JP2006264678A - ゴムクローラの分離装置とその分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で確実にゴム体と芯金との分離のできるゴムクローラの分離装置の提供。
【解決手段】帯形状のゴムクローラ1が所定の大きさに切断された小片ゴムクローラ7を所定位置に位置決め固定し、位置決め固定された小片ゴムクローラ7のゴム体5の凹部を上下方向に揺動する1対の把持部材12,23で把持し、この1対の把持部材12により芯金からゴム体5を油圧駆動で相対的に相互に逆方向に引っ張る。この引っ張る過程で延びたゴム体5の分離位置に切り込みを入れて、小片ゴムクローラ7に対し芯金2とゴム体5とを分離する。又、把持部材23は芯金に干渉することなく確実にゴム体5を分離する。
【選択図】図4

Description

本発明は、農業機械、土木建設機械等で使用されるゴムクローラの分離装置とその分離技術に関する。更に詳しくは、ゴムクローラのゴム体と金属部である芯金とを分離する装置とその分離技術に関する。
ゴムクローラは、農業機械、土木建設機械等の車両の無端走行体として使用されるものであり、表側のゴム体とこのゴム体に被覆された芯金で環状に連結されて構成されている。このゴムクローラは公道を走行することもあるので、路面の損傷を防止する等を考慮して地面との接触部をゴム製にしたものである。ゴム製にしたことで、農業機械においては、田畑等の農地における走行部の軽量化による接地圧の低減になり、又ラグを付することにより湿田走行性がよくなり改善される。
更に、このゴムクローラには、接地する地面側にゴムクローラの張力を保持するため補強用のスチールコード(又はスチールワイヤとも称す)が、芯金同様にゴム体に被覆され一体となって埋め込まれている。このスチールコードはピアノ線等の束から構成されている。このゴムクローラは表面がゴム体であり絶えず地面に接地することから、走行中に磨耗、損傷等を受け消耗する。
従って、ゴムクローラ自体は消耗品である。このため、ある程度走行し消耗してきたゴムクローラは新しいゴムクローラと交換しなければならない。使用された後の古いゴムクローラは産業廃棄物として処理される。この処理において従来は、産業廃棄物としてそのままの形態で廃棄されていたり、又、分離なしにゴム体のみを焼却して残った芯金を再利用するようなこともなされている。鉄屑や石灰石とともに金属溶解用電気炉に入れて処理される。
このゴムクローラの廃棄処理は、最近は資源有効利用の観点からゴム体と芯金を分離してそれぞれを処理することが望ましいとされている。例えば、芯金は鍛造鋼等の金属体であり、溶融して再利用が可能である。又、ゴム体は一部は再利用されているものの、大半が焼却処分されている。ゴムクローラは、その構成である芯金、スチールコード及びゴムが強固に一体化されており、廃棄処理段階で金属部分とゴム部分に容易に分離することができない。このため、不法投棄されることが多く、また資源の有効利用の点で問題視されている。
使用済みのゴムクローラの発生量を正確に把握することは困難であるが、例えば農業機械の廃棄率をもとに推定すると、2002年においては、年間24万本と推算され、鉄の質量に換算すると3840トンに達するとみられる。
又、社団法人日本建設機械工業会が行った推計によれば、建機用の使用済みゴムクローラが再生利用されている割合は1割程度であり、排出量のうち、電炉製鋼などによって再生処理されている量が全体の約2%、焼却、埋め立てなどに廃棄処理されている量が約22%、処理されずに積み置きされている量が約76%である。
農業機械用については、農村地域から個別散在的に排出される状況の中で重量物の効率的な収集運搬が困難であることやゴムクローラ中の鉄比率が建設機械用よりも低く、中間処理施設等での磁力搬送に適さないため受け入れが敬遠されている。このため建設機械用に比べ更に再資源化率は低いものになっている。いずれにしても消耗品として廃棄対象のゴムクローラの量は膨大である。
このようなことから、使用済みゴムクローラの発生現場から処理場までの搬送、及びその後の焼却処理における焼却炉への投入や効率的な燃焼、さらには埋め立て処理要件を満たすためには、嵩物を用途に応じた大きさに切断処理する必要がある。このため、再利用するための分離を行って処理されており、その技術が種々提案されている。
環状形状あるいは帯形状の使用済みゴムクローラは、そのままの形で分離されるには処理が困難である。即ち、ゴムクローラの発生現場から処理場までの搬送、及びその後の焼却処理における焼却炉への投入や効率的な燃焼、さらには埋め立て処理要件を満たすためには、法規に準拠して行わねばならない。ゴムクローラは廃棄物の処理及び清掃に関する法律によると廃プラスチック類に該当し、15cm角以内に切断処理されたものでなければ埋め立てられない。
即ち、芯金長が15cmを越えるものを内包したゴムクローラは、芯金を切断できない以上現行法においては埋め立てることができないのである。ゴムクローラは、大きく又嵩張るので取り扱いが困難である。このため廃棄処理を行なうに当たっては、どうしても小さくし分離することが必要となる。
しかし、前述のように、ゴムクローラ内には連続的に連なってスチールコードが埋設されている。これをゴムとともに切断する必要がある。ゴムクローラの分離装置はこのようにして切断された小片のゴムクローラを対象にしており、ゴム体と芯金を分離する装置である。
物理的作用を利用した技術においては、ゴムクローラを何らかの方法で加熱し、ゴムと芯金との接着部を柔らかくして分離し易い状態にし、強制的に力を加えて分離する技術が多く提案されている(例えば、特許文献1,2、3参照)。その関係では、高周波誘導加熱の原理により芯金部を局所的に加熱し、接着剤の溶解又は接着力の低下により剥離する技術が提案されている。又、加熱分解の作用とは反対に液体窒素の利用、又、古タイヤではあるが南極への搬送によりゴム体を冷凍し素材を脆弱にして打壊分離させる技術が提案されている。
更に、ノズルから高圧水を噴射して金属芯からゴムを剥離するウォータージェット方法などが提案されている(例えば、特許文献4参照)。さらに、ゴムクローラの長さ方向に移動しないように押さえつけ、ゴムクローラの上方から芯金を強制的に押圧し、ゴムクローラから芯金のみを物理的に剥がし取る技術も知られている(例えば、特許文献5参照)。
この他、化学的作用を利用した技術としてエチレングリコール等の溶剤を用いて芯金・スチールコードの金属とゴムの結合部分とを剥離させる技術、又、生物的作用を利用した技術として加硫ゴムの硫黄結合に好硫黄性バクテリアを用いて分解し、粉末ゴムの表面活性を発現させる技術等が提案されている。
特開平7−117742号公報 特開平10−296226号公報 特開平9−225443号公報 特開平5−220699号公報 特開2005−262688号公報
しかしながら従来の分離装置とその分離技術は、ゴムクローラを加熱する等の処置を施す必要があったり、ノズル噴射を行ったり、バイオ技術を使用したりして行うものである。これらの装置はゴム体と芯金とを分離することに対し分離し易くするため補助的に付随して設けられる装置であり、ゴム体と芯金との接着部を解する技術を伴うもので、高コストの設備を要するものになっていて、簡素とはいえない装置になっていた。この分離作業は廃棄処理として需要も限られることから、元来自動化等の大きな設備を要し大量に連続して処分する形式のものではない。
基本的にこの分離装置は、ゴム体と芯金を引き剥がすのみのものであればよい。1対の引っ張り装置で引き剥がす際、中央部のゴム体は延ばされた状態になり、容易には切れない。従って、一般的にこの中央部近傍のゴム体に予め切り込みを入れてから引っ張っている。この切り込みはゴム体が厚いので人手で行うとかなりの力を要し、容易な切り込み作業とはいえない。又、前述のゴムクローラの上方から強制的に芯金を押圧して剥がし取る方法は、大きな押圧力を要し分離後の芯金に余分なゴムが付着したままであり、分離そのものが安定して確実な形態の技術であるとはいえない。
このため、分離装置としては、安全で簡素で、人手でも容易に操作のできる構成であることが求められている。前述したとおり、従来の構成は加熱等の処理が施されるので、ゴム体と芯金とは剥がれ易くスムースに分離できる形態ではある。しかし、従来の装置は加熱のための設備を要しているので高コストになっており、しかも処理時間が長く、必ずしも能率的とは言い難いものであった。ゴムクローラのゴム体と芯金の分離された状態は、産業廃棄物の処理として完璧である必要はない。
分離後は特に芯金の方を再利用し、ゴム体は大半が焼却処分される。分離された芯金は溶解されることが多いので、分離のとき付着している多少のゴム体は溶解で除かれる。従って、分離の際には芯金に多少のゴムが付着しても支障がないのである。このことから完璧に分離を行う機能にコストをかける装置よりは、簡素で安全にしかも人手で安定して短時間に分離でき、低コストの装置であることが望まれている。このような装置は例えば車両に積載が可能に小型化され、廃棄処理を行なう現場に容易に運搬ができ設置し使用することが理想である。従来はこのような形態でまとまった装置は提案されていなかった。
更に、芯金はゴムクローラのタイプにより種々の形状になっている。大別すると、芯金の側面がストレートのものと、中央部がくびれて凹部を構成しているものとがある。これらの芯金の形状に惑わされずどの形状であっても安定して確実にゴム体と芯金とを分離できる装置が望まれている。この点においても従来このような要望を満足する提案はなかった。
本発明は、前述の技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。本発明の目的は、安定し確実にゴム体と芯金との分離のできるゴムクローラの分離装置とその技術の提供にある。本発明の他の目的は、簡素で低コストの構成でゴム体と芯金との分離のできるゴムクローラの分離装置とその技術の提供にある。本発明の更に他の目的は、分離処理を容易な人手作業で短時間に行えるゴムクローラの分離装置とその技術の提供にある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1のゴムクローラの分離装置は、帯形状のゴムクローラが、長さ方向に所定の長さに切断された小片ゴムクローラを、ゴム体と芯金とに分離するためのゴムクローラの分離装置であって、
前記小片ゴムクローラを所定位置に位置決め固定するための固定装置と、
この固定装置により固定された前記小片ゴムクローラの前記ゴム体の部分を把持して、前記芯金を中心として対向して前記ゴム体を引っ張って、前記芯金から前記ゴム体を剥ぎ取るための1対の剥ぎ取り装置とからなる。
本発明2のゴムクローラの分離装置は、本発明1において、前記1対の剥ぎ取り装置で、前記引っ張りの過程で延びた前記ゴム体の分離位置に切り込みを入れるための切り込み装置を設けたことを特徴とする。
本発明3のゴムクローラの分離装置は、本発明1又は2において、前記1対の剥ぎ取り装置は、前記ゴム体の凹部に係合して把持するように設けられる1対の把持部材と、この1対の把持部材を揺動自在に連結して前記芯金から離れる方向に引っ張る1対の引っ張り部材とから構成されていることを特徴とする。凹部を利用して把持部材を差込むだけの構成であり、把持するための動力を必要としない。
本発明4のゴムクローラの分離装置は、本発明1又は2において、前記1対の剥ぎ取り装置は、前記ゴムクローラの中央部を挟持し前記芯金の幅より大きい寸法の間隔幅を維持する1対の位置決め体を有することを特徴とする。1対の剥ぎ取り装置でゴム体を剥ぎ取る際、芯金の張り出し部分に干渉することなく分離することができる。
本発明5のゴムクローラの分離装置は、本発明1又は2において、前記固定装置は、前記小片ゴムクローラの中央上部を押圧する押圧装置を有していることを特徴とする。中央部を強制的に押圧しているので、小片ゴムクローラはずれることなく装置に固定される。
本発明6のゴムクローラの分離装置は、本発明1又は2において、前記1対の剥ぎ取り装置は、前記ゴム体の凹部を押圧する押圧部が、前記引っ張り方向に直角な厚さ方向の面で前記芯金近傍の前記ゴム体を押圧する形状を有していることを特徴とする。芯金の両側のゴム体全面を押圧して引っ張り方向へ引き剥がすので分離の確実性がある。
本発明7のゴムクローラの分離装置は、本発明2において、前記切り込み装置は、2つの切込み刃を有して切り込む装置であることを特徴とする。2つの切り込み刃を有しているので、安定した切り込みが行える。
本発明8のゴムクローラの分離装置は、本発明3において、前記1対の把持部材は、前記1対の引っ張り部材に対し交換可能に保持されていることを特徴とする。ゴムクローラの形式が異なっても、把持部材の交換で対処できる。
本発明9のゴムクローラの分離装置は、本発明3において、前記1対の把持部材は、前記凹部への押圧部分がエッジ形状をなし、前記凹部の内側を把持する構成になっていることを特徴とする。エッジ形状のために把持の確実性が増す。
本発明10のゴムクローラの分離装置は、本発明3において、前記1対の把持部材は、前記ゴムクローラを把持する把持部と、この把持部を支持して前記1対の引っ張り部材に連結する支持部とを有していることを特徴とする。
本発明11のゴムクローラの分離装置は、本発明4において、前記1対の位置決め体は、前記小片ゴムクローラを挿入する側の上部端部が外側に拡開する案内部を構成していることを特徴とする。
本発明12のゴムクローラの分離装置は、本発明4において、前記1対の位置決め体の間隔幅は、前記1対の把持部材の端部側間の挟持幅で調整可能になっていることを特徴とする。この構成は、芯金の幅が変わればその幅に対応して間隔幅を変えられるようにしている。従って、どのようなタイプのゴムクローラにも対応できる。
本発明13のゴムクローラの分離装置は、本発明10において、前記把持部は、前記支持部に対し可動自在に支持されていることを特徴とする。把持部を常に位置決め部材側に移動して位置決め部材をゴムクローラの凹部に押圧する構成である。従って、1対の位置決め体の間隔幅を安定して確保するのに有効である。
本発明14のゴムクローラの分離方法は、帯形状のゴムクローラが所定の大きさに切断された芯金を含む小片ゴムクローラに対しゴム体と芯金とを分離する方法であって、切断された前記小片ゴムクローラを所定位置に位置決め固定する工程と、位置決め固定された前記小片ゴムクローラのゴム体の凹部を把持する工程と、把持した前記ゴム体を前記芯金から離れる方向に1対の剥ぎ取り装置で押圧して引っ張る工程とからなることを特徴とする。
本発明15のゴムクローラの分離方法は、本発明14において、前記引っ張る工程は、把持した前記ゴム体を100mm/秒以上の速度で引っ張る工程であることを特徴とする。100mm/秒以上の速度で引っ張ることにより延びたゴム体に切り込みを要せずゴム体を切断し芯金とゴム体を分離することができる。
本発明16のゴムクローラの分離方法は、本発明14又は15において、前記引っ張る工程で延びた前記小片ゴムクローラの前記ゴム体の分離位置に、切り込みを入れる工程を付加したことを特徴とする。
以上詳記したように、本発明の分離装置とその分離技術はゴムクローラを確実に把持して引っ張れる構成にした。即ち、高速で引っ張る場合は瞬時に分離でき、又、低速で引っ張る過程では、ゴム体が延びた状態の場合にゴム体に切り込みを入れることで容易に分離できるようにした。又、分離位置を特定し芯金に干渉しない幅寸法を有するようにし、ゴムクローラを安定して確実に把持して把持部材が芯金に干渉することなく引っ張れる構成にした。このためゴムクローラのタイプが異なり芯金の形状が異なっても、把持部材は芯金に干渉することなくゴム体を剥ぎ取る構成になり、安定してゴム体と芯金の分離を行うことができるようになった。この結果、高コストの設備を要することなく簡素な構成で、人手で容易にゴムクローラを芯金とゴム体に分離することができるようになった。又、分離処理も迅速に行へるようになった。更に、ゴムクローラの形式が変わっても把持部材の交換のみですぐ対処することができるようになった。
本発明のゴムクローラの分離装置の実施の形態について、図1から図18にもとづいて詳細に説明する。ゴムクローラは、一般に芯金入りタイプと芯金無しタイプに大別されるが、本実施の形態の対象とするゴムクローラは芯金入りタイプである。芯金入りタイプは農業機械と建設機械とではその形式も異なるが、本実施の形態のものは何れにも適用できるものである。ゴムクローラはコンバイン等の各種農業機械の走行部に使用されている。
図1、図2はゴムクローラ1の構成を示す例である。図1は帯状のゴムクローラ1の平面図であり、図2は図1のX−X断面図を示すものである。複数の芯金2は所定間隔毎にゴムクローラ1内に配置されている。芯金2の間に厚さ方向の貫通孔である転輪孔3が設けられている。又、スチールコード4は、ゴムクローラ1の地面側に無端で幅方向の両側にゴムクローラ1の全長に亘って配置されている。ゴムクローラ1の構成は、内部に芯金2が外れ防止突起2aを外方へ突き出した状態で、ゴム体5に埋設されている。又、ゴム体5内には、地面側に環状のスチールコード4がゴムクローラ1全長に亘って内部に埋設されている。
芯金2は図示しない走行駆動装置のスプロケットからの駆動力をアイドラー、転輪を介して噛み合い張力をスチールコード4に伝えるとともに機体の自重を支え、外力を支えるので、ゴムクローラ1は機体から外れることなく走行する。芯金2の材質は、ダクタイル鋳鉄、鍛造鋼製で、中には高合金鋼、マンガン鋼等も使用される。スチールコード4は、スプロケットを通じて機体から芯金2に伝えられた駆動力をゴムクローラ1の他の部分へ伝達するものであり、ゴムクローラ1に加えられる張力に耐える機能を有する。
このスチールコード4は、0.3mm径以下程度の高炭素鋼製の素線、いわゆるピアノ線を数本から数十本撚り合せた構造を持ちバンド状になっている。ゴム体5と熱融着させるため、このスチールコード4には真鍮鍍金が施されている。又、ゴムクローラ1の地面側の外側にはスチールコード4の保護、牽引力の伝達、入力振動の低減等のためにラグ6が設けられている。このラグ6の形式も多くの種類があるが、図1に示す形状はチドリパターンのものである。この形式は主に運搬用の走行体に適用される。
このように構成されるゴムクローラ1は、使用後に廃棄処分されるが、処分直前は無端ベルトで環状である。この環状状態では扱い難いので、先ず一部を切断し帯状にする。図1はこの帯状になったものを示す。この帯状のゴムクローラ1は長く、このままでは処理が困難であるので、更に図1に示す各A位置で公知の切断機械で切断する。この切断されたゴムクローラ1の切片が本実施の形態でいう小片ゴムクローラ7である。
この切断は帯状のゴムクローラ1の長手方向に対し、直角方向に芯金2を避けた位置、即ち転輪孔3の位置Aでスチールコード4を含めて切断する。この切断されたゴムクローラ1の切片は、本実施の形態でいう小片ゴムクローラ7として一個の芯金2をその内部に埋設したものとなる。逆にいうと、一個の芯金2を含むように小片ゴムクローラ7の長さになるように切断する。小片ゴムクローラ7の切断は図示しない汎用、又は専用切断装置で行われる。
次に、この切断された小片ゴムクローラ7をゴム体5と芯金2とに分離する分離装置8について説明する。図3は分離装置8の平面図、図4はその正面図、図5はその側面図である。図において、分離装置8は鋼板構成のフレーム体8a上にメーン装置が搭載されている。又、この分離装置8にはキャスターが付いていて移動させることが可能な構成になっている。更に、フレーム体8aの下部位置には、駆動源である油圧ユニット8bが搭載され、内蔵されている。油圧ユニット8bは、後述する剥ぎ取り装置10の引っ張り部材13を駆動するためのものである。又、操作側には、分離装置8の各操作を行うための操作盤8cが取り付けられている。
分離装置8の中央部に小片ゴムクローラ7の固定台9が設けられていて、この固定台9は搬入された小片ゴムクローラ7を所定位置に位置決め固定するものである。この位置決め固定は、基本的には固定された小片ゴムクローラ7が位置ずれのないようにするためのものであり、図示していないがバネあるいは油圧シリンダ等により位置決め固定される。この固定台9には、小片ゴムクローラ7の芯金2の外れ防止突起2aがずれないように嵌まり込み固定される。この固定台9を挟んで、対称位置に1対の剥ぎ取り装置10が配置されている。又、固定台9上方には、小片ゴムクローラ7のゴム体5を切り込むための切り込み装置11が配置されている。切断された小片ゴムクローラ7は、先ず固定台9に位置決め固定されるが、この小片ゴムクローラ7の取り付け姿勢は、図2に示すように芯金2のはずれ防止突起2aを下にした姿勢である。
次に剥ぎ取り装置10の詳細について図6から図8に基づき説明する。図6は平面図で、図7はその側面図である。図8は図7のY−Y断面図である。剥ぎ取り装置10は、小片ゴムクローラ7を把持するための把持部材12と、この把持部材12を互い逆方向である分離方向に引っ張るための引っ張り部材13とから構成されている。各々は対で構成されており、引っ張り部材13は油圧シリンダーの駆動により往復移動される。
把持部材12は小片ゴムクローラ7の凹部7a(図2,6参照)に差込まれ、凹部7aの面を分離方向に押圧するように設置される。この凹部7aは転輪孔3の半切り欠き部である。この把持部材12は、先端部が鉤状部12aになっていて、この鉤状部12aが凹部7aに小片ゴムクローラ7の両側を挟む状態で差込まれる。この鉤状部12aは、棒材12bにより把持基体12cに溶接で一体に接合された構成になっている。この差込は引っ張り方向の直角方向、即ち、ゴムクローラ7の厚さ方向に芯金2の近傍の下端位置まで差し込まれる。
芯金2を挟んで芯金2の両側に、ゴム体5を押圧する状態で把持部材12は設置されている。把持部材12は、把持基体12cが引っ張り部材13に対し、上下方向に相対的に揺動可能にピン14を介して取り付けられている。このピン14は、容易に取り付け、取り外しができるように構成されており、このピン14の取り付け、取り外しを行うことで別の形状の把持部材12との取り付け、取り外しを容易にしている。即ち、機種が異なるゴムクローラ1にも適用できるように、他の形状の把持部材12との交換を可能とする構成である。
把持部材12は、揺動して小片ゴムクローラ7の凹部7aに上方から差込まれる(図4の二点鎖線参照)。この例では把持部材12は、上方から差込むようにしているが、把持部材12は設置された段階で、小片ゴムクローラ7の両側を挟む形態をなし干渉のない状態で構成されるので、前述したものとは逆に、設置された把持部材12に、小片ゴムクローラ7を上方から差込むようにしてもよい。小片ゴムクローラ7と把持部材12の設置方法はどちらでもよい。
この凹部7aのゴム体5の面全体を押圧する状態の鉤状部12aは、1対の引っ張り部材13の油圧駆動によりゴム体5全体を均等に相互に反対方向に押圧して、芯金2から離れる方向に移動する。このとき芯金2は固定のままであるから、ゴム体5はこの移動により芯金2から強制的に剥がされる。この剥がしは、100mm/秒以上の高速、例えば116mm/秒の速度で引っ張り部材13を移動させると、ゴム体5は切り込みを要することなく行うことができる。
又、低速の場合、例えば60mm/秒の場合は、この剥がされる過程では、小片ゴムクローラ7の中央部のゴム体5は、引き延ばされたままの状態となる。剥ぎ取り装置10を高速で動作させる場合は、その高速動作でゴム体は切断し瞬時に分離ができるが、低速で行う場合にはゴム体5は延びたままである。本実施の形態のゴムクローラの分離装置の場合は、低速で行う場合に適用するものとして説明する。低速の場合は、均一に分離するために破断直前の状態のゴム体5に切り込みを入れるようにした。
ゴム体5は引っ張られた時点で、引っ張り方向の反対方向の抵抗力で保持されているが、引っ張り過程又は引っ張り後に切り込みを入れることにより瞬時にこの抵抗力が解消されてゴム体5は引っ張り方向へ勢いよくはじけるようにして離れ縮む。この切り込みは最終的に芯金位置まで切り込まれる。図9は、延びたゴム体5に切り込み装置11の切込み刃11aにより、切り込みを入れる状態を示している。中央部のゴム体5はやや凹み張って延びている状態にある。
この切り込みは間隔の狭い2枚の切込み刃11aで芯金2の位置まで切り込む。2枚の切込み刃11aで行うことにより、一方の切込み刃11aより引っ張り側のゴム体5は、切られる反対側のゴム体5の影響がないのでスムースに離れ縮み、確実で安定した分離が行われる。原理的には1つの切込み刃でも分離はスムースに行われるが、分離したときの芯金2の中央部にゴム体5の一部が幅広く残存するおそれがある。これを避けるためには、本実施の形態では2枚の切込み刃11aで切り込みを入れる方が好ましいのである。このようにして分離されたゴム体5と芯金2は各々別々に回収される。次に他の実施の形態について説明する。
(他の実施の形態1)
図10に示す把持部材15は、前述した把持部材12の他の構造例を部分的に示すものである。この把持部材15の鉤状部15aは、前述した小片ゴムクローラ7の凹部7aに差し込むものである。この鉤状部15aを把持基体15cとは別部品とし、これをボルト15bを介して連結し一体化させたものである。この構造の場合は鉤状部15aの交換が容易で、又把持部材15における鉤状部15aの位置を変えることができる。即ち、鉤状部15a、把持基体15cに対してのボルト15bのネジ込み長さの長短で、引っ張り方向の長さの位置調整ができる。
(他の実施の形態2)
図11に示す構成は、前述した図8に相当する図であるが、把持部材16の鉤状部16aを凹部7aに対し、上方からの差込構成で引っ張り部材13との連結部を上方に位置させたものである。鉤状部16aの押圧モーメントが前述の例に比し大きくなる傾向はあるが、把持部材16の幅を狭くすることができ、形状が異なる例を示すものである。
又、図示していない構造例であるが、剥ぎ取り装置は把持部材と引っ張り部材が一体になったものであってもよい。この場合は、剥ぎ取り装置は揺動機構はなく往復移動のみの動作しか行わない。このため、ゴムクローラ1は、剥ぎ取り装置の把持部の形状はゴムクローラの形状に合わせた固定形状となり、挿入方向も限定される。この例の剥ぎ取り装置は簡素な構成となりゴムクローラ1が一定のものであり、専用的に使用される場合に適用される。
(他の実施の形態3)
図12は、本実施の形態のゴムクローラの分離装置を適用したシステム例を示すものである。分離装置8に切断装置17を付随させ、帯形状のゴムクローラ1の段階から一連の流れ作業で切断、分離処理を行なうものである。ゴムクローラ1を切断装置17で切断し小片ゴムクローラ7として搬送させ、分離装置8に位置決め固定し芯金2とゴム体5とを分離して、分離された芯金2とゴム体5は各々の回収経路18,19により別々に回収する。
(他の実施の形態4)
図13に示す構成は、把持部材20の鉤状部20aの押圧部分を部分的に示した他の実施の形態を示す図である。把持部材20の鉤状部20aは小片ゴムクローラ7の凹部7aへの内側がエッジ20bに構成され、端部が鋭利形状になっていてゴム体の凹部に食い込むようになっている。この構成によりゴム体5は鉤状部20aから外れるおそれはなく把持し、確実に安定して引っ張られようになる。
(他の実施の形態5)
次に、芯金からゴム体を分離するときに把持部材が芯金に干渉しないように構成した分離装置の実施の形態例を図14〜図18にもとづき説明する。ゴムクローラ1の構成は前述の図1及び図2に示すとおりである。図14は中央部が凹部状に構成され図1と異なる芯金例の場合を図示したもので、切断後の小片ゴムクローラ7の平面図である。芯金2bはC寸法の凹部7aを有する形状となっている。 次に、この切断された小片ゴムクローラ7をゴム体5と芯金2bとに分離する実施の形態における分離装置8について説明する。
図15は分離装置8の平面図で、図16はその正面図である。図において、分離装置8は鋼板構成のフレーム体8a上にメーン装置が搭載されている。又、前述同様に、この分離装置8にはキャスター8dが付いていて移動させることが可能な構成になっている。更に、フレーム体8aには、後述する剥ぎ取り装置21の引っ張り部材24を駆動するための駆動源である油圧ユニット8bが内蔵されている。
又、操作側には、分離装置8の各操作を行うための操作盤8cが取り付けられている。分離装置8の中央部に小片ゴムクローラ7の固定台9が設けられていて、搬入された小片ゴムクローラ7が所定位置に載置固定される。この固定は基本的に位置ずれのないようにするためのものである。この固定台9には小片ゴムクローラ7の芯金2bの外れ防止突起2aが嵌まり込み、位置がずれずに固定されるようになっている。この固定台9を挟んで対称位置に本実施の形態の1対の剥ぎ取り装置21が設けられている。
又、固定台9上方には小片ゴムクローラ7の芯金部分を押圧して固定するための芯金固定装置22が設けられている(図15,16参照)。この芯金固定装置22は、フレーム体8aの上方に配置されており、この芯金固定装置22の上部に油圧シリンダ22aが取り付けられている。油圧シリンダ22aは、差し込まれた小片ゴムクローラ7の芯金部分を小片ゴムクローラ7の上から押圧し固定するものである。
切断された小片ゴムクローラ7は、先ず固定台9に位置決め固定されるが、このときの小片ゴムクローラ7の取り付け姿勢は、図2に示すように、本実施の形態においても芯金2bの外れ防止突起2aが下方に向いている。1対の剥ぎ取り装置21は、小片ゴムクローラ7を直接把持する部位である把持部材23と、この把持部材23をそれぞれ引っ張るための引っ張り部材24とで構成されている。更に、この引っ張り部材24をそれぞれ駆動するための油圧シリンダ25とから1対の剥ぎ取り装置21は構成されている。
次に、その剥ぎ取り装置21の詳細について図17から図18にもとづき説明する。図17は部分平面図であり、図18は図17のZ−Z断面図である。剥ぎ取り装置21について更に詳述すると、把持部材23は小片ゴムクローラ7を把持するための把持部23aとその支持部23bとで構成され、この支持部23bに連結され、支持部23bを分離方向に引っ張るための引っ張り部材24とから構成されている。これらは各々は対で構成されており、更に引っ張り部材24は油圧シリンダー25のロッドに連結され、このロッドの駆動で往復移動される。
把持部材23の把持部23aは小片ゴムクローラ7の凹部7a側に差し込まれ、凹部7aの面を分離方向に押圧するように設置されている。この凹部7aは転輪孔3の半切り欠き部である(図14参照)。この把持部23aは、先端部が鉤状になっていて、先端部は凹部7aの位置で引っ張り方向に食い込み形状を有している。この食い込み形状はゴム体5に食い込ませるためのものであり、例えば先尖りのエッジ状をなす。
この鉤状部分を凹部7aに小片ゴムクローラ7の両側を挟む状態で差込む。この把持部23aは、凹部7a側にバネ23cの付勢力で押圧移動可能に支持部材23bに支持されている(図18参照)。即ち、この把持部23aは所定寸法の範囲で規制され、常に凹部7a側にバネ23cの付勢力で押圧されるようになっている。
この把持部23aは、前述したように支持部23bに対し独立した部材であり、支持部23bと相対的に可動する。この把持部23aの支持形態は軸体で支持されバネ23cの付勢力で、凹部7a側に規制寸法範囲で移動可能である。この把持部23aの凹部7a側は前述したようにエッジ状の把持形状を構成し、又下部23dはフラット形状となっていて固定台9上を安定的にスライドするようになっている。
又、把持部23aの下部23dの溝は、支持部23bの一部を構成する案内体23eのT字状案内部23fにはめ込まれており、この把持部23aは図17に示す矢印方向に沿って規制されながら移動可能である。把持部23aは、このT字状案内部23fを介して、このT字状案内部23fとともに分離方向に引っ張られることになる。又、この凹部7aと把持部23aとの間に、小片ゴムクローラ7の位置決め部材26が設けられている。この位置決め部材26は、小片ゴムクローラ7の凹部7aを挟み対をなし互いに対向して設けられ、一定の厚さを有している。
この位置決め部材26はフレーム体8aに設置され、剥ぎ取り装置21側に張り出している。この位置決め部材26はプレート状になっていて、1対の上部端部が相互に外側に傾斜した傾斜部26aとなっている。小片ゴムクローラ7が上方から差し込まれるときの案内部を構成している(図18参照)。小片ゴムクローラ7の凹部7aがこの傾斜部26aに沿って案内され、載置位置の固定台9中央部に設置される。凹部7aと把持部23aに挟持される位置決め部材26の厚さは、小片ゴムクローラ9の芯金2bの窪み深さC(図14参照)の寸法以上の厚みになっている。例えば、本例では位置決め部材26の厚さを5mmに設定した。
この位置決め部材26は、把持部23a側方向に、即ち、幅寸法方向に若干移動調整できるようにフレーム体8aに設けられていて、対象とする小片ゴムクローラ7のタイプが異なっても、凹部7aの幅に合わせ位置決め部材26の幅が芯金2bの幅より大きくなるように対向する位置決め部材26の間隔が設定される。これは把持部23aの押圧動作で設定される。位置決め部材26は、フレーム体8aに設けられたシャフトの軸線に沿って可動し、無給油方式のリニアブッシュ(図示せず)により支持されている。
即ち、小片ゴムクローラ7は、その凹部7a幅に合致された間隔の位置決め部材26の上方傾斜部26aから挿入、案内される形で差し込まれる。差し込まれた小片ゴムクローラ7は前述したとおり、外れ防止突起2aが固定台9に設置される状態となる。この載置された小片ゴムクローラ7に対し、把持部23aが位置決め部材26を介して凹部7a側に常にバネ23cの付勢力で押圧する状態となる。この状態は対向する把持部23aで、小片ゴムクローラ7を密着押圧した状態である。
このようにすることで、小片ゴムクローラ7と把持部23aとは偏ることなく常に小片ゴムクローラ7は対向する把持部23aの中央部に挟まれ維持されることになる。従って、この状態により対向する把持部材23の1対の把持部23a間隔寸法は、常に芯金の幅以上の寸法が確保されることになる。この状態で油圧シリンダ25の駆動動作により引っ張り部材24、支持部23bを介して剥ぎ取り方向に把持部23aを引っ張る。この引張りにより把持部材23は芯金2bに干渉することなくゴム体5を押圧し芯金2bから剥ぎ取ることができる。
このように小片ゴムクローラ7の芯金2bを挟んで、芯金2bの両側にゴム体5を押圧する状態で位置決め部材26を介して把持部23aは設置される。又、支持部23bは引っ張り部材24に対し、ピン体24aを介して上下方向に揺動自在である。このピン体24aは、容易に取り付け、取り外しができるように構成されており、このピン体24aの取り付け、取り外しを行うことで別の形状の把持部材23との取り付け、取り外しを容易にしている。即ち、把持部23aの交換を可能としている。
この凹部7aのゴム体5の面全体を押圧する状態の鉤状部は、前述したものと同様に1対の引っ張り部材24を油圧駆動により均等に相互に反対方向に押圧して、ゴム体5全体は芯金2bから離れる方向に移動し剥ぎ取られる。このとき芯金2bは芯金固定装置22により固定のままであるから、ゴム体5のみがこの移動により芯金2bから強制的に剥がされる。
剥ぎ取り装置21を高速で動作させる場合は、その高速動作でゴム体5は切断し瞬時に分離ができるが、低速で行う場合にはゴム体5は延びたままである。低速の場合は、本実施の形態例においては、ゴムクローラの中央部を芯金固定装置22により強制的に押圧するようにしている。このため、ゴム体5は中央部で分岐し分離される。均一に分離するために破断直前の状態のゴム体5に前述のように切り込み装置を設け切り込みを入れるようにすればよい。又、本実施の形態において、芯金固定装置22の押圧部を刃形状にするようにすれば、芯金固定装置22は押圧固定の機能とゴム体の切り込みの機能を合わせ持たせることも可能である。
以上、他の例を含め実施の形態について説明したが、本発明は本実施の形態に限定されないことはいうまでもない。
図1は、帯状ゴムクローラの平面図である。 図2は、図1のX−X断面図である。 図3は、ゴムクローラの分離装置の平面図である。 図4は、ゴムクローラの分離装置の正面図である。 図5は、ゴムクローラの分離装置の側面図である。 図6は、剥ぎ取り装置の平面図である。 図7は、剥ぎ取り装置の正面図である。 図8は、図7のY−Y断面図である。 図9は、引き延ばされたゴム体に切り込みを入れる状態を示す正面図である。 図10は、剥ぎ取り装置の他の実施の形態を示す部分図である。 図11は、把持部材の他の実施の形態を示す断面図である。 図12は、ゴムクローラの分離装置を適用する処理システムの例を示す説明図である。 図13は、把持部材の他の実施の形態を示し、鉤状部をエッジ構成とする部分断面図である。 図14は、中央部が凹部状に構成される芯金のある小片ゴムクローラの平面図である。 図15は、ゴムクローラの芯金干渉防止機能を有する分離装置の平面図である。 図16は、ゴムクローラの芯金干渉防止機能を有する分離装置の正面図である。 図17は、剥ぎ取り装置の部分平面図である。 図18は、図17のZ−Z断面図である。
符号の説明
1…ゴムクローラ
2,2b…芯金
3…転輪孔
4…スチールコード
5…ゴム体
6…ラグ
7…小片ゴムクローラ
8…分離装置
10,21…剥ぎ取り装置
11…切り込み装置
12,23…把持部材
13,24…引っ張り部材
26…位置決め部材

Claims (16)

  1. 帯形状のゴムクローラが、長さ方向に所定の長さに切断された小片ゴムクローラを、ゴム体と芯金とに分離するためのゴムクローラの分離装置であって、
    前記小片ゴムクローラを所定位置に位置決め固定するための固定装置と、
    この固定装置により固定された前記小片ゴムクローラの前記ゴム体の部分を把持して、前記芯金を中心として対向して前記ゴム体を引っ張って、前記芯金から前記ゴム体を剥ぎ取るための1対の剥ぎ取り装置と
    からなるゴムクローラの分離装置。
  2. 請求項1に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の剥ぎ取り装置で、前記引っ張りの過程で延びた前記ゴム体の分離位置に切り込みを入れるための切り込み装置を設けたことを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  3. 請求項1又は2に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の剥ぎ取り装置は、前記ゴム体の凹部に係合して把持するように設けられる1対の把持部材と、この1対の把持部材を揺動自在に連結して前記芯金から離れる方向に引っ張る1対の引っ張り部材とから構成されていることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  4. 請求項1又は2に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の剥ぎ取り装置は、前記ゴムクローラの中央部を挟持し前記芯金の幅より大きい寸法の間隔幅を維持する1対の位置決め体を有することを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  5. 請求項1又は2に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記固定装置は、前記小片ゴムクローラの中央上部を押圧する押圧装置を有していることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  6. 請求項1又は2に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の剥ぎ取り装置は、前記ゴム体の凹部を押圧する押圧部が、前記引っ張り方向に直角な厚さ方向の面で前記芯金近傍の前記ゴム体を押圧する形状を有していることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  7. 請求項2に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記切り込み装置は、2つの切込み刃を有して切り込む装置であることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  8. 請求項3に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の把持部材は、前記1対の引っ張り部材に対し交換可能に保持されていることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  9. 請求項3に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の把持部材は、前記凹部への押圧部分がエッジ形状をなし、前記凹部の内側を把持する構成になっていることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  10. 請求項3に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の把持部材は、前記ゴムクローラを把持する把持部と、この把持部を支持して前記1対の引っ張り部材に連結する支持部とを有していることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  11. 請求項4に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の位置決め体は、前記小片ゴムクローラを挿入する側の上部端部が外側に拡開する案内部を構成していることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  12. 請求項4に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記1対の位置決め体の間隔幅は、前記1対の把持部材の端部側間の挟持幅で調整可能になっていることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  13. 請求項10に記載のゴムクローラの分離装置において、
    前記把持部は、前記支持部に対し可動自在に支持されていることを特徴とするゴムクローラの分離装置。
  14. 帯形状のゴムクローラが所定の大きさに切断された芯金を含む小片ゴムクローラに対しゴム体と芯金とを分離する方法であって、
    切断された前記小片ゴムクローラを所定位置に位置決め固定する工程と、
    位置決め固定された前記小片ゴムクローラのゴム体の凹部を把持する工程と、
    把持した前記ゴム体を前記芯金から離れる方向に1対の剥ぎ取り装置で押圧して引っ張る工程と
    からなることを特徴とするゴムクローラの分離方法。
  15. 請求項14に記載のゴムクローラの分離方法において、
    前記引っ張る工程は、把持した前記ゴム体を100mm/秒以上の速度で引っ張る工程であることを特徴とするゴムクローラの分離方法。
  16. 請求項14又は15に記載のゴムクローラの分離方法において、
    前記引っ張る工程で延びた前記小片ゴムクローラの前記ゴム体の分離位置に、切り込みを入れる工程を付加したことを特徴とするゴムクローラの分離方法。
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