JP2006267997A - マスク基板、フォトマスク、露光方法、露光装置の管理方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

マスク基板、フォトマスク、露光方法、露光装置の管理方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マスク基板を通過する際の露光ビームの偏光状態の変化を抑制する。
【解決手段】 直線偏光の照明光でマスクMを照明し、マスクMのパターンを投影光学系PLを介してウエハW上に転写する。マスクM用の基板として、パターン領域内における複屈折量が1.2nm/cm、2nm/cm、又は4nm/cm以下に規定された基板を使用する。複屈折量が1.2nm/cm以下の場合には、孤立線を含むパターンを露光し、複屈折量が2nm/cm以下の場合には、密集線を含むパターンを高い線幅制御精度で露光し、複屈折量が4nm/cm以下の場合には、密集線を含むパターンを通常の線幅制御精度で露光する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パターンが形成されるフォトマスク用の基板、フォトマスク、及びそのフォトマスクを用いる露光技術に関し、特に露光ビームの偏光状態を制御して露光を行う場合に使用して好適なものである。
例えば半導体デバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、レチクル等のフォトマスクに形成されているパターンを感光体としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写露光するために、露光装置が使用されている。露光装置としては、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置やスキャニングステッパー等の走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)などが使用されている。
これらの露光装置においては、解像度を高めるために露光波長が次第に短波長化して来ており、現在は露光光源として主にKrFエキシマレーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長193nm)等のエキシマレーザ光源が用いられている。このエキシマレーザ光源からパルス発振されるレーザビームは、その共振器の構造によって一般に直線偏光特性を有している。最近は、解像度等を高めるために、露光ビームの偏光状態を直線偏光等に制御して露光を行うようにした露光装置が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、この際に偏光状態を効率的に制御するためには、直線偏光特性を持つレーザビームは好都合である。
国際公開第2004/051717号パンフレット
上記の如く、露光ビームの偏光状態を制御して露光を行う場合、従来はフォトマスクにおいては偏光状態は変わらないものと想定していた。しかしながら、例えばArFエキシマレーザ用に使用されるフォトマスクの材料である合成石英においては、製造工程においてストレスが作用する等の要因によって、ほぼ全面でランダムな複屈折性を持つことが本発明者によって確かめられた。
このようにフォトマスクが複屈折性を持ち、その複屈折量が大きくなると、例えば直線偏光状態でフォトマスクに入射した露光ビームの偏光状態が、楕円偏光等になって、所望の結像特性が得られない恐れがある。
本発明はかかる点に鑑み、露光ビームの偏光状態を制御して露光を行う場合に、露光ビームの偏光状態のフォトマスクにおける変化を所定の許容範囲内に収めることができるフォトマスク用の基板、及びフォトマスクを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、そのようなフォトマスクを用いて、露光ビームの偏光状態を所望の状態に制御して露光を行うことができる露光技術を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、露光ビームの偏光状態を制御して露光を行う場合に、フォトマスクに起因する要因とその他の要因とを分離して評価できる露光装置の評価技術を提供することを第3の目的とする。
本発明による第1のマスク基板は、互いにほぼ平行な2つの平面の一方にパターンが形成されるフォトマスク用の基板(MP)であって、その一方の平面の所定領域内で複屈折量が4nm/cm以下であるものである。
本発明によれば、そのマスク基板を所定の偏光度の露光ビームで照明した場合に、そのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば密集線で偏光度の変化の影響が比較的少ないパターンの露光に適した程度に抑制できる。従って、そのマスク基板から製造されるフォトマスクを用いることで、通常の密集線のパターンを露光する際の線幅誤差を容易に許容範囲内に収めることができる。
なお、その複屈折量は、一例として、その基板のその所定領域内の各点において、進相軸に平行な方向の直線偏光光と、その進相軸に直交する遅相軸に平行な方向の直線偏光光とがその基板を通過する際に生じる光路長の差である。
本発明において、その所定領域内での複屈折量は2nm/cm以下であることが望ましい。このとき、露光ビームがそのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば密集線で偏光度の要求が厳しいパターンの露光に適した程度に抑制できる。従って、そのマスク基板から製造されるフォトマスクを用いることで、密集線のパターンを偏光度の要求が厳しい条件で露光する際の線幅誤差を容易に許容範囲内に収めることができる。
この場合、一例としてその一方の平面に少なくとも密集パターンが形成される。
また、さらにその所定領域内での複屈折量が1.2nm/cm以下であることが望ましい。このとき、露光ビームがそのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば孤立線で偏光度の要求が厳しいパターンの露光に適した程度に抑制できる。従って、そのマスク基板から製造されるフォトマスクを用いることで、孤立線のパターンを偏光度の要求が厳しい条件で露光する際の線幅誤差を容易に許容範囲内に収めることができる。
この場合、一例としてその一方の平面に少なくとも孤立パターンが形成される。
また、一例として、その基板の一辺に対して、少なくとも45°で交差する進相軸に平行な方向に関する複屈折量がその条件を満たす。
例えば直線偏光光でフォトマスクを照明する場合の偏光方向は、通常はその基板の一辺に平行か又は直交しているため、その進相軸がその一辺に0°又は90°で交差している部分では、その基板を通過する直線偏光光の偏光状態は実質的に変化しない。従って、その一辺に対して45°で交差する進相軸を持つ部分での複屈折量がその条件を満たすことで、その基板のその所定領域内のほぼ全面を通過する直線偏光光の偏光状態の変化は許容範囲内になる。
本発明による第2のマスク基板は、互いにほぼ平行な2つの平面の一方にパターンが形成されるフォトマスク用の基板(MP)であって、その一方の平面の所定領域内で、その基板の一辺(MPx)と互いに異なる角度で交差する複数の進相軸(P1)にそれぞれ平行な方向に関する複屈折量が、少なくとも45°で交差する進相軸(C1,E1)に平行な方向で最小となるものである。
上述のように、その進相軸がその一辺に0°又は90°で交差している部分では、その基板を通過する直線偏光光の偏光状態は実質的に変化しない。従って、その一辺に対して45°で交差する進相軸を持つ部分での複屈折量がその条件を満たすことで、その基板のその所定領域内のほぼ全面を通過する直線偏光光の偏光状態は許容範囲内になる。
これらの本発明のマスク基板において、一例としてその所定領域は、そのパターンの形成領域を含むものである。
また、本発明による第3のマスク基板は、一方の平面にパターンが形成されるフォトマスク用の基板(MP)であって、その基板の任意の一辺(MPx)の方向と進相軸(P1)方向との成す角をθ、その基板の透過に際し、偏光方向がその進相軸の方向と一致する直線偏光と、偏光方向がその進相軸に直交する方向と一致する直線偏光との間に生じる光路差をγとするとき、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、その光路差γが次の条件を満たすものである。
γ ≦ α×cos2(2θ)+β …(1)
本発明のマスク基板は、直線偏光の露光ビームでフォトマスクを照明する場合の偏光方向は、通常はその基板の一辺に平行か又は直交していることを利用する。このとき、その進相軸がその一辺に0°又は90°で交差している部分では、その基板を通過する直線偏光光の偏光状態は実質的に変化しない。従って、その一辺に対して45°で交差する進相軸を持つ部分での光路差γ(複屈折量)を最も厳しく制限することで、その基板のほぼ全面を通過する直線偏光光の偏光状態の変化は許容範囲内になる。即ち、関数cos2(2θ)は、θが45°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
これは、以下の第4から第6のマスク基板でも同様である。
即ち、本発明による第4のマスク基板は、その(1)式の代わりに、その光路差γが次の条件を満たすものである。
γ ≦ α×{cos(4θ)+1}/2 +β …(2)
この関数{cos(4θ)+1}も、θが45°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
そして、本発明による第5のマスク基板は、その(1)式の代わりに、その光路差γが次の条件を満たすものである。
γ ≦ α×cos4(2θ)+β …(3)
この関数cos4(2θ)も、θが45°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
また、本発明による第6のマスク基板は、その(1)式の代わりに、その光路差γが次の条件を満たすものである。
γ ≦ α×cotan2(2θ)+β …(4)
この関数cotan2(2θ)も、θが45°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
この場合、特に進相軸がその一辺となす角度θが0°又は90°であるときには、その光路差γは発散し、制限がなくなる。しかしながら、露光ビームの偏光状態を偏光方向がマスク基板の一辺に平行又は直交となる直線偏光にする場合には、進相軸がその一辺となす角度が0°又は90°である部分についてはマスク基板において偏光状態が変化しない。従って、その部分でγが大きい値になっても特に問題はない。
これらの本発明の第3から第6のマスク基板において、比例係数αは2nmで、かつオフセット量βは0.8nm以下であることが望ましい。このとき、露光ビームがそのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば密集線で偏光度の要求が厳しいパターンの露光に適した程度に抑制できる。
さらに、本発明の第3から第6のマスク基板において、比例係数αは2nmで、かつオフセット量βは0.3nm以下であることが望ましい。これによって、露光ビームがそのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば孤立線で偏光度の要求が厳しいパターンの露光に適した程度に抑制できる。
本発明のマスク基板において、一例としてその基板の厚さは6.35mmである。このときに、特にそのマスク基板を通過する露光ビームの偏光状態の変化が許容範囲内になる。
また、一例としてその基板の材料は合成石英又は蛍石である。
また、一例として、その一方の平面が研磨により平坦化されている。
また、その一方の平面にパターン形成用の薄膜が被着されていてもよい。これは本発明をいわゆるマスクブランクスに適用したものである。
次に、本発明によるフォトマスクは、本発明のマスク基板を備えたフォトマスクであって、そのマスク基板の所定領域の少なくとも一部にパターンが形成されたものである。
本発明のマスク基板を用いているため、露光ビームの偏光状態のフォトマスクにおける変化を所定の許容範囲内に収めることができる。
この場合、そのパターンは位相シフト部を含むことができる。
また、そのパターンは、露光装置によって感光体上に転写される回路パターンを含むことができる。
また、一例として、その回路パターンはその転写時に露光ビームが実質的に直線偏光状態で照射される偏光照明が適用される。
次に、本発明のフォトマスクの製造方法は、露光装置で用いられるフォトマスクの製造方法であって、本発明のマスク基板に対してその一方の平面に感光層を形成してパターニングを行うものである。
この場合、その所定領域内に位相シフト部を形成してもよい。
また、本発明の露光方法は、露光ビームでマスクを照明し、その露光ビームでそのマスク及び投影光学系を介して感光体を露光する露光方法において、そのマスクとして本発明のフォトマスクを使用するものである。
これによってフォトマスクにおける露光ビームの偏光状態の変化が少なくなるため、所望の偏光状態の露光ビームで正確に露光を行うことができる。
この場合、一例として、その露光ビームは実質的に直線偏光状態でそのマスクに照射される。
また、その露光ビームをそのマスクに照射する照明光学系の瞳面上で光軸との距離がほぼ等しい2つの領域で他の領域よりも光量が高められ、その2つの領域の中心を結ぶ直線と直交する方向をその露光ビームの偏光方向としてもよい。このような2極照明によって所定のパターンの解像度を向上できるとともに、偏光状態の制御を併用できるため、さらに解像度を向上できる。
また、本発明による第1のデバイス製造方法は、本発明のフォトマスクのパターンを感光体上に転写する工程を含むものである。
また、本発明の第2のデバイス製造方法は、本発明の露光方法を用いて回路パターンを感光体上に転写する工程を含むものである。
この場合、一例として製造対象のデバイスはフラッシュメモリ又はCPUである。
また、本発明による露光装置の管理方法は、露光ビームでマスクを照明し、その露光ビームでそのマスク及び投影光学系を介して感光体を露光する露光装置の管理方法であって、そのマスクとして本発明のフォトマスクをロードする工程と、そのフォトマスクのパターンのその投影光学系による像に基づいてその露光装置の特性を求める工程とを含むものである。
本発明によれば、フォトマスクにおける露光ビームの偏光状態の変化を少なくできる。従って、フォトマスクに起因する特性とその他の要因による特定とを分離して露光装置を正確に評価できる。
この場合、その露光装置の特性はその投影光学系の結像特性を含むことができる。
また、一例として、そのパターンは、その露光ビームが実質的に直線偏光状態で照射される偏光照明が適用され、その露光装置の特性は、その偏光照明に関連する特性を含む。
本発明によれば、マスク基板を通過する際の露光ビームの偏光状態の変化を抑制することができるため、露光ビームの偏光状態を正確に所望の状態に設定して露光を行うことができる。
また、本発明の露光装置の管理方法によれば、露光ビームの偏光状態を制御して露光を行う場合に、フォトマスクに起因する誤差要因とその他の誤差要因とを分離して正確に評価できる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図面を参照して説明する。
図1は、本例のフォトマスクを用いて露光を行う露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板(感光体)であるウエハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウエハの表面(ウエハ面)に平行な面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウエハ面に平行な面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
本実施形態の露光装置は、露光ビームとしての照明光(露光光)を供給するためのレーザ光源1を備えている。レーザ光源1(露光光源)として、本例では193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源を用いているが、その他にたとえば248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源、F2 レーザ(波長157nm)、又はYAGレーザの高調波発生装置なども使用できる。
レーザ光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行な光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ2a及び2bからなるビームエキスパンダ2に入射する。各レンズ2a及び2bは、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力及び正の屈折力をそれぞれ有する。従って、ビームエキスパンダ2に入射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。整形光学系としてのビームエキスパンダ2を介したほぼ平行な光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、光軸AXに沿って位相部材10、デポラライザ(非偏光化素子)20、及び回折光学素子4を介して、アフォーカルズームレンズ5に入射する。位相部材10及びデポラライザ20の構成及び作用については後述する。一般に、回折光学素子は、基板に照明光の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的には、回折光学素子4は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールド(又はフラウンホーファー回折領域)に円形状の光強度分布を形成する機能を有する。
従って、回折光学素子4を介した光束は、アフォーカルズームレンズ5の瞳位置に円形状の光強度分布、即ち円形状の断面を有する光束を形成する。回折光学素子4は、照明光路から退避可能に構成されている。アフォーカルズームレンズ5は、アフォーカル系(無焦点光学系)を維持しながら所定の範囲で倍率を連続的に変化させることができるように構成されている。アフォーカルズームレンズ5を介した光束は、輪帯照明用の回折光学素子6に入射する。アフォーカルズームレンズ5は、回折光学素子4の発散原点と回折光学素子6の回折面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。そして、回折光学素子6の回折面又はその近傍の面の一点に集光する光束の開口数は、アフォーカルズームレンズ5の倍率に依存して変化する。
輪帯照明用の回折光学素子6は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドにリング状の光強度分布を形成する機能を有する。回折光学素子6は、照明光路に対して挿脱自在に構成され、旦つ4極照明用の回折光学素子60や円形照明用の回折光学素子61やX方向2極照明用の回折光学素子62やY方向2極照明用の回折光学素子63と切り換え可能に構成されている。4極照明用の回折光学素子60、円形照明用の回折光学素子61、X方向2極照明用の回折光学素子62、及びY方向2極照明用の回折光学素子63の構成及び作用については後述する。
回折光学素子6を介した光束は、ズームレンズ7に入射する。ズームレンズ7の後側焦点面の近傍には、マイクロレンズアレイ(又はフライアイレンズ)8の入射面が位置決めされている。マイクロレンズアレイ8は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロレンズアレイは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。マイクロレンズアレイはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
上述したように、回折光学素子4を介してアフォーカルズームレンズ5の瞳位置に形成される円形状の光強度分布からの光束は、アフォーカルズームレンズ5から射出された後、様々な角度成分を有する光束となって回折光学素子6に入射する。即ち、回折光学素子4は、角度光束形成機能を有するオプティカルインテグレータを構成している。一方、回折光学素子6は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドにリング状の光強度分布を形成する光束変換素子としての機能を有する。従って、回折光学素子6を介した光束は、ズームレンズ7の後側焦点面に(ひいてはマイクロレンズアレイ8の入射面に)、たとえば光軸AXを中心とした輸帯状の照野を形成する。
マイクロレンズアレイ8の入射面に形成される輸帯状の照野の外径は、ズームレンズ7の焦点距離に依存して変化する。このように、ズームレンズ7は、回折光学素子6とマイクロレンズアレイ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結んでいる。マイクロレンズアレイ8に入射した光束は二次元的に分割され、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面(照明光学系の瞳面)には、入射光束によって形成される照野と同じ輪帯状の多数の光源(以下、「二次光源」という)が形成される。
マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成された輪帯状の二次光源からの光束は、コンデンサー光学系9の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたフォトマスクとしてのマスクMを重畳的に照明する。マスクMは、X方向及びY方向に平行な辺を持つ矩形又は正方形の所定の厚さのガラス基板(互いにほぼ平行な2つの平面(XY平面)を入射面又は射出面とする基板)よりなるマスク基板の一面に、クロム等の遮光膜や必要に応じて位相シフタ(位相シフト部材)を用いてデバイス用のパターンを形成したものである。本例の照明光は波長193nmのArFエキシマレーザであるため、そのマスク基板の材料はその照明光を透過する材料である合成石英である。その材料としては、蛍石(CaF2 )なども使用できる。また、そのマスクMは、そのガラス基板の一面(パターン面)に遮光膜が被着されたマスクブランクスにパターニングして製造することができる。そのガラス基板のパターン面を研磨によって平坦化しておいてもよい。
マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板(感光体)であるフォトレジストが塗布されたウエハW上にマスクパターンの像を形成する。ウエハW上の一つのショット領域の大きさを33mm角として、投影光学系PLの倍率を1/4とすると、マスクMの所定領域としてのパターン形成領域の大きさは132(=33・4)mm角となる。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウエハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光又はスキャン露光を行うことにより、ウエハWの各ショット領域(区画領域)にはマスクMのパターンの像が逐次露光される。
本実施形態では、アフォーカルズームレンズ5の倍率が変化すると、輪帯状の二次光源の中心高さ(円形状の中心線の光軸AXからの距離)が変化することなく、その幅(外径(直径)と内径(直径)との差の1/2)だけが変化する。即ち、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、輪帯状の二次光源の大きさ(外径)及びその形状(輪帯比:内径/外径)をともに変更することができる。
また、ズームレンズ7の焦点距離が変化すると、輪帯状の二次光源の輪帯比が変化することなく、中心高さ及びその幅がともに変化する。即ち、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、輸帯状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。以上より、本実施形態では、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離とを適宜変化させることにより、輪帯状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
なお、回折光学素子6に代えて回折光学素子60を照明光路中に設定することによって4極照明を行うことができる。4極照明用の回折光学素子60は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに4点状の光強度分布を形成する機能を有する。従って、回折光学素子60を介した光束は、マイクロレンズアレイ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした4つの円形状の照野からなる4極状の照野を形成する。その結果、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にも、その入射面に形成された照野と同じ4極状の二次光源が形成される。
4極照明においても輪帯照明の場合と同様に、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、4極状の二次光源の外径(4つの円形状の面光源に外接する円の直径)及び輪帯比(4つの円形状の面光源に内接する円の直経/4つの円形状の面光源に外接する円の直径)をともに変更することができる。また、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、4極状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。その結果、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離とを適宜変化させることにより、4極状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
また、回折光学素子4を照明光路から退避させるとともに、回折光学素子6又は60に代えて円形照明用の回折光学素子61を照明光路中に設定することによって、通常の円形照明を行うことができる。この場合、アフォーカルズームレンズ5には光輪AXに沿って矩形状の断面を有する光束が入射する。アフォーカルズームレンズ5に入射した光束は、その倍率に応じて拡大又は縮小され、矩形状の断面を有する光束のまま光軸AXに沿ってアフォーカルズームレンズ5から射出され、回折光学素子61に入射する。
ここで、円形照明用の回折光学素子61は、回折光学素子4と同様に、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに円形状の光強度分布を形成する機能を有する。従って、回折光学素子61により形成された円形光束は、ズームレンズ7を介して、マイクロレンズアレイ8の入射面において光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。その結果、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面(照明光学系の瞳面PIL)にも、図2(C)に示すように、光軸AXを中心とした円形状の二次光源17が形成される。この場合、アフォーカルズームレンズ5の倍率又はズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、円形状の二次光源の外径を適宜変更することができる。
また、本例では、その図2(C)の二次光源17の外径を小さくしてコヒーレンスファクタ(いわゆるσ値)を例えば0.2〜0.4程度とした照明(以下、「小σ照明」と呼ぶ)も使用できるように構成されている。
さらに、回折光学素子6,60又は61に代えて回折光学素子62を照明光路中に設定することによってX方向2極照明を行うことができる。X方向2極照明用の回折光学素子62は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに、X方向に沿って間隔を隔てた2点状の光強度分布を形成する機能を有する。従って、回折光学素子62を介した光束は、マイクロレンズアレイ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心としてX方向に沿って間隔を隔てた2つの円形状の照野からなる2極状の照野を形成する。その結果、図2(A)に示すように、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面(照明光学系の瞳面)に、その入射面に形成された照野と同じX方向に沿った2極状の二次光源が形成される。
なお、この2極照明では、その2つの円形状の光軸AXに関してほぼ対称な光量の大きい領域21A及び21Bの間で、光軸AXに関してほぼ対称な一対の小領域21C及び21Dでも光量を高めることが好ましい。この際に、その4つの領域21A,21C,21D,21BはX軸に平行な同一直線上に並ぶ。
また、回折光学素子6,60,61又は62に代えて回折光学素子63を照明光路中に設定することによってY方向2極照明を行うことができる。Y方向2極照明用の回折光学素子63は、平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに、Z方向(マスク上及びウエハ上においてY方向に対応する)に沿って間隔を隔てた2点状の光強度分布を形成する機能を有する。従って、回折光学素子63を介した光束は、マイクロレンズアレイ8の入射面に、たとえば光軸AXを中心としてZ方向に沿って間隔を隔てた2つの円形状の照野からなる2極状の照野を形成する。その結果、図2(B)に示すように、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にも、その入射面に形成された照野と同じZ方向に沿った2極状の二次光源が形成される。
なお、この2極照明でも、その2つの円形状の光軸AXに関してほぼ対称な光量の大きい領域22A及び22Bの間で、光軸AXに関してほぼ対称な一対の小領域22C及び22Dでも光量を高めることが好ましい。この際に、4つの領域22A,22C,22D,22BはZ軸に平行な同一直線上に並ぶ。
2極照明においても4極照明の場合と同様に、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、2極状の二次光源の外径(2つの円形状の面光源に外接する円の直径)Do及び輪帯比(2つの円形状の面光源に内接する円の直径Di/2つの円形状の面光源に外接する円の直径Do)をともに変更することができる。また、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、2極状の二次光源の輪帯比を変更することなくその外径を変更することができる。その結果、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離とを適宜変化させることにより、2極状の二次光源の外径を変化させることなくその輪帯比だけを変更することができる。
図3は、図1の位相部材及びデポラライザの構成を概略的に示す図である。図3を参照すると、位相部材10は、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成された1/2波長板により構成されている。一方、デポラライザ20は、楔形状の水晶プリズム20aと、この水晶プリズム20aと相補的な形状を有する楔形状の石英プリズム20bとにより構成されている。水晶プリズム20aと石英プリズム20bとは、一体的なプリズム組立体として、照明光路に対して挿脱自在に構成されている。レーザ光源1としてArFエキシマレーザ光源又はKrFエキシマレーザ光源を用いている場合、これらの光源から射出される光の偏光度は典型的には95%以上の偏光度を有するため、1/2波長板10にはほぼ直線偏光の光が入射する。
1/2波長板10の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0°又は90°の角度をなすように設定された場合、1/2波長板10に入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。また、1/2波長板10の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45°の角度をなすように設定された場合、1/2波長板10に入射した直線偏光の光は偏光面が90°だけ変化した直線偏光の光に変換される。さらに、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45°の角度をなすように設定された場合、水晶プリズム20aに入射した直線偏光の光は非偏光状態の光に変換(非偏光化)される。
本実施形態では、通常の露光時にはデポラライザ20が照明光路中に位置決めされたときに水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45°の角度をなすように構成されている。ちなみに、水晶プリズム20aの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0°又は90°の角度をなすように設定された場合、水晶プリズム20aに入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。また、1/2波長板10の結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して22.5°の角度をなすように設定された場合、1/2波長板10に入射した直線偏光の光は、偏光面が変化することなくそのまま通過する直線偏光成分と偏光面が90°だけ変化した直線偏光成分とを含む非偏光状態の光に変換される。
本実施形態では、上述したように、レーザ光源1からの直線偏光の光が1/2波長板10に入射するが、以下の説明を簡単にするために、P偏光(図1中で1/2波長板の位置においてZ方向に偏光方向を持つ直線偏光、以下「Z方向偏光」と称する)の光が1/2波長板10に入射するものとする。デポラライザ20を照明光路中に位置決めした場合、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0°又は90°の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過して水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45°の角度をなすように設定されているので、水晶プリズム20aに入射したP偏光(Z方向偏光)の光は非偏光状態の光に変換される。
水晶プリズム20aを介して非偏光化された光は、光の進行方向を補償するためのコンペンセータとしての石英プリズム20bを介して、非偏光状態でマスクM(ひいてはウエハW)を照明する。一方、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45°の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が90°だけ変化し、S偏光(図1中で1/2波長板10の位置においてX方向に偏光面を持つ直線偏光、以下「X方向偏光」と称する)の光になって水晶プリズム20aに入射する。水晶プリズム20aの結晶光学軸は入射するS偏光(X方向偏光)の偏光面に対しても45°の角度をなすように設定されているので、水晶プリズム20aに入射したS偏光(X方向偏光)の光は非偏光状態の光に変換され、石英プリズム20bを介して、非偏光状態でマスクMを照明する。
これに対し、デポラライザ20を照明光路から退避させた場合、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0°又は90°の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光(Z方向偏光)の光は偏光面が変化することなくP偏光(Z方向偏光)のまま通過し、P偏光(Z方向偏光)状態の光でマスクMを照明する。一方、1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45°の角度をなすように設定すると、1/2波長板10に入射したP偏光の光は偏光面が90°だけ変化してS偏光の光になり、S偏光(X方向偏光)状態の光でマスクMを照明する。
以上のように、本実施形態では、デポラライザ20を照明光路中に挿入して位置決めすることにより、非偏光状態でマスクMを照明することができる。また、デポラライザ20を照明光路から退避させ且つ1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して0°又は90°の角度をなすように設定することにより、P偏光(Y方向偏光)状態でマスクMを照明することができる。さらに、デポラライザ20を照明光路から退避させ且つ1/2波長板10の結晶光学軸が入射するP偏光(Z方向偏光)の偏光面に対して45°をなすように設定することにより、S偏光(X方向偏光)状態でマスクMを照明することができる。
そこで、一例として本例では、図2(A)の2極照明を用いるときには、照明光の偏光状態を、その光量の大きい2つの領域21A及び21Bの中心を結ぶ直線に直交するD2方向(Z方向)に偏光した直線偏光に設定する。この場合には、露光対象のパターンは、例えばZ方向に対応するマスクM上でY方向に細長い複数のラインパターンをX方向に所定ピッチで配列したライン・アンド・スペースパターンか、又はマスクM上でY方向に細長い孤立パターンである。
また、図2(B)の2極照明を用いるときには、照明光の偏光状態を、その光量の大きい2つの領域22A及び22Bの中心を結ぶ直線に直交するD1方向(X方向)に偏光した直線偏光に設定する。この場合には、露光対象のパターンは、例えばマスクM上でX方向に細長い複数のラインパターンをY方向(図2(B)のZ方向に対応する方向)に所定ピッチで配列したライン・アンド・スペースパターンか、又はマスクM上でX方向に細長い孤立パターンである。
さらに、図2(C)の小σ照明を用いるときには、照明光の偏光状態を、転写対象のパターンがZ方向に対応するY方向に細長いパターンが主であるときにはD2方向に偏光した直線偏光に設定する。一方、転写対象のパターンがX方向に細長いパターンが主であるときにはD1方向に偏光した直線偏光に設定する。
さて、このように照明光の偏光状態を制御して露光を行う際に、マスクMが複屈折性を持ち、その複屈折量が大きくなると、その照明光の偏光状態がマスクMを通過する際に変化して所望の結像性能が得られなくなる恐れがある。そこで、以下ではマスクMに要求される複屈折量の許容範囲について説明する。
先ず、図1のマスクMに照射される照明光の偏光状態の表現としては、図4に示すように、マスクMの外形の辺に平行な方向(X軸又はY軸に平行な方向)に偏光している状態S1、X軸又はY軸に45°で交差する方向に偏光している状態S2、及び右円偏光又は左円偏光の状態S3がある。状態S1,S2,S3はそれぞれ上段の状態(図1のX軸に平行な方向に偏光した状態、X軸に対して反時計周りに45°で傾斜した方向に偏光した状態、及び右円偏光状態)が+1、下段の状態(図1のY軸に平行な方向に偏光した状態、X軸に対して反時計周りに135°で傾斜した方向に偏光した状態、及び左円偏光状態)が−1で表される。この際に、例えば状態S1で+1の状態を状態S1(+1)と呼ぶ。他の状態も同様である。また、X軸を基準として、状態S1(+1)、S1(−1)、S2(+1)、及びS2(−1)をそれぞれ0°、90°、45°、及び135°の直線偏光とも呼ぶ。
この場合、照明光の偏光度の定義として、本例では以下の特定偏光度(Degree of specific polarization )(以下、「DSP」と言う。)を用いる。即ち、照明光を図4の状態S1(+1)と、状態S1(−1)とに分解して考えたときに、そのS1(+1)の光量をIx、S1(−1)の光量をIyとする。このとき、DSP(特定偏光度)は一例として以下のように光量の差分(Ix−Iy)の絶対値を全部の光量(Ix+Iy)で割った値となる。
DSP=|Ix−Iy|/(Ix+Iy) …(10)
このとき、DSPの範囲は以下のように0(偏光解消状態)から1(理想直線偏光状態)までとなる。
0≦DSP≦1 …(11)
照明光が全部図4の状態S1(+1)(理想横偏光)、又は状態S1(−1)(理想縦偏光)であれば、DSPは1となる。そして、照明光が全部図4の状態S2又はS3であれば、DSPは偏光解消時(理想非偏光照明時)の値である0となる。
なお、DSPの定義としては、DSP=(Ix−Iy)/(Ix+Iy)のように、理想横偏光時に+1となり、理想縦偏光時に−1となるような定義も可能である。さらに、偏光度としてはその他にも種々の定義が提案されているが、以下では、偏光度とは(10)式のDSPを意味するものとする。
次に、図1のマスクMの基板の材料である合成石英には、製造時のストレス等の影響からランダムな複屈折性があることが分かっている。
複屈折材料では、常光線の屈折率をno、異常光線の屈折率をneとして、材料の厚さをd、照明光の波長をλとすると、その材料を透過する際の常光線と異常光線との光路差(光路長差)Mλは、次のようになる。ただし、Mは実数である。
Mλ=|ne−no|d …(12)
その光路差と、入射時の照明光の偏光方向とその複屈折材料の結晶軸(例えば位相が速く進む進相軸)の方向とがなす角度とによって、その複屈折材料を通過した後の照明光の偏光状態が変化する。
図5に示すように、直線偏光の入射光IL1の偏光方向がその複屈折材料の結晶軸(例えば位相が速く進む進相軸)の方向23に対して45°で傾斜しているものとする。このときには、複屈折材料24A,24B,24C,24Dの光路差Mλがλ/8からλ/2まで変化するのに応じて、射出される照明光IL2の偏光状態は、楕円偏光から偏光方向が入射時の方向と直交する直線偏光まで変化する。
図6は、図5の原理説明図であり、図6において横方向の偏光成分(横波)26Aに対して縦方向の偏光成分(縦波)26Bの位相が遅れているものとして、入射光IL1の偏光方向25が斜め方向であるとする。このとき、入射光IL1の進行方向27に光路差が0から(7/8)λまで変化するのに応じて、射出される照明光IL2の偏光状態が変化するのが分かる。
次に、照明光が複屈折材料を通過する際の偏光状態の変化について場合分けすると、入射する直線偏光の照明光の偏光面と複屈折軸(例えば進相軸、又は進相軸に対して位相が遅れる遅相軸)とが一致していると、射出される際の偏光状態は保たれる。一方、入射する照明光の偏光面と複屈折軸とが45°で傾斜しているときには、射出される際には楕円偏光となり、偏光状態は解消される。
偏光状態の変化は、以下の場合を考慮すればよい。
1)図4の状態S1(0°、90°の直線偏光)と状態S3(円偏光)との間(図7の右側)
2)図4の状態S2(45°、135°の直線偏光)と状態S3との間
3)図4の状態S1(0°、90°の直線偏光)と状態S2(45°、135°の直線偏光)との間(図7の左側)
これに対して、図4の状態S1を基準に考えた場合、状態S2と状態S3との間の変化は特に考慮する必要はない。
偏光状態の変化の量的な検討に際して、複屈折量がλ/4(波長193nm(ArFエキシマレーザ)で約48nm)で、直線偏光が円偏光となる。そこで先ず、マスク基板の複屈折量の許容値はこれ以下と考える。即ち、直線偏光と円偏光との間の変化までを考え、偏光状態の符号の逆転(図4で例えば状態S1(+1)がS1(−1)に変わること)までは考えない。
また、ここではマスク基板の厚さとして、現状で一般に使用されている厚さ6.35mmを考える。以下では、マスク基板の材料(例えば合成石英)としての厚さ1cmあたりの複屈折量(nm)から、マスク基板の厚さ6.35mmでの複屈折量を求め、結晶方位角(例えば進相軸の方向に対する照明光の偏光方向の角度)と複屈折量とに対する偏光状態の変化を求める。
最初は理想的な直線偏光を前提とする。
図8は、結晶方位角と複屈折量とに対する偏光状態の変化の一例を示し、この図8において、横軸はマスク基板の進相軸に対する直線偏光の入射光(状態S1とする)の偏光方向の角度(deg)、縦軸は単位長さあたりの複屈折量(nm/cm)である。図8において、数値(0−0.1)の部分では、入射時の状態S1の0〜10%までが射出時に状態S2,S3に変化し、数値(0.1−0.2)の部分では、入射時の状態S1の10〜20%までが射出時に状態S2,S3に変化し、数値(0.2−0.3)の部分では、入射時の状態S1の20〜30%までが射出時に状態S2,S3に変化する。また、結晶方位角が0°、90°付近であれば、状態S1は射出時にもほぼ状態S1のままであり、結晶方位角が45°、135°付近であれば、状態S1は射出時に状態S2,S3に変わり易いことが分かる。
また、入射する照明光が完全な直線偏光(状態S1)でない場合、残留する円偏光(状態S3)が複屈折によって状態S1に戻ることがある。その変化量は、状態S1から状態S3への変化の場合と同じであるが、状態S3は状態S1(+1)又はS1(−1)に分かれる。
この場合、状態S1(+1)から状態S3への変化と、状態S3から状態S1(+1)への変化との効果が相補する場合と、状態S1(+1)から状態S3への変化と、状態S3から状態S1(−1)への変化との効果が相乗する場合とがある。
そこで、以下のような状態S1〜S3の光量比を持つ偏光状態の照明光のモデル(モデル照明光)を想定する。また、入射する照明光の偏光面と結晶軸とがなす角度は45°とした。
状態S1:0.7
状態S2:0.27
状態S3:0.53
図9は、この場合に入射するモデル照明光が射出する際の偏光度の劣化の状態を示す。図9において、横軸はマスク基板の複屈折量(nm/cm)、縦軸は(10)式の偏光度であるDSPの劣化量を示し、実線28Bはそのモデル照明光で劣化が少ない場合、実線28Cはそのモデル照明光で劣化が多い場合、実線28Aは入射光が状態S1のみの場合の劣化量を示す。
次に、照明光の偏光度変化の結像への影響を検討する。偏光度変化では孤立線の像の線幅変化が最も敏感である。
ここでは、図13(B)に示すように、両側の端部33A,33Bの位相が0°、180°(π)で線幅d(投影像での線幅)が32nmの孤立線パターン32を転写するものとする。この場合の、波長は193nm、投影光学系の開口数NAは0.85、照明条件は図2(C)の小σ照明で照明σ値は0.25とした。
図10(A)は、その場合に照明光の偏光度が目標値DSPta(右側の0から1まで0.1ステップで変化)に対して異なっているときに転写されるパターンの線幅(クリティカルディメンジョン)CDの変化を示し、図10(A)の横軸は実際の偏光度DSPac、縦軸は転写されるパターンの線幅CD(nm)である。図10(A)において、例えば目標値DSPtaが1の場合、実際の偏光度DSPacが1のときに線幅CDは本来の線幅32nmとなり、実際の偏光度DSPacが0のときには線幅CDはほぼ18nmと最も狭くなっている。このように実際の偏光度DSPacが目標値DSPtaと合致しているときに、線幅CDは本来の線幅32nmとなる。図10(A)から、実際の偏光度DSPacの目標偏光度DSPtaからのずれが大きくなる程、線幅CDが大きく変化することが分かる。
また、図10(A)から、線幅の変化量ΔCDを0.5nmとすると、偏光度の目標値DSPtaに関わらず、実際の偏光度の変化量ΔDSPはほぼ0.07となることが分かる。従って、その変化量ΔCDを「線幅の許容誤差」、その変化量ΔDSPを「偏光度の許容誤差」と呼ぶと、線幅の許容誤差ΔCDを0.5nm以下(−0.5nm≦ΔCD≦0.5nm)とするためには、偏光度の許容誤差ΔDSPは±0.07以内(幅でほぼ0.15以内)であることが分かる。その許容誤差ΔCDのうちのマスク分を10%(0.05nm)とすると、マスク基板に許容される偏光度の変化の許容値は幅で0.015となる。
図10(B)は、偏光度0を基準にした各偏光度(横軸)での最適露光量の相対値(縦軸)を示し、図10(B)から偏光度が大きくなる程、像コントラストが向上して、線幅が太くなるのを補正するための露光量増大が必要であることが分かる。このため、偏光度が高くなると、露光量が増大する。
次に、密集線のパターンの像の線幅変化について検討する。ここでは、図13(A)に示すように、線幅(投影像での線幅)が75nmのラインパターン31(例えば透過率6%のハーフトーン)をX方向に所定ピッチで配列してなるライン・アンド・スペースパターンを転写するものとする。この場合の、波長は193nm、投影光学系の開口数NAは0.95、照明σ値は0.95で、図2(A)の2極照明(必ずしも最適照明ではない)を使用し、線幅ターゲットは65nmとした。
図11(B)は、その場合に照明光の偏光度(DSP)が変化したときに転写される各ラインパターンの線幅CD(nm)の変化を示し、図11(A)はそのときの像コントラストの変化を示している。
図11(B)より、偏光度(DSP)がほぼ0.125変化すると(DSP=0.5付近で)、線幅がほぼ0.5nm変化することが分かる。これを言い換えると、線幅の許容誤差を0.5nm以下とするためには、偏光度の許容誤差は±0.125以内(幅で0.25以内)である。その線幅の許容誤差のうちのマスク分を10%(0.05nm)とすると、マスク基板に許容される偏光度の変化の許容値は幅で0.025となる。
次に、図11の場合よりも線幅ターゲットを広くして70nmとした場合を図12に示す。
図12は、その場合に照明光の偏光度(DSP)が変化したときに転写される各ラインパターンの線幅CD(nm)の変化を示している。このように線幅ターゲットを広くすると、偏光度の変化に対する線幅CDの変化が緩やかになる。
図12より、偏光度(DSP)がほぼ0.25変化すると(DSP=0.5付近で)、線幅がほぼ0.5nm変化することが分かる。これを言い換えると、線幅の許容誤差を0.5nm以下とするためには、偏光度の許容誤差は±0.25以内(幅で0.5以内)である。その線幅の許容誤差のうちのマスク分を10%とすると、マスク基板に許容される偏光度の変化の許容値は幅で0.05となる。
マスク基板に求められる複屈折量の許容値は、図10(A)、図11(B)、図12の検討から以下のようになる。
先ず、図10(A)のように孤立線パターンを露光する場合に、完全直線偏光前提では、DSPの低下量を0.015以下とするためには、マスク基板の複屈折量は1.5(nm/cm)以下となる。
これは、図9の実線28A(入射光が状態S1)において、DSPの最大劣化量が0.15となるときの複屈折量が約15nm/cmであることから、その複屈折量を1/10にすることによって求められる。
また、上記の偏光状態の割合が規定されたモデル照明光では、DSPの低下量を0.015以下とするためには、マスク基板の複屈折量は1.2(nm/cm)となる。これは、図9の実線28C(モデル照明光で劣化量が多い場合)において、DSPの最大劣化量が0.15となるときの複屈折量が約12nm/cmであることから、その複屈折量を1/10にすることによって求められる。
この複屈折量は、マスク基板の厚さ(6.35mm)全体では0.8nmとなる。
図17(A)は本例のマスクMのマスク基板MPを示し、この図17(A)において、図17(A)のような孤立線PA1を露光する場合には、パターン形成領域PA内の各点Pでの進相軸P1と遅相軸P2との光路長の差が0.8nm以下となる。
次に、図11(B)のように密集線パターンを露光する場合に、上記の偏光状態が規定されたモデル照明光を用いてDSPの低下量を0.025以下とするためには、マスク基板の複屈折量は2(nm/cm)となる。これは、図9の実線28C(モデル照明光で劣化量が多い場合)において、DSPの最大劣化量が0.25となるときの複屈折量が約20nm/cmであることから、その複屈折量を1/10にすることによって求められる。
この複屈折量はマスク基板の厚さ全体では1.3nmとなる。
また、図17(A)のマスクMを用いて図17(B)の密集線パターンPA2を露光する場合に、図17(A)のマスク基板MPのパターン形成領域PA内の各点Pでの進相軸P1と遅相軸P2との光路長の差は1.3nm以下となる。
また、図12のようにより粗い条件で密集線パターンを露光する場合に、上記の偏光状態が規定されたモデル照明光を用いてDSPの低下量を0.05以下とするためには、マスク基板の複屈折量は4(nm/cm)となる。これは、図11(B)の場合の複屈折量を2倍にすることによって求められる。
この複屈折量はマスク基板の厚さ全体では2.6nmとなる。
また、複屈折量がその許容値を超えるマスク基板については、より粗いパターン等を露光する場合に使用可能である。
なお、本例ではマスク基板の複屈折量の許容値をnm/cmで規定したが、その複屈折量の許容値をマスク基板の全部の厚さを通過する際の複屈折量(nm)で表してもよい。
上記のようにマスク基板の厚さが6.35mmのときの複屈折量が1.2nm/cm、2nm/cm、又は4nm/cmであるときには、全部の厚さを通過する際の複屈折量はそれぞれ約0.8nm、1.3nm、又は2.6nmとなる。
従って、マスク基板の厚さに関わらず、照明光がマスク基板の全部の厚さを通過する際の複屈折量をそれぞれ0.8nm以下、1.3nm以下、又は2.6nm以下としてもよい。これによって、それぞれ孤立線で偏光度の要求の厳しいパターン、密集線で偏光度の要求の厳しいパターン、又は密集線で偏光度の影響の少ないパターンを良好に転写できる。
なお、図13(C)に示すように、ラインパターン31の間のスペース部に一つおきに位相がπの位相シフター34を設けた位相シフト型の密集パターンを露光する場合には、図2(C)のようにコヒーレンスファクタが0.2〜0.4程度の二次光源からの照明光を用いる小σ照明を用いてもよい。この際に、密集パターンの周期方向がX方向(ラインパターン31の長手方向はY方向)である場合には、図2(C)の二次光源17における照明光はD2方向(Y方向に対応するZ方向)を偏光方向とする直線偏光とすることが好ましい。また、その密集パターンの周期方向がY方向である場合には、図2(C)の二次光源17における照明光はD1方向(X方向)を偏光方向とする直線偏光とすることが好ましい。これらの場合に、本例のマスク基板は複屈折量が小さく、マスクを通過する際に照明光の偏光状態が殆ど変化しないため、所望の良好な結像特性を得ることができる。
また、図13(D)に示すように、孤立線パターン32を覆うように位相が0及びπの端部33A,33Bが設けられた孤立線パターンを転写する場合にも、上記のコヒーレンスファクタが0.2〜0.4程度の小σ照明を用いてもよい。この際に、孤立線パターン32の長手方向がY方向(又はX方向)であれば、図2(C)の二次光源17における照明光はD2方向(又はD1方向)を偏光方向とする直線偏光とすることが好ましい。この例では、1回の露光では、図13(D)の孤立線パターン32の像の上下に境界部35A及び35Bの像が転写されることがあるため、それらの境界部35A及び35Bの像を消すための二重露光を行うことがさらに好ましい。これらの場合にも、本例のマスク基板は複屈折量が小さく、マスクを通過する際に照明光の偏光状態が殆ど変化しないため、所望の良好な結像特性を得ることができる。
なお、図13(C)では位相シフト部として、位相シフター34を設けるものとしたが、その代わりにマスク基板に部分的に他の領域と位相が180°異なるような凹部を形成してもよい。同様に、図13(B)及び図13(D)の位相がπの端部33Bについても、位相が180°の位相シフターから形成してもよく、位相が180°異なる凹部から形成してもよい。
また、上記の実施形態では照明光の波長λは193nmであるため、複屈折量の許容値Δbiをその波長λで割った値(例えば0.8/193、1.3/193、又は2.6/193)を、複屈折量の許容値としてもよい。これによれば、照明光の波長λに関わらずその許容値を適用できる。
本例で使用できるマスクの複屈折量の分布は、例えば図14(A)のマスク基板MP1の分布となる。これに対して、図14(B)のマスク基板MP2のように、進相軸の方向が様々で、かつ複屈折量が大きいものが混じっている場合には、本例のパターン形成領域の全域で2.6nm以内の複屈折量を要求する用途には適さない。ただし、マスク基板MP2も、照明光の偏光状態を制御しないで露光を行うマスク用としては使用することができる。
すなわち、例えばマスクの製造工程において、そのマスク基板の複屈折量に応じて用途が異なるマスクとして使い分けるようにしてもよい。一例として、例えば複屈折量の平均値又は最大値に応じてマスク基板を複数段階にランク分けしておき、図2(A)の偏光状態が所定状態に設定された2極照明又は4極照明等で照明される極めて細い線幅のパターンが形成されるマスク用には最も複屈折量が小さいランクのマスク基板を使用し、通常の円形の二次光源からの非偏光状態の照明光で照明される粗い線幅のパターンが形成されるマスク用には、最も複屈折量が大きいランクのマスク基板を使用し、それらの間では必要なパターン精度に応じたランクのマスク基板を使用すればよい。このように、複屈折量に応じて当該マスク基板を異なる用途のマスクとして使い分けることができるのは、以下の実施形態でも同様である。
なお、図14(A),(B)において、様々の方向の線分36は、その方向がその点における進相軸の方向を示し、その長さはその点における複屈折量を示している。また、線分37は、マスク基板の厚さを通過したときの複屈折量が2nmである複屈折量を比較のために示している。また、マスク基板MP1及びMP2のいずれにおいても、複屈折量の計測は、パターン形成領域を含むほぼ200mm角の計測領域PB内で行われている。
なお、上記の実施形態では、マスク基板のパターン形成領域内の全域で複屈折量が所定の許容値以下になるようにしていた。しかしながら、実用的には、マク基板の外形の一辺に対して少なくとも45°(これは135°で交差する場合と等価である)で交差する進相軸(又は遅相軸でもよい)を持つ点のみで、上記の複屈折量の条件(例えば複屈折量が1.2nm/cm、2nm/cm、又は4nm/cm以下)を課してもよい。
即ち、図17(A)のマスクMにおいて、マスク基板MPはほぼX方向に平行な辺MPxとほぼY方向に平行な辺MPyとを隣接する2辺とする正方形又は長方形の基板であり、マスク基板MP中で辺MPx及びMPyに平行な辺で囲まれた正方形又は長方形のパターン形成領域PA内にデバイス用のパターンが形成される。一般に、マスクMのパターン形成領域PA内に形成されるパターンの大部分は、X方向若しくはY方向に周期性を持つパターン、又はX方向若しくはY方向に長いパターンである。従って、照明光の偏光状態を制御する場合には、その照明光はD1方向、即ち辺MPxに平行な方向、又はD2方向、即ち辺MPyに平行な方向を偏光方向とする直線偏光に設定されることが多い。
そして、本例では、例えば辺MPxを基準として、マスク基板MPのパターン形成領域PA内の任意の点Pの進相軸P1の辺MPxに対する時計周りの角度をθとする。このとき、点Pにおける遅相軸P2は進相軸P1に実質的に直交している。なお、他の辺MPy等を基準としてもよい。そして、パターン形成領域PA内で、点Aではその進相軸A1が辺MPxに平行(θ=0)であり、点Bではその進相軸B1が辺MPxに直交(θ=90°)しており、点Cではその進相軸C1が辺MPxに45°で交差(θ=45°)しており、点Eではその進相軸E1が辺MPxに135°で交差(θ=135°)しているものとする。
この状態で、マスクM(マスク基板MP)に入射する照明光が辺MPx又はMPyに平行な方向に偏光した直線偏光である場合には、点A及び点Bに入射する照明光は、偏光状態が変化することなくマスクMを透過する。これに対して、点C及び点Eに入射する照明光は、偏光状態が最も大きく変化してマスクMを透過する。従って、進相軸の方向が辺MPx(又は辺MPy)に対して45°(これは135°と等価である)で交差する点C及び点Eのみで、上記の複屈折量の条件を課すことによって、パターン形成領域PA内のほぼ全面において入射する照明光の偏光状態の変化は許容範囲内に収まると考えられる。
また、予め例えばパターン形成領域PA内の一部の領域にのみ微細な孤立線パターンが形成され、その他の領域には粗いパターンが形成されることが分かっている場合には、その微細な孤立線パターンが形成される領域(これが所定領域に対応する)のみで上記の複屈折量の条件を課してもよい。
なお、マスク基板の撓みによっても複屈折量が変化する恐れがあるが、これについては例えばマスク基板の吸着による撓みが大きい場合等に、考慮すれば良い。
また、図1の露光装置でマスクMは不図示のマスクステージに保持されるが、その保持されたマスクの変形量(撓み量などを含む)を予め計算し、その変形量による影響が無視できないときはその変形量を考慮することが好ましい。一例として、現在の露光装置ではその保持によってマスク基板に発生する複屈折量は2.0pm/cm程度であるので、無視して構わない。これは以下の実施形態でも同様である。
[第2の実施形態]
図17(A)を参照して説明したように、マスクMに対する照明光の偏光状態を制御する場合、通常はマスクMに入射する照明光がマスク基板MPの一つの辺MPx(又はMPy)に平行な方向又はその辺に直交する方向に偏光した直線偏光となるように制御される。この場合、その辺MPxに対する角度θが0°又は90°である進相軸A1,B1を持つ点A,Bから、その角度θが45°又は135°である進相軸C1,E1を持つ点C,Eに至るにつれて、入射する照明光のマスクMを通過した後の偏光状態の変化が大きくなる。そこで、本例では、その進相軸(又は遅相軸でもよい)のマスク基板MPの一つの辺MPxに対する角度θが0°及び90°のときに複屈折量の許容範囲を最大にして、その角度θが45°及び135°のときに複屈折量の許容範囲が最小になるように、複屈折量の許容範囲を定めることによって、マスクMのパターン領域PAの全面で入射する照明光の偏光状態の変化を許容範囲内に収める。
即ち、本例では、図17(A)の一方の平面にパターンが形成されるマスク基板MPにおいて、そのマスク基板の一つの辺MPxの方向と進相軸方向との成す角をθ、そのマスク基板の透過に際し、偏光方向がその進相軸の方向と一致する直線偏光と、偏光方向がその進相軸に直交する方向と一致する直線偏光との間に生じる光路差をγとするとき、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、その光路差γを次のように設定してもよい。
γ ≦ α×cos2(2θ)+β …(13)
これによって第1の実施形態と同様に、マスク基板MPを通過する照明光の偏光度(偏光状態)の変化を許容範囲内にできる。このとき、関数cos(2θ)は図16(A)のように変化し、関数{cos2(2θ)}は、図16(B)のように角度θが45°及び135°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
この場合、例えばオフセット量β=1nm,比例係数α=2nmとすると、進相軸が45°、135°方向でγ(複屈折量)は1nm以下となり、進相軸が0°、90°方向でγ(複屈折量)は3nm以下になる。
また、別の例として、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、その光路差γを次のように設定してもよい。
γ ≦ α×{cos(4θ)+1}/2 +β …(14)
このときも、関数{cos(4θ)+1}は、図15(A)に示すように、角度θが45°及び135°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
この場合、例えばオフセット量β=1nm,比例係数α=2nmとすると、進相軸が45°、135°方向でγは1nm以下、進相軸が0°、90°方向でγは3nm以下になる。
また、別の例として、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、その光路差γを次のように設定してもよい。
γ ≦ α×cos4(2θ)+β …(15)
このときも、関数cos4(2θ)は、図16(C)に示すようにθが45°及び135°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
この場合、例えばオフセット量β=1nm,比例係数α=2nmとすると、進相軸が45°、135°方向でγは1nm以下、進相軸が0°、90°方向でγは3nm以下になる。
また、さらに別の例として、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、その光路差γを次のように設定してもよい。
γ ≦ α×cotan2(2θ)+β …(16)
このときも、関数cotan2(2θ)は、図16(C)に示すようにθが45°及び135°のときに最小値0となり、そのときの光路差γはβとなる。
この場合、例えばオフセット量β=1nm,比例係数α=2nmとすると、進相軸が45°、135°方向でγは1nm以下、進相軸が15°、75°方向でγは7nm以下になる。
この例では、特に進相軸が0°、90°方向に対してはγは発散し、制限がなくなるが、露光ビームの偏光状態を偏光方向がマスク基板の一辺に平行又は直交となる直線偏光にする場合には、進相軸が0°、90°方向である部分についてはマスク基板において偏光状態が変化しないため、その部分でγが大きい値になっても特に問題はない。
これらのマスク基板において、比例係数αは2nmで、かつオフセット量βは0.8nm以下であることが望ましい。このとき、露光ビームがそのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば密集線で偏光度の要求が厳しいパターンの露光に適した程度に抑制できる。
さらに、そのマスク基板において、比例係数αは2nmで、かつオフセット量βは0.3nm以下であることが望ましい。これによって、露光ビームがそのマスク基板を通過する際の偏光度の変化量を、例えば孤立線で偏光度の要求が厳しいパターンの露光に適した程度に抑制できる。
[第3の実施形態]
本例では、上述の図1の投影露光装置の管理方法の一例につき説明する。
第1ステップ)図1のマスクMとして上記の第1の実施形態でマスク基板のパターン形成領域内の全域で複屈折量が所定の許容値以下(例えば複屈折量が1.2nm/cm以下)とされたマスクをロードする。そのマスクは、例えば図14(A)のマスク基板MP1にパターニングされたものである。
第2ステップ)そのマスクのパターンの投影光学系PLによる像に基づいてその露光装置の特性を求める。具体的に、最初は図1の照明光の偏光状態を非偏光状態に設定して、そのマスクのパターンを投影光学系PLを介してフォトレジストの塗布された第1のウエハ上に露光する。次に、図1の照明光の偏光状態をマスク上でX方向又はY方向を偏光方向とする直線偏光に設定して、そのマスクのパターンを投影光学系PLを介してフォトレジストの塗布された第2のウエハ上に露光する。
その後、フォトレジストの現像後に、その第1及び第2のウエハ上に露光されたパターン像の線幅等を計測して、解像度を比較することによって、照明光を直線偏光にすることによる解像度の改善率を求めることができる。その解像度は、その投影露光装置の特性の一例としての投影光学系PLの結像特性である。この際に、本例によれば、マスクにおける偏光状態の変化が殆どないため、マスクに影響されることなく、投影光学系PL(投影露光装置)の結像特性のみを正確に計測できる。
このように本例では、そのパターンは、その照明光が実質的に直線偏光状態で照射される偏光照明が適用され、その投影露光装置の特性は、その偏光照明に関連する特性を含んでいる。
なお、この例では試し焼きによって投影されたパターン像の線幅等を計測しているが、その他に例えばウエハWを保持するウエハステージ側に、スリット及びこのスリットを通過した露光光を集光して光電変換する光電変換部を備えた空間像計測装置を設け、そのパターン像の強度分布をその空間像計測装置で計測し、この計測結果に基づいてその線幅等を計測してもよい。この空間像計測方式によれば、短時間に投影光学系PLの結像特性を計測できる。さらに、空間像の他に、所定次数の回折光等の光量を計測して、その結像特性を求めても良い。
なお、上記実施形態では図13に示すように、位相部材10及びデポラライザ20を用いて偏光状態を制御するものとしたが、これに限定されるものでなく、例えば国際公開2005/036619号に開示された構成を採用してもよい。即ち、図3のデポラライザ20と同様に楔形の水晶プリズム(入射側)と、これと相補的な楔形の石英プリズムとから構成される第1のプリズム組立体と、この構成とは対称に楔型の石英プリズム(入射側)と、これと相補的な楔型の水晶プリズムとにより構成される第2のプリズム組立体とを備え、この2組のプリズム組立体の光軸の周りの相対回転角の制御によって、入射する直線偏光光をS偏光成分とP偏光成分との混合比が任意の割合に設定された照明光に変換して射出する。そして、射出された照明光からS偏光成分とP偏光成分とを分離して、例えば照明光学系の瞳面内の光軸上の第1領域と光軸外の第2領域とにそれぞれそのS偏光成分及びP偏光成分を供給して、その照明光学系からの偏光状態が制御された照明光を用いてマスクを照明するような場合にも、本発明のフォトマスク又はマスク基板を用いることによって、マスク基板での照明光の偏光状態の変化を小さくできるため、例えば高い解像度で露光を行うことができる。
また、上記の実施形態の投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の投影露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
なお、特に、RAM等のメモリー、システムLSI(特に、今後、最も微細なデバイスであるフラッシュメモリー)、又はCPUなどのデバイス用のパターンを、上記の実施形態の投影露光装置を用いて高精度に形成することができる。この際に、マスク基板として上記の実施形態のように複屈折量が小さいものを使用して、かつ図2(A)又は図2(B)を参照して説明した偏光状態を制御した2極照明のような、偏光状態を制御した変形照明を用いてマスクを照明することによって、形成されるパターンの精度を向上することができる。
なお、本発明は、走査型露光装置のみならず、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置で露光を行う場合にも適用できることは明きらかである。また、本発明は、例えば国際公開第99/49504号で開示されている液浸型の露光装置で露光を行う場合にも適用できる。また、本発明は、波長数nm〜100nm程度の極端紫外光(EUV光)を露光ビームとして用いる投影露光装置で露光を行う場合にも適用できる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明によれば、マスク基板を通過する際の露光ビームの偏光状態の変化を抑制することができるため、露光ビームの偏光状態を正確に所望の状態に設定して露光を行うことができる。従って、例えば孤立線や密集線等からなるパターンを含むデバイスを高精度に製造できる。
本発明の第1の実施形態の投影露光装置を示す図である。 図1の照明光学系の瞳面の光量分布の例を示す図である。 図1中の照明光の偏光状態を制御する光学部材を示す図である。 照明光の3種類の偏光状態を示す図である。 複屈折材料の厚さによって入射光の偏光状態が変わる様子を示す図である。 入射光の偏光状態が変わる様子の説明図である。 照明光の偏光状態の変化の例を示す図である。 結晶方位角及び複屈折量と偏光状態の変化との関係を示す図である。 複屈折量と偏光度の劣化との関係を示す図である。 偏光度と投影像の線幅の変化との関係の一例を示す図である。 (A)は偏光度と像のコントラストとの関係の一例を示す図、(B)は偏光度と投影像の線幅の変化との関係の別の例を示す図である。 偏光度と投影像の線幅の変化との関係の更に別の例を示す図である。 投影されるパターンの例を示す要部の拡大図である。 (A)は複屈折量が小さいマスク基板の一例を示す平面図、(B)は複屈折量が大きいマスク基板の一例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態で使用される関数の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態で使用される関数の別の例を示す図である。 (A)は本発明の実施形態で使用されるマスク基板内における進相軸の方向の定義の一例を示す平面図、(B)は転写対象の孤立線パターンの一例を示す拡大図、(C)は転写対象のライン・アンド・スペースパターンの一例を示す拡大図である。
符号の説明
M…マスク、MP…マスク基板、MPx,MPy…辺、PA…パターン形成領域、PL…投影光学系、W…ウエハ、P1,A1,B1,C1,E1…進相軸、P2,A2,B2,C2,E2…遅相軸

Claims (31)

  1. 互いにほぼ平行な2つの平面の一方にパターンが形成されるフォトマスク用の基板であって、
    前記一方の平面の所定領域内で複屈折量が4nm/cm以下であることを特徴とするマスク基板。
  2. 前記所定領域内での複屈折量が2nm/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマスク基板。
  3. 前記一方の平面に少なくとも密集パターンが形成されることを特徴とする請求項2に記載のマスク基板。
  4. 前記所定領域内での複屈折量が1.2nm/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマスク基板。
  5. 前記一方の平面に少なくとも孤立パターンが形成されることを特徴とする請求項4に記載のマスク基板。
  6. 前記基板の一辺に対して、少なくとも45°で交差する進相軸に平行な方向に関する複屈折量が前記条件を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のマスク基板。
  7. 互いにほぼ平行な2つの平面の一方にパターンが形成されるフォトマスク用の基板であって、
    前記一方の平面の所定領域内で、前記基板の一辺と互いに異なる角度で交差する複数の進相軸にそれぞれ平行な方向に関する複屈折量が、少なくとも45°で交差する進相軸に平行な方向で最小となることを特徴とするマスク基板。
  8. 前記所定領域は、前記パターンの形成領域を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のマスク基板。
  9. 一方の平面にパターンが形成されるフォトマスク用の基板であって、
    前記基板の任意の一辺の方向と進相軸方向との成す角をθ、
    前記基板の透過に際し、偏光方向が前記進相軸の方向と一致する直線偏光と、偏光方向が前記進相軸に直交する方向と一致する直線偏光との間に生じる光路差をγとするとき、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、前記光路差γが
    γ ≦ α×cos2(2θ)+β
    の条件を満たすことを特徴とするマスク基板。
  10. 一方の平面にパターンが形成されるフォトマスク用の基板であって、
    前記基板の任意の一辺の方向と進相軸方向との成す角をθ、
    前記基板の透過に際し、偏光方向が前記進相軸の方向と一致する直線偏光と、偏光方向が前記進相軸に直交する方向と一致する直線偏光との間に生じる光路差をγとするとき、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、前記光路差γが
    γ ≦ α×{cos(4θ)+1}/2 +β
    の条件を満たすことを特徴とするマスク基板。
  11. 一方の平面にパターンが形成されるフォトマスク用の基板であって、
    前記基板の任意の一辺の方向と進相軸方向との成す角をθ、前記基板の透過に際し、偏
    光方向が前記進相軸の方向と一致する直線偏光と、偏光方向が前記進相軸に直交する方向と一致する直線偏光との間に生じる光路差をγとするとき、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、前記光路差γが
    γ ≦ α×cos4(2θ)+β
    の条件を満たすことを特徴とするマスク基板。
  12. 一方の平面にパターンが形成されるフォトマスク用の基板であって、
    前記基板の任意の一辺の方向と進相軸方向との成す角をθ、
    前記基板の透過に際し、偏光方向が前記進相軸の方向と一致する直線偏光と、偏光方向が前記進相軸に直交する方向と一致する直線偏光との間に生じる光路差をγとするとき、0以上で2nm以下の比例係数αと0より大きく1nm以下のオフセット量βとを用いて、前記光路差γが
    γ ≦ α×cotan2(2θ)+β
    の条件を満たすことを特徴とするマスク基板。
  13. 前記基板の厚さは6.35mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のマスク基板。
  14. 前記基板は材料が合成石英又は蛍石であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のマスク基板。
  15. 前記一方の平面が研磨により平坦化されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のマスク基板。
  16. 前記一方の平面にパターン形成用の薄膜が被着されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のマスク基板。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載のマスク基板を備えたフォトマスクであって、
    前記マスク基板の所定領域の少なくとも一部にパターンが形成されたことを特徴とするフォトマスク。
  18. 前記パターンは位相シフト部を含むことを特徴とする請求項17に記載のフォトマスク。
  19. 前記パターンは、露光装置によって感光体上に転写される回路パターンを含むことを特徴とする請求項17又は18に記載のフォトマスク。
  20. 前記回路パターンはその転写時に露光ビームが実質的に直線偏光状態で照射される偏光照明が適用されることを特徴とする請求項19に記載のフォトマスク。
  21. 露光装置で用いられるフォトマスクの製造方法であって、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載のマスク基板に対して前記一方の平面に感光層を形成してパターニングを行うことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  22. 前記所定領域内に位相シフト部を形成することを特徴とする請求項21に記載のフォトマスクの製造方法。
  23. 露光ビームでマスクを照明し、前記露光ビームで前記マスク及び投影光学系を介して感光体を露光する露光方法において、
    前記マスクとして請求項17〜20のいずれか一項に記載のフォトマスクを使用することを特徴とする露光方法。
  24. 前記露光ビームは実質的に直線偏光状態で前記マスクに照射されることを特徴とする請求項23に記載の露光方法。
  25. 前記露光ビームを前記マスクに照射する照明光学系の瞳面上で光軸との距離がほぼ等しい2つの領域で他の領域よりも光量が高められ、前記2つの領域の中心を結ぶ直線と直交する方向を前記露光ビームの偏光方向とすることを特徴とする請求項24に記載の露光方法。
  26. 請求項17〜20のいずれか一項に記載のフォトマスクのパターンを感光体上に転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
  27. 請求項23〜25のいずれか一項に記載の露光方法を用いて回路パターンを感光体上に転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
  28. 製造対象のデバイスはフラッシュメモリ又はCPUであることを特徴とする請求項26又は27に記載のデバイス製造方法。
  29. 露光ビームでマスクを照明し、前記露光ビームで前記マスク及び投影光学系を介して感光体を露光する露光装置の管理方法であって、
    前記マスクとして請求項17〜20のいずれか一項に記載のフォトマスクをロードする工程と、
    前記フォトマスクのパターンの前記投影光学系による像に基づいて前記露光装置の特性を求める工程とを含むことを特徴とする露光装置の管理方法。
  30. 前記露光装置の特性は前記投影光学系の結像特性を含むことを特徴とする請求項29に記載の露光装置の管理方法。
  31. 前記パターンは、前記露光ビームが実質的に直線偏光状態で照射される偏光照明が適用され、前記露光装置の特性は、前記偏光照明に関連する特性を含むことを特徴とする請求項29又は30に記載の露光装置の管理方法。
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