JP2006264010A - 色ずれ補正装置、色ずれ補正方法および色ずれ補正プログラム - Google Patents

色ずれ補正装置、色ずれ補正方法および色ずれ補正プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】インクの経時的な濃度変化を原因とする色ずれを補正する際の補正精度が低かった。
【解決手段】印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得し、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量に基づいて、インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正するための補正係数を決定し、上記決定した補正係数に従って任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、色ずれ補正装置、色ずれ補正方法および色ずれ補正プログラムに関する。
従来技術として、インク使用量によるばらつきが原因で発生する印刷濃度のばらつきを、画像データをRGB表色系からCMYK表色系へと変換する色変換テーブルを修正することによって補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2002‐292836号公報
上記従来技術においては、インクのばらつきを識別する識別情報として、インク使用量やインク製造情報等のうち一つの情報のみを使用して補正係数を決定しているため、インクの経時的変化を適格に把握しているとは言えず、そのため印刷濃度のばらつき補正の精度に限界があった。
また、従来のように、256階調のRGBから256階調のCMYKへと変換する色変換テーブル自体を修正する場合には、変換の組み合わせは256の3乗という極めて膨大な数であるため、その修正に要する計算の負担量も非常に大きかった。
また、印刷装置では同じインク色でも大、中、小ドットなど、複数のドット種類にて印刷を行うことが多く、そのため、印刷濃度のばらつきは同一色であってもドット種類によって微妙に異なる。しかし、色変換テーブル自体を修正するだけでは、かかるドット種類毎に微妙に異なる印刷濃度のずれを適切に補正することは困難であった。
さらに、従来においては、各インク色のうち相対的にばらつきの小さいものについては印刷濃度の補正を行なわない選択をして処理の高速化を図っているが、かかる選択を行うことで印刷濃度のばらつき補正の精度を下げてしまっていた。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、インクのばらつきによる印刷装置における色ずれの補正を従来に増して高精度に行い、かつ、補正に要する処理時間を極力短縮可能な色ずれ補正装置、色ずれ補正方法および色ずれ補正プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正するための色ずれ補正装置としている。当該装置においては、インク特徴量取得手段が、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得する。インク放置経過時間としては、例えば、印刷装置が装着しているインクカートリッジが製造されてからの経過時間等が考えられる。インク使用量とは、同インクカートリッジにおいて印刷時までに既に使用されたインク量である。次に、補正係数取得手段は、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量に基づいて、上記色ずれを補正するための補正係数を決定する。すると、インクデータ補正手段が、上記決定した補正係数に従って任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正する。
このように、本発明によれば、インクの経時的変化を原因とする色ずれを補正する場合、その時点でのインク放置経過時間およびインク使用量に基づいて最適な補正係数を決定するため、インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを高精度に補正することができる。
本発明の他の例として、上記補正係数取得手段は、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量に応じて、上記印刷装置にて特定のインク記録量に従ってパッチを印刷した場合に同パッチから得られる色成分値を予測するとともに、当該予測した色成分値と基準となる色成分値との比較結果に基づいて上記補正係数を決定するとしてもよい。
つまり、その時点でのインク放置経過時間およびインク使用量を取得すれば、その両値からインクの経時的変化によるばらつきの程度も解かるため、上記印刷装置にて特定のインク記録量に従ってパッチを印刷した場合に得られるであろう色成分値を予測できる。そして、このようにして予測した色成分値と基準となる色成分値との比較結果から得られた差が打ち消されるようにインクデータを補正する補正係数を決定する。
上記予測のための具体的構成として、上記補正係数取得手段は、インク放置経過時間とインク使用量とを変化させた複数の条件のもと上記特定のインク記録量に従って複数のパッチを印刷するとともに各パッチの色成分値を取得することにより作成されたインク放置経過時間とインク使用量および色成分値との対応関係を予め所定の記憶領域に有ておく。そして、当該対応関係を参照し、上記取得したインク放置経過時間とインク使用量とに基づいて上記色成分値の予測を行う。
このように、予め上記対応関係を有していれば、その時点で取得したインク放置経過時間とインク使用量とに基づいて色成分値を一義的に予測することができる。
さらに、上記補正係数の決定のための具体的構成として、上記補正係数取得手段は、印刷装置が吐出するインク滴当たりの濃度を異ならせた各条件にて印刷した各パッチから得られた各色成分値と基準となる色成分値との夫々の差に基づいて各差を補償するような補正係数を複数決定することによって規定された各色成分値と補正係数との対応関係を、予め所定の記憶領域に有しておく。つまり、様々な値を取りうる各色成分値と、各色成分値と基準となる色成分値との各差が打ち消されるようにインクデータを補正する各補正係数との対応関係を予め有していれば、当該対応関係を参照することにより、ある予測された色成分値に応じて一つの補正係数を確実に決定することができる。
ここで、補正係数による補正の具体的構成として、上記インクデータ補正手段は、インクデータを印刷装置が吐出可能なドット種類毎のインクデータに変換するドット振分テーブルにおける変換関係を、上記決定した補正係数によって補正するとしてもよい。
このように、ドット振分テーブルにおける変換関係を補正すれば、同テーブルによる変換結果であるドット種類毎のインクデータを修正することができる。
より具体的には、上記補正係数の決定およびドット振分テーブルにおける変換関係の補正は、印刷装置が使用する各インク色と上記ドット種類との組み合わせ毎に行う。
つまり、インクのばらつきの程度はインク色とドット種類との組み合わせ毎に微妙に異なり、インクデータに対して必要な補正量も夫々の組み合わせ毎に異なる。そのため、同組み合わせ毎に補正係数を決定してドット振分テーブルにおける変換関係を補正することで、インク色毎かつドット種類毎に発生している色ずれを適切に補正することができる。また、ドット振分テーブルを修正する場合は、RGB表色系等からCMYK表色系等へと色変換をする色変換テーブルを修正する場合と比較して修正に要する作業量が少ないため、色ずれの補正にかかる処理負担を減らすことができる。
ここで、上記印刷装置が使用するインクは特に顔料系インクであるとしてもよい。
つまり、顔料系インクは時間経過とともに顔料がインクカートリッジ内にて沈降してしまうため、インク放置経過時間やインク使用量が異なれば、吐出されるインク滴当たりの濃度も変化してしまう。そこで、上記のように、インク放置経過時間およびインク使用量の変化を考慮してインクデータの補正を実行することとすれば、顔料系インクを使用する印刷装置における色ずれを適切に補正することができる。
上述した色ずれ補正装置にかかる技術的思想は、これを実現するための方法の発明として把握することもできる。すなわち、インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正するための色ずれ補正方法であって、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得し、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量とに基づいて上記色ずれを補正するための補正係数を決定し、上記決定した補正係数に従って、任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正する構成としても把握できる。この場合も、上記各色ずれ補正装置と同様の作用、効果を有する。
同様に、同装置の構成をプログラムに対応させることも可能である。つまり、インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正する機能をコンピュータに実行させる色ずれ補正プログラムであって、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得し、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量とに基づいて上記色ずれを補正するための補正係数を決定し、上記決定した補正係数に従って、任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正する機能を実行させる構成としても把握できる。この場合も、上記各色ずれ補正装置と同様の作用、効果を有する。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)本発明の概略構成
(2)色成分値予測テーブル及び補正係数決定テーブル
(3)色ずれ補正処理
(4)他の実施形態
(5)まとめ
(1)本発明の概略構成
図1は、本発明にかかる色ずれ補正装置に対応するコンピュータ等の概略構成を示している。コンピュータ10は演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのROMやRAM等を備えており、HDD15等の周辺機器を利用しながら所定のプログラムを実行することができる。コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介して接続されている。
プリンタ40は、インクジェット方式のプリンタであり、所定色のインクを充填するインクカートリッジ41a,41b,41c,41dを色毎に着脱可能な機構を備えており、本実施形態ではCMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)各インクのカートリッジを搭載する。むろん、プリンタ40が使用するインクは限定されること無く、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンダ)等が充填されたインクカートリッジを装着するとしてもよい。プリンタ40は、これらのインク色を組合せて多数の色を形成可能であり、これによりメディア上にカラー画像を形成する。なお、本実施形態においては、各インクカートリッジに充填されるインクは顔料系インクであることを前提として説明を行う。
コンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における印刷対象画像やプリンタ40のプロパティ画面等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
PRTDRV21では図示しないアプリケーションプログラムから印刷指示が行われた画像について所定の画像処理を行って印刷を実行可能である。PRTDRV21は、印刷を実行するために画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。
上述の印刷指示がなされるとPRTDRV21が駆動され、同PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出し、印刷に使用するメディアや画像の種類、印刷速度などの印刷条件を示す情報等を入力させるユーザインターフェース(UI)画面を表示させるする。
上記キーボード31やマウス32等を操作して、ユーザがUI画面上にて適宜必要な印刷条件を入力すると、PRTDRV21の各モジュールが起動され、各モジュールによって任意の画像を表現する入力画像データ15aの各画素値に対する処理が実施され、印刷データが作成される。作成された印刷データはUSB用I/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
より具体的には、画像データ取得モジュール21aが入力画像データ15aをHDD15から取得する。このとき、必要があれば入力画像データ15aに対して所定の解像度変換処理を行う。入力画像データ15aはRGBの各要素色を多階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に従った表色系を採用している。むろん、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータも採用可能である。
色変換モジュール21bは各画素の色を示す表色系を変換するモジュールである。HDD15に記録された色変換ルックアップテーブル(LUT)15bを適宜参照して、入力画像データ15a(RGBデータ)を、各画素毎にCMYK毎の階調値で表現されるインクデータに色変換する。ここで、インクデータの階調値は、対応するインク色のインク記録量(例えば、印刷媒体上の所定面積における全画素数に対する形成ドット数の比を示すインク記録率。)に対応しており、例えば、階調値0〜255がインク記録率0〜100%に対して線形に対応している。なお、RGBとCMYKはいずれも0〜255の256階調で表現されることを前提に説明するが、1024階調等とすることも可能である。色変換LUT15bはsRGB表色系とCMYK表色系とのそれぞれによって色を表現するとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であって色変換LUT15bに規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYK表色系の色を算出することができ、色変換を実施することができる。
本実施形態では、プリンタ40は各インクカートリッジに対応する吐出ノズルから夫々にインク量の異なる複数種類のドットを吐出可能であり、より具体的にはインク量(例えばインク重量。インク体積でもよい。)が大中小の3種類のドットをメディア上に形成可能である。そこで、色変換モジュール21bは、HDD15に記録されたドット振分テーブル15cを参照して、上記のように変換されたインクデータについてインク色毎にドット種類別のインクデータに振り分ける処理を行う。かかる振分処理によって基本的には各インク色毎に、小ドットのインク記録量を示す小ドット用インクデータと、中ドットのインク記録量を示す中ドット用インクデータと、大ドットのインク記録量を示す大ドット用インクデータとが生成される。
色変換モジュール21bから振分後のインクデータが得られると、ハーフトーン処理モジュール21cは、当該振分後のインクデータを、各画素におけるCMYK毎かつドット種類毎のインクの吐出/非吐出を特定したハーフトーンデータに変換する。すなわち、プリンタ40における各画素についてインク滴の吐出/非吐出を決定する。ハーフトーン処理モジュール21cは、誤差拡散法によるハーフトーン処理やディザ法によるハーフトーン処理等とを実行可能である。
印刷データ生成モジュール21dはかかるハーフトーンデータを受け取って、プリンタ40で使用される順番に並べ替え、一回の主走査にて使用されるデータを単位にして逐次プリンタ40に出力する。すなわち、プリンタ40においてはインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えて印刷データを生成し、上記USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40にて画像を形成するために必要なすべてのデータが転送されると、プリンタ40にてメディア上に画像が形成される。
ここで、顔料系インクは時間経過とともにインクカートリッジ内にて顔料が沈降する特性を有している。そのため、顔料系インクを使用する上記プリンタ40においては、インクカートリッジが製造されてから印刷がなされるまでに経過した時間(インク放置経過時間)や印刷時までのインク使用量の違いによって、吐出されるインク滴当たりの濃度が変わってしまい、その結果、本来意図する色とは異なる出力結果となってしまうことがあった。そこで、本実施形態においてはこのような色ずれを補正すべく、HDD15に色成分値予測テーブル15dと補正係数決定テーブル15eとを予め保存しておき、色変換モジュール21bが、プリンタ40からUSB用I/O19bを介して取得した所定のインク情報と両テーブル15d,15eを参照することにより、各インクのばらつきを補償するための補正係数を導き出し、同導いた補正係数によって上記ドット振分テーブル15cにおける変換関係を補正するとした。
(2)色成分値予測テーブル及び補正係数決定テーブル
色成分値予測テーブル15dの生成方法について説明する。色成分値予測テーブル15dおよび上記補正係数決定テーブル15eの生成は、コンピュータ10によって実現される。
図2は、色成分値予測テーブル15dを生成する際に測色対象となる複数のパッチP0を所定のメディアに出力した状態を示している。各パッチP0は、コンピュータ10と接続した、プリンタ40と同一機種の基準機体となるプリンタを使用して印刷されており、具体的には、一つの固定された階調値(特定階調値)のインクデータに従って、インクカートリッジ内のインク充填量が最大の状態(インク使用量最小)から、インクが使い切られる状態(インク使用量最大)まで連続的に印刷したものである。つまり、各パッチP0は、いずれも同一のインク記録率によって印刷されている。
同図においては、左上のパッチP0がインク充填量が最大の状態にて印刷したパッチであり、右下のパッチP0が、インクが使い切られる直前にて印刷したパッチとなっている。また、各パッチP0はいずれも、プリンタ40が使用するインク色のうち一つのインク色によって一つのドット種類(一例として、Cインクの大ドットとする。)で印刷されており、かつ各パッチP0の印刷に用いたインクカートリッジ(Cインクのインクカートリッジ41a)は、そのインク放置経過時間がT1となっている。
図3は、上記パッチP0などの測色結果をグラフにより示している。
同図における複数のグラフ(a)〜(c)は、インク使用量の変化を横軸、各パッチの測色結果としての色成分値を縦軸としている。各グラフは、いずれもCインクの大ドットによって印刷したパッチを測色して得られるが、インク放置経過時間が夫々に異なるインクカートリッジを使用している点で互いに相違する。より具体的には、グラフ(a)は、インク放置経過時間がT1(T1≒0)のインクカートリッジを使用して印刷した上記各パッチP0の測色結果を示しており、グラフ(b)は、インク放置経過時間がT2(T2>T1)のインクカートリッジを使用して印刷した複数のパッチP1の測色結果を示しており、グラフ(c)は、インク放置経過時間がT3(T3>T2)のインクカートリッジを使用して印刷した複数のパッチP2の測色結果を示している。
なお、パッチP1,パッチP2も、上記特定階調値のインクデータに従って、図2に示したパッチP0と同様にインクカートリッジ内のインク充填量が最大の状態からインクが使い切られる状態まで連続的に印刷されて、測色される。
上記各グラフからは、インク放置経過時間が殆ど無い場合にはインク使用量の多少にかかわらず色成分値は略一定値L1となるが、インク放置経過時間がある程度存在する場合にはインク使用量が多くなるに連れて色成分値も変化し、かつその変化率は、インク放置経過時間が長いほど大きくなることが理解できる。
本実施形態では、色成分値予測テーブル15dの作成に際しては、コンピュータ10が公知の測色機を用いて取得する各パッチの測色結果L***(以下、「*」の記載を省略。)のうち色成分値Lを利用しているが、他の色成分値a,bを用いてもよいことは言うまでも無い。
図4は、色成分値予測テーブル15dをグラフにより示している。
同図は、インク使用量の変化と、インク放置経過時間の変化と、色成分値Lの変化とをそれぞれ軸に取った3次元グラフである。つまり、コンピュータ10は、上記パッチP0,P1,P2の色成分値を3次元上にプロットし、各点の間を公知の補間演算により補間することで同3次元上に曲面Aを形成する。当該曲面A上の各点は、様々に変化するインク使用量とインク放置経過時間との各組み合わせに対応する色成分値Lを規定しており、かかる各点での対応関係をテーブルデータとして記録する。
コンピュータ10は、このようにして生成した色成分値予測テーブル15dを、HDD15の所定領域に保存する。なお、上記においては、Cインクの大ドットによってインク使用量とインク放置経過時間を異ならせて印刷した共通のインク記録率のパッチP0,P1,P2の測色結果から色成分値予測テーブル15dを生成する場合について説明したが、各インク色と各ドット種類の全組み合わせについて上記と同様に色成分値予測テーブルを生成し、HDD15に保存する。
次に、補正係数決定テーブル15eの生成方法について説明する。ここで、補正係数決定テーブル15eとは、上記色成分値予測テーブル15dを参照して得られる予測結果と、同予測結果に対応する補正係数との関係を示すテーブルである。
図5は、補正係数決定テーブル15eを生成する際に測色対象となる複数のパッチP3,P4,P5を、それぞれに所定のメディアに出力した状態を示している。各パッチP3,P4,P5は、コンピュータ10と接続した、プリンタ40と同一機種の基準機体となるプリンタを使用してCインクの大ドットによって印刷したものである。ここで、それぞれ複数のパッチP3,P4,P5は、いずれもこれらを印刷するためのインクデータの階調値を0〜255の間で所定間隔をもって変化させて印刷されているが、印刷に使用したインクカートリッジに充填したインク自体の濃度を異ならせている点で、互いに相違する。
つまり、各パッチP4は、その濃度が設計の基準濃度であるCインクを充填したインクカートリッジを用いて印刷されており、各パッチP3は基準濃度よりも所定の程度だけ低濃度であるCインクを充填したインクカートリッジを用いて印刷されており、各パッチP5は基準濃度よりも所定の程度だけ高濃度であるCインクを充填したインクカートリッジを用いて印刷されている。そのため、各パッチP3〜P5は、印刷時のインクデータの階調値が共通していても測色結果は異なった値となる。なお、パッチP3〜P5の印刷に用いる各インクカートリッジは、互いにインク放置経過時間が同じ条件(基本的には、インク放置経過時間≒0)のものを使用する。
図6は、インクデータの変化に対応する各パッチP3〜P5の測色結果の変化をグラフにより示している。同図では、各パッチを印刷した際のインクデータの階調値変化を横軸に、各パッチの測色結果としての色成分値Lを縦軸に示している。
すなわち、3本の曲線のうち、上段の曲線は全体的に低濃度である各パッチP3の色成分値Lの変化を、中段の曲線は各階調値のインクデータによって出色されるべき理想の濃度となっている各パッチP4の色成分値Lの変化を、下段の曲線は全体的に高濃度である各パッチP5の色成分値Lの変化を、それぞれに示している。
コンピュータ10は、このようにして得られたパッチP3〜P5の色成分値に基づいて補正係数を求める。
ここで、同図に示すように、階調値C1(C1=上記特定階調値とする。)のインクデータに従って、Cインクの大ドットでパッチを印刷した場合には、測色結果として上記色成分値L1が得られることが理想となる。しかし、各パッチP5(P3)を印刷したときのようにインクカートリッジから吐出されるインクの濃度が基準よりも高濃度(低濃度)である場合には、階調値C1のインクデータによって印刷したパッチからは色成分値L1は得られずL1´(L1”)が得られるため、インクデータの階調値をC1から色成分値L1が得られるような階調値C1´(C1”)へと変換する必要がある。なお、「”」は2ダッシュの意である。
そこで、コンピュータ10は、各パッチP4、パッチP5の測色結果に基づいて、上記C1からC1´への変換関係のように、インクデータの代表的な各階調値についてそれぞれに、上記高濃度のインクを使用する場合に各パッチP4のような理想の濃度のパッチを印刷させる階調値への変換関係を求める。また、同様に、各パッチP4、パッチP3の測色結果に基づいて、上記C1からC1”への変換関係のように、インクデータの代表的な各階調値についてそれぞれに、上記低濃度のインクを使用する場合に各パッチP4のような理想の濃度のパッチを印刷させる階調値への変換関係を求める。
図7は、上記求めた変換関係をグラフにより示している。同図においては、横軸を変換前のインクデータの階調値とし、縦軸を変換後のインクデータの階調値としている。
傾き=α1(α1<1)の直線は、上記各パッチP4、パッチP5の測色結果に基づいて求めた変換前の階調値と変換後の階調値との対応関係を、代表的な各階調値毎にプロットすることにより得られたものである。ここで、各階調値毎のプロット点を補間により結んだ場合には直線にはならないが、本実施形態では、各プロット点からの距離の総和が最も小さくなる位置を通過する直線を近似式により求め、同求められら直線を図に記載している。同様に、傾き=α2(α2>1)の直線は、上記各パッチP4、パッチP3の測色結果に基づいて求めた変換前の階調値と変換後の階調値との対応関係を、代表的な各階調値毎にプロットすることにより得られたものである。
すなわち、上記高濃度のCインクがインクカートリッジから吐出される状態において、大ドットにて印刷を行う場合、そのインクデータを補正係数α1によって補正することにより、上記基準濃度のCインクの大ドットを吐出させて補正前のインクデータに従って印刷した場合に得られる濃度と同等の印刷結果が得られる。同様に、上記低濃度のCインクがインクカートリッジから吐出される状態において、大ドットにて印刷を行う場合、そのインクデータを補正係数α2によって補正すれば、上記基準濃度のCインクの大ドットを吐出させて補正前のインクデータに従って印刷した場合に得られる濃度と同等の印刷結果が得られる。
そして、コンピュータ10は、上記のように求めた各傾きを補正係数とするとともに、各補正係数と上記特定階調値C1に対応する各色成分値L1,L1´,L1”との対応関係を基に、補正係数決定テーブル15eを作成する。
図8は、補正係数決定テーブル15eを示している。同図においては、特定階調値によって印刷した各パッチから得られる色成分値Lの変化を横軸に、補正係数の変化を縦軸に示している。つまり、特定階調値のインクデータに基づいてCインクかつ大ドットにて印刷を行った場合に色成分値L1´が得られるということは、インクカートリッジから吐出されるCインクは上記パッチP5を印刷したときのように高濃度であるということなので、色成分値L1´に対応する補正係数は上記α1となる。同様に、特定階調値のインクデータに基づいて印刷を行った場合に色成分値L1”が得られるということは、インクカートリッジから吐出されるCインクは上記パッチP3を印刷したときのように低濃度であると言え、色成分値L1”に対応する補正係数は上記α2となる。
むろん、特定階調値のインクデータに基づいてCインクかつ大ドットにて印刷を行った場合に色成分値L1が得られるということは、インクカートリッジから吐出されるCインクは上記基準濃度であると言えるため、色成分値L1に対応する補正係数は1、すなわち無補正ということになる。
コンピュータ10は、このような実際の測色によって得られた色成分値Lと補正係数との複数組の対応関係を基に、補間演算などによって各色成分値Lと補正係数との対応関係を求め、補正係数決定テーブル15eとしてHDD15に保存する。なお、補正係数決定テーブル15eについても、各インク色と各ドット種類の全組み合わせ毎に求めておく。
以上の処理を実行することにより、コンピュータ10は予め、色成分値予測テーブル15dと補正係数決定テーブル15eとを持つことができる。
なお、補正係数決定テーブル15eにおいては、様々な値をとり得る色成分値Lに対してどのような値の補正係数を与えればよいかが分かればよい。そのため、上記では補正係数決定テーブル15eを生成するに際して、敢えてインク放置経過時間の異なる複数のインクカートリッジを使用して夫々にパッチを印刷するのではなく、同一色であって高濃度、基準濃度、低濃度というように始めからインクの濃度が異なっているインクカートリッジを使用してパッチの印刷を実行している。
(3)色ずれ補正処理
図9は、任意の画像を印刷する際に、PRTDRV21が実行する色ずれ補正処理の内容をフローチャートにより示している。当該処理は、色変換モジュール21bにて、CMYK表色系に色変換されたインクデータをドット種類別のインクデータへ振り分ける処理を実行する過程にて行うものであり、本願の特徴部分に対応するステップを重点的に書き出している。
ステップS(以下、ステップの記載を省略。)200では、PRTDRV21は、プリンタ40からその時点でのインク放置経過時間及びインク使用量(インク情報)を取得する。当該S200の処理は、PRTDRV21が任意の画像についての印刷指示があったことを認識した際に実行してもよいし、上記色変換処理の後に実行しても良い。
ここで、インク放置経過時間は、プリンタ40が装着しているインクカートリッジに搭載されているメモリチップに記録された情報を基に算出可能である。つまり、このメモリチップには通常、インクカートリッジが製造された年月日情報が記録されているため、PRTDRV21は、USB用I/O19bを介してプリンタ40から当該年月日情報を取得するとともに、当該年月日情報とコンピュータ10が内蔵するタイマーが示す現在の日時との差分を算出して、同差分をインク放置経過時間とする。
また、インク使用量についても、PRTDRV21は、USB用I/O19bを介してプリンタ40のメモリチップから取得する。すなわち、プリンタ40では、図示しない制御回路によって、各インクカートリッジに対応する吐出ノズルから吐出されたインク量を、吐出したドット数をカウントすることにより計測すると共にメモリチップに記録している。かかるドットカウントは インクカートリッジ内の空部分、すなわち使用済みインク量に対応しているので、このドットカウントによってその時点でのインク使用量を把握する。なお、インク放置経過時間及びインク使用量は、CMYKのインク色毎に取得する。
S220,240においては、PRTDRV21は、HDD15から、予め保存されている色成分値予測テーブル15dと補正係数決定テーブル15eとを夫々読み出す。
S260においては、PRTDRV21は、上記取得したインク放置経過時間とインク使用量と色成分値予測テーブル15dと補正係数決定テーブル15eとを利用して、各インク色と各ドット種類の組み合わせ毎の補正係数を決定する。
一例として、Cインクの大ドット用インクデータを補正するための補正係数を決定する場合について説明する。まず、S200で取得したCインクのインク放置経過時間およびインク使用量に従い、Cインクかつ大ドット用の色成分値予測テーブル15dを参照して一つの色成分値Lを取得する。つまり、色成分値予測テーブル15dを参照することで、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量の値から、そのときプリンタ40にて特定階調値のインクデータに基づいてCインクの大ドットを出力したときに得られるであろう色成分値Lを予測する。
次に、上記のように予測された色成分値Lに従い、Cインクかつ大ドット用の補正係数決定テーブル15eを参照して一つの補正係数を決定する。つまり、上記予測された色成分値Lは、図8の横軸上のいずれかの値をとるため、その値に対応した補正係数を補正係数決定テーブル15eから読み出して、Cインクの大ドット用インクデータを補正するための補正係数とする。
このようにして、各インク色と各ドット種類との全組み合わせについて、それぞれに補正係数を決定する。
S280においては、PRTDRV21は、上記取得した補正係数によって、ドット振分テーブル15cにおける変換関係を補正する。
図10は、ドット振分テーブル15cの一例を示している。ドット振分テーブル15cは、横軸が色変換処理によってに得られたインクデータの階調値(入力階調値)であり、縦軸が大中小各ドット種類毎のインクデータの階調値(出力階調値)となっている。また、縦軸は大中小各ドット種類毎のインク記録率にも対応している。同図においては、大中小ドット毎の階調値の変化態様をそれぞれDb,Dm,Dsとして表している。
色変換モジュール21bは、このようなドット振分テーブル15cを参照することで、CMYKのインクデータについて色毎にドット種類別のインクデータに振り分ける処理を行う。本実施形態においては、各インク色毎にドット振分テーブルを用意し、同図に示すものはCのインクデータを変換するためのテーブルであるとする。
ドット振分テーブル15cにおける変換関係の補正について説明する。なお、S260にて決定されたCインクの大ドット用インクデータの補正係数はαb、Cインクの中ドット用インクデータの補正係数はαm、Cインクの小ドット用インクデータの補正係数はαsであるものとする。
PRTDRV21は、上記色変換処理後、任意の画素にかかるCMYKのインクデータのうち、所定の色のインクデータ(ここではCのインクデータ。)を入力階調値とする。 入力階調値p1を考えた場合、何ら補正を考慮しなければ当該p1は、小ドット用インクデータ=q1、中ドット用インクデータ=q2に振り分けられる(大ドット用インクデータ=0)が、かかる出力階調値にそれぞれ対応する補正係数を乗算して変換結果を補正すると、小ドット用インクデータ=q1×αs=q1´、中ドット用インクデータ=q2×αm=q2´となる。ここで、上記のように算出されたq1´,q2´を各ドット種類毎のインクデータとして以降のハーフトーン処理に出力することも一つの手法である。
しかし、このように単純に補正係数を乗算するだけの補正であると、補正後の各インクデータが表すインク記録量の総量が、入力階調値の大きさに応じて規定されているメディアの単位面積当たりにおけるインク打ち込み量の上限を示すインクデューティを超えてしまうこが起こり得る。従って以下では、上記補正係数によって補正された各ドット種類毎のインクデータが示す階調値を大ドットの階調値に換算するとともに、当該大ドット換算後の階調値を、補正前のドット振分テーブル15cを参照して、再度各ドット種類毎のインクデータに振り分ける場合について説明する。
ドット振分テーブル15cでは、入力階調値を0〜255までリニアに増加させたときに大ドットのみで印刷した場合に、大ドットのインク記録率が0〜100%にリニアに変化するものとし、かかる大ドットのみで決定した場合のインク記録率を、小、中ドットのインク記録率に代替させている。すなわち、プリンタ40が吐出可能な大中小ドットの重量比が、例えば4:2:1である場合、大ドットのインク記録率qに対して、これを中ドットで代替する場合にはインク記録率を2×qとするし、これを小ドットで代替する場合にはインク記録率を4×qとする。
そこで、上記補正後の小ドット用インクデータq1´と中ドット用インクデータq2´を、それぞれに対応する上記重量比を利用して大ドットの階調値に換算する。この場合、q1´の換算結果はq1´/4となり、q2´の換算結果はq2´/2となり、これら両値の和が図に示すようにq3であるとする。そして、この換算結果としての大ドットの階調値q3(入力階調値p1´)を、再度、ドット振分テーブル15cを参照して各ドット種類毎のインクデータに振り分ける。すると再度の振り分けの結果、小ドット用インクデータ=q1”、中ドット用インクデータ=q2”が得られる(大ドット用インクデータ=0)。そして、この再度の振り分けによって得られた各ドット種類毎のインクデータが、色ずれ補正処理を施された結果としての、小ドット用インクデータ、中ドット用インクデータ、大ドット用インクデータとなる。
このように、上記決定した補正係数によって各ドット種類毎のインクデータを補正しつつも、同補正後の各インクデータから換算される大ドットの階調値を取得し、同大ドットの階調値をドット振分テーブル15cを参照して、再度各ドット種類毎のインクデータに振り分けている。そのため、ドット振り分けテーブル15cがもともと規定していたインクデータの振り分けの規則を無視して、各ドット種類毎のインクデータを個別に増減させてインクデューティを超えてしまうということが防がれる。
上記処理は、他のインク色についても同様に行われる。また、S280以降の処理として、PRTDRV21は、上記のようにして取得した各インク色毎かつドット種類毎のインクデータをハーフトーン処理モジュール21cに受け渡す。その結果、各インク色と各ドット種類の組み合わせ毎のインクデータであって、印刷時における各インクの経時的変化による色ずれを補償するようにその値が補正されたインクデータに基づいて印刷が実行されるため、色ずれのない高品質な画像が得られる。
(4)他の実施形態
上記においては、各インク色と各ドット種類との組み合わせ毎にそれぞれ補正係数を求めてドット振分テーブル15cでの変換関係を補正するとしたが、同じインク色であればドット種類が異なっても色ずれの傾向はほぼ同じであるとも言える。そこで、他の実施形態として、一つのインク色については一つの補正係数を求めてインクデータを補正するとしても良い。この場合、上述した色成分値予測テーブルおよび補正係数決定テーブルは、各インク色と各ドット種類との全組み合わせについて夫々に生成する必要はなく、各インク色毎に一つずつ生成してHDD15に保存すればよい。なお、各テーブルを生成する際に印刷する各パッチは、大中小のいずれのドット種類を用いて印刷してもよい。
また、PRTDRV21が色ずれ補正処理を実行する場合、色変換処理後のCMYKのインクデータであって、ドット振り分け処理前のものがその補正対象となる。つまり、任意の画像の印刷時において、各インク色毎に、インク放置経過時間とインク使用量と色成分値予測テーブルと補正係数決定テーブルとを利用して補正係数を求めるとともに、各画素毎のCMYKの各階調値に対して、それぞれのインク色に対応する補正係数を乗算して補正後のインクデータとする。そして、当該補正後のインクデータについて、各インク色毎に対応するドット振分テーブルを参照して小ドット用インクデータ、中ドット用インクデータ、大ドット用インクデータに振り分ける。
かかる処理とすれば、プリンタ40が装着している各インク色毎の経時的変化による色ずれを補正することができるとともに、先に説明した実施形態と比べて、色成分値予測テーブルおよび補正係数決定テーブルを生成する際の処理負担が小さい。
(5)まとめ
このように、本発明によれば、顔料系インクの経時的な濃度変化を知るための値として、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得するとともに、この二つの値と、予め生成した色成分値予測テーブル15dおよび補正係数決定テーブル15eを利用することにより補正係数を決定する。その結果、印刷時における顔料の沈降状況によるインク濃度の変化を適格に反映した補正係数を取得することができ、かかる補正係数を用いて補正されたインクデータによる印刷結果は、色ずれが極めて高精度に是正された画像となる。
また、補正係数は各インク色と各ドット種類との組み合わせ毎に決定され、当該決定された各補正係数を利用してドット振分テーブルでの変換関係が補正されるため、各インク色と各ドット種類との組み合わせ毎に微妙に程度が異なる色ずれを、それぞれに正確に是正することができる。
さらに、ドット振分テーブルでの変換関係を補正係数によって補正する場合、最大でもインク色数とドット種類との組み合わせに256を乗算した回数の補正処理で済むため、従来のように色変換テーブル自体を修正する場合と比較して、色ずれ補正処理にかかる演算負担が軽減される。
色ずれ補正装置の概略構成を示すブロック図。 複数のパッチを所定のメディアに出力した状態を示した図。 パッチの測色結果をグラフにより示した図。 色成分値予測テーブルをグラフにより示した図。 複数のパッチを所定のメディアに出力した状態を示した図。 インクデータの変化に対するパッチの測色結果の変化を示した図。 インクデータの変換関係をグラフにより示した図。 補正係数決定テーブルをグラフにより示した図。 色ずれ補正処理の内容を示したフローチャート。 ドット振分テーブルを示した図。
符号の説明
10…コンピュータ、15…HDD、15a…入力画像データ、15b…色変換LUT、15c…ドット振分テーブル、15d…色成分値予測テーブル、15e…補正係数決定テーブル、18…ディスプレイ、19b…USB用I/O、21…PRTDRV、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、22…入力機器DRV、23…ディスプレイDRV、31…キーボード、32…マウス、40…プリンタ、41a,41b,41c,41d…インクカートリッジ

Claims (9)

  1. インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正するための色ずれ補正装置であって、
    印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得するインク特徴量取得手段と、
    上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量に基づいて上記色ずれを補正するための補正係数を決定する補正係数取得手段と、
    上記決定した補正係数に従って任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正するインクデータ補正手段とを備えることを特徴とする色ずれ補正装置。
  2. 上記補正係数取得手段は、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量に応じて、上記印刷装置にて特定のインク記録量に従ってパッチを印刷した場合に同パッチから得られる色成分値を予測するとともに、当該予測した色成分値と基準となる色成分値との比較結果に基づいて上記補正係数を決定することを特徴とする請求項1に記載の色ずれ補正装置。
  3. 上記補正係数取得手段は、インク放置経過時間とインク使用量とを変化させた複数の条件のもと上記特定のインク記録量に従って複数のパッチを印刷するとともに各パッチの色成分値を取得することにより作成されたインク放置経過時間とインク使用量および色成分値との対応関係を、予め所定の記憶領域に有し、当該対応関係および上記取得したインク放置経過時間とインク使用量とに応じて上記予測を行うことを特徴とする請求項2に記載の色ずれ補正装置。
  4. 上記補正係数取得手段は、印刷装置が吐出するインク滴当たりの濃度を異ならせた各条件にて印刷した各パッチから得られた各色成分値と基準となる色成分値との夫々の差に基づいて各差を補償するような補正係数を複数決定することによって規定された各色成分値と補正係数との対応関係を、予め所定の記憶領域に有し、当該対応関係と上記予測した色成分値とに応じて上記補正係数を決定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の色ずれ補正装置。
  5. 上記インクデータ補正手段は、上記インクデータを印刷装置が吐出可能なドット種類毎のインクデータに変換するドット振分テーブルにおける変換関係を、上記決定した補正係数によって補正することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色ずれ補正装置。
  6. 上記補正係数の決定およびドット振分テーブルにおける変換関係の補正は、印刷装置が使用する各インク色と上記ドット種類との組み合わせ毎に行うことを特徴とする請求項5に記載の色ずれ補正装置。
  7. 上記印刷装置が使用するインクは顔料系インクであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の色ずれ補正装置。
  8. インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正するための色ずれ補正方法であって、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得し、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量とに基づいて上記色ずれを補正するための補正係数を決定し、上記決定した補正係数に従って、任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正することを特徴とする色ずれ補正方法。
  9. インクのばらつきによる印刷装置における色ずれを補正する機能をコンピュータに実行させる色ずれ補正プログラムであって、印刷時におけるインク放置経過時間およびインク使用量を取得し、上記取得したインク放置経過時間およびインク使用量とに基づいて上記色ずれを補正するための補正係数を決定し、上記決定した補正係数に従って、任意の画像を印刷するためのインク記録量を表すインクデータを補正する機能を実行させることを特徴とする色ずれ補正プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012164044A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラム

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