JP2006265279A - 成型炭製造装置、及び成型炭の製造方法 - Google Patents

成型炭製造装置、及び成型炭の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】廃木材を炭化処理して得られた消炭から、更に再利用可能な炭(成型炭)を製造することのできる成型炭製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の成型炭製造装置は、廃木材を炭化処理して形成された原炭を集積するホッパ3と、ホッパ3に集積された原炭を粉砕する第1粉砕部8,及び第2粉砕部10と、粉砕部8,10で粉砕された原炭に対しバインダを注入するバインダ注入部15と、バインダが注入された原炭を混練しながら搬送する混練搬送部20と、混練搬送部20で搬送される原炭を所定の形状で押し出し成型する押し出し成型部25とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、木製の廃棄物(例えば、建築廃材、家具廃材、パレット、間伐材など;以下、廃木材と称する)を炭化処理して消炭状態とし、この消炭(原炭)から新たな炭(成型炭と称する)を製造するための成型炭製造装置、及び前記成型炭を製造する方法に関する。
従来、上記したような廃木材は、例えば、廃棄物処理業者によって焼却され、消炭状態或いは灰状態にして最終処分されており、これら最終処分された消炭や灰については、廃棄処分したり、或いは、例えば、防臭剤、防湿剤、調湿剤、土壌改良剤等、環境を変化させる用途に利用することが行なわれている。この場合、上記した消炭については、例えば、廃木材を高温で焼却しつつ、ある程度の焼却が進んだ段階で無酸素状態にすることで作成することが可能であり、灰については、廃木材を完全に焼却することによって作成することが可能である。
このような廃木材を焼却する装置(焼却炉等)については、従来から様々な構造のものが知られており、最終処理された消炭や灰については、その後、上記したような用途により二次利用することが行なわれている。
ところで、上記した廃木材については、最終処分した後、用途がある程度限定されていることから、必ずしも全ての廃木材が有効に再利用されているとは言い難い。すなわち、上記したような環境を変化させるだけの用途に留まらず、新たなエネルギー源としての用途に適用可能に処分されることが、限られた資源のリサイクル面、及び環境面から好ましいと考えられる。
本発明は、このような状況に基づいて成されたものであり、廃木材を効果的に利用することを主題としてなされたものであり、廃木材を炭化処理して得られた消炭から、更に再利用可能な炭(成型炭)を製造することのできる成型炭製造装置、及びそのような成型炭を製造する方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る成型炭製造装置は、廃木材を炭化処理して形成された原炭を集積する集積部と、前記集積部に集積された原炭を粉砕する粉砕部と、前記粉砕部で粉砕された原炭に対しバインダを注入するバインダ注入部と、前記バインダが注入された原炭を混練しながら搬送する混練搬送部と、前記混練搬送部で搬送される原炭を所定の形状で押し出し成型する押し出し成型部とを有することを特徴とする。
上記した構成の成型炭製造装置では、まず、廃木材を炭化処理することで形成された消炭(原炭)を集積部に投入して粉砕処理する。この場合、炭化処理して形成された原炭は、ある程度の大きさを有していることから、これを出来るだけ細かく粉砕する(具体的には、バインダによって粉砕された原炭が結合し、所定の形状が成型できる程度に粉砕されれば良い)。そして、粉砕部で粉砕された原炭は、バインダが注入されて混練、搬送作用を受け、最終的に押し出し成型部を介して、所定の形状をもって排出される。このように成型された炭(成型炭)は、従来の炭と同様、着火することで熱源として再利用することが可能となる。
上記した粉砕部は、原炭が細かく粉砕できるように構成されたものであれば良く、例えば、請求項2に記載されているように、所定間隔の隙間を有して設置されたローラ対を有しており、前記隙間に原炭を落下させることで粉砕を行なうことが可能である。
この場合、ローラ対の間隔は、例えば、10mm以下とし、このような構成のローラ対を段階的に配設しても良いし(下流側に移行するに連れ、配設されるローラ対の隙間を狭くする)、ローラ対の隙間が可変となるようにローラ対を接近/離間するように構成しても良い。また、ローラ対の表面は、平坦であっても良いし、凹凸が形成されていても良い。或いは、粉砕部については、このようなローラ対以外にも、例えば、スクリューコンベア等によって構成することも可能である。
前記粉砕部において原炭を複数段階に亘って細粉砕する場合、請求項3にあるように、所定の大きさ以上の粒径を有する原炭を分離する粉砕片分離部を有するようにすることが好ましい。
粉砕片分離部は、例えば、粉砕された原炭が通過する部分にふるいのような部材を設置することで構成することができ、ここで分離された所定の大きさ以上の原炭は、装置外に排出できるようにしておけば良い。このように、大きさがある程度均一化された原炭を別途取り出すことが可能になることから、その大きさに最適な各種の用途に用いることが可能となる。
また、前記ローラ対については、請求項4にあるように、外周に磁性を持たせて、前記原炭の粉砕時に金属片を仕分けする仕分け機能を有するようにしても良い。
すなわち、廃木材を炭化処理した際、廃木材の種類によっては、金属片(例えば、パレットや住宅廃材であれば釘や金具等)を含んでいることがあるが、このような原炭が投入されても、粉砕時に金属片はローラ対に吸着されることから、最終的に成型される成型炭に、金属片が混入することはない。
また、請求項5にあるように、前記押し出し成型部から連続して押し出される成型炭を所定の大きさにカットする切断機を配設しておいても良い。
上記した押し出し成型部では、混練搬送部で混練された原炭を押し出し成型するが、ここで連続的に押し出される原炭を、切断機によって所定の間隔毎にカットすることにより、形状や大きさが均一な成型炭を連続的に作成することが可能となる。
また、請求項6にあるように、前記混練搬送部は、バインダが注入された原炭を軸方向に沿って混練しながら搬送するスクリューフィーダ機構を備えており、前記押し出し成型部は、前記原炭を柱状の成型炭として排出する排出口を備えており、前記スクリューフィーダ機構の軸心に、前記排出口の中心に向けて延在する棒状体を設けておくのが良い。
このような構成では、押し出し成型される成型炭は、柱状に形成されると共に棒状体によって、中心部に軸方向に沿った貫通孔が形成されるようになる。このような成型炭は、中心部に貫通孔を有していることから、乾燥時間を早めることが可能になると共に、燃焼時に空気の通りが良好になって均一に燃焼し、燃焼カロリーも向上する。
また、上記した成型炭製造装置は、請求項7に記載されているように、前記粉砕部で粉砕された原炭を貯留する貯留部を備えており、この貯留部に前記押し出し成型部を複数連結しても良い。
このような構成では、押し出し成型部が複数設置されることで、生産効率が高まると共に、形状や構成の異なる成型炭を同時に製造することが可能になる。なお、前記貯留部では、単に原炭を貯留するだけでなく、原炭の粉砕処理を行なっても良いし、バインダを注入して混練処理を行なっても良い。或いは、各押し出し成型部に混練搬送部を設けても良い。
また、本発明に係る成型炭の製造方法は、廃木材を炭化処理して形成された原炭を集積して粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程によって粉砕された原炭にバインダを注入して混練しながら搬送する混練搬送工程と、前記混練搬送工程によって搬送される原炭を所定の形状となるように押し出し成型する押し出し成型工程と、を有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、土壌改良剤や防臭剤としての用途しか利用されていなかった廃木材を、新たな燃料源として利用することが可能となる。すなわち、消炭状に炭化処理した廃木材から、新たな燃料源となる炭(成型炭)が製造されるようになる。
この場合、請求項9にあるように、押し出し成型工程は、柱状の成型炭を押し出すと共に、前記柱状の成型炭の中央部に貫通孔を形成するようにすることで、成型される炭は、乾燥時間を早めることが可能になると共に、燃焼時に空気の通りが良好になって均一に燃焼し、燃焼カロリーも向上する。
また、請求項10にあるように、前記粉砕工程は、複数の粉砕手段を有することで、原炭をより細かく粉砕することが可能になる。
本発明によれば、廃木材を炭化処理して得られた消炭から更に再利用可能な炭(成型炭)を製造することが可能となり、資源を有効的に再利用することが可能となる。
以下、本発明に係る成型炭製造装置、及びそれに伴う成型炭の製造方法を添付図面に沿って具体的に説明する。
図1から図4は、本発明に係る成型炭製造装置の第1の実施形態を示す図であり、図1は正面図、図2は平面図、図3は左側面図、そして、図4は粉砕部及び混練搬送部の内部構成を示す図である。
本実施形態に係る成型炭製造装置1は、金属片等の不純物を含まないように炭化処理された原炭(廃木材を焼却処分して形成される)を再処理するように構成されている。この場合、原炭は、例えば、間伐材のように金属を含まない廃木材を焼却しつつ、ある程度の焼却が進んだ段階で無酸素状態に環境変化させたり、焼却時間を調整等することによって形成される。或いは、金属などの不純物を含む廃木材においては、不純物を、焼却前に除去したり、消炭形成工程時に除去することで形成される。
前記成型炭製造装置1は、ローラ2aによって移動可能な基台2上に設置されており、上記したように炭化処理された原炭を集積する集積部(ホッパ)3を備えている。ホッパ3の内面には、原炭を下方に向けて落下させる開口3aが形成されており、ここに投入される原炭は、ホッパ3の下方に設置された第1貯留部5に溜められる。
なお、ホッパ3内に回転翼(図示せず)を設置しておき、投入される原炭を開口3aにスムーズに案内するように構成したり、或いは、回転翼の形状に特徴を持たせて投入された原炭を粉砕して開口3aに案内するようにしても良い。
前記第1貯留部5には、開口3aを介して落下した原炭を水平方向に搬送しながら粉砕する第1粉砕部7が連結されている。この場合、第1粉砕部7は、水平方向に延出する筒体8と、この筒体8内に設置された粉砕ミキサ9とを備えており、粉砕ミキサ9は、例えば、図4に示すように、筒体8の中心に沿って配設された回転軸9aと、この回転軸9aに取り付けられ、回転軸が回転することで原炭を押圧粉砕する粉砕部材9b及び原炭を軸方向に移送させる移送部材9cとを備えて構成されている。
前記貯留部5に落下した原炭は、第1粉砕部7を介して、ホッパ3に投入された状態よりも更に細かく粉砕されながら軸方向に移動され、筒体8の下流側下方に設置された第2貯留部9に、開口(図示せず)を介して落下するようになっている。
前記第2貯留部9には、前記筒体8から落下した原炭を、前記第1粉砕部7と直交する水平方向に搬送しながら、更に細粉砕する第2粉砕部10が連結されている。この場合、第2粉砕部10は、水平方向に延出する筒体12内に設置された粉砕ミキサ13を備えており、この粉砕ミキサ13は、例えば、図3に示すように、筒体12の中心に沿って配設された回転軸13aと、この回転軸13aに取り付けられ、回転軸が回転することで原炭を粉砕すると共に、軸方向に沿って移送させる粉砕移送部材13bとを備えて構成されている。
また、第2粉砕部10を構成する筒体12には、粉砕移送される原炭に、バインダを注入するバインダ注入部15が設けられている。このバインダ注入部15には、上記した第1粉砕部7及び第2粉砕部10を経由して略粒子状に粉砕された原炭を半流動状にして所定の粘性を有するように状態変化させる物質(バインダ)が供給される。この場合、バインダは、バインダ収容部からバインダポンプ15aを介してバインダ注入部15に供給されるようになっている。
なお、上記したバインダは、粒子状に粉砕された原炭をゲル化して結合させ、最終的に乾燥した際に所定の形状が維持できるような物質であれば、特に限定されることはない。
前記第2粉砕部10には、同軸上に混練搬送部20が設置されており、前記バインダが注入された原炭を混練しながら搬送するようになっている。この場合、混練搬送部20は、前記回転軸13aに一体的に取り付けられる螺旋状の羽13dを備えたスクリューコンベア(スクリューフィーダ機構)によって構成されており、バインダが注入された原炭を軸方向に沿って混練しながら搬送するようになっている。
前記混練搬送部20の下流側には、ここで混練されながら搬送されてくる原炭を所定の形状で押し出し成型する押し出し成型部25が設けられている。この場合、押し出し成型部25は、前記混練搬送部20の下方に設置されており、前記筒体12と同方向に沿って延出する筒体27を備えている。
前記筒体27内には、混練搬送部20から落下してくる半流動状の原炭を排出方向に向けて移送するスクリューコンベア(スクリューフィーダ機構)28が設置されると共に、筒体27の先端側は、次第に縮径するテーパ部27a及びテーパ部27aから先が円筒状になって延出する成型領域(ノズル)27bが形成されている。そして、この円筒状の成型領域27bの先端には、排出口27cが形成されており、前記スクリューコンベア28によって移送される半流動状の原炭は、テーパ部27aで絞られつつ、排出口27cを介して柱状(円柱状)になって排出される。
このように半流動状の原炭は、最終的に円柱状に成型されて排出され、排出後に、所定時間乾燥することで、円柱状の成型炭30となる。
なお、前記スクリューコンベア28の回転軸28aに、排出口27cの中心に向けて延在する棒状体29を設けておくことにより、押し出し成型される円柱状の成型炭30は、その中央部に軸方向に貫通する貫通孔30aが形成されるようになる。このように成型される成型炭30は、中心部に貫通孔30aを有していることから、押し出し後の乾燥時間を早めることが可能になると共に、燃焼時に空気の通りが良好になって均一に燃焼し、燃焼カロリーが高い炭となる。
以上のような成型炭製造装置1によれば、廃木材を炭化処理して得られた消炭から、更に再利用可能な炭(成型炭)を容易かつ連続的に製造することが可能となり、資源を有効的に再利用することが可能となる。また、上記した成型炭製造装置では、原炭の搬送経路を水平方向及び上下方向に設置したことで、装置全体のコンパクト化が図れ、限られたスペースを有効に利用することが可能となる。
なお、詳細に説明しないが、上記した基台2には、上記した第1粉砕部7、第2粉砕部10、混練搬送部20等の駆動部を駆動する駆動源(駆動モータM)が複数設置されている。
図5から図7は、本発明に係る成型炭製造装置の第2の実施形態を示す図であり、図5は正面図、図6は平面図、そして、図7は左側面図である。なお、以下に説明する実施形態では、上記した実施形態と異なる部分について詳細に説明することとし、同一乃至は類似する構成については、同一の参照符号を付し、その説明を簡略乃至は省略する。
本実施形態の成型炭製造装置1においては、基台2上に設置された集積部(ホッパ)3に集積された原炭は、前記第1実施形態と同様、第1貯留部5に溜められ、その後、第1粉砕部7を介して粉砕される。この第1粉砕部7で粉砕された原炭は、下流側に設置された第2貯留部9に落下する。
この第2貯留部9には、第1粉砕部7で粉砕された原炭を更に粉砕する第2粉砕部40が連結されている。また、この第2粉砕部40の下流側には、粉砕移送される原炭に対してバインダを注入するバインダ注入部15が設けられており、上記した第1粉砕部7及び第2粉砕部40を経由して略粒子状に粉砕された原炭を半流動状にして所定の粘性を有するように状態変化させる物質(バインダ)が注入される。
前記第2粉砕部40には、バインダ注入部の下流側に、同軸上に混練搬送部50が設置されており、前記バインダが注入された原炭を混練しながら軸方向に沿って搬送するようになっている。
前記混練搬送部50の下流側の下方には、ここで混練されながら搬送されてくる原炭を落下させて貯留する横長状の第3貯留部52が設置されている。そして、この第3貯留部52の下方側には、複数本(本実施形態では3本)の押し出し成型部25が設けられている。この場合、各押し出し成型部25は、上記した実施形態における押し出し成型部25と同様な構成になっており、ここで混練されながら搬送される半流動状の原炭は、テーパ部27aで絞られつつ、排出口27cを介して柱状(円柱状)で貫通孔が形成された状態で排出される。
また、各押し出し成型部25の排出口27cの近傍には、押し出し成型部25から連続して押し出される成型炭を所定の大きさにカットする切断機55が設置されると共に、この切断機55で順次カットされる成型炭をそのまま軸方向に向けて搬送できるように、各押し出し成型部25の下流側には、搬送コンベア57が設置されている。
上記した構成の成型炭製造装置によれば、成型炭を効率良く、連続的に多数作成することが可能になると共に、連続的に押し出される原炭を切断機55によって所定の間隔毎にカットすることにより、形状や大きさが均一な成型炭を作成することが可能となる。また、各押し出し成型部25の排出口27cの大きさや形状を変えたり、裁断機55でカットするタイミングを変化させることで、異なる大きさの成型炭を効率良く作成することも可能になる。
なお、裁断機55や搬送コンベア57については、上記した第1の実施形態においても適用しても良い。また、第3貯留部52は、単に半流動状の原炭を貯留するだけでなく、ここでバインダを注入して混練を行なうようにしても良いし、或いは、第3貯留部52に連結される各押し出し成型部の上流位置でバインダを混入するように構成しても良い。
図8から図12は、本発明に係る成型炭製造装置の第3の実施形態を示す図であり、図8は正面図、図9は平面図、図10は左側面図、図11は粉砕部の概略構成を示す図、そして、図12は、粉砕部及び粉砕片分離部の概略構成を示す模式図である。
本実施形態の成型炭製造装置1は、上記した実施形態と比較して、原炭を粉砕する粉砕部の構成が異なっており、具体的には、基台2上に設置された集積部(ホッパ)3の下方側に、順次、第1粉砕部60、及び第2粉砕部70を設置している。
図12に示すように、第1粉砕部60は、所定間隔の隙間を有して設置されたローラ対61A,61Bを有しており、第2粉砕部70は、所定間隔の隙間を有して設置されたローラ対71A,71Bを有している。夫々の粉砕部における対向する各ローラは、ホッパ3から落下する原炭を、両ローラの隙間(ニップ部)を通過する際に粉砕して下方に落下させるよう構成されている。この場合、粉砕部のローラ対を矢印で示すように接近/離間可能に支持してローラ間に形成されるニップ部N1,N2の距離を変えることで、粉砕粒の大きさを調整することが可能になる。
上記したように粉砕部を2段に設置する構成では、通常、下方側にある第2粉砕部70におけるローラ対71A,71Bのニップ部N2を、上方側にある第1粉砕部60におけるローラ対61A,61Bのニップ部N1よりも狭くすることで、ホッパ3から落下する原炭を、詰まり等が生じることなく、効率的に粉砕することが可能になる。なお、第1粉砕部60、及び第2粉砕部70に設置される各ローラ対61A,61B及び71A,71Bは、夫々駆動源であるモータM1,M2によって回転駆動される。
また、本実施形態における上記した上下方向に設置される第1粉砕部60,第2粉砕部70は、原炭に含まれる金属片を仕分けしたり、或いは、所定の大きさ以上の粒径を有する原炭を分離するように構成を備えている。
金属片を分離する手段として、例えば、図12に示すように、上記したローラ対61A,61Bの外周に金属片を吸着可能な磁性部63を形成しておくと共に、各ローラ61A,61Bの下方側の外周面に、ブラケット65aに取り付けたゴムスクレーバ65を接触させておく。また、各ゴムスクレーバ65よりも内側に開口67aを位置させたシュータ67を設置しておく。
このような構成によれば、原炭に釘や金具のような金属片が混入されていても、ニップ部N1における粉砕時に磁性部63に吸着されると共に、そのまま吸着されて各ゴムスクレーバ65によってはぎ落とされるようになる。すなわち、ホッパ3に投入される原炭に金属片が含まれていても、粉砕時に金属片をローラ対61A,61Bに吸着して排出することから、最終的に成型される成型炭に、金属片が混入することはない。そして、各ゴムスクレーバ65で落下した金属片は、その下方に位置する開口67aを介してシュータ67によって装置外に排出され、収容部68にまとめて収容される。
なお、ローラ61A,61Bの下方側に、比較的大きな目を有するふるい69を設置しておくことにより、粉砕しきれなかった原炭、或いはそれに含まれる不純物等を前記開口67aを介してシュータ67に案内することができ、炭化処理が充分されていないような原炭から、必要部分のみを落下させることができ、成型炭の品質を向上することが可能になる。
上記した第2粉砕部70には、所定の大きさ以上の粒径を有する原炭を分離する粉砕片分離部72が設置されている。具体的に、この粉砕片分離部72は、ローラ71A,71Bのニップ部N2の下方側に設置される山型に屈曲形成されたふるい80(図11(b)参照)、及びふるい80の網目81を通過しきれずにその傾斜面に沿って案内される原炭を案内する開口85aを有するシュータ85によって構成することが可能である。すなわち、網目81を落下できない大きさの粒径を有する原炭は、その傾斜面に沿って開口85aを介してシュータ85によって分離される。このシュータ85は、装置外に延出しており、分離された原炭(粒径の大きい原炭)は、収容部88にまとめて収容される。
このため、第2粉砕部70で粉砕され、第1貯留部5に貯留される原炭は、大きさが所定の大きさ以下のものに限定されることから、バインダによる密着性の向上が図れ、最終的に成型される成型炭の品質を向上することが可能となる。
また、上記したように分離排出された原炭については、ふるい80によって、大きさがある程度均一化されていることから、その大きさに最適な各種の用途に用いることが可能となる。もちろん、ふるいの網目81の大きさを変えたり、さらに同様な構成の粉砕部や粉砕片分離部を増設することにより、異なる粒径の原炭を採取することが可能になる。
上記したように構成される第1粉砕部60及び第2粉砕部70の下流側には、水平方向に延出する第3粉砕部7A(第1実施形態における第1粉砕部7と同様な構成)、第2貯留部9が設置されている。また、この第2貯留部9には、バインダ注入部15が設けられた混練搬送部20、及び押し出し成型部25が同一軸上に設置されており、混練搬送部20で混練された半流動状の原炭は、上記した実施形態と同様、テーパ部27aで絞られつつ、排出口27cを介して柱状(円柱状)になって排出される。
以上のように構成される成型炭製造装置1によれば、ホッパ3に投入される原炭を粉砕する粉砕部を上下方向に並べて設置したことにより、装置全体のフットプリントを小さくすることが可能になる。
なお、上記したような構成においては、図13に示すように、第2粉砕部70において粉砕片分離部72を設けない構成であっても良いし、更に、上下方向に同様な粉砕部(第2粉砕部70の下方側に第3粉砕部、第4粉砕部…)を設置しても良い。また、これに応じて、粉砕片分離部を設置しておいても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態以外にも、種々変形することが可能である。
例えば、原炭を集積して、これを粉砕する粉砕部の構成(粉砕方式、配置状態、粉砕部の設置個数等)や混練搬送部、押し出し成型部の構成については、上記した実施形態の構成に限定されることはなく、適宜変形することが可能である。また、押し出し成型部を介して押し出される成型炭の形状については、排出口部分の構成や押し出し方法を変えることで適宜変形することが可能であり、例えば、柱状以外の多種形状であっても良い。
さらに、上記したようにして作成される成型炭については、燃料用や環境変化剤として利用する以外にも、例えば、断熱材、製鉄所における電気炉内の加炭剤としても利用することが可能である。
本発明に係る成型炭製造装置の第1の実施形態を示す正面図。 成型炭製造装置の平面図。 成型炭製造装置の左側面図。 粉砕部及び混練搬送部の内部構成を示す図。 本発明に係る成型炭製造装置の第2の実施形態を示す正面図。 成型炭製造装置の平面図。 成型炭製造装置の左側面図。 本発明に係る成型炭製造装置の第3の実施形態を示す正面図。 成型炭製造装置の平面図。 成型炭製造装置の左側面図。 (a)は粉砕部の概略構成を示す図、(b)は粉砕片分離部に設置されるふるいの構成を示す図。 粉砕部及び粉砕片分離部の概略構成を示す模式図。 本発明に係る成型炭製造装置の第2の実施形態を示す図。
符号の説明
1 成型炭製造装置
3 ホッパ(集積部)
7 第1粉砕部
10 第2粉砕部
15 バインダ注入部
20 混練搬送部
25 押し出し成型部
29 棒状体
30 成型炭
40 第2粉砕部
55 切断機
60 第1粉砕部
63 磁性部
61A,61B,71A,71B ローラ対
70 第2粉砕部
72 粉砕片分離部

Claims (11)

  1. 廃木材を炭化処理して形成された原炭を集積する集積部と、
    前記集積部に集積された原炭を粉砕する粉砕部と、
    前記粉砕部で粉砕された原炭に対しバインダを注入するバインダ注入部と、
    前記バインダが注入された原炭を混練しながら搬送する混練搬送部と、
    前記混練搬送部で搬送される原炭を所定の形状で押し出し成型する押し出し成型部と、
    を有することを特徴とする成型炭製造装置。
  2. 前記粉砕部は、所定間隔の隙間を有して設置されたローラ対を有しており、
    前記隙間に原炭を落下させることで粉砕を行なうことを特徴とする請求項1に記載の成型炭製造装置。
  3. 前記粉砕部は、原炭を複数段階に亘って細粉砕すると共に、所定の大きさ以上の粒径を有する原炭を分離する粉砕片分離部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の成型炭製造装置。
  4. 前記ローラ対の外周は磁性を有しており、前記原炭の粉砕時に金属片を仕分けする仕分け機能を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の成型炭製造装置。
  5. 前記押し出し成型部から連続して押し出される成型炭を所定の大きさにカットする切断機を配設したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成型炭製造装置。
  6. 前記混練搬送部は、バインダが注入された原炭を軸方向に沿って混練しながら搬送するスクリューフィーダ機構を備えており、
    前記押し出し成型部は、前記原炭を柱状の成型炭として排出する排出口を備えており、
    前記スクリューフィーダ機構の軸心には、前記排出口の中心に向けて延在する棒状体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の成型炭製造装置。
  7. 前記粉砕部で粉砕された原炭を貯留する貯留部を備えており、
    この貯留部に前記押し出し成型部を複数連結したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の成型炭製造装置。
  8. 廃木材を炭化処理して形成された原炭を集積して粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程によって粉砕された原炭にバインダを注入して混練しながら搬送する混練搬送工程と、
    前記混練搬送工程によって搬送される原炭を所定の形状となるように押し出し成型する押し出し成型工程と、
    を有することを特徴とする成型炭の製造方法。
  9. 前記押し出し成型工程は、柱状の成型炭を押し出すと共に、前記柱状の成型炭の中央部に貫通孔を形成することを特徴とする請求項8に記載の成型炭の製造方法。
  10. 前記粉砕工程は、複数の粉砕手段を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の成型炭の製造方法。
  11. 上記した請求項8乃至10のいずれか1項に記載の成型炭の製造方法によって製造されることを特徴とする成型炭。
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