JP2006264236A - 難燃性ハイブリッド複合材料及びそれを用いた容器とその成形方法 - Google Patents

難燃性ハイブリッド複合材料及びそれを用いた容器とその成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い難燃性を示すハイブリッド複合材料、及びそれを用いた難燃性に優れた容器、更には、その安価な成形方法を提供すること。
【解決手段】一方向配列炭素繊維のプリプレグと、これの片面又は両面に積層配置されたガラス繊維クロスのプリプレグとからなる難燃性ハイブリッド複合材料であり、容器の外表面にガラス繊維クロスのプリプレグが配置され、内表面に一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグが配置された構成にすることによって、難燃性に優れ、機械的特性にも秀でた容器が得られる。かかる容器は、例えば、容器の外表面を形成する主型に沿ってガラス繊維クロスのプリプレグを敷設し、このプリプレグ上に一方向配列炭素繊維のプリプレグを重ねて配置し、その後、前記主型内部に容器の内表面を形成する入子を挿入・配置して、加熱成形することによって成形することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性ハイブリッド複合材料と、それを用いた難燃性に優れたFRP製の容器とその成形方法に関する。
繊維強化プラスチック(FRP)は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、PPS、PEEK等の熱可塑性樹脂のマトリックス樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維強化材からなるものであり、軽量で且つ強度特性に優れるため、近年、航空宇宙分野、輸送・運輸分野から一般産業分野に至るまで、幅広い分野において利用されている。
FRP製品を成形する場合、繊維強化材に樹脂を含浸させ、流動性や粘着性を除いて取り扱い性を良くしたシート状の成形中間体である、プリプレグが用いられる場合が多い。そして、プリプレグを用いて、中空の部材を成形するための方法としては、オートクレーブ成形法、ホットプレス成形法、真空バッグ成形法等が知られている。
繊維強化材の中でも炭素繊維は、軽量であり航空宇宙分野、輸送・運輸分野での利用が増加しつつあるが、炭素繊維を用いたFRPは、耐熱性には優れているものの、炭素繊維自体は空気中では高温で燃焼する。従って、用途によっては難燃性の改善・向上が必要である。
一方、2種以上の繊維強化材を組合わせてハイブリッド複合材料とすることにより、色々の性能を改善・向上させることも行われている。例えば、ガラス繊維と炭素繊維とアラミド繊維を適宜組合わせると、組合せのタイプによって、積層体の強度や弾性率が高くなることが知られている(非特許文献1参照)。また、ガラス繊維と炭素繊維のハイブリッド複合材料を使用した軽量の高圧ガス容器(特許文献1参照)、あるいは加熱によりガラス質セラミックを生ずる難燃性付与用粒子を、樹脂等の高分子材料に分散又はコーティングして得られる難燃性高分子複合材料も知られている(特許文献2参照)。
森本尚夫著、「プラスチック系先端複合材料」高分子刊行会、1998年10月5日発行、142−145頁 特表平8−510428号公報 特開2001−131431号公報
しかしながら、特定用途のFRP製の容器に難燃性を付与するために、特定のハイブリッド複合材料を用い、且つ、それらの特定の積層体の組合せを用いることは、これまで提案されてはいない。
本発明の課題は、高い難燃性を示すハイブリッド複合材料を提供すること、及びそれを用いた難燃性に優れた容器、更には、その安価な成形方法を提供することにある。
本発明の中、請求項1の発明は、難燃性に優れた複合材料に係るもので、一方向配列炭素繊維のプリプレグと、これの片面又は両面に積層配置されたガラス繊維クロスのプリプレグとからなる難燃性ハイブリッド複合材料である。積層の形態としては、一枚又は複数のガラス繊維クロスのプリプレグと、一枚又は複数の一方向配列炭素繊維のプリプレグが重ねて積層されたもの、あるいは、ガラス繊維クロスのプリプレグで、一枚又は複数の一方向配列炭素繊維のプリプレグをサンドイッチ状に挟んだものでも良い。また、後者の場合、耐熱性の要求の程度によっては、コアである複数の一方向配列炭素繊維のプリプレグの間に、更にガラス繊維クロスのプリプレグが挟まれて配置されているものでも良い。
本発明の請求項2の発明は、容器壁の外表面の少なくとも一部がガラス繊維クロスのプリプレグから形成され、容器壁の内層の少なくとも一部が一方向配列炭素繊維のプリプレグから形成され、容器壁の内表面の少なくとも一部が一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグから形成されていることを特徴とする難燃性に優れた容器である。この場合において、容器壁の内層を構成する一方向配列炭素繊維のプリプレグの間に、更にガラス繊維クロスのプリプレグが挟まれて配置されているものでも良い。
本発明の請求項3の発明は、容器の外表面を形成する主型に沿ってガラス繊維クロスのプリプレグを敷設し、該プリプレグ上に一方向配列炭素繊維のプリプレグを重ねて配置し、その後、又は、更にガラス繊維クロスのプリプレグを重ねて配置した後、前記主型内部に容器の内表面を形成する入子を挿入・配置して、加熱成形することを特徴とする難燃性に優れた容器の成形方法である。この方法においては、容器の形状に限定はない。
本発明の請求項4の発明は、枡形(一面が開口した中空の直方体)の容器の相対する表壁面と裏壁面にはプリプレグが用いられ、相対する左右壁面と底壁面には、この容器の厚さ方向に、短冊状に切断されたプリプレグの小片が所望の厚さに積層して配置されている容器の成形方法において、表裏壁面の外表面側にガラス繊維クロスのプリプレグが配置され、表裏壁の内層には一方向配列炭素繊維のプリプレグが配置され、表裏壁面の内表面側には一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグが配置された難燃性ハイブリッド複合材料を用いた、互いに面対照な水平断面が凹型の二つの部材を成形し、その後、該部材を互いに面対照に組合せ、前記積層されたプリプレグの小片の積層部を接合して枡形の容器を形成することを特徴とする容器の成形方法である。これらの成形方法においても、容器壁の内層を形成する一方向配列炭素繊維のプリプレグの間に、更にガラス繊維クロスのプリプレグが挟まれて配置して成形しても良い。
本発明によれば、優れた難燃性、特に垂直燃焼試験にも合格する優れた難燃性を有する難燃性ハイブリッド複合材料、及び、それを用いた軽量な容器が、比較的安価な方法で製造できる。そして、得られた容器は、種々の用途のFRP成形品又はその部材として利用される。
本発明の難燃性ハイブリッド複合材料は、一方向配列炭素繊維のプリプレグと、これの片面又は両面に積層配置されたガラス繊維クロスのプリプレグとからなるものである。炭素繊維自体は、高温の空気中では燃焼するものの、本来的には相当に難燃性でもあるので、例えば、炭素繊維プリプレグのみは、水平燃焼試験には十分に合格する。しかしながら、より燃焼条件として厳しいと思われる垂直燃焼試験では不合格になるという問題がある。本発明者は、炭素繊維のプリプレグとガラス繊維のプリプレグを組合わせることによって、ハイブリッド複合材料としての軽量性を出来るだけ保持したまま、垂直燃焼試験にも合格するような複合材料が得られることを見出したのである。
本発明の容器は、容器壁の外表面の少なくとも一部がガラス繊維クロスのプリプレグから形成され、容器壁の内層の少なくとも一部が一方向配列炭素繊維のプリプレグから形成され、容器壁の内表面の少なくとも一部が一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグから形成されている難燃性に優れた容器である。容器が、例えば、枡形の直方体の場合、全ての壁面が、外表面がガラス繊維クロスのプリプレグから形成され、内表面が一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグから形成されているものであっても良いが、容器の使用条件や使用態様によって難燃性の要求度が異なる場合等には、特に難燃性の要求される壁面だけを、本発明の難燃性ハイブリッド複合材料で形成しても良い。また、例えば、円筒形の容器の場合には、円筒壁面を本発明の難燃性ハイブリッド複合材料で形成し(外表面がガラス繊維クロスのプリプレグ)、底面は炭素繊維のプリプレグのみで形成しても良い。
そして、更に、本発明者は、単なる炭素繊維のプリプレグとガラス繊維のプリプレグを組合わせではなく、容器の壁の外表面にガラス繊維クロスのプリプレグを配置し、壁の内層、即ち内部に一方向配列炭素繊維のプリプレグを配置し、壁の内表面に一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグを配置するという構成を取ることによって、初めて、軽量の優れた難燃性の容器が成形できることを見出し、容器に関する本発明も完成させたのである。
容器壁の少なくとも外表面にガラス繊維クロスのプリプレグを配置することによって、成形品を更に加工する時のバリ立ち、即ち、例えば、成形品の端部に穴開け加工をする際に、端部のFRPが剥がれる現象、を抑えることができる。また、少なくとも内層に一方向配列炭素繊維のプリプレグを配置することによって、特に容器に求められる機械的物性が満足される。
本発明の容器は、容器の外表面を形成する主型に沿ってガラス繊維クロスのプリプレグを敷設し、このプリプレグ上に一方向配列炭素繊維のプリプレグを重ねて配置し、その後、又は、更にガラス繊維クロスのプリプレグを重ねて配置した後、前記主型内部に容器の内表面を形成する入子を挿入・配置して、次いで、主型と入子とからなる金型を型締めし、加熱成形し、そして冷却後、型抜きすることによって得られる。それぞれのプリプレグは一枚あるいは複数積層して用いても良い。加熱成形は、例えば、硬化炉やオートクレーブ中で、100〜130℃で1〜2時間行うのが適当である。
本発明のプリプレグは、ガラス繊維のクロス又は一方向配列の炭素繊維からなる繊維強化材に、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂を含浸させて得られたプリプレグである。ガラス繊維のクロスとは、ガラス繊維からなる織物あるいは不織布等の布帛を意味するが、平織や綾織等の織物が好ましい。一方向配列の炭素繊維とは、炭素繊維のストランド(繊維束)を一方向に引き揃えた状態のものを意味するが、ストランドを一方向に引き揃えシート状とし、これを直角方向にステッチ糸で縫合した一軸織物、一方向に引き揃えたシート状物を角度を変えて複数積層し、これを直角方向にステッチ糸で縫合した多軸織物も含むものである。目付けは、ガラス繊維のクロスを用いたプリプレグの場合は、100〜300g/mが好ましく、一方向配列の炭素繊維を用いたプリプレグの場合も、100〜300g/mが好ましい
マトリックス樹脂として好ましいのは、熱硬化性樹脂であり、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂を予備重合した樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、適宜量配合したものでも良い。これらの樹脂のうち、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂組成物、ビニルエステル樹脂組成物が特に好ましい。これらの熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤等が含まれていても良い。繊維強化材とマトリックス樹脂の割合は、繊維強化材が全体の30〜70重量%であるものが好ましい。
本発明の請求項2の発明に係る容器の一例を、図面で説明する。図1は、一面が開口したFRP製の中空の直方体、即ち、エンジンカバ−等に用いられる枡形の容器を示している。
容器の表裏面の外表面1は、ガラス繊維クロスのプリプレグから形成され、内表面2は一方向配列炭素繊維のプリプレグから形成されている。図1において、上面が開口している部分であり、ここには、用途に応じて種々の加工をしたり、種々の部品、例えば、フランジやその他のインサート部品を設置することができる。また、直方体の壁面には、必要に応じて、例えば、ボルト孔を設けることもできる。そして、フランジやその他のインサート部品の設置やバルト孔の穴あけ等は、直方体を成形した後行っても良く、あるいは、成形と同時に行っても良い。あるいは、図1の中空の直方体の開口部にフランジが付設されている様なものを、一体成形により成形しても良い。
本発明の請求項3に係る発明、即ち、容器の成形方法の一つについて図を用いて説明する。図2は、開口部にフランジが付設された中空の直法体を成形する場合の、金型の断面図を示している。図2において、5は金型の主型の下型であり、6は同じく上型であり、7は入子である。図2は、開口部にフランジが付設された中空の直法体9(難燃性ハイブリッド複合材料からなるプリプレグ)を成形する場合であるから、入子7は断面がT字形のものである。8は、ゴム基板からなる補助型である。先ず、主型の下型5の内壁に沿ってガラス繊維クロスのプリプレグを敷設し、それに積層して一方向配列炭素繊維のプリプレグを配置し、次いで、入子7を挿入・配置する。場合によっては、一方向配列炭素繊維のプリプレグの上に、更にガラス繊維クロスのプリプレグを配置しても良い。そして、入子7のT字形上面にゴム基板8を介して主型の上型を設置し、金型を型締めする。型締めした金型は、例えば、硬化炉に入れ、90〜180℃で1〜2時間加熱される。加熱による主型5、6と入子7の熱膨張圧の差により、更に補助型のゴム基板8の膨張圧も加わって、難燃性ハイブリッド複合材料からなるプリプレグ9は下型の内壁に強く押し付けられた状態で硬化する。そして、金型の冷却後、成型品である直方体9は、金型から容易に離型し取り出すことができる。
本発明の請求項4に係る発明、即ち、容器の成形方法のもう一つの態様である、枡形(一面が開口したFRP製の中空の直方体)の容器の成形法について説明する。図1に示される様な、直方体の相対する表面と裏面に、本発明の難燃性ハイブリッド複合材料を用い、この直方体の左右面と底面には、この直方体の厚さ方向に、短冊状に切断された炭素繊維プリプレグの小片を所望の厚さに積層して配置した容器を成形することを目的とする。先ず、図3に示した様な、図1の直方体を二つに分割した形状の、互いに面対照な水平断面が凹型の二つの部材を成形する。図3において、表面又は裏面の外表面1はガラス繊維クロスのプリプレグであり、内表面2は一方向配列炭素繊維のプリプレグからなっている。表面又は裏面の三方の端には、炭素繊維プリプレグの小片3、4が所望の厚さに積層して配置されている。この様な互いに面対照な水平断面が凹型の二つの部材を成形し、次いで得られた部材を、互いに面対照に組合せ、この積層されたプリプレグの小片の積層部を接着剤又はボルト締め等で接合して中空の直方体を形成する。
この際、炭素繊維プリプレグの小片の積層面の少なくとも片面に、繊維強化樹脂シートをこの積層端面を覆う様に配置しておくと、容器の緻密性が増し、液漏れ等が防止できるという効果もある。部材の成形のためには、オートクレーブ成形法や真空バッグ成形法が採用できるが、オートクレーブ成形法が好ましい。オートクレーブ成形の加熱温度は80〜200℃、加圧圧力は0.05〜4MPaが適当である。容器の緻密性を増すために用いられる繊維強化樹脂シートとは、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の繊維の織物、不織布等のシート状物に熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を含浸させて得られたプリプレグを意味する。好ましいのは、ガラス繊維のプリプレグである。繊維強化樹脂シートは、直方体の形状に応じて、それぞれ左右面及び底面を覆う大きさに切断して用いられる。繊維強化樹脂シートの目付は特に制限はないが、例えば、ガラス繊維のクロスを用いたプリプレグの場合は、100〜300g/mが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、難燃性の評価は下記の燃焼試験の方法に従った。
[燃焼試験]
難燃性の認証基準としてのUL94に従った。試験用の試料としては、本発明のハイブリッド複合材料又は同じ厚さの炭素繊維プリプレグから切り取った、幅13±50.5×長さ125±5mmの試験片を用いた。水平燃焼試験(UL94 HB)では、試料を片端で固定して水平に保持し、その自由端に30秒間ガスバーナーの炎を接炎させる。炎を離した後に試料が燃焼を続けたならば、その燃焼の速度を測定する。そして、厚さが3.05mm以上の試料については、燃焼速度が毎分38.1mmを超えず、炎が試料の端から102mmの点に達する前に燃焼が止まれば合格とする。垂直燃焼試験(UL94 V−0)では、垂直に保持した試料の下端に10秒間ガスバーナーの炎を接炎させる。燃焼が30秒以内に止まったならば、さらに10秒間接炎させる。そして、いずれの接炎の後も10秒以上燃焼を続けない、固定用クランプの位置まで燃焼しない、脱脂綿を発火させる燃焼粒子を落下させない等の基準を満足すれば合格とする。
[実施例1]
図1に示した様な直方体を製造した例を示す。容器の表壁面と裏壁面は縦横170×1065cmの大きさで、共に、表面はガラス繊維織物(目付200g/m、WE18K、日東紡社製)にエポキシ樹脂を含浸(樹脂含有率38%)させたプリプレグが1枚配置され、内層には、一方向配列炭素繊維プリプレグ(高弾性プリプレグ、繊維含有率=60%、東邦テナックス社製)が11枚積層されたものが配置され、内表面は前記と同じガラス繊維織物のプリプレグが1枚配置されて一つの壁を構成している(ハイブリッド複合材料)。左右の面には、前記と同じ一方向配列炭素繊維のプリプレグを縦横160×10.5cmの短冊状に切断してものを、33枚積層している。底面は、同じプリプレグを縦横10.5×1065cmの短冊状に切断してものを、33枚積層している。
具体的な成形方法は以下のとおりである。縦横170×1065cmのハイブリッド複合材料(プリプレグ)の短辺の両端に、短冊状の縦横160×10.5cmのプリプレグを33枚積層し、長辺の一端に短冊状の縦横10.5×1065cmのプリプレグを33枚積層し、水平断面が凹型の成形用部材とした。同じものをもう一つ用意し、これら2つの水平断面が凹型の部材を、圧力0.5MPaで加圧下、120℃で2時間の条件でオートクレーブ成形した。かくしてして得られ2つの部材を面対照に組合せ、積層されたプリプレグの小片の積層部を、ボルト締めして接合して中空の直方体を形成した。
表面を構成するハイブリッド複合材料の燃焼試験を行ったところ、水平燃焼試験と垂直試験の両方に合格していた。
[実施例2]
枡形の容器の外表面を形成する金型の主型(分割型)に沿って、先ずガラス繊維クロスのプリプレグを敷設し、次いでこのプリプレグ上に一方向配列炭素繊維のプリプレグを重ねて配置し、実施例1と同様に、左右面と底面には、炭素繊維プリプレグの小片を積層し、その後前記主型内部に容器の内表面を形成する入子を挿入・配置して、金型を型締めし、実施例1と同様な条件で加熱成形した。その後、金型を冷却し、成形品を離型して枡形の容器を得た。
表面を構成するハイブリッド複合材料の燃焼試験を行ったところ、水平燃焼試験と垂直試験の両方に合格していた。
[比較例1]
ガラス繊維クロスのプリプレグを用いないで、炭素繊維プリプレグのみを用いて、実施例1の場合と同様にして枡形の容器を成形して得た。この場合には、壁面に穴開加工を行ったところ、実施例1又は2の場合と異なり、穴開加工の抜け側で壁面の一部が剥がれる(バリ立ち)現象が見られた。また、これに用いた炭素繊維のプリプレグの燃焼試験の結果では、水平燃焼試験には合格したが、垂直燃焼試験には不合格であった。
[実施例3]
図2にその断面を示した金型を用いて、開口部にフランジが付設された中空の直法体を成形した。炭素鋼(S45C)製の主型の下型5のキャビティ内面に、ガラス繊維クロスのプリプレグを1枚敷設し、その上に一方向配列炭素繊維のプリプレグを11枚積層配置し、更にその上にガラス繊維クロスのプリプレグを1枚積層配置した(ハイブリッド複合材料)。プリプレグとしては実施例1のものと同じ物を用いた。次いで、主型の下型5のキャビティ内に、ハイブリッド複合材料のプリプレグ9を介してアルミ合金(2017)製の入子7を挿入・配置し、更に、入子7のT字形上面にゴム基板8を介して主型の上型6を設置し、金型を型締めした。型締めした金型を、硬化炉内に置き、120〜130℃で1.5時間加熱した。金型を取り出し冷却後、開口部にフランジが付設された中空の直法体9は、金型から簡単に離型して取り出すことができた。得られた成形品は、厳密な直角度を有するフランジ付の中空の直方体であった。
本発明の容器は、難燃性に優れているので、例えば、開口面にフランジを形成するなどして、リニアモーター等のモーターカバーなどに利用できる。
本発明の容器の一例を示す説明図である。 本発明の容器の成形方法を示す説明図である。 本発明の容器の成形方法のもう一つの例を示す説明図である。
符号の説明
1 ガラス繊維クロスのプリプレグ
2 一方向配列炭素繊維のプリプレグ
3、4 炭素繊維プリプレグの小片
5 金型の主型の下型
6 金型の主型の上型
7 入子
8 ゴム基板
9 直法体又は難燃性ハイブリッド複合材料からなるプリプレグ






Claims (4)

  1. 一方向配列炭素繊維のプリプレグと、これの片面又は両面に積層配置されたガラス繊維クロスのプリプレグとからなる難燃性ハイブリッド複合材料。
  2. 容器壁の外表面の少なくとも一部がガラス繊維クロスのプリプレグから形成され、容器壁の内層の少なくとも一部が一方向配列炭素繊維のプリプレグから形成され、容器壁の内表面の少なくとも一部が一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグから形成されていることを特徴とする難燃性に優れた容器。
  3. 容器の外表面を形成する主型に沿ってガラス繊維クロスのプリプレグを敷設し、該プリプレグ上に一方向配列炭素繊維のプリプレグを重ねて配置し、その後、又は、更にガラス繊維クロスのプリプレグを重ねて配置した後、前記主型内部に容器の内表面を形成する入子を挿入・配置して、加熱成形することを特徴とする難燃性に優れた容器の成形方法。
  4. 枡形の容器の相対する表壁面と裏壁面にはプリプレグが用いられ、相対する左右壁面と底壁面には、該容器の厚さ方向に、短冊状に切断されたプリプレグの小片が所望の厚さに積層して配置されている容器の成形方法において、表裏壁面の外表面側にガラス繊維クロスのプリプレグが配置され、表裏壁の内層には一方向配列炭素繊維のプリプレグが配置され、表裏壁面の内表面側には一方向配列炭素繊維のプリプレグ又はガラス繊維クロスのプリプレグが配置された難燃性ハイブリッド複合材料を用いた、互いに面対照な水平断面が凹型の二つの部材を成形し、その後、該部材を互いに面対照に組合せ、前記積層されたプリプレグの小片の積層部を接合して枡形の容器を形成することを特徴とする容器の成形方法。



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