JP2006266151A - エンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン特性が標準的な状態から変化した場合でも、バランスのとれた走行が可能なエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】 特性マップ102は、エンジンとトルクコンバータの関連特性値を、車両に対する駆動力要求値を示すパラメータである基準スロットルTA_Sとトルクコンバータのタービン回転数NTとに応じて設定する。特性値変更部105は、エンジントルクの低下状態に対応するトルク割合TRに応じて特性マップ102により設定された関連特性値を変更する。「駆動系+車両」モデル106,108および駆動力調停部107は、目標トルク算出手段に該当し、変更後の関連特性値に基づいてトルク目標値TT_Tを算出する。エンジン制御部82は、トルク目標値TT_Tに応じてエンジンを制御する。実トルク予測部103は、駆動力要求値を示すパラメータである基準スロットルTA_Sに基づいてエンジントルク推定値TE_Aを算出する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、エンジン制御装置に関し、特にエンジン出力がトルクコンバータを介して駆動輪に出力される車両のエンジン制御装置に関する。
近年、クルーズコントロールやトラクションコントロールなどの補助運転システムが採用された自動車が見られるようになってきている。かかるシステムでは、電子スロットル制御が採用され、アクセルペダルの踏込量は電気信号に変換され、この電気信号およびクルーズコントロールシステムやトラクションコントロールシステムの要求に基づいて、エンジンに吸気を供給するスロットル弁の開度が制御される。
このようなシステムでは、電子スロットルのスロットル開度を決定するエンジン制御部への入力値として、目標エンジントルクと目標エンジン回転数を与えるほうが、クルーズコントロールシステムやトラクションコントロールシステム等の補助運転システムと融合させやすい。クルーズコントロールシステムやトラクションコントロールシステム等の補助運転システムは、目標車速、実車速、車間距離、道路勾配、路面抵抗等を考慮して目標エンジントルクと目標エンジン回転数を算出する場合が多いからである。
特開平5−263904号公報(特許文献1)には、このような目標エンジントルクと目標エンジン回転数を算出してこれに基づきエンジンを制御するシステムが開示されている。
また、運転場面やアクセル等の運転操作に対して、車両を意のままに操る駆動力特性を実現する駆動力ディマンド型制御に対するニーズがある。
このニーズを満たすために、クルーズコントロールやトラクションコントロール等の運転支援、車両安全のデバイスからのパワートレーンへの要求を高精度に実現し、強調・調停する必要がある。
駆動力ディマンド型制御は、各種条件成立時に、従来のスロットルディマンド型制御のアクセル開度≒スロットル開度とする画一的な相関を切り、アクセル開度から車両駆動力を直接実現する。また、駆動力ディマンド型制御は、クルーズコントロールやトラクションコントロール等に対して駆動力要求を受け付け、車両動特性の目標を直接実現できる。
特開平5−263904号公報 特開平6−17684号公報
特開平5−263904号公報(特許文献1)では、車速とアクセル開度から目標駆動軸トルク算出マップ(特許文献1図1の符号1)を参照して目標駆動軸トルクを算出している。
しかしながら、たとえば、空気の希薄な高地では、エンジン特性が変化する。具体的には、例えばスロットル開度全開時に平地では300N・m(ニュートン・メートル)のトルクをエンジンが出力するとき、高地では220N・mしか出なかったとする。
図11は、高地と平地でのアクセル開度に対する駆動力の差を説明するための図である。
図11を参照して、ここで、平地ではスロットル開度が10degであったとき200N・mで高地では150N・mに出力が低下してしまうとする。このような場合、アクセルペダル位置をそのまま平地と同様に目標駆動力とみなして制御すると平地でスロットル開度10degに相当する位置までアクセルペダルを踏み込んだときに、高地ではシステムは破線で示すように、実際のスロットル開度を全開近くまで開いて200N・mの目標トルクを実現しようとする。
すると、アクセルの踏みしろにまだ残りがある場合でも既に実際のスロットルは全開になっているためアクセルを踏んでもエンジントルクが増加しない不感帯領域ができてしまう。
このような場合ではかえって運転者の加速要求に対応できない領域がある。高地等でエンジントルクが低下した場合、トルクコンバータ容量がエンジン特性に対して相対的に高容量となる。すると、トルクコンバータが滑らないことによりエンジン回転数が上がらず、このためエンジントルクが低下しその結果タービントルク(∝駆動力)がさらに上がらないという結果を生ずることがある。
特に、タービン回転数が低い発進時や、高速側ギヤでの定常走行からの再加速時に、エンジントルクの低下割合以上に駆動力が低下する傾向がある。
ここで、エンジントルクの低下に対して、1)補正をしない場合、2)エンジントルク要求値を最大エンジントルクで補正する場合、3)タービントルク要求値を最大タービントルクで補正する場合、の各場合の特性について検討する。
1)補正をしない場合では、長所としては、ある程度のアクセル開度までは通常と同じ駆動力が得られる点が挙げられる。逆に短所としては、ある程度以上のアクセル開度では駆動力が増加せずにドライバの要求に沿わなくなる点が挙げられる。
2)エンジントルク要求値を最大エンジントルクで補正する場合では、長所としては従来の車両程度の特性を実現できる点が挙げられる。逆に短所としては、発進や再加速等で車両駆動力が不足する点が挙げられる。
3)タービントルク要求値を最大タービントルクで補正する場合では、長所としてはタービン回転数が低い場合の駆動力特性の悪化を改善できる点が挙げられる。逆に短所としては、目標タービントルク(∝目標駆動力)が出力できるように、エンジン回転速度が高い場合と比較してエンジン回転速度が低い場合に高いエンジントルクを要求することになる。するとエンジン回転の速度変化やエンジントルクの低下割合の予測誤差といったバラツキの影響を受けて駆動力特性がドライバの要求に沿わなくなる。
この発明の目的は、エンジン特性が標準的な状態から変化した場合でもドライバの要求に沿う駆動力特性を得られるように、エンジントルク要求値やタービントルク要求値を補正した場合における特性のバランスのとれた走行が可能なエンジン制御装置を提供することである。
この発明は、要約すると、エンジン出力がトルクコンバータを介して駆動輪に出力される車両のエンジン制御装置であって、エンジンとトルクコンバータの関連特性値を、車両に対する駆動力要求値とトルクコンバータのタービン回転数とに応じて設定する特性設定手段と、エンジントルクの低下状態に応じて特性設定手段により設定された関連特性値を変更する特性値変更手段と、変更後の関連特性値に基づいてトルク目標値を算出する目標トルク算出手段と、トルク目標値に応じてエンジンを制御する制御手段とを備える。
好ましくは、特性設定手段は、駆動力要求値とトルクコンバータのタービン回転数に応じて設定された関連特性値に基づいてエンジントルク暫定値を算出する。エンジン制御装置は、駆動力要求値に基づいてエンジントルク推定値を算出するエンジントルク推定手段と、エンジントルク推定値とエンジントルク暫定値との比較からエンジントルクの変化状態を演算する変化状態演算手段とをさらに備える。
より好ましくは、特性設定手段は、関連特性値に基づいて所定のエンジン回転数におけるエンジントルク暫定値を算出する。エンジントルク推定手段は、エンジントルク暫定値を算出する際に採用された所定のエンジン回転数に応じてエンジントルクを推定する。
本発明によれば、エンジントルクの低下状態に応じて関連特性値が変更されるため、エンジントルクの変化があっても車両に対する要求駆動力に合ったエンジン制御が可能となり、所望の駆動力が確保される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図中同一または相当部品には同一の符号を付して説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態にかかるエンジン制御装置を搭載する車両のブロック図である。
図1を参照して、車両10は、エンジン12と、トルクコンバータ14と、自動変速機16と、制御装置80とを含む。
エンジン12は、ガソリン等を燃料とする内燃機関であって燃料の燃焼により駆動トルクを発生させる駆動力源である。
エンジン12により発生された駆動トルクは、流体伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に伝達され出力軸18から図示しない終減速装置および車軸等を介して駆動輪に伝達される。以下本実施の形態においては、駆動力Fは駆動輪の接地面上に働く駆動力および制動力をいうものとする。
自動変速機16は、複数のギヤ段が選択的に切換えられる有段式の自動変速機であり、たとえば前進6段、後退1段およびニュートラルのいずれかが選択され、各ギヤ段の変速比に応じた速度変換が行なわれる。
エンジン12には、吸気管24および排気管26が設けられる。吸気管24にはスロットルアクチュエータ28およびスロットルポジションセンサ48によって開閉制御される電子スロットル弁30が設けられる。電子スロットル弁30は、基本的には、スロットル開度θTHが運転者の出力要求量を示すアクセル開度Accに対応する開度となるように制御される。電子スロットル弁30を通過した吸気に対し燃料を噴射する燃料噴射弁52が吸気管24に設けられている。
制御装置80は、制御ブロックとしてエンジン制御部82と、変速制御部84と、目標トルク決定部88とを含む。なお、制御装置80は、内部にプログラムや各種マップを格納するメモリやマイクロコンピュータを内蔵するECU(Electrical Control Unit)であり、このECUによって制御ブロックの機能が実現される。
車両10は、さらに、回転センサ32,34,36と、アクセルペダル44と、アクセルポジションセンサ46と、シフトレバー40と、シフトポジションセンサ42とを含む。
回転センサ32は、エンジン12の出力軸の回転数NEを検出してエンジン制御部82に出力する。回転センサ34は、トルクコンバータ14のタービン回転数NTを検出して目標トルク決定部88に出力する。回転センサ36は、自動変速機16の出力軸18の回転数NOUTを検出して目標トルク決定部88に出力する。
アクセルポジションセンサ46は、アクセルペダル44の踏込み量に対応するアクセル開度Accを検出して目標トルク決定部88に出力する。シフトポジションセンサ42は、シフトレバー40によって選択された変速レンジを示す信号PSHを目標トルク決定部88に出力する。
車両10には、アクセル操作量に拘わらず車速を制御する自動車速制御機能、すなわちいわゆるクルーズコントロールを実行する機能が備えられている。車両10は、自動車速制御機能に関連する装置として、設定する車間距離を切替える車間距離切替スイッチ58と、クルーズコントロール機能の最高車速等を設定するクルーズコントロールスイッチ56と、車間距離を検知するためのレーザーレーダセンサ60およびディスタンスコントロールECU86とを含む。
車間距離切替スイッチ58からは設定された車間距離が目標トルク決定部88に出力され、ディスタンスコントロールECU86からは検出された車間距離Dが目標トルク決定部88に出力され、クルーズコントロールスイッチ56からは設定された目標車速V_Tおよびクルーズコントロール機能の有効への遷移トリガを示す信号C/Cが目標トルク決定部88に出力される。遷移トリガを示す信号C/Cは、たとえば、ブレーキが踏まれるとキャンセルされる。
目標トルク決定部88は、大気圧PAIR、タービン回転数NT、出力軸回転数NOUT、アクセル開度Acc、シフトレンジを示す信号PSHおよびクルーズコントロールに関連するパラメータに応じて、目標エンジン回転数NE_Tおよび目標エンジントルクTE_Tをエンジン制御部に出力し、目標ギヤ比GR_Tを変速制御部84に出力する。
なお、大気圧PAIRは、大気圧センサで検知してもよいし、またはエアーフローメータでの吸気量の変化から予測して求めてもよい。
エンジン制御部82および変速制御部84は、連携してエンジン12及び自動変速機16に対する制御量を決定する。エンジン制御部82は、エンジンの点火時期TF、燃料噴射時期TIを決定し、またスロットルポジションセンサ48からのスロットル開度θTHを監視しつつスロットルアクチュエータ28に駆動信号TAを送信する。変速制御部84は、自動変速機16のシフト動作を油圧で行なわせるソレノイド弁に対して制御信号SCを出力する。
図2は、図1における制御装置80の制御構造を示したブロック図である。
図2を参照して、制御装置80は、エンジン出力がトルクコンバータを介して駆動輪に出力される車両のエンジン制御装置であって、目標トルク決定部88と、エンジン制御部82と、変速制御部84とを含むものである。
目標トルク決定部88では、以下の処理が行なわれる。
図2において、アクセル開度Accは、アクセルポジションセンサ46の出力である。トルクコンバータ14の現在のタービン回転数NTは、自動変速機16の出力軸回転数NOUT×現在選択されているギヤ比GR、または回転センサ34の出力から得られる。
図3は、非線形マップ100を示した図である。
基準スロットル値TA_Sは、アクセルポジションセンサ46の出力するアクセル開度Accを図3の非線形マップ100で変換したスロットル開度であり、実際のスロットル開度ではなく制御上の中間パラメータである。
図4は、特性マップ102の一部を示した図である。
図4の特性マップ102は、エンジンとトルクコンバータの関連特性値を、車両に対する駆動力要求値を示すパラメータである基準スロットル値TA_Sとトルクコンバータのタービン回転数NTとに応じて設定する。
特性マップ102によって、駆動力要求値を示すパラメータである基準スロットル値TA_Sとトルクコンバータのタービン回転数NTとに応じて、エンジントルク暫定値であるノミナルエンジントルクTE_NOMが算出される。
ノミナルエンジントルクTE_NOMは、標準的なエンジン特性およびトルクコンバータ特性を組合わせて得られた特性マップ102にタービン回転数NTと基準スロットル値TA_Sとを入れて求めたエンジントルクである。標準的なエンジン特性およびトルクコンバータ特性を組合わせて得られた特性マップ102とは、タービン回転数NTと基準スロットル値TA_Sが決定されると、トルクコンバータがバランスしたときのエンジン回転数、エンジントルク、タービントルクが一意に決定するため、この関係をマップ化したものである。つまり、この特性マップ102は、エンジントルク特性とトルクコンバータ特性とを合わせて導き出したトルクと回転のバランス点を表す特性マップであり、タービントルクTTと同時にエンジントルクTEとエンジン回転数NEを直接求めることができる。
図5は、特性マップ102の他の一部を示した図である。
ノミナルエンジン回転数NE_NOMは、図5の特性マップ102にタービン回転数NTと基準スロットル値TA_Sとを入れて求めた標準的なエンジン特性におけるエンジン回転数である。
特性マップ102によって、関連特性値に基づいて所定のエンジン回転数NE_NOMにおけるエンジントルク暫定値TE_NOMが算出される。
図6は、実トルク予測部103の処理を示したブロック図である。
実トルク予測部103は、エンジントルク暫定値TE_NOMを算出する際に採用された所定のエンジン回転数NE_NOMに応じてエンジントルクを推定し、駆動力要求値を示すパラメータである基準スロットル値TA_Sに基づいてエンジントルク推定値TE_Aを算出する。
エンジントルク推定値TE_Aは、大気圧、点火時期、フリクション等を図6の実トルク予測部103で考慮して推定したエンジントルクである。
まず、大気圧1.0のマップ200に基準スロットル値TA_Sと所定のエンジン回転数NE_NOMが入力され吸入空気量GN(1.0)を求める。次に演算部201において大気圧PAIRと吸入空気量GN(1.0)との演算が行なわれ、大気圧PAIRにおける吸入空気量GNが求められる。この吸入空気量GNを入力としてマップ202を参照しエンジントルクTE1が求められ、演算部203において現在の点火時期に対応するトルク比TRSが積算されエンジントルクTE2が求められる。
さらに演算部204においてエンジントルクTE2からオイルポンプ、オルタネータ、エアコン等におけるフリクションの損失分のトルクTE_ROSSが減算されエンジントルク推定値TE_Aが求められる。
図2の変化状態演算部104は、エンジントルク推定値TE_Aとエンジントルク暫定値であるノミナルエンジントルクTE_NOMとの比較からエンジントルクの変化状態であるトルク割合TRを演算する。
変化状態演算部104で参照されるトルク割合TRは、標準条件のエンジントルクに対してどれくらい実際のエンジントルクが低下するかの割合であり、TR=エンジントルク推定値TE_A÷ノミナルエンジントルクTE_NOM、であらわされる。
図7は、図2の特性値変更部105で用いられるマップを示す図である。
特性値変更部105は、エンジントルクの低下状態を示すトルク割合TRに応じて特性マップ102により設定された関連特性値を変更する。具体的には、図7に示すように、特性値変更部105は、特性マップ102と同様の条件で得られたマップと、トルク割合TRが0.9,0.8,0.7…と低下した複数のマップとを含んでおり、入力されたトルク割合TRに対応するマップを参照しベースタービントルクTT_Bを出力する。
図7のトルク割合が低くなった状態のマップをどうやって予め求めておくかを簡単に説明する。部屋の大気圧を低くして実際にエンジンをベンチで動かしてデータを取ることも可能であるが、本実施の形態では、スロットルである程度補正できるエンジントルク特性と、補正できないハード特性を考慮し、無理のない範囲で要求駆動力を補正することができればよいので、厳密なエンジン特性を反映させる必要はない。
具体的には、大気圧の変化に対する空気密度を理論値で推定し、通常環境で測定する空気量とエンジントルクとの関係から、大気圧低下時のエンジントルク特性を推定してエンジントルク特性を設定する。
そしてこの設定したエンジントルク特性にトルクコンバータ特性を加味して、各トルク割合TRごとのタービントルク特性を机上で計算してマップを設定することができる。
また、ノミナルエンジントルク特性に関しても厳密に実機とあっている必要もなく、スロットル挙動、燃費、排気規制等の許容する範囲内であれば、同一スロットル開度のままでは実現できない加工したトルク特性をノミナルエンジントルク特性に設定することも可能である。
一方で、図2の目標駆動力算出部110では、アクセル開度Accと出力軸回転数NOUTに基づいてアクセル開度からの目標駆動力F_B1を出力する。
目標選択ギヤ比GR_Tは、目標トルク決定部88内のギヤ比算出部111で決定される。この目標選択ギヤ比GR_Tの算出パラメータは、アクセル開度Acc、出力軸回転数NOUT、シフトレバー位置、および目標駆動力F_B1である。
実際のギヤ比GRは、実ギヤ比演算部112においてタービン回転数NT、出力軸回転数NOUTおよび目標選択ギヤ比GR_Tに基づいて算出される。
「駆動系+車両」モデル106,108および駆動力調停部107は、目標トルク算出手段に該当し、変更後の関連特性値に基づいてトルク目標値TT_Tを算出する。
「駆動系+車両」モデル106は、ベースタービントルクTT_Bおよび実ギヤ比GRを入力として受け、ベース駆動力F_Bを出力する。駆動力調停部107は、ベース駆動力F_Bおよびクルーズコントロールその他の要求目標駆動力F1〜Fnのうちから目標駆動力F_Tを選択する。「駆動系+車両」モデル108は、目標駆動力F_Tおよび実ギヤ比GRを入力として受け、トルク目標値TT_Tを出力する。
図2の駆動系+車両モデル106での変換処理について説明する。駆動力Fは、次式(1)で表される。
F=((TT_B−NOUT*GR*K1−TT*K2−C)*GR*DR/r−K3*NOUT2−K4−K5/r)*W/(W+W1)+K3*NOUT2+K4 …(1)
ただし、TT_Bはベースタービントルク、NOUTは出力軸回転数、GRはギヤ比、K1は損失係数の一種である回転項、TTはタービントルク、K2は損失係数の一種であるトルク項、Cは損失係数の一種である定数項、DRはデフ比、rはタイヤ半径、K3は走行抵抗係数、K4は転がり抵抗、K5はブレーキ引き摺り量、Wは車重、W1はイナーシャ換算重量を示す。
転がり抵抗K4は、次式(2)で算出できる。
K4=路面μ×車両重量×重力加速度 …(2)
また、走行抵抗係数K3は、次式(3)で算出できる。
K3=1/2*空気密度*CD値*全面投影面積*実験係数/3.62*(2π*60DR/1000*r)2 …(3)
さらにイナーシャ換算重量W1は、次式(4)で算出できる。
W1=(((ATI+TCI+ENGI)*GR2)+K6+K7)*DR2+(K8+K9)2*2)/r …(4)
ただし、ATIはAT内部イナーシャ、TCIはトルクコンバータイナーシャ、ENGIはエンジンイナーシャ、K6はぺラシャフト慣性、K7はデフ慣性、K8はタイヤ慣性、K9はドライブシャフト慣性である。
図2の「駆動系+車両」モデル108の出力は、特性マップ109で目標エンジントルクTE_Tおよび目標エンジン回転数NE_Tに変換される。
図8は、図2の特性マップ109を示した図である。
図8に示すように、特性マップ109は、トルク目標値TT_Tとタービン回転数NTとを受けて目標エンジン回転数NE_Tとを出力する。特性マップ109の出力はエンジン制御部82に与えられ、エンジン制御部82は、目標エンジントルクTE_Tおよび目標エンジン回転数NE_Tに応じてエンジンを制御する。
図9は、エンジン制御部82の制御構造を示すブロック図である。
図9を参照して、エンジン制御部82に与えられた目標エンジントルクTE_Tは、演算部300においてオイルポンプ、オルタネータ、エアコン等におけるフリクションの損失分のトルクTE_ROSSと加算される。そして、演算部300の出力は、演算部301に与えられ点火時期に対応するトルク比TRSで除算される。演算部301の出力を用いてマップ302が参照されて吸入空気量GNが求められ、演算部303において大気圧PAIRとの比で除算される。演算部303の出力を用いてマップ304が検索されその結果電子スロットルのアクチュエータへの駆動信号TAが求められる。
図10は、図1の制御装置80で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2で示された制御ブロック図に対応するものである。エンジン制御のメインルーチンから、図10のフローチャートの処理が一定時間毎あるいは所定の条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図10を参照して、まず、ステップS100において、アクセル開度Accに基づきマップを参照して基準スロットル値TA_Sが算出される。
続いて、ステップS101において、出力軸回転数NOUT×選択ギヤ比GRが演算される。タービン回転数NTは、求められた値と回転センサ34の出力のいずれかに設定される。
ステップS102では、基準スロットル値TA_S、タービン回転数NTに基づいて標準条件におけるマップを参照して、ノミナルエンジントルクTE_NOM、ノミナルエンジン回転数NE_NOMが算出される。
続いて、ステップS103において、基準スロットル値TA_S、ノミナルエンジン回転数NE_NOMに大気圧PAIR、点火時期TF、負荷を考慮してエンジントルク推定値TE_Aを算出する。
さらにステップS104においてエンジントルク推定値TE_A÷ノミナルエンジントルクTE_NOMが演算され、トルク割合TRが求められる。求められたトルク割合TRに基づきステップS105において対応するマップが選択され、基準スロットル値TA_S、タービン回転数NTに基づきマップを参照してベースタービントルクTT_Bが算出される。
ベースタービントルクTT_BはステップS106で「駆動系+車両」モデルによってベース駆動力F_Bに変換される。そして、ステップS107においてクルーズコントロールスイッチ等の設定に基づき、他の運転アシスト系からの目標駆動力F1〜Fnとベース駆動力F_Bのいずれを目標駆動力とするかが決定され、駆動力の調停が行なわれる。
そして、ステップS108では、「駆動系+車両」モデルで目標駆動力F_Tが目標タービントルクTT_Tに再変換され、さらにステップS109において目標タービントルクTT_T、タービン回転数NTに基づきトルクコンバータ特性マップが参照され、目標エンジン回転数NE_Tが算出される。そしてステップS110において、目標エンジントルクTE_T、目標エンジン回転数NE_Tがエンジン制御部82に指示される。
以上説明したように、本実施の形態では、エンジントルクの低下状態に応じて関連特性値が変更されるため、エンジントルクの変化があっても車両に対する要求駆動力に合ったエンジン制御が可能となり、所望の駆動力が確保される。たとえば、図11の実線で示されるように、トルク割合0.7のマップが参照されることにより、不感帯をなくすことができ、全アクセルペダル範囲において加速の応答があるように設定を行なうことが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態にかかるエンジン制御装置を搭載する車両のブロック図である。 図1における制御装置80の制御構造を示したブロック図である。 非線形マップ100を示した図である。 特性マップ102の一部を示した図である。 特性マップ102の他の一部を示した図である。 実トルク予測部103の処理を示したブロック図である。 図2の特性値変更部105で用いられるマップを示す図である。 図2の特性マップ109を示した図である。 エンジン制御部82の制御構造を示すブロック図である。 図1の制御装置80で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 高地と平地でのアクセル開度に対する駆動力の差を説明するための図である。
符号の説明
10 車両、12 エンジン、14 トルクコンバータ、16 自動変速機、18 出力軸、24 吸気管、26 排気管、28 スロットルアクチュエータ、30 電子スロットル弁、32,34,36 回転センサ、40 シフトレバー、42 シフトポジションセンサ、44 アクセルペダル、46 アクセルポジションセンサ、48 スロットルポジションセンサ、52 燃料噴射弁、56 クルーズコントロールスイッチ、58 車間距離切替スイッチ、60 レーザーレーダセンサ、80 制御装置、82 エンジン制御部、84 変速制御部、86 ディスタンスコントロールECU、88 目標トルク決定部、100 非線形マップ、102,109 特性マップ、103 実トルク予測部、104 変化状態演算部、105 特性値変更部、106,108 駆動系+車両モデル、107 駆動力調停部、110 目標駆動力算出部、111 ギヤ比算出部、112 実ギヤ比演算部、200,202,302,304 マップ、201,203,204,300,301,303 演算部。

Claims (3)

  1. エンジン出力がトルクコンバータを介して駆動輪に出力される車両のエンジン制御装置であって、
    前記エンジンと前記トルクコンバータの関連特性値を、車両に対する駆動力要求値と前記トルクコンバータのタービン回転数とに応じて設定する特性設定手段と、
    エンジントルクの低下状態に応じて前記特性設定手段により設定された関連特性値を変更する特性値変更手段と、
    変更後の関連特性値に基づいてトルク目標値を算出する目標トルク算出手段と、
    前記トルク目標値に応じてエンジンを制御する制御手段とを備える、エンジン制御装置。
  2. 前記特性設定手段は、前記駆動力要求値と前記トルクコンバータのタービン回転数に応じて設定された関連特性値に基づいてエンジントルク暫定値を算出し、
    前記エンジン制御装置は、
    前記駆動力要求値に基づいてエンジントルク推定値を算出するエンジントルク推定手段と、
    前記エンジントルク推定値と前記エンジントルク暫定値との比較からエンジントルクの変化状態を演算する変化状態演算手段とをさらに備える、請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記特性設定手段は、前記関連特性値に基づいて所定のエンジン回転数におけるエンジントルク暫定値を算出し、
    前記エンジントルク推定手段は、前記エンジントルク暫定値を算出する際に採用された前記所定のエンジン回転数に応じてエンジントルクを推定する、請求項2に記載のエンジン制御装置。
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