JP2006265428A - エポキシ樹脂硬化剤の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体パッケージ材料として用いた場合に、良好な成形性、硬化性を示すとともに、耐熱性に優れ、且つ低弾性率の硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂硬化剤の製造方法を提供するものである。
【解決手段】(a)ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)とアルデヒド類(F)とを、酸性触媒の存在下で反応させて、分子内にエーテル結合を有する第一次縮合物を得る工程と、(b)上記第一次縮合物とフェノール類とを、酸性触媒の存在下で反応させて、第二次縮合物を得る工程と、を有することを特徴とする、エポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂硬化剤の製造方法に関するものである。
エポキシ樹脂はその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性等により、半導体パッケージ材料などの電気、電子部品の分野で広く用いられている。しかし近年電気、電子部品分野の発展に伴い、半導体パッケージ材料にはよりいっそうの耐熱性が求められている。特に近年、環境対応のため材料の鉛フリー化が要求されているが、鉛フリーの半田はその溶融温度が高いために、半田処理に必要な温度が従来の鉛含有半田よりも高くなり、半導体パッケージを回路基板に搭載する際のソルダーリフロー工程において、エポキシ樹脂成形品が吸湿した水分の急激な気化膨張に伴うポップコーン現象と呼ばれるクラックがパッケージに発生しやすくなってきている。このためエポキシ樹脂硬化剤には吸湿性が低く、耐熱性に優れ、且つ低弾性率の材料が求められている。
このような背景から、近年環境対応の半導体パッケージなどには、エポキシ樹脂硬化剤としてビフェニル構造を含む樹脂が用いられる場合が多くなっている。これらの樹脂の製造方法に関しては、ビス(メトキシメチル)ビフェニルとフェノール類を反応させる方法(例えば、特許文献1参照)と4,4’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニルとフェノール類を反応させる方法(例えば、特許文献2、3参照)等が開示されている。
しかしながら、ビス(メトキシメチル)ビフェニルを用いた場合、ビス(メトキシメチル)ビフェニルのコストが高いために、製品の価格も高くなるという欠点を有しており。また、4,4’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニルを用いた場合、通常クロル体が用いられ、反応を行うと塩酸ガスが発生するため、生産設備は腐食に強いものに改良しなければならず、発生する塩酸の処理設備が必要となる。また生成物から塩酸の除去も行わなければならないため、このような製造方法においてもコスト高になるという問題点があった。
特開平08−143648号公報 特開平06−100667号公報 特開2003−113225号公報
本発明は、特に半導体パッケージ材料として用いた場合に、良好な成形性、硬化性を示すとともに、耐熱性に優れ、且つ低弾性率の硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂硬化剤の製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(4)により達成される。
(1)
(a)ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物とアルデヒド類とを、酸性触媒の存在下で反応させて、分子内にエーテル結合を有する第一次縮合物を得る工程と、
(b)上記第一次縮合物とフェノール類とを、酸性触媒の存在下で反応させて、第二次縮合物を得る工程と、
を有することを特徴とする、エポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
(2)上記(a)工程における化合物(P)とアルデヒド類(F)との反応モル比(F/P)が、1.25〜3である(1)に記載のエポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
(3)上記(a)工程における反応温度は、60〜180℃である(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
(4)上記(b)工程は、第一次縮合物中のエーテル結合酸素に対して過剰モル比のフェノール類を反応させる(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
本発明によれば、4、4’−ビスクロロメチルビフェニルのような環境への悪影響の懸念される原料を使用することなく、また、塩酸等の不純物の発生を伴わずに短い反応工程で効率的かつ低コストでエポキシ樹脂硬化剤を製造することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、エポキシ樹脂硬化剤の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)であって、
(a)ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)とアルデヒド類(F)とを、酸性触媒の存在下で反応させて、分子内にエーテル結合を有する第一次縮合物を得る工程と、
(b)上記第一次縮合物とフェノール類とを、酸性触媒の存在下で反応させて、第二次縮合物を得る工程と、
を有することを特徴とする。
まず、本発明の製造方法における、(a)ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)とアルデヒド類(F)とを、酸性触媒及び反応溶媒の存在下で反応させて、分子内にエーテル結合を有する第一次縮合物を得る工程(以下、単に「(a)工程」ということがある)について説明する。
上記(a)工程では、ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)を用いる。上記化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビフェニル、トリフェニルを挙げることができる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができるが、通常、ビフェニルが多く用いられる。
上記(a)工程では、アルデヒド類(F)を用いる。用いられるアルデヒド類としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレインやこれらの混合物、これらのアルデヒド類の発生源となる物質、あるいは、これらのアルデヒド類の溶液などが挙げられる。これらのアルデヒド類から選ばれた少なくとも1種以上を用いることができるが、通常、ホルムアルデヒドが多く用いられる。
上記ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)とアルデヒド類(F)との反応モル比(F/P)としては特に限定されないが、1.25〜3であることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.5である。
上記モル比が上記下限値未満では、未反応の化合物(P)、あるいは、化合物(P)にアルデヒド類が1つ結合した形態の化合物の含有量が多くなることがある。一方、上記上限値を越えると、上記(a)工程において、反応条件によってはゲル化することがある。
上記(a)工程では、酸性触媒を用いる。ここで用いられる酸性触媒としては、特に限定されないが、例えば塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、有機ホスホン酸などの有機酸を用いることができるが、特に反応速度の点から硫酸が好ましく、硫酸を用いる場合には、硫酸濃度を反応系全体に対して50重量%以下にすることが好ましい。
上記(a)工程では、反応溶媒を用いることができる。この反応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、四塩化炭素の貧溶媒、または酢酸を始めとする有機酸中が好ましいが、特に限定されない。
上記(a)工程において、反応時の反応系の水分量は、特に限定されないが、好ましくは1〜40重量%以下の範囲である。この他にも反応条件としては、特に限定されないが、ブタノール、プロパノール等の非水溶剤を使用することができる。また、反応時の攪拌は強力であることが好ましい。
上記(a)工程における反応条件としては、特に限定されないが、反応温度は、60〜180℃が好ましく、更に好ましくは80〜150℃である。反応温度が上記下限値未満では、反応の進行が遅くなることがある。また、上記上限値を越えるとゲル化が起こりやすく、反応の制御が困難となる場合がある。
また、反応時間については特に制限はなく、出発原料の種類、配合モル比、触媒の使用量及び種類、反応条件に応じて適宜決定すればよいが、通常は3〜15時間である。
上記(a)工程で得られる第一次縮合物とは、ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)が、アルデヒド類(F)と反応し、エーテル結合、アセタール結合、あるいは連続したエーテル結合で結合した化合物である。メチレン結合を含んでも良いが、メチレン結合は次の(b)工程で反応に寄与しないことから、メチレン結合の生成を抑制するように上記した(a)工程の反応条件を選定することが好ましい。また、有用な結合の比率については、所望のエポキシ樹脂硬化剤の特性に合わせて調整することができる。
アルデヒド類との反応を終えた後、酸触媒、未反応物等を除去する方法としては、特に限定されないが、水洗、減圧蒸留、水蒸気蒸留、再沈殿、再結晶、溶剤抽出等を用いることができる。
次に、本発明の製造方法における、(b)前記第一次縮合物とフェノール類とを酸性触媒の存在下に反応させて、第二次縮合物を得る工程(以下、単に「(b)工程」ということがある)について説明する。
上記(b)工程では、フェノール類を用いる。用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、および1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類が挙げられる。
これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができるが、通常、フェノールやクレゾールが多く用いられる。
上記(b)工程では、酸性触媒を用いる。この酸性触媒としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、蓚酸、乳酸、リン酸、亜リン酸、3フッ化臭素、酢酸あるいはパラトルエンスルホン酸または樹脂骨格と同一かまたは類似の構造を有する有機スルホン酸、有機ホスホン酸等を用いることができる。
上記(b)工程では、反応溶媒を用いることができる。この反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トルエン、キシレン、ジオキサンなどの、単独もしくは混合溶媒を使用することができる。
上記(b)工程における反応条件としては、特に限定されないが、反応温度は80〜180℃で行うことが好ましい。反応温度が上記下限値より低い場合は反応が実質的に進行せず、上記上限値より高温では、第1次縮合物間での縮合が進行しオリゴマー化する副反応が促進されることがある。また、反応時間は反応温度にもよるが、2〜8時間で完結させることができる。
反応終了後、過剰のフェノール類を除去する方法は、特に限定されないが、水洗、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留、再沈殿、再結晶、溶剤抽出等を用いることができる。更にアルデヒド類を加え、過剰のフェノール類と縮合反応し、所望の融点に調整することも可能である。もしくはフェノール類に代えて、あるいは加えて低分子ノボラック樹脂を反応させることも可能である。
上記(b)工程において、第一次縮合物とフェノール類との反応モル比としては特に限定されないが、第一次縮合物中のエーテル結合酸素に対して過剰モル比のフェノール類を反応させることが好ましい。これにより、樹脂中のエーテル結合を完全に反応させ、熱可塑性を有した樹脂を得ることができる。
このような目的のためには、第一次縮合物中のエーテル結合酸素に対して1〜5倍モルのフェノール類を反応させることがさらに好ましい。
なお、ここで第一次縮合物中のエーテル結合酸素は、例えば、H‐NMRにより測定することができる。具体的には、H‐NMRからビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物に対するメチレン結合、メチロール基、エーテル基、アセタール基の平均比率を定量し、樹脂の推定構造を求める。得られた結果をもとに所定量の樹脂中におけるエーテル基の酸素の量、すなわちエーテル結合酸素のモル数を算出することができる。
本発明の製造方法においては、以上に説明したような(a)工程及び(b)工程により、エポキシ樹脂硬化剤を得ることができるが、(b)工程の後、必要に応じて、さらにアルデヒド類を反応させ、エポキシ樹脂硬化剤の分子量及び融点の調整を行うこともできる。
具体的には、上記で得られた第二次縮合物に、アルデヒド類を所定量添加し、酸性触媒の存在下で、通常のノボラック型フェノール樹脂を合成しうる条件で反応させることができる。
なお、ここで用いられるアルデヒド類、及び、酸性触媒としては、上記(a)工程で使用できるものと同じものを例示することができる。
本発明の製造方法により得られたエポキシ樹脂硬化剤の性状としては特に限定されないが、半導体パッケージ材料などに好適なエポキシ樹脂成形材料に用いる場合、軟化温度55〜120℃、溶融粘度0.01〜5Pa・sであることが好ましい。これにより、半導体パッケージ材料として、良好な成形性を付与することができる。
以上のように、本発明の製造方法によれば、4、4’−ビスクロロメチルビフェニルのような環境への悪影響の懸念される原料を使用することなく、また、塩酸等の不純物の発生を伴わずに短い反応工程で効率的かつ低コストでエポキシ樹脂硬化剤を製造することができる。
得られたエポキシ樹脂硬化剤は、特に半導体パッケージ材料として用いた場合に、良好な成形性、硬化性を示すとともに、耐熱性に優れ、且つ低弾性率の硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂硬化剤として利用できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ここで記載されている「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
1.エポキシ樹脂硬化剤の製造
(実施例1)
撹拌装置、温度計、熱交換器を備えた三口フラスコに、ビフェニル1000部、37%ホルマリン水溶液895部(ホルマリン/ビフェニルのモル比=1.7)、濃硫酸250部を添加し、100℃で5時間反応させた。ついで、1000部のトルエンを添加して、粘度を下げた後、攪拌を停止し、静置分離して、水層を除去した。その後、純水を1500部加え、80℃で30分攪拌混合した後、攪拌を停止し、水層を除去した。このような工程を水洗水のpHが3.0を超えるまで行った。次に、水蒸気蒸留を行い、未反応のビフェニルを溜去し、この後、常圧脱水、減圧脱水を行い、第一次縮合物A1を850部得た。
次に、第一次縮合物A1にフェノールを1000部(第一次縮合物中のエーテル結合酸素に対して約2倍モル)、パラトルエンスルホン酸を2部添加し、130℃まで加熱し、還流させながら2時間反応させた後、メチルイソブチルケトン(MIBK)を1000部、純水を1000部仕込み、水洗を行った。その後、純水を1500部加え、80℃で30分攪拌混合した後、攪拌を停止し、水層を除去した。このような工程を水洗水のpHが4.25を超えるまで繰り返した。この後、常圧脱水、減圧脱水を行い、第二次縮合物A2を1200部得た。得られた樹脂A2の150℃における溶融粘度は0.85Pa・s、軟化点74℃、水酸基当量は220g/eq.であった。
(実施例2)
実施例1で得られた第一次縮合物A1にフェノールを1000部、パラトルエンスルホン酸を2部添加し、130℃まで加熱し、還流させながら2時間反応させた後、10%の塩酸を1.5%含む37%ホルマリン水溶液を430部添加し、100℃で2時間反応を行った。ついでMIBKを1250部、純水を1000部仕込み、水洗を行った。その後、純水を1500部加え、80℃で30分攪拌混合した後、攪拌を停止し、水層を除去した。このような工程を水洗水のpHが4.25を超えるまで繰り返した。この後、常圧脱水、減圧脱水を行い、第2次縮合物B1を1250部得た。得られた樹脂B1の150℃における溶融粘度は2.25Pa・s、軟化点105℃、水酸基当量は177g/eq.であった。
(比較例1)
撹拌装置、温度計、熱交換器を備えた三口フラスコ中に、フェノール1000部、パラトルエンスルホン酸0.3部を仕込み、80℃に保ちながら、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル785部を2時間かけて逐次添加し、さらに、2時間反応させた。その後、MIBKを2000部添加し、水洗水のpHが4.25を超えるまで、水洗を繰り返した。ついで、常圧脱水、減圧脱水を行い、ビフェニルアラルキル樹脂C1を1020部得た。得られた樹脂C1の150℃における溶融粘度は0.12Pa・s、軟化点71℃、水酸基当量は207g/eq.であった。
2.エポキシ樹脂成形材料の製造
(実施例3,4,比較例2)
実施例1、2及び比較例1で得られた樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製・EOCN−103S)、トリフェニルホスフィン、溶融シリカ(電気化学社製・FB−74X)及びステアリン酸を表1の配合量(重量部)で混合し、90℃の加熱ロールで15分間混練して成形材料を得た。
3.硬化成形物の評価
上記で得られた成形材料を175℃、100kg/cm で、成形時間を3分間、5分間、10分間の3水準でプレス成形し、大きさ80×10×4mmの成形品を得た。
この成形品について、プレス成形後の金型離型性と成形性を確認した。また、10分間プレス成形したものについて、さらに180℃、6時間の条件で後硬化して硬化成形物とし、これについて曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006265428
(測定、及び評価方法)
(1)金型離型性と成形性
成形後の金型離型性と成形性を目視により評価した。評価基準は以下のとおりとした。
◎:成形物外観不良なく、離型性良好
○:成形物外観不良なく、離型性は実用上問題なし
(2)曲げ強度及び曲げ弾性率
JIS K 6911 に準拠して測定した。
実施例3、4はいずれも、(a)ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)とアルデヒド類(F)とを、酸性触媒の存在下で反応させて、第一次縮合物を得る工程と、(b)前記第一次縮合物とフェノール類と酸性触媒の存在下で反応させて、第二次縮合物を得る工程と、を有する本発明の製造方法によって得られたエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂成形材料であり、実用上問題の無い成形性及び曲げ弾性率を示すと共に、通常方法による樹脂を含むものからなる比較例2と比較して、耐熱性、曲げ強度に優れたものであることが確認できた。
本発明の製造方法で得られた樹脂は、特に半導体パッケージ材料として用いた場合に、良好な成形性、硬化性を示すとともに、耐熱性に優れ、且つ低弾性率の硬化成形物を得ることができるエポキシ樹脂硬化剤として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (a)ビフェニルまたはその誘導体から選ばれる化合物(P)とアルデヒド類(F)とを、酸性触媒の存在下で反応させて、分子内にエーテル結合を有する第一次縮合物を得る工程と、
    (b)前記第一次縮合物とフェノール類とを、酸性触媒の存在下で反応させて、第二次縮合物を得る工程と、
    を有することを特徴とする、エポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
  2. 前記(a)工程における化合物(P)とアルデヒド類(F)との反応モル比(F/P)が、1.25〜3である請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
  3. 前記(a)工程における反応温度は、60〜180℃である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
  4. 前記(b)工程は、第一次縮合物中のエーテル結合酸素に対して過剰モル比のフェノール類を反応させる請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112375192A (zh) * 2020-11-16 2021-02-19 上海彤程电子材料有限公司 一种酚醛-芳烷基树脂及其制备方法和应用

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