JP2006266108A - 排気温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、構造が簡素で制御が容易な排気温度制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の排気温度制御装置1は、内燃機関E1に接続された排気通路12と、排気G0を浄化する主排気浄化触媒14と、排気通路12において主排気浄化触媒14より上流に介装され、排気G0を浄化する副排気浄化触媒16と、排気通路12に酸素富化空気AOを供給する酸素富化空気供給手段18と、排気通路内へ燃料Fを供給する燃料供給手段20とを備える。酸素富化空気供給手段18は、吸気通路22の部位18aで分岐し排気通路12の副排気浄化触媒16より上流の部位18bで合流する酸素富化空気流路24と、この酸素富化空気流路24に介装され、吸入空気Aを加圧して加圧空気Aとする加圧手段Pと、この加圧空気Aの気体成分を分離して酸素富化空気AOとする成分分離手段26とを備えている。また、この成分分離手段26はゼオライト膜を基材表面に一体的に形成したハニカム構造体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の排気を浄化する技術に関し、特に内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒を早期に活性化させる排気温度制御装置に関する。
近年、自動車に搭載される内燃機関では、排気中に含まれる有害ガス成分を十分に浄化した上で大気中に放出することが要求されている。このような要求に対し、内燃機関の排気通路に排気浄化触媒を設け、その排気浄化触媒によって排気中に含まれる有害ガス成分を浄化する技術が提案されている。
浄化触媒としては、例えば、三元触媒、吸蔵還元型NOx触媒、酸化触媒、もしくは、これらの排気浄化触媒を適宜組み合わせてなる排気浄化触媒など、多種多様の排気浄化触媒が開発されている。
上記した排気浄化触媒は、いずれも所定温度以上で活性して排気中の有害ガス成分を浄化することが可能となるため、内燃機関が冷間始動された場合のように排気浄化触媒の温度が所定温度未満であるような場合には排気中の有害ガス成分を十分に浄化することができない。
特に、内燃機関が冷間始動された場合は、筒内の温度が低く混合気の燃焼が不安定となりやすいため、比較的多量の未燃焼燃料成分が排出されるが、その際に排気浄化触媒が未活性状態にあると比較的多量の未燃焼燃料成分が浄化されずに大気中に放出されることになる。
従って、内燃機関が冷間始動される場合には、排気浄化触媒を早期に活性化させて始動時及び始動直後の排気エミッションの悪化を抑制することが重要である。このような要求に対し、加熱の対象となる主排気浄化触媒より上流の排気通路に、副排気浄化触媒を設け、内燃機関から供給される燃料と空気とを副排気浄化触媒流通中に混合させることにより、燃料と空気とが十分に混ざり合った良好な可燃混合気を形成し、主排気浄化触媒直前に設けた着火手段でこの可燃混合気に着火して燃焼させ主排気浄化触媒へ流入する排気を昇温させる内燃機関の触媒昇温装置が知られている(特許文献1参照)。
しかし、このような触媒昇温装置においては、低温始動時などの排気温度が低い場合には、副排気浄化触媒が活性化されないために副排気浄化触媒の排気浄化作用を期待できない。また、可燃混合気に着火する着火手段を必要とするとともに昇温後には可燃混合気を掃気しなければならないなど、その構成や制御が複雑であるという課題がある。
特開2001−193444号公報
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたもので、構造が簡素で制御が容易な排気温度制御装置を提供することを課題とする。
本発明者は排気中の酸素濃度を高めることによって、低温でも触媒反応が開始することに着目した。図2は空気中の酸素濃度と三元触媒の触媒反応開始温度との関係を示すグラフである。通常、空気の酸素濃度は約20体積%(以下、特に断りのない限り%は体積%である。)であり、三元触媒では空気温度が250℃以上でなければ触媒反応は開始しない。しかし、図2から分かるように約30%の酸素濃度では触媒反応は200℃で開始する。すなわち、酸素濃度が30%の酸素富化空気を用いることで触媒反応の開始温度を50℃低下させることが可能であり、低温時の触媒反応を活性化することができる。このような知見をガソリンエンジンに適用すれば、低温始動時にまず酸化触媒を活性化してその反応熱で早期に排気を昇温して以降の排気浄化触媒の触媒活性を向上することができ、また、デーゼルエンジンでは酸化触媒付きのDPFに堆積する煤などのPMを低温から燃焼して昇温に必要な燃料添加量を少なくすることができる。
すなわち、本発明の排気温度制御装置は、内燃機関に接続された排気通路と、この排気通路に介装され、排気通路内を流通する排気を浄化する主排気浄化触媒と、排気通路において主排気浄化触媒より上流に介装され、排気通路内を流通する排気を浄化する副排気浄化触媒と、排気通路においてこの副排気浄化触媒より上流に酸素富化空気を供給する酸素富化空気供給手段と、副排気浄化触媒より上流の排気通路内へ燃料を供給する燃料供給手段とを備えることを特徴とする。
このように構成された本発明の排気温度制御装置では、主排気浄化触媒を加熱する必要がある場合には、酸素富化空気と燃料との混合空気が副排気浄化触媒に供給されることになる。このような混合空気が副排気浄化触媒に供給されると、供給された空気は酸素濃度が高いので副排気浄化触媒は低温で触媒反応を開始することができ、排気中の未燃焼炭化水素や一酸化炭素を酸化して発熱し排気ガスを昇温させる。この結果、主排気浄化触媒は早期に活性温度域にまで昇温されることになる。
本発明の排気温度制御装置において、酸素富化空気供給手段は、内燃機関に接続された吸気通路から分岐し排気通路の副排気浄化触媒より上流の部位で合流する酸素富化空気流路と、この酸素富化空気流路に介装され、吸気通路から空気を吸入しこの吸入空気を加圧して加圧空気とする加圧手段と、この加圧空気の気体成分を分離して加圧空気を酸素富化空気とする成分分離手段と、この成分分離手段の下流に配置され酸素富化空気の排気通路への流入を制御する制御弁と、を備えることが望ましい。
このように構成された酸素富化空気供給手段では、酸素富化空気を必要に応じて即座に副排気浄化触媒に供給することができるので排気温度を容易に上昇させることができる。
また、本発明の排気温度制御装置の酸素富化空気供給手段において、成分分離手段は、加圧空気中の酸素と窒素とを分離するゼオライト膜を基材表面に一体的に形成したハニカム構造体であることが望ましい。
本発明の排気温度制御装置においては、成分分離手段に空気中の酸素または窒素のいずれかを選択的に透過するゼオライト膜を備えている。ゼオライト膜はその細孔径を選択することで分子の大きさにより気体成分を分離する分子ふるいとしての機能を有しており、ゼオライト膜を介して酸素富化空気と窒素富化空気とを造ることができる。
また、ゼオライト膜は気体成分によって異なる吸着特性を有する。すなわち、空気中の窒素と酸素とではゼオライトへの吸着特性は大きく異なり、ゼオライト膜へ流入する空気の圧力を増加するとゼオライトへの窒素吸着量は飛躍的に増大するが、酸素の吸着量の増加は非常に小さい。つまり、空気を加圧することでゼオライト膜により酸素富化空気と窒素富化空気とを得ることができる。
さらに、成分分離手段はゼオライト膜を有するハニカム構造体であるので、単位体積当たりの気体成分の分離効率が高いので、酸素富化空気供給手段を極めてコンパクトにすることができる。
また、ハニカム構造体のセル密度は400〜900個/inch2であることが好ましい。ハニカム構造体のセル密度をこのような範囲とすることで、透過面積が大きく、かつ空気の圧力損失の少ない成分分離手段とすることができる。
ゼオライト膜は孔径が0.35〜0.7nmの細孔を有することが望ましい。このような細孔径のゼオライト膜により空気中の酸素と窒素とを効率よく分離して酸素濃度の高い酸素富化空気を得ることができる。
また、ゼオライト膜を支持しハニカム構造体を形成する基材は、多孔質のセラミックであることが望ましく、中でも、コージュライトが好適である。コージェライトは良好な成形性を有し、原料の配合や焼成方法などにより容易に所望の通気性や強度を得ることができかつ安価であるので優れた基材である。
このような基材は、径が10〜50μmの細孔を有することが望ましい。径が10〜50μmの細孔とすることで空気の圧力損失が小さくかつ所定の強度を有するハニカム構造体を形成することができる。
以下本発明の好適な実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に本発明の第1の実施の形態である排気温度制御装置1の概略構成を示す。図1は、排気温度制御装置1を装着した筒内噴射方式のガソリンエンジンの一例である。本発明の排気温度制御装置1は、内燃機関E1に接続された排気通路12と、この排気通路12に介装され、排気通路内を流通する排気G0を浄化する主排気浄化触媒14と、排気通路12において主排気浄化触媒14より上流に介装され、排気通路内を流通する排気G0を浄化する副排気浄化触媒16と、排気通路12においてこの副排気浄化触媒16より上流に酸素富化空気AOを供給する酸素富化空気供給手段18と、副排気浄化触媒16より上流の排気通路内へ燃料Fを供給する燃料供給手段20とを備える。
そして、酸素富化空気供給手段18は、内燃機関E1に接続された吸気通路22の部位18aで分岐し排気通路12の副排気浄化触媒16より上流の部位18bで合流する酸素富化空気流路24と、この酸素富化空気流路24に介装され、吸気通路22から空気Aを吸入しこの吸入空気Aを加圧して加圧空気Aとする加圧手段Pと、この加圧空気Aの気体成分を分離して加圧空気Aを酸素富化空気AOとする成分分離手段26とを備えている。また、この成分分離手段26の下流には、酸素富化空気AOの排気通路12への流入を制御する制御弁28と、成分分離手段26の上流には窒素富化空気ANの外部への放出を制御する制御弁30とが設けられている。
なお、図中、3はシリンダ、5はピストン、7は燃焼室、9は燃料インジェクタ、11は吸気Aを調整するスロットル弁、13は点火栓、15は排気弁である。また、17は副排気浄化触媒16から流出し主排気浄化触媒14へ流入する排気G1の温度を測定する温度センサである。
温度センサ17は制御手段32に接続されており、測定結果を入力情報として制御手段32のECUなどへ入力する。このような制御手段32は、上記の測定結果の他に冷却水の温度T1やエンジンオイルの温度T2などを入力情報として、所定の演算処理により制御弁28の開閉や加圧手段P(ポンプ)のON・OFFなどを出力情報として指示して排気G1の温度を制御する。
以上のような構成を持つ本発明の排気温度制御装置1によれば、吸入空気Aは加圧手段であるポンプPによって酸素富化空気流路24へ流入し加圧されて成分分離手段26へ流入する。成分分離手段26は後述するゼオライト膜を備えており、このゼオライト膜は酸素分子は透過できるが窒素分子は透過できない分子ふるい窒素透過膜であるので、加圧空気A中の酸素分子は透過して成分分離手段26の下流で酸素富化空気AOとなる。しかし、窒素分子は透過できないので成分分離手段26の上流側に滞留して窒素富化空気ANとなる。このようにして得られた酸素富化空気AOは必要に応じて制御弁28を開弁することで排気通路12へ供給される。排気通路12へ供給された酸素富化空気AOは、燃料供給手段20から噴射される燃料Fと混合して副排気浄化触媒16へ流入し、触媒反応により低温で燃料を燃焼(酸化)させ排気G0を昇温して未燃焼の炭化水素や一酸化炭素を燃焼除去した高温の排気G1とする。排気G1は主排気浄化触媒14へ流入し触媒反応により無害化された排気G2となって外部へ放出される。なお、酸素富化空気AOの酸素濃度は加圧手段Pの加圧力に比例して増加させることができるが、25〜40%であることが望ましい。酸素濃度が25%未満では十分な触媒反応開始温度の低下が得られず40%を越えて高い酸素濃度を得るには酸素富化空気供給手段が大型化するので適当ではない。
ここで、副排気浄化触媒16は、コージェライトなどのセラミック担体の表面にコーティングされた触媒層を形成し、触媒層が多数の細孔を有する多孔質のアルミナ(AL23)の表面に白金−ロジウム(Pt−Rh)系あるいはパラジウム−ロジウム(Pd−Rh)系の貴金属触媒を担持させた三元触媒である。
このように構成された副排気浄化触媒16は、所定温度以上の時に活性し、この触媒に流入する排気の空燃比が所望の空燃比近傍にあると、排気中に含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を排気中の酸素O2と反応させてH2O及びCO2へ酸化すると同時に、排気中のNOxを排気中のHCおよびCOと反応させてH2O、CO2、N2へ還元する。
また、主排気浄化触媒14は、副排気浄化触媒16と同様の多孔質の担体と、この担体の表面に形成された触媒層とからなるウォールフロー型(後述する)の排気浄化触媒である。担体としては、多孔質のセラミックやゼオライトなどを例示することができ、触媒層としては、多孔質のアルミナ(AL23)の表面に白金−ロジウム(Pt−Rh)系あるいはパラジウム−ロジウム(Pd−Rh)系の貴金属触媒を担持させて形成されたもの、または、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)やカルシウム(Ca)などのアルカリ土類と、ランタン(La)やイットリウム(Y)などの希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)などの貴金属類とからなるものなどを例示することができる。
このように構成された主排気浄化触媒14では、流入した排気G1は、担体壁面の細孔を通過する際に、排気中に含まれる煤や未燃焼燃料成分などの粒子状物質が担体によって捕集されると共に、排気中に含まれる有害ガス成分が担体表面の触媒層にて浄化され、排気G1を無害化して排気G2とすることができる。
次に、酸素富化空気供給手段18の成分分離手段26について図3および図4を参照しながら詳細に説明する。
成分分離手段26は、図3(a)に示すように外殻52と多数のセル54とを一体的に形成したハニカム構造体Hである。
図3(b)はハニカム構造体Hの軸方向の部分断面を模式的に示したものである。ハニカム状に形成された各セル54は、その一端側を封止し他端側は開口のままとして、ハニカム構造Hの端面Xにおいて、各セル54の封止部56と開口部58とが千鳥状に交互に並列するように形成されている。つまり、ハニカム構造体Hは、各セル54の封止部56によってハニカム構造体Hの一端X側から他端X’側への空気の自由な流通を阻止するように形成されているウォールフロー型の構造体である。
ハニカム構造体Hのセル54は、図3(c)に示すように、正方形(ア)、六角形(イ)、三角形(ウ)など適宜の形状とすることができるが、端面X、X’におけるセル密度は、400〜900個/inch2(62〜140個/cm2)であることが望ましい。セル密度が400個/inch2未満では、酸素分子の透過面積が不十分であり成分分離手段を小型化できない。また、900個/inch2を越えると流通する空気の圧力損失が大きくなるので好ましくない。より好ましくは400〜600個/inch2(62〜93個/cm2)である。
このようなハニカム構造体Hにおいて、セル隔壁60の厚さは0.05〜1.0mmであることが望ましい。セル隔壁60の厚さが0.05mm未満では強度的に不十分であり、また1.0mmを越えて厚い場合には、同じ表面積を得るためにはハニカム構造体Hが大きく重くなるので適当ではない。
図3(b)に示すように、ハニカム構造体Hの隔壁60の表面には、加圧空気A中の酸素分子O2を選択的に透過して分離するゼオライト膜62が基材(以後、隔壁と称することもある)60と一体的に形成されている。ゼオライト膜62は加圧空気Aの流れに対して隔壁60の上流側に形成されており、ゼオライト膜62を透過した酸素分子O2は多孔質の基材からなる隔壁60の通孔を通ってハニカム構造体Hの下流側に富化される。
ゼオライト膜62は、耐熱性の高い分子ふるい膜である。ゼオライトは分子サイズの細孔径を有した結晶性無機酸化物であり、細孔径を選択することで分子径の異なる気体成分を選別することができる。
図4は、ゼオライトの分子ふるい膜62で空気中の酸素分子O2と窒素分子N2とを分離する様子を概念的に示したものである。空気中には酸素O2、窒素N2、二酸化炭素CO2、水蒸気H2Oなど多くの気体成分が混在している。ところが、これらの各気体成分は分子レベルで大きさが異なり、周知のようにその分子径は、水蒸気<二酸化炭素<酸素<窒素の順に大きい。酸素の分子径は約0.35nmであり窒素のそれは0.37nmである。従って、分子ふるい膜(ゼオライト膜)62の細孔径を酸素の分子径よりも大きく、かつ窒素の分子径よりも小さくすることにより、酸素のみを透過して窒素と分離し、ゼオライト膜62の出側の空気を酸素富化空気AOに、また、入り側の空気を窒素富化空気ANとすることができる。酸素の透過効率などを考慮すると、具体的にはこの分子ふるい(ゼオライト膜)62の細孔径は0.35〜0.7nmであることが望ましく、より好ましくは0.35〜0.37nmである。
このようなゼオライト膜62の厚さは0.1〜100μmであることが望ましい。膜厚が0.1μm未満では強度不足やピンホール等の欠陥が発生することがあり、また、100μmを越えると透過するための圧力差が大きくなって適当ではない。より好ましくは1〜50μmである。
上記のように、多孔質の基材表面に一体的に形成した透過膜により、加圧空気A中の酸素を富化することができる。従って、基材は、透過膜の透過性を阻害しない程度の多孔質体であることが望ましい。このような多孔質体の材質は特に限定はなく、金属、金属酸化物などのセラミックス、カーボンおよび有機ポリマなどを用いることができる。強度や剛直性の観点からは、金属及び金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物などのセラミックスが好ましく、ゼオライト膜との熱膨張率の差が少ないこと、あるいはゼオライト膜との親和性が高いこと等を考慮すると金属としては、ステンレス製の燒結金属、金属酸化物としてはアルミナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、コージェライト、チタニア、ゼオライトまたはゼオライト類似物等を挙げることができる。中でも、多孔質のセラミックであるコージェライトは良好な成形性を有し、原料の配合や焼成方法などにより容易に所望の通気性(通孔径や通孔密度など)や強度を得ることができるので好適である。このような多孔質体の平均通孔径は100μm以下が強度的に好ましく、更に好ましくは50μm以下である。
以上のような第1の実施の形態の排気温度制御装置は、制御手段(以後、ECUという)32により図8のフローチャートに示すように排気G1の温度を制御することができる。
まず、運転者がイグニションキーをONすると(ステップS1)、ECUは、エンジンE1の冷却水温T1と油温T2とを測定する(ステップS2)。
次に、ECUは測定された冷却水温T1と油温T2とが所定の低温始動範囲にあるか否かを判定し(ステップS3)、冷却水温T1と油温T2とのいずれかが所定の低温始動範囲であれば(例えば、T1<80℃、T2<60℃)(ステップS3でYES)、ポンプPを駆動して吸気Aを酸素富化空気流路24へ取り込むと同時に加圧を開始する(ステップS4)。T1とT2とのいずれもが所定の低温始動範囲でない場合には(ステップS3でNO)、ステップS13に進んで通常始動し、更に進んで通常運転する(ステップS12)。 続いて、ECUは制御弁28を開弁して酸素富化空気AOを排気通路12内へ供給する(ステップS5)。ここで、スタータをONしてクランキングを開始する(ステップS6)。
次に、ECUは燃料添加手段20で排気通路12内へ燃料Fを添加する(ステップS7)。酸素富化空気AOと燃料Fとは排気G0に混入して副排気浄化触媒16へ流入する。低温始動のため排気G0は低温であるが、酸素濃度が高いので副排気浄化触媒16は触媒反応を開始する。そして高濃度の酸素は燃料Fや排気中のHCおよびCOなどを酸化(燃焼)させて排気G0を昇温させ高温の排気G1とする。
ECUは温度センサ17で副排気浄化触媒16から排出された高温の排気G1の温度を測定し(ステップS8)、排気G1の温度が所定温度(例えば、200℃以上)であるかを判定する(ステップS9)。排気G1の温度が所定温度であれば(ステップS9でYES)、ECUは排気通路12内への燃料Fの添加を停止する(ステップS10)。排気G1の温度が所定温度でなければ(ステップS9でNO)、ステップS7へ戻って燃料F添加を継続する。
燃料F添加停止後ECUは、制御弁28を閉弁すると共に、ポンプPの駆動も停止して(ステップS11)、通常運転とする(ステップS12)。なお、この時、制御弁30を開弁して窒素富化空気ANを外部へ放出してもよい。
(第2の実施の形態)
図5に本発明の第2の実施の形態である排気温度制御装置2の概略構成を示す。図5は、排気温度制御装置2を装着したディーゼルエンジンE2の一例である。
排気温度制御装置2は、副排気浄化触媒16を触媒付きDPF16’とし、成分分離手段26を酸素富化流路24内ではなく、窒素富化空気ANを外部へ排出(掃気)する掃気流路34に配置した以外は基本的に図1に示した排気温度制御装置1と同様の構成である。従って、その他の箇所については図1と同様の符号を付して説明を省略する。
第1の実施の形態では酸素分子を透過し窒素分子を透過しないゼオライトの分子ふるい機能を利用して酸素富化空気AOを得るようにしたが、第2の実施の形態の成分分離手段26では、酸素分子と窒素分子とのゼオライトへの吸着特性の違いを利用して酸素富化空気AOを得るようにしている。
空気は主として窒素と酸素との混合物であるが、図6に示すように元素によりゼオライトへの吸着特性が大きく異なる。つまり、ゼオライト膜を透過する空気の圧力を増加すると空気中の窒素分子N2の吸着量は飛躍的に増大するが、酸素分子O2の吸着量の増加量は小さい。例えば、差圧を800torrとすると、窒素分子N2の吸着量は、約15L/kg(ただし、Lは付着する窒素分子体積、kgはゼオライトの重量である。)であるが、酸素分子O2の吸着量は約3L/kgと非常に小さく、窒素分子N2の吸着量の約1/5.4にすぎない。例えば、ハニカム構造体Hの透過膜形成側Xを加圧空気Aと接触するように配置すると(図5では下向き)、加圧空気Aはハニカム構造体Hを高圧で透過することになる。このため酸素O2はゼオライト膜側(X側)、すなわち酸素富化流路24内に富化され、窒素富化空気ANは掃気流路34から外部へ放出されることになる。
図7にゼオライト膜62の吸着特性による酸素富化作用を模式的に示す。ゼオライト膜62はセルの隔壁60の表面に形成されており、ゼオライト膜62を貫通する細孔64が多孔質からなる隔壁60の通孔66に連通している(隔壁60の通孔66は、ゼオライト膜62を貫通する細孔64よりもはるかに大径であるので図7の断面図では単に空間66としている。)。なお、加圧空気Aの圧力はゼオライト膜62の表面68側で高く隔壁60側で低くなっている。加圧空気A中の窒素分子N2(●)はゼオライトに吸着されるのでゼオライト膜表面68に濃縮される。細孔64はその径が0.3〜0.7nmと極めて小さいので、吸着された窒素はゼオライト膜前後の圧力差で細孔64の表面上を矢印Z方向に移動してゼオライト膜62を通過して窒素富化空気ANとなる。しかし、酸素分子O2(○)はゼオライト膜に吸着されにくいので細孔64を通過することなく、ゼオライト膜表面68近傍に滞留する。その結果ゼオライト膜62側の加圧空気Aは酸素富化空気AOとなる。
以上のような構成を持つ本発明の排気温度制御装置2によれば、吸入空気Aは加圧手段であるポンプPによって酸素富化空気流路24へ流入し加圧されて成分分離手段26へ流入する。成分分離手段26はゼオライト膜側を加圧空気Aと接触するように掃気通路34に配置されているので、酸素は酸素富化流路24内に富化され、窒素富化空気ANは外部へ放出される。このようにして得られた酸素富化空気AOは必要に応じて制御弁28を開弁することで排気通路12へ供給される。排気通路12へ供給された酸素富化空気AOは、燃料供給手段20から噴射される燃料Fと混合して触媒付きDPF16’へ流入し、触媒反応により低温で燃料Fと堆積しているPMとを燃焼(酸化)させ、排気G0を昇温して高温の排気G1とする。排気G1は主排気浄化触媒14へ流入しその触媒反応により無害化された排気G2となって外部へ放出される。また、制御手段32は、排気G1の温度や冷却水の温度T1、エンジンオイルの温度T2などにより制御弁28の開閉や加圧手段P(ポンプ)のON・OFFなどの時期を指示して排気G1の温度を制御する。このような本発明の排気温度制御装置2によれば、低温始動であっても触媒反応が活性化されDPFに堆積した煤などのPMを燃焼させることができ、昇温に必要な燃料添加を少なく抑制できる。
本発明の排気温度制御装置は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、図3(a)では円柱形状のハニカム構造体Hを示したが、ハニカム構造体Hを収容する酸素富化空気流路の形状に合わせて角柱形状でもその他の形状を採用してもよい。
また、ゼオライト膜の分子ふるい効果を利用した成分分離手段をガソリンエンジンE1に、ゼオライト膜の吸着特性を利用した成分分離手段をディーゼルエンジンE2に適用した実施の形態を例示したが、ゼオライト膜の吸着特性を利用した成分分離手段をガソリンエンジンE1に、ゼオライト膜の分子ふるい効果を利用した成分分離手段をディーゼルエンジンE2に適用してもよい。
本発明は車両のガソリンエンジンの排気浄化触媒の早期昇温やディーゼルエンジンの低温からのPM燃焼を可能とする排気昇温装置として好適である。
第1の実施の形態の構成を説明する概要図である。 酸素濃度と触媒反応開始温度との関係を示す概要図である。 ハニカム構造体Hの概要を説明する図である。(a)はハニカム構造体Hの斜視図であり、(b)はセルの部分断面模式図、(c)はハニカム構造体の一端面を模式的に示した正面図である。 ゼオライト膜による酸素分子O2と窒素分子N2の分離原理(分子ふるい効果)を説明する説明図である。 第2の実施の形態の構成を説明する概要図である。 ゼオライト膜に対する差圧による吸着量の変化を窒素と酸素について比較して示したグラフである。 ゼオライト膜における窒素と酸素との吸着による透過の違いを説明する断面模式図である。 第1の実施の形態の制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
12:排気通路 14:主排気浄化触媒 16:副排気浄化触媒 17:温度センサ 18:酸素富化手段 20:燃料添加手段 22:吸気通路 24:酸素富化空気流路 26:成分分離手段 28、30:制御弁 32:制御手段 54:セル 56:封止部60:隔壁 62:ゼオライト膜 64:細孔
A:吸気 AO:酸素富化空気 AN:窒素富化空気 G:排気

Claims (9)

  1. 内燃機関に接続された排気通路と、
    前記排気通路に介装され、前記排気通路内を流通する排気を浄化する主排気浄化触媒と、
    前記排気通路において前記主排気浄化触媒より上流に介装され、前記排気通路内を流通する排気を浄化する副排気浄化触媒と、
    前記排気通路において前記副排気浄化触媒より上流に酸素富化空気を供給する酸素富化空気供給手段と、
    前記副排気浄化触媒より上流の前記排気通路内へ燃料を供給する燃料供給手段と、を備えることを特徴とする排気温度制御装置。
  2. 前記酸素富化空気供給手段は、前記内燃機関に接続された吸気通路から分岐し前記排気通路の前記副排気浄化触媒より上流の部位で合流する酸素富化空気流路と、前記酸素富化空気流路に介装され、前記吸気通路から空気を吸入し該吸入空気を加圧して加圧空気とする加圧手段と、前記加圧空気の気体成分を分離して前記加圧空気を酸素富化空気とする成分分離手段と、前記成分分離手段の下流に配置され前記酸素富化空気の前記排気通路への流入を制御する制御弁と、を備える請求項1に記載の排気温度制御装置。
  3. 前記成分分離手段は、前記加圧空気中の酸素と窒素とを分離するゼオライト膜を基材表面に一体的に形成したハニカム構造体である請求項2に記載の排気温度制御装置。
  4. 前記ハニカム構造体は、一端側に封止部を他端側に開口部を有するセルの該開口部と該封止部とが交互に隣り合うように並列されている請求項3に記載の排気温度制御装置。
  5. 前記ハニカム構造体のセル密度は、400〜900個/inch2(62〜140個/cm2)である請求項3又は4に記載の排気温度制御装置。
  6. 前記ゼオライト膜は孔径が0.35〜0.7nmの細孔を有する請求項3〜5のいずれかに記載の排気温度制御装置。
  7. 前記基材は径が0.1〜50μmの通孔を有する多孔質体である請求項3〜6のいずれかに記載の排気温度制御装置。
  8. 前記多孔質体はセラミックである請求項7に記載の排気温度制御装置装置。
  9. 前記セラミックはコージェライトである請求項8に記載の排気温度制御装置。
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