JP2006264056A - 印刷システム、印刷方法及び印刷制御装置 - Google Patents

印刷システム、印刷方法及び印刷制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記憶すべきデータ量を軽減する。
【解決手段】画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、前記印刷データに基づいてドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、搬送方向に並ぶ複数のドット列を媒体に形成する。ここで、通常印刷の後に下端印刷が行われる際に、前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
【選択図】 図14

Description

本発明は、印刷システム、印刷方法及び印刷制御装置に関する。
紙などの媒体(布、OHPシートを含む)に、インクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出してドット列を形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送処理とを繰り返し、複数のドット列から構成される画像を紙に印刷している。
特開平11−268344号公報
ノズルからインクを吐出するとき、既にドット列が形成されている位置に、重ねてドット列を形成すると、そのドット列が他のドット列と比較して濃く形成されてしまう。そのため、あるドット形成処理において形成可能なドット列の位置と、他のドット形成処理において形成可能なドット列の位置とが同じ場合、一方のドット形成処理において、そのドット列を形成しないようにする必要がある。
しかし、全てのドット列に対してこのような比較処理をした後に印刷データを作成したのでは、記憶すべきデータ量が多くなってしまう。
上記課題を解決するための主たる発明は、印刷制御装置と、印刷装置とを備える印刷システムであって、印刷制御装置は、画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、前記印刷装置は、前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返し、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成する印刷システムであって、前記印刷装置が、媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷を行う際に、前記印刷制御装置は、前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
印刷制御装置と、印刷装置とを備える印刷システムであって、
印刷制御装置は、画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
前記印刷装置は、前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返し、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成する
印刷システムであって、
前記印刷装置が、媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷を行う際に、
前記印刷制御装置は、
前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
ことを特徴とする印刷システム。
このような印刷システムによれば、ドット形成処理毎にテーブルを作成することができるので、記憶すべきデータ量を軽減できる。
かかる印刷システムであって、前記印刷制御装置は、前記あるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を前記第1テーブルから削除する削除処理を行い、前記あるドット形成処理の後の他のドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記削除処理の後の前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、前記他のドット形成処理を行うための印刷データを作成することが望ましい。これにより、印刷制御装置にかかる負荷を軽減できる。
かかる印刷システムであって、前記印刷装置が前記印刷データに基づいて前記あるドット形成処理を行う間、前記印刷装置が、前記あるドット形成処理の後に行われるドット形成処理を行うための印刷データを作成することが望ましい。これにより、印刷終了までの時間が遅くならずに済む。
かかる印刷システムであって、前記通常印刷を行うドット形成処理の際に、あるノズルが前記移動方向の特定の位置にドットを形成し、前記下端印刷の際に、前記特定の位置に形成されたドットの間を埋めるように他のノズルがドットを形成する場合、前記印刷制御装置は、前記通常印刷を行うドット形成処理の際の前記あるノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第2テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあれば、その位置に、前記移動方向に関する情報を対応付けて、前記第2テーブルに記憶することが望ましい。これにより、ドット列が2重に形成されることを防ぐことができる。また、前記あるノズルは、前記複数のノズルのうちの前記搬送方向の端部に位置することが好ましい。端部に位置するノズルは、インクの吐出不良になり易いからである。
かかる印刷システムであって、前記印刷制御装置は、プリンタドライバをインストールしたコンピュータであることが望ましい。但し、前記印刷制御装置及び前記印刷装置は、一体的に設けられていても良い。
画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返し、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成する
印刷方法であって、
媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷が行われる際に、
前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、ドット形成処理毎にテーブルを作成することができるので、記憶すべきデータ量を軽減できる。
画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
前記印刷装置に、前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返させて、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成させる
印刷制御装置であって、
前記印刷装置に、媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷を行わせる際に、
前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
ことを特徴とする印刷制御装置。
このような印刷制御装置によれば、ドット形成処理毎にテーブルを作成することができるので、記憶すべきデータ量を軽減できる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード130Aやマウス130Bであり、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置140AやCD−ROMドライブ装置140Bが用いられる。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能をコンピュータ110に実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、媒体に画像を印刷する装置を意味し、例えばプリンタ1が該当する。また、「印刷制御装置」とは、印刷装置を制御する装置を意味し、例えば、プリンタドライバをインストールしたコンピュータが該当する。また、「印刷システム」とは、少なくとも印刷装置及び印刷制御装置を含むシステムを意味する。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
コンピュータ110では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112やアプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザインタフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザは、アプリケーションプログラム114のユーザインタフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタに出力する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。ここで、コマンドデータとは、プリンタに特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する紙上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行う。以下に、プリンタドライバ116が行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム114から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。なお、CMYKデータは、プリンタが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGB画像データの階調値とCMYK画像データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ116が参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタドライバ116は、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブルを参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブルを参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリを参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば720×720dpi)を有している。ここでは、ハーフトーン処理されたデータは、各画素につき2ビットのデータから構成される。
ラスタライズ処理は、マトリクス状に配置された画素データから構成される画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に並び替える処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。このラスタライズ処理は、スケジューリングテーブルをプリンタドライバ116が参照することによって行なわれる。なお、スケジューリングテーブルについては、後述する。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図3は、本実施形態のプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図4Aは、本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図である。また、図4Bは、本実施形態のプリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、例えばDCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが移動方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータであり、例えばDCモータにより構成される。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。光学センサ54は、光学的に紙の端部を検出するため、機械的な紙検出センサ53よりも、検出精度が高い。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御手段)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<印刷動作について>
図5は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラ23まで送る。続いて、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させる。そして、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッドからインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。
搬送処理(S004):搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータを駆動し、搬送ローラを回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う。印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。
排紙処理(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ノズルについて>
図6は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが540dpi(1/540インチ)である場合、k=3である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。なお、前述の光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯180とほぼ同じ位置にある。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
===第1実施形態の印刷方式===
<インターレース印刷(通常印刷)>
図7A及び図7Bは、インターレース印刷の説明図である。図7Aは、パス1〜パス5におけるヘッド(又はノズル群)の位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パス1〜パス6におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
説明の都合上、複数あるノズル群のうちの一つのノズル群のみを示し、ノズル群のノズル数も少なくしている(ここでは6個)。図中の黒丸で示されるノズルは、インクを吐出可能なノズルである。一方、白丸で示されるノズルは、インクを吐出不可のノズルである。また、説明の便宜上、ヘッド(又はノズル群)が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドと紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動されている。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから断続的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる。このドット列を「ラスタライン」ともいう。黒丸で示されるドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されるドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。なお、「パス」とは、移動するノズルからインクを吐出して、ドットを形成する処理(ドット形成処理)をいう。各パスは、紙を搬送方向に搬送する処理(搬送処理)と交互に行われる。
「インターレース印刷」とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方法を意味する。例えば、図7A及び図7Bにおける印刷方法では、1回のパスで形成されるラスタラインの間に、2本のラスタラインが挟まれている。
インターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。
同図では、ノズル群は搬送方向に沿って配列された6個のノズルを有する。ノズル群のノズルピッチkは3なので、インターレース印刷を行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たすため、全てのノズルは用いずに、5個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯5)を用いる。また、5個のノズルが用いられるため、紙は搬送量5・Dにて搬送される。その結果、180dpi(3・D)のノズルピッチのノズル群を用いて、540dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。(なお、実際のノズル数は6個よりも多いので、インクを吐出可能なノズル数Nも、搬送量Fも、これより多くなる。)
同図は、最初のラスタラインをパス1のノズル♯1が形成し、2番目のラスタラインをパス1のノズル♯2が形成し、3番目のラスタラインをパス2のノズル♯1が形成し、4番目のラスタラインをパス1のノズル♯3が形成する様子を示している。そして、5番目以降のラスタラインから、搬送方向に連続するラスタラインが形成される。
<上端印刷及び下端印刷について>
上記のようなインターレース印刷が最初から行われると、一部のラスタラインが連続して形成されないことがある。例えば、図7Aや図7Bにおいて、1番目、2番目、3番目及び4番目の搬送方向下流側のラスタラインは、搬送方向に連続するラスタラインとして形成されていない。そこで、プリンタは、以下に説明するような「上端印刷」を行うことにより、搬送方向に連続するラスタラインを形成する。
また、インターレース印刷を最後に終えると、一部のラスタラインが連続して形成されないことがある。例えば、図7Aや図7Bにおいて、搬送方向上流側のラスタラインは、搬送方向に連続するラスタラインとして形成されていない。そこで、プリンタは、インターレース印刷を行った後、以下に説明するような「下端印刷」を行うことにより、搬送方向に連続するラスタラインを形成する。
図8は、上端印刷及び下端印刷の説明図である。
同図において、パス1〜パス3までが上端印刷であり、パス4〜パス9までが通常印刷(インターレース印刷)であり、パス10〜パス12までが下端印刷である。上端印刷では、パス1とパス2との間の搬送処理における搬送量、及び、パス2とパス3との間の搬送処理における搬送量を、Dとする。また、下端印刷では、パス10とパス11との間の搬送処理における搬送量、及び、パス11とパス12との間の搬送処理における搬送量を、Dとする。
上端印刷を行うことにより、1番目のラスタラインから搬送方向に連続するラスタラインを形成することができる。また、下端印刷を行うことにより、最後のラスタラインまで搬送方向に連続するラスタラインを形成することができる。
なお、図中の「上端印刷領域」とは、搬送方向最下流のラスタラインから、上端印刷により形成されるラスタラインのうちの搬送方向最上流のラスタラインまでの領域を指す。ここでの上端印刷領域は、1番目のラスタラインから15番目のラスタラインまでの領域である。また、図中の「下端印刷領域」とは、下端印刷により形成されるラスタラインのうちの搬送方向最下流のラスタラインから、搬送方向最上流のラスタラインまでの領域を指す。ここでの下端印刷領域は、38番目のラスタラインから52番目のラスタラインまでの領域である。また、図中の「通常印刷領域」とは、上端印刷領域と下端印刷領域との間の領域を指す。ここでの通常印刷は、16番目のラスタラインから37番目のラスタラインまでの領域である。この通常印刷領域の全てのラスタラインは、通常印刷(通常のインターレース印刷)により形成される。一方、上端印刷領域には、上端印刷で形成されたラスタラインだけではなく、通常印刷で形成されたラスタラインも混在している。下端印刷領域にも、下端印刷で形成されたラスタラインだけではなく、通常印刷で形成されたラスタラインが混在している。
<不吐出ノズルについて>
ところで、通常印刷ではノズル♯1〜ノズル♯5がインク吐出可能にもかかわらず、上端印刷のパス1のノズル♯5は、インク吐出不可である。仮にパス1のノズル♯5からインクを吐出して13番目のラスタラインを形成すると、パス5のノズル♯1が同じラスタラインを形成するので、13番目のラスタラインが2重に形成されてしまい、他のラスタラインと比べて濃く形成されてしまうからである。ここで、パス5のノズル♯1の方を不吐出ノズルにする方法もあるが、本実施形態では、通常のインターレース印刷を行うパス5のノズル♯1を優先し、パス1のノズル♯5の方を不吐出ノズルとしている。このように、上端印刷を行うパスのノズルよりも、通常のインターレース印刷を行うパスのノズルを優先することにより、通常のインターレース印刷により形成されるラスタラインが多くなり、印刷画像の画質が向上する。
同様に、パス2のノズル♯3〜ノズル♯5は、それぞれ8番目、11番目及び14番目のラスタラインを形成可能な位置にあるが、パス4のノズル♯1〜ノズル♯3と同じラスタラインを形成することになるので、インクを吐出しない。また、下端印刷でも同様に、パス11のノズル♯1〜ノズル♯3、及び、パス12のノズル♯1もインクを吐出しない。
上記の通り、上端印刷や下端印刷を行うと、インクを吐出すべきでないノズルが出現する。このため、プリンタドライバは、不吐出ノズルを決定する必要がある。
===第1参考例===
第1参考例の印刷方法では、まず、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルを作成する。このスケジューリングテーブルは、ラスタラインの位置と、そのラスタラインを形成するノズルとを対応づけたテーブルである。そして、プリンタドライバは、このスケジューリングテーブルに基づいて、ラスタライズ処理を行い、どのノズルからインクを吐出するか(どのノズルを不吐出ノズルにするか)を決定する。
以下に、第1参考例の印刷方法を順に説明する。但し、ここでは説明の簡略化のため、下端印刷の説明を省略し、上端印刷について説明する。
<スケジューリングテーブルの作成について>
第1参考例では、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルを作成する際に、実際の印刷時と同じように、ヘッド(仮想ヘッド)を紙に対して仮想的に移動させる。そして、プリンタドライバは、ヘッドの各ノズルの位置とラスタラインの位置とを対応づけることによって、スケジューリングテーブルを作成する。
図9Aは、仮想印刷の説明図である。図9Bは、仮想印刷の条件を設定するためのパラメータの説明図である。これら仮想印刷のパラメータは、印刷モードと紙サイズとに基づいて、決定される。
仮想印刷1では、実際の上端印刷と同じように、ヘッドを紙に対して仮想的に移動させる。すなわち、上端印刷を行うヘッドのノズル間ピッチkは3になる。また、仮想印刷1におけるパス1とパス2との間の搬送処理の搬送量Fは、1・Dである。また、仮想ヘッドの先頭ノズルは♯1とし、最終ノズルを♯5とする。なお、ここでは、プリンタドライバは、不吐出ノズルの存在を考慮しない。また、仮想印刷1の最初のパス(パス1)の先頭ノズル(ノズル♯1)の位置Lsは、1番目のラスタラインの搬送方向の位置と同じである。また、仮想印刷1の最後のパス(パス2)の先頭ノズル(ノズル♯1)の位置Lfは、2番目のラスタラインの搬送方向の位置と同じである。
仮想印刷2では、実際のインターレース印刷と同じように、ヘッドを紙に対して仮想的に移動させる。前述の仮想印刷1とは異なり、搬送量Fは、5・Dである。また、仮想印刷2の最初のパス(パス3)の先頭ノズル(ノズル♯1)の位置Lsは、3番目のラスタラインの搬送方向の位置と同じである。また、仮想印刷2の最後のパス(パス6)の先頭ノズル(ノズル♯1)の位置Lfは、18番目のラスタラインの搬送方向の位置と同じである。
図10は、第1参考例のスケジューリングテーブルの作成のフロー図である。図11A〜図11Eは、第1参考例のスケジューリングテーブルの説明図である。このスケジューリングテーブルは、コンピュータ側のメモリに記憶される。なお、プリンタドライバは、前述の仮想印刷のパラメータを用いて、スケジューリングテーブル作成処理を実行する。
まず、プリンタドライバは、仮想印刷番号Pを初期化する(S101)。これにより、プリンタドライバは、仮想印刷1の条件として設定されているパラメータをメモリから読み出す。
次に、プリンタドライバは、読み出されたパラメータに基づいて、開始ノズルの位置を設定する(S102)。第1参考例では、まず、ノズル♯1の位置が「1」(詳しくは、1番目のラスタラインの搬送方向の位置)に設定される。
次に、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化し、i=1に設定する(S103)。
次に、プリンタドライバは、ノズル♯iの位置Lを算出する(S104)。ノズル♯iの位置は、ノズルピッチk、搬送量F、ノズル番号i、開始位置Ls等から算出される。最初、ノズル♯1の位置は、開始位置Lsと同じく「1」に設定される。
次に、プリンタドライバは、位置「1」が既にスケジューリングテーブルに登録されているか否かを判断する(S105)。最初、スケジューリングテーブルには未だ何も登録されていないので、この判断は、「NO」になる。
次に、プリンタドライバは、位置「1」とノズル♯1とを対応づけて、スケジューリングテーブルに登録する(S106)。
プリンタドライバは、ノズル♯iが最終ノズルか否かを判断する(S107)。最終ノズルの情報は、前述の仮想印刷のパラメータに設定されている。最初、ノズル♯1は最終ノズルではないので、この判断は、「NO」になる。
プリンタドライバは、次のノズルに関する処理を行うため、ノズル番号iをインクリメントする(S108)。ここでは、ノズル番号が「1」から「2」にインクリメントされる。
そして、プリンタドライバは、上記のS104〜S107の処理を繰り返し、ノズル♯2〜ノズル♯5について、位置Lとノズル番号とを対応づけたスケジューリングテーブルを作成する。
図11Aは、このときまでにプリンタドライバが作成したスケジューリングテーブルの説明図である。このときのスケジューリングテーブルには、仮想的なパス1における各ノズルと各ノズルの位置とが対応づけられている。
最終ノズル(ノズル♯5)になるまでS104〜S107の処理を繰り返し、S107で「YES」になったとき、プリンタドライバは、先頭ノズル(♯1)が終了位置Lfに達したか否かを判断する。最初、ノズル♯1の位置は開始位置Lsと同じく「1」なので、この判断は、「NO」になる。
次に、プリンタドライバは、先頭ノズルの位置を、現在の位置から搬送量Fを加算した位置にする。これにより、ヘッドの位置が、仮想的に紙に対して搬送量Fだけ移動する。最初、この処理によって、先頭ノズルの位置が、位置「1」から位置「2」に移動する。これにより、仮想的なパス1に関するスケジューリングテーブルの作成が終了し、仮想的なパス2に関するスケジューリングテーブルの作成がスタートする。
そして、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化し(S103)、上記のS104〜S107の処理を繰り返し、ノズル♯1〜ノズル♯5について、位置Lとノズル番号とを対応づけたスケジューリングテーブルを作成する。

図11Bは、このときまでにプリンタドライバが作成したスケジューリングテーブルの説明図である。このときのスケジューリングテーブルには、仮想的なパス1及びパス2における各ノズルと各ノズルの位置とが対応づけられている。
仮想的なパス2に関するスケジューリングテーブルの作成が終了した後、プリンタドライバは、先頭ノズル(♯1)が終了位置Lfに達したか否かを判断する。ここでは、先頭ノズルであるノズル♯1は終了位置「2」に達しているので、この判断は、「YES」になる。
プリンタドライバは、次の仮想印刷に関する処理を行うため、仮想印刷番号Pをインクリメントする(S112)。ここでは、仮想印刷番号が「1」から「2」にインクリメントされる。そして、プリンタドライバは、仮想印刷2の条件として設定されているパラメータをメモリから読み出し、前述の仮想印刷1と同様に、ノズルの位置とそのノズルの番号との関係をスケジューリングテーブルに登録する。なお、図11Cは、仮想印刷2の最初のパスのノズル♯1〜♯5について、位置Lとノズル番号とを対応づけて登録したときのスケジューリングテーブルの説明図である(言い換えると、同図は、P=2において最初にS109の処理を行う際のスケジューリングテーブルの説明図である)。
仮想印刷2において搬送量Fにて仮想的にヘッド位置を1回移動すると、ノズル♯1の位置は「8」になる(S104)。
但し、スケジューリングテーブルには、既に、位置「8」とノズル番号「3」とを対応づけた情報が記憶されている。そのため、S105において、プリンタドライバは、「YES」と判断する。そして、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルの位置「8」に対応するノズル番号「3」を、ノズル番号「1」に上書き登録する。つまり、この上書き登録によって、仮想印刷1に関する処理の際に登録された位置「8」とノズル番号「3」とを対応づけた情報(図11B参照)が、スケジューリングテーブルから消去される。代わりに、位置「8」とノズル番号「1」とを対応づけた情報がスケジューリングテーブルに登録される。
同様に、スケジューリングテーブルには、既に、仮想印刷1に関する処理の際に、位置「11」とノズル番号「4」とを対応づけた情報が記憶されている。この情報は、仮想印刷2に関する処理において、位置「11」とノズル番号「2」とを対応づけた情報に上書きされる。また、スケジューリングテーブルには、既に、仮想印刷1に関する処理の際に、位置「14」とノズル番号「5」とを対応づけた情報が記憶されている。この情報は、仮想印刷2に関する処理において、位置「14」とノズル番号「3」とを対応づけた情報に上書きされる。
なお、このときのノズル♯4の位置「17」は、未だスケジューリングテーブルには登録されていない。同様に、ノズル♯5の位置「20」も、未だスケジューリングテーブルには登録されていない。このため、S105において「NO」と判断され、これらの位置とノズルとを対応づけた情報は、スケジューリングテーブルに追加登録される。
図11Dは、仮想印刷2の2度目のパスのノズル♯1〜ノズル♯5について、位置Lとノズル番号とを対応づけて登録したときのスケジューリングテーブルの説明図である。同図において、太線で示された枠内の情報は、上書きにより登録された情報である。
次に、プリンタドライバは、先頭ノズルの位置を現在の位置から搬送量Fを加算した位置にし、仮想印刷2の3度目のパスに関する処理を行う。このとき、ノズル♯1の位置は、「13」になる。スケジューリングテーブルには、既に、位置「13」とノズル番号「5」とを対応づけた情報が記録されている。そのため、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルの位置「13」に対応するノズル番号「5」を、ノズル番号「1」に上書き登録する。
図11Eは、仮想印刷2の3度目のパスのノズル♯1〜5について、位置Lとノズル番号とを対応づけて登録したときのスケジューリングテーブルの説明図である。同図において、太線で示された枠内の情報は、上書きにより登録された情報である。
プリンタドライバは、全ての仮想ヘッドについて処理が終了するまで、上記の処理を繰り返し行う。第1参考例では、仮想印刷2の4度目のパスに関する処理(S104〜S107)を終えた後、ノズル♯1の位置が終了位置「18(=Lf)」に達しているので、S109の判断が「YES」となる。また、第1参考例では、仮想印刷2の4度目のパスに関する処理を終えた後、全ての仮想印刷についての処理が終了しているので、S111の判断が「YES」となり、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルの作成処理を終了する。
<スケジューリングテーブルの用い方について>
図12は、第1参考例のスケジューリングテーブルの用い方の説明図である。なお、スケジューリングテーブルには、ラスタラインの位置とそのラスタラインを形成するノズル番号とを対応づけた情報が、記憶されている。
まず、プリンタドライバは、スケジューリングテーブル内の各情報について、ラスタラインの位置とノズル番号とに基づいて、先頭ノズルの位置を算出する。なお、ラスタラインの位置がXであり、ノズル番号がYであるとき、先頭ノズルの位置は、X−(Y−1)×kとなる。例えば、ラスタラインの位置が「7」でありノズル番号が「3」の場合、先頭ノズルは、「1(=7−(3−1)×3)」となる。
次に、プリンタドライバは、スケジューリングテーブル内の情報から、先頭ノズルの位置が同じ情報を抽出する。例えば、先頭ノズルの位置が「1」である情報として、スケジューリングテーブル内の4個の情報が抽出される。
なお、先頭ノズルの位置が「1」である情報が、スケジューリングテーブル内に、5個ではなく、4個しかない理由は、図11Eに示すように、スケジューリングテーブルの位置「13」に対応するノズル番号「5」がノズル番号「1」に上書きされたためである。同様に、先頭ノズルの位置が「2」である情報が、スケジューリングテーブル内に2個しかない理由は、図11Dに示すように、3個の情報が上書きされたためである。
そして、プリンタドライバは、抽出された情報に基づいて、各ノズルに対応するラスタラインの画像データを割り当てるように、ラスタライズ処理を行う。例えば、パス1において、ノズル♯1には1番目のラスタラインに相当する画像データが割り当てられ、ノズル♯2には4番目のラスタラインに相当する画像データが割り当てられ、ノズル♯3には7番目のラスタラインに相当する画像データが割り当てられ、ノズル♯4には10番目のラスタラインに相当する画像データが割り当てられる。
但し、先頭ノズルの位置が「1」である情報がスケジューリングテーブル内に4個しかなく、パス1において、ノズル♯5及びノズル♯6に対応するラスタラインの位置に関する情報が、スケジューリングテーブル内に存在しない。このような場合、プリンタドライバは、ノズル♯5及びノズル♯6に対して、NULLデータを画像データとして割り当てる。
このようにして生成されたパス1分の印刷データをプリンタドライバがプリンタに送信すると、プリンタは、パス1において、ノズル♯1〜ノズル♯4からインクを吐出し、ノズル♯5及びノズル♯6からインクを吐出せず、4本のラスタラインを紙面に形成する。すなわち、第1参考例では、パス1において、プリンタドライバがノズル♯5及びノズル♯6にNULLデータを割り当てることにより、ノズル♯5及びノズル♯6が不吐出ノズルとなる。
同様に、プリンタドライバが、先頭ノズルの位置が「2」である情報を抽出し、抽出された情報に基づいてラスタライズ処理を行えば、プリンタは、パス2において、ノズル♯1及びノズル♯2からはインクを吐出し、ノズル♯3〜ノズル♯6からインクを吐出せず、2本のラインを紙面に形成する。すなわち、第1参考例では、パス2において、プリンタドライバがノズル♯3〜ノズル♯6にNULLデータを割り当てることにより、ノズル♯3〜ノズル♯6が不吐出ノズルとなる。
<第1参考例の問題点>
この第1参考例によれば、印刷を行う前に、全てのラスタラインに対応するスケジューリングテーブルを作成する必要がある。このため、スケジューリングテーブルを記憶するための記憶領域を確保する必要がある。図8では、全ラスタライン数は52個に過ぎないが、実際のノズル数は180個であり、通常印刷領域に数千個のラスタラインがあるような場合、全てのラスタラインに対応するスケジューリングテーブルは、データ量が膨大になる。
また、このように膨大なデータ量の中から、図12に示すように必要なデータだけを抽出する処理は、時間がかかる。また、スケジューリングテーブルが完成するまでは印刷データを作成できず、印刷開始が遅れてしまう。
そこで、本実施形態では、以下のように、パス毎にスケジューリングテーブルを作成し、不吐出ノズルを決定する。
===第1実施形態===
図13は、第1実施形態の仮想印刷の条件を設定するためのパラメータの説明図である。これら仮想印刷のパラメータは、印刷モードと紙サイズとに基づいて決定される。
本実施形態では、プリンタドライバは、あるパスにおける各ノズルと各ノズルの形成するラスタラインの位置とを対応付ける際に、そのパスにおける各ノズルの位置と、他のパスにおけるノズルの位置とを比較する。そして、この比較結果に基づいて、プリンタドライバは、そのパスのスケジューリングテーブルを作成する。
なお、パス毎にスケジューリングテーブルを順次作成しているので、上端印刷のパスのスケジューリングテーブルが、通常印刷のパスのスケジューリングテーブルよりも先に作成される。以下、スケジューリングテーブルの作成について順に説明する。
<上端印刷のスケジューリングテーブルの作成について>
図14は、第1実施形態の上端印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。プリンタドライバは、メモリに記憶されたプログラムに従って、コンピュータのハードウェア資源を利用して、各処理を実行する。図15A〜図15Eは、パス1に対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。各図の下には、作成中のスケジューリングテーブルの様子が示されており、各図の上には、スケジューリングテーブルの作成時の処理内容の概念図が示されている。このスケジューリングテーブルは、コンピュータ側のメモリに記憶される。なお、プリンタドライバは、上端印刷用の仮想印刷のパラメータと、通常印刷用の仮想印刷のパラメータとを用いて、スケジューリングテーブルを作成する。
まず、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化し、i=1(上端印刷用仮想印刷パラメータの先頭ノズルの番号)に設定する(S201)。そして、プリンタドライバは、パスm(最初はパス1)のノズル♯1の位置Lを算出する(S202)。ノズル♯iの位置Lは、上端印刷用の仮想印刷のパラメータ(ノズルピッチk、搬送量F、開始位置Ls)、ノズル番号i及びパス数m等から算出される。なお、パス1のノズル♯1の位置は、開始位置Lsになる。そして、プリンタドライバは、位置Lとノズル♯iとを対応付けて、スケジューリングテーブルに登録する(S203)。最終ノズルが♯5なので、i=5になるまでプリンタドライバはこのような処理を繰り返す(S201〜S205)。
つまり、ステップS201〜ステップS205の処理により、パスmのノズルの位置と、ノズル番号とが対応付けられたスケジューリングテーブルが作成される。パス1のスケジューリングテーブルの作成において、ステップS204でYESになった時のスケジューリングテーブルは、図15Aの状態である。
次に、プリンタドライバは、次のパスのノズル♯1の位置を算出する(S206)。次のパスのノズル♯1の位置が通常印刷領域であれば(S207でNO)、パス1のスケジューリングテーブルを終了する。但し、パス2のノズル♯1は、2番目のラスタラインの位置であり、上端印刷領域なので、プリンタドライバの処理はステップS208へ進む。
次に、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化した後(S208)、ノズル♯iの位置Lを算出する(S209)。そして、その位置が上端印刷領域であり(S210でYES)、かつ、位置Lがスケジューリングテーブルに登録されている場合(S211でYES)、位置Lのスケジューリングデータを消去する。最終ノズルが♯5なので、i=5になるまでプリンタドライバはこのような処理を繰り返す(S209〜S214)。そして、この途中で、ノズル♯iの位置Lが通常印刷領域であれば(S210でNO)、仮想ヘッドの位置を搬送量Fだけ移動し(S215)、プリンタドライバの処理はステップS206に戻る。
つまり、ステップS209〜ステップS214の処理により、パスmのノズルの位置と、パスm以降のノズルの位置とが比較される。比較の結果、位置が一致するものがあれば、その位置のスケジューリングデータが消去される。
図15Bは、最初にステップS210でNOになった時のスケジューリングテーブルの状態を示している。このときまでの間、図15Aのように作成されたスケジューリングテーブルに対して、パス2の各ノズルの位置が比較されることになる。比較の結果、位置が一致するものがないので、スケジューリングテーブルは図15Aのものと変化はない。
図15Cは、2回目にステップS210でNOになった時のスケジューリングテーブルの状態を示している。このときまでの間、図15Bのスケジューリングテーブルに対して、パス3の各ノズルの位置が比較されることになる。比較の結果、位置が一致するものがないので、スケジューリングテーブルは図15Aのものと変化はない。
図15Dは、3回目にステップS210でNOになった時のスケジューリングテーブルの状態を示している。このときまでの間、図15Cのスケジューリングテーブルに対して、パス4の各ノズルの位置が比較されることになる。但し、パス4のノズル♯4は上端印刷領域にはないので、i=4のときにS210でNOになる。なお、パス4は通常印刷でのドット形成処理なので、パス4の各ノズルの位置は、通常印刷の仮想印刷のパラメータ(ノズルピッチk、搬送量F、開始位置Ls)、ノズル番号i及びパス数等から算出される。
図15Eは、4回目にステップS210でNOになった時のスケジューリングテーブルの状態を示している。このときまでの間、図15Dのスケジューリングテーブルに対して、パス5のノズル♯1の位置が比較されることになる(パス5のノズル♯2は上端印刷領域にはないので、i=2のときにS210でNOになる。)。パス5のノズル♯1は13番目のラスタラインの位置にあり、スケジューリングテーブルには「位置:13」のスケジューリングデータが既に登録されているので、プリンタドライバは、このスケジューリングデータを消去する(S212)。
なお、パス6のノズル♯1は通常印刷領域にあるので、パス6においてステップS207でNOになり、パス1のスケジューリングテーブルの作成処理が終了する。これにより、このときのスケジューリングテーブル(図15E)が、パス1用のスケジューリングテーブルになる。
<通常印刷のスケジューリングテーブルの作成について>
図16は、第1実施形態の通常印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。上端印刷を行うパス数は決まっており、本実施形態ではパス3までである。このため、パス4以降から、プリンタドライバは以下の処理を実行する。図17A〜図17Cの下には、パス4〜パス6の各パスに対するスケジューリングテーブルが示されている。各図の上には、スケジューリングテーブルの作成時の処理内容の概念図が示されている。
まず、プリンタドライバは、パスm(最初はパス4)のノズル♯1の位置Lを算出し(S301)、その位置が下端印刷領域か否かを判断する(S302)。もし、ノズル♯1の位置が下端印刷領域であれば、プリンタドライバの処理は、後述する下端印刷のスケジューリングテーブルの作成処理に進む。但し、パス4のノズル♯1は8番目のラスタラインの位置にあるので、プリンタドライバの処理はステップS303へ進む。

次に、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化し、i=1(通常印刷用仮想印刷パラメータの先頭ノズルの番号)に設定する(S303)。そして、プリンタドライバは、パスm(最初はパス4)のノズル♯1の位置Lを算出する(S304)。但し、最初のステップS304の処理はステップS301の処理と同じになるので、最初のステップS304の処理は省略しても良い。ノズル♯iの位置Lは、通常印刷用の仮想印刷のパラメータ(ノズルピッチk、搬送量F、開始位置Ls)、ノズル番号i及びパス数m等から算出される。そして、プリンタドライバは、位置Lとノズル♯iとを対応付けて、スケジューリングテーブルに登録する(S305)。最終ノズルが♯5なので、i=5になるまでプリンタドライバはこのような処理を繰り返す(S304〜S307)。
つまり、ステップS303〜ステップS307の処理により、パスmのノズルの位置と、ノズル番号とが対応付けられたスケジューリングテーブルが作成される。例えば、パス4のスケジューリングテーブルは、図17Aの下図のように作成される。
なお、パス9のスケジューリングテーブルを作成した後、パス10のスケジューリングテーブルを作成しようとするときに、ステップS302においてYESと判断される。この場合、プリンタドライバの処理は、下端印刷のスケジューリングテーブル作成処理へ進む。これにより、パス10以降のスケジューリングテーブルは、下端印刷のスケジューリングテーブル作成処理により、作成される。
<下端印刷のスケジューリングテーブルの作成について>
図18は、第1実施形態の下端印刷のスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。下端印刷の場合、上記の上端印刷や通常印刷の場合とは異なり、各パスのスケジューリングテーブルを作成する前に、ダミースケジューリングテーブルを作成し(S400)、このダミースケジューリングテーブルに基づいて各パスのスケジューリングテーブルを作成する(S500)。
図19は、ダミースケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。図20A〜図20Cは、ダミースケジューリングテーブルを説明するための概念図である。
ダミースケジューリングテーブルは、パス9の後も通常印刷が行われたと仮定した場合、その後のパスによって下端印刷領域に形成されるラスタラインの位置を示すものである。このため、ダミースケジューリングテーブルの作成処理の際には、通常印刷用の仮想印刷のパラメータが用いられる。
まず、プリンタドライバは、通常印刷の最後のパス(パス9)から更に通常印刷の搬送処理を行ったと仮定して、パス10’のノズル♯1の位置Lを算出し(S401)、その位置が下端印刷領域か否かを判断する(S402)。パス10’のノズル♯1の位置は、38番目のラスタラインの位置になるので、ステップS402の判断はNOになる。
次に、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化し、i=1に設定する(S403)。そして、プリンタドライバは、パスm(最初はパス10’)のノズル♯1の位置Lを算出する(S404)。但し、i=1の場合、ステップS404の処理はステップS401の処理と同じになるので、ステップS404の処理は省略しても良い。ノズル♯iの位置Lは、通常印刷用の仮想印刷のパラメータ(ノズルピッチk、搬送量F、開始位置Ls)、ノズル番号i及びパス数m等から算出される。ノズル♯iの位置が下端印刷領域内であれば(S405でYES)、プリンタドライバは、位置Lをダミースケジューリングテーブルに登録する(S406)。なお、ダミースケジューリングテーブルでは、これまでのスケジューリングテーブルとは異なり、ノズル番号と対応付ける必要はない。このため、ダミースケジューリングテーブルのデータ量は、スケジューリングテーブルと比べて小さい。プリンタドライバは、最終ノズルが♯5なので、i=5になるまでこのような処理を繰り返し(S404〜S408)、そのパスの各ノズルの位置をダミースケジューリングテーブルに登録する。
ステップS404〜ステップS408の処理を繰り返す際に、あるノズルの位置Lが下端印刷領域外になれば(S405でNO)、プリンタドライバは、そのパスにおけるノズルの位置Lの登録を中断し、ステップS409へ処理を進める。ステップS409により、次のパスを行なう前に通常印刷の搬送処理が行われたものと仮定して、次にパスのノズル♯1の位置Lを算出する(S401)。このようにして、次のパスについても同様に、各ノズルの位置をダミースケジューリングテーブルに登録する(S401〜S409)。このように作成されたダミースケジューリングテーブルは、下端印刷で形成すべきラスタラインの位置を示している。
通常印刷によりパス12が行われ、更に通常印刷の搬送処理が行われた場合、ノズル♯1の位置は53番目のラスタラインに位置することになる。このため、ステップS402においてYESと判断され、ダミースケジューリングテーブルの作成を終了する。そして、プリンタドライバは、このときのダミースケジューリングテーブル(図20C)を用いて、次に各パスのスケジューリングテーブルの作成処理を行う。
図21は、ダミースケジューリングテーブルに基づく各パスのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。図22A〜図22Cは、各パスのスケジューリングテーブルを説明するための概念図である。プリンタドライバは、以下に説明するように、下端印刷の各パスのノズルの位置とダミースケジューリングテーブルとを比較し、その比較結果に基づいて、各パスのスケジューリングテーブルを作成している。
まず、プリンタドライバは、ノズル番号iを初期化し、i=1(下端印刷用仮想印刷パラメータの先頭ノズルの番号)に設定する(S501)。そして、プリンタドライバは、パスm(最初はパス10)のノズル♯1の位置Lを算出する(S502)。ノズル♯iの位置Lは、下端印刷用の仮想印刷のパラメータ(ノズルピッチk、搬送量F、開始位置Ls)、ノズル番号i及びパス数m等から算出される。なお、パス10のノズル♯1の位置は、開始位置Lsになる。
次に、プリンタドライバは、算出された位置Lと、ダミースケジューリングテーブルとを比較する(S503)。詳しくは、算出された位置Lが、ダミースケジューリングテーブルに登録されている位置と一致するか否かを、プリンタドライバが比較する。
ダミースケジューリングテーブルに位置Lが存在する場合(S504でYES)、下端印刷において位置Lのラスタラインを形成するために、プリンタドライバは、パスmのスケジューリングテーブルに、位置Lとノズル♯1とを対応付けて登録する(S505)。そして、プリンタドライバは、ダミースケジューリングテーブルから位置Lの登録を削除する。後で再びステップS503を行なう際に、処理を早くするためである。
一方、ダミースケジューリングテーブルに位置Lが存在しない場合(S504でNO)、下端印刷において位置Lのラスタラインを形成する必要がないので、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルの登録処理を行わずに、ステップS507へ処理を進める。そして、最終ノズルが♯5なので、i=5になるまでプリンタドライバはこのような処理を繰り返す(S502〜S508)。つまり、ステップS501〜ステップS508の処理により、パスmのノズルの位置とノズル番号とが対応付けられたスケジューリングテーブルが作成される。
図22A〜図22Cの上図には、各パスのノズルの位置と、ダミースケジューリングデータに登録されている位置とが概念的に示されている。ダミースケジューリングテーブルの登録内容を示す丸印において、黒丸は登録されている位置を示しており、白丸はステップS506により削除された位置を示している。図22Aに示されるように、パス10のノズル♯1〜ノズル♯5の位置は、それぞれダミースケジューリングテーブルに登録されている。このため、パス10のスケジューリングテーブルは、図22Aの下図に示される通りの5個の情報から構成される。一方、パス10のスケジューリングテーブルの作成時に、ステップS506によりダミースケジューリングテーブルの5個の位置が削除される。この結果、パス11のスケジューリングテーブルを作成する際に用いられるダミースケジューリングテーブルは、図22Bの上図に示す通りになる。そして、パス11の各ノズルの位置とダミースケジューリングテーブルとを比較する結果、パス11のスケジューリングテーブルは、図22Bの下図に示される通りの2個の情報から構成される。同様に、パス12のスケジューリングテーブルは、図22Cの下図に示される通りの4個の情報から構成される。
なお、パス12のスケジューリングテーブルを終えれば、ノズル♯1の位置が終了位置Lf(=40、図13参照)に達するので、スケジューリングテーブルの作成を終了する。
<ラスタライズ処理について>
作成されたスケジューリングテーブルは、ラスタライズ処理に用いられる。本実施形態のスケジューリングテーブルは、各パス毎に印刷順に作成されている。このため、本実施形態のプリンタドライバは、前述の参考例の場合とは異なり、全パスのスケジューリングテーブルの作成を終える前に、ラスタライズ処理を開始することができ、ラスタライズ処理を終えた各パスの印刷データを送信開始できる。以下、この点を説明する。
図23Aは、ラスタライズ処理前の画像データ(ハーフトーン処理後の画像データ)の説明図である。図中の正方形は、画像を構成する画素を示している。正方形の中の数字は、画素の番号を示している。説明の簡略化のため、移動方向に並ぶ画素数は16画素とする。
ハーフトーン処理後の画像データは、各画素につき2ビットの画素データから構成されている。このため、1アドレスにつき1バイトの情報を格納するメモリに画像データを格納すると、1アドレスにつき4画素分の画素データが収容される。図中の太線の長方形は、メモリの1アドレスに格納される画素データに対応する画素を示している。
なお、図中の「ラスタデータ」とは、ラスタラインに対応する画素データ、すなわち、移動方向に並ぶ複数の画素に対応する複数の画素データのことである。ここでは、1個の「ラスタデータ」は、16個の画素データを含み、4バイトのデータになる。
図23Bは、ラスタライズ処理前の画素データの並び順の説明図である。図中の長方形は、1バイトのデータ(4画素分の画素データ)を示している。長方形内の丸印は、1バイトのデータの中に格納されている画素データを示しており、この丸印の中の数字は、画素データの対応する画素の番号を示している。例えば、最初の1バイトのデータの中には、1〜4番目の画素に対応する画素データが格納されている。
ラスタライズ処理前の画素データは、ラスタラインの順にメモリに格納されている。言い換えると、メモリの連続するアドレスには、ラスタラインの順に画素データが格納されている。但し、プリンタでは、このような順で印刷が行われない。例えば、パス1では1番目、4番目、7番目、10番目及び13番目のラスタラインが形成されるので、ラスタラインの順に印刷が行われていない。そこで、プリンタドライバは、ラスタライズ処理により、印刷に適した順に画素データを並び替える必要がある。
図24Aは、パス1の印刷データ作成のためのラスタライズ処理の説明図である。左から右へヘッドが移動してインターレース印刷が行われる場合、最初の画素にドットを形成するためには、図中の太線丸印で示される1番目の画素データが最初に必要になる。しかし、ラスタライズ処理前、太線丸印で示される1番目の画素データは、メモリの連続するアドレスに格納されていない。
そこで、プリンタドライバは、図中の矢印で示す順に、画素データを並び替える。これにより、太線丸印で示される画素データは、メモリの連続するアドレスに格納される。なお、このときプリンタドライバは、スケジューリングテーブルを参照し、どのラスタデータから画素データを抽出すべきかを決定する。パス1の印刷データ作成の際には、パス1用のスケジューリングテーブル(図15E)が参照され、1番目、4番目、7番目及び10番目のラスタデータから画素データが、左から抽出される。
図24Bは、ラスタライズ処理後の画素データの並び順であって、パス1の印刷データに含まれる画素データの並び順の説明図である。最初の1バイト分の画素データは、1番目のラスタデータから抽出され、ノズル♯1に対応付けられる。次の1バイト分の画素データは、2番目のラスタデータから抽出され、ノズル♯2に対応付けられる。このように、最初のノズル(ノズル♯1)から最後のノズル(ノズル♯6)まで1バイトずつ順に画素データが対応付けられる。そして、最後のノズルに対応付けられた画素データの後、最初のノズルに対応付けられた画素データが並ぶ。この繰り返しにより、パス1の印刷データに含まれる画素データが構成される。
なお、図中の「NULLデータ」は、画像データから抽出された画素データではなく、プリンタドライバが作成したデータであり、インク不吐出(ドット非形成)を示す画素データから構成される。スケジューリングテーブルにおいて、位置の対応付けのないノズルに対して、NULLデータが割り当てられる。ここでは、ノズル♯5及びノズル♯6にNULLデータが対応付けられている。
そして、プリンタドライバは、ラスタライズ処理を終えたパスの印刷データを順にプリンタへ送信する。
図25は、印刷データに基づくドット形成処理の説明図である。ヘッド41は、ユニット制御回路64から転送されるデータに基づいてインクを吐出し、紙にドットを形成する。図中には、1〜3番目の画素データに基づいて吐出されたインク滴により、3個のドットが形成されている。
ユニット制御回路64は、タイミング生成部642と、ダブルバッファ644とを有する。タイミング生成部642は、リニア式エンコーダ51からの信号に応じて、タイミング信号を生成し、ダブルバッファ644へ出力する。ダブルバッファ644には、画素データを記憶するためのバッファが2つ設けられている。各バッファは、ノズル毎に1バイト分のデータ(4画素分の画素データ)を格納できる。そして、ダブルバッファ644は、タイミング信号を受けるたびに、バッファに格納されている画素データのうち、全ノズルの1画素分の画素データをヘッド41へシリアル転送する。

次に、印刷データに基づいてインク滴が吐出される際の動作について説明する。
まず、プリンタドライバが、プリンタ1へ印刷データを送信する。この印刷データには、少なくとも1回のパスに必要な画素データが含まれている。一つの画素データは、1つの画素のドット形成状況(大ドット・中ドット・小ドット・ドットなし)を示しており、2ビットのデータ量である。プリンタ1が受信した画素データは、プリンタドライバのラスタライズ処理によって、印刷に適した並び順になっており(前述)、プリンタ1は、この並び順に従って画素データをメモリ63に格納する。メモリ63の1つのアドレスには1バイトの情報を格納できるので、1つのアドレスにつき4画素分の画素データが収容される。
ユニット制御回路64は、メモリ63の連続するアドレスに格納されている画素データを、バースト転送によってダブルバッファ644の一方のバッファに格納する。ここでは、6バイト分の画素データが、メモリ63からダブルバッファ644へバースト転送される。なお、メモリ63の隣接するアドレスには、プリンタドライバのラスタライズ処理によって、隣接するノズルに対応する画素データがそれぞれ格納されている。このため、全ノズルの4画素分の画素データをバースト転送することが可能である。
次に、ユニット制御回路64は、キャリッジモータ32を駆動してキャリッジ31を移動方向に移動する。キャリッジ31が1/180インチ移動するたびに、リニア式エンコーダ51は1周期のパルス信号を出力する。タイミング生成部642は、リニア式エンコーダ51からの信号に応じて、タイミング信号を生成する。
ダブルバッファ644は、最初にタイミング信号を受けると、図中の太線で示す第1領域に格納されている画素データをヘッド41へシリアル転送する。この領域には、1番目の画素に対応する画素データが全ノズル分の格納されている。ヘッド41は、1番目の画素データに応じて、各ノズルからインクを吐出(又は不吐出)する。この結果、紙上の最初の画素(1番目の画素)に、1番目の画素データに対応するドットが形成される。
ヘッド41からインクが吐出される間もキャリッジ31は移動方向に移動しているので、ダブルバッファ644は所定のタイミング信号を受け続けることになる。そして、次のタイミング信号を受けると、ダブルバッファ644は、第2領域に格納されている画素データをヘッド41へシリアル転送し、ヘッド41は、画素データに応じてインクを吐出する。このようにして、タイミング信号に応じて、ヘッド41から断続的にインクが吐出される。
ユニット制御回路64は、ダブルバッファ644の一方のバッファへ画素データを転送した後、メモリ63から他方のバッファへ次の画素データを転送する。これにより、ダブルバッファ644は、第4領域の画素データをヘッド41へ転送した後、他方のバッファの第5領域の画素データをヘッド41へ転送することが可能である。そして、第4領域の画素データをヘッド41へ転送した後、ユニット制御回路64は、メモリ63からダブルバッファの第1領域〜第4領域へ、次の画素データ(9〜12番目の画素データ)を転送する。このように、ユニット制御回路64は、ダブルバッファ644の2つのバッファに対して、交互に画素データを転送する。
なお、ヘッド41には色毎にノズル群が設けられており、ダブルバッファ644は、ノズル群ごと、すなわち色毎に設けられている。但し、タイミング生成部642は、色毎に設けられている複数のダブルバッファ644に対して、共通のタイミング生成部を生成する。この結果、各色のノズル群から、共通のタイミングでインク滴が吐出されることになる。
パス1の印刷データでは、ノズル♯5及びノズル♯6にNULLデータが対応している。このため、ノズル♯5及びノズル♯6に対応するダブルバッファの領域には、NULLデータが格納される。この結果、このデータがヘッドに転送されても、ノズル♯5及びノズル♯6はインクを吐出しない。つまり、パス1において、ノズル♯5及びノズル♯6は、インク不吐出ノズルになる。
以上説明した第1実施形態では、全てのスケジューリングテーブルの作成を終えた後に印刷データを作成・送信するのではなく、各パスのスケジューリングテーブルを作成して各パスのラスタライズ処理を行い、各パスの印刷データを順次プリンタに送信している。このため、プリンタの印刷開始を早めることができる。
===第2実施形態===
<部分オーバーラップ印刷について>
前述の第1実施形態では、1つのラスタラインを1つのノズルだけで形成していた。しかし、あるノズルが吐出不良になった場合、そのノズルが形成するラスタラインが異常なものになり、縞の入った印刷画像ができてしまう。特に、ノズル群の端部に位置するノズル(ノズルが6個のモデル例の場合はノズル♯1やノズル♯6)は吐出不良になり易いので、このノズルにより形成されるラスタラインが異常になるおそれがある。そこで、以下に説明する「部分オーバーラップ印刷」では、特定のラスタラインを2以上のノズルで形成し、たとえ吐出不良のノズルがあっても、ラスタラインの異常を軽減している。
図26A及び図26Bは、部分オーバーラップ印刷の説明図である。図26Aは、パス1〜パス5におけるヘッド(又はノズル群)の位置とドットの形成の様子を示し、図26Bは、パス1〜パス6におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。説明の都合上、三角形や四角形のノズルやドットがあるが、実際にはどのノズルやドットも同じ円形状である。
部分オーバーラップ印刷では、ノズル群の搬送方向上流側の端部に位置するノズル(POL下ノズルともいう)及びノズル群の搬送方向下流側の端部に位置するノズル(POL上ノズルともいう)の2つのノズルが、ノズル群の中央部に位置する1つのノズルと同じ機能を果たす。例えば、図26A及び図26Bでは、ノズル♯1やノズル♯6は、ノズル♯2〜ノズル♯5と比較して、半分のドットしか形成しない。但し、図26A及び図26Bにおいてインクを吐出可能なノズルの数(6個)は、図7A及び図7Bにおいてインクを吐出可能なノズルの数(5個)と比較して、多くなる。
部分オーバーラップ印刷では、搬送方向上流側の端部に位置するノズルが、1ドットおきに間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、搬送方向下流側の端部に位置するノズルが、既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)、ドットを形成する。これにより、端部に位置する2つのノズルが、中央部に位置する1つのノズルと同じ機能を果たす。例えば、図26A及び図26Bでは、あるパスでノズル♯6が1ドットおきにドット(四角形で示されるドット)を形成した後、他のパスでノズル♯1がドットの間を埋めるようにドット(三角形で示されるドット)を形成して、1つのラスタラインを完成させている。ここでは、四角形で示されるドットは、紙上の奇数画素に形成されており、三角形で示されるドットは、紙上の偶数画素に形成されているものとする。
部分オーバーラップ印刷によれば、複数のノズルにより形成されるラスタラインについては、インクの吐出のバラツキによる画質の低下を抑制することができる。特に、端部のノズルは中央部のノズルと比較してインクの吐出のバラツキが大きいので、端部のノズルにより形成されるラスタラインを複数のノズルにより形成すれば、画質の低減を抑制する効果が得られる。
図27は、部分オーバーラップ印刷における上端印刷と下端印刷の説明図である。
第1実施形態の上端印刷(図8参照)では、パス1のノズル♯5、パス2のノズル♯3及びパス3のノズル♯6は、インク不吐出ノズルであった。一方、第2実施形態の部分オーバーラップ印刷における上端印刷では、通常印刷のノズル♯1による間欠的なドットを補完するため、これらのノズルからもインクが吐出される。
また、第1実施形態の下端印刷(図8参照)では、パス10のノズル♯1、パス11のノズル♯4及びパス12のノズル♯2は、1つのノズルでラスタラインをそれぞれ形成していた。一方、第2実施形態の部分オーバーラップ印刷における下端印刷では、通常印刷のノズル♯1による間欠的なドットを補完するため、これらのノズルは偶数画素にだけド
<パラメータについて>
図28は、第2実施形態の仮想印刷の条件を設定するためのパラメータの説明図である。図中の太線で囲まれたパラメータは、第1実施形態のパラメータ(図13参照)と異なる部分である。本実施形態では、搬送方向下流側の端部のノズルによる部分オーバーラップ印刷の仮想印刷のためのパラメータとして、「POL上ノズル用」のパラメータが用意されている。また、搬送方向上流側の端部のノズルによる部分オーバーラップ印刷の仮想印刷のためのパラメータとして、「POL下ノズル用」のパラメータが用意されている。加えて、ノズル♯1は部分オーバーラップ印刷のため間欠的にドットを形成するので、通常印刷用のパラメータの先頭ノズルは、ノズル♯1ではなく、ノズル♯2になっている。また、通常印刷においてインク吐出可能なノズル数が6個になったのに伴い、上端印刷及び下端印刷の最終ノズルはノズル♯6になっている。
<上端印刷のスケジューリングテーブルの作成について>
図29は、第2実施形態の上端印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。図30A〜図30Cは、パス1に対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。
第2実施形態において、ステップS201からステップS215までの処理(図14参照)は前述の第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。第2実施形態では、前述のステップS207でNOと判断された後、プリンタドライバの処理は、以下のステップS216へ進むことになる。
なお、第2実施形態では通常印刷の先頭ノズルがノズル♯2になっているので、ステップS208において、ノズル番号はi=2に初期化される。この結果、図15Eのように「位置:13」のスケジューリングデータは消去されない。一方、上端印刷の最終ノズルがノズル♯6になっているので、パス1のノズル♯6の位置と、パス5のノズル♯2の位置とが一致するので、「位置:16」のスケジューリングデータが消去されている。このため、第2実施形態においてステップS217でNOになったときのスケジューリングテーブルは、図30Aに示す状態である。
ステップS201〜ステップS215の処理後、プリンタドライバは、「POL上ノズル用」のパラメータに基づいて、POL上ノズル(ノズル♯1)の位置Lを算出する(S216)。最初に算出される位置L(=8)は、パス4のときのノズル♯1の位置に相当する。そして、プリンタドライバは、この位置Lが上端印刷領域か否かを判断する(S217)。最初に算出される位置L(=8)は上端印刷領域なので、プリンタドライバの処理はステップS218へ進む。
次に、プリンタドライバは、位置Lがスケジューリングテーブルに登録されているか否かを判断する(S218)。最初に算出される位置L(=8)はスケジューリングテーブルに登録されていないので、仮想ヘッドの位置を搬送量Fだけ移動し(S220)、プリンタドライバの処理はステップS216へ戻る。このときのスケジューリングテーブルは、図30Bに示す状態である。
次に算出される位置L(=13)は、パス5のときのノズル♯1の位置に相当する。この位置Lはスケジューリングテーブルに登録されているので、ステップS218の判断はYESになる。この場合、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルの位置Lの情報を書き換え、記録位置が奇数画素である旨の情報を加える(S219)。なお、部分オーバーラップ印刷において、POL下ノズルは、紙上の奇数画素にドットを形成する。このときのスケジューリングテーブルは、図30Cに示す状態である。
同様に、プリンタドライバは、仮想ヘッドの位置を搬送量Fだけ移動し(S220)、パス6のときのノズル♯1の位置に相当する位置Lがスケジューリングテーブルに登録されているかを判断する(S218)。その後、パス7のときのノズル♯1の位置に相当する位置Lを算出した後(S216)、その位置Lは上端印刷領域ではないので(S217でNO)、プリンタドライバはパス1のスケジューリングテーブルの作成処理を終了する。
<通常印刷のスケジューリングテーブルの作成について>
図31は、第2実施形態の通常印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。図32A〜図32Cは、パス4対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。
第2実施形態において、ステップS301からステップS307までの処理は前述の第1実施形態(図16参照)と同じであるので、説明を省略する。第2実施形態では、前述のステップS206でYESと判断された後、プリンタドライバの処理は、以下のステップS308へ進むことになる。
まず、プリンタドライバは、「POL上ノズル用」のパラメータに基づいて、パスmのときのノズル群の搬送方向下流側の端部に位置するノズル(POL上ノズル)の位置Lを算出する(S308)。そして、プリンタドライバは、位置LとPOL上ノズル(ここではノズル♯1)とを対応付けて、スケジューリングテーブルに登録する(S309)。この際に、プリンタドライバは、記録位置が偶数画素である旨の情報を加える。なお、部分オーバーラップ印刷において、POL上ノズルは、紙上の偶数画素にドットを形成する。このときのスケジューリングテーブルは、図32Bに示す状態である。
次に、プリンタドライバは、「POL下ノズル用」のパラメータに基づいて、パスmのときのノズル群の搬送方向上流側の端部に位置するノズル(POL下ノズル)の位置Lを算出する(S310)。そして、プリンタドライバは、位置LとPOL下ノズル(ここではノズル♯6)とを対応付けて、スケジューリングテーブルに登録する(S310)。この際に、プリンタドライバは、記録位置が奇数である旨の情報を加える。なお、部分オーバーラップ印刷において、POL下ノズルは、紙上の奇数画素にドットを形成する。このときのスケジューリングテーブルは、図32Cに示す状態である。
<下端印刷のスケジューリングテーブルの作成について>
前述の第1実施形態の下端印刷の場合と同様に、第2実施形態の下端印刷の各パスのスケジューリングテーブルを作成する前に、ダミースケジューリングテーブルを作成する(S400)。第2実施形態のダミースケジューリングテーブルの作成処理は、前述の第1実施形態と同様なので、説明を省略する。但し、通常印刷においてインク吐出可能なノズル数が6個になったのに伴い、ダミースケジューリングテーブルの作成時の先頭ノズルはノズル♯2ではなくノズル♯1であり、最終ノズルはノズル♯5ではなくノズル♯6にする。また、位置:53〜55も下端印刷領域に含むものとする。この結果、第2実施形態のダミースケジューリングテーブルは、図20Cのダミースケジューリングテーブルに、位置:53〜55のダミースケジューリングデータが追加された状態になる。
図33は、第2実施形態の下端印刷の各パスのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。図34A〜図34Dは、パス10に対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。
第2実施形態において、ステップS501からステップS508までの処理は前述の第1実施形態(図21参照)と同じであるので、説明を省略する。第2実施形態では、前述のステップS507でYESと判断された後、プリンタドライバの処理は、以下のステップS509へ進むことになる。なお、このときのスケジューリングテーブルは、図34Aに示す状態である。

まず、プリンタドライバは、「POL下ノズル用」のパラメータに基づいて、POL下ノズル(ノズル♯6)の位置Lを算出する(S509)。最初に算出される位置L(=23)は通常印刷領域なので(S510でNO)、プリンタドライバは、仮想ヘッドの位置を搬送量Fだけ移動し(S511)、プリンタドライバの処理はステップS509に戻る。そして、POL下ノズルが下端印刷領域に位置するまで、仮想ヘッドの位置を搬送量Fずつ移動する。
仮想ヘッドがパス7に相当する位置になったとき、POL下ノズルの位置L(=38)は下端印刷領域なので(S510でYES)、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルに位置Lが登録されているか否かを判断する(S512)。ここで、位置L(=38)はスケジューリングテーブルに登録されているので(S512でYES)、スケジューリングテーブルの位置Lの情報を書き換え、記録位置が偶数画素である旨の情報を加える(S513)。なお、部分オーバーラップ印刷において、POL上ノズルは、紙上の偶数画素にドットを形成する。このときのスケジューリングテーブルは、図34Bに示す状態である。
そして、プリンタドライバは、仮想ヘッドの位置を搬送量Fだけ移動し(S511)、パス8に相当するPOL下ノズルの位置Lを算出する(S509)。但し、この位置L(=43)はスケジューリングテーブルに登録されていないので、ステップS512での判断はNOになる。このときのスケジューリングテーブルは、図34Cに示す状態である。また、同様に、プリンタドライバは、仮想ヘッドの位置を搬送量Fだけ移動し(S511)、パス9に相当するPOL下ノズルの位置Lを算出する(S509)。但し、この位置L(=48)はスケジューリングテーブルに登録されていないので、ステップS512での判断はNOになる。このときのスケジューリングテーブルは、図34Dに示す状態である。パス9のノズル♯1の位置は、「POL下ノズル用」のパラメータの終了位置に達しているので、ステップS514の判断はYESになり、プリンタドライバはパス10のスケジューリングテーブルの作成処理を終了する。
<ラスタライズ処理について>
第2実施形態で作成されたスケジューリングテーブルも、ラスタライズ処理に用いられる。但し、第2実施形態では、スケジューリングテーブルの「走査方向位置」の情報を考慮して、ラスタライズ処理が行われる。
図35Aは、パス4の印刷データ作成のためのラスタライズ処理の説明図である。図35Bは、ラスタライズ処理後の画素データの並び順であって、パス4の印刷データに含まれる画素データの並び順の説明図である。図36は、パス4が行なわれるまでの処理の概念図である。
第1実施形態の場合とほぼ同様に、プリンタドライバは、第2実施形態のパス4のスケジューリングテーブル(図32C)に基づいて、図35Aの矢印で示す順に、画素データを並び替える。これにより、8番目、11番目、14番目、17番目、20番目及び23番目のラスタデータから、それぞれノズル♯1〜ノズル♯6に対応する画素データが抽出され、印刷データが作成される。これらのラスタデータからの画素データの抽出は、第1実施形態の場合とほぼ同様なので、説明を省略する。
第2実施形態では、パス4のスケジューリングテーブルの「位置:8」のスケジューリングデータには、「走査方向位置:偶数」との情報が登録されている。このような場合、プリンタドライバは、8番目のラスタデータから画素データを抽出する際に、奇数番目の画素データにマスクをかけて、偶数番目の画素データのみを抽出する。そして、印刷データを作成する際に、プリンタドライバは、マスクをかけられた画素データをNULLデータに置き換える。これにより、8番目のラスタデータから最初に画素データを抽出する際に、1番目と3番目の画素データにマスクがかけられて、その結果、印刷データの最初の1バイトの画素データは、2ビットのNULLデータ、2番目の画素データ(2ビット)、2ビットのNULLデータ、4番目の画素データ(2ビット)の順に並んでいる(図35B参照)。
また、第2実施形態では、パス4のスケジューリングテーブルの「位置:23」のスケジューリングデータには、「走査方向位置:奇数」との情報が登録されている。このような場合、プリンタドライバは、23番目のラスタデータから画素データを抽出する際に、偶数番目の画素データにマスクをかけて、奇数番目の画素データのみを抽出する。そして、印刷データを作成する際に、プリンタドライバは、マスクをかけられた画素データをNULLデータに置き換える。
このようにして作成された印刷データをプリンタに送信すると、NULLデータに対応する画素にはドットが形成されないので、パス4のときに、ノズル♯1は間欠的に偶数画素にドットを形成し、ノズル♯6は間欠的に奇数画素にドットを形成する。
なお、ここではパス4について説明をしたが、他のパスの場合でも、スケジューリングテーブルに「操作方向位置」の情報が登録されていれば、同様のラスタライズ処理を行う。このようにして各パスを実行すると、図27の部分オーバーラップ印刷が実現できる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
===まとめ===
(1)前述の印刷システムによれば、プリンタドライバをインストールしたコンピュータ110(印刷制御装置の一例)と、プリンタ1(印刷装置の一例)とを備えている。そして、プリンタドライバ(正確には、プリンタドライバをインストールしたコンピュータ110)は、ラスタライズ処理(画像データを構成する複数の画素データ(図23A及び図23B参照)の並び順を換える処理)により、印刷データを作成する(図2、図24A及び図24B)。また、プリンタ1は、印刷データに基づいて、ドット形成処理(S003(図5参照))と、搬送処理(S004)とを交互に繰り返し、搬送方向に並ぶ複数のラスタライン(ドット列の一例)を紙S(媒体の一例)に形成する。ここで、ドット形成処理とは、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出してラスタラインを形成する処理であり、「パス」とも呼ばれる。また、搬送処理とは、紙Sをノズルに対して搬送方向に搬送する処理である。
ところで、ラスタライズ処理を行う場合、各ノズルにより形成されるラスタラインの紙Sにおける搬送方向の位置に基づいて、画素データを並び替える必要がある。そこで、第1参考例の場合も、本実施形態(第1・第2実施形態)の場合も、プリンタドライバは、スケジューリングテーブルを参照して、ラスタライズ処理を行っている。
しかし、第1参考例の場合、繰り返し行なわれる全てのパスにおけるノズルの位置をスケジューリングデータとして記憶しているので、スケジューリングテーブルのデータ量が膨大になってしまう。また、このようなスケジューリングテーブルから特定のデータを抽出する処理は時間がかかる。また、スケジューリングテーブルが完成する前には印刷データの作成ができず、印刷開始が遅れてしまう。
そこで、前述の実施形態では、まず、プリンタドライバは、所定の通常印刷を終えた後も、仮想的に通常印刷を継続した場合の各パスの際の各ノズルにより形成されるラスタラインの紙Sにおける搬送方向の位置をダミースケジューリングテーブル(第1テーブルの一例)に記録する。例えば、パス9の後、仮想的なパス10’〜パス12’の各ノズルにより形成されるラスタラインの紙Sにおける搬送方向の位置をダミースケジューリングテーブルに記録する(S400、S401〜S409(図19参照)、図20C参照)。次に、プリンタドライバは、下端印刷を行うパスの際の各ノズルにより形成されるラスタラインの紙Sにおける搬送方向の位置と、ダミースケジューリングテーブルに記憶された位置とを比較して(S503(図21参照))、一致するものがあれば(S504でYES)、その位置をスケジューリングテーブル(第2テーブルの一例)に記憶する(S505、図22A〜図22C参照)。
本実施形態によれば、このようにして、ドット形成処理毎(パス毎)にスケジューリングテーブルを作成することができる。
この結果、本実施形態のスケジューリングテーブルのデータ量(例えば図22A参照)は、第1参考例のスケジューリングテーブルのデータ量(例えば図12参照)と比較して、少なくて済む。また、本実施形態では、例えばパス10用のスケジューリングテーブルが直接的に作成されるので、第1参考例のように多数のスケジューリングデータの中から必要なデータを抽出する処理(図12参照)が不要なので、個々のパスのスケジューリングテーブルの作成時間を削減できる。また、例えばパス10のスケジューリングテーブルを作成した後、他のパスのスケジューリングテーブルの作成を待たずに、パス10の印刷データを作成することができるので、印刷開始を早くすることができる。
(2)前述の実施形態によれば、プリンタドライバは、下端印刷を行うパスの際の各ノズルにより形成されるラスタラインの紙Sにおける搬送方向の位置と、ダミースケジューリングテーブルに記憶された位置とを比較して(S504(図21参照))、一致するものがあれば(S504でYES)、その位置をダミースケジューリングテーブルから削除する処理を行う(S506)。例えば、パス10のスケジューリングテーブルを作成した直後の時点では、ダミースケジューリングテーブルから位置38、位置41、位置44、位置47及び位置50の5個の情報が削除されている(図22Bの上図の白丸参照)。スケジューリングテーブルは、最初の時点で11個の位置が記憶されているので(図20C参照、図22Aの上図の黒丸参照)、パス10のスケジューリングテーブルを作成した直後の時点では6個の位置が記憶されている(図22Bの上図の黒丸参照)。
そして、その後のパスのスケジューリングテーブルを作成する際には、プリンタドライバは、一部の位置情報を削除したダミースケジューリングテーブルを用いて、ステップS503やステップS504の処理を行う。例えば、パス11のスケジューリングテーブルを作成する際には、残り6個の位置を記憶しているダミースケジューリングテーブルと、パス11の各ノズルの位置(詳しくは、各ノズルにより形成されるラスタラインの紙Sにおける搬送方向の位置)とを比較して(S503)、一致するものがあれば(S504でYES)、その位置をスケジューリングテーブルに記憶する(S505)。
ダミースケジューリングテーブルの位置を削除することにより、後に再度ステップS503を行なう際に比較対象が減っているので、コンピュータ110にかかる負荷を軽減することができる。特に、実際のノズル数は180個であり、下端印刷領域のラスタラインの数も数百個もあるような場合、前述のモデル例と比べて大きな効果を得ることができる。
(3)なお、本実施形態では、全てのパスのスケジューリングテーブルを作成するまでの間に行なわれる比較処理(S105等、S211等)の回数が、第1参考例よりも多くなる。このため、本実施形態では、全てのパスのスケジューリングテーブルを作成するまでにかかる時間が、第1参考例よりも長くなる。但し、後の方のパス(例えばパス10等)のスケジューリングテーブルの作成が第1参考例よりも本実施形態の方が遅いとしても、そのパスが行なわれるまでに、そのパスのスケジューリングテーブルが作成され、そのパスの印刷データが作成されていれば良いので、印刷終了が遅くなる等の影響はない。
このため、本実施形態では、プリンタ1が印刷データに基づいてあるパス(例えばパス1)を行なう間に、プリンタドライバは、その後に行なわれるパス(例えば次のパス)のの印刷データを作成する。
(4)前述の第2実施形態では、部分オーバーラップ印刷が行われる結果、例えば、通常印刷を行うパス7のノズル♯6が奇数画素(移動方向の特定の位置の一例)にドットを形成し、下端印刷を行うパス10の際に、奇数画素に形成されたドットの間を埋めるように、ノズル♯1(他のノズルの一例)が偶数画素にドットを形成する。
このように部分オーバーラップ印刷が行われる場合、プリンタドライバは、通常印刷のPOL下ノズルの位置と、スケジューリングテーブルに記憶された位置とを比較して(S512(図33参照))、一致するものがあれば(S512でYES)、その位置のスケジューリングデータをPOL上ノズル用に書き換える(S513(図33参照)、図34B参照)。これにより、例えば図27の38番目のラスタラインが2重に形成されることを防ぐことができる。
(5)前述の第2実施形態では、通常印刷において間欠的にインクを吐出するノズル(例えばノズル♯6)は、インクを吐出するノズルのうちの搬送方向端部に位置する。これは、端に位置するノズルが吐出不良になり易いためである。但し、これに限られるものではない。例えば、ノズル群の中央部に位置するノズルが間欠的にドットを形成して部分オーバーラップ印刷を行っても良い。
(6)前述の実施形態では、印刷装置を制御する印刷制御装置は、プリンタドライバをインストールしたコンピュータであった。つまり、印刷制御装置は、印刷装置と別体に設けられていた。
(7)しかし、これに限られるものではない。例えば、プリンタドライバの機能をプリンタ1が備えていても良い。そして、CPU62が、印刷制御装置として機能し、搬送ユニット20、キャリッジユニット30及びヘッドユニット40から構成される印刷装置を制御しても良い。この場合、印刷制御装置と印刷装置は、プリンタ1に一体的に設けられており、プリンタ1が単体で印刷システムとなる。
印刷システムの全体構成の説明図である。 プリンタドライバが行う処理の説明図である。 プリンタの全体構成のブロック図である。 図4Aは、プリンタの全体構成の概略図である。図4Bは、プリンタの全体構成の横断面図である。 印刷時の処理のフロー図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 図7A及び図7Bは、インターレース印刷の説明図である。図7Aは、パス1〜パス5におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パス1〜パス6におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。 上端印刷及び下端印刷の説明図である。 図9Aは、仮想印刷の説明図である。図9Bは、仮想印刷の条件を設定するためのパラメータの説明図である。 第1参考例のスケジューリングテーブルの作成のフロー図である。 図11Aは、仮想印刷1の最初のパスまでのスケジューリングテーブルの説明図である。図11Bは、仮想印刷1の2番目のパスまでのスケジューリングテーブルの説明図である。図11Cは、P=2において最初にS109の処理を行う際のスケジューリングテーブルの説明図である。図11Dは、仮想印刷2の2度目のパスまでのスケジューリングテーブルの説明図である。図11Eは、仮想印刷2の3度目のパスまでのスケジューリングテーブルの説明図である。 第1参考例のスケジューリングテーブルの用い方の説明図である。 第1実施形態の仮想印刷の条件を設定するためのパラメータの説明図である。 図14は、第1実施形態の上端印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図15A〜図15Eは、パス1に対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。 第1実施形態の通常印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図17A〜図17Cの下には、パス4〜パス6の各パスに対するスケジューリングテーブルが示されている。各図の上には、スケジューリングテーブルの作成時の処理内容の概念図が示されている。 第1実施形態の下端印刷のスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 ダミースケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図20A〜図20Cは、ダミースケジューリングテーブルを説明するための概念図である。 ダミースケジューリングテーブルに基づく各パスのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図22A〜図22Cは、各パスのスケジューリングテーブルを説明するための概念図である。 図23Aは、ラスタライズ処理前の画像データ(ハーフトーン処理後の画像データ)の説明図である。図23Bは、ラスタライズ処理前の画素データの並び順の説明図である。 図24Aは、パス1の印刷データ作成のためのラスタライズ処理の説明図である。図24Bは、ラスタライズ処理後の画素データの並び順であって、パス1の印刷データに含まれる画素データの並び順の説明図である。 印刷データに基づくドット形成処理の説明図である。 図26A及び図26Bは、部分オーバーラップ印刷の説明図である。 部分オーバーラップ印刷における上端印刷と下端印刷の説明図である。 第2実施形態の仮想印刷の条件を設定するためのパラメータの説明図である。 第2実施形態の上端印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図30A〜図30Cは、パス1に対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。 第2実施形態の通常印刷におけるパスmのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図32A〜図32Cは、パス4対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。 第2実施形態の下端印刷の各パスのスケジューリングテーブルの作成処理のフロー図である。 図34A〜図34Dは、パス10に対するスケジューリングテーブルの作成処理の各段階の説明図である。 図35Aは、パス4の印刷データ作成のためのラスタライズ処理の説明図である。図35Bは、ラスタライズ処理後の画素データの並び順であって、パス4の印刷データに含まれる画素データの並び順の説明図である。 パス4が行なわれるまでの処理の概念図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路
100 印刷システム
110 コンピュータ、
112 ビデオドライバ、 114 アプリケーションプログラム、
116 プリンタドライバ
120 表示装置、
130 入力装置、130A キーボード、130B マウス、
140 記録再生装置、
140A フレキシブルディスクドライブ装置
140B CD−ROMドライブ装置

Claims (10)

  1. 印刷制御装置と、印刷装置とを備える印刷システムであって、
    印刷制御装置は、画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
    前記印刷装置は、前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返し、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成する
    印刷システムであって、
    前記印刷装置が、媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷を行う際に、
    前記印刷制御装置は、
    前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
    前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
    前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
    ことを特徴とする印刷システム。
  2. 請求項1に記載の印刷システムであって、
    前記印刷制御装置は、
    前記あるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を前記第1テーブルから削除する削除処理を行い、
    前記あるドット形成処理の後の他のドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記削除処理の後の前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
    前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、前記他のドット形成処理を行うための印刷データを作成する
    ことを特徴とする印刷システム。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷システムであって、
    前記印刷装置が前記印刷データに基づいて前記あるドット形成処理を行う間、前記印刷装置が、前記あるドット形成処理の後に行われるドット形成処理を行うための印刷データを作成することを特徴とする印刷システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷システムであって、
    前記通常印刷を行うドット形成処理の際に、あるノズルが前記移動方向の特定の位置にドットを形成し、前記下端印刷の際に、前記特定の位置に形成されたドットの間を埋めるように他のノズルがドットを形成する場合、
    前記印刷制御装置は、前記通常印刷を行うドット形成処理の際の前記あるノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第2テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあれば、その位置に、前記移動方向に関する情報を対応付けて、前記第2テーブルに記憶する
    ことを特徴とする印刷システム。
  5. 請求項4に記載の印刷システムであって、
    前記あるノズルは、前記複数のノズルのうちの前記搬送方向の端部に位置することを特徴とする印刷システム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷システムであって、
    前記印刷制御装置は、プリンタドライバをインストールしたコンピュータであることを特徴とする印刷システム。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷システムであって、
    前記印刷制御装置及び前記印刷装置は、一体的に設けられていることを特徴とする印刷システム。
  8. 印刷制御装置と、印刷装置とを備える印刷システムであって、
    印刷制御装置は、画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
    前記印刷装置は、前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返し、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成する
    印刷システムであって、
    前記印刷装置が、媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷を行う際に、
    前記印刷制御装置は、
    前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
    前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
    前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成し、
    前記印刷制御装置は、
    前記あるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を前記第1テーブルから削除する削除処理を行い、
    前記あるドット形成処理の後の他のドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記削除処理の後の前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
    前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、前記他のドット形成処理を行うための印刷データを作成し、
    前記印刷装置が前記印刷データに基づいて前記あるドット形成処理を行う間、前記印刷装置が、前記あるドット形成処理の後に行われるドット形成処理を行うための印刷データを作成し、
    前記通常印刷を行うドット形成処理の際に、あるノズルが前記移動方向の特定の位置にドットを形成し、前記下端印刷の際に、前記特定の位置に形成されたドットの間を埋めるように他のノズルがドットを形成する場合、前記印刷制御装置は、前記通常印刷を行うドット形成処理の際の前記あるノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第2テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあれば、その位置に、前記移動方向に関する情報を対応付けて、前記第2テーブルに記憶し、
    前記あるノズルは、前記複数のノズルのうちの前記搬送方向の端部に位置し、
    前記印刷制御装置は、プリンタドライバをインストールしたコンピュータである
    ことを特徴とする印刷システム。
  9. 画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
    前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返し、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成する
    印刷方法であって、
    媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷が行われる際に、
    前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
    前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
    前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
    ことを特徴とする印刷方法。
  10. 画像データを構成する複数の画素データの並び順を換えて、印刷データを作成し、
    前記印刷装置に、前記印刷データに基づいて、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット形成処理と、前記媒体を前記ノズルに対して搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返させて、前記搬送方向に並ぶ複数の前記ドット列を前記媒体に形成させる
    印刷制御装置であって、
    前記印刷装置に、媒体の中央部に前記ドット列を形成する通常印刷の後、媒体の下端部に前記ドット列を形成する下端印刷を行わせる際に、
    前記下端印刷を行わずに前記通常印刷を継続した場合の各ドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置を第1テーブルに記憶し、
    前記下端印刷を行うあるドット形成処理の際の各ノズルにより形成される前記ドット列の前記媒体における位置と、前記第1テーブルに記憶された前記位置とを比較して、一致するものがあればその位置を第2テーブルに記憶し、
    前記第2テーブルに記憶された位置に対応する前記画素データを前記画像データから抽出して、そのドット形成処理を行うための印刷データを作成する
    ことを特徴とする印刷制御装置。

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