JP2006263503A - 有機性廃水の処理設備と処理方法 - Google Patents

有機性廃水の処理設備と処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生物処理槽の内部に固定濾床を設けた有機性廃水の処理設備と処理方法に関し、活性汚泥法固定濾床方式や接触曝気法の生物処理では難しいといわれていた、比表面積の高い濾材を使用し、濾材充填率を多くし、設備のBOD容積負荷を大きくしてBOD除去能率を上げながら、汚泥による内部の閉塞問題を解決し、手間のかかる逆洗浄工程を省き、さらに余剰汚泥の生成がほとんどない状態で廃水を清浄化することのできる有機性廃水の処理設備と処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも2以上の生物処理槽を備えた有機性廃水の処理設備であって、前記少なくとも2以上の生物処理槽の容量総計に対し、少なくとも1/2以上の容量相当分の生物処理槽に固定濾床4を設置し、該固定濾床4の濾材8は、比表面積が60〜100m2/m3となるように形成され、且つ前記固定濾床4が設置された生物処理槽の槽容積に対する濾材8の充填率が70〜90容量%となるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は有機性廃水の処理設備と処理方法、さらに詳しくは、少なくとも1以上の生物処理槽を備え、その生物処理槽の内部に固定濾床を設けた有機性廃水の処理設備と処理方法に関する。
有機性廃水の処理設備として、内部に固定濾床を設けた水処理方式としては、嫌気性濾床法、好気性濾床法、接触酸化法、活性汚泥法固定濾床方式等が知られている。
嫌気性濾床法は、たとえば下記非特許文献1に記載されている。すなわち非特許文献1の第58頁第13行目〜第16行目に「嫌気濾床槽の機能は、流入汚水中に含まれている固形物の分離と、分離した固形物等を一定期間貯留することである。さらに嫌気濾床槽の特徴は、槽内に濾材を充填することにより、固形物の分離に際し、傾斜板効果や濾過効果が期待できるとともに、濾材表面の嫌気性生物膜の働きによってBODの除去と、汚泥の減量化も期待できることである」と嫌気性濾床法の利点が記載されている。
その一方で、前記非特許文献1の同頁第17行目〜第19行目には「ただしBOD除去に関しては、充填する濾材の種類や使用条件によっては、安定した除去効果が認めているが、構造基準上、嫌気濾床槽におけるBOD除去率は0%として取り扱われている。
」と記載されている。また、その理由として「構造基準では充填する濾材の種類に関する具体的な規定は示されていないこと、及び使用条件の変動幅が著しいため、接触曝気槽の設計上は、除去率を見込まない方が安全である」ことも記載されている。
実際、嫌気濾床設備からの処理水のBOD値は高く、好気性処理の前処理として前段に設ける等によって、嫌気濾床法の処理水を直接に河川放流することは不可能である。
浄化槽の維持管理第2編(財団法人日本環境整備教育センター発行)
また好気性濾床法については、たとえば下記非特許文献2に記載されている。すなわち非特許文献2の第241頁第12行目〜第13行目には「好気性微生物の吸着作用、生物分解作用、濾材間を流下することによる物理的濾過作業が相乗し、短時間に良好な処理水が得られる」等の利点が記載されている。そして、この好気性濾床法では、容積負荷を最大2kgBOD/m3・日と上げながら、小石等の濾材を緻密に敷きつめた構造で、濾材密度が高い状況で処理を行うことが可能である。
しかし好気性濾床法によれば、全体を好気性に保つ必要があり、且つ内部に汚泥や生物膜が成長して閉塞し易いので、その汚泥の剥離のために、作業としては煩雑な逆洗工程を、通常は1日に1回程度等、頻繁に行う必要があり、さらにその逆洗水を別途沈降分離にかける必要があるので、原水の流入処理に問題があり、その上に汚泥が大量に生成するので、脱水処理等の手間等が多くかかり、汚泥処理費用もかさむ等の種々の問題点があった。
下水道施設計画・設計指針と解説(社団法人日本下水道協会編)
さらに、接触酸化法についても上記非特許文献2に記載されている。すなわち非特許文献2の第237頁第25行目〜第26行目には「比表面積の大きな接触材を採用し、付着生物量を多量に保持することにより、流入基質の変動に柔軟に対応することができる」等の利点が記載されている。しかし、非特許文献2の記載によれば、BOD容積負荷は0.3kg/m3・日程度を基準とし、固定濾床である接触材充填率は55%程度とすることとされている等が記載されており、さらに濾材が汚泥で閉塞する可能性や逆洗設備の必要性も記載されている。
浄化槽でも、この接触酸化法と同様な方法によるものがあり、上記非特許文献1の第84頁〜第99頁に接触曝気法として説明されている。非特許文献1の第89頁には、小型合併処理浄化槽では、BOD容積負荷が0.5kg/m3・日以下(告示第2)であり、より大きな合併処理浄化槽ではBOD容積負荷が0.3kg/m3・日以下(告示第3、第6)とされていることが記載され、さらに第91頁には、これらの浄化槽に用いられる接触材の充填率については、小型合併処理浄化槽ではおおむね55%とし、合併処理浄化槽では55%以上とすることが記載されている。
このように、接触酸化法や接触曝気法で接触材充填率を55%以上とすることができるのは、上記のように容積負荷が非常に低い範囲でのみ可能であり、その範囲においても生物膜や汚泥が接触材内部に堆積され、閉塞することがある。このため非特許文献1には、逆洗の設備の記載があり、逆洗方法についての注意が細かくなされており、さらには逆洗後に濾材から剥離して槽内に溜まった汚泥の移送の設備や方法等も記載されている。
上記のように、接触酸化法や接触曝気法では、週1〜2回等、逆洗を定期的に行う必要があり、且つ汚泥の閉塞を回避するために、BOD容積負荷や接触材の充填率を下げなければならない問題があり、これらの制限による結果、処理量が低下することとなり、これを防止するために、大型の設備処理が必要となっていた。さらに逆洗後に槽内から移送された汚泥の沈降分離と、その汚泥の系外への引き抜き、凝集脱水やその汚泥の廃棄等の手間を要することとなり、その分、コストもかかることとなっていた。
また通常の活性汚泥方式に類似する方式であって、浮遊する汚泥濃度をたとえば2000mg/l以上と比較的に高くし、且つ濾材も設置する方式を、固定濾床方式、活性汚泥方式と称する場合もあるが、これらの方式では、接触曝気方式以上に汚泥が閉塞し易いために、濾材の形状を、閉塞が生じにくい「リボン状」、「ひも状」或いは「へちま状」等に形成して比表面積が60m2/m3以下と低いものを使用し、且つ濾材の充填率も下げなければならなかった。
さらに、散気方法については、下方から気泡が濾材に当るようにし、或いは散気の水流で濾材を洗う等、汚泥で閉塞しないように、及び内部全体が腐敗しないように、種々の工夫がなされている。しかし、この方法は濾材の表面積が低いという条件があり、且つ濾材の充填率も下げ、また汚泥濃度が高くなるので、その濃度に応じた大きな沈殿槽が必要となり、標準的な活性汚泥法の設備や運転条件に似たものとなる。
接触曝気方式や固定濾床方式では、濾材に汚泥が堆積し、且つその汚泥が内部での気泡発生等によって濾材から剥離するようなことがしばしば生じ、汚泥濃度が急激に変わって汚泥が沈殿槽からあふれ出すこともあり、運転条件の対応を細かくする必要があった。そのために、汚泥の沈降性や処理状況を監視し、運転法の対応を行い、生成汚泥の引き抜きや脱水処理等で煩雑な作業を伴っていた。
濾材を用いた処理設備では、その濾材の上に乗っている汚泥が処理の根幹であり、濾材の比表面積、濾材の充填率を上げればより効率的な処理が可能となる。しかしながら、従来の設備や方法では、その濾材上の汚泥の堆積による閉塞という決定的な問題を抱えるために、BODの容積負荷を下げ、或いは濾材の比表面積や充填率を下げる等の必要があり、且つ定期的な逆洗が必要とされる等の煩雑な作業を必要とし、或いは高濃度の汚泥界面を維持するための監視や運転操作を必要とし、さらには汚泥の引き抜きや脱水、汚泥の廃棄等の問題をも生じさせているので、水処理の作業が厄介なものになっている。
本発明は、以上のような問題点をすべて解決するためになされたもので、有機性廃水の処理設備において、活性汚泥法固定濾床方式や接触曝気法の生物処理では難しいといわれていた、比表面積の高い濾材を使用し、濾材充填率を多くし、設備のBOD容積負荷を大きくしてBOD除去能率を上げながら、汚泥による内部の閉塞問題を解決し、手間のかかる逆洗浄工程を省き、さらに余剰汚泥の生成がほとんどない状態で廃水を清浄化することのできる有機性廃水の処理設備と処理方法を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために有機性廃水の処理設備と処理方法としてなされたもので、有機性排水の処理設備に係る請求項1記載の発明は、少なくとも2以上の生物処理槽を備えた有機性廃水の処理設備であって、前記少なくとも2以上の生物処理槽の容量総計に対し、少なくとも1/2以上の容量相当分の生物処理槽に固定濾床4を設置し、該固定濾床4の濾材8は、比表面積が60〜100m2/m3となるように形成され、且つ前記固定濾床4が設置された生物処理槽の槽容積に対する濾材8の充填率が70〜90容量%となるように構成されていることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機性廃水の処理設備において、固定濾床4が設置された生物処理槽及び固定濾床4が設置されていない生物処理槽の全槽に対する容量負荷が0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日となるように構成されていることを特徴とする。さらに請求項3際の発明は、請求項1記載の有機性廃水の処理設備において、濾材8が骨格様球状濾材であることを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の有機性廃水の処理設備において、固定濾床4を具備した生物処理槽内で、固定濾床4が存在しない水層部分において散気を行なうとともに、散気泡が前記固定濾床4内の濾材8に直接当たらないように前記固定濾床4に散気泡遮断壁5が設けられていることを特徴とする。さらに
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の有機性廃水の処理設備において、少なくとも2以上の生物処理槽のうち、最前段側の生物処理槽は、固定濾床4が具備されていない好気性曝気槽1であり、該好気性曝気槽1の後段側に固定濾床4を具備した生物処理槽が設けられていることを特徴とする。さらに請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の有機性廃水の処理設備において、固定濾床4を具備した生物処理槽が4段以上設けられていることを特徴とする。
さらに、有機性廃水の処理方法に係る請求項7記載の発明は、少なくとも2以上の生物処理槽を備えた有機性廃水の処理設備で有機性廃水を処理する有機性廃水の処理方法であって、前記少なくとも2以上の生物処理槽の容量総計に対し、少なくとも1/2以上の容量相当分の生物処理槽に固定濾床4を設置し、該固定濾床4の濾材8は、比表面積が60〜100m2/m3となるように形成し、且つ前記固定濾床4が設置された生物処理槽の槽容積に対する濾材8の充填率を70〜90容量%とした状態で有機性廃水を処理することを特徴とする。
さらに請求項8記載の発明は、請求項7記載の有機性廃水の処理方法において、固定濾床4が設置された生物処理槽及び固定濾床4が設置されていない生物処理槽の全槽に対する容量負荷が、0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日となるように処理することを特徴とする。さらに請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の有機性廃水の処理方法において、固定濾床4の内部に蓄積された汚泥の酸化還元電位が−350mV以下となるよう汚泥を嫌気消化させながら、該固定濾床4の周辺の水層部において曝気攪拌して酸化力によって廃水を処理することを特徴とする。
汚泥の堆積では汚泥の状況が大きく変わらない限り、その閉塞は妨げられないが、多少でも酸素を含んだ好気性の状況下では、汚泥はほとんど変化しない。多く堆積してくる汚泥を嫌気消化するまでの条件にすれば、汚泥は嫌気分解による液化現象(従来知られているような低分子酸への分解)や嫌気消化による汚泥の減容化現象により、汚泥の閉塞から免れることができる。しかし、中途半端な嫌気条件では汚泥の液化現象はある程度起こるがどろどろになる腐敗状況に近く、通常はバルキング現象等が発生し、処理水が悪化する等の弊害が生じていた。
そのために、請求項1記載の発明及び請求項7記載の発明では、上記非特許文献1や非特許文献2に開示されているような従来の常識的な条件とはかけはなれた条件を設定し、嫌気状況を強く促進することによって、固定濾床や接触曝気の濾材の上に堆積した汚泥を、従来のような弊害を発生させることなく、液化させ或いは減容化させることを
可能としたのである。
請求項1記載の発明及び請求項7記載の発明において、濾材の比表面積を60〜100m2/m3としたのは、比表面積が60m2/m3未満であると、汚泥の蓄積が十分できないので、嫌気条件が発生しにくいからであり、また比表面積が100m2/m3を超えると、汚泥の閉塞が生ずるおそれがあるからである。
また生物処理槽の槽容積に対する濾材の充填率を70〜90容量%としたのは、濾材の充填率を、従来の非特許文献1や非特許文献2に開示されている設定値よりも多い70容量%以上にすることによって、多くの汚泥をためることができるようにするためであり、また90容量%以下としたのは、濾材周囲の水層部において曝気攪拌の必要が生じ得ること、90容量%を超えると汚泥の閉塞等のおそれも生じ得ること等を考慮したためである。ここで「生物処理槽の槽容積に対する」とは、前段側の好気性曝気槽等は除外し、全処理槽中の少なくとも1/2以上を占有する主体の処理槽である固定濾床を設置した生物処理槽のみを対象とした計算値である。
さらに、固定濾床4が設置された生物処理槽及び固定濾床4が設置されていない生物処理槽の全槽に対する容量負荷は、0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日となるように設定するのが好ましい。容量負荷が0.6kgBOD/m3・日未満であると、固定濾床の内部において酸素不足の状態が大きくならないので、嫌気消化を起こすことが必ずしも容易ではなく、中途半端な状態となって固定濾床が閉塞するおそれがあるからであり、また2.5kg/m3・日以上になると、処理が難しくなるおそれがあるからである。ただし容量負荷が0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日の範囲外の状態で処理を行なうことも可能ではある。
このBOD容積負荷には、流入する原水を貯蔵したり、原水変動を防ぐための原水槽は除外し、上述のような固定濾床を具備する生物処理槽と、その固定濾床を具備する生物処理槽の前段側に設けた好気性曝気槽のような生物処理槽は含めている。従って、固定濾床を具備する生物処理槽だけで算出すれば容積負荷は高くなり、1kg/m3・日前後、或いはそれ以上と、通常の接触曝気と比較して2倍から4倍と高くなっている。流入する負荷が高くなると、本発明の設備での処理水のBOD値が高めになっているので、BOD容積負荷で2kg/m3・日に近くなる場合は処理水を下水道放流するような設備に適している。
濾材の形状は特に限定されるものではないが、たとえば紐状やリボン状のものは内部で強い嫌気状況が得られ難く、好ましいものではない。また蓄積した汚泥は、内部からメタン等の気泡が発生して度々その場所から離れるので、剥離した汚泥を濾材が受け止められるような形状、たとえば上向きの皿構造を持つような形状のものは好適に使用できるが、小円筒状のような深い受け皿状のものは汚泥の流動性が良くなっても、その汚泥が動き難く、濾材の内部に溜まり易いので、汚泥の閉塞が生じ易く、好ましい形状ではない。このような観点からは、請求項3記載の骨格様球状濾材のようなものや、その形に類似した形状を持つものが好ましい。同じような効果を持つ濾材であれば、たとえば正八面体や正十二面体若しくは鞍形形状のような形状の濾材も使用することができる。
また、固定濾床4の周囲の水層部はある程度酸素を持つようにすることが好ましいので、請求項4記載のように、その水層部で散気が行なわれるが、固定濾床4の内部を強い嫌気条件にするためには、濾材8には直接散気泡をあてないことが望ましく、金属やプラスチック板等の散気泡遮断壁5を固定濾床4に設けて、濾材8と気泡とを遮断するのが好ましい。また散気によって曝気する場合でも、穏やかな攪拌をするようにして固定濾床4の内部が嫌気条件に維持されるようにする必要がある。
固定濾床を具備する生物処理槽の前段側では、溶解性BODを汚泥化すべく、多少の汚泥の存在下で原水を曝気し、酸化することが望ましく、その観点から請求項5のように好気性曝気槽1が設けられる。この好気性曝気槽1には濾材を設置してもよいが、上記のような固定濾床4を具備した生物処理槽のような充填率である必要はなく、70%よりはるかに少ない量でもよい。また経済性の観点からは、このような好気性曝気槽1は濾材がない槽でもよい。濾材を設ける場合であっても、槽全体に占める容量は多くとも1/2以下にすべきであり、この容量を大きくし過ぎると汚泥の酸化が多くなり、後段の生物処理槽における固定濾床内での嫌気消化が生じ難くなる。
本発明においては、汚泥を固定濾床4の内部で嫌気分解したものが一部排出され、途中での処理水のBOD値を高める場合があるので、固定濾床4を具備する生物処理槽を多段にして処理することが好ましい。具体的には請求項6に記載のように4段以上の生物処理槽を設けることが好ましく、6段以上にすることがより好ましい。固定濾床を具備する生物処理槽を多段に設ける場合、最終段の生物処理槽においても、わずかに汚泥やSSが残存するが、最終段の生物処理槽における汚泥濃度は高くないので、固定濾床を具備していなくても小さな分離槽があればよい。そのような分離槽から1日に数回〜数十回汚泥若しくは少量を連続的に前記好気性曝気槽1に返送して再利用することも可能である。この場合は、分離槽で分離された汚泥が、好気性曝気槽1への種汚泥となる。
また実質的に排出されるべき汚泥はほとんどないことになる。
尚、このような分離槽の後段側に、最終仕上げとして、主体の生物処理槽よりかなり小さな容積の、固定濾床を具備した処理槽を設置することもできる。
固定濾床4の内部を嫌気状態にするためには、メタン発生域とされる酸化還元電位値の−350mV以下であることが望ましいが、通常は内部状況を計測しにくく、固定濾床4においてメタンが発生する形跡があれば十分である。尚、メタンの発生は、曝気を停止し、数分後に下から発生している気泡を溜めて内容を分析することで確認することができる。
本発明が対象とする廃水の種類は特に限定されず、種々の製造工場の廃水、食品加工廃水、集落廃水、浄化槽廃水、畜産関係の廃水等に本発明を適用することができる。
上述のように、本発明においては、固定濾床における濾材の比表面積を60〜100m2/m3とするとともに濾材の充填率を70〜90容量%とすることによって、多くの汚泥をためることができ、それによって固定濾床の内部において酸素不足の状態を大きくすることができ、その結果、嫌気消化を容易に起こす条件にすることが可能となり、通常であれば閉塞するはずの固定濾床が、逆洗をすることなく、閉塞を生じさせずに順調に設備を運転することができるようになり、且つ余剰汚泥の生成をほとんど生じさせることなしに清浄な処理水を得ることができるという効果がある。
また、従来の接触曝気法と比較して、BOD容積負荷が2倍以上かけられるので、従来の半分以下の設備でより効率的な処理ができることななり、設備建設のコストを従来に比べて大幅に低減することができ、余剰汚泥もほとんど排出しないので、設備の運転費用も大幅に低減することが可能となった。
さらに、従来の常識的な条件とはかけはなれた条件を設定し、嫌気状況を強く促進することによって、固定濾床や接触曝気の濾材の上に堆積した汚泥を、従来のような弊害を発生させることなく、液化させ或いは減容化させることが可能となり、処理設備全体として効率的になり、実設備における稼働で汚泥の減容化も同時に図れることができるという効果がある。
このように、本発明によれば、処理効率が上がることで、処理設備が小さくなり、好気処理と嫌気処理を一部入れることで、従来の活性汚泥法では処理が難しかった廃水も処理可能となり、さらに曝気量も少なくて済むので、消費電力費も少なく、上述のように余剰汚泥の排出量もほとんどなく、その上、汚泥界面を監視する必要もなく、運転管理の手間が大幅に削減可能な設備を得ることができる。ちなみに、本発明においては、余剰汚泥が生成されないか、或いは設備から排出される汚泥の排出量が一般の活性汚泥設備で排出する汚泥量の10%以下とすることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面に従って説明する。
(実施形態1)
図1は一実施形態の有機性廃水の処理装置の概略ブロック図、図2は図1の処理設備における生物処理槽の概略斜視図である。本実施形態の有機性廃水の処理装置は、前段側の好気性曝気槽1と、計8段の生物処理槽2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2hと、最終段の分離槽3を具備して構成されている。
各生物処理槽2a、2b、…2h内には、図1及び図2に示すように、左右2箇所に固定濾床4,4がそれぞれ設けられている。この固定濾床4の側面側には、鉄板からなる散気泡遮断壁5が設けられ、その上部及び下部にステンレス製の金網6,7が設けられて構成されている。そして、この固定濾床4内には、多数の濾材8が充填されている。本実施形態においては、生物処理槽2a、2b、…2hの全体のスペースにおいて濾材8の充填率が70〜90%を占めるように多数の濾材8が固定濾床4内に充填されている。
また、それぞれの生物処理槽2a、2b、…2hのほぼ中央には、散気管9が設けられている。この散気管9の下端に設けられた散気部9aの位置は、前記散気泡遮断壁5の下端部より下方に下がらないように設定されている。設備の正面側から見た状態では、図1に示すように、各生物処理槽2a、2b、…2hのほぼ中央に1本の散気管9のみが示されているが、実際には図2に示すように3本の散気管9、9、9が前記両側の固定濾床4,4と交差する方向に併設されている。
好気性曝気槽1には固定濾床がなく、散気管9を配置しただけの構成からなる。具体的には、設備の正面側から見た状態で、図1に示すように3本の散気管9、9、9が設けられている。この好気性曝気槽1は、溶解性の有機物を微生物によって汚泥化する一般的な曝気槽で、この好気性曝気槽1に、後述する分離槽3から汚泥を間欠的に返送して種汚泥として少量投入し、原水を混合して曝気し、細菌や他の生物で構成される汚泥を形成させるのである。分離槽3にも固定濾床はなく、汚泥等の固形物と処理水との固液分離を行う一般的な沈殿分離槽である。
各生物処理槽2a、2b、…2hには、1つの生物処理槽内の被処理水を、次段の生物処理槽へ移送させる移送管10が、各生物処理槽2a、2b、…2hに跨がるように設けられている。また、このような移送管10は、前記好気性曝気槽1から最初の生物処理槽2aにかけて設けられているとともに、最終の生物処理槽2hから分離槽3にかけて設けられている。好気性曝気槽1には、原水を流入させる流入管12が設けられ、また分離槽3には、処理水を前記好気性曝気槽1に返送するための返送流路13が設けられている。
図3は、前記固定濾床4に充填される濾材8を示す斜視図である。図3に示すように、本実施形態の濾材8は、骨格様球状に形成されている。より具体的には、この濾材8は、1枚の横方向部材15と、計3枚の縦方向部材16a、16b、16cとで構成されている。これらの横方向部材15と縦方向部材16a、16b、16cとは、いずれも厚みの薄い板状のものである。
横方向部材15は、図3に示すように捩じれた鞍のような湾曲面を有して形成されており、且つ該横方向部材15には円形の孔14が穿設されている。
また計3枚の縦方向部材16a、16b、16cは、いずれも垂直方向に延びる直面を有しているが、そのうちの2枚の縦方向部材16a、16bは相互に平行に配設されており、且つ他の1枚の縦方向部材16cは、前記2枚の縦方向部材16a、16bと直交するように配設されている。そして、これら縦方向部材16a、16b、16cは、いずれも頂部が曲線状に形成されている。さらに相互に平行な2枚の縦方向部材16a、16bの両側には、該縦方向部材16a、16bと直交するようにリブ17が形成されており、また他の縦方向部材16cの略中央にも、該縦方向部材16cと直交するようにリブ18が形成されている。これらリブ17、18も、垂直方向に延びる直面を有して形成されている。さらに縦方向部材16a、16b、16cには長孔19が穿設されている。
次に、このような有機性廃水の処理設備によって有機性廃水を処理する方法について説明する。先ず、流入管12を介して原水を好気性曝気槽1内に流入させる。原水には汚泥や有機性SS等が含有されている。流入された原水は、該好気性曝気槽1内で好気的に曝気処理される。すなわち、散気管9、9、9から好気性曝気槽1内に空気が流入されて、エアレーション攪拌がなされることとなる。
次に、好気性曝気槽1内で好気的に曝気処理された被処理水は、移送管10を介して最初の生物処理槽2aへ流入される。この生物処理槽2aのほぼ中央には、散気管9が設けられているので、その散気管9の散気部9aからエアーが流入されることによって、前記生物処理槽2a内の固定濾床4以外の水層部分においていわゆるエアレーション攪拌がなされる。
この場合において、固定濾床4の側面側には散気泡遮断壁5が設けられているため、側面側からの固定濾床4内への気泡の侵入が阻止され、また散気管9の下端に設けられた散気部9aの位置は、散気泡遮断壁5の下端部より下方に下がらないように設定されているため、散気部9aから放出される気泡は散気泡遮断壁5の下端部に阻止されて下方の金網7から固定濾床4内に侵入することがないのである。
従って、固定濾床4以外の生物処理槽2a内の水層部分ではエアレーション攪拌がなされる結果、好気的な処理がなされ、また固定濾床4内への空気の侵入が上記のように阻止されるので、固定濾床4内では嫌気的な処理がなされることとなる。
この場合において、固定濾床4には多数の濾材8が生物処理槽2a内の70〜90%と非常に高い充填率を占めるように充填されているため、これら多数の濾材8に汚泥が好適に担持されることとなり、それによって有機物等の嫌気分解が促進されることとなるのである。また濾材8は、上述のように1枚の横方向部材15と、計3枚の縦方向部材16a、16b、16cとで構成されて全体が骨格様球状に形成されたものであるため、比表面積が60〜100m2/m3と大きなものとなり、これによって汚泥の担持がより好適になされて嫌気分解がより効率よく促進されることとなる。
尚、濾材の充填率は上述のように70〜90%と大きなものであり、且つ濾材の比表面積が60〜100m2/m3と大きなものであるので、本来であれば汚泥の閉塞が生じ易い。それにもかかわらず、汚泥の閉塞が生じにくいのは、上述のような条件に設定し、さらに好気性曝気槽1と生物処理槽2a〜2hとにかかる合計の容量負荷を0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日となるように設定したため、固定濾床の内部での嫌気消化が促進され、嫌気分解による汚泥の液化現象や汚泥の減容化現象が好適に生ずるからである。
上述のように、生物処理槽2aにおいては、固定濾床4以外の水層部分ではエアレーション攪拌により好気的な処理がなされ、また固定濾床4では散気泡遮断壁5によって空気の侵入が上記のように阻止されるので、固定濾床4内では嫌気的な処理がなされることとなる。特に、固定濾床4に充填された濾材8の充填率が生物処理槽2aの容積全体に対して約70〜90%と非常に多く、また濾材8の比表面積が60〜100m2/m3と大きいため、固定濾床4の内部での嫌気消化が促進され、嫌気分解による汚泥の液化現象や汚泥の減容化現象が好適に生ずることとなる。
この生物処理槽2aで処理された被処理水は、移送管10を介して次段の生物処理槽2bへ供給される。この生物処理槽2においても、上記生物処理槽2a内と同様に好気的及び嫌気的に処理がなされる。そして生物処理槽2b内においても、濾材8の充填率が生物処理槽2bに対して約70〜90%と非常に多いものであり、濾材8の比表面積が60〜100m2/m3と大きいため、固定濾床4の内部での嫌気消化が生物処理槽2a内の場合と同様に促進されることとなる。
さらに、生物処理槽2bで処理された被処理水は、移送管10を介して次段の生物処理槽2cへ供給される。この生物処理槽2cにおいても、上記生物処理槽2a、2b内と同様に好気的及び嫌気的に処理がなされる。このようにして、被処理水は生物処理槽2c、2d、2e、2f、2g、2hで同様の処理が順次なされ、最終段の生物処理槽2hからさらに分離槽3へ移送される。
分離槽3で分離された処理水は系外へ排出され、放流等される。また分離槽3で分離された汚泥等の固形物は、好気性曝気槽1へ返送されて再利用される。尚、分離槽3で分離された処理水は、系外へ排出させずに好気性曝気槽1或いは生物処理槽2aへ返送して循環させることも可能である。
本実施形態では、計8段の生物処理槽で生物処理がなされるので、処理水の水質は一層向上することとなる。
尚、本実施形態の濾材8は、上記のような3枚の縦方向部材16a、16b、16cと、捩じれた湾曲面を有する横方向部材15と、リブ17とを有して形成されているので、比表面積を60〜100m2/m3と大きくすることができ、汚泥を好適に担持することができるのであるが、また汚泥の堆積によって、多数の濾材8、8間で閉塞が生じにくい形状ともなっている。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、上記図1の実施形態の処理装置を用いて有機廃水の処理を行った。好気性曝気槽1、生物処理槽2a、2b、〜2h、及び分離槽3の全槽の有効容積は合計約14m3となるように設定した。好気性曝気槽1の容積は3m3とし、全処理槽の容量比で21%となるように設定した。
生物処理槽2a、2b、2cの3槽は、有効容量がそれぞれ1.5m3となるように設定した。また前記生物処理槽2a、2b、2cにおいて、固定濾床4が設けられた濾床部分はそれぞれ1.1m3とし、生物処理槽に対する濾床部分の容積比が72%となるように設定した。また、生物処理槽2d、2e、2fの3槽は、有効容量がそれぞれ1.3m3となるように設定した。また生物処理槽2d、2e、2fにおける濾床部分はそれぞれ1.0m3とし、生物処理槽に対する濾床部分の容積比が75%となるように設定した。
さらに生物処理槽2gは、有効容量1.1m3となるように設定し、濾床部分は0.8m3とし、生物処理槽に対する濾床部分の容積比が75%となるように設定した。さらに生物処理槽2hは、有効容量0.23m3となるように設定し、濾床部分は0.19m3とし、生物処理槽に対する濾床部分の容積比が82%となるように設定した。尚、設備全体において生物処理槽2a〜2hまでの槽が主反応槽である。
これらの生物処理槽2a〜2hでは、上記図1や図2の実施形態においても説明したが、固定濾床4が内部に設けられており、本実施例ではすべての生物処理槽2a〜2hにおいて濾材8の充填率が70%以上とされている。固定濾床4の上部における水層部分は、10〜30cmとなるようにされる。また固定濾床4の下部も水層部分とされ、このような上下の水層部分によって、図2の矢印方向に示すように水が循環するように構成されている。散気管9によって穏やかな曝気を行い、水層部では酸素がある状況にし、固定濾床4内では汚泥が堆積して且つ十分な嫌気状況になるように設定する。
分離槽3の有効容量は0.5m3に設定されている。この分離槽3の有効容量は、生物処理槽2a〜2hや好気性曝気槽1に比べると小さいが、生物処理槽2a〜2hの各槽で汚泥濃度が減少するので、この大きさで十分になっている。汚泥の減少に伴い、分離された汚泥は少量であり、本実施例では分離槽3から好気性曝気槽1へ間欠的に返送している。
濾材8としては、図3に示すような骨格球状濾材を使用した。生物処理槽2aでは、濾材の径は15cmのものを使用し、生物処理槽2b〜2fの5槽では、濾材の径は12.5cmのものを使用し、生物処理槽2g、2hでは、濾材の径は10cmのものを使用した。
本実施例の処理設備には、酢酸分が多い化学工場廃水を原水として、排水処理を行った。原水の量と水質は次のとおりである。
原水量 10m3/日
原水水質 BOD(1200mg/l)
COD(600mg/l)
SS(100mg/l)
n−ヘキサン可溶分(100mg/l)
従って、処理設備全体で割った容積負荷は、0.86kgBOD/m3・日、固定濾床槽の容積負荷では1.3kgBOD/m3・日となる。窒素とリンは定期的に補充した(BOD:N:P=100:5:0.5)。好気性曝気槽1のDO値は2〜4mg/lとし、生物処理槽2a〜2hは水層部0.5〜2mg/lとした。生物処理槽2a及び生物処理槽2cの濾材内部の測定では、ORP値では、通常−350mV〜−450mVの嫌気領域で安定しており、汚泥は黒く変色していた。
本実施例の設備は安定的に稼働し、1年以上の運転で余剰汚泥の排出は全くなかった。当初、1000mg/lあった好気性曝気槽1の汚泥濃度も1000〜1500mg/lで安定した。設備の散気を一時的に停止し、発生する気体を捕獲して分析したところ、メタンが50%、炭酸ガスが20%であった。
処理水の無機炭酸分(T−C)は平均値で80mg/lであり、炭酸分が炭酸ガス等の無機炭素として排出されていることを示している。従って、流入した有機質としての炭素分(通常はBOD量の約半分と言われる)は大気中や処理中に無機質として出ていっている状態であることが判明した。
処理水水質は平均値でBOD8mg/l、COD14mg/l、SS5mg/l、n−ヘキサン可溶分1mg/l、最大値でBOD14mg/l、COD19mg/l、SS10mg/l、n−ヘキサン可溶分2mg/lを得た。
(実施例2)
本実施例では、下水道排水用としての除害設備として上記実施形態の処理設備を用いた。処理設備は実施例1のものをそのまま用いた。糖とタンパク分が多い食品工場廃水である原水を、下水道放流の除害設備として排水処理を行った。目標BODは200mg/l以下であり、負荷を大きくして処理量を上げた状況で処理を行った。
原水の量と水質は次のとおりである。
原水量 25m3/日
原水水質 BOD(1100mg/l)
COD(500mg/l)
SS(150mg/l)
n−ヘキサン可溶分(70mg/l)
従って、処理設備全体で割った容積負荷は2kg/m3・日、固定濾床槽の容積負荷では2.6kg/m3・日となる。窒素とリンは定期的に補充した(BOD:N:P=100:4:0.3)。好気性曝気槽1のDO値は2.5mg/lとし、生物処理槽2a〜2hは水層部0.5〜1.0mg/l、生物処理槽2a及び生物処理槽2cの濾材内部の測定ではORP値は−350mV〜−500mVであり、水層部でもORP値は−50mV以下が多かった。
本実施例の設備は安定的に稼働し、1年間の運転で余剰汚泥の排出は全くなかった。好気性曝気槽1の汚泥濃度は700〜1000mg/lであった。設備の散気を一時的に停止し、発生する気体を捕獲して分析したところ、メタンが64%、炭酸ガスが15%であった。
処理水の無機炭酸分(T−C)は平均値で150mg/lであった。処理水水質は平均値でBOD150mg/l、COD250mg/l、SS100mg/l、n−ヘキサン可溶分10mg/l、最大値でBOD200mg/l、COD300mg/l、SS200mg/l、n−ヘキサン可溶分15mg/lを得た。
(実施例3)
本実施例では、実施例1、2では設けていなかった原水槽を設けた。原水槽の容積は350m3とした。原水槽の後段の好気性曝気槽に汚泥を入れて曝気し、BODを汚泥化させた。この好気性曝気槽の容量は350m3とした。また本実施例では生物処理槽を18槽設けた。そして生物処理槽の総容量を計580m3とした。さらに分離槽の容量は61m3とした。分離槽の後段に、接触曝気槽を2槽仕上げのために設置した。2槽の接触曝気槽の容量は、計50m3に設定した。計18槽の生物処理槽は、それぞれ大きさが
異なっているが、その生物処理槽中における固定濾床の容積の割合、すなわち濾材の充填率は70%以上になっている。
食品工場廃水でタンパク質が多い下記条件ものを原水とし、排水処理を行った。
原水量 350m3/日
原水水質 BOD(1600mg/l)
COD(500mg/l)
SS(400mg/l)
n−ヘキサン可溶分(150mg/l)
全窒素80mg/l
全リン4mg/l
貯蔵のための原水槽を除き、好気性曝気槽、生物処理槽、分離槽の主処理設備における容積負荷は0.6kgBOD/m3・日、生物処理槽の容積負荷は1.0kgBOD/m3・日となる。好気性曝気槽のDO値は平均で1.5mg/lとし、生物処理槽は水層部0.5〜1.0mg/l、その槽内部の濾材近辺の測定ではORP値は−350mV〜−500mVであった。
本実施例の設備は安定的に稼働し、1年の運転実績で余剰汚泥の排出は全くなかった。好気性曝気槽の汚泥濃度は1000〜2000mg/lであった。処理水水質は平均値でBOD8mg/l、COD15mg/l、SS10mg/l、n−ヘキサン可溶分1mg/lであり、最大値でBOD15mg/l、COD20mg/l、SS20mg/l、n−ヘキサン可溶分2mg/lを得た。尚、全窒素、全リンは、それぞれ15.3mg/lであった。
一実施形態としての有機性廃水の処理設備を示す概略ブロック図。 図1の処理設備における生物処理槽の概略斜視図。 図1の処理設備で用いる濾材の斜視図。
符号の説明
1…好気性曝気槽
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h…生物処理槽
3…分離槽

Claims (9)

  1. 少なくとも2以上の生物処理槽を備えた有機性廃水の処理設備であって、前記少なくとも2以上の生物処理槽の容量総計に対し、少なくとも1/2以上の容量相当分の生物処理槽に固定濾床(4)を設置し、該固定濾床(4)の濾材(8)は、比表面積が60〜100m2/m3となるように形成され、且つ前記固定濾床(4)が設置された生物処理槽の槽容積に対する濾材(8)の充填率が70〜90容量%となるように構成されていることを特徴とする有機性廃水の処理設備。
  2. 固定濾床(4)が設置された生物処理槽及び固定濾床(4)が設置されていない生物処理槽の全槽に対する容量負荷が0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日となるように構成されている請求項1記載の有機性廃水の処理設備。
  3. 濾材(8)が、骨格様球状濾材である請求項1又は2記載の有機性廃水の処理設備。
  4. 固定濾床(4)を具備した生物処理槽内で、固定濾床(4)が存在しない水層部分において散気を行なうとともに、散気泡が前記固定濾床(4)内の濾材(8)に直接当たらないように前記固定濾床(4)に散気泡遮断壁(5)が設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載の有機性廃水の処理設備。
  5. 少なくとも2以上の生物処理槽のうち、最前段側の生物処理槽は、固定濾床(4)が具備されていない好気性曝気槽(1)であり、該好気性曝気槽(1)の後段側に固定濾床(4)を具備した生物処理槽が設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載の有機性廃水の処理設備。
  6. 固定濾床(4)を具備した生物処理槽が4段以上設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の有機性廃水の処理設備。
  7. 少なくとも2以上の生物処理槽を備えた有機性廃水の処理設備で有機性廃水を処理する有機性廃水の処理方法であって、前記少なくとも2以上の生物処理槽の容量総計に対し、少なくとも1/2以上の容量相当分の生物処理槽に固定濾床(4)を設置し、該固定濾床(4)の濾材(8)は、比表面積が60〜100m2/m3となるように形成し、且つ前記固定濾床(4)が設置された生物処理槽の槽容積に対する濾材(8)の充填率を70〜90容量%とした状態で有機性廃水を処理することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
  8. 固定濾床(4)が設置された生物処理槽及び固定濾床(4)が設置されていない生物処理槽の全槽に対する容量負荷が、0.6kgBOD/m3・日〜2.5kgBOD/m3・日となるように処理する請求項7記載の有機性廃水の処理方法。
  9. 固定濾床(4)の内部に蓄積された汚泥の酸化還元電位が−350mV以下となるよう汚泥を嫌気消化させながら、該固定濾床(4)の周辺の水層部において曝気攪拌して酸化力によって廃水を処理する請求項7又は8記載の有機性廃水の処理方法。
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