JP2006263532A - 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法 - Google Patents

汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006263532A
JP2006263532A JP2005083112A JP2005083112A JP2006263532A JP 2006263532 A JP2006263532 A JP 2006263532A JP 2005083112 A JP2005083112 A JP 2005083112A JP 2005083112 A JP2005083112 A JP 2005083112A JP 2006263532 A JP2006263532 A JP 2006263532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
contaminated
air
contaminated soil
mixed soil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005083112A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Sekino
聡 関野
Yuuki Nakagawa
勇樹 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2005083112A priority Critical patent/JP2006263532A/ja
Publication of JP2006263532A publication Critical patent/JP2006263532A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】水和反応熱による加熱温度下では飽和蒸気圧が大気圧に満たない揮発性汚染物質に汚染された汚染土壌を処理対象とする場合であっても効果的に汚染物質を揮発させ除去することができる汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法を提供する。
【解決手段】揮発性の汚染物質に汚染された汚染土を生石灰又は石灰系の改良材を含む添加材と混合する混合装置110と、この混合装置110から排出された添加材と汚染土との混合土cに差し込んだパイプ305及びパイプ305に空気を供給するエアタンク301を有し、パイプ305を介してエアタンク301からの空気を混合土cの内部に注入し揮発した汚染物質を混合土cの外部に積極的に送り出すことにより混合土c内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進手段300とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、揮発性有機化合物(VOC)や油類等の揮発性の汚染物質に汚染された汚染土壌の処理システム及び処理方法に関する。
揮発性の汚染物質に汚染された汚染土壌から汚染物質を除去する汚染土壌処理方法として、石灰や石灰系の改良材等を含む添加材を汚染土壌に混合し養生することにより、土壌中の水分と添加材との発熱反応(水和反応)により生じる多大な水和反応熱で汚染土壌を加熱し、汚染土壌中の汚染物質を積極的に揮発させ除去する方法が知られている(特許文献1等参照)。
特開2004−181360号公報
水和反応熱を利用する場合、汚染土壌を80〜100℃程度まで加熱することができ、条件によってはその加熱状態を数時間〜十数時間に亘る加熱時間を確保することも可能である。水和反応熱による加熱温度下での飽和蒸気圧が大気圧を超える汚染物質については、揮発して土壌間隙中で膨張した汚染物質が土壌中から継続的に低圧側である大気中に放出されるので、上記の如く確保される加熱時間中に十分に除去することができる。
しかしながら、水和反応熱による加熱温度下での飽和蒸気圧が大気圧に満たない汚染物質については、揮発した汚染物質が大気圧との圧力差によって土壌中から大気中に放出され難い。そのため、揮発した汚染物質で土壌間隙中の雰囲気が飽和状態となった後では汚染物質の揮発が停滞する。つまり、単に水和反応熱により養生中の汚染土壌を加熱するだけでは、飽和蒸気圧が大気圧に満たない汚染物質を除去対象とした場合、上記の加熱時間が経過した後においても多くの汚染物質を土壌中に残存させてしまう恐れがある。
本発明は、以上に基づきなされたもので、水和反応熱による加熱温度下では飽和蒸気圧が大気圧に満たない揮発性汚染物質に汚染された汚染土壌を処理対象とする場合であっても効果的に汚染物質を揮発させ除去することができる汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明は、揮発性の汚染物質に汚染された汚染土を生石灰又は石灰系の改良材を含む添加材と混合する混合手段と、この混合手段から排出された前記添加材と汚染土との混合土に差し込んだ空気注入管、及びこの空気注入管に空気を供給する空気供給手段を有し、前記空気注入管内の管路を介して前記空気供給手段からの空気を前記混合土の内部に注入し揮発した汚染物質を前記混合土の外部に積極的に送り出すことにより前記混合土内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進手段とを備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記揮発促進手段は、前記空気注入管から前記混合土内部に注入される空気を予め加熱する空気加熱手段をさらに備えたことを特徴とする。
第3の発明は、揮発性の汚染物質に汚染された汚染土を生石灰又は石灰系の改良材を含む添加材と混合する混合工程と、前記添加材と汚染土との混合土に空気注入管を差し込んで前記空気注入管を介して空気供給手段からの空気を前記混合土の内部に注入し、揮発した汚染物質を前記混合土の外部に積極的に送り出すことにより前記混合土内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進工程とを有することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記揮発促進工程において、前記空気注入管から前記混合土内部に注入される空気を予め加熱することを特徴とする。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記混合工程で生成した混合土を所望の埋め戻し場所に埋め戻し、この所望の埋め戻し場所に埋め戻した状態の混合土に前記揮発促進工程を施して汚染物質を積極的に除去し、揮発促進工程の実施後に即時的に利用可能な土地を形成することを特徴とする。
本発明によれば、水和反応熱による加熱温度下では飽和蒸気圧が大気圧に満たない汚染物質に汚染された汚染土壌を処理対象とする場合であっても、混合土中の土壌間隙を換気することにより、効果的に汚染物質を揮発させ除去することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る汚染土壌処理方法の手順を表すフローチャートである。
図1に示すように、本実施の形態の汚染土壌処理方法は、処理対象となる汚染土、つまり有機塩素化合物等の揮発性有機化合物(VOC)や油類等といった揮発性の汚染物質に汚染された汚染土に生石灰又は石灰系の改良材を含む添加材を添加して混合する混合処理の工程(ステップ110)、及びこの混合処理工程で生成した添加材と汚染土との混合土の内部に空気を注入し、揮発した汚染物質を混合土の外部に積極的に送り出すことにより混合土内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進処理の工程(ステップ120)を有する。ステップ120の揮発促進処理工程では、混合土に空気注入管を差し込んで空気注入管を介して空気供給手段からの空気を混合土に注入する。これらステップ110,120の工程が終了したら、ステップ130として、一連の処理を終えて浄化された汚染土(処理土)を例えば埋め戻し土等として再利用する。
ステップ110の工程を施すことで、汚染物質を含有した土壌粒子は添加材と混合処理され、添加材に周囲を覆われた状態となる。例えば添加材として生石灰(CaO)を主成分とする粉末を用いた場合には、下式で表されるように、生石灰が土壌粒子中の水分と水和反応を起こして水酸化カルシウム(Ca(OH))に変化する。
CaO+HO→Ca(OH)+65.15kJ/mol
この水和反応に伴って発生する水和反応熱により汚染土壌が加熱され、土壌中の汚染物質も加熱され蒸散する。このように、揮発性の汚染物質は、ステップ110の混合処理工程を施すことで得られる水和反応熱によって揮発を促され、土壌から除去される。混合処理工程を施すことにより、数時間〜十数時間に亘って汚染土壌の温度を例えば80〜100℃程度に維特することも可能である。
水和反応熱による加熱温度下での飽和蒸気圧が大気圧を超える汚染物質については、揮発して膨張した汚染物質が混合土の外部(低圧側)に順次流出し大気放出されるため、混合処理工程(ステップ110)を施すだけでも、水和反応熱による加熱が継続している間にほぼ完全に土壌中から揮発させ除去することが可能である。
それに対し、水和反応熱による加熱温度下では飽和蒸気圧が大気圧に達しない物質は、揮発した汚染物質が大気中に流出せず、土壌間隙中の雰囲気における汚染物質飽和度が即時的に極大に達してしまう。土壌間隙が揮発した汚染物質で飽和状態となると、それ以降は汚染物質の揮発はほとんど進行せず、このような場合は水和反応熱による加熱が継続しても多くの汚染物質を土壌中に残存させたままにしかねない。土壌中に残存した汚染物質は添加材の持つ封じ込め効果(不溶化作用)により周辺環境に流出しない状態となって汚染土壌は無害化されるが、不溶化処理では汚染源が完全に除去されるわけではなく、不溶化されているとは言え土地の基準によっては汚染源を含有した処理土の埋め戻しが許可されないケースもある。
それでもなお土壌中に残存する汚染物質を除去するためには、例えばさらに高温下に土壌を曝す、減圧された系内にて混合土を養生する等し、汚染物質の飽和度を低下させることが考えられる。そのためには、例えばキルン等の加熱装置で数百℃にまで混合土を加熱したり、減圧した密閉環境で混合土を養生したりすれば足りる。しかし、加熱装置により混合土を数百℃に加熱するにしても要求されるエネルギーは極めて多大であり、加熱するのにも長時間を要する。また、減圧した密閉環境で混合土を養生するにしても、密閉環境での処理となるためバッチ処理となり処理量の確保が困難であるとともに、減圧した密閉環境を作り出す装置にも費用がかかり、結果的に処理費用が増大する。
そこで、本実施の形態においては、ステップ110の工程を終えた混合土に対し、内部に空気を注入し土壌間隙中で停滞している揮発した汚染物質を積極的に汚染土の外部に送り出す(ステップ120)。つまり、混合土の土壌間隙中の澱んだ雰囲気を換気することにより、土壌間隙中の雰囲気における汚染物質飽和度を低下させ、まだ揮発せずに混合土中に残存する汚染物質を逐次揮発させる。揮発した汚染物質は注入される空気により混合土外部に逐次送り出されるため、混合土中の土壌間隙は水和反応熱による加熱温度下において汚染物質が飽和状態に満たない常態とされ、継続的に汚染物質を揮発させ除去することができる。
このように、本実施の形態においては、水和反応熱による加熱温度下では飽和蒸気圧が大気圧に満たない汚染物質に汚染された汚染土壌を処理対象とする場合であっても効果的に汚染物質を揮発させ除去することができる。水和反応熱による加熱温度下で飽和蒸気圧が大気圧を超える汚染物質に汚染された汚染土壌を処理対象とする場合に本発明を適用しても、効果的に汚染物質を揮発させ除去させることができることは言うまでもない。
また、一般に液体の蒸発速度は、反応に関する物質の飽和蒸気圧、温度、及び雰囲気中の蒸気圧勾配に依存する。温度を上昇させることは飽和蒸気圧を高め蒸気圧勾配をも高めることになり、ひいては蒸発速度を上昇させることになる。したがって、汚染物質を除去する上では、混合土の加熱温度は高ければ高いほど良い。そこで、ステップ120の揮発促進処理の工程において、混合土内部に注入される空気を予め加熱することにより、水和反応熱に注入空気の熱が加わって混合土の加熱温度を上昇させることができる。これにより、より効果的かつ迅速に汚染物質を除去することができ、しかもキルン等といった大掛かりな加熱装置を用いるのと異なり、注入空気を加熱する程度の加熱装置で足りるため処理システムの設備費増大も抑えられる。
図2はA重油を混合した試料を80℃の加熱温度下に曝した場合の試料中の油分残存量の変化を表したグラフである。図2では横軸に時間[分]を、縦軸に汚染物質(A重油)残存量[g]をとっている。
図2中の従来方法を適用した例のグラフは、同一かつ同量の試料に同一割合の添加材を混合し単に水和反応熱により加熱した場合の油分残存量の実験結果を表している。この結果から分かるように、従来方法では、6時間経過後も約8割の油分が除去されずに試料中に残留してしまっている。
それに対し、本発明を適用し、同一条件で試料に添加材を混合した後に試料内部に通気処理を行った場合、6時間経過後には約8割の油分が除去され、残留する油分は従来方法に比して3分の1程度に低下させることができた。したがって本発明を適用し、例えば日中に汚染土に添加材を混合処理しておき(ステップ110)、その混合土に対し一昼夜通気処理を行うことで(ステップ120)、混合処理を行った翌日には、従来方法に比して格段に油分残存量の少ない処理土を得ることができ、得られた処理土を埋め戻しや埋め立て等の再利用に即時的に供することが可能となる。
図3は以上の汚染土壌処理方法を実施するための本発明の一実施の形態に係る汚染土壌処理システムの概念図である。
図3に示すシステムは、汚染土に添加材を添加して混合処理する自走式混合機械100、自走式混合機械100に汚染土を供給するための油圧ショベル200、添加材と混合した汚染土に空気を注入して揮発した汚染物質を混合土の外部に積極的に送り出すことにより混合土内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進手段300、及び処理土を使用箇所へ搬送するダンプトラック400を備えている。
自走式混合機械100の構成を説明すると、101はその走行体で、走行体101は、走行体フレーム102、走行体フレーム102の両側にそれぞれ設けたトラックフレーム103、トラックフレーム103の一方側(図3中の左側)に設けた従動輪104、トラックフレーム103の他方側(図3中の右側)に設けた駆動輪105、及び従動輪104と駆動輪105とに掛け回した履帯106で構成されている。
107は走行体フレーム102上に設けた本体フレーム、108は本体フレーム107の一方側(図3中の右側)に支持部材109を介して設けた動力装置である。動力装置108は、エンジン、エンジンによって駆動されるポンプ、及びポンプからの圧油を前記走行体及び後述する機器に切換え供給する弁等を備えている。
110は本体フレーム107のほぼ中央でその長手方向に設けた混合手段としての混合装置で、この混合装置110は、その装置本体内にほぼ平行に設けたパドル型のミキサを備えている。特に図示していないが、混合装置110はその一方側(図3中の左側)の上部に入口を、またその他方側(図3中の右側)に出口を備えている。111はパドルミキサを回転駆動させるための駆動装置である。
112は本体フレーム7の他方側(図3中の左側)に設けた支持架台、113は支持架台112上にばね114を介して設けた篩装置である。115は篩装置113に設けた偏心体駆動軸、116は加振用油圧モータ、117は加振用油圧モータ116と偏心体駆動軸115とを連結するベルトである。
118は篩装置113の下方に位置するように支持架台112に設けた搬送コンベアで、この搬送コンベア118の放出側(図3中の右側)は、混合装置110の入口に臨んでいる。119は篩装置113と搬送コンベア118との間に位置するように支持架台112に設けたホッパである。
120は支柱121によって支持された添加材貯留用タンクで、この添加材貯留用タンク120の上部は、高さを調整するために蛇腹状に構成されている。122は添加材貯留用タンク120の下部に設けた供給口で、供給口122は、搬送コンベア118の他方側(図3中の右側)の上方に位置し、搬送コンベア118によって搬送されてくる汚染土上に添加材を供給する。
123は混合装置110の出口から排出された混合土を搬送し排出する排出コンベアで、この排出コンベア123の一方側(図3中の左側)は混合装置110の出口下に位置し、他方側(図3中の右側)は動力装置108の下方から上り傾斜を持つように本体フレーム107に支持されている。
前述した油圧ショベル200の構成を説明すると、201はその走行体、202は走行体201上に旋回可能に設けた旋回体である。203は旋回体202上の後方に設けた原動機、204は旋回体202の後部に設けたカウンタウエイト、205は旋回体202の前部に設けた運転席である。206は旋回体202の前部中央に俯仰動可能に設けたブーム、207はブーム206の先端に回動可能に設けたアーム、208はアーム207の先端に回動可能に設けた掘削バケットである。
209はブーム駆動用の油圧シリンダで、その基端は旋回体202に設けられ、そのピストンロッド210の先端はブーム206の側面中間部に連結されている。211はアーム駆動用の油圧シリンダで、その基端はブーム206の上面中間部に連結され、そのピストンロッド212の先端はアーム207の基部に連結されている。213はバケット駆動用の油圧シリンダで、その基端はアーム207の上面基部側に連結され、そのピストンロッド214の先端はリンク215,216の一方に連結されている。リンク215の他方はアーム207の先端側に連結されている。また、リンク216の他方はピン217によってバケット208の背部に連結されている。前述したブーム206、アーム207及び駆動用油圧シリンダ210,211は、多関節型作業アームを構成する。
揮発促進手段300の構成を説明すると、301は空気供給用のエアタンクで、このエアタンク301の供給口部分には、バルブ303がそれぞれ設けられている。305はパイル状に集積した混合土cに差し込むように埋設した空気注入用のパイプである。特に図示していないが、パイプ305内には、空気を広範囲に噴出させるために複数の管路(具体的にはパイプ305の側部に設けた複数の噴出孔)が設けられている。本実施の形態においては、3本のパイプ305を混合土cに差し込んだ例を図示しているが、パイプ305の本数は特に限定されず、混合土の量等に応じて決定するものであって、1本でも複数本でも構わない。
304はパイプ305から混合土cに注入するエアタンク301からの空気を予め加熱するヒータである。このエアタンク301及びヒータ304は配管302により接続されており、バルブ303はこの配管302の途中に取り付けられている。またヒータ304と各パイプ305とは配管306により接続されている。
次に、上記構成の本実施の形態の汚染土壌処理システムの動作を説明する。
最初に自走式混合機械100及び油圧ショベル200による混合処理工程(ステップ110)について説明すると、まず油圧ショベル200の多関節型作業アームを操作し、バケット208によって処理すべき汚染土aを掘削し、自走式混合機械100に供給する。
すると、自走式混合機械100の篩装置113に投入された汚染土は、篩装置113によって大きな石等の異物を除去されて下方のホッパ119へと導入される。ホッパ119で受け入れられた汚染土は、さらに下方の搬送コンベア118の搬送ベルト上に載置され、混合装置110に向かって搬送される。そして、搬送コンベア118の搬送方向下流側端部近傍にて、搬送中の汚染土の表面に、添加材貯留用タンク120の供給口122から所定量の添加材が添加され、これら汚染土及び添加材が搬送コンベア118によって混合装置110に導入される。
混合装置110に導入された汚染土及び添加材は、混合装置110内のパドルミキサで均一に攪拌混合され、排出コンベア123上に排出される。混合装置110から導出された汚染土及び添加材の混合土は、排出コンベア123によってさらに自走式混合機械100の他方側に搬送されて最終的に機外に排出される。
ステップ120の工程に移り、この自走式混合機械100から排出された混合土bをその場或いは所定の位置まで搬送し、混合土bを集積してパイル状の混合土cを成形する。この混合土cに対し必要本数のパイプ305を差し込み埋設する。但し、混合土をパイル状に成形しなくても、処理量が少ない場合には、自走式混合機械100から排出され集積された混合土bにパイプ305を差し込んでも良い。一旦集積した混合土cにパイプ305を差し込んだら、バルブ303を開け、パイプ305に空気を供給する。本実施の形態においては、エアタンク301からの空気は配管302を介してヒータ304に導入され、ヒータ304の内部で加熱された上で配管306及びパイプ305を介して混合土cに注入される。
こうしてパイプ305を介してエアタンク301からの空気が混合土cの内部に所要時間注入されると、前述したように揮発した汚染物質が混合土cの外部に積極的に送り出され、これにより混合土c内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度が低下し汚染物質の継続的な揮発が促進される。集積した混合土cに揮発促進工程を施して汚染物質を積極的に除去することによって、所望の目的に再利用するための清浄な処理土が得られる。なお、バルブ303の開度は、混合土cに注入する空気の要求流量に応じて調節する。
ステップ120の工程を終えて汚染物質の揮発促進処理が完了したら、ステップ130として、その処理土をダンプトラック400に積載し、汚染現場或いは場外の埋め戻しや埋め立て等といった所望の目的に再利用するための場所に搬送する。
このように汚染土壌処理システムを構成することで、簡素な構成でありながら揮発性の汚染物質に汚染された汚染土壌を健康上の被害を及ぼさない状態とすることができ、処理土を短時間で埋め戻しや埋め立て等の再利用に供することを可能とすることができる。また、混合処理後の混合土の養生期間を最小限に短縮することができるので、養生のための管理コストを大幅に削減することができ、汚染土壌処理の低廉化にも寄与する。また、システムを簡素に構成することができるので設備費を低廉化することもでき、自走式混合機械100による連続的な混合土生成作業も可能である。
なお、本実施の形態においては、加熱温度向上のために混合土への注入空気を予め加熱するヒータ304を揮発促進手段300に備えた場合を例に挙げて説明したが、混合土中の土壌間隙を換気して汚染物質の揮発を促進するという本発明の本質的効果を得る限りにおいては、注入空気の予熱は必ずしも必要ではない。したがって、図3において、ヒータ304及び配管306を省略してエアタンク301からの配管302をパイプ305に接続する構成としても良い。
図4は本発明の他の実施の形態に係る汚染土壌処理方法の手順を表すフローチャートである。
図4に示すように、本実施の形態の汚染土壌処理方法は、処理対象となる汚染土に添加材を添加して混合する混合処理の工程(ステップ210)と、汚染土に添加材を混合した混合土をも目的の埋め戻し場所に埋め戻す工程(ステップ220)と、その後、埋め戻した混合土の内部に空気を注入し、揮発した汚染物質を混合土の外部に積極的に送り出すことにより継続的な揮発を促進する揮発促進処理の工程(ステップ230)とを有する。ステップ210,230は、先に図1に示した本発明の一実施の形態に係る汚染土壌処理方法におけるステップ110,120と同様である。すなわち、前述した本発明の一実施の形態に係る汚染土壌処理方法と本実施の形態に係る汚染土壌処理方法が相違する点は、処理土を目的の埋め戻し位置に埋め戻した状態で揮発促進処理を施すことにある。
図5は本実施の形態の汚染土壌処理方法を実施するための本発明の他の実施の形態に係る汚染土壌処理システムの概念図で、この図において、図3と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態のシステムは、前述した自走式混合機械100、油圧ショベル200、及び揮発促進手段300を備えている。
本実施の形態においては、まず、ステップ210の工程で油圧ショベル200によって汚染土aを掘削して自走式混合機械100に供給し、汚染土aに添加材を混合して混合土bを得る。続くステップ220の工程として、例えばダンプトラックや油圧ショベル或いはホイールローダ等の輸送手段を用い、混合土bを搬送して目的の埋め戻し場所d(汚染土aの掘削場所等)に埋め戻す。そしてステップ230の工程に移ったら、揮発促進手段300を用い、埋め戻し場所dに埋め戻した混合土に対し前の実施の形態と同じ要領で揮発促進処理を施して施工を終了する。
本システムを用いて以上のような手順で施工することで、前述した本発明の一実施の形態と同様の効果が得られることは言うまでもないが、これに加えて本実施の形態では、ステップ220において混合処理工程(ステップ210)で生成した混合土を所望の埋め戻し場所dに埋め戻し、所望の埋め戻し場所dに埋め戻した状態の混合土に揮発促進工程(ステップ230)を施して汚染物質を積極的に除去することで、揮発促進工程の実施後に即時的に利用可能な土地を形成することができる。したがって、例えば、建設用地として土地を利用する場合には、図5に示したように、処理後直ちに施設eの建設工程に移行することができる。勿論、この建設用地の例に限られず、例えば駐車場やグランド等に土地利用する場合であっても、その様々な目的に応じて処理後の土地を即時的に再利用することができる。
なお、本実施の形態においては、加熱温度向上のために混合土への注入空気を予め加熱するヒータ304を揮発促進手段300に備えた場合を例に挙げて説明したが、混合土中の土壌間隙を換気して汚染物質の揮発を促進するという本発明の本質的効果を得る限りにおいては、混合土への注入空気の予熱は必ずしも必要ではない。したがって、図5において、ヒータ304及び配管306を省略してエアタンク301からの配管302をパイプ305に接続する構成としても良い。
また、以上の各実施の形態において、揮発促進処理時、空気の供給源としてエアタンク301を用いた場合を例に説明したが、これに限られず、例えばコンプレッサ等で代替しても良い。また、処理現場への汚染土の運搬や、処理現場内でのシステムの移動を簡便に行うことができるように自走機能を有する自走式混合機械100を用いたが、これらが固定式の設備であっても構わない。但し、処理費用の上昇を防ぐため、また、効果的な改良処理を行うためには、汚染土と添加材との混合比率を正確に制御できる機能を持っていることが望ましい。また、コンベア等の多数の機器を備えた自走式混合機械100を用いずに混合機能を備えたもの(混合装置110等)を単体で使用しても混合手段として用をなす。さらに、混合装置の混合方式についても、パドルミキサを用いたいわゆるミキシング方式のものでなくても、例えば、高速回転する回転打撃子を有するいわゆる解砕方式のもの、ロータリミキサ、スクリュミキサ、リボンスクリュを用いたもの、或いはパン型ミキサ等を採用しても構わず、その方式に特別な限定はない。要は添加材を汚染土に混合することができるものであれば良い。これらの場合も同様の効果を得る。
本発明の一実施の形態に係る汚染土壌処理方法の手順を表すフローチャートである。 A重油を混合した試料を80℃の加熱温度下に曝した場合の試料中の油分残存量の変化を表したグラフである。 本発明の一実施の形態に係る汚染土壌処理システムの概念図である。 本発明の他の実施の形態に係る汚染土壌処理方法の手順を表すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る汚染土壌処理システムの概念図である。
符号の説明
100 自走式混合機械
110 混合装置
300 揮発促進手段
301 エアタンク
304 ヒータ
305 パイプ
a 汚染土
b 混合土
c 混合土
d 埋め戻し場所

Claims (5)

  1. 揮発性の汚染物質に汚染された汚染土を生石灰又は石灰系の改良材を含む添加材と混合する混合手段と、
    この混合手段から排出された前記添加材と汚染土との混合土に差し込んだ空気注入管、及びこの空気注入管に空気を供給する空気供給手段を有し、前記空気注入管内の管路を介して前記空気供給手段からの空気を前記混合土の内部に注入し揮発した汚染物質を前記混合土の外部に積極的に送り出すことにより前記混合土内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進手段と
    を備えたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  2. 前記揮発促進手段は、前記空気注入管から前記混合土内部に注入される空気を予め加熱する空気加熱手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
  3. 揮発性の汚染物質に汚染された汚染土を生石灰又は石灰系の改良材を含む添加材と混合する混合工程と、
    前記添加材と汚染土との混合土に空気注入管を差し込んで前記空気注入管を介して空気供給手段からの空気を前記混合土の内部に注入し、揮発した汚染物質を前記混合土の外部に積極的に送り出すことにより前記混合土内の間隙中の雰囲気の汚染物質飽和度を低下させ汚染物質の継続的な揮発を促進する揮発促進工程と
    を有することを特徴とする汚染土壌処理方法。
  4. 前記揮発促進工程において、前記空気注入管から前記混合土内部に注入される空気を予め加熱することを特徴とする請求項3に記載の汚染土壌処理方法。
  5. 前記混合工程で生成した混合土を所望の埋め戻し場所に埋め戻し、この所望の埋め戻し場所に埋め戻した状態の混合土に前記揮発促進工程を施して汚染物質を積極的に除去し、揮発促進工程の実施後に即時的に利用可能な土地を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載の汚染土壌処理方法。
JP2005083112A 2005-03-23 2005-03-23 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法 Withdrawn JP2006263532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005083112A JP2006263532A (ja) 2005-03-23 2005-03-23 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005083112A JP2006263532A (ja) 2005-03-23 2005-03-23 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006263532A true JP2006263532A (ja) 2006-10-05

Family

ID=37200059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005083112A Withdrawn JP2006263532A (ja) 2005-03-23 2005-03-23 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006263532A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010530302A (ja) * 2007-06-20 2010-09-09 エーキューエス ホールディングス リミテッド 土壌を処理する法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010530302A (ja) * 2007-06-20 2010-09-09 エーキューエス ホールディングス リミテッド 土壌を処理する法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5830752A (en) Apparatus for in-situ soil remediation
US6276871B1 (en) Soil remediation method
JP3877333B2 (ja) 流体圧式補助動力装置
US5639182A (en) In situ treatment of soil
CN108380657B (zh) 适用于污染场地化学氧化修复的药剂投加方法
JPH09195265A (ja) 自走式土質改良機
WO2006051865A1 (ja) 噴射攪拌工法および噴射攪拌装置
JP3930348B2 (ja) 土質改良方法
JP2006263532A (ja) 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法
JP3776378B2 (ja) 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理処理方法
CN108372196B (zh) 重金属污染土壤修复方法
JP2003145126A (ja) 汚染土壌の洗浄工法
JP2003340425A (ja) 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法
JP2005262139A (ja) 汚染土壌処理方法、汚染土壌処理システム及びこれに用いる制御装置
JP3446144B1 (ja) 気液撹拌混合土壌洗浄装置
WO1991001822A1 (en) Correction method for contaminated sites
JP2005144307A (ja) 汚染土壌処理方法及びシステム
JP2007007550A (ja) 排泥処理用加圧式分級装置及びそれを用いた排泥処理方法
JP5042278B2 (ja) 汚染土壌浄化工法
JP2003239686A (ja) 推進シールド工法および推進シールド掘進機
JP2003047947A (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2007054755A (ja) 汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システム
KR102355019B1 (ko) 자주식 통합기능 토양혼합장치를 이용한 토양 정화방법
JP2002011456A (ja) 土壌・地下水汚染修復方法
JP2009208077A (ja) 汚染対策方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070316

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080609