以下に、本発明のシステムであるカラー画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、あるいは、マルチファンクションペリフェラルともいう)の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は例示であり、これに限定されるものではない。
図1、図2は本発明のシステムに好適に適用される紙に代表されるシート状部材に色材を付与する代表例としての電子写真複写装置である。なお、紙の他に、OHPシートのような樹脂フィルムのようなものも好適に利用されるのはいうまでもない。
図1は、電子写真原理(カールソンプロセス)のエンジン部(画像形成部)を示したものであり、ここでは、潜像担持体としての感光体ドラム61(61K,61C,61M,61Y)をタンデム配列した乾式2成分現像方式のフルカラー作像装置の画像形成部を示している。
図2は、感光体ドラムをタンデムに配列したフルカラー作像装置の全体構成を示す図で、図2において、4連タンデム型のカラー画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、マルチファンクションペリフェラル)のほぼ中央に画像形成部1が配置され、この画像形成部1のすぐ下方には給紙部2が配置され、給紙部2には各段に給紙トレイ21が設けられている。また、画像形成部1の上方には、原稿を読み取る読み取り部3が配設されている。画像形成部1の用紙搬送方向下流側(図示左側)には排紙収納部、所謂排紙トレイ4が設けられ、排紙された画像形成済みの記録紙が積載される。
画像形成部1では、図1に示すように無端状のベルトからなる中間転写ベルト5の上方に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の複数の作像部6が並置されている。なお、図1では、各部の符号の後ろに色を表すY,M,C,Kを付けて各色の作像部を区別している。各々の作像部6では、各色毎に設けられたドラム状の感光体61の外周に沿って、帯電装置62、露光部65、現像装置63、感光体クリーニング装置64などが配置されている。帯電装置62は、感光体61の表面に帯電処理を行い、露光部65では、画像情報を感光体61表面にレーザ光で照射する露光装置7からのレーザ光が照射される。現像装置63は、感光体61の表面に露光されて形成された静電潜像をトナー現像して可視化し、感光体クリーニング装置64は転写後に感光体61の表面に残留したトナーを除去回収する。
作像プロセスとしては、中間転写ベルト5上に各色毎の画像が作像され、中間転写ベルト5上に4色が重畳されて1つのカラー画像が形成される。その際、最初に、イエロー(Y)の作像部で、イエロー(Y)のトナーを現像し、中間転写ベルト5に1次転写装置66によって転写する。次に、マゼンタ(M)の作像部で、マゼンタのトナーを現像し、中間転写ベルト5に転写する。次に、シアン(C)の作像部で、シアンのトナーを現像し、中間転写ベルト5上に転写し、最後に、ブラック(K)のトナーを現像し、中間転写ベルト5上に転写し、4色が重畳されたフルカラーのトナー画像が形成される。そして、中間転写ベルト5上に転写された4色のトナー像は、給紙部2から給紙されてきた記録紙20に2次転写装置51で転写され、定着装置8によって定着された後、排紙ローラ41によって排紙トレイ4に排紙され、あるいは両面装置9に搬送される。
両面印刷時は、搬送経路は分岐部91で分岐され、両面装置9を経由して、記録紙20は反転される。そして、レジストローラ23で用紙のスキューが補正され、表面への画像形成動作と同様にして裏面への画像形成動作が行われる。一方、フルカラーのトナー像が転写された後、中間転写ベルト5の表面に残留したトナーは中間転写ベルトクリーニング装置52によって除去回収される。なお、符号92は両面装置9からの反転排紙経路である。
給紙部2は、給紙トレイ21に未使用の記録紙20が収容されており、最上位の記録紙20がピックアップローラ25に当接する位置まで、一端が給紙トレイ21の底部に揺動可能に支持された底板24の他端を上昇させる。そして、給紙ローラ26の回転により、最上位の記録紙20はピックアップローラ25によって給紙トレイ21から引き出され、給紙ローラ26によって縦搬送路27を介してレジストローラ23側へと搬送される。レジストローラ23は記録紙20の搬送を一時止め、中間転写ベルト5上のトナー像と記録紙20の先端との位置関係が所定の位置になるよう、タイミングをとって記録紙20を送り出す。レジストローラ23は前記縦搬送路27からの記録紙20の他に、手差しトレイ84から搬送されてくる記録紙20に対しても同様に機能する。なお、図2中、符号81は分岐爪、符号82はジャム紙排紙トレイであり、縦搬送路27の下流側でジャムが生じたときに分岐爪81が作動して排紙トレイ82に用紙を導出する機能を有する。
読み取り部3では、コンタクトガラス31上に載置される原稿(不図示)の読み取り走査を行うために、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1及び第2の走行体32、33が往復移動する。この走行体32、33により走査された画像情報は、レンズ34によって後方に設置されているCCD35の結像面に集光され、CCD35によって画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。
なお、読み取り密度(分解能)であるが、本発明においては必要に応じて、300dpi、600dpi、1200dpiの密度で読み取ることができ、読み取り密度を選択する。また、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色フィルターによってフィルタリングされた後、CCD35によって画像信号として読み込まれ、カラー画像データとして取り込まれる。
このようにして取り込まれたイメージ情報データは、いったんMFP内部のメモリに保存される。その際、読み込まれたままのビットマップデータとして保存してもよいし、JPEG等により1/10〜1/100程度の容量に圧縮したデータ(JPEGデータ)として保存してもよい。取り込まれたイメージ情報データは、後述するように、必要に応じて電子写真原理やインクジェット原理等の印写データとして、あるいは可搬性記憶メディアへの保存データとして、さらにはネットワーク回線を通じて他の情報処理装置等にメイル配信されたりして使われるが、MFP内部に長期に保存するような場合や、ネットワーク配信するような場合は、圧縮データとして保存したり、配信したりするほうが、MFP自体のメモリ容量の負荷、ネットワークサーバの負荷、回線の負荷などを低減でき、またMFP内部および外部ネットワークにおけるデータ送受信の伝送速度の高速化がはかれる。
次に、このような画像イメージデータは、画像処理信号に基づいて、露光装置7内のレーザダイオードLD(不図示)の発光による感光体61の表面に光書き込みに使用され、感光体61の表面に静電潜像が形成される。LDからの光信号は、ポリゴンミラーやレンズを介して感光体61(それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の感光体)に至る。また、読み取り部3の上部には、原稿を自動的にコンタクトガラス上に搬送する自動原稿搬送読取装置(Auto Document Feeder ADF)36が取り付けられている。
ここで本発明に適用される自動原稿搬送読取装置(ADF)36について、図3を用いて説明する。これはシート状原稿を1枚ずつ搬送し、読取り手段の読取り面を通過させる過程で、原稿画像の読取りを行うシートスルータイプのものである。また、本発明ではシート状両面原稿を一回搬送する過程で両面の各画像原稿情報を読取ることができるように、原稿搬送経路に沿った2カ所に読取り手段を配置している。
本発明の自動原稿搬送読取装置(ADF)36は、被読取り原稿束をセットする原稿セット部A、原稿セット部Aにセットされた原稿束から一枚ずつ原稿を分離して給送する分離給送部B、給送された原稿を一次突き当て整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きを有したレジスト部C、搬送される原稿をターンさせて原稿面を読取り側(下方)に向けて搬送するターン部D、原稿の表面画像を、コンタクトガラス31の下方より読取りを行わせる第1読取り搬送部(第1読取り位置)E、表面画像読取り後の原稿の裏面画像を読取る第2読取り搬送部(第2読取り位置)F、表裏の読取りが完了した原稿を機外に排出する排紙部G、読取り完了後の原稿を積載保持するスタック部H、これらの搬送動作の駆動を行う駆動部、さらに、一連の動作を制御するコントローラ部とから構成されている。
第1読取り搬送部Eには、コンタクトガラス31と、読取りローラ37と、コンタクトガラス31の直下に停止した図示しない読取り手段(第1読取り手段)が配置されている。この第1読取り手段は、原稿表面の画像を読取る。
また、第2読取り搬送部Fには、CCDを備えた読取り手段(第2読取り手段)38と、読取りローラ39が配置されている。この第2読取り手段38は、原稿上面(裏面)の画像を読取る。読取りローラ39は、その周面を読取り手段38の読取り面38aと非接触状態で対向配置されている。
なお、本発明では、複数枚のシート状原稿を効率よく逐次、搬送、画像データ読み取りすることができるが、原稿が1枚だけであっても好適に利用できることはいうまでもない。また、原稿の読み取りは、表裏両面の読み取りが可能であるが、原稿の種類に応じて、片面だけ読み取るようにしたり、両面読み取るようにしたりする。通常は、第1読取り搬送部(第1読取り位置)Eにおいて片面のみ読み取るようにしており、両面原稿の場合に第2読取り搬送部(第2読取り位置)Fにおいて第2読取り手段38によって、読み取るようにしている。
ところで、本実施形態に係るカラー画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、あるいはマルチファンクションペリフェラルともいう)は、前述のように、光走査して原稿を読み取り、デジタル化して用紙に複写する、いわゆる、デジタルカラー複写機としての機能の他に、読み取った原稿の画像情報データをMFP内部のメモリに保存したり、図示しない制御装置により原稿の画像情報を遠隔地と授受するファクシミリの機能や、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するいわゆるプリンタの機能を有する多機能の画像形成装置である。
これは、この装置単独でこのような機能を持たせているが、後述するように、ネットワークに接続されサーバ管理のもとに、他の各種装置(スキャナ、各種プリンタ、光ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等)と協同動作させるシステムとすることも可能である。あるいは、本発明のMFP自体にいわゆるネットワークサーバの機能を持たせることも可能であり、上記のようなプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、データ保存機能、データ編集機能、メイル配信機能等に加えて、ネットワークサーバ機能も持たせて1台の(1箇所に集中して構成した)情報入出力装置としてもよい。
次に、紙に代表されるシート状部材に色材を付与するもう1つの代表例としてのインクジェット記録原理を簡単に説明する。
いわゆるインクジェット記録と呼ばれているものは、その原理によって種々の方法が存在するが、ここではその一例として、熱を利用するサーマルインクジェット方式で説明する。なお、ここではサーマルインクジェット方式によって説明するが、他のピエゾを利用したオンデマンド方式、あるいは、荷電制御型とよばれるいわゆる連続流型のインクジェットであっても本発明に好適に利用できることはいうまでもない。
図4は、インクジェットヘッドユニットの一例を説明するための図で、図4(a)は全体斜視図、図4(b)は分解斜視図である。このヘッドユニット67は、直径10μm〜30μm(丸ではなく他の形状の場合、その開口は面積換算で100μm2〜700μm2程度)の微細なインクを噴射するノズルを有したヘッドチップ68と、そこにインクを供給するためのインク容器部70とを一体的に形成したものである。ヘッドチップ68は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)69に接続され、FPCに設けられた電気接点をキャリッジ側の接点(図示せず)と接触することにより、プリンタ本体側より電気信号を受け取り、インクを噴射して記録を行うようになっている。71は裏蓋、72はインク吸収体で、インク吸収体72は、インクを含浸させたスポンジであり、キャリッジが移動して振動しても、容器内部でインク中に泡が発生するようなことはないような構成となっている。インク吸収体72に含浸されているインクを使いきった時点で、このヘッドユニット全体を交換するようになっている。
次に、図5(a)〜図5(e)を参照しながらインクの噴射原理について説明する。図5(a)〜図5(e)は、サーマルインクジェト方式においては吐出口の近傍を断面図で示したものである。図5(a)は定常状態であり、吐出口部でインク10の表面張力と外圧とが平衡状態にある。図5(b)は発熱体11が加熱されて該発熱体11の表面温度が急上昇し、隣接インク層に膜沸騰現象が生じ、沸騰膜を作り、気泡12が成長した状態である。この時、吐出口部の圧力は、気泡の成長した分だけ上昇し、外圧とのバランスがくずれ、吐出口よりインク柱10が成長しはじめる。図5(c)は気泡12が最大に成長した状態であり、吐出口部からインク柱10が押し出される。この時、発熱体11には電流が流れていない状態にあり、発熱体11の表面温度は降下しつつある。気泡12の体積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややおくれる。
図5(d)は気泡12がインクなどにより冷却されて収納した状態を示す。インク柱10の先端部では、押し出された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡12の収縮にともない吐出口内圧の減少によりインクが逆流し、インク柱10の根本がくびれ、その後、くびれ部から切断されて、インク滴13となって空中に飛翔する。吐出口部では、外圧が吐出口内圧より高い状態になるため、メニスカスが大きく吐出口内に入りこんできている。インク滴13の先端部は8〜18m/sの速度をもち、記録紙の方向に飛翔する。図5(e)は吐出口部にインクが毛細管現象により再び供給(リフィル)されて、図5(a)の状態にもどる過程で気泡は完全に消滅している。
なお、このような原理の他に、発熱体の駆動制御の仕方や吐出口部のディメンションを選び発生した気泡12によって、気泡12の前方にあるインクをほぼ全部吐出口の外に押し出す方式も可能である。その場合、前記の方式に比べ、気泡12の収縮にともなうインクの逆流、インク柱10の根本がくびれるという現象がない分、1吐出口あたりのインク滴形成頻度(駆動周波数)を15kHz〜50kHzというように高くでき、印写スピードを上げられるというメリットがある(前述の方式では5kHz〜12kHz程度が安定駆動できる範囲である)。
以上のような原理、構成のインクジェットヘッドは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色ないしは、それにブラック(B)を加えた4色の印写を行えるように、図6に示すようなキャリッジ76に搭載され、紙面の前をシリアル連動をしながら記録を行う。
図6において、73は記録紙、74はインクジェットヘッドユニットであり(図4に示したヘッドユニットを4色分ならべたものである。ただし、図の形状は一致していない)、74Y、74M、74C、74Bはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)を印写できるようになっている。75は各ヘッドのノズル、76はキャリッジ、77はキャリッジのガイドロッド、78はキャリッジを移動させるためのネジ棒、79は記録紙搬送ローラ、80は記録紙押えコロである。
以上の説明により、シート状部材に色材を付与する代表例として、電子写真原理、インクジェット原理の出力手段を説明したが、使用する用途に応じて、その出力手段の違うそれぞれのMFPを適宜選べばよい。
例えば、電子写真原理の場合、高速出力を得意とし、その記録速度は1分間にA4サイズ用紙で20枚〜100枚、あるいはそれ以上という能力をもっている。
一方、インクジェット原理の場合、比較的簡単な構成でカラー出力ができる。しかも電子写真原理の場合のように、感光体ドラムの幅によってある程度出力できる紙のサイズが限定されるが、インクジェット原理の場合は、そのような限定要因はなく、大判の紙(A0〜A2)や、バナー状の長い用紙への出力が可能である。
図7は、このような本発明のシステムの一例であり、紙などの記録媒体に印字を行うプリンタ部の電気信号を処理する部分の構成、光メモリへの情報書き込み部の電気信号を処理する部分の構成、スキャナからの情報取り込み部の電気信号を処理する部分の構成などを詳細に示したものである。
図7において、301はCPUで、プリンタの各部の制御を行うためのものである。302はRAMであり前記CPUが演算した結果や、プリンタなどが扱う画像データなどを一時的に記憶しておくためのものである。303はROMであり、前記CPUが動作するためのプログラムや、画像データを生成するためのフォントデータなどが格納されている。
304は、前記CPU、RAM、ROMが接続されているローカルバスである。305はI/Oバスであり、機能拡張用の内部Busである。306は前記ローカルバスとI/Oバスを接続するためのブリッジ回路である。
307はプリンタ部で、紙などの記録媒体に画像を形成するための部分である。
このプリンタ部307は、前記のような電子写真原理(カールソンプロセス)による作像方式以外にインクジェット方式(サーマル、ピエゾ等)などさまざまな形式のプリンタ部が存在する。308はプリンタインターフェース部であり、前記プリンタ部とI/Oバスを接続するためのものであり、CPUの指示に従って302のRAMに格納されている画像データを307のプリンタ部へ転送することが可能である。
309は光ディスクドライブであり、光ディスク(メモリ)から情報を読み取ったり、光ディスク(メモリ)に情報を書き込んだりするための部分である。310は光ディスクドライブインターフェース部であり、前記光ディスクドライブとI/Oバスを接続するためのものであり、CPUの指示に従って、前記光ディスクドライブから転送される電子データを、302のRAMに転送したり、RAMから光ディスクドライブへ転送することが可能である。
311はスキャナ部で、図示しない原稿台に置かれた原稿から読み取った光学的な信号を、CCDなどを用いて電子データに変換し、その電子データを転送するための部分である。312はスキャナインターフェース部であり、前記スキャナ部とI/Oバスを接続するためのものであり、CPUの指示に従って、前記スキャナから転送される原稿を読み取った電子データを、302のRAMに転送することが可能である。
314はIDEインターフェース、313はハードディスクドライブ(HDD)であり、画像データのスプールを行ったり、301のCPUがさまざまな処理を行うためのプログラムなどを格納させておくためのものである。315はネットワークインターフェースコントローラ(NIC)であり、ローカルエリアネットワークへ接続するために使用される。316はイメージプロセッシングユニット(以下IPU)であり、解像度変換などの画像処理を行うためのものである。
317はラスタイメージプロセッサであり、301のCPUの指示により、315のネットワークインターフェース回路を経由して外部から転送されたページ記述言語の画像データをビットマップ画像へ展開し、302のRAMへ展開したビットマップデータを格納するために使用される。318はビデオRAMで、CPUにより外部のCRTやLCDパネルに表示した表示データが書き込まれるものである。319はビデオインターフェースであり、VRAMに格納されている表示データを外部のCRTやLCDパネルに表示するためのインターフェースである。320は拡張I/Oインターフェースであり、たとえば、携帯機器などと301のCPUが通信などを行うためのインターフェース回路である。通信形態はシリアル通信や、バイセントロインターフェース、またはBluetoothなどの無線通信などの形式がある。
以上の説明より明らかなように、本発明においては、情報の入力部と処理部と記憶部と出力部とよりなり、これらの各部あるいは各種装置は、無線、有線、光伝送等によってネットワーク接続されて情報のやりとりが行われる。また、それぞれの装置は分散配置することができるが、必要に応じて、各部あるいは各種装置を1箇所に集中、配置して構成してもよい。
ここで補足しておくが、本発明でいう情報の入力部とは、単にスキャナ部のみならずI/Oインターフェース部、さらには、説明を省略しているがキーボードやタッチパネルあるいはデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのイメージキャプチャーデバイス等の情報入力手段も含むものである。また、処理部あるいは記憶部に関しても、それの意味するところは、デバイスあるいはデバイスユニットとしてのCPU、RAM、ROMはいうに及ばず、ネットワークシステムに組み込まれたPC、サーバなども含むものである。出力部も同様に、I/Oインターフェース部、情報表示のディスプレイ、各種プリンタ、ストレージ/メモリ等への情報書き込み装置も含むものである。
前述のように、本発明のシステムは分散あるいは1箇所に集中させて構成できるが、さらに、上記画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、マルチファンクションペリフェラル)内部に所望の装置やサーバ機能、大容量のメモリを搭載、配置するようにするのも好適な構成である。すなわち、このようなネットワークシステム全体、あるいは、その機能を凝縮した形でMFPという1台のマシン内部に一体的に構成することにより、全ての作業がMFP1台でできてしまうという画期的な情報入出力装置が実現する。
図8は、その1例であり、紙への出力機能である電子写真原理(カールソンプロセス)のMFPに、光ディスクドライブを組み込んだ構成である。図8中、85は光ディスクドライブユニット、86は未使用のメディアストック部である。なお、この例は、紙への出力装置として電子写真原理(カールソンプロセス)を利用したものであるが、前述のインクジェット原理であってもよい。
使用方法は、例えば、マイクロソフト社のWordファイル、EXCELファイル、PowerPointファイルなど、あるいは、アドビ社のPDFファイルに変換したものなどのファイルデータをMFP内部のメモリに保存し、必要に応じて紙出力する。また、そのファイルデータを組み込まれた光ディスクドライブユニット85を使用し、メディアストック部86から搬送、設置された未使用のDVD−R、あるいはDVD−RW等に焼く(burn)ことにより、電子データとして持ち運びできる光ディスク(可搬性ストレージ)を作成する。なお、これら紙文書の出力と光ディスクの作成は、(ほぼ)同時に行ってもよいし、必要に応じて一方だけ(紙文書のプリントアウト、あるいは光ディスクの作成)行ってもよい。
このような本発明のMFPは、前述のように、これ1台で、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、データ保存機能、データ編集機能、メイル配信機能、ネットワークサーバ機能等を持った情報入出力装置であるが、前述のように、このMFPもネットワークインターフェースコントローラ315等を介して、ローカルエリアネットワークやインターネットなどの通信網に接続し、ネットワークの1端末という使い方をしてもよい。その場合、スキャナでイメージ情報を取り込み、そのままあるいはJPEG等で圧縮して、有線あるいは無線でネットワークに接続されたPCにメイル配信するという便利な使い方ができる。
インターネットなどの通信網上には、各種のサーバが接続されており、情報の検索を行う検索サーバ、または電子データなどを蓄積し、ユーザからの要求によって内部に保持している電子データを配信するなどのサービスを行える配信サーバ、さらに携帯電話などの携帯機器に対して各種サービスや、課金の制御を行える携帯機器のためのサービスを行うサーバなどがある。
本発明のMFPは1台の装置の中に各種機能(マルチファンクション)を盛り込んだ情報入出力装置であり、ユーザはこのMFPの前で所定の操作を行い、データ編集したり、プリントアウト、コピーといった一連のMFPの機能動作を行うことができ、さらには、インターネットなどの通信網を介して、各種データを発信できる。
そのデータは、前述のように、スキャナで読み込まれたイメージ情報の他に、デジタルビデオやデジタルカメラ等で取り込まれたビデオデータ(動画データ)、写真データ(静止画)も含まれる。これらのデータも、デジタルビデオやデジタルカメラ等で直接MFP内の記憶部(メモリ)に入力、保存されてもよいし、可搬性の記憶メディアを媒体として、MFPに入力、保存されてもよい。またデータの種類に応じて、適宜、JPEG、MPEG、GIFF、TIFF等の圧縮技術によって圧縮され、保存される。
他に、前述のようなマイクロソフト社のWordファイル、EXCELファイル、PowerPointファイルなど、あるいはアドビ社のPDFファイルに変換したものなどのファイルデータもネットワーク配信によってMFP内部のメモリに保存される。つまり本発明のMFPは、データバンク、データライブラリー的な機能も持つものである。
この場合、本発明のMFPはネットワークセンターマシンとして各種情報処理装置や複数のPCに命令を出し、各種情報処理装置や複数のPCの保有する各種データ、ファイルなどを吸い上げ、MFP内部のメモリに保存される。この作業は、ユーザがこのMFPの前で所定の操作を行うことによっても実行できるし、ネットワーク接続された別のPC等からの操作によってMFPに命令を出して実行する(メモリに保存)こともできる。なお、MFPへのメモリ保存は可搬性の記憶メディアを媒体として行うこともできることはいうまでもない。
そして、このようにMFP内に保存された各種データは、ユーザによるMFP操作によるMFP自体の命令によって、編集されたり、ネットワーク配信で各種情報処理装置や複数のPCに送ることができる。また、一度に複数の各種情報処理装置や複数のPCに送ることができる。
一方で、本発明においては、このようなMFPをネットワークセンターマシンあるいはネットワークサーバとして使用する他に、ネットワークの端末としての使用法もある。
そのような場合、本発明のMFPは、今度は、ネットワーク接続された各種情報処理装置やPCからの命令、要求を受けて、上記各種データを、編集したり、配信したり、紙メディアに出力(文書出力)したり、後述するような可搬性記憶メディアへの出力(可搬性記憶メディアの作成)を行う等の機能を実行する。この場合も、ネットワーク接続された各種情報処理装置やPCからの命令によって、MFPを介して、複数の他の各種情報処理装置やPCへ同時あるいは逐次、データ配信するというネットワークサーバ的な使い方ができる。
本発明のMFPのネットワークの端末としての使用法についてもう少し具体的に説明する。
本発明においては、情報の入力部と処理部と記憶部と出力部とよりなり、それらの間で情報のやりとりを行うとともにこれら各部を1箇所に集中して構成し、また、出力部は異なる複数の手段よりなるように構成され、その1つはシート状部材に色材を付与する手段とし、また、他は後述のような光メモリ、光磁気メモリ、あるいは半導体不揮発メモリといった可搬性の記憶メディアに所望の情報を書き込む手段であり、原稿をイメージ情報として読み取るスキャナを有し、スキャナで読み取ったイメージ情報を記憶部に保存し、必要に応じて出力部から出力するという各種機能を1台の装置にしてまとめ上げた情報入出力装置(MFP)を、ネットワーク上の1端末とし、複数のPC(情報端末機器)その他ネットワークシステム構成上必要な機器とともにネットワーク回線に接続して使用する。
このようなシステムにおいては、接続された1台あるいは複数台のPC(情報端末機器)から、このMFPに情報を送付することができ、その情報を必要に応じてMFPの記憶部に保存することができる。そして、PC(情報端末機器)側からMFPに保存された各種情報に対してアクセスでき、MFPに対して、情報の出力命令を出すことができる。この場合、PC(情報端末機器)には、例えば、MFPのプリントアウト(紙等への印刷出力)命令を出すためのプリンタドライバーのソフトウェアがインストールされている。あるいは、光メモリ、光磁気メモリ、あるいは、半導体不揮発メモリ等の可搬性の記憶メディアに所望の情報を書き込むという命令を出すことができるソフトウェアがインストールされている。それにより、PC(情報端末機器)側からのコマンドを出すことによって、MFPのところまで行くことなく、作業者は自分の机上のPC画面から、可搬性の記憶メディアに情報を出力することができる。つまり、通常PC(情報端末機器)からプリンタに印刷命令を出して、印刷作業を行うように、同様の感覚で情報を書き込まれた可搬性の記憶メディアを製作できるのである。
ここで、このような情報を書き込まれた可搬性の記憶メディアを製作する場合の情報とは、例えば、MFPの記憶部に保存している各種情報である。MFPをデータストレージ的に使用し、通常、各種情報をその記憶部に入れておけば、PC(情報端末機器)側に情報を保管しておく必要がなく、PC(情報端末機器)側のメモリを少なくすることができる。つまり、このようなシステム構成をとることにより、PC(情報端末機器)側には必要最小限のメモリをもたせるだけですみ、システムの低コスト化が実現する。
本発明の情報システムは他にもいろいろな使用法が可能である。例えば、可搬性の記憶メディアに出力するというコマンドを出すPC(情報端末機器)とは別のネットワーク上の他のPC(情報端末機器)内にある情報を、PC(情報端末機器)からのコマンドによって引き出し、MFPに送付して、可搬性の記憶メディアに出力することも可能である。つまり、本発明の情報入出力装置であるMFPを、ネットワークをコントロールするネットワークサーバ的な機能を有するセンターマシンとしても使用できる。
さらに、PC(情報端末機器)から所望の情報をMFPに送付し、MFPの記憶部を介することなく、MFPの可搬性の記憶メディアへの情報出力機能のみを利用して、可搬性の記憶メディアに出力することも可能である。この場合、MFPの記憶部を介していないので、MFPの記憶部に負荷をかけることなく高速で可搬性の記憶メディアにPC(情報端末機器)から送付した情報を出力できる。
このようなMFPの記憶部を介することなく、MFPの可搬性の記憶メディアへの情報出力機能のみを利用して、可搬性の記憶メディアに出力する利用方法は、上記の可搬性の記憶メディアに出力するというコマンドを出すPC(情報端末機器)とは別のネットワーク上の他のPC(情報端末機器)内にある情報を、PC(情報端末機器)からのコマンドによって引き出し、MFPに送付して、可搬性の記憶メディアに出力するという場合にも適用することができる。こうすることにより、MFPの記憶部の負荷をなくすとともに、可搬性の記憶メディアに高速で前記コマンドによって引き出された情報を出力することができる。
また、本発明の情報システムは、ネットワーク接続されたPC(情報端末機器)からMFPにアクセスし、MFP内の記憶部に保管/保存されている各種情報の加工、編集処理を行うことができる。そして、その処理後の情報を、可搬性の記憶メディアに出力することができる。これにより、MFPから離れた場所からPC(情報端末機器)によってMFP内にある情報を加工、編集処理して可搬性の記憶メディアに出力できるので、各種情報の加工、編集処理、可搬性の記憶メディアへの出力といった一連の作業が能率よくできる。また、このネットワークは必ずしも有線である必要はなく、無線LANによってネットワーク構築もできるので、モバイル環境からこの一連の作業を遂行できる。
さらに、上記MFP内の記憶部に保管されている各種情報に限らず、ネットワーク接続された他のPC(情報端末機器)あるいは各種情報処理装置に保管/保存されている情報に対しても、同様にPC(情報端末機器)からアクセスして、同様に、各種情報の加工、編集処理、可搬性の記憶メディアへの出力といった一連の作業を行うことができる。
なお、以上の説明では情報端末機器としてPCを主体に説明をしているが、PCに限らず、PDAのようなモバイル機器、携帯電話等、各種の情報処理装置からも同様に、この作業を行うことができる。
次に、本発明に適用される可搬性の記憶メディア、ストレージの代表例として、光ディスクメディアの例をあげて説明する。いうまでもないが、本発明の可搬性の記憶メディア、ストレージはこの例に限定されるものではない。
図9〜図12は、本発明の光ディスクドライブユニットに情報を書き込まれる前の光ディスクメディアを供給、搬送する手段を説明する図である。
本発明においては、情報を書き込まれる前の光ディスクメディアは複数枚ストックされており、必要に応じて1枚ずつ光ディスクドライブユニットに運ばれ、情報書込みが行われる。
図9は、本発明の光ディスクメディアを複数枚(この例では7枚)ストックされたマガジン100を示しており、このマガジンはマガジン表面に表示された三角形の方向表示印101を矢印Aの方向に向けて、図10に示すように、光ディスクドライブユニット109に矢印Aの方向に挿入される。
図11は、挿入された後の光ディスクメディア103を光ディスクドライブユニット109の書き込み部110に搬送する動作を説明するための図であり、搬送トレイ102に搭載された光ディスクメディア103は、搬送トレイ102に設けられたフック溝104に2つのフック106を引っ掛け、矢印C方向に動作するフック106によって引き出される。
図12は、搬送トレイ102に搭載された光ディスクメディア103が引き出されたときの状態を示す断面図である。その後、光ディスクメディア103は、書き込み部110において、書き込み部110の上下動作を利用して穴105に回転軸107が勘合され、搬送トレイ102はマガジン100に戻される。111は、光ディスクメディア103が回転軸107に勘合されても搬送トレイ102をマガジン100に戻すことができるようにするための搬送トレイ102に設けられた切り欠き部である。
回転軸107に穴105を勘合した後、光ディスクメディア103はその記録層にピックアップ108から発せられるレーザ光によって情報書き込みを行う。ピックアップ108によって情報が書き込まれた後、前述の搬送動作で説明した手段と同等の図示しない手段によって、搬送動作と逆の動作によって図10の矢印Bの方向に搬送、排出されて作業が終了する。
以上に、本発明の光ディスクドライブユニットに情報を書き込むための光ディスクメディアを供給、搬送する手段の1例を示したが、本発明の光ディスクメディアは必ずしもこのような、円盤型(外径120mm、厚さ1.2mm、穴径15mm、記憶容量CDフォーマットで650MBもしくは700MB)に限られるものではない。同じ円盤型であっても、外径80mmで記憶容量がCDフォーマットで185MBのものや、矩形形状(カード型)で名刺サイズの58mm×86mm×1mmで記憶容量がCDフォーマットで18MB〜50MBのもの、さらには、星型、卵型、その他任意の形状の外形形状、寸法の光ディスクメディアが適用される。
また、その記憶容量も、780nmのレーザ波長を用いるCDフォーマットで20MB〜700MB、635nm/650nmのレーザ波長を用いるDVDフォーマットで4.7GB〜17GB、さらには405nm波長の青色レーザを使用するBlu−ray Disc(あるいはHD DVD)等のフォーマットで、23.3GB〜27GB(HD DVDは片面15GB、両面30GB)といったものまでその用途に応じて選択、使用すればよい。
なお、記録密度、容量の他に、原理的な違いで見ると、データ記録層に感光性の有機色素(シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、スクアリリウム系等)を使用し、この色素に読み取り用よりも強いレーザ光を当て、色素に半永久的な反射率の変化を起こさせ、この変化を記録データとする1回だけ書き込み可能なR(Recordable)メディアと呼ばれるものがある。
記録フォーマット、容量の違いにより、CD−R、DVD−R、DVD+R等がある。色素の反射率変化は半永久的で、非可逆性の反応であるため、1回の書き込みしかできないが、有機色素を使用し、室内でスピンコーティング等によって記録層を形成できるため、量産性に優れ、後述の書き換え可能なメディアに比べて生産コストが安いというメリットがある。また、アーカイブ的な使用に好適なメディアであり、記録データの修正の必要がない場合、あるいは、改ざんされると困る場合に、大変好都合に使用されるメディアである。
また、メディア1枚あたりの値段が安いため、本発明のように紙文書を出力すると同時に、そのデータ(ファイル等)を電子データとしてこのRメディアに書き込んで、大勢の人に配布したりするという使用法に大変都合がよい。
さらに、他の光メモリメディアとしては、データ記録層に結晶とアモルファスの相変化が可能な材料を利用するRW(ReWritable)メディアと呼ばれるものがある。このような材料としては、例えば、Ag−In−Sb−Te(銀−インジウム−アンチモン−テルル)の四元素の合金がある。
結晶相を一気に融点にまで昇温し、不規則な原子の状態をつくり出す。これがアモルファス状態で、つぎに、この状態を急速に冷却すると、原子はばらばらな状態でフリーズされ、温度が下がってもアモルファス相が形成されている。
一方、融点には至らない、やや中間的なレベルにまで昇温しておいて比較的ゆっくり冷えるように温度管理をしてやると、今度は原子が元の状態に組み替わることができ、結晶相が形成される。データを消去する場合には、このようにして結晶相に変化させる。
アモルファスとは、原子の配列が乱雑な状態で、結晶と比べて反射率が低くなる。この変化をピットとランドとしている。RWメディアには、この2つの温度を再現できるように、出力の異なったレーザが備えつけられている。
この結晶とアモルファスの相変化は、可逆的に反応させることができるので、前述のRメディアとは異なり、再書き込みができるという特徴がある。
このメディアの場合も、記録フォーマット、容量の違いにより、CD−RW、DVD−RW、DVD+RW等がある。
なお、前述の青色レーザを使用するさらには405nm波長の青色レーザを使用するBlu−ray Disc、あるいは、HD DVD等も、同様に、非可逆性の反応あるいは可逆性の反応を利用した材料を使用し、Rメディア、RWメディアが実現でき、本発明に好適に使用できる。
ところで、このような光メモリは、図9等に示したように、ある数量の光ディスクメディアを収納したマガジン単位で供給されるが、高速書き込みを必要とするような場合には、このマガジンにストックされている光ディスクメディアをあらかじめ、フォーマット化したメディアとするのがよい。
例えば、CDの例で説明するならば、Windows(登録商標)でCD−Rに書き込みを行う場合、各種のOS別論理フォーマット(Romeo、Joliet、RockRidge、ISO9660など)がある。本発明のMFPにおいては、毎回、データ書き込みを行うたびに、光ディスクメディアをフォーマット化するのではなく、例えば、たいていのOSで読めるようなISO9660レベル1にあらかじめフォーマット化してある光ディスクメディアをマガジンに収納しておく。それにより、使用時にフォーマット書き込みに要する時間が不要となり、データ書き込みがすぐに行え、情報が書き込まれた光ディスクメディアの作成時間を短縮することができる。
通常、最もよく使用するフォーマットはあらかじめフォーマット化した光ディスクメディアが即使えるような状態にして供給する(フォーマット化した光ディスクメディアをドライブのピックアップ部分に設置する)ようにしておけばよいが、場合によっては、そのフォーマットとは違うフォーマットで書き込みたい場合も出てくる。そのような点を考慮し、光ディスクメディアの供給手段を2系統にしておくのもよい方法である。
例えば、通常、最もよく使用するフォーマットは、フォーマット済みで供給し、他のフォーマットで書き込みたい場合を想定した未フォーマットのものを準備しておき、それは光ディスク作成に多少時間が余計にかかっても、フォーマット化ならびにデータ書き込みを本発明のMFP(内の書き込みドライブ)で行うという使い方である。
フォーマット化済みあるいは未フォーマットの光ディスクメディアは、それぞれ、図9に示すように、複数枚ずつマガジンに収納して供給すればよい。そして、例えば、通常は、ISO9660レベル1にあらかじめフォーマット化してある光ディスクメディアを使用するようなモードにMFPを設定しておき、特別に別のフォーマットで記録したいような場合においては、未フォーマットの光ディスクメディアを選択し、その場合は、フォーマット化を行ってから記録するという使い方をするのである。あるいは、通常、最もよく使用するフォーマットのもののみ、このような複数枚ずつマガジンに収納して供給し、たまにしか使用しないような特殊フォーマットで書き込むような場合は、頻度が少ないので1枚ずつ手差し供給するようにしてもよい。
以上、本発明の可搬性の記憶メディア、ストレージとして純粋な光メモリを中心に説明をしたが、他の可搬性の記憶メディアとして本発明に好適に使用できるものとして、MOとして知られる光磁気ディスク(Magneto Optical Disk)、光磁気メモリ等がある。容量は、128MB、230MB、640MB等あり、使用用途によって適宜選ばれる。
動作原理は、磁性体でできたディスクの記録層(磁性体の材料として、各種磁性ガーネットやマンガン・ビスマス合金、バリウム系フェライトなどを使用)にレーザ光を照射して加熱し、約200度に温度が上がったところで、磁界をかけて磁性体の向きを変えて書き込み(記録)を行い、データを読み出す際には、書き込み時よりも低出カのレーザ光を照射し、その反射光の違いを検知することによってデータを読み出すというものである。
MOは、磁気の影響を受けない、ヘッドクラッシュがないなどの理由から、信頼性が高く、前述の光メモリ同様、本発明の情報入出力装置に組み込まれる可搬性の記憶メディアとして大変好適なメディアである。
次に、本発明の可搬性の記憶メディアとして好適に使用される他の記憶メディアとしては、半導体フラッシュメモリがある。通常、DRAMなどは、電源を切るとデータが失われてしまい、本発明の可搬性の記憶メディアとしては不適であるが、フラッシュメモリは不揮発性でありそのようなことがない。USBフラッシュメモリ、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリスティック等、カード型やスティック型などの形状、サイズ、容量等いろいろあるが、いずれも持ち運びに便利なものである。
なお、他に同様に不揮発性メモリとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)として知られる半導体メモリがあり、これも本発明の可搬性の記憶メディアとしては好適に使用できる。
いずれも、電源を切ってもデータが消えることなく保存され、さらに、前述の光メモリとは異なり、動作時に機械的な可動部分がなく、全て電気的制御で使用でき、高速応答ならびに信頼性が高い、大変使用しやすいものである。
以上、本発明に適用される各種可搬性の記憶メディア、ストレージの代表例を説明したが、本発明はここにあげた例に限定されるものではない。
本発明のポイントは、情報の出力、記憶(記録)という場面において、紙メディアと可搬性の電子情報記憶/記録メディアとの融合を目指し、それらが互いに関連付けられるとともに、その機能を果たす1台の装置(あるいは一箇所にシステム構成された装置)としてまとめあげられ、紙メディアへの情報出力(プリントアウト)がなされると同時、もしくは、必要に応じて、該情報を可搬性の電子情報記憶/記録メディアへ記録し、それらを1台の装置(もしくは一箇所にシステム構成された装置)で受け取ることができるというものである。つまり、紙のプリントアウト書類と記憶メディア、ストレージを1台の装置から、もしくは、(分散配置された別々の装置からではなく)一箇所で受け取ることができるというものである。
また、記憶メディア、ストレージを複数個ストックしたマガジンを装置本体に着脱可能に設置し、必要に応じて、記憶メディア、ストレージをドライブ部分(情報書き込み部分、ピックアップ部分)に搬送し、情報書き込みを行う例として、光ディスクの例をあげて説明したが、本発明は、光ディスクだけに限定されるものではなく、他の記憶メディア、ストレージであっても、そのマガジンの形態、搬送の形態、情報の書き込み(記憶)/読み取り手段の形態は少しずつ異なるが、考え方は同じであって、同様に適用されるものである。さらに、フォーマット済みあるいは未フォーマットのそれぞれの記憶メディア、ストレージについても、その供給の仕方(それぞれ複数ずつストックしておき、必要に応じて選択できるという使用法)は、前述の光ディスクメディアのみに限定されるのではなく、他の可搬性の記憶メディア、ストレージにも同様に適用される。
次に、本発明の他の特徴について説明する。本発明では、前述のように、可搬性の記憶メディア、ストレージに紙メディアに出力したデータを記憶、記録するものであるが、このような記憶、記録された記憶メディア、ストレージ、すなわち、情報書き込み後の記憶メディア、ストレージは、その可搬性を利用して物理的に持ち運びがなされる。
このような情報は、電子データとしてネットワーク回線を利用して送受信することもできるが、場合によっては、本発明のように、持ち運びにしたほうがよい場合もある。あるいは、そうせざるを得ない場合もある。そこで、本発明のような可搬性の記憶メディア、ストレージが利用されるわけであるが、このような記憶メディア、ストレージそのものの持ち運びを行う場合、どうしても、汚染、あるいは、破損によって、情報の読み取りが不可能になったり、その後のデータの追記、あるいは編集が不可能になったりするという事故が起こる。よって、本発明では、このような可搬性の記憶メディア、ストレージを収納する部材に入れて利用するようにしている。
図13は、本発明の1構成例を示す図であり、紙のようなシート状のものへの出力装置として電子写真原理(カールソンプロセス)を使用したMFPの例である。前述のように、インクジェット原理のMFPであってもよいことはいうまでもない。可搬性の記憶メディア、ストレージとして、ここでは、光ディスクとしている。図13中、85は光ディスクドライブユニット、86は未使用のメディアストック部、87は収納部材ストック部である。
使用方法は、図8で説明したように、例えば、マイクロソフト社のWordファイル、EXCELファイル、PowerPointファイルなど、あるいはアドビ社のPDFファイルに変換したものなどのファイルデータをMFP内部のメモリに保存し、必要に応じて、紙出力する。また、そのファイルデータを組み込まれた光ディスクドライブユニット85を使用し、メディアストック部86から搬送、設置された未使用のDVD−R、あるいは、DVD−RW等に焼く(burn)ことにより、電子データとして持ち運びできる光ディスク(可搬性ストレージ)を作成する。なお、これら紙文書の出力と光ディスクの作成は、(ほぼ)同時に行ってもよいし、必要に応じて、一方だけ(紙文書のプリントアウト、あるいは光ディスクの作成)行ってもよい。
光ディスクへの書き込みが終了後、収納部材ストック部87に収納された収納部材88(図14〜図21参照)に、光ディスクメディア103を収納し、持ち運びに安全な状態となる。
図14〜図21は、収納部材88に光ディスクメディア103を収納する例を示す図で、図中、88は収納部材であり、プラスチック、ビニールシート、紙等からなる。89は収納部であり、この部分に、光ディスクメディア103が収納される。90は収納部材88に必要に応じて設けられるふた部である。
図14〜図18は、収納部材88に外径120mmの円盤型の光ディスクメディア103を収納する例であり、図13は、プラスチックケースに収納する例である。収納部89の中央部には、光ディスクメディア103にあけられた穴径15mmの穴に勘合するような外径15mmの突起部(高さ1〜2mm)が設けられ、光ディスクメディア103の穴部と勘合する。ふた部90は開閉自在となっている。
図15は、紙でできた封筒状の収納部材88であり、収納部89に光ディスクメディア103が収められた後、ふた部90を曲げて蓋をし、ゴミなどが入らないようにする。
図16、図17も、形状は図15の場合とやや異なるが、収納構造は同じである。紙もしくはビニールよりなる収納部材88に円盤型の光ディスクメディア103を収納後、ふた部90を折り曲げてふたをする。
図18も、封筒状になっているが、中央に光ディスクメディア103の外形より小さい穴を有しており、取り出し易いようにしたものである。
図19〜図21は、円盤の両側を切り落とした長円形に似た擬似カード型の光ディスクメディア103を収納する例を説明するための図で、収納原理は、前述の円盤型のものと同等であり、封筒状の収納部材88よりなり、必要に応じてふた部90を有する。
以上、本発明の光ディスクメディア103の収納例をいくつか説明したが、本発明では図13に示したように、このような光ディスクメディア103を収納するための収納部材88を収納部材ストック部87に常時複数個ストックしている。そして、必要に応じて、ここから収納部材88を取り出し、書き込み後の光ディスクメディア103を収納部材88に収納して、安全に持ち運びできるようにしている。
なお、この収納部材ストック部87から収納部材88を取り出し、書き込み後の光ディスクメディア103を収納する際、1つとか2つといった数であれば人が行ってもよいが、より多くの書き込み後の光ディスクメディア103を収納する場合においては、自動化すべきである。
本発明では、この点に鑑み、所望の情報を書き込まれた可搬性の記憶メディアをパッケージングする機能もMFPの機能として有している。
図22は、可搬性の記憶メディア205(カード型の光ディスクメディアやカード型の半導体不揮発メモリなど)の収納(パッケージング)プロセスを示す概念図である。
所望の情報を書き込まれた可搬性の記憶メディア205(図22(a))は、収納部材207によって挟み込まれる。この収納部材207は、厚紙や樹脂シートなどが長方形に裁断され部分的に切欠が形成された基材208(図22(b))を207a〜207dの仮折り部で仮折りして形成される(図22(c))。
収納部材207は、面積の大きな下保護面207eが可搬性の記憶メディア205上に重ねられ(図22(d))、可搬性の記憶メディア205と収納部材207とが一緒に反転される(図22(e))。そして、収納部材207の他方の上保護面207fが可搬性の記憶メディア205上に重ねられるように仮折り部分に沿って折り畳まれ、2つのフラップ207g、207hが可搬性の記憶メディア205の側面を保護するように折り畳まれ、パッケージング終了後の可搬性の記憶メディア210ができあがる(図22(f))。
以上は、本発明のMFPの機能として設けられた、可搬性の記憶メディアの収納(パッケージング)プロセスであるが、以下に、このようなプロセスを行うための機構の1例を図23によって説明する。
所望の情報を書き込まれた可搬性の記憶メディア205は搬送されて集積台269に載置される。パッケージング機構253、集積台269から可搬性の記憶メディア205を取り出すロボットアームユニット273と、収納部材207を保持する収納部材ハンドリングユニット274と、収納部材207の仮折りを行う仮折りユニット275と、可搬性の記憶メディア205を挟むように収納部材207を折り込む折り込みユニット276とから構成されている。
ロボットアームユニット273と収納部材ハンドリングユニット274は、多関節のアームを備えた汎用の多軸ロボット機構である。ロボットアームユニット273のアームの先端には、可搬性の記憶メディア205と収納部材207とを挟み込むロボットハンド273aが設けられている。収納部材ハンドリングユニット274のアームの先端には、収納部材207を吸着保持する吸着パッド274aが設けられている。
ロボットアームユニット273と収納部材ハンドリングユニット274とは、収納部材207の下保護面207eの上に、搬送されてきた可搬性の記憶メディア205を重ね、折り込みユニット276に移載する。
仮折りユニット275は、固定治具278と、この固定治具278の端面に重なるように下降する可動治具279と、詳しくは図示しないが、可動治具279を上下動させる移動機構とからなり、収納部材207を仮折り部207a〜207dで仮折りする。
折り込みユニット276は、収納部材207に可搬性の記憶メディア205が重ねられた状態で載置される箱形状の基台282と、収納部材207の上保護面207fを可搬性の記憶メディア205の上に折り込む折込みアーム部283と、アーム部283を回動させる回動機構とからなる。ここで収納部材207の上保護面207fが可搬性の記憶メディア205上に重ねられるように仮折り部分に沿って折り畳まれ、2つのフラップ207g、207hが可搬性の記憶メディア205の側面を保護するように折り畳まれ、パッケージング終了後の可搬性の記憶メディア210となる。
なお、この収納部材207は、ここでは紙パッケージングの例で説明しているので、多数(複数)の基材208として準備されているが、あらかじめ最終的な収納部材としての形態で、多数(複数)個準備(ストック)しておいてもよい。特に、図14で示したようなプラスチックケースの場合は、複数個の完成したケースとしてストックしている。
次に、本発明の他の特徴について説明する。本発明では前述のように、可搬性の記憶メディア、ストレージに紙メディアに出力したデータを記憶、記録するものであるが、このような記憶メディア、ストレージは、外部から見た場合には、何が記憶されているかわからない。よって、少なくとも出力された紙メディア(プリントアウト文書)と対応付けができる程度の簡単な情報を付与し、それが外部から見られる(記憶メディア、ストレージをドライブ装置等にかけて内部の情報を読み取るのではなく、そのものを見て目視確認できる)ようにしておく必要がある。
本発明では、この点に鑑み、記憶メディア、ストレージの収納部材の表面に目視情報を記録するようにしている。具体的には、紙メディアに色材を付与する手段であるインクジェット原理による出力手段を利用している。
インクジェット原理による記録は非接触記録、直接記録であり、被記録体が紙のようなものに限定されることなく、立体的なものにでも記録できる。よって、本発明で使用する各種記憶メディア、ストレージの収納部材は、記憶メディア、ストレージの形状によってその収納部材の形状もさまざまなものとなるが、上記説明より明らかなように、インクジェット原理で非接触記録、直接記録を行えば、その表面に容易に情報を出力(記録)できる。
具体的には、収納後の各種記憶メディア、ストレージを、それぞれに適した搬送手段でインクジェット記録ヘッド部分(インクジェット出力を行う部分)に搬送することによって、所望の情報を収納部材表面に書き込むことができる。その際、より好ましくは、収納部材の表面にインクが付着しやすくなるように、あるいは、にじんだりしない良好な画素が得られるように、インクが付着する表面にインク受容層を形成したほうがよい。
例えば、ポリカーボネート樹脂等よりなる光ディスクのケース表面にインクジェット記録を行っても、インクの密着力があまりないため、手で触っただけで記録情報が消えてしまうということがよくある。あるいは、収納部材として紙パッケージを使用する場合にも、紙材質によっては、にじみが生じて良好なインクの画素が形成できない場合がある。
そのようなことを回避するために、インク受容層をポリカーボネート樹脂表面や、あるいは、パッケージ用の紙表面に形成しておくわけである。具体的には、炭酸カルシウム(CaCO3)等の微粉末層をバインダー樹脂とともにインク受容層として形成する。
他の例として、このように収納部材に直接記録するのではなく、表面に紙ラベルのようなものを設けて、その上に記録を行うようにしてもよい。この場合、記録済みの紙ラベルを別途用意して収納部材表面に貼り付けてもよいし、紙ラベルを貼った収納部材を、適宜インクジェット記録部に搬送して、その紙ラベル面に記録してもよい。なお、このラベルは紙に限定されるものではなく、樹脂フィルムであってもよいが、その場合は、以下に述べるように、収納部材表面の材質に準じたインクを選ぶようにする。表面に前述のようなインク受容層を設けたようなラベルであれば、樹脂フィルムラベルであっても紙に準じた扱いができる。
一般に、インクジェット原理で紙メディアに記録する場合、インクとしては水を溶媒の主成分とした水性系インクが使用されるが、例えば、ポリカーボネート等のプラスチックに直接記録を行うような場合は、通常の紙の繊維の中にインクがしみこんでいくわけではなく、乾燥に時間がかかるため、溶剤系インク、油性インクを使用するほうがよい。あるいは、UV硬化型インクを使用するほうがよい。ただし、これも、インク受容層の有無、ケース表面に直接記録を行う/ラベルに記録を行う、ラベルの材質(紙/樹脂フィルム)、使用するインクジェット原理(サーマルインクジェット方式/ピエゾを利用したオンデマンド方式)によって適宜最適なインクあるいはそれに使用するインクジェット原理を選ぶようにする。
図24は、本発明の他の構成例であり、これは収納部材にインクジェット原理で情報を書き込むための専用のインクジェット記録部96を有するMFPである。95は給紙カセットであるが、ここには、専用のラベル、あるいは、可搬性の記憶メディアの収納部材を複数個ストックしている。97はインクジェット記録排紙トレイであり、記録されたラベル、あるいは、収納部材の排出部である。なお、収納部材は、可搬性の記憶メディアを収納する前のもの、収納後のもの(可搬性の記憶メディアを内蔵したもの)ともに良好に使用されるが、収納後のものに記録を行うことを考えた場合、収納後の収納部材は、ふくらみを持ったりして、紙のようにシート状になっていない。よって、紙メディアに出力するインクジェット記録部を流用する場合に、その搬送が難しい場合もある。
しかしながら、この例のように、収納部材にインクジェット原理で記録を行う専用のインクジェット記録部96を有するような構成にすると、紙メディアと収納部材の混合搬送という複雑な機構を回避できるのでジャムなどのトラブルが発生しにくくなって有利である。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。本発明は、上記説明のようにカールソンプロセス原理、あるいは、インクジェット原理によって、紙メディアに出力(プリントアウト)し、可搬性の記憶メディアにも情報を書き込み、収納部材に収納して持ち運びができるようにしたものである。
それに加えて、本発明では、紙メディアに出力されたいわゆる紙文書、あるいは、OHPシートのようなシート状部材等と収納部材に収納された可搬性の記憶メディアを一体的にする機能も、本発明のMFPに持たせている。図25はその例である。
図25において、所望の情報を書き込まれ、紙あるいはビニール袋等の収納部材に入れられたパッケージング終了後の可搬性の記憶メディア210(図25(a))は、ステイプラー212によって紙文書211と一体的にされる(図25(b))。この場合も、1つの文書および1つの記憶メディアを一体化させるだけであれば、手作業で人が行ってもよいが、より多くの文書および記憶メディアを一体化させる場合においては、本発明のように、MFPに一体化させる機能を持たせるべきである。本発明では、これを実現するために、ステイプル(止め)機能ならびにその消耗品としてのステイプラー(針)を複数個ストックしている。
詳細な説明は省略するが、このステイプル(止め)動作は、複数枚の文書を綴じる本発明のMFPの機能を流用して行うことができる。すなわち、出力後の紙文書をページをそろえたりするソーター(図示せず)によって仕分けする紙搬送、排出経路に収納部材に入れられたパッケージング終了後の可搬性の記憶メディアを流し、紙文書を綴じるのと同じ要領で文書と収納部材に収納された記憶メディアを綴じればよい。
なお、以上の説明は、紙文書とパッケージング終了後の可搬性の記憶メディアの収納部材をステイプラーで綴じる(ホッチキスで綴じる)例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者を一体化させるために、例えば、両面テープを利用したり、のりのようなものを利用してもよい。いずれにしろ、このような一体化のための部材(ステイプラー、両面テープ、のり等)は消耗品として、常時本発明のMFP内に収容している。また、紙文書のみならず、本発明のMFP(カールソンプロセス原理、あるいは、インクジェット原理によるプリントアウト装置)によって、出力(プリントアウト)されるシート状出力物(シート状文書やシート状のイメージプリントアウト物)すべてに適用されるものである。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。本発明の情報入出力装置は紙を扱うため、その紙粉やトナー、インクなどが常時装置内、あるいは装置近傍に漂っている環境にある。よって、本発明の光メモリ等のストレージに記録を行う半導体レーザおよびその光学系よりなるピックアップユニット(図10の、108参照)は、紙粉やトナー、インクなどによって汚れやすいという宿命にある。
さらに、本発明の他の例である半導体不揮発メモリのように電気的入出力で、情報の書き込み/読み出し(出力)を行うものと違って、光メモリ等のストレージは、ピックアップユニットとストレージが物理的に分離していて、機械的動作を行うという動作原理そのものに起因するものであるが、故障しやすい(レーザダイオードの寿命あるいは機械動作部分の故障)という性格もある。とりわけ、本発明に特有な紙粉やトナー、インクなどの浮遊は、機械的動作の故障を引き起こす重要因子である。
そこで、本発明は、これら汚れ、あるいは故障等による、信頼性の低さを補償するために、ピックアップユニットをドライブ部分から着脱可能とし、故障したり、レンズ等の光学系が汚れたりして、使用に支障をきたす場合に簡単に交換、あるいは、レンズ部分の清浄化ができるようにしている。
このように、MFP内にこのような光メモリ等のストレージを有するような本発明の場合、紙粉やトナー、インクなどによる光学系の汚染、あるいは、ピックアップユニットの機械的動作部分の故障があっても、これを着脱交換できるようにしているので、簡単に機能回復できるという利点がある。
A…原稿セット部、B…分離給送部、C…レジスト部、D…ターン部、E…第1読取り搬送部(第1読取り位置)、F…第2読取り搬送部(第2読取り位置)、G…排紙部、H…スタック部、1…画像形成部、2…給紙部、3…読み取り部、4…排紙トレイ、5…中間転写ベルト、6…作像部、7…露光装置、8…定着装置、9…両面装置、10…インク、11…発熱体、12…気泡、13…インク滴、20…記録紙、21…給紙トレイ、23…レジストローラ、24…底板、25…ピックアップローラ、26…給紙ローラ、27…縦搬送路、31…コンタクトガラス、32…第1の走行体、33…第2の走行体、34…レンズ、35…CCD、36…自動原稿搬送読取装置、37…読取りローラ、38…読取り手段(第2読取り手段)、38a…読取り面、39…読取りローラ、41…排紙ローラ、51…2次転写装置、52…中間転写ベルトクリーニング装置、61…感光体、62…帯電装置、63…現像装置、64…感光体クリーニング装置、65…露光部、66…1次転写装置、67…ヘッドユニット、68…ヘッドチップ、69…FPC、70…インク容器部、71…裏蓋、72…インク吸収体、73…記録紙、74…インクジェットヘッドユニット、75…ノズル、76…キャリッジ、77…ガイドロッド、78…ネジ棒、79…記録紙送りローラ、80…記録紙押えコロ、81…分岐爪、82…ジャム紙排紙トレイ、84…手差しトレイ、85…光ディスクドライブユニット、86…メディアストック部、87…収納部材ストック部、88…収納部材、89…収納部、90…ふた部、91…分岐部、92…反転排紙経路、95…給紙カセット、96…インクジェット記録部、97…インクジェット記録排紙トレイ、100…マガジン、101…三角形の方向表示印、102…搬送トレイ、103…光ディスクメディア、104…フック溝、105…穴、106…フック、107…回転軸、108…ピックアップ、109…光ディスクドライブユニット、110…書き込み部、111…切り欠き部、205…可搬性の記憶メディア、207…収納部材、208…基材、207a…仮折り部、207b…仮折り部、207c…仮折り部、207d…仮折り部、207e…下保護面、207f…上保護面、207g…フラップ、207h…フラップ、210…パッケージ終了後の可搬性の記憶メディア、211…紙文書、212…ステイプラー、253…パッケージング機構、269…集積台、273…ロボットアームユニット、273a…ロボットハンド、274…収納部材ハンドリングユニット、274a…吸着パッド、275…仮折りユニット、276…折り込みユニット、278…固定治具、279…可動治具、282…基台、283…折込みアーム部、301…CPU、302…RAM、303…ROM、304…ローカルバス、305…I/Oバス、306…ブリッジ回路、307…プリンタ部、308…プリンタI/F部、309…光ディスクドライブ、310…光ディスクドライブI/F部、311…スキャナ部、312…スキャナI/F部、313…ハードディスクドライブ、314…IDE I/F。