の広帯域化に限度があり、高調波の周波数を利用した診断画像の高分解能化に限界があった。また、音響整合層を3層にして周波数特性の広帯域化を試みる構成もあるが、この方式は任意の音響インピーダンスを有するそれぞれの材料単体を3種類用いてそれぞれを接着して構成していたために製作が難しいということがあった。
そこで、本発明は、圧電素子の一方の面に形成する音響整合層を容易に3層以上に形成することができ、ひいては超音波探触子の周波数の広帯域化を可能にし、高分解能を持つ診断画像を得ることができる超音波探触子を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、本発明の超音波探触子は、超音波を送信及び受信する圧電素子を有する超音波探触子において、
複数種類の粉体材料を高分子の樹脂に充填し、前記複数種類の粉体材料を前記高分子の樹脂内で積層させて3層以上の音響整合層を前記圧電素子の一方の面に形成した構成とした。
また、本発明の超音波探触子は、前記複数種類の粉体材料が、それぞれ密度の違う材料であることを特徴とする。
また、前記複数種類の粉体材料は、前記高分子の樹脂の密度より大きい材料であることを特徴とする。
また、前記複数種類の粉体材料は、前記高分子の樹脂の密度より大きい粉体材料と小さい粉体材料を含むことを特徴とする。
また、前記複数種類の粉体材料は、平均粒径が異なる同じ材料若しくは異なる材料であることを特徴とする。
また、前記複数種類の粉体材料は、金属、酸化物、炭化物、高分子、中空体の材料のいずれか1つ以上であることを特徴とする。
この構成により、圧電素子の一方の面に形成する音響整合層を容易に3層以上に形成することができ、ひいては超音波探触子の周波数の広帯域化を可能にし、高分解能を持つ診断画像を得ることができる。
本発明によれば、複数種類の粉体材料を高分子の樹脂に充填し、複数種類の粉体材料を高分子の樹脂内で積層させて3層以上の音響整合層を形成するので、音響整合層を容易に3層以上に形成することができ、ひいては超音波探触子の周波数の広帯域化を可能にし、高分解能を持つ診断画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本実施の形態に係る超音波探触子の一例を示す概略断面図である。超音波探触子は、超音波診断装置を構成する際に、超音波診断装置本体とケーブルを介して電気的に接続されて使用され得るものであり、超音波を送受信し、その受信波を電気信号に変換して超音波診断装置本体に送信する機能を有している。
図1に示す超音波探触子は、PZT系などの圧電セラミック、単結晶などが用いられ、超音波を送受信する圧電素子1と、金や銀を蒸着又はスパッタリングすることにより、あるいは銀を焼き付けるなどにより圧電素子1の前面(音響レンズ8側の面)に設けられた接地電極2と、接地電極2と同じように金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付けなどで、圧電素子1の背面に設けられた信号用電極3と、信号用電極3から超音波信号を取り出すための信号用電気端子(図示せず)と、圧電素子1を背面から機械的に保持し、かつ必要に応じて不要な超音波信号を減衰させる機能を有する背面負荷材4と、圧電素子1の前面の接地電極2上に設けられた第1の音響整合層5と、更に第1の音響整合層5上に設けられた第2の音響整合層6と、更に第2の音響整合層6上に設けられた第3の音響整合層7と、また、音響整合層7上に設けられて被検体と直接若しくは間接的に接触し超音波ビームを絞るための音響レンズ8などを有する。
この超音波探触子は、超音波診断装置などの本体から電気信号を接地電極2と信号用電極3に印加することにより、圧電素子1が機械振動して超音波を音響整合層5、6、7及び音響レンズ8を伝播して被検体に発信し、被検体からの反射波を受信するものである。生体を被検体とする超音波診断装置用の超音波探触子は、生体に直接接触または超音波伝播媒体を介して間接的に接触して生体に超音波を送信し、生体から反射してきた反射波を再び超音波探触子で受信してその信号を本体で処理してモニタ上に診断画像を表示して診断するものに用いられるいわゆるセンサである。
ここで、圧電素子1の前面に設けられる音響整合層は、従来、2層設けた構成が一般的であったが、近年、基本周波数に対して非線型現象を利用して2次あるいは3次の高調波周波数成分を利用して超音波診断装置の診断画像の分解能を高めるために、超音波探触子の周波数を広帯域化することが極めて重要であり、このための取り組みとして、圧電セラミックと高分子材料からなる複合圧電体を用いたり、あるいは電気機械結合係数が高い単結晶などの圧電素子を用いた構成の超音波探触子があるが、いずれも製法的に難しいために信頼性の課題、あるいはコストが高くなるなどの課題が残されている。また、音響整合層を3層タイプにする取り組みもされているが、これもコストと性能の関係、つまりコストが高くなる割合と性能とのバランスが取れないという点からからあまり採用されていないのが現状である。そこで本発明の第1、第2の実施の形態は、3層以上の音響整合層を容易に形成できる構成にし、かつ周波数の広帯域化を実現できるようにした点に大きな特徴を有している。
図2には、図1に示した超音波探触子の構成において一般的に知られているKLM法で計算した結果の周波数特性を示す。なおここで計算に用いた条件としては、駆動する周波数を3.5MHzとして、圧電素子1はPZT−5H相当の圧電セラミックス、背面負荷材4として音響インピーダンス=7MRayl、電極2、3として金で厚み0.2μmを基本にして、音響整合層を従来の2層タイプと、3層及び8層タイプで、更にシリコーンゴムの音響レンズ8を設けた構成で計算したときのそれぞれの周波数−ゲイン特性A、B、Cの結果を示している。
なお、音響整合層が2層タイプの音響インピーダンスは、圧電素子1側からそれぞれ、6MRayl、3MRaylの値を用い、また音響整合層が3層タイプの音響インピーダンスは、圧電素子1側からそれぞれ、16MRayl、7MRayl、2.5MRaylの値を用い、また音響整合層が8層タイプの音響インピーダンスは、圧電素子1側からそれぞれ、16MRayl、12MRayl、8MRayl、6MRayl、4MRayl、3MRayl、2MRayl、1.6MRaylの値を用いている。もちろん超音波を伝播させる対象の被検体は生体(音響インピーダンス=1.5MRayl)としている。
周波数特性を評価する一般的な方法としては、周波数の比帯域がある。これは最大値の感度に対して−6dBレベルでの帯域幅と中心周波数(帯域幅/中心周波数)の比を表わすものであり、この値が大きいほど広帯域の周波数特性となり、更に周波数特性の形としては正規分布に近いほど、すなわちパルス応答特性の尾引き特性が良好になり分解能を高くすることができるという点が評価のポイントである。
図2から明らかなように、2層タイプの音響整合層の特性Aは狭く、3層タイプ、8層タイプの特性B、Cと層が多くなるに従い、周波数特性が広帯域化されており、更に周波数特性B、Cの形も多層化すると正規分布の形に近くなってきていることが確認できる。図2から2層、3層、8層タイプの−6dBでの比帯域を記述するとそれぞれ75%、93%、96%となっており音響整合層の層数を多くしていくことにより広帯域化できることがわかる。
図1に示した3層の音響整合層5、6、7の、図2の特性Bの計算結果で示した音響インピーダンスは、16MRayl、7MRayl、2.5MRaylであり、またその厚みはそれぞれ駆動周波数の3.77分の1波長、4.76分の1波長、4.23分の1波長となっている。これら3層のそれぞれの音響インピーダンスを得る方法としては高分子の樹脂、例えば熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂に複数の粉体材料を充填させて混合脱泡して樹脂の厚み方向に対して複数の粉体材料を積層させるように構成する。
つまり、2種類以上の粉体材料はそれぞれ密度の違う材料、例えば密度が19.1kg/mと大きい値を有するタングステン粉体と、タングステンより小さい密度を有する15kg/mのタングステンカーバイト粉をエポキシ樹脂に充填して混合して泡抜き(混合脱泡)をした後、加熱して硬化させると、密度の大きいタングステン粉体は下部に積層され、密度が小さいタングステンカーバイト粉はその上部に積層される。更にその上部には前記2種類の粉体がないエポキシ樹脂層が積層される。なお2種類の粉体の密度は基本的に高分子の樹脂の密度より大きい値を有する材料が必要である。またそれぞれの厚みは粉体材料を充填する量によって調整できる。このような方法により形成された音響整合層は、3層の音響整合層5、6、7に容易に構成することができるため、コスト的にも従来の2層の音響整合層タイプとほとんど変わらず安定して形成することができる。
なお、作成した音響整合層5、6、7の音響インピーダンスは、タングステン粉体の部分は16.1MRayl(音速は1.8km/s)であり、これが音響整合層5となる。また、タングステンカーバイト粉の部分は約7.1MRayl (音速は2.04km/s)であり、これは音響整合層6となる。また、エポキシ樹脂層の部分は3.1MRayl(音速は2.6km/s)であり、これが音響整合層7となる。このように、密度の違う2種類の粉体をエポキシ樹脂に充填してそれぞれの粉体ごとに積層させることにより、容易に3層の音響整合層5、6、7を得ることができ、しかも周波数特性の広帯域化が可能である。これらの音響整合層5、6、7の厚みは、エポキシ樹脂に充填する量によって調整することができ、図2に示した特性Bの計算結果の厚みにすることができる。
これらの音響整合層5、6、7の形成方法としては、音響整合層5、6、7を積層形成してから、その後、圧電素子1の前面の接地電極2面上に接着剤で接着してもよく、また圧電素子1の接地電極2面上に直接流し込んで音響整合層5、6、7を形成してもよい。これらの音響整合層5、6、7の積層体を形成する場合には、粉体を充填した後の樹脂の粘度は低くすることが好ましい。
しかし、粉体材料の充填量が多くなると粘度は高くなり、音響整合層5、6、7を明確に積層して形成することができなくなる可能性がある。この場合の解決法としては、次の方法で形成すれば問題なく形成することができる。粉体材料の充填量は音響整合層の各層の厚みによって決まる。すなわち、樹脂の量に対しての比率ではなく粉体材料の絶対充填量で決まるので、粉体材料を充填した樹脂の混合物の粘度が高くなる場合には、粘度を低くするための希釈剤を混合する、あるいは樹脂の量を多くして粉体材料が下部に積層された状態で粉体材料のない上部のエポキシ樹脂の一部が音響整合層7となる量を残し、不要な樹脂を除去して形成することにより音響整合層5、6、7の積層体を形成することができる。なお充填する粉体材料は、前述した材料に限定されるものではなく、粉体であって密度が違う材料であればどんな物質でも同じ効果が得られる。
また、第1の実施の形態では、図2の特性Bに示した3層タイプの音響インピーダンスの一部である、図1の第3の音響整合層7の値がエポキシ樹脂の音響インピーダンスの値である3.1MRayl(音速は2.6km/s)であり、計算で用いた音響インピーダンス=2.5MRaylの値より大きい値であったが、これを計算値に近い値にすることも可能である。すなわち、エポキシ樹脂層の部分をエポキシ樹脂の密度(1.1kg/m)と近い値の粉体をもう1種類追加することによって実現できる。たとえば、追加する粉体としてはシリコーンゴムの粉体(密度は約0.98kg/m)を充填することにより、エポキシ樹脂層の部分にシリコーンゴムの粉体の層を形成することができる。これは密度が高分子の樹脂のエポキシ樹脂とほぼ近いか同等の値を有しているためにエポキシ樹脂層内でほぼ均一に分散し、このためにエポキシ樹脂層単体の層をなくすことができるからである。
したがって、エポキシ樹脂を用いて圧電素子1側から、第1の音響整合層5はタングステン粉体の層、第2の音響整合層6はタングステンカーバイト粉の層、そして第3の音響整合層7はシリコーンゴム粉体が分散したエポキシ樹脂の層で形成できる。なお、シリコーンゴム粉体を充填した層の音響インピーダンスは充填する量の比率によって変わるが、今回はエポキシ樹脂に対して重量比で15%充填した結果、音響インピーダンスは2.58MRayl(音速は2.23km/s)であった。
なお、第1の実施の形態では、粉体材料としてタングステン、タングステンカーバイト粉、及びシリコーンゴムの2種類若しくは3種類を用いた場合について説明したが、このほかモリブデン、アルミニウムなどの金属粉、また酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化鉄、二酸化珪素、酸化チタンなどの酸化物、シリコンカーバイトなどの炭化物及び有機物の粉体などを用いて、密度の違う前記粉体の材料を2種類以上用いた場合についても3、4、5層あるいは8層と多くの音響整合層を形成することが可能であり、同等あるいはそれ以上の効果が得られる。
また、第1の実施の形態では、高分子の樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合について説明したが、このほか、ウレタン樹脂、シリコーンゴムなどを用いた場合についても同様の効果が得られる。さらに、第1の実施の形態では、2種類あるいは3種類の複数の粉体を樹脂に充填して3層に積層させて3層の音響整合層5、6、7を構成した場合について説明したが、このほか3種類以上の密度の違う粉体を樹脂に充填して3層以上の音響整合層を構成することも可能であり、このような構成についても同様の効果が得られる。また、第1の実施の形態では、高分子の樹脂の密度と同等若しくは密度の大きい粉体材料を充填して積層させた場合について説明したが、このほか、高分子の樹脂の密度より小さい、例えばガラスあるいはプラスチックの中空体と、密度の大きい粉体材料を充填して積層させた場合についても同様の効果が得られる。
また、第1の実施の形態では、単一型の超音波探触子の構成の場合について説明したが、このほか、圧電素子及び音響整合層が複数個に配列されたいわゆる1次元あるいは2次元アレイ型超音波探触子の構成に用いても同様の効果が得られる。また、第1の実施の形態では、音響整合層、ここでは3層を2種類以上の粉体材料を充填し積層して一度に形成する場合について説明したが、3層以上の多層の音響整合層にした場合には、2回あるいは3回に分けてまず2層あるいは3層ずつ形成してその後それぞれの層を接着して形成してもよい。
上記超音波探触子によれば、音響整合層5、6、7を樹脂に充填する粉体を2種類以上にしてそれぞれの粉体をその中に積層して3層以上の音響整合層を容易に形成することができ、しかも周波数の広帯域化を実現できるため、低コストでしかも広帯域化が可能となる。したがって、高分解能を持つ診断画像を得ることができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態の超音波探触子の概略断面図は図1に示す構成と同じである。図1に示す音響整合層5、6、7を形成する構成が、第1の実施の形態と違っている点が本実施の形態の特徴である。すなわち、ここでは3層の音響整合層5、6、7を形成するために、高分子の樹脂に充填する粉体材料が同じものであっても、平均粒径の大きさを変えた複数の粉体材料を用いて形成するという点である。さらに、高分子の樹脂に充填する粉体材料が違うものであっても、平均粒径の大きさを変えた2種類以上の粉体材料を用いて形成してもよい。すなわち、充填する粉体材料の平均粒径を任意に選択することにより所望の音響インピーダンスを有する音響整合層5、6、7を積層して形成することができる構成である。
第1の実施の形態では、図2に示した周波数特性B、すなわち3層の音響整合層のタイプでは、それぞれの音響整合層5、6、7の音響インピーダンスの値は先に説明したように、それぞれ16MRayl、7MRayl、2.5MRaylであり、これらの値を得られるように高分子の樹脂に充填する粉体材料の平均粒径を選択することで実現することができる。
図3はエポキシ樹脂に充填したタングステンの平均粒径と音響インピーダンスとの関係を示す。例えば、図3に示すようにエポキシ樹脂に充填する粉体をタングステンとして、タングステンの粉体の平均粒径をそれぞれ1.2μm、5.6μm、13.4μmの3種類を充填した場合、平均粒径の大きい方から下部に層が形成されて平均粒径が小さいものが上部に形成される。そして、平均粒径1.2μm、5.6μm及び13.4μmのそれぞれの層の音響インピーダンスは、6.7MRayl、10.8MRayl、16.1MRaylの値を有している。
図3に示すようにタングステンの平均粒径が大きくなるにしたがって音響インピーダンスも大きくなる傾向を示しており、タングステンの平均粒径を選択して充填することにより所望する音響インピーダンスの値を得ることができることになる。このタングステンの平均粒径が大きくなると音響インピーダンスも大きくなる理由は、平均粒径が大きくなると粒子全体の表面積が少なくなりその表面の部分に介在するエポキシ樹脂が少なくなるために、タングステンの占める割合が高くなって結果として音響インピーダンス(=音速×密度)が大きくなるためである。逆に平均粒径が小さくなるにしたがって粒子全体の表面積が多くなるため、その分エポキシ樹脂の介在する率が高くなってエポキシ樹脂の音響インピーダンスに近づき、小さくなるためである。これはタングステンの粉体だけではなく、他の粉体でも同じことが言えることから、高分子の樹脂に充填する粉体材料を違うものではなく同じ材料を用いて粒径を変えることでも音響インピーダンスは任意に変えることができる。
したがって、図2の特性Bを得るために、音響整合層5の音響インピーダンス=16MRaylにするには、図3からタングステンの粉体の平均粒径=13.4μmを充填し、また、音響整合層6の音響インピーダンス=7MRaylにするには平均粒径=約0.6μmのタングステンの粉体を充填して、音響整合層7はエポキシ樹脂層のそのものを用いれば形成できることになる。したがって、ここでは同じ粉体材料でも平均粒径の違う2種類を充填するだけで3層の音響整合層5、6、7を容易に形成できることになる。なお充填する粉体材料は前述した材料に限定されるものではなく、粉体であって密度と平均粒径が違う材料であればどんな物質でも同じ効果が得られる。
なお、第2の実施の形態では、粉体材料としてタングステンを用いた場合について説明したが、このほかモリブデン、アルミニウムなどの金属粉、また酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化鉄、二酸化珪素、酸化チタンなどの酸化物、シリコンカーバイトなどの炭化物及び有機物の粉体などを用いて、平均粒径の違う同じ材料、若しくは違う材料の粉体を2種類以上用いた場合についても3、4、5層あるいは6層と、多くの音響整合層を形成することが可能であり、同等あるいはそれ以上の効果が得られる。
また、第2の実施の形態では、高分子の樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合について説明したが、このほか、ウレタン樹脂、シリコーンゴムなどを用いた場合についても同様の効果が得られる。なお、第2の実施の形態では、2種類の平均粒径の違う同じ材料の粉体を樹脂に充填して3層に積層させて3層の音響整合層に構成した場合について説明したが、このほか3種類以上の平均粒径の違う同じ材料の粉体を樹脂に充填して3層以上の音響整合層を構成することも可能であり、このような構成についても同様の効果が得られる。
また、第2の実施の形態では、同じ材料の粉体で平均粒径の違う複数種類を高分子の樹脂に充填し積層させた場合について説明したが、このほか、違う材料の密度と平均粒径が違う粉体材料を選択して充填して積層させた場合についても同様の効果が得られる。また、第2の実施の形態では、単一型の超音波探触子の構成の場合について説明したが、このほか、圧電素子及び音響整合層が複数個に配列されたいわゆる1次元あるいは2次元アレイ型超音波探触子の構成に用いても同様の効果が得られる。また、第2の実施の形態では、音響整合層、ここでは3層を2種類以上の粉体材料を充填し積層して一度に形成する場合について説明したが、3層以上の多層の音響整合層にした場合には、2回あるいは3回に分けてまず2層あるいは3層ずつ形成してその後それぞれの層を接着して形成してもよい。
上記超音波探触子によれば、音響整合層5、6、7を樹脂に充填する粉体を2種類以上にしてそれぞれの粉体をその中に積層して3層以上の音響整合層に容易に形成でき、しかも周波数の広帯域化を実現できるため、低コストでしかも広帯域化が可能となる。したがって、高分解能を持つ診断画像を得ることができる。
本発明の超音波探触子によれば、圧電素子の一方の面に形成する音響整合層を容易に3層以上に形成することができ、ひいては超音波探触子の周波数の広帯域化を可能にし、高分解能を持つ診断画像を得ることができるので、正確な診断が可能となり、超音波診断装置などの各種医療分野の装置に有用である。
本発明の第1、第2の実施の形態に係る超音波探触子の一例を示す概略断面図 本発明の第1、第2の実施の形態に係る音響整合層と周波数特性の計算結果を示す図 本発明の第2の実施の形態に係る樹脂に充填する粉体の平均粒径と音響インピーダンスの関係を示す図 従来の超音波診断装置用の超音波探触子の断面図
符号の説明
1 圧電素子
2 接地電極
3 信号用電極
4 背面負荷材
5 第1の音響整合層
6 第2の音響整合層
7 第3の音響整合層
8 音響レンズ

Claims (6)

  1. 超音波を送信及び受信する圧電素子を有する超音波探触子において、
    複数種類の粉体材料を高分子の樹脂に充填し、前記複数種類の粉体材料を前記高分子の樹脂内で積層させて3層以上の音響整合層を前記圧電素子の一方の面に形成したことを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記複数種類の粉体材料は、それぞれ密度の違う材料であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記複数種類の粉体材料は、前記高分子の樹脂の密度より大きい材料であることを特徴とする請求項2に記載の超音波探触子。
  4. 前記複数種類の粉体材料は、前記高分子の樹脂の密度より大きい粉体材料と小さい粉体材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の超音波探触子。
  5. 前記複数種類の粉体材料は、平均粒径が異なる同じ材料若しくは異なる材料であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  6. 前記複数種類の粉体材料は、金属、酸化物、炭化物、高分子、中空体の材料のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の超音波探触子。
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