JP2009208077A - 汚染対策方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地中の汚染物質を残すことなく浄化し、汚染物質の拡散を防止することができる汚染対策方法を提供する。
【解決手段】汚染物質bの分布を事前に調査する手順と、この事前調査の結果を基に汚染物質bの高濃度分布領域gを掘削し、汚染物質を分解する微生物又は微生物を活性化する栄養剤の少なくともいずれかを混合した土砂材料を高濃度分布領域gが存在していた箇所に埋め戻し、そこに侵入してくる汚染物質を選択的に捕集し分解除去する汚染物質分解帯iを形成する手順と、掘削した高濃度分布領域gの土砂に石灰又は石灰を主成分とする薬剤を含む改良材を混合して汚染物質を浄化処理した処理土qを汚染物質分解帯iの上部に埋め戻す手順とを行う。
【選択図】 図12

Description

本発明は、例えば重油やガソリン等といった石油系油分(石油系炭化水素)からなる汚染物質を含有した土壌の汚染対策方法に関するものである。
工場の跡地やガソリンスタンドの敷地等においては、重油やガソリン等の石油系油分からなる汚染物質が土壌に含まれていることがある。このような土壌をそのまま放置しておくと、汚染物質が地下水等を介して周辺環境に拡散する危険性がある。そのため、汚染物質に汚染された土壌には何らかの汚染対策を施す必要がある。
この種の汚染対策には幾通りかの方法があるが、その中で微生物の分解作用により汚染物質を除去するものとして、地盤における汚染物質の存在位置に攪拌翼を有する掘削機を貫入して微生物を土壌に注入し、掘削機で土壌を微生物と混合して土壌中に形成した浄化コラムによって汚染物質を分解除去する方法がある(例えば、特許文献1等参照)。
特開2001−219157号公報
しかしながら、上記従来技術は汚染物質の存在位置において掘削機の貫入範囲に浄化コラムを形成する局所的な処理であるため、地中の汚染物質の存在範囲を完全にカバーして浄化コラムを形成することは必ずしも容易ではなく、場合によっては対策が施されないままの汚染源を地中に残存させてしまう恐れがある。また、通常、微生物により汚染物質が分解されるには相応の期間を要するため、例えば地下水に流れがある場合等、高濃度の汚染物質に局所的な処理を施しても地下水の流れに伴って時間経過とともに汚染物質が浄化コラム外に移動してしまい、汚染範囲を拡散させてしまう恐れもある。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、その目的は、地中の汚染物質を残すことなく浄化し、汚染物質の拡散を防止することができる汚染対策方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、汚染物質の分布を事前に調査する手順と、この事前調査の結果を基に汚染物質の高濃度分布領域を掘削し、汚染物質を分解する微生物又は微生物を活性化する栄養剤の少なくともいずれかを混合した土砂材料を前記高濃度分布領域が存在していた箇所に埋め戻し、そこに侵入してくる汚染物質を選択的に捕集し分解除去する汚染物質分解帯を形成する手順と、掘削した前記高濃度分布領域の土砂に石灰又は石灰を主成分とする薬剤を含む改良材を混合して汚染物質を浄化処理した処理土を前記汚染物質分解帯の上部に埋め戻す手順とを行うことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記汚染物質分解帯を構成する土砂材料に、汚染物質を吸着する吸着剤を混合することを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、空気又は栄養剤を注入するためのパイプを前記汚染物質分解帯又はその付近に挿入したことを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、栄養剤又は微生物を注入するためのパイプを前記汚染物質分解帯の移動方向上流側の位置に挿入したことを特徴とする。
本発明によれば、汚染物質の移動方向下流側に形成した汚染物質分解帯によって地中に残存する汚染物質を分解除去することができるので、対象とする汚染物質を残すことなく浄化し、例えば隣地等への汚染物質の拡散を確実に防止することができる。
本発明の汚染対策方法の第1実施形態の一施工例を表す縦断面図である。 図1中のII−II断面による水平断面図である。 本発明の汚染対策方法の第2実施形態の一施工例を表す縦断面図である。 図3中のIV−IV断面による水平断面図である。 本発明の汚染対策方法の第3実施形態の一施工例を表す縦断面図である。 図5中のVI−VI断面による水平断面図である。 本発明の汚染対策方法の第4実施形態の施工対象となる敷地の一例の縦断面図である。 本発明の汚染対策方法の第4実施形態の一施工例を表す縦断面図である。 本発明の汚染対策方法の第5実施形態の施工対象となる敷地の一例の縦断面図である。 本発明の汚染対策方法の第5実施形態の汚染対策方法の施工手順の説明図である。 本発明の汚染対策方法の第5実施形態の汚染対策方法の施工手順の説明図である。 本発明の汚染対策方法の第5実施形態の汚染対策方法の施工手順の説明図である。 本発明の汚染対策方法の第6実施形態の施工対象となる敷地の一例の縦断面図、及び本発明の汚染対策方法の第6実施形態の一施工例の縦断面図である。 本発明の土壌汚染対策方法を施工するのに好適な装置の一例である掘削重機の全体構造を表す斜視図である。 本発明の土壌汚染対策方法を施工するのに好適なシステムの一例の要部を抽出して表したブロック図である。 本発明の土壌汚染対策方法を施工するのに好適なシステムの一例の全体構造を表す側面図である。 本発明の土壌汚染対策方法を施工するのに好適なシステムの一例を構成する土質改良機に備えられた篩装置及びホッパ近傍の詳細構造を表す側面図である。 本発明の土壌汚染対策方法を施工するのに好適なシステムの一例を構成する土質改良機に備えられた搬送コンベアの下流側近傍の詳細構造を表す図である。 本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適なシステムの他の例の全体構造を表す側面図である。 本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適なシステムのさらに他の例の全体構造を表す側面図である。
以下、図面を用いて本発明の汚染対策方法の実施形態について説明する。
図1は本発明の汚染対策方法の第1実施形態の一施工例を表す縦断面図、図2は図1中のII−II断面による水平断面図である。
図1においては、例えばガソリンスタンド(又は油槽所等)aから汚染物質b(この場合ガソリンや灯油等の石油系油分(石油系炭化水素))が漏洩し、ガソリンスタンドaの敷地c内の土壌に拡散した場合をモデルとして表している。
現在、ガソリンスタンドは日本全国で約5万箇所存在するが、古い時期に開業したものが多く、開業して20〜40年程度が経過しているものも少なくない。このような背景もあり、図1において、隣地dでの建造物eの建築工事やガソリンスタンドaそのものの増改築等が行われたり地震に見舞われたりするとガソリンスタンドaが建てられた敷地cの地盤にストレスがかかる。このような状態で、例えば老朽化によって埋設した図示しないタンクや配管に亀裂が入ると、亀裂に圧力がかかってピンホールが生じ、このピンホールを介して石油系の油分(汚染物質b)が図示したように漏洩することがある。
ガソリンスタンドaの配管やタンクは砂質系の土砂によって埋設されることが多く、汚染物質bが漏洩すると、図1に示す如く地下水位fまで砂質系の土砂中を汚染物質bが流下する。そして、石油系油分からなる汚染物質bは、比重が水より小さいため地下水の流れに沿って拡散する。この過程において、土壌に汚染物質bが浸透して土壌汚染が生じたり地下水に混入して地下水汚染が生じたりする。
ガソリンスタンドaから漏出した汚染物質bには、通常、土壌汚染対策法における指定有害物質であるベンゼン(規制値:溶出量0.01mg/L)や、地下水汚染防止法における要監視項目であるトルエン(基準値:0.6mg/L)、キシレン(基準値:0.4mg/L)等が含まれている。こうした汚染物質bは、漏洩経路の土壌や地下水位f付近に高濃度で分布するが、比重が水より小さくしかも揮発し易いため、地下水位fから上下に所定距離(例えば1m程度)の高さ範囲にもガス状体として低濃度で分布する。そして、高濃度分布領域gの汚染物質bは、地下水の流れに伴って移動し低濃度分布領域hへと移行し、時間経過とともに拡散していく。
地下水の移動速度は周囲土壌の土質(透水係数)や水頭差(水位勾配)、地層勾配等によって異なるが、例えば砂質系の土砂であれば年間数十メートル移動することもある。このため、図1に示したように地下水が隣地dに向かって移動するようであれば、汚染物質bが漏洩した後の汚染対策が遅れると隣地dにまで汚染物質bが侵入してしまう危険性がある。この場合、隣地dにまで汚染物質bが拡散してしまうと、敷地cの所有者にとって隣地dでの汚染対策は困難であり隣地dの持ち主に多大な負担をかけてしまうため、隣地dにまで汚染物質bが拡散する前に敷地c内で汚染対策を施さなければならない。
そこで本実施形態の汚染対策方法では、汚染物質bの分布、土質、地層の勾配、及び地下水の水位勾配等を事前に調査する手順と、その事前調査の結果から汚染物質bの移動方向を検討する手順と、検討した汚染物質bの移動方向を基にして、汚染物質bを分解する微生物又は微生物を活性化する栄養剤の少なくともいずれかを混合した土砂材料を汚染物質bの存在範囲の下流側に埋め戻し、そこに侵入(移動)してくる汚染物質bを選択的に捕集し分解除去する汚染物質分解帯iを形成する手順とを行う。
汚染物質分解帯iは、汚染物質bの下流側に配置すれば良いが、図1に示したように、敷地cにおいて地下水の流れ方向下流側に隣接する隣地dとの境界jの付近に設けることが好ましい。汚染物質分解帯iの形状については厳密に限定されるものではないが、本実施形態のように汚染物質bの移動方向下流側で汚染物質bを待ち受けて分解除去する場合には、例えば汚染物質bの移動方向にほぼ直交するように隣地dとの境界jに沿って帯状に設けることが好ましく、図2に示したように水平断面で見てコの字状に形成しても良い。
但し、汚染物質分解帯iに到達するまでに拡大され得る汚染物質bの拡散範囲を事前調査の結果と汚染源から汚染物質分解帯iまでの距離とを十分に考慮に入れ、汚染物質分解帯iに導かれずに隣地dに侵入する汚染物質bが生じないように、汚染物質分解帯iの長さや深さを十分に事前検討しておく必要がある。深さの具体例としては、例えば地中に残存する汚染物質bの存在領域の高さ範囲(本実施形態の場合、地下水位fの上下の高さ範囲、例えば地下水位fの上下1m程度)をカバーするように汚染物質分解体iを形成することが好ましい。
なお、汚染物質bの移動方向が特定できない場合等は、汚染源の周囲を取り囲むようにして汚染物質分解帯iを周状に形成しても良い。要は、時間経過とともに移動する汚染物質bの移動方向下流側の位置で全ての汚染物質bが汚染物質分解帯iに導かれるように汚染物質分解帯iを形成しても良い。
汚染物質分解帯iは汚染物質bを分解する微生物(バクテリア)又は微生物を活性化させる栄養剤の少なくともいずれかを混合した土砂材料からなり、言い換えれば油分分解能を有する微生物の含有量を高めた土砂、若しくはそこに存在する微生物を活性化した土砂である。そのため、汚染物質分解帯iを地下水に干渉するような位置関係で配置しても、実際には地下水は遮断されることはなく汚染物質分解帯iを通過する。つまり、地下水により移送される汚染物質bのみが汚染物質分解帯iを通過する際に微生物によって選択的に捕集され分解除去されるようになっている。なお、地中に埋め戻して汚染物質分解帯iを構成する土砂材料は、必要に応じ、微生物材料や栄養剤等と混合し後、所定期間(たとえば1日程度)養生してから埋め戻す。
また、汚染レベルにもよるが、汚染物質分解帯iで分解除去しきれずに一部の汚染物質bが汚染物質分解帯iを通過してしまうようなことがないように、調査した結果、汚染物質(汚染源)の汚染レベルがあまり高い場合には、高濃度分布領域gを別途掘削しておくことが好ましい。掘削した高濃度分布領域gの土壌は、例えば石灰又は石灰を主成分とする薬剤を含む改良材を混合して水和反応熱により汚染物質bを揮発除去した上で掘削箇所に埋め戻す。また、掘削した高濃度分布領域gの土壌を場外に持ち出して最終処分場にて処理し、清浄な土壌を新たに掘削場所に埋め戻しても構わない。
また、汚染物質分解帯iに生息させる微生物は、元来その土壌に生息していた油分分解能を有するものでも前述したような新たに混合する別の微生物材料でも良いが、好ましくは好気性微生物が用いられる。また、汚染物質分解帯iには、一種類の微生物を生息させるよりも異なる機能を有する複数種類の微生物を生息させる方が相乗的な効果が期待されて好ましい。
このように複数種類の微生物を生息させることで、例えば石油・コールタール・有機汚泥等の重いタール質の炭化水素や、例えばガソリン・軽油等の精製された炭化水素物質が混じり合った汚染物質bを対象とする場合、加速度的な代謝能力が発揮される。また、微生物の機能としては、例えばフェノール系炭化水素の分解、たんぱく質・でんぷん・セルロースの分解、高脂肪・グリースの分解、油分解酵素の生産等も挙げられる。
現在市販されている微生物材料の一例としては、「バクテリアGT1000−HC(商品名)/バイオジェネシス社製」等が挙げられる。汚染物質分解帯iにおける「GT1000−HC」の配合割合は、許容範囲内であれば、敷地cの土壌における汚染物質bの濃度が高いほど高くすることが好ましい。汚染物質分解帯iにおける微生物の配合割合が低すぎると土壌の浄化が十分に進行せず、必要以上に多いと浄化は十分に進行するが不経済である。土壌中の汚染物質bの含有量にもよるが、通常、土壌1mに対し50g〜200g程度の微生物を生息させるように考慮することが好ましい。
また、微生物による汚染物質bの分解作用を強化するために、汚染物質分解帯iの土壌に栄養剤を添加する場合、添加する栄養剤としては、市販のもので構わないが、窒素・リン酸・カリウムの混合されたものを用いることが望ましい。窒素源としては、例えば塩化アンモニウム・硫酸アンモニウム・硝酸アンモニウム等が好ましく用いられる。リン酸源としては、例えばリン酸塩・過リン酸塩・メタリン酸塩・ポリリン酸塩等が好ましく用いられる。また、カリウム源としては、例えば塩化カリウム・炭酸カリウム等を配合したものが好ましく用いられる。
なお、本発明の汚染物質分解帯に栄養剤を添加する場合、その栄養剤の窒秦・リン酸・カリウムの割合の一例は、概ね10:10:10〜25:15:15程度であり、窒素成分割合を比較的多めに配合することが好ましい。また、汚染物質分解帯iにおける栄養剤の添加量は、許容範囲内であれば多い程好ましい。具体的には、敷地cの土壌の汚染レベルにもよるが、50〜200g/m程度が好ましい値として挙げられる。
さらに、汚染レベルによって上述した微生物や栄養剤のみを混合する場合よりも汚染物質bの捕集能力を強化したい場合、対象とする汚染物質を選択的に吸着する吸着剤を汚染物質分解帯iを構成する土砂材料に混合するとなお効果的である。この吸着剤としては、石油系油分を吸着するものであれば用をなすが、市販品を例にとると「オイルスポンジ(商品名)/バイオジェネシステクノロジー社製」等が挙げられる。この「オイルスポンジ」の場合、例えば土砂1m当たり3〜13.5kg程度混合することが好ましい。また、吸着剤には、油分分解能を有する微生物及びその栄養剤が配合されたものも存在するので、この種の吸着剤を用いるとさらに好適である。この他にも、例えば腐植土、コンポスト等も吸着剤として利用することができ、入手も容易である。また、必要に応じ、上記の微生物材料、栄養剤、吸着剤の他に、はく離剤を汚染物質分解帯iに混合することも考えられる。
以上のような本実施形態の汚染対策方法によれば、必要に応じて高濃度汚染分布領域の土壌を、例えば改良材と混合する等、何等かの方法で別途浄化処理する一方で、比較的低濃度の汚染物質については、その移動方向下流側に形成した汚染物質分解帯によってその後分解除去することができる。これにより、対象とする汚染物質を残すことなく浄化し、隣地等への汚染物質の拡散を確実に防止することができる。
また、汚染レベルによっては、汚染物質分解帯に吸着剤を混合し吸着剤に汚染物質を吸着保持させることにより、保持された汚染物質を十分に時間をかけて微生物に分解させることができるので、一部の汚染物質が汚染物質分解帯を通過してしまうことをより確実に防止し汚染物質の拡散をさらに万全に防止することができる。
ここで、従来、こうした汚染対策として、掘削した汚染土を廃棄物処分場、セメントエ場等に搬出し、汚染されていない材料(例えば山砂)を掘削箇所に埋め戻すといった処理が一般に行われてきた。しかし、汚染土を汚染現場外に搬出し処分するには費用がかかり(例えば4〜10万円/m)、汚染現場外に持ち出して処理する汚染土は実際には特に汚染濃度の高いものに限られていた。そのため、汚染現場には低濃度の汚染源が残り、状況によっては地下水に汚染が残存することがあった。このような場合、従来においては、汚染現場をボーリングして汚染された地下水を揚水し水処理を施すことで一般に対処されてきた。
しかしながらこの方法では、汚染物質が残存した地下水の揚水設備を長期間設置しておかなければならないため、費用も高くつき、土地の利用計画によってその土地を即時的に再利用する場合や売却する場合等には採用することができなかった。
それに対し、本実施形態においては、仮に汚染レベルが高く高濃度汚染分布領域に対し予め汚染対策する必要があるにしても、掘削して最終処分場へ持ち出す場合はもちろんのこと、上記した改良材と混合して汚染物質を蒸散除去させる場合でも施工期間は短期間であり、即時的に土地の再利用に移行することが可能である。本実施形態においては、汚染物質分解帯にて対応可能なレベルの汚染が土壌中に残存していても、何等かの施工を継続的に行う必要はなく施工後はそのまま放置しておけば、残存した汚染物質は移動して汚染物質分解帯に達した際に分解除去される。汚染物質分解帯そのものも土砂であるため、施工後は速やかに敷地の一部として取り扱い可能である。つまり残存した汚染物質が分解除去された後で改めて汚染物質分解帯を撤去する必要はないので、汚染物質分解帯を形成したら、その後速やかに汚染物質分解帯の上に建造物を建設しても何等問題はない。したがって、汚染対策を迅速に施工終了させ、土地を即時的に再利用したり売却したりすることができる。
また、本汚染土壌対策方法は、栄養剤を与えて元々生息していた微生物を活性化する、微生物そのものをさらに添加する、又は微生物及び栄養剤を添加する等の方法によって、単に油分分解能を強化した土砂で構成される汚染物質分解帯を形成するものであるため、施工コストも極めて安価である。
また、本実施形態における汚染物質分解帯の代わりに矢板や不透水性の物質を汚染物質の移動方向下流側の土壌中にフェンス状に埋め込むことによって、隣地に流出しようとする汚染物質を堰き止め、堰き止めた汚染物質を微生物により分解することも一つの方策として考えられる。
しかしながらこの場合には、地下水の流れも堰き止められてしまい、堰き止められた地下水がフェンスを乗り越えて溢れ出すのに伴って汚染物質もフェンスを越えて流出してしまう恐れがある。仮にフェンスを周状に形成し汚染源の周囲を取り囲むように配置したとしても、汚染物質は地下水とともにフェンスの下側からも漏出する恐れがある。
それに対し、本実施形態において、汚染物質分解帯は土砂により形成されているので、地下水の流れを阻害することなく汚染物質分解帯に侵入した汚染物質のみを捕集して分解除去するので、汚染物質分解帯を乗り越えて汚染物質が漏出することもなく確実な汚染対策を施すことができる。
また以上に加え、本実施形態においては、単に汚染物質の移動方向下流側の土壌に微生物又はその栄養剤の少なくともいずれかを混合した汚染物質分解帯を形成するだけであるので、最低限、例えば油圧ショベル等といった掘削重機さえあれば施工可能である。汚染レベルによって高濃度汚染分布領域を掘削する必要がある場合でも掘削重機さえあれば足り、掘削した汚染土に改良材を混合し埋め戻すことも掘削重機で行える。土砂に微生物や栄養剤、吸着剤、改良材等を混合する際、より均一な混合処理が要求される場合には混合装置を使用することが望ましいが、この場合であっても混合装置さえ別途用意すれば足りる。
このように、特別な装置や大掛かりな装置を必要とせず、しかも掘削重機や混合装置といった一般的な設備さえあれば施工可能であることも本実施形態の大きなメリットである。
なお、本実施形態の汚染対策方法を施工するのに使用する設備については図面を用いて後述する。
図3は本発明の汚染対策方法の第2実施形態の一施工例を表す縦断面図、図4は図3中のIV−IV断面による水平断面図である。なお、これらの図において図1及び図2と同様の部分については同符号を付し説明を省略する。
図3及び図4に示したように、本実施形態が前述した本発明の第1実施形態と相違する点は、空気又は栄養剤(若しくはその両方)を注入するパイプkを汚染物質分解帯i又はその近傍に挿入した点であり、その他の施工方法に関しては本発明の第1実施形態と同様である。
パイプkの側面には、複数の穴を設けておき、これら穴を介して汚染物質分解帯i又はその近傍の土砂がパイプk内の空間と接触するようになっている。そして、汚染物質分解帯iに生息する微生物に空気を供給する場合、例えばコンプレッサ等の空気供給源(図示せず)をパイプkに接続し、パイプkの側面に設けた複数の穴を介して空気が吹き出すように構成する。なお、パイプkの長さや形状は特に限定されるものではないが、例えば汚染物質分解帯iの深さと同程度の長さで一般的なストレートの鋼管を用いれば足りる。勿論、曲管でも構わない。
但し、このように空気供給源を接続して積極的にパイプkから空気が吹き出すようにしなくても、単にパイプkを縦方向に差し込んで汚染物質分解帯i又はその近傍の土壌がパイプk内の空気と接触するようにしておくだけでも微生物への酸素供給の効果は期待できる。
また、パイプkは、微生物への空気供給のためだけでなく、汚染物質分解帯iに生息する微生物に栄養剤を供給するために用いても良い。この場合には、単にパイプkに栄養剤を流し込んでパイプkの側面の穴から汚染物質分解帯iに栄養剤が滲出するようにしても良いし、栄養剤を貯留したタンク(図示せず)をパイプkに接続しタンク内の栄養剤がパイプkを介して適宜汚染物質分解帯iの土壌中に滲出するようにしても良い。
なお、空気や栄養剤に限らず、例えば微生物材料をパイプkから汚染物質分解帯iに注入し、汚染物質分解帯iに微生物を補填するようにしても構わない。この場合、微生物を担持した流体をパイプkに供給しても良いし、場合によっては固形の微生物担体を注入しても良い。
本実施形態によれば、図1及び図2に示した本発明の第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、パイプkを介して汚染物質分解帯iの土壌中に空気や栄養剤を供給することにより、汚染物質分解帯iに生息する微生物がより一層活性化され、汚染物質bの分解を促進させることができる。微生物材料をパイプkにより補填する場合も、汚染物質分解帯i中の微生物の個体数を増加させて汚染物質bの分解作用を向上させることができる。
図5は本発明の汚染対策方法の第3実施形態の一施工例を表す縦断面図、図6は図5中のVI−VI断面による水平断面図である。なお、これらの図において先の各図と同様の部分については同符号を付し説明を省略する。
本実施形態が図3及び図4を用いて先に説明した本発明の第2実施形態と相違する点は、汚染物質bの移動方向において汚染物質分解帯iの上流側の位置に栄養剤又は微生物材料(若しくはその両方)を注入するパイプlを設けた点であり、その他の施工方法に関しては本発明の第2実施形態と同様である。
パイプlは汚染物質分解帯iに挿入したパイプkと同様のものであるが、その長さや配置、設置数については、汚染物質bの濃度や移動方向、土質等の事前調査結果を考慮して決定する。図5及び図6においては、上方から見てコの字状に形成した汚染物質分解帯iの入口部分を覆うように複数のパイプlを配置した例を図示している。
本実施形態において、パイプlから栄養剤を注入すれば、パイプl付近から下流側の土壌に生息する微生物に栄養剤が行き渡り、その範囲に生息する微生物を活性化することができるので、汚染物質分解帯iに到達する前に汚染物質bを積極的に分解しその濃度を予め低下させておくことができる。また、パイプlから微生物材料を注入することにより、パイプl付近の微生物の個体数を増加させることができるので、同様にして汚染物質分解帯iに到達する前に汚染物質bを積極的に分解しその濃度を予め低下させておくことができる。勿論、こうした汚染物質分解帯iに到達するまでの前処理的な効果のみならず、本実施形態によれば、図3及び図4を用いて先に説明した本発明の第2実施形態と同様の効果を得ることもできる。
なお、栄養剤や微生物材料に限定されず、例えばパイプlから空気を供給するようにしても微生物の活性化につながり、上記と同じ様な効果を期待することができる。また、パイプkを併用するのではなく、パイプlのみを単独で用いても効果が得られる。
図7は、本発明の汚染対策方法の第4実施形態の施工対象となる敷地の一例の縦断面図である。なお、この図7において先の各図と同様の部分については同符号を付し説明を省略する。
図7には、表層からローム層m、粘土層n、砂質層oの順に地層が形成された敷地cにおいて、埋設した配管pから汚染物質b(重油系の油分)が漏洩した例を示している。各層m,n,oは、少なくとも敷地cとその隣地dとの境界付近においては隣地dから敷地cに向かって下り傾斜の地層勾配となっており、地下水位は砂質層oより下部に位置しているものとする。
このような敷地cにおいて、漏洩した汚染物質bは配管pからローム層m中をほぼ真下に流下し、粘土層nに到達したところでローム層mと粘土層nとの境界部に沿って水平方向に広がっている。汚染物質bは漏洩経路及びローム層mと粘土層nとの境界部付近に液体として存在し高濃度分布領域gを形成している。また、この高濃度分布領域gの周囲には、ガス状体としてローム層m中に拡散した汚染物質bが低濃度分布領域hを広範囲に形成しており、その一部が隣地dにまで侵入している。
図8は、図7に示した敷地cに対する本発明の汚染対策方法の第4実施形態の一施工例を表す縦断面図である。なお、この図8において先の各図と同様の部分については同符号を付し説明を省略する。
図8では、敷地c内において汚染物質bが浸透したローム層mの全体と粘土層nの上層部分を掘削し、石灰又は石灰を主成分とした改良材を混合して汚染物質bを蒸散させて除去した後、この処理土を埋め戻して処理土層qを形成することで、自らの敷地c内の汚染物質bを除去する。
このとき、前述したように汚染物質bの低濃度分布領域hが隣地dに拡散しているため、単に汚染領域を処理土層qに置換しただけでは、その後、地層勾配によって隣地dから敷地c内に低濃度分布領域hの汚染物質bが戻ってくる可能性がある。つまり、敷地c内の汚染物質bが除去されたことにより、汚染物質bの移動方向が地層勾配によって隣地dから敷地cに向かう可能性がある。
このような場合には、隣地dに拡散させてしまった汚染物質bを自らの敷地c内で分解除去できる可能性があり、そのために敷地c内における汚染物質bの移動方向下流側に、好ましくは敷地cにおける隣地dとの境界jに沿って帯状に汚染物質分解帯iを形成する。その際、図7及び図8に例示した地形において、汚染物質bはローム層mと粘土層nとの境界部付近、言い換えれば粘土層n上を移動する可能性が高い。そのため、図8に示したように粘土層nに近付くにつれ(つまり下方に行くほど)汚染物質bの移動方向に厚みを増すように汚染物質分解帯iを形成することが好ましい。したがって、実際の施工では、掘削箇所に処理土を埋め戻す前に図8に示したような汚染物質分解帯iを形成しておき、汚染物質分解帯iを形成した後、残りの空間部分に処理土層qを形成することになる。
以上のように、本実施形態も汚染物質bの移動方向下流側に汚染物質分解帯iを形成することにより汚染物質bを捕集して確実に分解除去し汚染拡散を防止することができることに変わりはないが、特に本実施形態のような場合には、隣地dに拡散させてしまった汚染物質を分解除去することができるとともに、敷地cの再汚染を未然に防止することができる。
また、自らの敷地に汚染がある場合に限らず、隣地に汚染の疑いがある場合に隣地との境界付近に汚染物質分解帯を形成しておけば、隣地からの汚染物質の侵入を未然に防止することができる。例えば隣地の工場にテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等のVOC(揮発性有機化合物)の使用履歴及び漏洩の可能性がある場合、自らの敷地をいくら浄化しても隣地から自らの敷地に汚染物質が侵入する恐れがある。このような場合に事前に隣地との境界に汚染物質分解帯を形成しておくことは、汚染防止の観点において極めて有効である。言うまでもないが、このように自らの敷地に汚染がない場合、図8で説明したように処理土層を形成する工程は不要であり、汚染物質分解帯を形成するのみで十分である。
また、本実施形態においても、汚染物質分解帯に吸着剤を混合したり、前述した本発明の第2及び図3実施形態で説明したようにパイプk,l等を使用したりすると、一層効果的である。
図9は、本発明の汚染対策方法の第5実施形態の施工対象となる敷地の一例の縦断面図である。なお、この図9において先の各図と同様の部分については同符号を付し説明を省略する。
前述したように、ガソリンスタンド(又は油槽所等)aから汚染物質bが漏洩した場合、地下水位fの周辺に汚染物質bが集中する。図9に示した例では、漏洩からさほど時間が経過していない場合をモデルとしており、汚染物質bの漏洩範囲は比較的狭いものとする。
このような場合を対象として、本実施形態においては、処理対象となる敷地cにおける汚染物質bの分布を事前に調査する手順と、調査した汚染物質bの分布を基に汚染物質bの高濃度分布領域gを掘削し、汚染物質bを分解する微生物又は微生物を活性化する栄養剤の少なくともいずれかを混合して高濃度分布領域gが存在していた箇所に埋め戻し、侵入(移動)してくる汚染物質bを選択的に捕集し分解除去する汚染物質分解帯iを形成する手順と、掘削した土壌に石灰又は石灰を主成分とする薬剤を含む改良材を混合した処理土を汚染物質分解帯iの上部に埋め戻す手順とを行う。
以下、図10乃至図12を用いて本実施形態の汚染対策方法の施工手順を説明する。
敷地cにおける汚染物質bの分布を事前調査して図9のような汚染分布が確認されたら、まず、図10に示したように、高濃度分布領域gを中心に敷地cを掘削する。このとき、低濃度分布領域hの全てをカバーするように掘削すると掘削量が多大になるため、高濃度分布領域gの全体がカバーされる程度に掘削する。そして、その掘削土のうち、汚染物質bを含有していない清浄土(表面付近の土壌、表土)は所定の箇所に仮置きしておき、汚染物質bを含有した汚染土(高濃度分布領域g及び低濃度分布領域hの土壌)については、石灰又は石灰を主成分とした改良材と混合し、水和反応熱によって汚染物質bを蒸散させて浄化処理する。この処理土は、清浄土とは別に仮置きしておき、必要に応じて所定期間養生する。
また、掘削領域rへの周囲土壌からの滲出水は、必要に応じ、図示しない揚水手段(例えば釜場等)を作り汲み上げてばっきした後、汚染物質bの含有量の分析結果が環境規制値を満たしていることを確認した上で放流する。
次に、仮置きしておいた清浄土の一部に、油分分解能を有する微生物又はその栄養剤の少なくともいずれかと共に必要に応じて吸着剤を添加混合して汚染物質分解帯を構成する土砂材料を作成し、図11に示したように、掘削前に高濃度分布領域gが存在していた箇所、言い換えれば残存する低濃度分布領域hの近傍位置に、作成した土砂材料を埋め戻して汚染物質分解帯iを形成する。
図11のように汚染物質分解帯iを形成したら、図12に示したように、仮置きしておいた処理土を汚染物質分解帯iの上部に埋め戻して処理土層qを形成し、続いて残りの清浄土を処理土層qの上部に埋め戻して覆土層sを形成し、各層i,q,sにより掘削領域rを層状に埋めて施工完了する。
本実施形態においては、汚染物質bの高濃度分布領域gを中心に掘削したことにより、掘削後、掘削領域rの周囲に残存する掘削し切れなかった低濃度分布領域hからの汚染水が掘削領域rに浸入してくる。そこで、残存する汚染物質bが侵入してくる箇所に位置するように掘削領域rに汚染物質分解帯iを形成することにより、地中に残存する汚染物質bを残らず分解除去することができ、汚染拡散を防止することができる。
つまり、前述した各実施形態は、土質や地層勾配、水位勾配等によって形成される汚染物質bの移動方向を分析し、汚染物質bの移動方向下流側に汚染物質分解帯iを配置したが、本例では、汚染範囲の中心をなす高濃度分布領域gを掘削することにより、その周囲に掘削されずに残存する汚染物質bが掘削領域rに侵入するように、汚染物質bの流れを積極的に形成させるものである。このことは、前述した各実施形態が自然に移動してくる汚染物質bを待ち受けて汚染物質分解帯iにより分解除去する例であったのに対し、本例は、汚染物質bの流れを意図的に形成し汚染物質分解帯iに呼び込む例と言える。
勿論、本実施形態においても、前述した本発明の第2及び図3実施形態で説明したようにパイプk,l等を使用したりすると、一層効果的である。
また、本実施形態において、高濃度汚染領域gの汚染レベルが高い場合には、前述したように、汚染土を石灰又は石灰を主成分とする薬剤を含む改良材と混合し汚染物質bを概ね蒸散除去した後、油分分解能を有する微生物を担持した微生物材料等を処理土に混合し暫く養生した後、処理土層qに埋め戻すようにしても良い。このようにすることで、より確実に汚染物質bを除去できる。またこの場合、処理土層qにおいても、掘削領域rに侵入してくる汚染物質bが分解除去することができる。さらに、石灰系の改良材を混合したことにより処理土のpHは上昇しているため、実際には環境に対して無害であるが土地の持ち主等に悪い心象を抱かせる可能性がある。しかしながら、このように汚染物質を分解する機能を処理土に持たせることにより、心象面も改善され埋め戻し易くなる。
図13(a)は本発明の汚染対策方法の第6実施形態の施工対象となる敷地の一例の縦断面図、図13(b)は本発明の汚染対策方法の第6実施形態の一施工例の縦断面図である。なお、これら図13(a)及び図13(b)において先の各図と同様の部分については同符号を付し説明を省略する。
図9乃至図12を用いて先に説明した本発明の第5実施形態では、汚染物質分解帯i、処理土層q、覆土層sを形成する掘削領域rの全領域を掘削して地上に仮置きしたが、本実施形態においては、汚染物質分解帯iを形成する土壌のうちの一部を仮置きすることなく、原位置で微生物や栄養剤等と混合し汚染物質分解帯iを形成する施工例を説明する。
すなわち、図13(a)において、まず掘削領域rのうちの汚染のない表層土t、その下部の低濃度分布領域hを一部含んだ低濃度汚染土u、及びさらにその下部の高濃度分布領域gの全領域と低濃度分布領域hとからなる高濃度汚染土vをそれぞれ掘削し、別々に仮置きする。
次に、掘削した低濃度汚染土uを微生物や栄養剤等とともに掘削領域rに投入して、例えば地上の油圧ショベル等によって掘削領域rの最下部にある低濃度汚染土wと一緒に混合し、図13(b)に示すように原位置で汚染物質分解帯iを形成する。その後の施工は第5実施形態と同様であり、汚染物質分解帯iを形成する工程と前後して(又は並行して)仮置きした高濃度汚染土vを改良材と混合して汚染物質bを除去しておき、その処理土を汚染物質分解帯iの上部に投入して処理土層qを形成する。そして、最後に表土層tを処理土層qの上部に覆土して覆土層sを形成し施工を完了する。
本実施形態によれば、第5実施形態と同様の効果が得られることは勿論であるが、汚染物質分解帯iを構成する土壌の仮置き工程を省略することができるので、施工時間を短縮することができ、なおかつ処理スペースを縮小することもできる。本実施形態は、例えば地下水位fが比較的高い場合等、高濃度分布領域gが高位置に存在する場合に有効である。
なお、本実施形態においては、低濃度汚染土u,wで汚染物質分解帯iを形成したが、勿論、清浄土で汚染物質分解帯iを形成しても良い。汚染物質bの存在具合によって掘削土の処理は異なる場合もある。また、言うまでもないが、本実施形態においても、汚染物質分解帯iに吸着剤を混合したり、前述した本発明の第2及び図3実施形態で説明したようにパイプk,l等を使用したりすると、一層効果的である。
次に、以上に説明した本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適な装置及びシステムの例を幾つか図面を用いて説明する。
図14は、本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適な装置の一例である掘削重機の全体構造を表す斜視図である。
図14には掘削重機の代表例として油圧ショベルを示してある。この図14に示した油圧ショベル100は、無限軌道履帯101を備えた走行装置102と、この走行装置102の上部に旋回可能に設けた旋回体103と、この旋回体103に回動自在に接続された多関節型の作業装置とを備えている。作業装置は、旋回体103に基端部が枢支されたブーム104と、このブーム104に回動自在に接続されたアーム105と、このアーム105に回動自在に接続されたバケット106により構成されている。
このような構成により、油圧ショベル100は、必要に応じて自力走行する一方、土砂等をバケット106内にすくい込み、所定の箇所に集積したり他の装置に供給したりする。また、作業装置を適宜操作して土砂等をバケット106で攪拌する場合等にも用いられる。
前述した本発明の土壌汚染対策の各実施形態における作業例を説明すると、例えば前述した第1乃至第3実施形態において、油圧ショベル100は、汚染物質分解帯を形成する箇所に帯状の溝Xを掘削して形成する作業や、またその掘削土砂に微生物や栄養剤等を混合した汚染物質分解帯の土砂材料を溝Xに埋め戻して汚染物質分解帯を形成する作業を行うことができる。勿論、その他の実施形態において汚染物質分解帯を形成する作業にも用いられる。また言うまでもないが、各実施形態において、汚染物質の高濃度分布領域を掘削する作業、掘削した汚染土を改良材と混合し処理土を生成する作業、処理土を掘削箇所に埋め戻す作業、覆土する作業等にも使用可能である。
すなわち、汚染現場の規模にもよるが、前述したように、最低限、油圧ショベル100さえあれば、前述した本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工することが可能であり、油圧ショベル100のみで各実施形態を施工する場合、土壌汚染対策に必要な装置を極めて少数かつコンパクトなものとすることができる。また、走行装置102を備えているので、場内を自在に走行可能であり、トレーラ等に対する積み下ろしもクレーン等を用いずに自力で行うことができる点も大きなメリットである。また、それ自体が場所をとらずしかも自由に移動できるため、レイアウト性にも極めて優れ、特に狭隘な作業現場においてその利便性は高い。
図15は本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適なシステムの一例の要部を抽出して表したブロック図、図16はその全体構造を表す側面図である。
本システムは、掘削した土砂に微生物や栄養剤、また適宜吸着剤等を混合し、汚染物質分解帯の土砂材料を生成する作業や、掘削した汚染土に改良材を混合し汚染物質を揮発除去させる浄化処理の作業に適用される。
なお、以下の説明において、微生物(微生物材料)・栄養剤・吸着剤・改良材等といった作業に応じて土砂に添加する添加剤については、適宜添加剤と総称する場合がある。
図15及び図16に示したシステムは、掘削した土砂を投入する土砂供給手段として用いる上記油圧ショベル100と、油圧ショベル100により投入された土砂を添加剤と混合処理する土質改良機200とで構成されている。
上記油圧ショベル100は図14に示したものと同様であるためここでは説明を省略する。なお、本例において、土質改良機200に土砂を供給する手段として、油圧ショベル100を用いたが、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア等で代替しても構わない。この場合、ホッパ等の貯留手段を備え、所定量の土砂を貯留し、この土砂を連続的に搬送することができる構成とするとより好ましい。
土質改良機200は、図16に示すように、走行装置45、この走行装置45上の本体フレーム10、篩装置3、ホッパ4、搬送コンベア5、栄養剤供給装置6(図15参照)、混合装置7、添加剤供給装置39、排出コンベア8、動力装置9を備えている
走行装置45は、上記本体フレーム10の下部に連設したトラックフレーム46と、このトラックフレーム46の両端に設けた従動輪(アイドラ)47及び駆動輪48と、これら従動輪47及び駆動輪48に掛け回した無限軌道履帯49と、駆動輪48に直結した駆動装置50とで構成されている。
図17は、上記篩装置3及びホッパ4近傍の詳細構造を表す側面図である。
篩装置3は、例えば油圧ショベル等により掘削された処理対象土砂を受け入れ、解砕しつつその粒度に応じて分級(選別)する解砕分級手段の役割を果たすものである。11はこの篩装置3の本体を構成する枠体で、この枠体11は、上記本体フレーム10上に支持ポスト12を介して設けられた支持部材13にばね14を介して弾性的に支持されている。15はこの枠体11内に装着された格子部材、16はこの格子部材15の振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラムで、この回転ドラム16は、図示しない駆動装置により回転駆動する。17は篩装置3上部に設けたいわゆるあおりである。
ホッパ4は、土砂を受け入れる受入手段として設けた枠状の部材で、その下端部が搬送コンベア5の傾斜角に応じて傾斜するように、上端部が支持部材13に固定されている。また、篩装置3を通過した土砂を確実に受け入れて搬送コンベア5の搬送ベルト24(後述、図18参照)上に導くため、上方拡開形状となっている。ホッパ4の上部開口部の寸法は、その長手方向、幅方向ともに篩装置3の枠体11よりも大きく、また、下端の幅は、上記搬送ベルト24の幅よりも小さくなっている。
18はホッパ4内に設けたアーチブレーカで、このアーチブレーカ18は、ホッパ4に対して両端が回転自在に支持された回転軸19と、この回転軸19に取り付けた複数の攪拌棒20と、回転軸19の端部(図17中右端)に直結した駆動装置21とを備えている。
上記搬送コンベア5は、ホッパ4により受け入れた土砂を混合装置7に搬送する搬送手段の役割を果たすものであり、図15及び図16に示すように、本体フレーム10の前方側(図16中左側)端部に搭載されている。また、この搬送コンベア5は、ホッパ4の下方から下流側(図16中右側)に向かって僅かに上り傾斜(好ましくはほぼ水平)に延在している。
図18は、この搬送コンベア5の下流側近傍の詳細構造を表す図である。この図18において、22はこの搬送コンベア5のコンベアフレーム、23はこのコンベアフレーム22の下流側(図18中右側)端部に支持された駆動輪で、この駆動輪23と、コンベアフレーム22の上流側(図18中左端)端部に支持された従動輪(図示せず)との間に搬送ベルト24が巻回されている。この構成により、搬送コンベア5は駆動輪23を図示しない駆動装置で回転駆動させ搬送ベルト24を循環駆動させる。このとき、図18に示すように、ホッパ4の下流側壁面には、所定開口面積の開口4aが設けられており、搬送コンベア5により搬送される土砂は、この開口4aを介してホッパ4外へ一定量ずつ切り出される。また、特に図示していないが、土砂のスリップ防止のために搬送ベルト24の搬送面にいわゆるラグを突設することが好ましい。25はホッパ4外に切り出された土砂が搬送コンベア5からこぼれ落ちないようにする規制板である。
前述した栄養剤供給装置6は液状の栄養剤を供給するものであり、栄養剤散布用の複数の穴を側面に有する供給管27(詳細は後述)を備えている。この供給管27は搬送コンベア5の規制板25及び混合装置7の入口35に掛け渡したフレーム26に支持されている。そして、図16では図示省略しているが、先の図15に示すように、本システムには供給管27に栄養剤を供給するポンプユニット28が備えられている。
ポンプユニット28は、栄養剤を貯留した貯留タンク29と、貯留タンク29内に貯留した栄養剤を吐出するポンプ30と、貯留タンク29と供給管27を接続する接続管路32と、この接続管路32に設けた開閉弁33とを備えている。なお、このポンプユニット28は、土質改良機200と別構成としても一体構成としても良い。
図15及び図16において、上記添加剤供給装置39は、微生物材料や吸着剤、或いは改良材等といった粉末状の添加剤を貯留する貯留タンク40と、この貯留タンク40内の添加剤を下方に導出するフィーダ41とで構成されている。
貯留タンク40は、有底筒形の下部タンク部42と、その上部に連接した蛇腹状の上部タンク部43と、この上部タンク部43の上部カバー44とで構成されている。このように上部タンク部43を蛇腹状に構成することにより、貯留タンク40を上下に伸縮させられるようになっており、例えば土質改良機200を輸送時等に貯留タンク40を縮めて、全高が輸送制限をクリアする高さにできるよう配慮されている。
上記フィーダ41は、いわゆるロータリフィーダで、繁雑防止のため特に図示しないが、回転軸に複数の隔壁を放射状に突設したロータを内蔵しており、貯留タンク40から各隔壁間の空間に導入された添加剤を、搬送コンベア5上の土砂に順次添加するようになっている。但し、本実施形態においては、このフィーダ41をロータリフィーダとしたが、これに限らずスクリューフィーダとしても良い。
上記混合装置7は、上記本体フレーム10の長手方向(図16中左右方向)ほぼ中央上に取付けられ、その一方側(図16中の左側)上部に土砂及び添加剤の入口35(図18参照)を、他方側(図16中の右側)下部に処理土の図示しない出口を備えている。繁雑防止のため図示していないが、混合装置7の内部には、ほぼ平行に設けた少なくとも1つのパドルミキサが備えられており、パドルミキサによって、導入された土砂及び添加剤を均一に攪拌して混合処理しつつ出口側に移送し、処理土を出口から導出する。36はパドルミキサを駆動する駆動装置である。
排出コンベア8は、混合装置7から排出された処理土を搬送し機外に排出する排出手段であり、混合装置7の図示しない出口の下方から他方側(図16中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置7の駆動装置36下方辺りから上り傾斜に延在している。37は排出コンベア8のフレームで、このコンベアフレーム37は、図示しない支持部材により動力装置9や本体フレーム10等から支持されている。
動力装置9は、特に図示しないが、以上説明してきた各機器の駆動装置の動力源としてのエンジン、このエンジンにより駆動する油圧ポンプ、この油圧ポンプから各機器の駆動装置に供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等を内蔵したもので、本体フレーム10の長手方向他方側(図16中の右側)端部に支持部材38を介して支持されている。
次に、本システムの動作を説明する。
まず、油圧ショベル100によって掘削した土砂を土質改良機200の篩装置3に投入すると、大きな石やレキ等が格子部材15で除去され、格子部材15を通過した土砂成分がホッパ4へと導入される。この分級により、土砂の粒度分布の均一化が図られ添加剤と混合し易い大きさとされる。また格子部材15が振動することにより、格子部材15の目より大きな土塊は跳ね上げられ、格子部材15上に再び落下する。こうした動作を繰り返すことにより、その際の衝撃や格子部材15の網(またはブレードでも良い)のエッジ効果により土塊が解砕され、格子15の目よりも小さくなったものがホッパ4へ導入される。
ホッパ4内の土砂は、アーチブレーカ18によって攪拌・解砕されて架橋防止されつつ搬送コンベア5上に載置される。こうして搬送コンベア5上に載置された土砂は、ホッパ4の開口4a(図18参照)を介してホッパ4外に一定量ずつ切り出される。搬送コンベア5により混合装置7に搬送される土砂には、栄養剤供給装置6や添加剤供給装置39によって添加剤が供給される。
このとき、本システムにより、掘削した土砂に微生物や栄養剤、また適宜吸着剤等を混合し、汚染物質分解帯の土砂材料を生成する作業を行う場合、栄養剤供給装置6により栄養剤を供給し、添加剤供給装置39によって微生物や吸着剤を供給する。栄養剤を添加しない場合は、添加剤供給装置39のみを作動させれば良く、貯留タンク40に微生物材料を貯留しておき、必要であれば吸着剤を微生物材料に混合しておく。また、液体の微生物担体を用いれば、栄養剤供給装置6によって微生物を供給することも可能である。逆に、栄養剤のみを添加する場合は栄養剤供給装置6のみを作動させれば良いし、吸着剤を加える場合には貯留タンク40に吸着剤を貯留しておき、栄養剤供給装置6、添加剤供給装置39によってそれぞれ栄養剤と吸着剤を供給する。
一方、掘削した汚染土に改良材を混合し汚染物質を揮発除去させる浄化処理の作業に本システムを用いる場合には、栄養剤供給装置6は停止させ、添加剤供給装置39によって改良材を供給すれば良い。この場合には、栄養剤供給装置6は省略しても構わない。
上記のようにして混合装置7へ導入された土砂は、添加剤とともに混合装置7内で均一に攪拌混合される。混合装置7によって混合処理された処理土(又は汚染物質分解帯の土砂材料)は、排出コンベア8上に導出され搬送コンベア8によって搬送されて機外に排出される。そして、土質改良機200から排出された処理土(又は汚染物質分解帯の土砂材料)は、油圧ショベル100によって所定の箇所に埋め戻される。
本システムを用いれば、混合装置7により均一に土砂が攪拌されるので、掘削した土砂に微生物や栄養剤、また適宜吸着剤等を混合し、汚染物質分解帯の土砂材料を生成する作業や、掘削した汚染土に改良材を混合し汚染物質を揮発除去させ処理土を生成する浄化処理の作業の作業性が、油圧ショベル100により混合する場合に比べて向上し、なおかつ十分に土砂と添加剤とを混合することができる。
また、本システムにおいても、土質改良機200が自走機能を有しているので、システムのレイアウト変更、現場内での移動、輸送等が容易である。また、油圧ショベル100と土質改良機200のみでシステムが構成されるので、システムそのものもコンパクトである。したがって、汚染現場のスペースを有効に利用してシステムを構築でき、なおかつシステムの搬入・搬出、分解・組立の手間もかからず、高い作業性が確保され施工期間の短縮にもつながる。
さらに、本システムでは、土質改良機200を油圧ショベル100の後段に配置したが、土質改良機200に代えて単なる定置式の混合装置を採用しても、土砂と添加剤との混合状態の均一性の効果は確保できる。この場合には、さらにシステムをコンパクト化することができる。
図19は、本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適なシステムの他の例の全体構造を表す側面図である。なお、この図19において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図19に示すように、本システムは、土砂投入用の油圧ショベル100と、受け入れた土砂に添加剤を混合処理する2台の土質改良機200,300とで構成されている。本例においても、土質改良機200に土砂を供給する手段として、油圧ショベル100に代え、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア等で代替しても構わない。
本システムは、主に汚染物質分解帯の土砂材料を生成するのに用いられ、例えば、複数の添加剤、すなわち栄養剤、微生物材料、吸着剤、またその他に必要に応じてはく離剤等を添加する場合に、2台の土質改良機200,300で混合する添加剤の種類を分ける場合等に好適である。2台の土質改良機200,300で混合する添加剤の種類分けは限定されず、どのような組み合わせに添加剤を分けても構わない。
また、土質改良機300の主要な構成は、土質改良機200と同様であり、図19において、土質改良機200と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。但し、後段の土質改良機300においては、前段の土質改良機200において篩装置3で礫等が除去されるので、本システムでは、土質改良機300の篩装置3は省略してある。また、土質改良機200,300において、栄養剤供給装置6、添加剤供給装置39のいずれかを使用しない場合は、それらを省略した構成としても良い。
以下、例として、前段の土質改良機200で栄養剤及び微生物材料を土砂に混合した後、後段の土質改良機300でさらに吸着剤を混合し、これにより汚染物質分解帯を構成する土砂材料を生成する場合の本システムの動作を説明する。
この場合、まず油圧ショベル100により掘削した土砂を土質改良機200の篩装置3に投入する。篩装置3に投入された土砂は、ホッパ4に導かれてアーチブレーカ18により攪拌され、搬送コンベア5を介して搬送される。その途中、栄養剤供給装置6及び添加剤供給装置39によってそれぞれ栄養剤及び微生物材料を添加され、混合装置7に導入される。そして、土砂は栄養剤及び微生物材料とともに混合装置7内で均一に混合され、排出コンベア8を介して土質改良機300に供給される。
土質改良機300のホッパ4に受け入れられた土質改良機200からの混合土は、搬送コンベア5により搬送され、添加剤供給装置39からの吸着剤とともに混合装置7に導入される。混合装置7内に導入された混合土はパドルミキサによって吸着剤とともに均一に攪拌混合され、汚染物質分解帯を構成する土砂材料となって排出コンベア8上に導出される。そして、その土砂材料は排出コンベア8上によって機外に搬出され、油圧ショベル100によって所定箇所に埋め戻されて汚染物質分解帯を形成する。
本実施形態においても、図16に示したシステムとほぼ同様の効果を得るとともに、2台の土質改良機200,300を用いて2工程に分けて土砂を添加剤と混合するので、より均一な混合状態の土砂材料を作成することができる。勿論、本例においても、土砂を均一に攪拌する限りにおいては、必ずしも土質改良機200,300を用いなくても、単に2台の混合装置を用い、それらに対象土砂を添加剤とともに投入して混合処理を行うようにしても良い。
図20は、本発明の土壌汚染対策方法の各実施形態を施工するのに好適なシステムのさらに他の例の全体構造を表す側面図である。なお、この図20において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図20に示した本システムは図19にシステムと相違する点は、土質改良機200,300の間に、混合土供給装置250を配置した点であり、その他の点については図19のシステムと同様である。
なお、本システムにおいても、土質改良機200に土砂を供給する手段として、油圧ショベル100に代え、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア等で代替しても構わない。また、土質改良機200,300を単なる混合装置に代えても良い。
図20において、混合土供給装置250は、土質改良機200から混合土を受け入れ一時貯留する貯留容器としてのホッパ251と、このホッパ251内の混合土を土質改良機300に供給する供給手段としてのコンベア252とを有している。ホッパ251は、土質改良機200,300のホッパ4とほぼ同様の構成で、アーチブレーカ253を備えている。254はコンベア252を支持する支持部材であり、本システムでは混合土供給装置250を定置式の設備としているが、支持部材254に代えてコンベア252の下部を車体(走行装置)で支持した公知の自走式コンベアにアーチブレーカ253付きのホッパ251を備えたものとしても良い。
本システムにおいても、図16や図19に示したシステムとほぼ同様の効果が得られるとともに、混合土供給装置250を追加したことにより、土質改良機200からの混合土を更に攪拌し、土砂と添加剤とを更に均一に攪拌混合することができる。
なお、図15乃至図20で説明した3例のシステムにおいて、パドルミキサを有する混合装置で土砂を混合処理する場合を説明したが、混合装置の構成や種類には特に限定はなく、必ずしも混合装置を用いずとも例えばスクリュミキサ等といった他のタイプの混合装置を用いても良いし、スタビライザ等の混合手段も適用可能である。さらには、必ずしも機械による混合に限らず、処理土量によっては人手により土砂を混合しも構わない。
更に、以上において、油圧ショベル100、土質改良機200,300の走行装置45,102は、無限軌道履帯49,101を備えたクローラ式のものであったが、これにも限らず、いわゆるホイール式の走行装置であっても良い。また、特に必要がなければ、土質改良機200,300の走行装置45は省略しても良い。さらに、土質改良機200の篩装置3やあおり17も不要であれば省略可能であり、逆に必要であれば土質改良機300に篩装置3やあおり17を設けても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
b 汚染物質
i 汚染物質分解帯
j 境界
g 高濃度分布領域
k,l パイプ
q 処理土層

Claims (4)

  1. 汚染物質の分布を事前に調査する手順と、
    この事前調査の結果を基に汚染物質の高濃度分布領域を掘削し、汚染物質を分解する微生物又は微生物を活性化する栄養剤の少なくともいずれかを混合した土砂材料を前記高濃度分布領域が存在していた箇所に埋め戻し、そこに侵入してくる汚染物質を選択的に捕集し分解除去する汚染物質分解帯を形成する手順と、
    掘削した前記高濃度分布領域の土砂に石灰又は石灰を主成分とする薬剤を含む改良材を混合して汚染物質を浄化処理した処理土を前記汚染物質分解帯の上部に埋め戻す手順と
    を行うことを特徴とする汚染対策方法。
  2. 前記汚染物質分解帯を構成する土砂材料に、汚染物質を吸着する吸着剤を混合することを特徴とする請求項1に記載の汚染対策方法。
  3. 空気又は栄養剤を注入するためのパイプを前記汚染物質分解帯又はその付近に挿入したことを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染対策方法。
  4. 栄養剤又は微生物を注入するためのパイプを前記汚染物質分解帯の移動方向上流側の位置に挿入したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の汚染対策方法。
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