JP2006263990A - 溶液製膜設備及び濾過装置のフィルタ交換方法 - Google Patents

溶液製膜設備及び濾過装置のフィルタ交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルター交換時の挟持板内に残留している残留溶液を削減する。
【解決手段】 ドープ製造ライン3は、濾過ユニット10を備える。濾過ユニット10は、第1,第2濾過装置11,12、濾過制御部18、ドープ切替バルブ19、吸引器20、洗浄切替バルブ25、洗浄液タンク26、ガスタンク27、溶剤分量検出器28、回収切替バルブ29、回収タンク30を備える。ドープ切替バルブ19は、ドープ60を第1濾過装置11と第2濾過装置12とのどちらに送るかを切り替える。第1濾過装置11は、フィルター、挟持板、フィルター交換ユニットを備える。フィルター交換ユニットは、搬送ピックアップ、回収サクションパッドを備える。搬送ピックアップは、ピックアップ本体、搬送サクションパッド、移動板を備える。搬送サクションパッドを、ピックアップ本体に回動自在に取り付ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶液製膜設備及び濾過装置のフィルタ交換方法に関し、さらに詳しくは、高分子溶解液を濾過する濾過装置に関するものである。
溶液製膜設備を用いた溶液製膜方法によるフィルムの製造には、その溶液にセルロースエステルのような天然素材を原料として用いることがある。セルロースエステルは、主たる有機溶媒に溶解しない、あるいは、溶解しにくい成分を少量含んでいる。また、セルロースエステルには、不純物が含まれることがあり、さらには、溶液を搬送及び溶解する工程中に異物が混入することがある(特許文献1)。そのため、溶液製膜設備の送液工程内で不純物や異物を濾過装置により除去している。この濾過装置としては、フィルタを2枚の濾板で挟み込んだ構成のフィルタプレスが一般的に用いられ、このフィルタプレスに通液して異物を除去している。
特開2003−221455号公報
しかしながら、フィルタは、細かい網目状に形成されており、この網目に不純物や異物が詰まって網目の目詰まりが発生すると、差圧が増加する。このため、差圧が増加し、フィルタによる濾過能力が基準値以下となった場合にはフィルタを交換する必要がある。フィルタを交換する場合には、濾板とフィルタとのプレス圧力を緩め、濾板及びフィルタを開放した状態で、新しいフィルタに交換する。近年では、フィルムに要求される品質の向上に応じて、上記濾過能力の基準値を高く設定する必要がある。このため、フィルタを交換する頻度が増加し、作業者にとって手間のかかるものであった。
また、フィルタを交換するために2枚の濾板のプレス圧力を緩め、濾板及びフィルタを開放すると、濾板とフィルタとの間に残留していた残留溶液が流出してしまい、人に有害な溶液を用いている場合には、危険であった。さらに、残留溶液が流出しない場合にも、溶液の蒸発により危険であり、大気汚染にもつながることになり、問題があった。また、フィルタを交換している際には、濾過装置の稼働を停止する必要があり、稼働時間が低くなるという問題があった。さらに、フィルタは薄板状であるため、交換用の新しいフィルタは複数枚重ねて置いてあり、フィルタを交換する際に、複数枚のフィルタのうちの1枚だけを掴もうとしても複数枚掴んでしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、稼働を停止することなくフィルタを交換することができるとともに、フィルタ交換時における濾板内の残留溶液を削減することができる濾過装置を備えた溶液製膜設備及び濾過装置のフィルタ交換方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の溶液製膜設備は、高分子溶解液を濾過するためのフィルタを濾過通路に有する複数の濾過装置と、これら複数の濾過装置を選択的に使用するために配管系を切り替える切り替え装置とを備え、前記複数の濾過装置のうちの少なくとも1つで濾過された前記高分子溶解液を支持体上に流延してポリマーフィルムとして剥ぎ取り、このポリマーフィルムを乾燥させる溶液製膜設備において、前記濾過装置は、前記フィルタを挟持して前記高分子溶解液を濾過する濾過位置、及び前記フィルタの挟持を開放して前記フィルタの交換を可能にする開放位置の間で変位するフィルタ挟持部材と、前記濾過位置での前記フィルタを洗浄するために洗浄液を送る洗浄手段と、前記洗浄手段による洗浄後に前記フィルタ挟持部材を開放位置にして前記フィルタを交換するフィルタ交換手段とを有することを特徴とする。
なお、前記洗浄手段は、前記洗浄液を送液する前に前記濾過通路及び前記フィルタに気体を送り前記高分子溶解液を前記濾過装置から排出する高分子溶解液排出手段と、前記洗浄液による洗浄後に前記濾過通路及び前記フィルタに気体を送って前記洗浄液を乾燥させる乾燥手段とを有することが好ましい。
また、前記乾燥のために前記濾過通路及び前記フィルタに送られる気体中の洗浄液成分量を検出し、この検出値に基づき乾燥度合いを判定し、乾燥完了と判定したときに前記フィルタの交換指令を前記フィルタ交換手段に出力する乾燥判定手段を有することが好ましい。
さらに、前記フィルタはシート状濾紙から構成され、前記フィルタ交換手段は、使用済みの前記フィルタを前記開放位置のフィルタ挟持部材から回収する回収手段と、未使用の前記フィルタが積層されて収納されており、この収納されたフィルタ中の最上層のものを吸引して保持する吸引保持部と、前記吸引保持部で吸引された前記フィルタを前記開放位置であって前記回収手段により使用済みのフィルタが回収されているフィルタ挟持部材にセットするフィルタセット手段とを有することが好ましい。
また、前記フィルタを吸引した状態の前記吸引保持部を上方に変位させる変位部を備え、前記フィルタセット手段は、前記吸引部を上方に変位させた状態で、前記フィルタをフィルタ挟持部材にセットすることが好ましい。さらに、前記フィルタ交換中の濾過装置周辺の空気を吸引し、この吸引した空気から前記洗浄液中の有機溶媒を回収することが好ましい。また、前記ポリマーフィルムは、セルロースエステルであり、前記フィルタは、セルロースから構成される濾紙であることが好ましい。
さらに、本発明の濾過装置のフィルタ交換方法は、濾過通路内でフィルタを挟持して高分子溶解液が濾過される濾過位置、及び前記フィルタの挟持を開放して前記フィルタの交換が可能な開放位置の間で変位するフィルタ挟持部材を有する濾過装置のフィルタ交換方法において、前記濾過通路内に気体を送り前記濾過通路内から前記高分子溶解液を排出する高分子溶解液排出工程と、前記高分子溶解液の排出後に、前記濾過通路内に洗浄液を送り、前記濾過通路及び前記フィルタを洗浄する洗浄工程と、前記洗浄液による洗浄後に前記濾過通路内に乾燥気体を送り、前記濾過通路及び前記フィルタの洗浄液を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程中の前記乾燥気体中の洗浄液成分量を検出し、この検出値に基づき乾燥完了を判定し、乾燥完了と判定したときに、前記気体の送りを停止した後に前記フィルタ挟持部材を開放位置にしてフィルタを交換するフィルタ交換工程とを有することを特徴とする。
また、前記フィルタ交換工程において、前記濾過装置周辺の空気を吸引し、この吸引した空気から前記洗浄液中の有機溶媒を回収することが好ましい。
本発明の溶液製膜設備によれば、高分子溶解液を濾過するためのフィルタを濾過通路に有する複数の濾過装置と、これら複数の濾過装置を選択的に使用するために配管系を切り替える切り替え装置とを備え、複数の濾過装置のうちの少なくとも1つで濾過された高分子溶解液を支持体上に流延してポリマーフィルムとして剥ぎ取り、このポリマーフィルムを乾燥させる溶液製膜設備において、濾過装置は、フィルタを挟持して高分子溶解液を濾過する濾過位置、及びフィルタの挟持を開放してフィルタの交換を可能にする開放位置の間で変位するフィルタ挟持部材と、濾過位置でのフィルタを洗浄するために洗浄液を送る洗浄手段と、洗浄手段による洗浄後にフィルタ挟持部材を開放位置にしてフィルタを交換するフィルタ交換手段とを有するから、外部に有害なガスが流出するのを防止することができ、稼働を停止することなく安全にフィルタの交換を行うことができる。
また、洗浄手段は、洗浄液を送液する前に濾過通路及びフィルタに気体を送り高分子溶解液を濾過装置から排出する高分子溶解液排出手段と、洗浄液による洗浄後に濾過通路及びフィルタに気体を送って洗浄液を乾燥させる乾燥手段とを有するから、濾過通路及びフィルタに高分子溶解液が残留していた場合にも、確実に濾過通路及びフィルタを洗浄することができる。
さらに、乾燥のために濾過通路及びフィルタに送られる気体中の洗浄液成分量を検出し、この検出値に基づき乾燥度合いを判定し、乾燥完了と判定したときにフィルタの交換指令をフィルタ交換手段に出力する乾燥判定手段を有するから、より一層安全にフィルタの交換を行うことができる。
また、本発明の濾過装置のフィルタ交換方法によれば、濾過通路内でフィルタを挟持して高分子溶解液が濾過される濾過位置、及びフィルタの挟持を開放してフィルタの交換が可能な開放位置の間で変位するフィルタ挟持部材を有する濾過装置のフィルタ交換方法において、濾過通路内に気体を送り濾過通路内から高分子溶解液を排出する高分子溶解液排出工程と、高分子溶解液の排出後に、濾過通路内に洗浄液を送り、濾過通路及びフィルタを洗浄する洗浄工程と、洗浄液による洗浄後に濾過通路内に乾燥気体を送り、濾過通路及びフィルタの洗浄液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程中の乾燥気体中の洗浄液成分量を検出し、この検出値に基づき乾燥完了を判定し、乾燥完了と判定したときに、気体の送りを停止した後にフィルタ挟持部材を開放位置にしてフィルタを交換するフィルタ交換工程とを有するから、外部に有害なガス、高分子溶解液、洗浄液が流出するのを防止することができ、安全にフィルタの交換を行うことができる。
図1は、本発明を実施した溶液製膜設備2の一部であるドープ製造ライン3を示す概略の平面図である。ドープ製造ライン3には、溶媒を貯留するための溶媒タンク4、溶媒とTAC等とを混合するための溶解タンク5、TACを供給するためのホッパ6、添加剤を貯留するための添加剤タンク7が備えられ、さらに、後述する混合物としての膨潤液58を加熱するための加熱装置8、加熱された膨潤液58の温度を調整するための温調機9、濾過ユニット10、ドープ濃度を調整するためのフラッシュ装置13、フラッシュ後濾過ユニット14が配されている。ドープ製造ライン3には、さらに、溶媒を回収するための回収装置15、回収された溶媒を再生するための再生装置16が備えられている。そして、このドープ製造ライン3は、ストックタンク65に接続されている。
濾過ユニット10とフラッシュ後濾過ユニット14とは同じ構造の部材により構成されているため、濾過ユニット10のみを例に説明し、フラッシュ後濾過ユニット14の説明は簡略化する。濾過ユニット10は、第1濾過装置11、第2濾過装置12、濾過制御部18、ドープ切替バルブ(切り替え装置)19、吸引器20、洗浄切替バルブ25、洗浄液タンク26、ガスタンク27、溶剤分量検出器(乾燥判定手段)28、回収切替バルブ29、回収タンク30を備える。濾過制御部18には、ドープ切替バルブ19、溶剤分量検出器28、洗浄切替バルブ(洗浄手段)25、回収切替バルブ29が接続されており、各バルブ19,25,29は、濾過制御部18により切り替えが制御される。本実施形態では、洗浄切替バルブ25は、洗浄液を送液する前に濾過前ドープ通過部22b、濾過後ドープ通過部22c及びフィルタ21に気体を送り、ドープ(高分子溶解液)60を第1濾過装置11、第2濾過装置12から排出する高分子溶解液排出手段としても機能し、さらには、洗浄液による洗浄後に濾過前ドープ通過部22b、濾過後ドープ通過部22c及びフィルタ21に気体を送って洗浄液を乾燥させる乾燥手段としても機能する。なお、濾過装置の個数は、2個に限定されることなく、複数(2個以上)であればよく、適宜変更されるものである。また、例えば、濾過装置の個数を3個にした場合には、1個で濾過を行い、2個を待機状態にしてもよく、さらには、2個で濾過を行い、1個を待機状態にしてもよく、適宜変更されるものである。
溶解タンク5では、詳しくは後述するように、膨潤液58が得られ、この膨潤液58は、加熱装置8で加熱されてドープ(高分子溶解液)60となって温調機9に送られる。そして、ドープ60は、温調機9で温度調整されて、ドープ切替バルブ(切り替え装置)19に送られる。ドープ切替バルブ19は、ドープ60を、濾過ユニット10の第1濾過装置11と第2濾過装置12とのどちらに送るかを切り替えるものであり、濾過制御部18により制御される。濾過制御部18は、濾過能力検出器(図示せず)により検出される第1濾過装置11のフィルタ21(図2参照)の濾過能力が予め設定された基準能力値以下となった場合には、ドープ60を第2濾過装置12に送るようにドープ切替バルブ19を切り替える。同様にして、濾過制御部18は、濾過能力検知器により検出される第2濾過装置12のフィルタ21の濾過能力が基準能力値以下となった場合には、ドープ60を第1濾過装置11に送るようにドープ切替バルブ19を切り替える。これにより、ドープ製造ライン3を停止することなく、ドープ60を連続して製造することができる。
第1濾過装置11と第2濾過装置12とは同じ構造の部材により構成されているため、第1濾過装置11のみを例に説明し、第2濾過装置12の説明は簡略化する。図2及び図3に示すように、第1濾過装置11は、ドープ60を濾過するシート状のフィルタ21と、フィルタ21を挟持する5枚の挟持板(フィルタ挟持部材)22と、使用済のフィルタ21を未使用のフィルタ21に交換するフィルタ交換ユニット(フィルタ交換手段)23(図4参照)とを備える。フィルタ21は、セルロース100%で構成されており、公称孔径10μmの貫通孔が所定のピッチで複数形成されている。挟持板22は、挟持シフト部24により、フィルタ21を挟持してドープ60を濾過する濾過位置としての挟持位置(図3参照)と、挟持を開放する開放位置(図2参照)との間で移動される。なお、挟持板22の枚数は5枚に限定されることなく、適宜変更されるものである。
挟持板22には、注入口22aと、濾過前ドープ通過部(濾過通路)22bと、濾過後ドープ通過部(濾過通路)22cと、排出口22dとが形成されている。ドープ切替バルブ19から洗浄切替バルブ25を介して送られてくる濾過前のドープ60が注入口22aから注入されると、濾過前のドープ60は濾過前ドープ通過部22bを通過して、フィルタ21により濾過され、濾過後のドープ60は濾過後ドープ通過部22cを通過して、排出口22dから排出される。
ドープ切替バルブ19から送られてくる濾過前のドープ60は、第1〜第4の挟持版22のそれぞれの注入口22aに送られる。5枚の挟持板22それぞれでフィルタ21を挟持したときに、第1の挟持板22の注入口22aから注入されたドープ60は、フィルタ21により濾過され、第2の挟持板22の排出口22dから排出される。同様にして、第2の挟持版22の注入口22aから注入されたドープ60は、フィルタ21により濾過され、第3の挟持板22の排出口22dから、第3の挟持版22の注入口22aから注入されたドープ60は、フィルタ21により濾過され、第4の挟持板22の排出口22dから、第4の挟持版22の注入口22aから注入されたドープ60は、フィルタ21により濾過され、第5の挟持板22の排出口22dから、それぞれ排出される。なお、第1の挟持板22とは図3において一番上段のものを、第2の挟持板22とは図3において上から2段目のものを、第3の挟持板22とは図3において上から3段目のものを、第4の挟持板22とは図3において上から4段目のものを、第5の挟持板22とは図3において上から5段目のものを、それぞれ示す。
図1に示すように、第1,第2濾過装置11,12の近傍には吸引器20が設けられている。吸引器20は、第1,第2濾過装置11,12の周辺の空気を吸引する。これにより、第1,第2濾過装置11,12から有害なガスが発生した場合にも、外部(大気)にガスが流出するのを防止することができる。吸引器20で吸引した空気は、濾過器(図示せず)により濾過され、放出される。なお、吸引器20により空気を吸引する代わりに、第1,第2濾過装置11,12を覆う遮蔽カバーを設け、外部にガスが流出するのを防止するようにしてもよい。
第1,第2濾過装置11,12の上流側には、洗浄切替バルブ25が設けられており、この洗浄切替バルブ25には、洗浄液タンク26とガスタンク27とが接続されている。洗浄切替バルブ25は、濾過制御部18に接続されており、濾過制御部18により切り替えが制御される。洗浄切替バルブ25の切り替えにより、洗浄液タンク26に貯留された洗浄液とガスタンク27に貯留された気体としての不活性ガス(例えば、窒素ガス)とのいずれか一方、またはドープ60が第1〜第4の挟持版22のそれぞれの注入口22aに送られる。
第1,第2濾過装置11,12の第1〜第5の挟持板22を洗浄する場合には、先ず、濾過制御部18により洗浄切替バルブ25を切り替えて、ガスタンク27から窒素ガス(気体)を挟持板22の注入口22aに送る。窒素ガスは、圧力0.3〜1.0MPaで第1〜第4の挟持板22の注入口22aに注入される。第1の挟持板22の注入口22aから注入された窒素ガスは、第1の挟持版22の濾過前ドープ通過部22bを通って、第2の挟持版22の濾過後ドープ通過部22cに送られる。この窒素ガスによって、第1の挟持版22の濾過前ドープ通過部22bの内部に残留していたドープ60の残留液と、フィルタ21に付着していたドープ60の残留液と、第2の挟持版22の濾過後ドープ通過部22cの内部に残留していたドープ60の残留液とが吹き飛ばされ、第2の挟持版22の排出口22dから排出される。同様にして、第2〜第4の挟持板22の注入口22aから注入された窒素ガスによって、内部に残留していたドープ60の残留液が第3〜第5の挟持板22の排出口22dから排出される。
次に、濾過制御部18により洗浄切替バルブ25を切り替えて、洗浄液タンク26から洗浄液を第1〜第4の挟持板22の注入口22aに送る。第1の挟持板22の注入口22aから注入された洗浄液は、第1の挟持版22の濾過前ドープ通過部22b、フィルタ21を通って、第2の挟持版22の濾過後ドープ通過部22cに送られ、第2の挟持版22の排出口22dから排出される。同様にして、第2〜第4の挟持板22の注入口22aから注入された洗浄液は、第3〜第5の挟持板22の排出口22dから排出される。洗浄液タンク26に貯留される洗浄液は、濾過前ドープ通過部22bと使用済みのフィルタ21と濾過後ドープ通過部22cと(以下、挟持板22内部と称する)を洗浄するためのものであり、詳しくは後述する膨潤液58の有機溶剤と同一のものが用いられる。
洗浄液により第1,第2濾過装置11,12の第1〜第5の挟持板22内部を洗浄した後には、濾過制御部18により洗浄切替バルブ25を切り替えて、再度ガスタンク27から窒素ガスを注入口22aに送る。
第1濾過装置11の下流側と、第2濾過装置12の下流側とには、それぞれ溶剤分量検出器(乾燥判定手段)28が設けられている。溶剤分量検出器28は、ガスタンク27から挟持板22の注入口22aに送られ、濾過前ドープ通過部22b、フィルタ21、濾過後ドープ通過部22cを通って排出口22dから排出される窒素ガスの溶剤分量(洗浄液成分量)を検出して、挟持板22内部の乾燥度合いを判定する。検出された溶剤分量が予め設定された基準溶剤分量(例えば、5%)以下となった場合には、乾燥されたと判定し、濾過制御部18に乾燥信号を送る。濾過制御部18は、送られてきた乾燥信号に基づき、洗浄切替バルブ25を切り替えて、ガスタンク27からの注入口22aへの窒素ガスの注入を停止する。そして、挟持シフト部24(図3参照)により、挟持板22をフィルタ21の挟持を開放する開放位置(図2参照)に移動して、フィルタ21を交換する。これにより、挟持板22を開放位置に移動させたときには、挟持板22内部にはドープ60や洗浄液の残留液はなく、ガスが発生することがないため、溶液製膜設備2の周辺に作業者がいる場合にも安全であり、さらに、ガスの発生により大気が汚染されるのを防止することができる。
2個の溶剤分量検出器28のそれぞれの下流側には、回収切替バルブ29が設けられており、この回収切替バルブ29には回収タンク30が接続されている。回収切替バルブ29は、濾過制御部18に接続されており、濾過制御部18により切り替えが制御される。回収切替バルブ29の切り替えによって、洗浄液は回収タンク30に送られ、ドープ60はバルブ61を介して、溶液製膜設備2中のストックタンク65に送られここに貯留される。第1,第2濾過装置11,12の第1〜第5の挟持板22内部を洗浄した洗浄液は、回収タンク30に回収される。これにより、ドープ60と洗浄液とが混ざり合うことがない。回収タンク30は、溶媒タンク4に接続されており、回収タンク30に回収された洗浄液は、濾過器(図示せず)により濾過された後に、溶媒タンク4に送られて再生される。
図4に示すように、フィルタ交換ユニット23は、搬送ピックアップ31と回収ピックアップ32とを備える。搬送ピックアップ31は、フィルタ載せ台33に載せられた未使用のフィルタ21を挟持板22の上に搬送するためのものであり、ピックアップ本体34と、搬送サクションパッド(吸引保持部)35と、移動板36とを備える。本実施形態では、フィルタ21を吸引した状態の搬送サクションパッド35を上方に変位させる変位部は、ピックアップ本体34と、移動板36とから構成される。
フィルタ21を吸い込む搬送サクションパッド35は、回動軸35aを中心にピックアップ本体34に回動自在に取り付けられている。ピックアップ本体34には、シャフト34aが2本設けられており、シャフト34aには移動板36が上下方向に移動自在に取り付けられている。移動板36には、長孔状の挿通孔36aが形成されており、この挿通孔36aには、搬送サクションパッド35の挿通軸35bが挿通されている。これにより、移動板36が上下方向に移動すると、搬送サクションパッド35は回動軸35aを中心に回動する。フィルタ載せ台33には、未使用のフィルタ21が複数枚積み重ねられている。回収ピックアップ32は、挟持板22の上に載せられた使用済みのフィルタ21を吸い込み、回収ケース37に搬送する。
搬送ピックアップ31は、搬送制御部41により駆動が制御される。搬送ピックアップ31は、フィルタ載せ台33に載せられた未使用のフィルタ21を搬送サクションパッド35により吸い込む搬送吸い込み位置と、吸い込んだ未使用のフィルタ21を挟持板22の上に載せる載せ位置との間で移動する。本実施形態では、未使用のフィルタ21を開放位置であって使用済みのフィルタ21が回収されているフ挟持板22にセットするフィルタセット手段は、搬送ピックアップ31と搬送制御部41とから構成される。
搬送ピックアップ31により未使用のフィルタ21を吸い込む場合には、図5(A)に示すように、先ず、搬送サクションパッド35の底面を、フィルタ載せ台33に積み重ねられた複数枚の未使用のフィルタ21のうちの最も上にあるフィルタ21の上面に接触させる(搬送吸い込み位置)。次に、搬送サクションパッド35によりフィルタ21を吸い込む。この搬送サクションパッド35による吸い込み方法としては、吸引ブロワー、エジェクター等が挙げられるが、これに限定されることなく、フィルタ21を吸い込むことができればよい。フィルタ21は、薄板状に形成されており、搬送サクションパッド35により吸い込んだフィルタ21の下側に位置するフィルタ21も吸い込んでしまうことがある。これを防止するために、搬送サクションパッド35を、回動軸35aを中心にして、図5中A方向に回動させる。搬送サクションパッド35を回動させるには、図5(B)に示すように、移動板36を、上方向に移動させる。移動板36が上方向に移動すると、搬送サクションパッド35は、回動軸35aを中心にして、図5中A方向に回動する。これにより、搬送サクションパッド35で吸い込んだ1枚のフィルタ21のみを、搬送することができる。そして、搬送サクションパッド35でフィルタ21を吸い込んだ状態の搬送ピックアップ31を、搬送制御部41により、載せ位置に移動させる。載せ位置に移動させた後に、搬送サクションパッド35による吸い込みを解除すると、フィルタ21は、挟持板22の上に載せられる。
図4に示すように、回収ピックアップ32は、挟持板22の上に載せられた使用済みのフィルタ21をピックアップして回収ケース37に収容して回収させるものであり、フィルタ21を把持するクリップ38を備え、回収制御部42により駆動される。回収ピックアップ32は、挟持板22の上に載せられた使用済みのフィルタ21をクリップ38で把持する把持位置と、把持した使用済みのフィルタ21を回収ケース37に収容して回収させる回収収容位置との間で移動する。クリップ38は、上下に移動可能に設けられており、回収ピックアップ32のフィルタ載せ部32aにフィルタ21に載せた状態で、クリップ38を下方に移動すると、フィルタ21は把持される。
挟持板22の上に載せられた使用済みのフィルタ21をクリップ38で把持し(クリップ38を下方に移動)、回収ピックアップ32を、回収制御部42により、回収収容位置に移動させる。回収収容位置に移動させた後に、クリップ38による把持を解除する(クリップ38を上方に移動)と、使用済みのフィルタ21は、回収ケース37に収容され回収される。本実施形態では、使用済みのフィルタ21を挟持板22から回収する回収手段は、回収ピックアップ32と回収制御部42とから構成される。なお、回収ピックアップ32としては、フィルタ21をピックアップして回収ケース37に収容して回収させることができればよく、ピンをフィルタ21に突き刺して使用済みのフィルタ21をピックアップし、ピンを抜いてフィルタ21を回収ケース37に収容して回収させるようにしてもよい。
図6に示すフローチャートを用いて、濾過ユニット10の動作の流れを説明する。濾過能力検出器は、ドープ60が送られている濾過装置(例えば、第1濾過装置11)のフィルタ21の濾過能力を検出する。検出された濾過能力値が基準能力値以下となった場合には、濾過制御部18はドープ切替バルブ19を切り替えて、第2濾過装置12にドープ60を送る。そして、洗浄切替バルブ25を切り替えて、ガスタンク27から窒素ガスを予め設定された時間(例えば、30分〜120分)第1濾過装置11に送る(高分子溶解液排出工程)。次に、洗浄切替バルブ25を切り替えて、洗浄液タンク26から洗浄液を第1濾過装置11に送る(洗浄工程)。洗浄液により第1濾過装置11を洗浄した後には、洗浄切替バルブ25を切り替えて、再度ガスタンク27から窒素ガスを第1濾過装置11に送る(乾燥工程)。溶剤分量検出器28は、第1濾過装置11の排出口22dから排出される窒素ガスの溶剤分量を検出する。検出された溶剤分量が基準溶剤分量以下となった場合には、挟持板22内部が乾燥されたと判断し、濾過制御部18に乾燥信号を送る。濾過制御部18は、送られてきた乾燥信号に基づき、洗浄切替バルブ25を切り替えて、ガスタンク27から窒素ガスを送るのを停止する。次に、挟持シフト部24により、挟持板22を開放位置(図2参照)に移動させる。そして、フィルタ交換ユニット23により、使用済みのフィルタ21を未使用のフィルタ21に交換する(フィルタ交換工程)。同様にして、第2濾過装置12の濾過能力値が基準能力値以下となった場合には、第1濾過装置11にドープ60を送るとともに、第2濾過装置12を洗浄した後に使用済みのフィルタ21を未使用のフィルタ21に交換する。
このように、第1濾過装置11と第2濾過装置12とのいずれか一方には、ドープ60が送られるため、ドープ製造ライン3を停止することなく、ドープ60を連続して製造することができる。さらに、挟持板22を開放位置に移動させたときには、挟持板22内部(濾過前ドープ通過部22b、使用済みのフィルタ21及び濾過後ドープ通過部22c)にはドープ60や洗浄液の残留液はなく、残留液が挟持板22の外部に流出することがないとともにガスが発生することがないため、溶液製膜設備2の周辺に作業者がいる場合にも安全であり、さらに、ガスの発生により大気が汚染されるのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、シート状のフィルタ21を用いたが、これに限定されることなく、ロール状に巻かれたロールフィルタを用いてもよく、ロールフィルタの使用している部分の濾過能力値が基準能力値以下となった場合には、ロールフィルタを回転させることにより、未使用の部分を挟持板22の上に位置させるようにする。
次に上記膨潤液58及びドープ60の製造方法について説明する。ただし、以下に述べる製造方法ならびに製造装置は、本発明の一例であり、これに限定されるものではない。
[原料]
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。このTACとしては、リンター綿とパルプ綿とのいずれから得られたものでもよいが、好ましくはリンター綿から得られたものである。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。また、本発明に用いられるポリマーはセルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
溶媒タンク4には、ドープ60を調製するための溶媒として、塩化メチレンとアルコールとの混合液が貯留されている。このとき、アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2質量%〜25質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール等が挙げられるが、中でも、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物がより好ましく用いられる。なお、溶媒としては、上記した塩化メチレンとアルコールとの混合液に限定されることなく、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが例示される。なお、ここで、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液または分散液である。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特願2004−264464号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明に適用できる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特願2004−264464号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
[ドープ製造方法]
上記の原料を用いて、まずドープ60を製造する。本実施形態においては、図1に示すドープ製造ライン3を用いて以下の方法でドープ60が製造される。先ず始めに、バルブ51を開き、溶媒が溶媒タンク4から溶解タンク5に送られる。次に、ホッパ6に入れられているTACが、計量されながら溶解タンク5に送り込まれる。また、添加剤溶液は、バルブ52の開閉操作により必要量が添加剤タンク7から溶解タンク5に送り込まれる。本実施形態では、ドープ60は、TACが20.0重量%、可塑剤がTACの重量の11.0重量%(=2.2重量%)、溶媒が77.8重量%となるように混合される。
添加剤は、溶液として送り込む方法の他に、例えば添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク5に送り込むことが可能である。また、添加剤が固体の場合には、ホッパ等を用いて溶解タンク5に送り込む方法も可能である。添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク7の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできる。または、多数の添加剤タンクを用いてそれぞれに添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンク5に送り込むこともできる。
前述した説明においては、溶解タンク5に入れる順番が、溶媒(混合溶媒の場合も含めた意味で用いる)、TAC、添加剤であったが、この順番に限定されるものではない。例えば、TACを計量しながら溶解タンク5に送り込んだ後に、好ましい量の溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンク5に予め入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物(以下、これらの混合物もドープと称する場合がある)に混合させることもできる。
溶解タンク5には、図1に示すようにその外面を包み込むジャケット53と、モータ54により回転する第1攪拌機55とが備えられている。さらに、この溶解タンク5には、モータ56により回転する第2攪拌機57が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌機55は、アンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機57は、ディゾルバータイプの偏芯型攪拌機であることが好ましい。そして、本実施形態で用いた溶解タンク5は、ジャケット53の内部に伝熱媒体を流すことにより温度調整されており、その好ましい温度範囲は−10℃〜55℃の範囲である。第1攪拌機55,第2攪拌機57のタイプを適宜選択して使用することにより、TACが溶媒中で膨潤した膨潤液58を得る。
次に、膨潤液58は、ポンプ59により加熱装置8に送られる。加熱装置8は、ジャケット付き配管であることが好ましく、さらに、膨潤液58を加圧することができる構成のものが好ましい。このような加熱装置8を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下で膨潤液58中の固形分を溶解させる。これにより、ドープ60が製造される。なお、この場合に膨潤液58の温度は、50℃〜120℃であることが好ましい。また、膨潤液58を−100℃〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。そして、ドープ60を、温調機9により略室温とした後に、濾過ユニット10の第1濾過装置11または第2濾過装置12により濾過してドープ60中に含まれる不純物を取り除く。濾過後のドープ60は、バルブ61を介して、溶液製膜設備2中のストックタンク65に送られここに貯留される。
濾過ユニット10の第1濾過装置11でドープ60を濾過しているときに、濾過能力検知器により検出されるフィルタ21の濾過能力が予め設定された能力値以下となった場合には、ドープ切替バルブ19を切り替えてドープ60を第2濾過装置12に送るようにする。そして、上記したように、第1濾過装置11の挟持板22を洗浄した後に、フィルタ交換ユニット23によりフィルタ21を新しいフィルタ21に交換する。
ところで、上記のように、一旦膨潤液58を調製し、その後にこの膨潤液58を溶液とする方法は、TACの濃度を上昇させるほど要する時間が長くなり、製造コストの点で問題となる場合がある。その場合には、目的とする濃度よりも低濃度のドープを調製し、その後に目的の濃度とするための濃縮工程を行うことが好ましい。このような方法を用いる際には、濾過ユニット10で濾過されたドープ60を、バルブ61を介してフラッシュ装置13に送り、このフラッシュ装置13内でドープ中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示せず)により凝縮されて液体となり回収装置15により回収される。回収された溶媒は、再生装置16によりドープ調製用の溶媒として再生されて再利用される。この再利用はコストの点で効果がある。
また、濃縮されたドープ60はポンプ62によりフラッシュ装置13から抜き出される。さらに、ドープ60に発生した気泡を抜くための泡抜き処理が行われることが好ましい。この泡抜き方法としては、公知の種々の方法が適用され、例えば超音波照射法が挙げられる。ドープ60は続いてフラッシュ後濾過ユニット14に送られて、異物が除去される。なお、濾過の際のドープ60の温度は、0℃〜200℃であることが好ましい。そして、濾過されたドープ60は、ストックタンク65に送られ、貯蔵される。そしてストックタンク65のドープ60は、ポンプ73に送られる。
原料ドープとこの原料ドープに添加される添加剤液(例えば、紫外線吸収剤液など)とを移送中に混合するインラインミキサ(例えば、スタティックミキサなど)を用いて混合させることが好ましい。また、混合方法の異なる複数のインラインミキサを直列に接続して混合を行うことがより好ましい。
インラインミキサとして、スタティックミキサと、スルーザミキサとのうち、少なくとも1つを備えていることが好ましい。スタティックミキサを備えた場合、スタティックミキサのエレメント数が6以上9以下であることが好ましく、6以上60以下であることがより好ましい。
スタティックミキサと、スルーザミキサとの両方を備えている場合には、スルーザミキサをスタティックミキサの上流側に配置することが好ましい。さらに、スルーザミキサと添加剤液を添加する添加口との距離が5mm以上150mm以下であることが好ましく、さらには、スルーザミキサと添加剤液を添加する添加口との距離が5mm以上15mm以下であることがより好ましい。また、スルーザミキサを構成するエレメントの上流側端部が、前記原料ドープの流される配管の内側壁近傍に位置することが好ましい。
さらに、原料ドープを濾過する第1の濾過装置をインラインミキサの上流側に備え、第1の濾過装置による濾過後の原料ドープに添加剤を添加することが好ましく、さらには、インラインミキサの下流側に、ドープを濾過する第2の濾過装置を備え、インラインミキサにより混合されたドープを第2の濾過装置により濾過することがより好ましい。
また、本実施形態では、以下を満たしていることが好ましい。
(1) 添加剤液の流速をV1、原料ドープの流速をV2としたときに、1≦V1/V2≦5である。
(2) 添加剤液の添加比率が、流量比で0.1%〜50%である。
(3) 添加剤液の粘度をN1、前記原料ドープの粘度をN2としたときに、1000≦N2/N1≦100000、を満たすとともに、20℃の状態において、5000cP≦N1≦500000cP、かつ、0.1cP≦N2≦100cP、を満たしている。
(4) 原料ドープのせん断速度が、0.1(1/s)〜30(1/s)である。
(5) ポリマーがセルロースアシレートである。
(6) 添加剤液が、ポリマー溶液の主溶媒を含んだ溶液である。
(7) 添加剤液が、ポリマー溶液の主溶媒を含んだ溶液であり、かつ、原料ドープと異なる組成である。
(8) 添加剤液が、ポリマー溶液の主溶媒を含んだ溶液であり、かつ、少なくとも1種類の紫外線吸収剤を含んでいる。
(9) 添加剤液が、ポリマー溶液の主溶媒を含んだ溶液であり、かつ、少なくとも1種類の無機または有機の微粒子を分散してなる。
(10) 添加剤液が、ポリマー溶液の主溶媒を含んだ溶液であり、かつ、少なくとも1種類の剥離促進剤を含んでいる。
(11) 添加剤液が、ポリマー溶液の主溶媒を含んだ溶液であり、かつ、少なくとも1種類の貧溶媒を含んでいる。
以上の方法により、TAC濃度が5質量%〜40質量%であるドープ60を製造することができる。より好ましくはTAC濃度が15質量%以上30質量%以下であり、最も好ましくは17質量%以上25質量%以下の範囲とすることである。また、添加剤(主には可塑剤である)の濃度は、ドープ60中の固形分全体を100質量%とした場合に1質量%以上20質量%以下の範囲とすることが好ましい。なお、TACフィルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、濾過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特願2004−264464号の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用できる。
[溶液製膜方法]
次に、上記で得られたドープ60を用いてフィルムを製造する方法を説明する。図7は溶液製膜設備2を示す概略図である。ただし、本発明は、図7に示すような溶液製膜設備に限定されるものではない。溶液製膜設備2には、ストックタンク65と、濾過ユニット74と、流延ダイ80と、回転ローラ81,82に掛け渡された流延バンド83と、テンター装置110とが備えられており、さらに、耳切装置112と、乾燥室115と、冷却室117と、巻取室120とが配されている。
ストックタンク65には、モータ71で回転する攪拌機72が取り付けられている。そして、このストックタンク65は、ポンプ73,濾過ユニット74を介して流延ダイ80と接続している。濾過ユニット74は、ドープ60を濾過するものであり、濾過ユニット10と同じ構造の部材により構成されているため、その説明は簡略化する。
流延ダイ80の材質としては、2層ステンレス鋼、または、析出硬化型のステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10-5(℃-1)以下であることが好ましい。そして、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有するものも、この流延ダイ80の材質として用いることができ、さらに、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものが用いられる。さらに、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して流延ダイ80を作製することが好ましい。これにより流延ダイ80内をドープ60が一様に流れ、後述する流延膜にスジなどが生じることが防止される。流延ダイ80と後に説明するフィードブロックとの接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。流延ダイ80のスリットのクリアランスは、自動調整により0.5mm〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ80のリップ先端の接液部の角部分について、そのRは全巾にわたり50μm以下とされている。また、流延ダイ80の内部における剪断速度が1(1/sec)〜5000(1/sec)となるように調整されていることが好ましい。
流延ダイ80の幅は特に限定されるものではないが、最終製品となるフィルムの幅の1.1倍〜2.0倍程度であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ80に温調機を取り付けることが好ましい。また、流延ダイ80にはコートハンガー型のものを用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を流延ダイ80の幅方向において所定の間隔で設け、ヒートボルトによる自動厚み調整機構が流延ダイ80に備えられていることがより好ましい。ヒートボルトは予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)73の送液量に応じてプロファイルを設定し製膜を行うことが好ましい。また、溶液製膜設備2中に図示しない厚み計(例えば、赤外線厚み計)のプロファイルに基づく調整プログラムによってフィードバック制御を行ってもよい。流延エッジ部を除いて製品フィルムの幅方向の任意の2点の厚み差は1μm以内に調整し、幅方向厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整することが好ましく、2μm以下に調整することがより好ましい。また、リップ間隔精度は±50μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
流延ダイ80のリップ先端には硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムメッキ、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性が良く、かつ流延ダイ80と密着性が良く、ドープ60との密着性がないものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC),Al23,TiN,Cr23などが挙げられるが、中でも特に好ましくはWCである。WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
流延ダイ80のスリット端に流出するドープ60が、局所的に乾燥固化することを防止するために溶媒供給装置(図示しない)をスリット端に取り付けることが好ましい。この場合には、ドープ60を可溶化する溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5質量部,アセトン13質量部,n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒)を流延ビードの両端部、ダイスリット端部及び外気が形成する三相接触線の周辺部付近に供給することが好ましい。端部の片側それぞれに0.1mL/min〜1.0mL/minで供給することが、流延膜中への異物混合を防止するために好ましい。なお、この液を供給するポンプとしては、脈動率が5%以下のものを用いることが好ましい。
流延ダイ80の下方には、回転ローラ81,82に掛け渡された流延バンド83が設けられている。回転ローラ81,82は、図示しない駆動装置により回転し、この回転に伴い流延バンド83は無端で走行する。流延バンド83は、その移動速度、すなわち流延速度が10m/分〜200m/分で移動できるものであることが好ましい。また、流延バンド83の表面温度を所定の値にするために、回転ローラ81,82には伝熱媒体循環装置84が取り付けられていることが好ましく、流延バンド83は、その表面温度が−20℃〜40℃に調整可能なものであることが好ましい。本実施形態において用いた回転ローラ81,82には、伝熱媒体流路(図示せず)が形成されており、その流路中を、所定の温度に保持されている伝熱媒体が通過することにより、回転ローラ81,82の温度が所定の値に保持されるものとなっている。
なお、回転ローラ81,82を直接支持体として用いることも可能である。この場合には、回転の速度ムラが0.2%以下となるように高精度で回転できるものであることが好ましい。この場合には、回転ローラ81,82の表面の平均粗さを0.01μm以下とすることが好ましい。回転ローラ81,82の表面にはハードクロムメッキ処理などを行うことが好ましく、これにより、さらに、十分な硬度と耐久性を持たせることもできる。なお、支持体(流延バンド83や回転ローラ81,82)の表面欠陥は最小限に抑制することが好ましい。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m2以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m2以下であることが好ましい。
流延ダイ80、流延バンド83等の流延機器は流延室85に収められている。流延室85には、その内部温度を所定の値に保つための温調設備86と、揮発している有機溶媒を凝縮回収するための第1の凝縮器(コンデンサ)87とが設けられている。そして、凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置88が流延室85の外部に設けられている。また、流延ダイ80から流延バンド83にかけて形成される流延ビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ90が配されていることが好ましく、本実施形態においてもこれを使用している。
さらに、流延膜89中の溶媒を蒸発させるため送風機91,92,93を設けている。送風機の取り付け位置は、流延バンド83の上部上流側に送風機91を、下流側に送風機92を、流延バンド83下部に送風機93を設けた形態を図示しているがこれに限定されるものではない。また、形成直後の流延膜89に乾燥風が吹き付けられることによる膜面の面状変動を抑制するために遮風装置94が設けられていることが好ましい。
渡り部100には、送風機101が備えられ、また、テンター装置110の下流の耳切装置112には、切り取られたフィルム111の側端部屑を細かく切断処理するためのクラッシャー113が備えられている。
また、乾燥室115には、多数のローラ114が備えられており、また、蒸発して発生した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置116が取り付けられている。そして、図2においては、乾燥室115の下流に冷却室117が設けられているが、乾燥室115と冷却室117との間に調湿室(図示しない)を設けてもよい。冷却室117の下流には、フィルム111の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)118を設けられている。図9においては、強制除電装置118は、冷却室117の下流側とされている例を図示しているが、この設置位置に限定されるものではない。さらに、本実施形態においては、フィルム111の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ119が強制除電装置118の下流に適宜設けられる。また、巻取室120の内部には、フィルム111を巻き取るための巻取ローラ121と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ122とが備えられている。
次に、以上のような溶液製膜設備2を使用してフィルムを製造する方法の一例を以下に説明する。ドープ60は、攪拌機72の回転により常に均一化されている。ドープ60には、この攪拌の際にも可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤を混合させることもできる。
そして、ドープ60は、ポンプ73により濾過ユニット74に送られてここで濾過された後に、流延ダイ80から流延バンド83に流延される。回転ローラ81,82の駆動は、流延バンド83に生じるテンションが104N/m〜105N/mとなるように調整されることが好ましい。また、流延バンド83と回転ローラ81,82との相対速度差は、0.01m/min以下となるように調整する。流延バンド83の速度変動を0.5%以下とし、流延バンド83が一回転する際に生じる幅方向の蛇行が1.5mm以下とされることが好ましい。この蛇行を抑制するために、流延バンド83の両端の位置を検出する検出器(図示しない)を設け、その測定値に基づき回転ローラの速度をフィードバック制御により制御することがより好ましい。さらに、流延ダイ80直下における流延バンド83について、回転ローラ81の回転に伴う上下方向の位置変動が200μm以下となるように調整することが好ましい。また、流延室85の温度は、温調設備86により−10℃〜57℃とされることが好ましい。なお、流延室85の内部で蒸発した溶媒は回収装置88により回収された後、再生させてドープ調製用溶媒として再利用される。
流延ダイ80から流延バンド83にかけては流延ビードが形成され、流延バンド83上には流延膜89が形成される。流延時のドープ60の温度は、−10℃〜57℃であることが好ましい。また、流延ビードを安定させるために、このビードの背面が減圧チャンバ90により所定の圧力値に制御されることが好ましい。ビード背面は前面よりも−10Pa〜−1500Pa減圧することが好ましい。さらに、減圧チャンバ90にはジャケット(図示しない)を取り付けて、内部温度が所定の温度を保つように温度制御されることが好ましい。また、流延ビードの形状を所望のものに保つために流延ダイ80のエッジ部に吸引装置(図示せず)を取り付けることが好ましい。このエッジ吸引風量は、1L/min.〜100L/min.の範囲であることが好ましい。
流延膜89は、自己支持性を有するものとなった後に、湿潤フィルム(ポリマーフィルム)96として剥取ローラ95で支持されながら流延バンド83から剥ぎ取られる。剥ぎ取り時の残留溶媒量は、固形分基準で20質量%〜250質量%であることが好ましい。その後に多数のローラが設けられている渡り部100を搬送させた後にテンター装置110に湿潤フィルム96を送り込む。渡り部100では、送風機101から所望の温度の乾燥風を送風することで湿潤フィルム96の乾燥を進行させる。このとき乾燥風の温度が、20℃〜250℃であることが好ましい。
テンター装置110に送られた湿潤フィルム96は、その両端部がクリップで把持されて搬送されながら乾燥される。なお、渡り部100とテンター装置110との少なくともいずれかひとつにおいては、湿潤フィルム96の流延方向と幅方向との少なくとも1方向を100.5%〜300%延伸することが好ましい。
湿潤フィルム96は、テンター装置110で所定の残留溶媒量まで乾燥された後、フィルム111としてその下流側に送り出される。フィルム111の両側端部は、耳切装置112によりその両縁が切断され、切断された側端部は図示しないカッターブロワーによりクラッシャー113に送られる。クラッシャー113により、側端部は粉砕されてチップとなる。このチップはドープ調製用に再利用されるので、この方法はコストの点において有効である。なお、この両側端部の切断工程については省略することもできるが、前記流延工程から前記フィルムを巻き取る工程までのいずれかで行うことが好ましい。
一方、本実施形態においては、両側端部を切断除去されたフィルム111は、乾燥室115に送られ、さらに乾燥される。乾燥室115内の温度は、特に限定されるものではない。乾燥室115においては、フィルム111は、ローラ114に巻き掛けられながら搬送されており、ここで蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置116により吸着回収される。溶媒成分が除去された空気は、乾燥室115の内部に乾燥風として再度送風される。なお、乾燥室115は、乾燥温度を変えるために複数の区画に分割されていることがより好ましい。また、耳切装置112と乾燥室115との間に予備乾燥室(図示しない)を設けてフィルム111を予備乾燥すると、乾燥室115においてフィルム温度が急激に上昇することが防止されるので、これにより、フィルム111の形状変化を、より抑制することができる。
フィルム111は、冷却室117では略室温にまで冷却される。なお、乾燥室115と冷却室117との間に調湿室(図示しない)を設けてもよく、この調湿室ではフィルム111に対して、所望の湿度及び温度に調整された空気を吹き付けられることが好ましい。これにより、フィルム111のカールの発生や巻き取る際の巻き取り不良の発生を抑制することができる。
溶液製膜方法では、支持体から剥ぎ取られたフィルム(ポリマーフィルム)を巻き取るまでの間に、乾燥工程や側端部の切除除去工程などの様々な工程が行われている。これらの各工程内、あるいは各工程間では、フィルムは主にローラにより支持または搬送されている。これらのローラには、駆動ローラと非駆動ローラとがあり、非駆動ローラは、主に、フィルムの搬送路を決定するとともに搬送安定性を向上させるために使用される。
一方、駆動ローラは、フィルムに駆動を伝達し、これを下流へと搬送するために使用されており、通常はサクションローラが使用されている。製膜におけるフィルム搬送では、流延工程や剥ぎ取り工程、乾燥工程、巻き取り工程などの各工程内あるいは各工程間で、搬送張力の分離が必要となる場合があり、その際には、サクションローラにより駆動力をフィルムに与えることで搬送張力の分離を図っている。このサクションローラは、それ自体にフィルムを吸着させて搬送するため、ローラ周面に多数の空気吸引孔を有している。
サクションローラを使用した場合、非駆動のローラに比べて、フィルムには方向性が特定できない複雑な力が作用するため、フィルムは変形しやすい。また、フィルムに掛かる搬送前後の張力差によってもフィルムは変形する。さらに、サクションローラの周面上には多数の空気吸引孔が形成されており、この吸引孔の孔縁にフィルムが接触した状態でフィルムがスリップしたり、収縮や変形が発生すると、フィルムには微細なキズが発生する。
搬送工程で使用する駆動ローラは、あらかじめその周面を窒化処理や硬化クロムめっき、あるいは焼入れ処理などで硬化処理したものを使用し、また、その周面の表面硬度は、ビッカース硬度で500以上2000以下であることが好ましく、より好ましくは800以上1200以下である。
使用する駆動ローラはサクションローラであり、このサクションローラは周面に多数の空気吸引孔を有する。この時、サクションローラの周面の表面粗Ryが、0.3μm以上1.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上0.8μm以下である。この周面の表面粗さRyは、そのローラにおいて孔のない平滑部の表面粗さが前記周面粗さであるものとする。また、その孔径は1mm以上6mm以下であることが好ましいが、より好ましくは2mm以上4mm以下であり、その孔の面取り量は、孔径の2%以上20%以下であることが好ましい。
前記のサクションローラを使用する際には、その周面温度を制御することが好ましく、そのため、1基のサクションローラに対して少なくとも1つの温度調節設備を有していることが好ましく、また、サクションローラの周面温度を、サクションローラに接触する直前のフィルム温度よりも高くしながら製膜することが好ましい。
また、強制除電装置(除電バー)148により、フィルム111が搬送されている間の帯電圧が所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)とされる。図7では、冷却室117の下流側に設けられている例を図示しているがその位置に限定されるものではない。さらに、ナーリング付与ローラ119を設けて、フィルム111の両縁にエンボス加工でナーリングを付与することが好ましい。なお、ナーリングされた箇所の凹凸が、1μm〜200μmであることが好ましい。
最後に、フィルム111を巻取室120内の巻取ローラ121で巻き取る。この際には、プレスローラ122で所望のテンションを付与しつつ巻き取ることが好ましい。なお、テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましい。巻き取られるフィルム111は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フィルムの幅が600mm以上であることが好ましく、1400mm以上1800mm以下であることがより好ましい。さらに、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果がある。フィルム111の厚みが15μm以上100μm以下の薄いフィルムを製造する際にも本発明は適用される。
本発明では、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させる方法を用いてもよい。同時積層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。共流延により多層からなるフィルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとのいずれか一方が、フィルム全体の厚みの0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましい。また、同時積層共流延を行なう場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成されるビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特願2004−264464号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフィルムの性能及びそれらの測定法は、特願2004−264464号の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらは本発明にも適用できる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
さらに前記セルロースアシレートフィルムをベースフィルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、特願2004−264464号の[0890]段落から[1087]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
(用途)
前記セルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルムとして有用である。セルロースアシレートフィルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特願2004−264464号には、液晶表示装置として、TN型,STN型,VA型,OCB型,反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフィルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフィルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフィルムとして光学補償フィルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フィルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特願2004−264464号の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されている。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)を得ることができる。前記TACフィルムは、偏光板保護フィルムや写真感光材料のベースフィルムとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フィルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フィルムを用いて偏光板を構成しても良い。
次に、本発明のフィルム製造に関する実施例を、ドープ製造ライン3及び溶液製膜設備2の動作の流れに基づき説明する。先ず、フィルム製造に使用したポリマー溶液(ドープ)の調製に際しての配合を下記に示す。
[組成]
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV剤a:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール 0.7質量部
UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール 0.3質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、クエン酸モノエチルエステル、クエン酸ジエチルエステル、クエン酸トリエチルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
[セルローストリアセテート]
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有量が58ppm、Mg含有量が42ppm、Fe含有量が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンが15ppm含むものであった。また6位アセチル基の置換度は0.91であり全アセチル中の32.5%であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、Tg(ガラス転移点;DSCにより測定)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
(1−1)ドープ仕込み
図1に示すドープ製造ライン3を用いてドープ60を調製した。攪拌羽根を有する4000Lのステンレス製の溶解タンク5で、前記複数の溶媒を混合してよく攪拌し、混合溶媒とした。なお、溶媒は、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。次に、TACのフレーク状粉体をホッパ6から徐々に添加した。TAC粉末は、溶解タンク5に投入されて、アンカー翼である第1攪拌機55と、ディゾルバータイプの偏芯型攪拌機である第2攪拌機57とにより、所定の攪拌条件で30分間分散された。分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。さらに、予め調製された添加剤溶液を添加剤タンク7からバルブ52で送液量を調整して溶解タンク5に送液し、全体が2000kgとなるようにした。添加剤溶液の分散を終了した後、第1攪拌機55の周速を所定の値に設定してさらに100分間攪拌し、TACフレークを膨潤させて膨潤液58を得た。膨潤終了までは窒素ガスによりタンク内を0.12MPaになるように加圧した。この際の溶解タンク5の内部は、酸素濃度が2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保った。また膨潤液中の水分量は0.3質量%であった。
(1−2)溶解・濾過
膨潤液58を溶解タンク5からポンプ59を用いてジャケット付配管である加熱装置8に送液した。加熱装置8で膨潤液58を50℃まで加熱して、更に2MPaの加圧下で90℃まで加熱し、完全溶解してドープ60を得た。このときの加熱時間は15分であった。次に、ドープ60を、温調機9で36℃まで温度を下げ、濾過ユニット10の第1濾過装置11または第2濾過装置12で濾過して、ドープ60を得た。
(1−3)濃縮・濾過・脱泡・添加剤
このようにして得られたドープ60を80℃で常圧とされたフラッシュ装置13内でフラッシュ蒸発させて、蒸発した溶媒を凝縮器で凝縮して回収した。このようにして、ドープ濃度を調整した。なお、凝縮された溶媒はドープ調製用溶媒として再利用すべく回収装置15で回収された後に再生装置16で再生した後に溶媒タンク4に送液した。回収装置15,再生装置16では、蒸留や脱水などが行われる。フラッシュ装置13のフラッシュタンクには攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機を設け、この攪拌機により、フラッシュされたドープ60を攪拌して脱泡を行った。このフラッシュタンク内のドープ60の温度は25℃であり、タンク内におけるドープ60の平均滞留時間は50分であった。このドープ60を採取して25℃で測定した剪断粘度は、剪断速度10-1(sec-1)で450Pa・sであった。
つぎに、このドープ60に弱い超音波を照射することにより泡抜きを実施した。その後、ポンプ62を用いて1.5MPaに加圧した状態で、フラッシュ後濾過ユニット14を通過させた。濾過後のドープ温度を36℃に調整して2000Lのステンレス製のストックタンク65内にドープ60を送液してここに貯蔵した。ストックタンク65は中心軸にアンカー翼を備えた攪拌機を有しており、この攪拌機により内部が常時攪拌される。なお、ドープ60を調製する間のドープ接液部には、腐食などの問題は全く生じなかった。
また、ジクロロメタンが86.5質量部、アセトンが13質量部、1−ブタノール0.5質量部の混合溶媒Aを作製した。
(1−4)吐出・直前添加・流延・ビード減圧
図7に示す溶液製膜設備2を用いてフィルム111を製造した。ストックタンク65内のドープ60をポンプ73で濾過ユニット74へ送った。このポンプ73は、ポンプ73の1次側を増圧する機能を有しており、1次側の圧力が0.8MPaになるようにインバーターモーターによりポンプ73の上流側に対するフィードバック制御を行い送液した。ポンプ73は容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能である。また、その吐出圧力は1.5MPaであった。そして、濾過ユニット74により濾過されたドープ60を流延ダイ80に送液した。
流延ダイ80は、幅が1.8mであり乾燥された後のフィルム111の膜厚が80μmとなるように、流延ダイ80の吐出口のドープ60の流量を調整して流延を行った。また、流延ダイ80の吐出口からのドープ60の流延幅を1700mmとした。なお、流延速度は、所定の速度とした。ドープ60の温度を36℃に調整するために、流延ダイ80にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。
流延ダイ80と配管とはすべて、稼働中には36℃に保温した。流延ダイ80は、コートハンガータイプのダイである。そして、この流延ダイ80としては、厚み調整ボルトが20mmピッチに設けられており、ヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。このヒートボルトは予め設定したプログラムによりポンプの送液量に応じたプロファイルを設定することもでき、溶液製膜設備2に設置した赤外線厚み計(図示しない)のプロファイルに基づいた調整プログラムによってフィードバック制御も可能な性能を有するものを用いた。流延側端部20mmを除いたフィルム111においては、50mm離れた任意の2点の厚みの差は1μm以内であり、幅方向における厚みのばらつきが3μm/m以下となるように調整した。また、全体厚みは±1.5%以下に調整した。
また、流延ダイ80の1次側には、この部分を減圧するための減圧チャンバ90を設置した。この減圧チャンバ90の減圧度は、流延ダイ80から流出されて流延開始位置PSに達するまでの流延ビードの前後で1Pa〜5000Paの圧力差が生じるように調整され、この調整は流延速度に応じてなされる。その際に、ビードの長さが所定の値となるようにビード両面側の圧力差を設定した。また、減圧チャンバ90は、流延部周囲のガスの凝縮温度よりも高い温度に設定できる機構を具備したものであった。流延ダイ80の吐出口におけるビードの前面部、背面部にはラビリンスパッキン(図示しない)を設け、また、吐出口の両端には開口部を設けた。さらに、流延ダイ80には、流延ビードの両縁の乱れを調整するためのエッジ吸引装置(図示しない)が取り付けられている。
(1−5)流延ダイ
流延ダイ80の材質は、熱膨張率が2×10-5(℃-1)以下の2層ステンレス鋼である。そしてこれは、電解質水溶液での強制腐食試験においてSUS316製と略同等の耐腐食性を有する素材であり、また、ジクロロメタン,メタノール,水の混合液に3ヶ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有する。流延ダイ80の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。流延ダイ80のリップ先端の接液部の角部分については、Rがスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工されている。流延ダイ80内部での剪断速度は1(1/sec)〜5000(1/sec)の範囲であった。また、流延ダイ80のリップ先端には、溶射法によりWC(タングステンカーバイド)コーティングをおこない硬化膜を設けた。
さらに、流延ダイ80の吐出口には、流出するドープ60が局所的に乾燥固化することを防止するために、ドープ60を可溶化するための前記混合溶媒Aを流延ビードの両側端部と吐出口との界面部に対し、それぞれ0.5ml/min.ずつで供給した。この混合溶媒Aを供給するポンプの脈動率は5%以下であった。また、減圧チャンバ90によりビード背面側の圧力を前面部よりも150Pa低くした。また、減圧チャンバ90の内部温度を所定の温度で一定にするためにジャケット(図示しない)を取り付けた。そのジャケット内には35℃に調整された伝熱媒体を供給した。前記エッジ吸引装置は、1L/min.〜100L/min.の範囲となるようにエッジ吸引風量を調整することができるものであり、本実施例ではこれを30L/min.〜40L/min.の範囲となるように適宜調整した。
(1−6)金属支持体
支持体として、幅2.1mで長さ70mのステンレス製のエンドレスバンドとしての流延バンド83を用いた。流延バンド83は、厚みが1.5mm、表面粗さが0.05μm以下になるように研磨した。その材質はSUS316製であり、十分な耐腐食性と強度を有するものとした。流延バンド83の全体の厚みムラは0.5%以下であった。流延バンド83は、2個の回転ローラ81,82により搬送させた。その際の流延バンド83の搬送方向における張力は1.5×105N/m2となるように、流延バンド83と回転ローラ81,82との相対速度差が0.01m/min以下になるように調整した。また、流延バンド83の速度変動は0.5%以下であった。また1回転の幅方向の蛇行が1.5mm以下に制限されるように流延バンド83の両端位置を検出して制御した。また、流延ダイ80の直下における流延ダイ80のリップ先端と流延バンド83との上下方向における位置変動は200μm以下にした。なお、流延バンド83は、風圧変動抑制手段(図示しない)を有した流延室85内に設置されている。この流延バンド83上に流延ダイ80からドープ60を流延した。
回転ローラ81,82としては、流延バンド83の温度調整を行うことができるように、内部に伝熱媒体を送液できるものを用いた。流延ダイ80側の回転ローラ81には5℃の伝熱媒体を流し、他方の回転ローラ82には乾燥のために40℃の伝熱媒体を流した。流延直前の流延バンド83の中央部の表面温度は15℃であり、その両側端の温度差は6℃以下であった。なお、流延バンド83としては、表面欠陥がないものが好ましく、30μm以上のピンホールが皆無であり、10μm〜30μmのピンホールが1個/m2以下、10μm未満のピンホールが2個/m2以下であるものを用いた。
(1−7)流延乾燥
流延室85の温度は、温調設備86により35℃に保った。流延バンド83上に流延されたドープ60から形成された流延膜89には、送風機91,92により、最初に流延膜89に対して平行に流れる乾燥風を送り、これを乾燥した。この乾燥風からの流延膜89への総括伝熱係数は24kcal/m2・hr・℃であった。乾燥風の温度は、流延バンド83上部の上流側を135℃とし、下流側を140℃とした。また、流延バンド83下部は、65℃となるように送風機93から送風した。それぞれの乾燥風の飽和温度はいずれも−8℃付近であった。流延バンド83上での乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、この酸素濃度を5vol%に保持するために空気を窒素ガスで置換した。また、流延室85内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)87を設け、その出口温度を−10℃に設定した。
なお、流延開始点PSから5秒間の流延時間では空気の流れが直接ドープ60及び流延膜89に当たらないようにするために遮風装置94を設け、流延ダイ80直近の静圧変動を±1Pa以下に抑制した。流延膜89中の溶媒比率が乾量基準で50質量%になった時点で流延バンド83から剥取ローラ95で支持しながら湿潤フィルム96として剥ぎ取った。なお、この乾量基準による溶媒含有率は、サンプリング時におけるフィルム重量をx、そのサンプリングフィルムを乾燥した後の重量をyとするとき{(x−y)/y}×100で求める値である。このときの剥取テンションは1×102N/m2であり、剥取不良を抑制するために流延バンド83の速度に対する剥取速度(剥取ローラドロー)を100.1%〜110%の範囲で適切に調整した。剥ぎ取ったフィルムの表面温度は15℃であった。流延バンド83上での乾燥速度は、平均60質量%乾量基準溶媒/min.であった。乾燥により発生した溶媒ガスは−10℃の凝縮器で凝縮液化して回収装置(図示せず)で回収した。回収された溶媒は、水分量が0.5%以下となるように調整した。溶媒が除去された乾燥風は再度加熱され乾燥風として再利用される。湿潤フィルム96を、渡り部100を介して搬送し、テンター装置110に送った。この搬送時には、湿潤フィルム96に対して送風機101から40℃の乾燥風を送った。なお、渡り部100のローラで搬送している際に、湿潤フィルム96には所定値のテンションが付与されている。
(1−8)テンタ搬送・乾燥・耳切
テンター装置110に送られた湿潤フィルム96は、クリップでその両端を固定されながらテンター装置110の乾燥ゾーン内を搬送され、この間、乾燥風により乾燥され、フィルム111として耳切装置112に搬送される。クリップは、20℃の伝熱媒体の供給により冷却した。テンター装置110におけるクリップの搬送はチェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。乾燥風のガス組成は−10℃における飽和ガス濃度とした。テンター装置110内での平均乾燥速度は120質量%(乾量基準溶媒)/minであった。テンター装置110の出口における湿潤フィルム96の残留溶媒量が7質量%となるように、乾燥ゾーンの条件を調整した。テンター装置110内では湿潤フィルム96を搬送しつつ幅方向における延伸も行った。なお、この延伸前の湿潤フィルム96の幅を100%としたとき、延伸後の幅が103%となるように延伸した。剥取用のローラからテンター装置110の入口に至るまでの延伸率(テンタ駆動ドロー)は102%とした。また、テンター入口から出口までの長さに対する、クリップ狭持開始位置から狭持解除位置までの長さの割合は90%とした。テンター装置110内で蒸発した溶媒は−10℃の温度で凝縮させ液化して回収した。凝縮回収用に凝縮器(コンデンサ)を設け、その出口温度は−8℃に設定した。そして凝縮溶媒は、含まれる水分量が0.5質量%以下に調整されて再使用された。
そして、テンター装置110のテンター出口17から30秒以内にフィルム111の耳切りを耳切装置112により実施した。
(1−9)後乾燥・除電
フィルム111を乾燥室115で高温乾燥した。乾燥室115を4区画に分割して、上流側から120℃,130℃,130℃,130℃の乾燥風を送風機(図示しない)から給気した。フィルム111のローラ114による搬送テンションを100N/mとして、最終的に残留溶媒量が0.3質量%になるまでの約10分間乾燥した。前記ローラ114におけるラップ角(フィルムの巻きかけ中心角)は、90°および180°とした。ローラ114の材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラ114の表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ114の回転によるフィルム位置の振れは全て50μm以下であった。また、テンション100N/mでのローラ撓みは0.5mm以下となるように選定した。
乾燥風に含まれる溶媒ガスは、吸着回収装置116を用いて吸着回収除去した。ここに使用した吸着剤は活性炭であり、脱着は乾燥窒素を用いて行った。回収した溶媒は水分量0.3質量%以下に調整してドープ調製用溶媒として再利用した。乾燥風には溶媒ガスの他、可塑剤,UV吸収剤,その他の高沸点物が含まれるので、これを冷却除去する冷却器およびプレアドソーバーでこれらを除去して再生循環使用した。そして、最終的に屋外排出ガス中のVOC(揮発性有機化合物)が10ppm以下となるよう、吸脱着条件を設定した。また、全蒸発溶媒の内、凝縮法で回収する溶媒量は90質量%であり、残りのものの大部分は吸着回収により回収した。
乾燥されたフィルム111を第1調湿室(図示しない)に搬送した。ローラ乾燥装置と第1調湿室との間の渡り部には、110℃の乾燥風を給気した。第1調湿室には、温度50℃、露点が20℃の空気を給気した。さらに、フィルム111のカールの発生を抑制するための第2調湿室(図示しない)にフィルム111を搬送した。第2調湿室では、フィルム111に直接90℃,湿度70%の空気をあてた。
(1−10)ナーリング、巻取条件
調湿後のフィルム111は、冷却室117で30℃以下に冷却した後に、第2耳切装置により耳切りを行った。搬送中のフィルム111の帯電圧は、常時−3kV〜+3kVの範囲となるように強制除電装置(除電バー)118を設置した。さらにフィルム111の両端にナーリング付与ローラ119でナーリングの付与を実施した。ナーリングはフィルム111の片面側からエンボス加工を行うことで付与し、ナーリングを付与する幅は10mmであり、凹凸の高さがフィルム111の平均厚みよりも平均12μm高くなるようにナーリング付与ローラ119による押し圧を設定した。
そして、フィルム111を巻取室120に搬送した。巻取室120は、装置内温度28℃,湿度70%に保持されている。さらに、巻取室120の内部にはフィルム111の帯電圧が−1.5kV〜+1.5kVになるようにイオン風除電装置(図示しない)も設置した。このようにして得られたフィルム(厚さ80μm)111の製品幅は、1475mmとなった。巻取室120の巻取ローラ121は、169mmの径のものを用いた。巻き始めテンションは300N/mであり、巻き終わりが200N/mになるようなテンションパターンとした。巻き取ったフィルム111の全長は3940mであった。巻き取りの際の巻きズレの変動幅(オシレート幅と称することもある。)を±5mmとし、その巻き軸に対する巻きズレ周期を400mとした。また、巻取軸に対するプレスローラ122の押し圧は、50N/mに設定した。巻き取り時のフィルム111の温度は25℃、含水量は1.4質量%、残留溶媒量は0.3質量%であった。全工程を通しても平均乾燥速度は20質量%(乾量基準溶媒)/minであった。また巻き緩み、シワもなく、10Gでの衝撃テストにおいても巻きずれが生じなかった。また、フィルムロールの外観も良好であった。
フィルムロールを25℃、相対湿度55%(以降、55%RHと記す)の貯蔵ラックに1ヶ月保管して、さらに上記と同様に検査した結果、いずれも変化は認められなかった。さらにフィルムロール内においてもフィルムの接着は認められなかった。また、フィルム111を製膜した後に、流延バンド83上にはドープ60から形成された流延膜の剥げ残りは全く見られなかった。
なお、上記実施形態では、シート状のフィルタ21をフィルタ交換ユニット23により交換したが、ロール状に巻回されたフィルタロールを用いて、フィルタロールを回転させることにより、フィルタを交換するようにしてもよい。
本発明を実施したドープ製造ラインを示す平面図である。 フィルタと開放位置に位置する挟持板とを示す側面断面図である。 フィルタと挟持位置に位置する挟持板と挟持シフト部とを示す側面断面図である。 フィルタ交換ユニットと挟持シフト部と搬送シフト部と回収シフト部とを示す側面断面図である。 搬送ピックアップを示す側面図である。 第1濾過装置と第2濾過装置との切り替え及び洗浄を行う手順を示すフローチャートである。 溶液製膜設備を示す平面図である。
符号の説明
2 溶液製膜設備
3 ドープ製造ライン
10 濾過ユニット
11 第1濾過装置(濾過装置)
12 第2濾過装置(濾過装置)
14 フラッシュ後濾過ユニット
18 濾過制御部
19 ドープ切替バルブ(切り替え装置)
20 吸引器
21 フィルタ
22 挟持板(フィルタ挟持部材)
22a注入口
22b 濾過前ドープ通過部(濾過通路)
22c 濾過後ドープ通過部(濾過通路)
22d 排出口
23 フィルタ交換ユニット(フィルタ交換手段)
25 洗浄切替バルブ
26 洗浄液タンク
27 ガスタンク
28 溶剤分量検出器(乾燥判定手段)
29 回収切替バルブ
30 回収タンク
31 搬送ピックアップ
32 回収ピックアップ
34 ピックアップ本体
35 搬送サクションパッド(吸引保持部)
36 移動板
60 ドープ(高分子溶解液)
74 濾過ユニット
96 湿潤フィルム(ポリマーフィルム)

Claims (9)

  1. 高分子溶解液を濾過するためのフィルタを濾過通路に有する複数の濾過装置と、これら複数の濾過装置を選択的に使用するために配管系を切り替える切り替え装置とを備え、前記複数の濾過装置のうちの少なくとも1つで濾過された前記高分子溶解液を支持体上に流延してポリマーフィルムとして剥ぎ取り、このポリマーフィルムを乾燥させる溶液製膜設備において、
    前記濾過装置は、前記フィルタを挟持して前記高分子溶解液を濾過する濾過位置、及び前記フィルタの挟持を開放して前記フィルタの交換を可能にする開放位置の間で変位するフィルタ挟持部材と、前記濾過位置での前記フィルタを洗浄するために洗浄液を送る洗浄手段と、前記洗浄手段による洗浄後に前記フィルタ挟持部材を開放位置にして前記フィルタを交換するフィルタ交換手段とを有することを特徴とする溶液製膜設備。
  2. 前記洗浄手段は、前記洗浄液を送液する前に前記濾過通路及び前記フィルタに気体を送り前記高分子溶解液を前記濾過装置から排出する高分子溶解液排出手段と、
    前記洗浄液による洗浄後に前記濾過通路及び前記フィルタに気体を送って前記洗浄液を乾燥させる乾燥手段とを有することを特徴とする請求項1記載の溶液製膜設備。
  3. 前記乾燥のために前記濾過通路及び前記フィルタに送られる気体中の洗浄液成分量を検出し、この検出値に基づき乾燥度合いを判定し、乾燥完了と判定したときに前記フィルタの交換指令を前記フィルタ交換手段に出力する乾燥判定手段を有することを特徴とする請求項2記載の溶液製膜設備。
  4. 前記フィルタはシート状濾紙から構成され、
    前記フィルタ交換手段は、
    使用済みの前記フィルタを前記開放位置のフィルタ挟持部材から回収する回収手段と、
    未使用の前記フィルタが積層されて収納されており、この収納されたフィルタ中の最上層のものを吸引して保持する吸引保持部と、
    前記吸引保持部で吸引された前記フィルタを前記開放位置であって前記回収手段により使用済みのフィルタが回収されているフィルタ挟持部材にセットするフィルタセット手段とを有することを特徴とする請求項3記載の溶液製膜設備。
  5. 前記フィルタを吸引した状態の前記吸引保持部を上方に変位させる変位部を備え、
    前記フィルタセット手段は、前記吸引部を上方に変位させた状態で、前記フィルタをフィルタ挟持部材にセットすることを特徴とする請求項4記載の溶液製膜設備。
  6. 前記フィルタ交換中の濾過装置周辺の空気を吸引し、この吸引した空気から前記洗浄液中の有機溶媒を回収することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ項記載の溶液製膜設備。
  7. 前記ポリマーフィルムは、セルロースエステルであり、
    前記フィルタは、セルロースから構成される濾紙であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載の溶液製膜設備。
  8. 濾過通路内でフィルタを挟持して高分子溶解液が濾過される濾過位置、及び前記フィルタの挟持を開放して前記フィルタの交換が可能な開放位置の間で変位するフィルタ挟持部材を有する濾過装置のフィルタ交換方法において、
    前記濾過通路内に気体を送り前記濾過通路内から前記高分子溶解液を排出する高分子溶解液排出工程と、
    前記高分子溶解液の排出後に、前記濾過通路内に洗浄液を送り、前記濾過通路及び前記フィルタを洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄液による洗浄後に前記濾過通路内に乾燥気体を送り、前記濾過通路及び前記フィルタの洗浄液を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程中の前記乾燥気体中の洗浄液成分量を検出し、この検出値に基づき乾燥完了を判定し、乾燥完了と判定したときに、前記気体の送りを停止した後に前記フィルタ挟持部材を開放位置にしてフィルタを交換するフィルタ交換工程とを有することを特徴とする濾過装置のフィルタ交換方法。
  9. 前記フィルタ交換工程において、前記濾過装置周辺の空気を吸引し、この吸引した空気から前記洗浄液中の有機溶媒を回収することを特徴とする請求項8記載の濾過装置のフィルタ交換方法。
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