以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明を実施するための最良の形態に係る画像処理装置1の概略構成を示したブロック図である。
同図において、画像処理装置1が複写機として動作する場合、スキャナ5は原稿Drから画像データを読み取り、当該画像データ(アナログ信号)をデジタルデータ(600dpi)に変換して出力する。
スキャナ補正部6は、後で述べるように、スキャナで読み取った画像データ(デジタルデータ)について、画像領域を文字・線画や写真などに分類したり、原稿画像の地肌画像を除去したり、などの画像処理を施す。
圧縮処理部7は、スキャナ補正後のY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色成分の8bit画像データを圧縮処理して、汎用バス20にデータを送出する。圧縮後の画像データは汎用バス20を通って、コントローラ2に送られる。
コントローラ2は図示しない半導体メモリ(RAM、ROM、EEPROMなど)を備えたマロコンピュータであり、送られたデータをHDDに蓄積する。なお、ここでは画像データに対し圧縮を施すとしたが、汎用バスの帯域が十分に広く、蓄積するHDD3の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。
次にコントローラ2は、HDD3の画像データを、汎用バス20を介して伸張処理部8に送出する。伸張処理部8は圧縮処理されていた画像データを元のYMCBk各8bitデータに伸張し、プリンタ補正部9に送出する。プリンタ補正部9では、γ補正処理、中間調処理などが行われ、プロッタの明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行う。ここでの階調数変換処理では、誤差拡散やディザ処理を用いて各色8bitから2bitへと画像データの変換を行う。プロッタ10はレーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、2bitの画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像を形成する。
ネットワーク100を介してPC(外部PC端末)50に画像データを配信する配信スキャナとして動作する場合は、画像データは汎用バス20を通って、コントローラ2に送られる。コントローラ2では、階調処理、フォーマット処理などが行われる。階調処理では配信スキャナ動作時のモードに従った階調変換処理を行う。フォーマット処理では、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やTIFF(Tagged Image File Format)形式への汎用画像フォーマット変換などを行う。その後、画像データはNIC(ネットワーク・インタフェース・コントローラ)4を介して外部PC端末50に配信される。
また、ネットワーク100を介して、PC50からプリントアウトするプリンタとして動作する場合、NIC4よりのデータから、画像及びプリント指示するコマンドを解析し、画像データとして、印刷できる状態にビットマップ展開して、展開したデータを圧縮してデータを蓄積する。蓄積されたデータは随時大容量の記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)3に書き込まれる。
次にコントローラ2は、HDD3の画像データを、汎用バス20を介して伸張処理部8に送出する。伸張処理部8は圧縮処理されていた画像データを元の8bitデータに伸張し、プリンタ補正部9に送出する。プリンタ補正部9では、CMYBkそれぞれ独立にγ補正処理、中間調処理などが行われ、プロッタ10の明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行う。ここでの階調数変換処理では、誤差拡散やディザ処理を用いて8bitから2bitへと画像データの変換を行う。プロッタ10はレーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、2bitの画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像Dpを形成する。
デジタル画像処理装置においては、一般に原稿をスキャナにより読み取り、画像データをデジタルデータに変換するとともに、変換して得られた処理対象画像データの画像領域(像域)を、異なる特徴を有する領域に分類(像域分離)する。そして、処理対象画像データを構成する各画素を順次注目画素として、注目画素がそのいずれの領域に属するものか、判定された結果に従い、処理対象画像データに対して種々の画像処理を施す。これにより、出力画像の画像品質が大きく向上させられる。
スキャナ補正部6について、詳細に説明する。
図2に示すように、スキャナ補正部6は、スキャナから入力した画像データimg(反射率リニア)に基づき、像域分離部61にて像域分離処理を行う。その場合の像域分離処理は、特開平2003-259115号公報に示される手法による像域分離処理であり、黒文字エッヂ領域、色エッヂ文字領域、その他(写真領域)の3つの領域に分離する。像域分離することにより、画像データに像域分離信号(黒エッヂ文字領域、色エッヂ文字領域、写真領域)が画素毎に付与される。
スキャナγ部では、画像データを反射率リニアから濃度リニアのデータに変換する。
フィルタ処理部62では、像域分離信号によりフィルタ処理を切り換える。文字領域(黒エッヂ文字と色エッヂ文字)では判読性を重視して鮮鋭化処理を行う。写真領域では、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として、エッジ量に応じて平滑化処理や鮮鋭化処理を行う。急峻なエッヂを鮮鋭化するのは、絵の中の文字を判読しやすくするためである。
色補正処理部64は、黒エッヂ文字領域以外では、R,G,Bデータを一次濃度マスキング法等でC,M,Yデータに変換する。画像データの色再現を向上させるために、C,M,Yデータの共通部分をUCR(加色除去)処理してBkデータを生成し、C,M,Y,Bkデータを出力する。ここで、黒エッヂ文字領域は、スキャナのRGB読み取り位置ずれで原稿の黒文字が色付いたり、プロッタのYMCBkのプリンタする時の重ね位置ずれがあると判読性がよくないので、黒文字領域のみ輝度に相当する信号でBk単色データ(C,M,Yは、プリントアウトしてないデータ)にて出力する。
文字γ部65では、文字部のコントラストを良くするために、色文字と黒文字にたいしてγを立たせている。
プリンタ補正部9は、図3に示すように、圧縮処理部7および伸張処理部8を経た画像データに対して、プロッタの周波数特性に応じてγ補正を行うプリンタγ部91と、ディザ処理・誤差拡散処理などの量子化を行い、階調補正を行う中間調処理部92と、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として検出するエッジ量検出部93と、を備えている。
プリンタγ部91は、プロッタの周波数特性に応じて、処理する。中間調処理部91は、プロッタの階調特性やエッジ量に応じて、ディザ処理等の量子化を行う。量子化処理をする際に黒文字信号(後述する黒文字抽出の処理)を行って、黒文字のコントラスト強調することも可能である。このことにより、文字の判読性が向上する。
コントローラ部は図4に示すように、ページメモリ21、圧縮伸張部22、出力フォーマット変換部23、入力フォーマット変換部24、データi/f部25からなる。
ここで、画像データを外部機器に出力するデータの流れを説明する。
ページメモリ21にある画像データを圧縮伸張処理部(伸張処理部と圧縮処理部とにより構成される)22にて、伸張処理部は圧縮処理されていた画像データを元の各色8bitデータに伸張し、出力フォーマット変換部23に出力する。出力フォーット変換部23では、C,M,Y,BkデータをRGBデータに色変換を行うと同時に、JPEGやTIFF形式への汎用画像フォーマット変換などを行う。データi/f部25では、出力フォーマット変換部23のデータをNIC4に出力する。
外部機器からの画像データをプロッタ10に出力するデータの流れを説明する。
部外から指示するコマンドは図示せぬCPUがコマンドを解析し、ページメモリ21に書き込む。データi/f部25は、画像データを入力フォーマット変換部24で、ビットマップデータに展開して、圧縮伸張処理部22に圧縮を行い、ページメモリ21に書き込む。入力フォーマット変換部24にて展開される画像は、JPEGやTIFFの自然画像である。
次に、出力フォーマット変換部23を図5を用いて説明する。
色変換部231、解像度変換部232、TIF(TIFF)フォーマット生成部233、Jpg(JPEG)フォーマット生成部234、圧縮フォーマット生成部235、データi/f部236からなる。
色変換部231では、YMCBkデータをRGBデータにデータ変換を行う。RGBに変換したデータを解像度変換部にて300dpi、200dpiなどの画素密度変換を行う。本実施例では300dpiで変換した場合の画素密度度で説明する。
解像度度変換した画像は、各フォーマット生成部(TIFフォーマット生成部233、jpgフォーマット生成部234、圧縮フォーマット生成部235)にて各フォーマットに変換する。データi/f部236では、NIC4に適合するフォーマットのデータを出力する。
次に、本発明の要部である圧縮フォーマット生成部235について説明する。
圧縮フォーマット生成部235は、二値化部240、二値画像生成部241、解像度変換部242、解像度変換部243、背景画像生成部244、文字画像生成部245、画像ファイル合成部246からなる。
二値化部240で、画像濃度の明暗を基本に文字領域と背景領域(非文字領域)の二値データを出力する。二値画像生成部241では、可逆変換であるMMR圧縮を行う。解像度変換部242、243では、画像データを解像度変換を行い解像度を低くする(150dpi)。更に背景生成部244では二値化部240で文字領域とされた領域の画像データを白に相当するの一定の値の画像データに書き換えることで実質的に文字を消去した上で非可逆圧縮のjpg圧縮を行う。さらに、文字画像生成部245は、二値化部240で背景領域とされた領域の画像データを一定の値の画像データに書き換えることで実質的に背景が無地の状態になるようにした上で、非可逆圧縮のjpg圧縮を行う。
背景画像に対しては文字部を一定の値のデータにするのは、一定の値にすることより圧縮が向上するからである。文字画像に関しても、背景画像を一定の値にするのも圧縮の向上のためである。解像度変換部243は、文字画像と背景画像では、文字画像は背景画像ほど解像度がいらないため、75dpi程度でも構わない。
画像ファイル合成部246では、二値画像生成部241の出力(MMR)、背景画像生成部244の出力(jpg)、文字画像生成部245の出力(jpg)の3つの画像を1ファイル化する。このときのファイル形式は、汎用フォーマット(PDFファイルなど)を用いても構わない。
二値化部240では、複数の特徴量を抽出することにより二値化を行う。その2値化処理は具体的には以下説明する通りである。その2値化処理は、逐次処理であり、1つの処理が終わると隣の画素の処理を行い、1ライン分の処理が終わると次のラインの先頭から処理を行い画像の終わりで処理を終了する処理である。
図6に2値化部240の詳細について示す。
先ず、黒文字抽出部301について説明する。
処理対象のYMCBk画像から黒文字エッヂ信号を抽出する。その場合、処理対象画像が可逆圧縮されたものであれば、Y=M=C=0(色成分が存在しない)でかつ、Bkのデータが一定の値以上(一定値より濃ければ)であれば、黒文字エッヂであると判定できることになる。しかしながら、非可逆圧縮を行った場合黒文字エッヂがY=M=C=0になるとは限らないため、YMCの値がすべて一定値以下(一定値より薄ければ)であれば、黒文字エッヂであると見なすようにする。
次に、解像度変換部302について説明する。
処理対象のYMCBk画像の解像度と同じ解像度の黒文字画像になるように、抽出した黒文字エッヂ信号に対して解像度変換(300dpi)を施す。それにより、黒文字画像が判定部312に入力される。
次に3×3フィルタ部303について説明する。
図5の色変換部231,解像度変換部232を経て3×3フィルタ部303に入力されたRGB画像データは、RGB各色の画像データにおいて各色文字の特徴を抽出するために画像を強調するRGBそれぞれについての3×3のフィルタ処理が施される。
次に2値化部304について説明する。
3×3フィルタ部303から入力される、RGB各色の文字特徴強調済みの各画像データにおいて、RGB差の小さいデータ(Bk)は、所定のしきい値thaBkより値が大きい時は、黒文字として、RGB差の小さくないデータYMCBGRの6色相に色を分けて色相ごとにしきい値(thay、tham、thac、thab、thag、thar)を分けて、2値化処理を行い、色の濃いものをアクティブ画素(文字)として2値化処理を行う。色相ごとにしきい値を分けるのは、YMCBkの入力画像(原稿)の最大濃度が異なるで、色相ごと変える必要があるためである。さらにBkのしきい値も同様の理由でしきい値を分けている。色相の分け方は、単純にRGBの大小関係で行ってもよいし、RGBの色の割合で決めてもよい。これは入力画像の特性により決まる。
次に第1文字検出部305について説明する。
2値化部304から出力される2値画像データを構成するアクティブ画素(画像データの内容を積極的に表現する画素)に対してパターンマッチング行う。
図11に示すような3×3画素パターンの中心にアクティブ画素(黒画素)を置いた場合に、縦横斜めの3連続黒画素の一部とる場合に、アクティブ画素を文字を構成する画素とする。
次に第2文字検出部306について説明する。
第1文字検出部305の結果はパターマッチングしたことにより元の画像データより線が若干細くなる傾向になるため、文字を構成する各画素について3×3画素のOR処理を行い線を太らせる。この結果を文字領域として判定部312に入力する。
次に、N値化部307について説明する。
N値化部307には、図5の色変換部231,解像度変換部232を経てRGB画像データが入力される。
N値化部307は第1、第2網点検出部308,309と第1、第2グレー検出部310,311に対して共通のN値化画像データを与えるためのものである。
つまり、RGB差の小さいデータ(Bk)は、所定のしきい値thaBkより値が大きい時は、黒文字として、RGB差の小さいなくデータはYMCBGRの6色相に色を分けて色相ごとに閾値(thay、tham、thac、thab、thag、thar)を分けて、2値化処理を行い、色の濃いものをアクティブ画素(文字)として2値化処理を行う。ただし、出力結果は色相別に保持する。ここでは、色相(Dtah)を以下の様に定義する。かっこはbit表示。
Dtah=0(000):該当なし
Dtah=1(001):黄色
Dtah=2(010):マゼンタ
Dtah=3(011):赤
Dtah=4(100):シアン
Dtah=5(101):緑
Dtah=6(110):青
Dtah=7(111):黒
さらに、白のレベルも同様に2値化を行う。RGB差の小さいデータ(Bk)は、所定のしきい値thaBkより値が小さい時は、白画素として、RGB差の小さくないデータはYMCBGRの6色相に色を分けて色相ごとにしきい値(thby、thbm、thbc、thB、thbg、thbr)を分けて、2値化処理を行い、色の薄いものをアクティブ画素(白画素)として2値化処理を行う。
次に、第1網点検出部308について説明する。
第1網点検出部308は、図1のスキャナ補正部6で細かな網点は平滑化処理にて網点形状は無くなっているが、新聞の写真のような粗い網点は充分な平滑化を行うことができずに、網点のドット形状が残っていることに鑑みて、この粗い網点を検出するためのものである。
ここでは、網点のパターンマッチングを行う。ここでは、Dtah≠0の画素を黒画素とし、N値化部308により白画素された画素を白画素とする。
図7のフローチャートに具体的な手順を示す。
変数MSは、同一ラインにおいて現在処理対象の画素の1画素の前の処理結果を保持する変数であり、SS[i]は現在処理対象の画素とライン方向において同一位置の1ライン前の画素の処理結果を保持する変数である。
MSとSS[i]に比較することにより(判断S101)、1ライン前の結果と1画素前の処理結果の大きい方の値をMSとする(判断S101のYes及び処理S102、または、(判断S101のNo)。変数MSは後述する網点のカウント値である。
そして、処理対象画素が白パターンを構成するものであるかを判定する(判断S103)。その判定は、処理対象画素を注目画素(中心画素)とした、図10に示す5×5の全白画素パターンとのマッチングにより行う。
判断S103において「白パターン」と判定されれば(判断S103のYes)、MS=0、SS[i]=0として(処理S107)、また、処理対象画素を非網点画素として(処理S109)、SS[i]=MS=0を次のラインで使用するものとする(処理S111)。
判断S103において、「白パターン」ではない判定されれば(判断S103のNo)、es)、判断S105に移行して、処理対象画素が網点パターンを構成する画素であるか否かを判定する。その場合、網点パターンとは、図9に示す各パターンで、黒丸が黒画素で白丸が非黒画素である。
判断S105において、網点パターンと一致すれば(判断S105のYes)、MSを+1して(処理S106)、判断S107に移行し、一致しなければ(判断S107に直接移行する。その場合、網点検出精度向上のために、非黒画素に白画素を数個含む条件を増やして(図9のパターンの種類を増やして)精度を上げてもいい。
また、SS[i]=MSとして、SS[i]を次のラインで使用する。
判断S107においては、MS>5ならば(判断S107のYes)、処理対象画素を網点画素とし(処理S108)、そうでないなら(判断S107のNo)、非網点画素とする(処理S109)。また、SS[i]=MSとして、SS[i]を次のラインで使用するようにする(処理S111)。
次に、第2網点検出部309の動作について、図12のフローチャートを用いて説明する。なお、図12の手順では、図113の手順の判断S101,処理102,処理111に対応して行う様の手順については記載を省いている。
図7の第1網点検出部308では順方向で処理していたが、第2網点検出部309では、逆方向で処理する。
つまり、処理対象画素が、図10のパターンとのマッチングにより白パターンを構成する画素であるかを判定する(判断S201)。白パターンを構成する画素である場合(判断S201のYes)、MS=0とした上で(処理S203)、処理対象画素を非網点画素とする(処理S203)。
判断S201において白パターンを構成する画素でない場合には(判断S201のNo)、処理対象画素が第1網点検出部308における図7の手順により網点画素とされた画素であるかを判定する(判断S204)。
網点画素であれば(判断S204のYes)、MS=1とする(処理S205)。
判断S206において、MS=1ならば(判断S206のYes)、処理対象画素を網点画素とする(処理S207)。MS=1でなければ(判断S206のNo)、第1網点検出部308における検出結果(網点/非網点)をそのまま出力する(処理S208)
網点画素とされた処理対象画素は、網点領域を構成する画素であるということになる。
このように、第1網点検出部308及び第2網点検出部309による網点検出により、白パターンから白パターンの間にある程度の大きさ以上の網点パターンがあれば網点領域として検出されるようになる。逆に言えば、白パターンから白パターンの間にある網点パターンとして検出されるパターンであっても、そのパターンの存在が局所的であれば、網点領域としては検出されないことになる。
文字は一般的に白地上に存在するものであるから、白地上の文字は、網点パターンとしても検出されてしまうパターンが文字のエッヂ近傍にしか出現しない性質があるため、文字が網点パターンとして誤検出されるおそれははほとんどないといえる。
なお、図7,図12に示す各処理においては、Y成分持つ色データ(黄、緑、赤、黒)を黒画素として同様の処理を行う。更に、M成分持つ色データ(赤、マゼンタ、青、黒)、C成分をもつ色データ(シアン、青、緑、黒)もY成分を同様に行う。Y、M、C成分に展開したのは、印刷のインクの成分はYMCなので、インクのドット再現を正確にするためである。
次に、第1グレー検出部310について説明する。
第1グレー検出部310では、文字領域は濃く、文字周辺の領域は薄いことを利用して、文字領域の濃さより薄く、文字周辺の領域より濃いところを中濃度(グレー)としてグレー判定を行う。
図13にその手順について示す。
同図において、MSは処理対象ラインにおける処理対象画素の1画素の前の処理結果を値であり、SS[i]は1ライン前のライン方向同一位置の画素の処理結果の値である。
MSとSS[i]との比較により(判断S301)、1ライン前の結果と1画素前の処理結果のうちの大きい方の値を新たなMSの値とする(判断S301のYes及び処理S302、または、判断S301のNo)。MSは後述するグレー検出してからの白画素の数である。
判断S303においては、処理対象画素を図8に示すグレーパターンとマッチングして処理対象画素がグレー(中濃度)領域を構成する画素であるかを判定する。その場合、中濃度とは、N値化部307においてDtah=0かつ非白画素となる画素の画素値に相当するものである。
判断S303においてグレーパターンと一致した場合(判断S303のYes)、MS=5とし(処理S304)、処理対象画素をグレー画素と判定し(処理S310)、SS[i]=MSとする(処理S311)。
判断S303におてグレーパターンと一致しない場合には(判断S303のNo)、更に、処理対象画素が白画素であるかを判定する(判断S305)。その場合、白画素とは、N値化部307にて白画素とされる画素のことである。
白画素であれば(判断S305のYes)、更に、MS>0であれば(判断S306のYes)、MSをー1して(処理S307、判断S309に移行する。
MS>0でなければ(判断S306のNo)、非グレー画素として(処理S308)、Ss[i]=MSとして(処理S311)、Ss[i]を次のラインで使用する。
判断S305において、白画素でなければ(判断S305のNo)、MS>0であれば(判断S309のYes)、グレー画素とし(処理S310)、MS>0でなければ(処理S309のNo)、非グレー画素とした上で(処理S309)、SS[i]=MSとして、SS[i]を次のラインで使用する。
第2グレー検出部311における手順について、図14のフローチャートを用いて説明する。図13の第1グレー検出部310ではグレー検出を順方向で処理していたが、図14では逆方向で処理する。なお、図14の手順では、図13の手順の判断S301,処理302,処理311に対応して行う様の手順については記載を省いている。
判断S401において、処理対象画素がグレー画素(図13の手順で第1グレー検出部310によりグレー画素と検出された画素)であるかを判定する。
グレー画素であれば(判断S401のYes)、MS=5とした上で(処理S402)、処理対象画素をグレー画素として検出する(処理S408)。グレー画素でなければ、(判断S401のNo)、白画素(N値化部307において白画素とされる画素)であるかを判定し(判断S403)、白画素であれば(判断S403のYes)、更に、MS>0であれば(判断S404のYes)、MSをー1して(処理S405)、判断S407に移行する。
MS>0でなければ(判断S404のNo)、第1グレー検出部310の結果をそのまま出力する(処理S406)。
判断S407において、MS>0であれば(判断S408)、グレー画素とする(処理S408)。MS>0でなければ(判断S40のNo)、第1グレー検出部310の結果をそのまま出力する(処理S406)。
このように、文字部は一般に濃いデータと薄い(白)データで構成され、文字部にはない写真の特徴である中濃度の塊をグレー領域として検出している。更に、グレー領域の周辺画素を白画素の数が一定値を超えるまでグレー画素とみなして、元のグレー領域と共に拡張グレー領域としている。
判定部312について説明する。
黒文字(解像変換部302の出力結果)であれば、二値データの結果は、文字領域とする。
文字領域(第2文字検出部306の出力)であるが、網点領域(第2網点検出部309の出力)でなく、グレー領域(第2グレー検出部311の出力)でもなければ、文字領域とする。
それ以外の場合は、網点領域(第2網点検出部309の出力)は網点領域であり、グレー領域(第2グレー検出部311の出力)の場合は拡張グレー領域とする。
文字領域を網点領域とグレー領域と論理演算を行うのは、単純な文字判定では、解像度の必要ない写真領域をも文字領域として判定してしまっていたことを鑑みてのことであり、写真領域(網点領域やグレー領域)に属する画素として判定される画素であって文字領域に属する画素としても判定される画素については、文字領域に属するとはみなさないように補正をしている。
特に写真領域は孤立点を非常に多く含む性質のものであり、この補正を行うことにより、文字画像の圧縮率の向上が図れ、また、画像も文字非文字の混在が少なくなり画質向上も望める。一方、黒文字はコピー時に黒文字エッヂをとしている信号で判定精度が高いので、そのまま文字として使用しても問題はない。
次に、入力フォーマット変換部24を図15を用いて説明する。
TIFフォーマット展開部401、Jpgフォーマット展開部402、圧縮フォーマット展開部403、出力選択部404から成る。TIFフォーマット展開部401、Jpgフォーマット展開部402、圧縮フォーマット展開部403は、各フォーマットをビットマップに展開する機能を持ち、出力選択部404は3つのフォーマットの内ひとつを選択して出力すると同時にRGBデータをYMCBkデータに変換する。
入力画像データがtifフォーマットであれば、tifフォーマット展開部401にてビットマップデータに展開する。Jpgフォーマットであれば、jpgフォーマット展開部402にてビットマップデータで展開する。さらに、圧縮フォーマット(図5の圧縮フォーマット生成部235で生成される)であれば、圧縮フォーマット展開部403にて展開する。
圧縮フォーマット展開部403は、画像ファイル展開部410、二値画像展開部411、背景画像展開部412、文字画像展開部413、画像ファイル合成部414からなる。
画像ファイル展開部410では、図5の圧縮フォーマット生成部235にて生成したファイルの中の3つファイルを後段の二値画像展開部411、背景画像展開部412、文字画像展開部413にそれぞれ対応した画像データを出力する。
二値画像展開部411では、MMR符号化された2値データを伸張してビットマップに展開し、背景画像展開部412では背景画像のJPGデータをビットマップに展開し、文字画像展開部413では文字画像のJPGデータをビットマップ展開する。3つの展開されたビットマップデータは、画像ファイル合成部414にて1枚のビットマップデータに合成される。
その場合、画像ファイル合成部414では、二値画像展開部411の出力が文字領域であれば、文字画像展開部413の出力である画像データを出力し、二値画像展開部411の出力が非文字領域であれば、背景画像展開部412の出力である画像データを出力する。それにより1枚の画像を生成する。その場合、文字と非文字の解像度は2値画像の解像度となる。
図16に入力画像、ファイル画像、出力画像の関係について示す。
入力画像からファイル画像への変換は、図5の圧縮フォーマット生成部235に対応し、ファイル画像から出力画像への展開は、図15の圧縮フォーマット展開部403に対応する。
なお、以上本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。