JP2006263817A - 継目無管の製造方法及び清掃設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】操業に支障を来すことなく、継目無管に生じる浸炭を効果的に抑制しながら、継目無管を製造する。
【解決手段】少なくともマンドレルバーBの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置7の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーBを洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置7によってマンドレルバーBに非黒鉛系潤滑剤を塗布する工程とを含み、延伸圧延に供される前のマンドレルバーBの表面に付着する黒鉛量C2(g/m)と、潤滑剤の有機バインダに含有される炭素の含有量C1(g/m)とが、(1)式:0.08×C1+0.05×C2≦3、及び(2)式:3≦C1+C2≦50を満足するように、搬送装置及びマンドレルバーBそれぞれの洗浄を行うことにより、継目無管を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、継目無管の製造方法及び清掃設備に関する。具体的には、本発明は、操業に支障を来すことなく、延伸圧延される管の内面に生じる浸炭を効果的に抑制できる継目無管の製造方法及び清掃設備に関する。
マンネスマン−マンドレルミル方式による継目無管の製造では、はじめに、丸ビレット又は角ビレットを加熱炉により1200〜1260℃に加熱した後、ピアサにより穿孔圧延して中空の素管を製造する。次に、この素管の内面にマンドレルバーを挿入し、マンドレルミルにより延伸圧延することにより、所定の肉厚まで減肉して管とする。その後、減肉された管からマンドレルバーを引き抜いた後、この管を定径圧延機により所定の外径まで成形圧延して、製品である継目無管を製造する。
延伸圧延時のマンドレルバーと素管とは焼き付き易い。そこで、マンドレルバーの表面に潤滑剤が塗布される。潤滑剤として、主に、耐摩耗特性や耐焼き付き特性に優れた黒鉛を混合した黒鉛系潤滑剤が用いられる。本来、マンドレルバーは、その表面に塗布された潤滑剤が乾燥してから、例えば搬送ローラ等の搬送装置に当接しながらマンドレルミルまで搬送されて、延伸圧延に供される。しかし、実際の製造工程では潤滑剤が完全に乾燥する時間を確保できないことが多い。このため、マンドレルバーの搬送時に乾燥していない潤滑剤が滴り落ち、マンドレルバーの下方の搬送装置に付着する。また、たとえ潤滑剤が完全に乾燥してから搬送する場合でも、搬送中の振動等によって潤滑剤の被膜が脱落又は剥げ落ち、搬送装置に付着する。このため、マンドレルバーの搬送装置は、常に、付着した潤滑剤に含まれる黒鉛によって汚染される。このようにマンドレルバーの搬送装置は黒鉛によって汚染されるので、この搬送装置に当接しながら搬送されるマンドレルバーも黒鉛によって汚染される。
このようにして黒鉛によって汚染されたマンドレルバーを用いて、例えばSUS304L等の炭素含有量が0.04%以下(本明細書では特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味する)の低炭素鋼からなる素管に延伸圧延を行うと、延伸圧延された管材の内面が不可避的に浸炭される。
この浸炭を防止するには、如何なる鋼種に対しても黒鉛系潤滑剤を一切用いないこと、非黒鉛系潤滑剤のみを用いる製造工程を設けること、又は、黒鉛系潤滑剤を用いる製造工程により低炭素ステンレス鋼の継目無管を製造する際にはマンドレルバーの搬送装置を十分洗浄すること等の対策が考えられる。
しかし、一般的に非黒鉛系潤滑剤は黒鉛系潤滑剤に比較して高価であり、また新たな製造工程を設けるためには新たな設備投資を要し、いずれにしても経済性の点で実施することが難しい。このため、主に、マンドレルバーの搬送装置を洗浄する対策が行われる。
例えば、特許文献1には、搬送装置の洗浄性を高めるために非耐水性の黒鉛系潤滑剤を用いる発明が開示されている。また、特許文献2には、高圧の蒸気や水を吹き付けてマンドレルバーやマンドレルバーの搬送装置を洗浄することによって、マンドレルバーの表面における黒鉛の付着量を100mg/m以下に抑制する発明が開示されている。
特開2002−28705号公報 特開2000−24706号公報
しかし、特許文献1により開示された発明に基づいて非耐水性の潤滑剤を使用すると、マンドレルミルの圧延ロールに吹き付けられる冷却水によってマンドレルバーの表面に塗布された潤滑剤まで流れ落ちる。このため、延伸圧延時にマンドレルバーと素管とが焼き付くおそれがある。これを防ぐために、特許文献1には圧延ロールに対する冷却水の供給及び停止を厳密に行うことが開示される。しかし、延伸圧延の開始の直前まで吹き付けられる冷却水の滴りや、圧延ロールから落下する水滴を完全に無くすことは現実には不可能である。したがって、特許文献1により開示された発明に基づいても、延伸圧延時にマンドレルバーと素管とが焼き付くおそれがあり、操業の安定性を確保できない。
また、たとえ特許文献2により開示されるように未使用のマンドレルバーを用いても、黒鉛系潤滑剤を使用した直後にマンドレルバーの表面における黒鉛の付着量が100mg/m以下になるように搬送装置を洗浄することも、現実には難しい。したがって、特許文献2により開示された発明に基づいても、延伸圧延時にマンドレルバーと素管とが焼き付くおそれがあり、操業の安定性を確保できない。
したがって、特許文献1、2により開示された発明に基づいても、マンドレルバーの製造工程において、特に低炭素ステンレス鋼からなる継目無管に生じる浸炭を効果的に抑制することは、困難である。
本発明は、少なくともマンドレルバーの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置からマンドレルミルの入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーを洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置によってマンドレルバーに潤滑剤、特に非黒鉛系潤滑剤を塗布する工程とを含み、延伸圧延に供される前のマンドレルバーの表面に付着する黒鉛量C2(g/m)と、潤滑剤の有機バインダに含有される炭素の含有量C1(g/m)とが下記(1)式及び(2)式を満足するように、搬送装置及びマンドレルバーそれぞれの洗浄を行うことを特徴とする継目無管の製造方法である。
0.08×C1+0.05×C2≦3 ・・・・・・・(1)
3≦C1+C2≦50 ・・・・・・・(2)
また、本発明は、少なくともマンドレルバーの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置からマンドレルミルの入側までの間に配置される搬送装置を洗浄し、この潤滑剤塗布装置によってこの搬送装置により搬送されるマンドレルバーに潤滑剤、特に非黒鉛系潤滑剤を塗布してから、このマンドレルバーを素管の延伸圧延に用い、延伸圧延に用いられたマンドレルバーを潤滑剤塗布装置の上流側で洗浄することを繰り返すマンドレルバーの循環使用を行いながら、継目無管を製造する際に、延伸圧延に供される前のマンドレルバーの表面に付着する黒鉛量C2(g/m)と、潤滑剤の有機バインダに含有される炭素の含有量C1(g/m)とが上記(1)式及び(2)式を満足するように、搬送装置及びマンドレルバーそれぞれの洗浄を行うことを特徴とする継目無管の製造方法である。
これらの本発明に係る継目無管の製造方法では、搬送装置及びマンドレルバーの洗浄が、30〜150MPaの水圧の高圧水を搬送装置及びマンドレルバーに噴射することによって行われることが望ましい。
これらの本発明に係る継目無管の製造方法では、搬送装置の洗浄が、少なくとも、搬送装置のうちでマンドレルバーと接触する部分に、回転するバフを当接させることによって行われることが望ましい。
別の観点からは、本発明は、マンドレルバーの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置、特に非黒鉛系潤滑剤塗布装置からマンドレルミルの入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する第1の洗浄手段と、潤滑剤塗布装置の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーの外面に30〜150MPaの水圧の高圧水を噴射してマンドレルバーを洗浄する第2の洗浄手段とを備えることを特徴とする清掃設備である。この清掃設備を用いることにより、上述した本発明に係る継目無管の製造方法を実施することができる。
この本発明に係る清掃設備では、さらに、バフと、このバフを回転させる回転駆動機構と、搬送されるマンドレルバーに干渉しない位置、及びマンドレルバーの搬送装置のうちでマンドレルバーと接触する位置の間でこのバフを移動させるための移動機構とからなる拭き取り手段を備えることが望ましい。
これらの本発明では、継目無管が、延伸圧延後の管の内面における浸炭が問題であった低炭素ステンレス鋼からなる継目無管であることが例示される。
本発明に係る継目無管の製造方法及び清掃設備によれば、非黒鉛系潤滑剤を用いても、黒鉛系潤滑剤をも用いる汎用の普通鋼を主体とする製造工程によって低炭素ステンレス鋼からなる継目無管を製造した場合における管の内面における浸炭を解決できるとともに、延伸圧延時における焼き付きの発生を抑制できる。
このため、本発明によれば、操業に支障を来すことなく、延伸圧延の際に管の内面に生じる浸炭を効果的に抑制することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、潤滑剤が非黒鉛系潤滑剤であるとともに、低炭素ステンレス鋼からなる継目無管を製造する場合を例にとる。
はじめに、本発明の原理を説明する。
非黒鉛系潤滑剤には、潤滑剤の付着性や貯蔵安定性を確保するために、必要最低限の有機バインダが添加される。この有機バインダには炭素が含有される。このため、黒鉛系潤滑剤を用いた際にマンドレルバーやマンドレルバーの搬送装置に付着した黒鉛を完全に洗浄して除去したと仮定しても、有機バインダに含有される炭素が、依然として浸炭の原因となる。そこで、有機バインダに含まれる炭素と潤滑剤中の黒鉛との両者が搬送装置にどの程度まで付着しても管の内面の浸炭を生じないかを、説明する。
有機バインダに含まれる炭素と黒鉛とは、管の内面の浸炭の原因になる炭素の供給源としては同様に作用するものの、浸炭に及ぼす影響の程度が異なる。
表1には、塗布する潤滑剤の成分を種々変更することによって、表面に付着する非黒鉛系潤滑剤の有機バインダに含まれる炭素含有量C1(g/m)及び黒鉛量C2(g/m)を変化させた4種のマンドレルバーを用いて、素管を延伸圧延しただけで熱処理等を施さない圧延直後における管の内面における炭素の付着量C(g/m)を測定した結果を示す。表1において、管の内面における炭素付着量Cは、管の内面の予め定められた一定面積(測定面積)の領域を削り取り、削り取られた粉末の炭素量をカントバック(発光分光分析)によって測定し、測定炭素量(質量)/測定面積として、求めた。
Figure 2006263817
表1に示す結果から、C、C1及びC2の間には、(3)式:C=0.0008×C1+0.0005×C2の関係が成立する。
さらに、後述するように炭素濃度の増加量を0.01%以下に抑制することが望ましく、そのために(3)式により求められる管の内面の炭素付着量Cを0.03g/m以下に抑制するので、
0.08×C1+0.05×C2≦3 ・・・・・・・(1)
の関係が成り立つ。
図1は、継目無管の製造工程を模式的に示す説明図である。この図1を参照しながら、マンドレルバーBを搬送しながら延伸圧延に供する際に、効果的にマンドレルバーBの表面における黒鉛の汚染を抑制するために洗浄すべき搬送工程を説明する。
図1に示すように、この製造工程0では、延伸圧延に供されて搬送されたマンドレルバーBを、水冷装置5により水冷して搬入テーブル6に搭載する。次に、マンドレルバーBに潤滑剤塗布装置7により黒鉛系潤滑剤を塗布する。次に、ピアサ(図示しない)により穿孔圧延された素管SにマンドレルバーBを挿入し、マンドレルミル8により通常の操業条件で素管Sを延伸圧延して管S1とする。そして、マンドレルバーBを管S1から引き抜いてリターンライン9を介して水冷装置5へ戻す。マンドレルバーBは、以上の循環使用により延伸圧延に供される。この循環使用により、マンドレルバーBの搬送装置(図示しない)は、非黒鉛系潤滑剤に含有される有機バインダと、搬送装置に既に付着している黒鉛とにより、汚染される。
この後、条件1〜4により示される範囲に配置された搬送装置を洗浄する。
条件1:図1に示す潤滑剤塗布装置7〜マンドレルミル8の入側
条件2:図1に示すマンドレルミル8の出側〜水冷装置5
条件3:図1に示す潤滑剤塗布装置7〜マンドレルミル8の入側、並びに、マンドレルミル8の出側〜水冷装置5
条件4:洗浄無し
そして、条件1〜4により示される範囲に配置された搬送装置を洗浄した後、潤滑剤塗布装置7を用いて非黒鉛系潤滑剤を表面に5g/mの炭素付着量で塗布した新品のマンドレルバーBの搬送のみ(サーキュレーションという)を行い、各マンドレルバーBの表面における炭素付着量を測定した。このサーキュレーションを終了したマンドレルバーBを用いて実際に素管Sを延伸圧延し、延伸圧延を行った後の管S1の内面における浸炭状況を測定した。
測定結果を表2に示す。なお、表2に示す数値の単位は全てg/mである。また、浸炭状況は、延伸圧延の前の素管の炭素濃度に対して同等以下(浸炭無し)である場合を◎とし、炭素濃度の増加量が0.001〜0.01%を許容できる範囲の○とし、それ以上に炭素濃度が増加した場合を×として、評価した。なお、炭素濃度は、延伸圧延後の管の内面から分析用サンプルを切り出し、カントバック(発光分光分析)で測定することによって、測定した。
Figure 2006263817
表2の条件1、3に示すように、少なくとも潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までにおける搬送装置を洗浄することにより、浸炭を十分に抑制できる。また、表2の条件2、4に示すように、サーキュレーションを終了した後のマンドレルバーB、すなわち延伸圧延に供される直前のマンドレルバーBの表面の炭素付着量が50g/mよりも多いと、管S1の内面に浸炭が発生する。
延伸圧延に供されるマンドレルバーBの表面における炭素付着量{洗浄後の残存炭素付着量と、マンドレルバーBの搬送装置からの炭素付着量と、塗布する潤滑剤に含まれる炭素含有量(有機バインダの炭素含有量又は黒鉛量)との総和}を50g/m以下に抑制すれば、管S1の内面の浸炭を抑制できる。しかし、この炭素付着量が3g/m未満であると、延伸圧延時に焼付きを生じるので、炭素付着量は防止の観点より3g/m以上であることが望ましい。
さらに、マンドレルバーBの表面の付着物を分析することにより、下記(A)及び(B)の事項が判明した。
(A)黒鉛系潤滑剤を塗布して通常の延伸圧延に使用されたままのマンドレルバーBの表面の付着物を分析すると、すなわち、延伸圧延に使用した直後のマンドレルバーBをマンドレルバー搬送装置で搬送せずに抜き取って分析すると、50〜100g/m程度の炭素が付着していることが多い。
(B)マンドレルバーBの洗浄を事前にオフラインで行った後にマンドレルバーBの表面の付着物を分析すると、すなわち、延伸圧延に使用した直後のマンドレルバーBをマンドレルバー搬送装置で搬送せずに抜き取ってオフラインで洗浄して分析すると、マンドレルバーBの表面における炭素付着量は5g/m以下に抑制される。
これらの事項(A)及び(B)、並びに、炭素付着量が50g/mを超えると浸炭が生じること(表2参照)から、延伸圧延に供される直前で、すなわち非黒鉛系潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置7の前段においてマンドレルバーBを洗浄することが好ましい。
また、延伸圧延に供される回数が増加するに伴って、マンドレルバーBの表面に付着する炭素量が増加する可能性があるので、マンドレルバーBの洗浄は毎回の延伸圧延に供される毎に行うことが好ましい。
本発明は、これらの事項に基づいて完成されたものであり、図1を参照しながら説明すると、少なくともマンドレルバーBの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置7の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーBを洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置7によってマンドレルバーBに潤滑剤、特に非黒鉛系潤滑剤を塗布する工程とを含み、延伸圧延に供される前のマンドレルバーBの表面に付着する黒鉛量C2(g/m)と、潤滑剤の有機バインダに含有される炭素の含有量C1(g/m)とが、(1)式:0.08×C1+0.05×C2≦3、及び(2)式:3≦C1+C2≦50を満足するように、搬送装置及びマンドレルバーBそれぞれの洗浄を行うことを特徴とする継目無管の製造方法である。
本発明によれば、上述したように、継目無管に生じる浸炭を効果的に抑制することができるとともに、後述するようにマンドレルバーBの搬送装置を操業を阻害することなく洗浄することができる。
次に、上述した式(1)及び式(2)を満足するように、マンドレルバーB及び搬送装置を洗浄するための洗浄条件を説明する。
マンドレルバーBの搬送装置である搬送ロールに高圧水を噴出する試験用洗浄ノズルを備える搬送ロールの洗浄装置1を、搬送ロール一本当たり2個設置し、マンドレルバーBに黒鉛系潤滑剤を塗布して、通常の操業条件で素管Sを延伸圧延することにより、十分にマンドレルバーBの搬送装置を黒鉛及び有機バインダにより汚染した後に、搬送ロールを回転させながら洗浄ノズルから高圧水を噴出させて搬送ロールの表面を洗浄する。
そして、目視により、搬送ロールの表面が完全に金属光沢を有するようになった時点で、黒鉛及び有機バインダによる汚染が無くなったと判断し、洗浄を終了する。この試験結果の評価として、洗浄を開始してから終了するまでの洗浄時間を概算する。そして、一つの搬送ロールについて概算した洗浄時間を、潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの搬送装置全体を洗浄するのに必要な時間とする。
以上の試験を、洗浄ノズルから噴出する高圧水の水圧を順次変更して繰り返して、行った。なお、設ける洗浄ノズルの個数を3個以上に増加すれば、増加した分だけマンドレルバーBの搬送工程を洗浄するのに必要な時間が短縮されることは、いうまでもない。
次に、マンドレルバーBの表面を洗浄するための最適な洗浄条件を見出す試験を説明する。
潤滑剤塗布装置7の前段に、洗浄ノズルを8個環状に配設する。そして、黒鉛系潤滑剤を塗布して通常の延伸圧延に供されて十分に汚染されたマンドレルバーBを、通常の送り速度で送りながら洗浄する。洗浄後のマンドレルバーBの表面の付着物を分析することにより、マンドレルバーBの表面の炭素付着量(g/m)を求める。
さらに、洗浄ノズルから噴出する高圧水の水圧を適宜変更する。なお、本試験で用いるマンドレルバーBの表面には、通常通り、焼き付きの防止を目的として設けられた酸化皮膜が存在しており、この洗浄によってこの酸化皮膜が剥離していないことを、表面のミクロ観察により、確認する。
以上説明した洗浄試験により、マンドレルバーB及びその搬送装置の表面を洗浄した結果を表3に示す。
Figure 2006263817
表3に示すように、30MPa以上、好ましくは、40MPa以上の水圧で高圧水を噴射することにより、操業に支障を来すことがない洗浄時間で、マンドレルバーBの搬送装置を洗浄することができる。
上述したように、この表3に示す結果は、洗浄ノズルを搬送ロール一本当たり2個設置した場合であり、潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの範囲に配置された搬送装置全体を洗浄するのに必要となる時間を概算した結果を示す。このため、例えば洗浄ノズルを搬送ロール一本当り4個設置する場合には、増加する洗浄ノズル数に応じて洗浄時間が半減する。
一方、30MPa以上の水圧で高圧水を噴射してマンドレルバーBの表面を洗浄することにより、表面の炭素付着量を50g/m以下にできる。すなわち、洗浄後のマンドレルバーBに潤滑剤塗布装置7によって所定量の非黒鉛系潤滑剤を塗布し、さらに、潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの全ての搬送装置により搬送した後のマンドレルバーBの表面の炭素付着量を50g/m以下として、上述した(2)式を満足することができる。しかし、150MPaより高い水圧の高圧水を噴出すると、マンドレルバーBの表面に形成された酸化皮膜が剥離して焼付き等の圧延不良が生じる。
なお、表3には示していないが、30MPa以上の水圧で高圧水を噴射すれば、(1)式の関係が満足される。この際、上述したのと同様に、洗浄、潤滑剤塗布さらには搬送後のマンドレルバーBの表面における潤滑剤付着量(膜厚)を測定し、この測定値と予め分かっている潤滑剤の成分比率とに基づいて、有機バインダに含まれる炭素含有量C1及び黒鉛量C2を算出した。
以上の理由により、マンドレルバーB及びその搬送装置の表面を洗浄するための高圧水の水圧は、30〜150MPaに設定することが好ましい。したがって、少なくともマンドレルバーBの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する工程と、この潤滑剤塗布装置7の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーBを洗浄する工程とにおいては、30〜150MPaの水圧で高圧水を噴射することにより洗浄を行うことが好ましい。
マンドレルバーBの搬送装置として、一般的には、搬送ロールが多用される。しかし、例えばチェーンコンベア等のように、外部に露出してマンドレルバーに当接する搬送要素を備える搬送装置を、搬送ロールとともに併用することもある。このような搬送装置の搬送要素も、マンドレルバーBの搬送に伴って黒鉛等で汚染される。この搬送要素に上述した高圧水を噴射して洗浄すると、例えばチェーンコンベアの場合にはチェーンの潤滑を目的に塗布した潤滑剤まで黒鉛等とともに洗い流すことになり、チェーンの磨耗が進行してその寿命が著しく低下し、最悪の場合には破断に至る。このため、マンドレルバーBに当接する搬送要素が外部に露出した搬送装置に対しては、上述した高圧水の噴射による洗浄を行わないことが望ましい。
つまり、例えばチェーンコンベアのように高圧水を噴射することによる洗浄を行うことが望ましくない搬送装置に対しては、そのマンドレルバーBとの接触面に、回転するバフを当接させて拭き取る拭き取り装置を用いて、洗浄を行うことが望ましい。
これによれば、例えばチェーンコンベアにおけるマンドレルバーBとの接触面に付着した黒鉛等を、回転するバフによって拭き取ることができるので、高圧水を噴射することによるチェーンコンベア等の搬送装置の寿命の低下を来すことなく、搬送装置を清掃することができる。
この拭き取り装置は、バフと、このバフを回転させる回転駆動機構と、搬送されるマンドレルバーに干渉しない位置、及びマンドレルバーの搬送装置のうちでマンドレルバーと接触する位置の間でこのバフを移動させるための移動機構とからなることが、望ましい。
これによれば、マンドレルバーBの搬送装置のうち、例えばチェーンを用いた搬送装置といった高圧水を噴射することによる洗浄を行うことができない搬送装置に対しては、マンドレルバーBを搬送する際には、移動機構によってマンドレルバーBに干渉しない位置にバフを移動させる。そして、マンドレルバーBを搬送せずに清掃する際には、移動機構によって搬送装置のマンドレルバーBとの接触面に接触する位置にバフを移動させ、回転駆動機構によってバフを回転させる。このようにして、搬送装置の接触面に付着した黒鉛等を搬送装置の寿命の低下を来すことなく拭き取ることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、説明する。
本実施の形態においても、図1に示すように、少なくともマンドレルバーBの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置7からマンドレルミル8の入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する。また、この潤滑剤塗布装置7の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーBを洗浄する。さらに、この潤滑剤塗布装置7によってマンドレルバーBに潤滑剤、特に非黒鉛系潤滑剤を塗布する。
この際、延伸圧延に供される前のマンドレルバーBの表面に付着する黒鉛量C2(g/m)と、潤滑剤の有機バインダに含有される炭素の含有量C1(g/m)とが、(1)式:0.08×C1+0.05×C2≦3、及び(2)式:3≦C1+C2≦50を満足するように、搬送装置及びマンドレルバーBそれぞれの洗浄を行って、継目無管を製造する。
図2は、搬送装置である搬送ローラを清掃するために用いられる清掃設備の第1の洗浄手段である洗浄装置1を示す説明図である。
本例では、搬送装置が搬送ロール10である場合を示す。図2に示すように、搬送ロール10の表面から数100mm上方に離間した位置に2個の洗浄ノズル1a、1bを配置し、搬送ロール10を回転しながら、洗浄ノズル1a、1bから搬送ロール10へ向けて高圧水11を噴出することにより、搬送ロール10を洗浄する。
図3は、マンドレルバーBの表面を清掃するために用いられる清掃設備の第2の洗浄手段である洗浄装置2の構成を示す説明図であって、図3(a)は第2の洗浄装置2の正面図であり、図3(b)は第2の洗浄装置2の配置を示す説明図である。
図3に示すように、図1に示す潤滑剤塗布装置7の上流側に配置する第2の洗浄装置2により、延伸圧延を終了したマンドレルバーBを洗浄する。この第2の洗浄装置2は、潤滑剤塗布装置7の前段に、マンドレルバーBとの距離が最大で数100mmとなるように計8個の洗浄ノズル1cを環状に配設されて、配置される。各洗浄ノズル1cから高圧水12を、延伸圧延を終了したマンドレルバーBへ向けて噴出することによりマンドレルバーBの表面が洗浄される。
なお、本実施の形態では、各洗浄ノズル1a〜1cから噴出する高圧水12の水圧は、100MPaに設定される。また、噴出する高圧水の拡がり角は10°〜20°に設定される。これにより、およそ15分程度(表3参照)の洗浄時間でマンドレルバーBの洗浄を完了できる。
継目無管の製造に際しては、まず上述した洗浄ノズル1a、1bを有する第1の洗浄装置1を用いて、マンドレルバーBの搬送工程に配置された搬送ローラを洗浄する。次に、図1に示す搬入テーブル6からマンドレルバーBを搬送工程に搬入する。続いて、潤滑剤塗布装置7によってマンドレルバーBの表面に非黒鉛系潤滑剤を塗布した後、マンドレルミル8の入側までの搬送工程の途中で素管SにマンドレルバーBを挿入し、マンドレルミル8で延伸圧延する。マンドレルバーBは、マンドレルミル8での延伸圧延が終了した後に管S1から引き抜かれ、リターンライン9で搬送して水冷装置5で冷却する。この後、第2の洗浄装置2によりマンドレルバーBを洗浄し、再び潤滑剤塗布装置7によってマンドレルバーBの表面に非黒鉛系潤滑剤を塗布して、前述した工程と同様の工程で2パス目以降の延伸圧延に供される。
マンドレルミル8で延伸圧延された管S1は、再加熱炉13で約940℃〜1060℃で約20〜35分間再加熱され、ストレッチレデューサ14で製品寸法に仕上げられて、継目無管が製造される。
表4には、以上に説明した本実施の形態に係る製造方法によって製造された低炭素ステンレス鋼からなる継目無管の内面における浸炭の状況、及び、比較例に係る製造方法によって製造された低炭素ステンレス鋼からなる継目無管の内面における浸炭の状況を評価した結果を示す。
なお、浸炭の状況の評価では、1、5、10パス目に圧延した継目無管の内面から分析用サンプルを切り出し、カントバック(発光分光分析)によって炭素濃度を測定した。そして、管の素材の炭素濃度に対して同等以下(浸炭無し)である場合を◎とし、炭素濃度の増加量が0.001〜0.01%である場合(許容できる範囲)を○とし、それ以上に炭素濃度が増加した場合を×として、それぞれ評価した。
Figure 2006263817
表4に示すように、比較例に係る製造方法によって製造した継目無管では浸炭が生じたのに対し、本実施形態に係る製造方法によって製造した継目無管では、1、5、10パス目の全てについて浸炭を、実用上問題ない程度に抑制できた。
なお、本実施の形態では、洗浄ノズル1a、1bから搬送ロール10に向けて高圧水を噴出することによりマンドレルバーBの搬送装置を洗浄する態様を説明したが、マンドレルバーBの搬送装置として、搬送ロールの他に、例えば、チェーンコンベア等のチェーンを用いた装置が設置されることがある。この搬送装置に対して、チェーンの寿命の低下を来すことがないように高圧水を噴出することによる洗浄ではなく、バフを用いた拭き取り手段を用いて清掃することが好ましい。
図4は、この拭き取り手段3の構成を示す説明図であり、図4(a)は拭き取り手段3の側面図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A矢視断面図である。
図4に示すように、拭き取り手段3は、例えば、無限軌道となるように巻き掛けられたチェーンC1の適宜の複数箇所に設けられたマンドレルバー支持部C2を具備するチェーンコンベアCに適用される。マンドレルバーBは、マンドレルバー支持部C2の上に載置され、チェーンC1の矢符X方向への移動に伴って搬送される。
拭き取り手段3は、バフ31と、バフ31を回転させる回転駆動機構32と、チェーンコンベアCで搬送中のマンドレルバーBに干渉しない位置(図4の実線で示す位置)とチェーンコンベアCにおけるマンドレルバーBとの接触面、すなわち支持部C2の上面に接触する位置(図4の破線で示す位置)との間でバフ31を、図4に示す例では矢符θ1の方向へ、移動させる移動機構33とを備える。
バフ31は、ドラム311の周方向へ、例えば、綿、麻、ウール等の布材の他、ウレタン、スポンジ、フェルト、皮さらにはゴム等の適宜の材料が巻回されることによって、構成される。
回転駆動機構32は、モータ321と、モータ321の軸とドラム311の軸との間に巻き掛けられたベルト322とを備える。モータ321の回転動力をベルト322を介してドラム311に伝達することによって、バフ31を回転させる。
移動機構33は、バフ31及び回転駆動機構32を取り付けるためのアーム331と、一端が搬送ラインに設けられた適宜の梁Hに固定される一方、他端でアーム331を回動可能に支持する支持部材332と、一端が支持部材332に回動可能に取り付けられ、他端がアーム331に回動可能に取り付けられたシリンダ装置333とを備える。そして、アーム331が図4の実線で示す状態であるときにシリンダ装置333のピストンロッドを後退させて上方に引くことにより、アーム331が支持部材332の他端部周りに回動(図4の破線で示す状態に遷移)し、アーム331に取り付けられたバフ31が支持部C2の上面に接触する位置に遷移する。逆に、アーム331が図4の破線で示す状態であるときにシリンダ装置333のピストンロッドを前進させて下方に押し出すことにより、アーム331が支持部材332の他端部周りに回動(図4の実線で示す状態に遷移)し、アーム331に取り付けられたバフ31が搬送中のマンドレルバーBに干渉しない位置に遷移する。
このように構成された拭き取り手段3によってチェーンコンベアCの支持部C2の上面を清掃する際には、移動機構33によってチェーンコンベアCの支持部C2に接触する位置にバフ31を移動させ、マンドレルバーBを搬送せずにチェーンCを矢符Xの方向に移動させながら、回転駆動機構32によってバフ31を矢符θ2の方向に回転させることにより、各支持部C2の上面に付着した黒鉛等を順次拭き取る。
図5は、この拭き取り手段3の最適な設定条件を見出す試験を行った結果を示すグラフであり、図5(a)にはバフ31の支持部C2への押し付け力と必要な清掃時間との関係を示し、図5(b)はバフ31の回転速度と必要な清掃時間との関係を示す。
マンドレルバーBに黒鉛系潤滑剤を塗布して、通常の操業条件で素管を圧延し、十分にチェーンコンベアCを黒鉛及び有機バインダで汚染させた後、新品又は洗浄したバフ31を用いて種々の押し付け力や回転速度の条件下で清掃を開始してから清掃を終了するまでの経過時間である清掃時間を評価した。
なお、清掃を開始してから、目視によって各支持部C2の上面が完全に金属光沢を有するようになった時点で、黒鉛及び有機バインダーによる汚染が無くなったと判断し、清掃を終了する。
図5(a)に示すように、バフ31の回転速度を60rpmdで一定として支持部C2への押し付け力を種々変更した場合、操業に支障を来すことのない、例えば25分以内の清掃時間とするには、およそ50N以上の押し付け力に設定する。一方、図5(b)に示すように、バフ31の支持部C2への押し付け力を75Nで一定としてバフ31の回転速度を種々変更した場合、操業に支障を来すことのない、例えば25分以内の清掃時間とするには、およそ17rpm以上の回転速度に設定する。ただし、回転速度を速め過ぎると、バフ31によって支持部C2から拭き取られた黒鉛及び有機バインダーが周辺設備に飛散するため、およそ110rpm以下の回転速度に設定することが好ましい。
なお、以上の説明では、継目無管の製造工程におけるマンドレルバーBの搬送工程に配置された、いわばオンラインの洗浄装置2によって、マンドレルバーBの表面の洗浄を行う(以下、「オンライン洗浄」という)場合を例にとった。しかし、搬送工程に搬入する前のマンドレルバーBの表面の清掃を行う(以下、「オフライン清掃」という)ことをこのオンライン洗浄と併用することも可能である。そこで、このオフライン清掃についても説明する。
黒鉛系潤滑剤を塗布して延伸圧延に供された後のマンドレルバーBを搬送工程から抜き取り、再び搬入テーブル6から搬送工程へ搬入して、非黒鉛系潤滑剤を塗布して延伸圧延に供する場合、再び搬送工程に搬入した直後のマンドレルバーBの表面には、黒鉛系潤滑剤が付着する。この搬入直後のマンドレルバーBは、洗浄装置2に搬送されて洗浄されるものの、表面に付着した黒鉛系潤滑剤が完全に洗浄されずに残存すると、管S1の内面に浸炭が生じる。こレースウェイを防ぐには、搬送工程に搬入する前に、黒鉛系潤滑剤が付着したマンドレルバーBの表面を予めオフライン清掃することが好ましい。
図6は、マンドレルバーBのオフライン清掃に用いられる清掃設備15,16を示す説明図であり、図6(a)は高圧水をマンドレルバーの表面に噴出して洗浄する洗浄装置15を示し、図6(b)はマンドレルバーの表面に回転ブラシを当接させて清掃する擦過装置16を示す。
図6に例示した清掃設備15、16は、例えば、継目無管の製造ラインから離間した、マンドレルバーBを保管するためのバー保管庫に設置することが例示される。
図6(a)に示す洗浄装置15は、マンドレルバーBを支持する搬送ロール17及びスキューロール18と、下方に配置された2個の洗浄ノズル1dとを備える。洗浄ノズル1dを下方に配置することにより、マンドレルバーBの外径に関わらず洗浄ノズル1dとマンドレルバーBの表面との距離を一定に保つことができる。そして、2個の洗浄ノズル1dからマンドレルバーBに高圧水19を噴出しながら、スキューロール18を回転させてマンドレルバーBを周方向へ回転させ、搬送ロール17を回転させてマンドレルバーBを軸方向に搬送する。これにより、マンドレルバーBの表面全体を洗浄できる。
図6(b)に示す擦過装置16は、マンドレルバーBを支持する搬送ロール17及びスキューロール18と、マンドレルバーBに接触するように配置された回転ブラシ4とを備える。回転ブラシ4を回転させながら、スキューロール18を回転させてマンドレルバーBを周方向に回転させ、搬送ロール17を回転させてマンドレルバーBを軸方向に搬送する。これにより、マンドレルバーBの表面全体に回転ブラシ4が擦過して清掃できる。
なお、マンドレルバーBのオフライン清掃は、図6に例示した清掃設備を用いて自動的に行うことが効率面で好ましいが、たわし等の清掃道具を用いて作業者が手作業で行うようにしてもよい。
継目無管の製造工程を模式的に示す説明図である。 搬送装置である搬送ローラを清掃するために用いられる清掃設備の第1の洗浄手段(洗浄装置)を示す説明図である。 マンドレルバーの表面を清掃するために用いられる清掃設備の第2の洗浄手段(洗浄装置)の構成を示す説明図であって、図3(a)は第2の洗浄装置の正面図であり、図3(b)は第2の洗浄装置の配置を示す説明図である。 拭き取り手段の構成を示す説明図であり、図4(a)は拭き取り手段の側面図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A矢視断面図である。 拭き取り手段の最適な設定条件を見出す試験を行った結果を示すグラフであり、図5(a)はバフの支持部への押し付け力と必要な清掃時間との関係を示し、図5(b)はバフの回転速度と必要な清掃時間との関係を示す。 マンドレルバーのオフライン清掃に用いられる清掃設備の構成を示す説明図であり、図6(a)は高圧水をマンドレルバーの表面に噴出して洗浄する洗浄手段を示し、図6(b)はマンドレルバーの表面に回転ブラシを当接させて清掃する擦過手段を示す。
符号の説明
0 製造工程
1a,1b,1c 洗浄ノズル
2 洗浄装置
3 拭き取り手段
31 バフ
32 回転駆動機構
33 移動機構
4 回転ブラシ
5 水冷装置
6 搬入テーブル
7 潤滑剤塗布装置
8 マンドレルミル
9 リターンライン
10 搬送ロール
11、12 高圧水
13 再加熱炉
14 ストレッチレデューサ
15 洗浄装置
16 擦過装置
17 搬送ロール
18 スキューロール
19 高圧水

Claims (5)

  1. 少なくともマンドレルバーの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置からマンドレルミルの入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する工程と、該潤滑剤塗布装置の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーを洗浄する工程と、該潤滑剤塗布装置によってマンドレルバーに潤滑剤を塗布する工程とを含み、延伸圧延に供される前のマンドレルバーの表面に付着する黒鉛量C2(g/m)と、潤滑剤の有機バインダに含有される炭素の含有量C1(g/m)とが下記(1)式及び(2)式を満足するように、前記搬送装置及び前記マンドレルバーそれぞれの洗浄を行うことを特徴とする継目無管の製造方法。
    0.08×C1+0.05×C2≦3 ・・・・・・・(1)
    3≦C1+C2≦50 ・・・・・・・(2)
  2. 前記搬送装置及びマンドレルバーの洗浄は、30〜150MPaの水圧の高圧水を該搬送装置及びマンドレルバーに噴射することによって行われる請求項1に記載の継目無管の製造方法。
  3. 前記搬送装置の洗浄は、少なくとも、該搬送装置のうちで前記マンドレルバーと接触する部分に、回転するバフを当接させることによって行われる請求項1又は2に記載の継目無管の製造方法。
  4. マンドレルバーの搬送工程に設置される潤滑剤塗布装置からマンドレルミルの入側までの間に配置される搬送装置を洗浄する第1の洗浄手段と、前記潤滑剤塗布装置の上流側で延伸圧延に供されたマンドレルバーの外面に30〜150MPaの水圧の高圧水を噴射してマンドレルバーを洗浄する第2の洗浄手段とを備えることを特徴とする清掃設備。
  5. バフと、該バフを回転させる回転駆動機構と、搬送されるマンドレルバーに干渉しない位置及びマンドレルバーの搬送装置のうちでマンドレルバーと接触する位置の間で前記バフを移動させるための移動機構とからなる拭き取り手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の清掃設備。
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