JP2006270532A - 積層基板及びパワーアンプ - Google Patents

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Shinichi Tsuchiya
慎一 土屋
Yasuyuki Hattori
泰幸 服部
Yoshihiro Suzuki
義弘 鈴木
Toshiyuki Abe
敏之 阿部
Atsushi Ajioka
厚 味岡
Kazutoshi Tsuyutani
和俊 露谷
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Abstract

【課題】小型で且つ直流抵抗が小さなコイルを備えた積層基板及びパワーアンプモジュールを得る。
【解決手段】絶縁層によって互いに絶縁された2層以上の配線層を備え且つ直流バイアス電流を供給するコイルを備えた積層基板である。前記コイルは、隣り合う2層以上の配線層の夫々に配され且つ互いに同電位となるように層間接続部によって電気的に接続されて並列に延在する複数の導体線路からなる複数の並列線路部を含み、これら並列線路部を電気的に接続しかつ前記導体線路を層間接続部によって2層以上に亘って接続した部分を1つ以上備えることにより当該積層基板の厚さ方向に延びる二重以上に重なり合った螺旋構造を有する導電路を形成したものである。この基板によりパワーアンプモジュールを構成し、前記コイルを例えば半導体増幅素子を含むICに直結されて当該半導体増幅素子に直流バイアス電流を供給するチョークコイルとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイルを備えた積層基板及びパワーアンプに係り、特に携帯電話機などの通信端末の送信部に備えられるパワーアンプに使用して好適な積層基板の構造に関する。
携帯電話機などのデジタル移動体通信機器の普及により、マイクロ波帯の送信部に用いられる電力増幅器(パワーアンプモジュール)に対する需要が近年増大している。パワーアンプモジュールは、このような通信機器の一構成部品であり、通信機器(特に携帯電話機)の小型・高機能化に伴って低電圧動作・高効率・小型軽量化の要請が強くなっている。
かかるパワーアンプモジュールは、一般にFET等の半導体能動素子で構成された増幅回路、整合回路及びバイアス回路によって構成され、従来ではこれらの回路をガラスエポキシ基板やセラミック基板からなる積層基板に形成している。より詳しくは、積層型の誘電体基板を用い、この基板の各層に整合回路、バイアス回路の一部(抵抗、コンデンサ)及びバイアス回路の(λ/4)パターン等を分配して形成する。抵抗やコンデンサ、コイルの一部は、面実装タイプのものが使用され、基板表面に実装される。また、一部のインダクタ素子は、誘電体基板内部の配線層に導体パターンとして形成される。FET等の半導体増幅素子は、ベアチップの状態で直接、あるいは樹脂モールドパッケージした形態で基板上に実装される。
また、かかるパワーアンプモジュールを開示するものとして下記特許文献1及び2があり、伝送線を階層構造とする技術を開示するものとして下記特許文献3がある。
特開2001−320251号公報 特開2002−217656号公報 特許第2663178号公報
ところで、上記バイアス回路には、直流バイアス電流を供給するとともにバイアス供給点への高周波信号の漏れを防ぐため、使用周波数に対応する波長λの1/4の長さを有するストリップライン(以下、λ/4ラインという)が従来備えられる(特許文献1,2参照)。バイアス供給点への高周波信号の漏れを防ぐには、半導体増幅素子からバイアス供給点を見たインピーダンスが開放になっていることが理想であり、このため、半導体増幅素子とバイアス供給点との間にλ/4ラインを設けるとともにバイアス供給点を容量の大きいコンデンサを介して接地することで半導体増幅素子から見たインピーダンスを位相回転により開放状態にするのである。
基板内におけるλ/4ラインの実装形状は、積層型の誘電体基板において接地導体がストリップラインの上下に配置されたトリプレート構造とされ、ライン自体の形状は例えばメアンダラインとされる(図7,図9A参照)。
ところが、このようなλ/4ラインは、基板内において引き回しの面積を多く取り、特に携帯電話機で使用される周波数帯では線路長が長くなってパワーアンプモジュールの小型化を阻害する原因となっている。加えて、線路長が長いとその分直流抵抗が大きくなり、直流損失が生じる問題も生じる。
一方、λ/4ラインに代え、巻線コイルからなるチョークコイルが使用されることもある。巻線コイルはL値が大きく、携帯電話機の使用周波数で高いインピーダンスが得られるからである。しかしながら、このような巻線コイルによっても従来の実装構造では更なるモジュールの小型化は難しくなっている。
また、前記特許文献3の発明は、半導体装置内の伝送線路のインダクタンスを低減することにより伝送波形の劣化を防ぐものであって上記問題を解決できるものではない。
したがって、本発明の目的は、従来より小型で且つ直流抵抗が小さなコイルを備えた積層基板を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る積層基板は、絶縁層によって互いに絶縁された2層以上の配線層を備え且つ直流バイアス電流を供給するコイルを備えた積層基板であって、前記コイルは、隣り合う2層以上の配線層のそれぞれに配され且つ互いに同電位となるように層間接続部によって電気的に接続されて並列に延在する複数の導体線路からなる複数の並列線路部を含み、これら並列線路部を電気的に接続しかつ前記導体線路を層間接続部によって2層以上に亘って接続した部分を1つ以上備えることにより当該積層基板の厚さ方向に延びる二重以上に重なり合った螺旋構造を有する導電路を形成したものである。
本発明の積層基板は、直流バイアス電流を供給するコイルを2層以上の配線層を備える積層基板に設けたものであるが、当該コイルが、並列線路部によって形成されている。この並列線路部は、互いに同電位となるように電気的に接続されて並列となった複数の(2本又は3本以上の)導電線路からなり、これらの導体線路を層間接続部によって2層以上に亘って接続した部分を1つ以上備えており、これにより当該コイルは電気的に並列となった二重又は三重以上の螺旋構造を有することとなる。
したがって、1本の導電線路をヘリカル状にしてコイルを形成した場合と較べて直流抵抗が大幅に(例えば並列線路部を構成する導電線路が2本であれば略2分の1に)低くなる。さらに、前述のλ/4ラインと較べた場合に、ヘリカル状の同じL値のコイルであれば線路長を短くすることが出来るから、この点でも直流抵抗を低く抑えることが可能となる。したがって、上記本発明の積層基板を使用すれば、バイアス部の直流抵抗の低い、電力損失の少ないパワーアンプモジュールを構成することが出来る。
さらに、λ/4ラインと較べてコイルによれば、基板内における占有面積を小さくすることが出来るから、モジュールの小型化が可能となる。この点については、後に図面を参照しつつ詳しく説明する。
並列線路部は、3層以上の配線層のそれぞれに配された導体線路により形成されていても良い。例えば、3層の配線層それぞれに配された合計3本の導体線路により上記並列線路部を形成すれば、直流抵抗を略3分の1に低減することが出来る。
また、上記積層基板は、例えばセラミック基板(例えばガラスセラミック基板、アルミナ基板等)とすることが出来る。
セラミック基板では、一般に基板内の導体パターンは印刷法を使用して導電ペーストにより形成される。このため、例えば金属箔により導体パターンを形成する場合と比較して導体線路の電気抵抗が大きくなる傾向がある。一方、この対策として、単純に導体線路の厚さを大きくすること、或いは幅を広くすることも考えられる。しかしながら、導体厚を厚くすると基板の焼成に伴い反りや変形が生じ或いは層間剥離(デラミネーション)の原因となるおそれがある。他方、線路幅を広くすると、モジュールの小型化が困難になる。したがって、導体自体の厚さを厚くすることなく(本発明によれば個々の導体厚を薄くすることも可能である)直流抵抗を低減することが出来る上記本発明の構造は、セラミック基板において特に有用性が大きい。また、本発明のようなヘリカル構造は、積層方向に巻けば巻くほどL値が大きくなるから、薄い層を多数積層可能なセラミック基板において利用するのに好適である。
本発明を適用可能なセラミック基板としては、典型的にはLTCC基板(例えばガラスセラミック基板)が挙げられるが、これ以外のセラミック基板(例えばアルミナ系セラミック基板等)に対しても本発明は適用可能である。さらに、セラミック以外の基板、例えば樹脂基板(ガラスエポキシ基板等)や樹脂に無機材料を添加した複合材料からなる基板等においても、同様に直流抵抗を低減させモジュールの小型化を図ることが本発明によって可能であるから、これらも本発明に含まれる。
上記コイルは、例えば半導体増幅素子を含むICに直結されるチョークコイルとして構成することが出来る。
また上記並列線路部は、好ましくは導体線路の長さ方向に沿った2箇所以上に配された2以上の層間接続部を有するものとする。並列線路部を構成する上記導体線路同士をより確実に同電位とするためである。
上記積層基板は、接地導体をさらに備えることがあり、この場合、上記コイルは、隣り合う前記導体線路同士の間隔より大きい距離を隔てるように当該接地導体から離して配置することが望ましい。接地導体によって当該コイルが影響を受け、特性が劣化することを防ぐためである。
上記コイルを形成する導体線路は、Ag、Ag合金、Cu又はCu合金のいずれかにより形成する。Ag又はAg合金によれば、当該コイルの直流抵抗をより小さく抑えることが出来る。また、焼成温度を比較的低く抑える必要があるものの、酸化し難いことから焼成時に還元雰囲気とする必要がない点で有利である。一方、Cu又はCu合金によれば、Agと較べて高温で基板を焼成できる利点がある。
また、本発明に係るパワーアンプは、半導体増幅部と、チョークコイルを含み当該半導体増幅部に直流バイアス電流を供給するバイアス部とを備えたパワーアンプであって、前記半導体増幅部及び前記バイアス部が、上記いずれかの積層基板に実装され、前記チョークコイルが上記いずれかの積層基板が備えるコイルである。
本発明によれば、従来より小型で且つ直流抵抗が小さなコイルを備えた積層基板を提供することが出来る。
本発明の他の目的、特徴及び利点は、図面に基づく以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。尚、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るパワーアンプモジュールの回路構成を示すものである。同図に示すようにこのパワーアンプモジュール11は、信号の増幅部であるFET等の半導体増幅素子12と、FET(半導体増幅素子)12の入力側及び出力側にそれぞれ設けた入力整合回路13及び出力整合回路14と、FET12にバイアス電流を供給するバイアス回路(ゲートバイアス回路15及びドレインバイアス回路16)とを備える。
入力整合回路13は、信号入力端子Pinから入力した信号を、反射損失を生じることなく損失をできるだけ小さくして、FET12に入力する。FET12に入力された信号は、当該FET12により所望の出力が得られるよう増幅される。また、出力整合回路14は、FET12から出力された信号を、反射損失を生じることなく損失をできるだけ小さくして出力端子Poutに伝送する。尚、増幅素子12は、図面では1段しか示していないが、多段に設けて良く、またFETでなく例えばバイポーラトランジスタで構成することも可能である。
ゲートバイアス回路15は、FET12のゲートにバイアス電流を供給する。一方、ドレインバイアス回路16は、FET12を動作させるための直流バイアスを印加するとともにFET12で増幅された電力が外部に漏洩することを防ぐ機能を果たす。このためドレインバイアス回路16は、チョークコイル18と接地したコンデンサ17とを備える。チョークコイル18は、後に詳しく述べるように本発明に基づいた特有の構造を有する。
図2は、本実施形態に係るパワーアンプモジュールの概略構成を示す基板断面図である。本実施形態では、積層基板21に回路素子を形成ないし搭載して上記各回路を実装する。具体的には、基板表面には信号増幅部を形成する上記FET12を含むIC10やチップ部品20を表面実装し、一部のインダクタや伝導線路をパターン形成する。基板の内層には、上記入力整合回路13や出力整合部14およびゲートバイアス回路15の一部を形成し、チョークコイル18を含むバイアス回路16の一部を配する。基板の裏面には、マザーボード等の外部回路基板と接続するための端子やグランドパターンを設ける。
積層基板21は、後に述べる本発明のヘリカル状のチョークコイル18を容易に形成可能なLTCC基板とする。この基板21は、本実施形態では基板表面及び裏面を含めて13層の配線層L01〜L13を有し、各層を形成する基板構成材料(グリーンシート)を一括して積層する。各誘電体層(絶縁層)の厚さ寸法は、例えば40〜80μmとすることが出来るが、モジュールを低背化するため、例えば40μmとすることが好ましい。
一方、各配線層L01〜L13に形成する導体は、例えばAgにより形成し、厚さを例えば10μmとする。尚、各導体の厚さを厚くすれば、直流抵抗を低減することが出来るが、絶縁層と導体との間に隙間が生じ、基板焼成時に層間剥離(デラミネーション)を引き起こす原因となるおそれがあるため、例えば5〜12μmの範囲内に導体厚を収めることが望ましい。5μmより薄くすることは、直流抵抗が増大する点で好ましくない。ただし、これらの数値は、一例として示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではない(以下の説明においても同様)。
図3及び図4はそれぞれ、積層基板21に内蔵した上記チョークコイル18の外観形状を示す斜視図及び分解斜視図である。これらの図に示すようにチョークコイル18は、同電位となるようにビア35,36によって互いに電気的に接続した複数本(この例では2本)の導体線路31a,31b;32a,32b;33a,33bからそれぞれなる複数(この例では3つ)の並列線路部31〜33(第一並列線路部31、第二並列線路部32及び第三並列線路部33)を有し、これら第一から第三の並列線路部31〜33を順にビア37によって電気的に接続することによりヘリカル状のコイル18を形成したものである。各並列線路部31〜33は、隣り合う配線層に形成した導体線路31a,31b;32a,32b;33a,33bからなり、コイル全体として二重螺旋を描いて基板21の積層方向(厚さ方向)に延びている。
尚、図中符号41は当該コイル18の一端部を、符号42は当該コイル18の他端部を示し、各端部41,42にはビア(図示せず)が接続されて他の回路部と電気的接続が行われる。また、並列線路部31〜33を構成する導体線路31a,31b;32a,32b;33a,33bの本数はそれぞれ3本以上であっても良く、この場合、上記コイル18は三重以上の螺旋構造を有することとなる。さらに、各並列線路部31〜33内の導体線路31a,31b;32a,32b;33a,33b同士を同電位とするため接続するビアは、各導体線路の端部に設ける(符号35で示す)とともに中間部(符号36で示す)の1箇所に設けたが、中間部の2箇所以上に当該ビア36を設けても良い。また並列線路部31〜33は、上記の例では3つとしたが、2つであっても或いは4つ以上備えるようにすることも可能である。
図5A及び図5Bは、上記積層基板21の各配線層を示す平面図であり、図5Aの(01)〜(08)はそれぞれ当該積層基板21の最上層(第1層/基板表面)L01から第8層L08までを順に示し、図5Bの(09)〜(13)はそれぞれ当該積層基板21の第9層L09から最下層(第13層/基板裏面)L13までを順に示すものである。尚、これらの図においては、本発明の特徴部分であるコイル以外の詳細な構成(導体パターンやビア等)は省略している。
図5Aに示すように基板21の第1層(基板表面)L01には、前記IC10やチップ部品20が実装されている。第3層(03)L03と第4層(04)L04には、略C字状の導体パターンをそれぞれ形成してあるが、これらは上記第一並列線路部31を構成する導体線路31a,31bである。また、第5層(05)L05と第6層(06)L06には、略U字状の導体パターンをそれぞれ形成してあるが、これらは上記第二並列線路部32を構成する導体線路32a,32bである。さらに第7層(07)L07と第8層(08)L08には、略C字状の導体パターンをそれぞれ形成してあるが、これらは上記第三並列線路部33を構成する導体線路33a,33bである。
尚、前記図4では、図示の都合上(導体線路の影に隠れて見えなくなることを防ぐため)、導体線路間を接続するビア35〜37を下側の導体線路(の上面)に付けて示したが、図5Aではこれとは逆に上側の導体線路に付して示している。したがって、図5A(後述の図9A及び図13Aについても同様)においては、符号35〜37で示されるビア35〜37はそれぞれ、各導体線路31a〜33aの下面に設けられていると理解されるべきである。
また、図5Bに示すように第11層(11)L11にはグランドパターン25を設け、基板裏面である第13層(13)L13には外部接続用端子27とグランドパターン26を設けてあるが、上記コイル18は、これらのグランドパターン25,26から所定の距離離して配置している。すなわち、上記コイル18とグランドパターン25,26との間隔は、コイル18を構成する導体線路31a,31b;32a,32b;33a,33b間の間隔より大きい距離を隔てるようにする。このように上記コイル18をグランドパターン25,26から離すことにより、当該コイル18がグランドパターン25,26の影響を受け特性が低下することを防ぐことが出来る。
〔比較対照〕
図6は、本実施形態との比較対照としてチョークコイルに代え、λ/4ストリップラインを設けたパワーアンプモジュールを示す断面図であり、図7及び図8はそれぞれ当該メアンダラインを示す斜視図と分解斜視図である。また、図9A及び図9Bは、上記図5A及び図5Bと同様に、基板の各配線層(第1層から第13層)を示すものである。
これらの図に示すようにこの対照例のモジュールは、λ/4ラインとしてトリプレート構造のメアンダライン51を使用し、これを基板61に内蔵させている。メアンダライン51は、図7、図8並びに図9A(07)〜(08)に示すように基板61の第7層(07)L07と第8層(08)L08にそれぞれ設けた2本のライン部51a,51bを同電位となるようビア52,53で接続した二重構造となっており、図9A(03)及び図9B(12)に示すようにメアンダライン51を挟むようにグランドパターン82,83を設けてある。
かかる対照例のモジュールと上記第一実施形態のモジュールとを比較すると、図5A及び図5B、並びに図9A及び図9Bから明らかなように、基板内におけるλ/4ライン(対照例)の占有面積S0と較べ、上記実施形態のチョークコイル18の占有面積S1の方が格段に小さく、モジュール(基板)を小型化できることが分かる。
さらに具体的に述べれば、直流バイアス電流を供給するバイアス部にλ/4ストリップラインを使用していた従来のパワーアンプモジュールでは、携帯電話機で利用される周波数帯域(例えば800MHz〜2GHz)でのライン長は約34〜14mm(基板の比誘電率εrを7.5とした場合)となり、小型化が要求される部品に当該ラインを入れ込むことが困難になった。このため、上記対照例のようにパワーアンプモジュール特性を満足するのに充分な長さのメアンダライン51を使用していた。ところが、上記図面に示すようにメアンダライン51は平面的に形成されるため占有面積S0が大きくならざるを得ない。
これに対し、直流バイアス電流を供給するチョークコイル18を立体的に形成する本実施形成によれば、平面的な占有面積S1を大幅に減らすことが出来る。また、当該チョークコイル18を基板内に内蔵させるから、巻線コイルを表面実装する構造と較べてもモジュールの小型化が可能である。
例えば、上記実施形態に基づいてW−CDMA(1950MHz)用のパワーアンプを構成した場合、上記ヘリカル構造のチョークコイル18のL値は約4.6nHで長さは約7mmになる。これを上記対照例のメアンダライン51で同じL値を確保すると長さは約14mmとなる。またメアンダライン51(対照例)の占有面積S0が3.35 mm2であるのに対し、ヘリカルコイル(本実施形態)の占有面積S1は0.925mm2で、メアンダライン51に較べ約70%占有面積を小さくすることが出来る。ライン自体の長さも約50%短くなるから、その分直流抵抗も小さく、直流損失を抑えることが出来る。さらに本実施形態では、ラインを2層の配線層に対向するように配置してビアで接続して同電位にするから、直流抵抗分を半分に低減することが出来る。尚、使用周波数が800MHzになると、メアンダラインによればライン長が約2倍必要になり、さらに占有面積S0は大きくなる。
また、メアンダライン構造はストリップラインのためグランドパターン82,83が必要となり、特に基板内の他のパターンとの干渉を防ぐためには上下にグランドパターンを配したトリプレート構造とする必要がある。さらに、L値を大きくするにはグランドパターン82,83との距離を一定以上とる必要があり、占有体積が大きくなる。これに対し、本実施形態のコイル構造によれば、線路長が短くかつ当該コイルについてはグランドパターンを必要としないから、占有体積を小さくすることが出来る。
下記表1は、本実施形態(ヘリカル構造)と対照例(メアンダ構造)の線路長、占有面積、各構造を形成するのに必要な厚さ、並びに占有体積を比較したものである。
この表に示すように同じL値を得ようとした場合、ヘリカル構造(本実施形態)はメアンダ構造(対照例)より占有面積及び体積の双方において小さくスペース的に有利である。尚、ヘリカル構造を有する上記実施形態によれば、基板サイズを縦3〜4mm×横3〜4mm×厚さ0.6mmとすることが可能である。
〔実施形態2〕
図10は本発明の第二の実施形態に係るパワーアンプモジュールの概略構成を示す基板断面図であり、図11及び図12はこの実施形態におけるチョークコイルの外観形状を示す斜視図及び分解斜視図、図13A,13Bはこの実施形態における積層基板の各配線層を示す平面図である。尚、図10の断面図においては、コイル18を構成する導体線路が重なって紛らわしくなるため、コイル18を直線状に展開した状態で模式的にコイル18を示している。
これらの図に示すようにこの実施形態のパワーアンプモジュールでは、前記第一の実施形態と同様に積層基板にヘリカル状のチョークコイルを内蔵させるが、当該チョークコイルの形状を変えたもので、基板の第3層(03)L03から第8層(08)L08の各層にそれぞれ略L字状ないし略C字状の導体パターンを設け、これらの導体パターンによって二重の螺旋構造を形成する。
具体的には、前記第一実施形態では隣接する2つの層(第3層と第4層、第5層と第6層、第7層と第8層)に略同一形状の導体線路を設けてこれらをビアで接続することにより同電位とした並列線路部を形成したが、本実施形態では、隣接する2つの層で導体線路をコイルの巻進む方向についてずらして順次、並列線路部を形成していく。
すなわち、第3層に設けた略L字状の導体パターン60Aは導体線路61aからなり、その下の層である第4層に設けた略C字状の導体パターン60Bは、導体線路61bと導体線路62aとからなる。そして、導体線路61aと導体線路61bとが同電位になるようにそれらの両端部に設けたビア71によって接続され、これにより第一並列線路部61が形成される。
また、第5層に設けた略C字状の導体パターン60Cは、導体線路62bと導体線路63aとからなり、このうちの導体線路62bが、前記第4層に設けた導体パターン60Bの導体線路62aと同電位になるようにそれらの両端部に設けたビア71によって接続されて第二並列線路部62が形成される。
同様にして第三並列線路部63は、第5層に設けた導体パターン60Cの一部である導体線路63aと、第6層に設けた導体パターン60Dの一部である導体線路63bとが同電位となるようこれらの間に設けたビア71によって接続されることにより形成される。また、第四並列線路部64は、第6層に設けた導体パターン60Dの一部である導体線路64aと、第7層に設けた導体パターン60Eの一部である導体線路64bとが同電位となるようこれらの間に設けたビア71によって接続されることにより形成される。
さらに第五並列線路部65は、第7層に設けた導体パターン60Eの一部である導体線路65aと、第8層に設けた導体パターン60Fからなる導体線路65bとが同電位となるようこれらの間に設けたビア71によって接続されることにより形成される。尚、この実施形態では、各並列線路部61〜65の間を電気的に接続するビアは、各導体線路を同電位とするよう接続するビアと兼用されている。またこの実施形態では、各並列線路部61〜65を形成する(各導体線路を接続する)ためのビア71は、各導体線路の両端部に設けたが、これに加え中間部位置にも設けても良い。また、前記第一実施形態と同様に、各並列線路部を3本以上の導体線路で構成することも可能である。
このようなチョークコイル構造によっても前記第一実施形態と同様に、占有面積S2並びに占有体積を小さく抑えて小型の直流損失の少ないパワーアンプモジュールを構成することが出来る。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
本発明の第一の実施の形態に係るパワーアンプモジュールの回路構成を示すブロック図である。 前記第一実施形態に係るモジュールの概略断面図である。 前記第一実施形態において基板に内蔵するチョークコイル(コイルのみの外観形状)を示す斜視図である。 前記第一実施形態におけるチョークコイルを分解して示す斜視図である。 前記第一実施形態における基板の各配線層を示す平面図であり、同図の(01)〜(08)はそれぞれ当該基板の最上層(第1層)から第8層までを順に示すものである。 前記第一実施形態における基板の各配線層を示す平面図であり、同図の(09)〜(13)はそれぞれ当該基板の第9層から最下層(第13層)までを順に示すものである。 従来のパワーアンプモジュールの一例を示す概略断面図である。 前記従来のパワーアンプモジュールに備えられたメアンダライン(λ/4ストリップライン)の一例を示す斜視図である。 前記従来のパワーアンプモジュールに備えられたメアンダライン(λ/4ストリップライン)を分解して示す斜視図である。 前記従来のパワーアンプモジュールにおける基板の各配線層を示す平面図で、同図の(01)〜(08)はそれぞれ当該基板の最上層(第1層)から第8層までを順に示すものである。 前記従来のパワーアンプモジュールにおける基板の各配線層を示す平面図で、同図の(09)〜(13)はそれぞれ当該基板の第9層から最下層(第13層)までを順に示すものである。 本発明の第二の実施の形態に係るパワーアンプモジュールの概略断面図である。 前記第二実施形態において基板に内蔵するチョークコイル(コイルのみの外観形状)を示す斜視図である。 前記第二実施形態におけるチョークコイルを分解して示す斜視図である。 前記第二実施形態における基板の各配線層を示す平面図で、同図の(01)〜(08)はそれぞれ当該基板の最上層(第1層)から第8層までを順に示すものである。 前記第二実施形態における基板の各配線層を示す平面図で、同図の(09)〜(13)はそれぞれ当該基板の第9層から最下層(第13層)までを順に示すものである。
符号の説明
10…IC
11…パワーアンプモジュール
12…半導体増幅素子(FET等)
13…入力整合回路
14…出力整合回路
15…ゲートバイアス回路
16…ドレインバイアス回路
18…チョークコイル
20…チップ部品
21…積層基板
25,26,82,83…グランドパターン
27…外部接続端子
31,32,33,61,62,63,64,65…並列線路部
31a,31b,32a,32b,33a,33b,61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64b,65a,65b…チョークコイル(並列線路部)を形成する導体線路
35,36,37,52,53,71…ビアホール
51,51a,51b…メアンダライン(λ/4ストリップライン)

Claims (8)

  1. 絶縁層によって互いに絶縁された2層以上の配線層を備え且つ直流バイアス電流を供給するコイルを備えた積層基板であって、
    前記コイルは、
    隣り合う2層以上の配線層のそれぞれに配され且つ互いに同電位となるように層間接続部によって電気的に接続されて並列に延在する複数の導体線路からなる複数の並列線路部を含み、
    これら並列線路部を電気的に接続しかつ前記導体線路を層間接続部によって2層以上に亘って接続した部分を1つ以上備えることにより当該積層基板の厚さ方向に延びる二重以上に重なり合った螺旋構造を有する導電路を形成したものである
    ことを特徴とする積層基板。
  2. 前記並列線路部が、3層以上の配線層のそれぞれに配された導体線路により形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層基板。
  3. 前記積層基板が、セラミック基板である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層基板。
  4. 前記コイルは、半導体増幅素子を含むICに直結されるチョークコイルである
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の積層基板。
  5. 前記並列線路部は、前記導体線路の長さ方向に沿った2箇所以上に配された2以上の前記層間接続部を有する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の積層基板。
  6. 接地導体をさらに備え、
    前記コイルは、隣り合う前記導体線路同士の間隔より大きい距離を隔てるように前記接地導体から離して配置してある
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の積層基板。
  7. 前記コイルを形成する導体線路を、Ag、Ag合金、Cu又はCu合金のいずれかにより形成した
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の積層基板。
  8. 半導体増幅部と、チョークコイルを含み当該半導体増幅部に直流バイアス電流を供給するバイアス部とを備えたパワーアンプであって、
    前記半導体増幅部及び前記バイアス部が、前記請求項1から7のいずれか一項に記載の積層基板に実装され、
    前記チョークコイルは、前記請求項1から7のいずれか一項に記載の積層基板が備えるコイルである
    ことを特徴とするパワーアンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022137678A1 (ja) * 2020-12-24 2022-06-30 株式会社村田製作所 コイル部品および、これを含むフィルタ回路

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