以下に、本発明のシステムの実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は例示であり、これに限定されるものではない。
図1、図2は本発明のシステムに好適に適用される紙に代表されるシート状部材に色材を付与する代表例としての電子写真複写装置である。
図1は、電子写真原理(カールソンプロセス)のエンジン部(画像形成部)を示したものであり、ここでは潜像担持体としての感光体ドラムをタンデム配列した乾式2成分現像方式のフルカラー作像装置の画像形成部を示している。
図2は、全体を示す図で、図2において、4連タンデム型のカラー画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、マルチファンクションペリフェラル)のほぼ中央に画像形成部1が配置され、この画像形成部1のすぐ下方には給紙部2が配置され、給紙部2には各段に給紙トレイ21が設けられている。また、画像形成部1の上方には、原稿を読み取る読み取り部3が配設されている。画像形成部1の用紙搬送方向下流側(図示左側)には排紙収納部、所謂排紙トレイ4が設けられ、排紙された画像形成済みの記録紙が積載される。
画像形成部1では、図1に示すように、無端状のベルトからなる中間転写ベルト5の上方に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の複数の作像部6(6Y,6M,6C,6K)が並置されている。なお、図1では、各部の符号の後ろに色を表すY、M、C、Kを付けて各色の作像部を区別している。各々の作像部6では、各色毎に設けられたドラム状の感光体61の外周に沿って、帯電装置62、露光部65、現像装置63、感光体クリーニング装置64などが配置されている。帯電装置62は、感光体61の表面に帯電処理を行い、露光部65では、画像情報を感光体61の表面にレーザ光で照射する露光装置7からのレーザ光が照射される。現像装置63は、感光体61の表面に露光されて形成された静電潜像をトナー現像して可視化し、感光体クリーニング装置64は転写後に感光体61の表面に残留したトナーを除去回収する。
作像プロセスとしては、中間転写ベルト5上に各色毎の画像が作像され、中間転写ベルト5上に4色が重畳されて1つのカラー画像が形成される。その際、最初に、イエロー(Y)の作像部で、イエロー(Y)のトナーを現像し、中間転写ベルト5に1次転写装置66によって転写する。次に、マゼンタ(M)の作像部で、マゼンタのトナーを現像し、中間転写ベルト5に転写する。次に、シアン(C)の作像部で、シアンのトナーを現像し、中間転写ベルト5上に転写し、最後に、ブラック(K)のトナーを現像し、中間転写ベルト5上に転写し、4色が重畳されたフルカラーのトナー画像が形成される。そして、中間転写ベルト5上に転写された4色のトナー像は、給紙部2から給紙されてきた記録紙20に2次転写装置51で転写され、定着装置8によって定着された後、排紙ローラ41によって排紙トレイ4に排紙され、あるいは、両面装置9に搬送される。
両面印刷時は、搬送経路は分岐部91で分岐され、両面装置9を経由して、記録紙20は反転される。そして、レジストローラ23で用紙のスキューが補正され、表面への画像形成動作と同様にして裏面への画像形成動作が行われる。一方、フルカラーのトナー像が転写された後、中間転写ベルト5の表面に残留したトナーは中間転写ベルトクリーニング装置52によって除去回収される。なお、符号92は両面装置9からの反転排紙経路である。
給紙部2は、給紙トレイ21に未使用の記録紙20が収容されており、最上位の記録紙20がピックアップローラ25に当接する位置まで、一端が給紙トレイ21の底部に揺動可能に支持された底板24の他端を上昇させる。そして、給紙ローラ26の回転により、最上位の記録紙20はピックアップローラ25によって給紙トレイ21から引き出され、給紙ローラ26によって縦搬送路27を介してレジストローラ23側へと搬送される。レジストローラ23は記録紙20の搬送を一時止め、中間転写ベルト5上のトナー像と記録紙20の先端との位置関係が所定の位置になるよう、タイミングをとって記録紙20を送り出す。レジストローラ23は前記縦搬送路27からの記録紙20の他に、手差しトレイ84から搬送されてくる記録紙20に対しても同様に機能する。なお、図2中、符号81は分岐爪、符号82はジャム紙排紙トレイであり、縦搬送路27の下流側でジャムが生じたときに分岐爪81が作動してジャム紙排紙トレイ82に用紙を導出する機能を有する。
読み取り部3では、コンタクトガラス31上に載置される原稿(不図示)の読み取り走査を行うために、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1及び第2の走行体32、33が往復移動する。この走行体32、33により走査された画像情報は、レンズ34によって後方に設置されているCCD35の結像面に集光され、CCD35によって画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。そして、画像処理された信号に基づいて、露光装置7内のレーザダイオードLD(不図示)の発光により感光体61の表面に光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。LDからの光信号は、公知のポリゴンミラーやレンズを介して感光体61に至る。また、読み取り部3の上部には、原稿を自動的にコンタクトガラス上に搬送する自動原稿搬送装置36が取り付けられている。
なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、あるいはマルチファンクションペリフェラルともいう)は、前述のように、光走査して原稿を読み取り、デジタル化して用紙に複写する、いわゆる、デジタルカラー複写機としての機能の他に、図示しない制御装置により原稿の画像情報を遠隔地と授受するファクシミリの機能や、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するいわゆるプリンタの機能を有する多機能の画像形成装置である。
これは、この装置単独でこのような機能を持たせているが、後述するように、ネットワークに接続されサーバ管理のもとに、他の各種装置(スキャナ、各種プリンタ、光ディスクドライブ、ハードディスクドライブ等)と協同動作させるシステムとすることも可能である。
次に、紙に代表されるシート状部材に色材を付与するもう1つの代表例としてのインクジェット記録原理を簡単に説明する。
いわゆるインクジェット記録と呼ばれているものは、その原理によって種々の方法が存在するが、ここでは、その一例として、熱を利用するサーマルインクジェット方式で説明する。なお、ここでは、サーマルインクジェット方式によって説明するが、他のピエゾを利用したオンデマンド方式、あるいは、荷電制御型とよばれるいわゆる連続流型のインクジェットであっても本発明に好適に利用できることはいうまでもない。
図3は、インクジェットヘッドユニットの一例を説明するための図で、図3(a)は全体斜視図、図3(b)は分解斜視図である。このヘッドユニット67は、直径10μm〜30μm(丸ではなく他の形状の場合、その開口は面積換算で100μm2〜700μm2程度)の微細なインクを噴射するノズルを有したヘッドチップ68と、そこにインクを供給するためのインク容器部70とを一体的に形成したものである。ヘッドチップ68は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)69に接続され、FPCに設けられた電気接点をキャリッジ側の接点(図示せず)と接触することにより、プリンタ本体側より電気信号を受け取り、インクを噴射して記録を行うようになっている。71は裏蓋、72はインク吸収体で、インク吸収体72は、インクを含浸させたスポンジであり、キャリッジが移動して振動しても、容器内部でインク中に泡が発生するようなことはないような構成となっている。インク吸収体72に含浸されているインクを使いきった時点で、このヘッドユニット全体を交換するようなっている。
次に、図4(a)〜図4(e)を参照しながらインクの噴射原理について説明する。図4(a)〜図4(e)は、サーマルインクジェト方式においては吐出口の近傍を断面図で示したものである。図4(a)は定常状態であり、吐出口部でインク10の表面張力と外圧とが平衡状態にある。図4(b)は発熱体11が加熱されて該発熱体11の表面温度が急上昇し、隣接インク層に膜沸騰現象が生じ、沸騰膜を作り、気泡12が成長した状態である。この時、吐出口部の圧力は、気泡の成長した分だけ上昇し、外圧とのバランスがくずれ、吐出口よりインク10の柱(インク柱)が成長しはじめる。図4(c)は気泡12が最大に成長した状態であり、吐出口部からインク10の柱(インク柱)が押し出される。この時、発熱体11には電流が流れていない状態にあり、発熱体11の表面温度は降下しつつある。気泡12の体積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややおくれる。
図4(d)は、気泡12がインクなどにより冷却されて収納した状態を示す。インク10の柱(インク柱)の先端部では、押し出された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡12の収縮にともない吐出口内圧の減少によりインクが逆流し、インク10の柱(インク柱)の根本がくびれ、その後、くびれ部から切断されて、インク滴13となって空中に飛翔する。吐出口部では、外圧が吐出口内圧より高い状態になるため、メニスカスが大きく吐出口内に入りこんできている。インク滴13の先端部は8〜18m/sの速度をもち、記録紙の方向に飛翔する。図4(e)は吐出口部にインクが毛細管現象により再び供給(リフィル)されて、図4(a)の状態にもどる過程で気泡は完全に消滅している。
なお、このような原理の他に、発熱体の駆動制御の仕方や吐出口部のディメンションを選び発生した気泡12によって、気泡12の前方にあるインクをほぼ全部吐出口の外に押し出す方式も可能である。その場合、前記の方式に比べ、気泡12の収縮にともなうインクの逆流、インク10の柱(インク柱)の根本がくびれという現象がない分、1吐出口あたりのインク滴形成頻度(駆動周波数)を15kHz〜50kHzというように高くでき、印写スピードを上げられるというメリットがある(前述の方式では5kHz〜12kHz程度が安定駆動できる範囲)。
以上のような原理、構成のインクジェットヘッドは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色ないしは、それにブラック(B)を加えた4色の印写を行えるように、図5に示すようなキャリッジに搭載され、紙面の前をシリアル連動をしながら記録を行う。
図5において、73は記録紙、74はインクジェットヘッドユニットであり(図3に示したヘッドユニットを4色分ならべたものである。ただし、図の形状は一致していない)、74Y、74M、74C、74Bはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)を印写できるようになっている。75は各ヘッドのノズル、76はキャリッジ、77はキャリッジのガイドロッド、78はキャリッジを移動させるためのネジ棒、79は記録紙搬送ローラ、80は記録紙押えコロである。
以上の説明により、本発明のシート状部材に色材を付与する手段として、電子写真原理、インクジェット原理の出力手段を説明したが、図6に、この両者を組み合わせた例を示す。図6において、87は給紙カセット、88はインクジェット記録部、89インクジェット記録排紙トレイである。
本発明では、出力文書等の種類、性質によって、これら2つの出力手段を単独で使用したりあるいは協同使用したりする。
協同使用の場合、例えば、文書の中に一部のみカラー領域があるというような文書出力などに特に好適に使用できる。つまり、モノクロ部分を高速出力を得意とする電子写真原理で出力し、その後、一部のカラー部分のみをインクジェット原理で出力するという使用法である。一般オフィスでよく利用される文書は、黒文字(モノクロ)が主流で、部分的にカラーのグラフ、図、あるいは、写真などが挿入されているような黒文字とカラーのグラフ、図等の混在文書である。そのような文書を効率よく記録するために、黒文字を出力する際には、電子写真原理を利用し、カラーの図を出力する際には、Y、M、C(必要ならばB)のインクを利用するインクジェット原理を利用する。
ここで、電子写真技術は、一般にページ記録タイプであり、いわゆる、感光体ドラムと呼ばれる像担持体は、そのドラムの幅(長さ)は、記録紙の幅と同等あるいはそれ以上であり、その記録速度は1分間に20枚〜100枚という能力をもっている。従って、黒文字が多くを占めるオフィス文書を大量に処理(出力)するのに大変都合がよい。
一方、インクジェット原理の場合、比較的簡単な構成でカラー出力ができる。しかも、電子写真原理の場合のように、感光体ドラムの幅によってある程度出力できる紙のサイズが限定されるが、インクジェット原理の場合は、そのような限定要因はなく、大判の紙(A0〜A2)や、バナー状の長い用紙への出力が可能である。
なお、必ずしもこの使用法に限定されるものではなく、電子写真原理で、カラー出力をしてもいいことはいうまでもない。あるいは、インクジェット原理でモノクロ出力をしてもいい。
図7は、このような本発明のシステムの一例であり、紙などの記録媒体に印字を行うプリンタ部の電気信号を処理する部分の構成、光メモリへの情報書き込み部の電気信号を処理する部分の構成、スキャナからの情報取り込み部の電気信号を処理する部分の構成などを詳細に示したものである。
図7において、301はCPUで、プリンタの各部の制御を行うためのものである。302はRAMであり、前記CPUが演算した結果や、プリンタなどが扱う画像データなどを一時的に記憶しておくためのものである。303はROMであり、前記CPUが動作するためのプログラムや、画像データを生成するためのフォントデータなどが格納されている。
304は、前記CPU、RAM、ROMが接続されているローカルバスである。305はI/Oバスであり、機能拡張用の内部Busである。306は前記ローカルバスとI/Oバスを接続するためのブリッジ回路である。
307はプリンタ部で、紙などの記録媒体に画像を形成するための部分である。
このプリンタ部は、前記のような電子写真原理(カールソンプロセス)による作像方式以外にインクジェット方式(サーマル、ピエゾ等)などさまざまな形式のプリンタ部が存在する。308はプリンタインターフェース部であり、前記プリンタ部とI/Oバスを接続するためのものであり、CPU301の指示に従ってRAM302に格納されている画像データをプリンタ部307へ転送することが可能である。
なお、ここでは、プリンタインターフェース部308とプリンタ部307として示しているが、電子写真原理(カールソンプロセス)とインクジェット原理の2つの出力装置を具備する場合、さらには、それら以外の出力装置をも具備する場合、これらプリンタインターフェース部およびプリンタ部はそれぞれ複数個存在する。
309は光ディスクドライブであり、光ディスク(メモリ)から情報を読み取ったり、光ディスク(メモリ)に情報を書き込んだりするための部分である。310は光ディスクドライブインターフェース部であり、前記光ディスクドライブとI/Oバスを接続するためのものであり、CPUの指示に従って、前記光ディスクドライブから転送される電子データを、302のRAMに転送したり、RAMから光ディスクドライブへ転送することが可能である。
311はスキャナ部で、不図示の原稿台に置かれた原稿から読み取った光学的な信号を、CCDなどを用いて電子データに変換し、その電子データを転送するための部分である。312はスキャナインターフェース部であり、前記スキャナ部311とI/Oバス305を接続するためのものであり、CPU301の指示に従って、前記スキャナ311から転送される原稿を読み取った電子データを、RAM302に転送することが可能である。
314はIDEインターフェース部、313はハードディスクドライブであり、画像データのスプールを行ったり、CPU301がさまざまな処理を行うためのプログラムなどを格納させておくためのものである。
315はネットワークインターフェースコントローラであり、ローカルエリアネットワークへ接続するために使用される。316はイメージプロセッシングユニット(以下IPU)であり、解像度変換などの画像処理を行うためのものである。317はラスタイメージプロセッサであり、301のCPUの指示により、315のネットワークインターフェースコントローラを経由して外部から転送されたページ記述言語の画像データをビットマップ画像へ展開し、302のRAMへ展開したビットマップデータを格納するために使用される。
318はビデオRAMで、CPU301により外部のCRTやLCDパネルに表示した表示データが書き込まれるものである。319はビデオインターフェース部であり、VRAMに格納されている表示データを外部のCRTやLCDパネルに表示するためのインターフェースをするためのものである。320は拡張I/Oインターフェース部であり、たとえば、携帯機器などと301のCPUが通信などを行うためのインターフェース回路である。通信形態はシリアル通信や、バイセントロインターフェース、または、Bluetoothなどの無線通信などの形式がある。
以上の説明より明らかなように、本発明においては、情報の入力部と処理部と記憶部と出力部とよりなり、これらの各部あるいは各種装置は、無線、有線、光伝送等によってネットワーク接続されて情報のやりとりが行われる。また、それぞれの装置は分散配置することができるが、必要に応じて、各部あるいは各種装置を1箇所に集中、配置して構成してもよい。
ここで補足しておくが、本発明でいう情報の入力部とは、単にスキャナ部のみならずI/Oインターフェース部、さらには説明を省略しているがキーボードやタッチパネルあるいはイメージキャプチャーデバイス等の情報入力手段も含むものである。また、処理部あるいは記憶部に関しても、それの意味するところは、デバイスあるいはデバイスユニットとしてのCPU、RAM、ROMはいうに及ばず、ネットワークシステムに組み込まれたPC、サーバなども含むものである。出力部も同様に、I/Oインターフェース部、情報表示のディスプレイ、各種プリンタ、ストレージ/メモリ等への情報書き込み装置も含むものである。
前述のように、本発明のシステムは分散あるいは1箇所に集中させて構成できるが、さらに、上記画像形成装置MFP(マルチファンクションプリンタ、マルチファンクションペリフェラル)内部に所望の装置やサーバ機能、大容量のメモリを搭載、配置するようにするのも好適な構成である。すなわち、このようなネットワークシステム全体、あるいはその機能を凝縮した形でMFPという1台のマシン内部に一体的に構成することにより、全ての作業がMFP1台でできてしまうという画期的な情報入出力装置が実現する。
図8は、その1例であり、紙への出力手段として電子写真原理およびインクジェット原理を有するMFPに、光ディスクドライブを組み込んだ構成である。図8中、85は光ディスクドライブユニット、86は未使用のメディアストック部である。
使用方法は、例えば、マイクロソフト社のWordファイル、EXCELファイル、PowerPointファイルなど、あるいは、アドビ社のPDFファイルに変換したものなどのファイルデータをMFP内部のメモリに保存し、必要に応じて紙出力する。またそのファイルデータを組み込まれた光ディスクドライブユニット85を使用し、メディアストック部86から搬送、設置された未使用のDVD−R、あるいはDVD−RW等に焼く(burn)ことにより、電子データとして持ち運びできる光ディスク(可搬性ストレージ)を作成する。なお、これら紙文書の出力と光ディスクの作成は、(ほぼ)同時に行ってもよいし、必要に応じて一方だけ(紙文書のプリントアウト、あるいは光ディスクの作成)行ってもよい。
このような本発明のMFPは、前述のように、これ1台で、完結した機能を持っているが、前述のように、このMFPも、ローカルエリアネットワークを介して、インターネットなどの通信網に接続し、ネットワークの1端末という使い方をしてもよい。
インターネットなどの通信網上には、各種のサーバが接続されており、情報の検索を行う検索サーバ、または、電子データなどを蓄積し、ユーザからの要求によって内部に保持している電子データを配信するなどのサービスを行える配信サーバ、さらに、携帯電話などの携帯機器に対して各種サービスや、課金の制御を行える携帯機器のためのサービスを行うサーバなどがある。
本発明のMFPは、ユーザが所定の操作を行うことによりインターネットなどの通信網を介して、検索サーバに情報の問い合わせを行うことも可能であり、また、検索サーバから受信したデータをMFPにてプリントアウトしたり、可搬性の記憶メディア、ストレージに情報記録、記憶を行うことなども可能である。
図9〜図12は、本発明の光ディスクドライブユニットに情報を書き込まれる前の光ディスクメディアを供給、搬送する手段を説明する図である。
本発明においては、情報を書き込まれる前の光ディスクメディアは複数枚ストックされており、必要に応じて1枚ずつ光ディスクドライブユニットに運ばれ、情報書込みが行われる。
図9は、本発明の光ディスクメディアを複数枚(この例では7枚)ストックされたマガジン100を示しており、このマガジン100はマガジン表面に表示された三角形の方向表示印101を矢印Aの方向に向けて、図10に示すように、光ディスクドライブユニット109に矢印Aの方向に挿入される。
図11は、挿入された後の光ディスクメディア103を図10に図示した光ディスクドライブユニット109の書き込み部110に搬送する動作を説明するための図であり、搬送トレイ102に搭載された光ディスクメディア103は、搬送トレイ102に設けられたフック溝104に2つのフック106を引っ掛け、図10に図示した矢印C方向に動作するフック106によって引き出される。
図12は、搬送トレイ102に搭載された光ディスクメディア103が引き出されたときの状態を示す断面図である。その後、光ディスクメディア103は、書き込み部110において、書き込み部110の上下動作(図10の矢印D方向の動作)を利用して穴105に図10に図示した回転軸107が勘合され、搬送トレイ102はマガジン100に戻される。111は、光ディスクメディア103が回転軸107に勘合されても搬送トレイ102をマガジン100に戻すことができるようにするための搬送トレイ102に設けられた切り欠き部である。
図10に図示した回転軸107に穴105を勘合した後、光ディスクメディア103はその記録層に図10に図示したピックアップ108から発せられるレーザ光によって情報書き込みを行う。ピックアップ108によって情報が書き込まれた後、前述の搬送動作で説明した手段と同等の図示しない手段によって、搬送動作と逆の動作によって図10の矢印Bの方向に搬送、排出されて作業が終了する。
以上に、本発明の光ディスクドライブユニットに情報を書き込むための光ディスクメディアを供給、搬送する手段の1例を示したが、本発明の光ディスクメディアは必ずしもこのような、円盤型(外径120mm、厚さ1.2mm、穴径15mm、記憶容量CDフォーマットで650MBもしくは700MB)に限られるものではない。同じ円盤型であっても、外径80mmで記憶容量がCDフォーマットで185MBのものや、矩形形状で名刺サイズの58mm×86mm×1mmで記憶容量がCDフォーマットで18MB〜50MBのもの、さらには、星型、卵型、その他任意の形状の外形形状、寸法の光ディスクメディアが適用される。
また、その記憶容量も、780nmのレーザ波長を用いるCDフォーマットで20MB〜700MB、635nm/650nmのレーザ波長を用いるDVDフォーマットで4.7GB〜17GB、さらには、405nm波長の青色レーザを使用するBlu−ray Disc(あるいはHD DVD)等のフォーマットで、23.3GB〜27GB(HD DVDは片面15GB、両面30GB)といったものまでその用途に応じて選択、使用すればよい。
なお、記録密度、容量の他に、原理的な違いで見ると、データ記録層に感光性の有機色素(シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、スクアリリウム系等)を使用し、この色素に読み取り用よりも強いレーザ光を当て、色素に半永久的な反射率の変化を起こさせ、この変化を記録データとする1回だけ書き込み可能なR(Recordable)メディアと呼ばれるものがある。
記録フォーマット、容量の違いにより、CD−R、DVD−R、DVD+R等がある。色素の反射率変化は半永久的で、非可逆性の反応であるため、1回の書き込みしかできないが、有機色素を使用し、室内でスピンコーティング等によって記録層を形成できるため、量産性に優れ、後述の書き換え可能なメディアに比べて生産コストが安いというメリットがある。また、アーカイブ的な使用に好適なメディアであり、記録データの修正の必要がない場合、あるいは改ざんされると困る場合に、大変好都合に使用されるメディアである。
また、メディア1枚あたりの値段が安いため、本発明のように、紙文書を出力すると同時に、そのデータ(ファイル等)を電子データとしてこのRメディアに書き込んで、大勢の人に配布したりするという使用法に大変都合がよい。
さらに、他の光メモリメディアとしては、データ記録層に結晶とアモルファスの相変化が可能な材料を利用するRW(ReWritable)メディアと呼ばれるものがある。このような材料としては、例えば、Ag−In−Sb−Te(銀−インジウム−アンチモン−テルル)の四元素の合金がある。
結晶相を一気に融点にまで昇温し、不規則な原子の状態をつくり出す。これがアモルファス状態で、つぎに、この状態を急速に冷却すると、原子はばらばらな状態でフリーズされ、温度が下がってもアモルファス相が形成されている。
一方、融点には至らない、やや中間的なレベルにまで昇温しておいて比較的ゆっくり冷えるように温度管理をしてやると、今度は原子が元の状態に組み替わることができ、結晶相が形成される。データを消去する場合には、このようにして結晶相に変化させる。
アモルファスとは原子の配列が乱雑な状態で、結晶と比べて反射率が低くなる。この変化をピットとランドとしている。RWメディアには、この2つの温度を再現できるように、出力の異なったレーザが備えつけられている。
この結晶とアモルファスの相変化は、可逆的に反応させることができるので、前述のRメディアとは異なり、再書き込みができるという特徴がある。
このメディアの場合も、記録フォーマット、容量の違いにより、CD−RW、DVD−RW、DVD+RW等がある。
なお、前述の青色レーザを使用するさらには405nm波長の青色レーザを使用するBlu−ray Disc、あるいはHD DVD等も、同様に、非可逆性の反応あるいは可逆性の反応を利用した材料を使用し、Rメディア、RWメディアが実現でき、本発明に好適に使用できる。
ところで、このような光メモリは、図9等に示したように、ある数量の光ディスクメディアを収納したマガジン単位で供給されるが、高速書き込みを必要とするような場合には、このマガジンにストックされている光ディスクメディアをあらかじめ、フォーマット化したメディアとするのがよい。
例えば、CDの例で説明するならば、Windows(登録商標)でCD−Rに書き込みを行う場合、各種のOS別論理フォーマット(Romeo、Joliet、RockRidge、ISO9660など)がある。本発明のMFPにおいては、毎回、データ書き込みを行うたびに、光ディスクメディアをフォーマット化するのではなく、例えば、たいていのOSで読めるようなISO9660レベル1にあらかじめフォーマット化してある光ディスクメディアをマガジンに収納しておく。それにより、使用時にフォーマット書き込みに要する時間が不要となり、データ書き込みがすぐに行え、情報が書き込まれた光ディスクメディアの作成時間を短縮することができる。
通常、最もよく使用するフォーマットはあらかじめフォーマット化した光ディスクメディアが即使えるような状態にして供給する(フォーマット化した光ディスクメディアをドライブのピックアップ部分に設置する)ようにしておけばよいが、場合によっては、そのフォーマットとは違うフォーマットで書き込みたい場合も出てくる。そのような点を考慮し、光ディスクメディアの供給手段を2系統にしておくのもよい方法である。
例えば、通常、最もよく使用するフォーマットは、フォーマット済みで供給し、他のフォーマットで書き込みたい場合を想定した未フォーマットのものを準備しておき、それは光ディスク作成に多少時間が余計にかかっても、フォーマット化ならびにデータ書き込みを本発明のMFP(内の書き込みドライブ)で行うという使い方である。
フォーマット化済みあるいは未フォーマットの光ディスクメディアは、それぞれ、図9に示すように、複数枚ずつマガジンに収納して供給してもよいし、あるいは、通常最もよく使用するフォーマットのもののみ、このような複数枚ずつマガジンに収納して供給し、たまにしか使用しないような特殊フォーマットで書き込むような場合は、頻度が少ないので1枚ずつ手差し供給するようにしてもよい。
以上、本発明に適用される純粋な光メモリを中心に説明をしたが、他の光メモリとして本発明に好適に使用できるものとして、MOとして知られる光磁気ディスク(Magneto Optical Disk)、光磁気メモリがある。容量は、128MB、230MB、640MB等あり、使用用途によって適宜選ばれる。
動作原理は、磁性体でできたディスクの記録層(磁性体の材料として、各種磁性ガーネットやマンガン・ビスマス合金、バリウム系フェライトなどを使用)にレーザ光を照射して加熱し、約200度に温度が上がったところで、磁界をかけて磁性体の向きを変えて書き込み(記録)を行い、データを読み出す際には、書き込み時よりも低出カのレーザ光を照射し、その反射光の違いを検知することによってデータを読み出すというものである。
MOは、磁気の影響を受けない、ヘッドクラッシュがないなどの理由から、信頼性が高く、前述の光メモリ同様、本発明の情報入出力装置に組み込まれる可搬性の記憶メディアとして大変好適なメディアである。
以上、本発明に適用される各種光メモリの代表例を説明したが、本発明はここにあげた例に限定されるものではない。
本発明のポイントは、情報の出力、記憶(記録)という場面において、紙メディアと可搬性の電子情報記憶/記録メディアとの融合を目指し、それらが互いに関連付けられるとともに、その機能を果たす1台の装置(あるいは一箇所にシステム構成された装置)としてまとめあげられ、紙メディアへの情報出力(プリントアウト)がなされると同時、もしくは、必要に応じて、該情報を可搬性の電子情報記憶/記録メディアである光メモリへ記録し、それらを1台の装置(もしくは一箇所にシステム構成された装置)で受け取ることができるというものである。つまり、紙のプリントアウト書類と情報書き込み後の光メモリを1台の装置から、もしくは(分散配置された別々の装置からはなく)一箇所で受け取ることができるというものである。
次に、本発明の他の特徴について説明する。本発明では前述のように光メモリ/光ディスクに紙メディアに出力したデータを記憶、記録するものであるが、このような光メモリ/光ディスクは、外部から見た場合には、何が記憶されているかわからない。よって、少なくとも出力された紙メディア(プリントアウト文書)と対応付けができる程度の簡単な情報を付与し、それが外部から見られる(光メモリ/光ディスクをドライブ装置等にかけて内部の情報を読み取るのではなく、そのものを見て目視確認できる)ようにしておく必要がある。
本発明ではこの点に鑑み、光メモリ/光ディスクの表面に目視情報を記録するようにしている。具体的には、紙メディアに色材を付与する手段であるインクジェット原理による出力手段を利用している。インクジェット原理による記録は非接触記録、直接記録であり、被記録体が紙のようなものに限定されることなく、立体的なものにでも記録できる。よって、本発明で使用する各種光メモリ/光ディスクであってもその表面に容易に情報を出力(記録)できる。具体的には、各種光メモリ/光ディスクを、それぞれに適した搬送手段、例えば光ディスクの場合、図10等に示したような手段で、インクジェット記録ヘッド部分(インクジェット出力を行う部分)に搬送することによって、所望の情報を光メモリ/光ディスク表面に書き込むことができる。その際、より好ましくは、各種光メモリ/光ディスクの表面にインクが付着しやすくなるように、あるいは、にじんだりしない良好な画素が得られるように、インクが付着する表面にインク受容層を形成したほうがよい。
例えば、ポリカーボネート樹脂よりなる光ディスク表面にインクジェット記録を行っても、インクの密着力があまりないため、手で触っただけで記録情報が消えてしまうということがよくある。そのようなことを回避するために、インク受容層をポリカーボネート樹脂表面に形成しておくわけである。具体的には、炭酸カルシウム(CaCO3)等の微粉末層をバインダー樹脂とともにインク受容層として形成する。
他の例として、このように各種光メモリ/光ディスクに直接記録するのではなく、表面に紙ラベルのようなものを設けて、その上に記録を行うようにしてもよい。この場合、記録済みの紙ラベルを別途用意して各種光メモリ/光ディスクに貼り付けてもよいし、紙ラベルを貼った各種光メモリ/光ディスクを、適宜インクジェット記録部に搬送して、その紙ラベル面に記録してもよい。なお、このラベルは紙に限定されるものではなく、樹脂フィルムであってもよいがその場合は、以下に述べるように、光ディスク表面の材質に準じたインクを選ぶようにする。表面に前述のようなインク受容層を設けたようなラベルであれば、樹脂フィルムラベルであっても紙に準じた扱いができる。
一般に、インクジェット原理で紙メディアに記録する場合、インクとしては水を溶媒の主成分とした水性系インクが使用されるが、光ディスク表面、すなわち、ポリカーボネート等のプラスチックに直接記録を行うような場合は、通常の紙の繊維の中にインクがしみこんでいくわけではなく、乾燥に時間がかかるため、溶剤系インク、油性インクを使用するほうがよい。あるいは、UV硬化型インクを使用するほうがよい。ただし、これも、インク受容層の有無、光ディスク表面に直接記録を行う/ラベルに記録を行う、ラベルの材質(紙/樹脂フィルム)、使用するインクジェット原理(サーマルインクジェット方式/ピエゾを利用したオンデマンド方式)によって適宜最適なインクあるいはそれに使用するインクジェット原理を選ぶようにする。
なお、このように、本発明では、非接触で被記録体の形状などを選ばず、どんなものにでも記録を行うことができるインクジェット原理を利用して、光メモリの表面に記録を行うものであるが、ここで、このインクジェット原理の記録ユニットは、紙メディアに記録するためのものを使用してもよいし、別途、光メモリの表面に記録を行う専用の第2のインクジェット原理の記録ユニットを設けてもよい。
図13にその例を示す。これは、電子写真原理とインクジェット原理の出力手段よりなるMFPに光ディスクドライブユニットを組み込み、さらに光メモリの表面に記録を行う第2のインクジェット原理の記録ユニットとして、光メモリ用専用インクジェット記録部90を設けている。このように、紙メディアに記録するためのものと光メモリの表面に記録を行うものとをそれぞれ独立に設けることにより、紙メディアあるいは光メモリをその記録部分に搬送する搬送手段を兼用にしなくてよいので、単純な搬送系とすることができ、装置の単純化をはかることができる。
本発明は、このように、インクジェット原理によって、光メモリの表面に記録を行うものであるが、このような構成において注意しなければならない点は、インクジェット原理の記録を行うということは液体(通常インク)を使用することであり、この液体が不慮の事故により、光ディスクドライブユニットの書き込み系(図10のピックアップ108参照)を濡らしたりしないようにすることである。
本発明では、この点に考慮し、例えば、図13の例では、光メモリ用専用インクジェット記録部90を光ディスクドライブユニット85の下方に配置し、光ディスクドライブユニット85でインクによる冠水が生じないようにしている。
本発明は、図13の構成例に限定されるわけではなく、さまざまな配置が考えられるが、図10に示したピックアップ108にインクが飛散したり、染み出していってそこを濡らすということのないように、光メモリの表面に記録を行うためのインクジェット原理による記録手段のインクが飛翔する範囲を光メモリに所望の情報を書き込む出力部(ピックアップ108)から離したように構成、配置することが本発明のポイントである。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。本発明の情報入出力装置は紙を扱うため、その紙粉やトナー、インクなどが常時装置内、あるいは装置近傍に漂っている環境にある。よって本発明の光メモリ等のストレージに記録を行う半導体レーザおよびその光学系よりなるピックアップユニット(図10の108参照)は、紙粉やトナー、インクなどによって汚れやすいという宿命にある。
さらに、本発明の半導体メモリのように電気的入出力で、情報の書き込み/読み出し(出力)を行うものと違って、光メモリ等のストレージは、ピックアップユニットとストレージが物理的に分離していて、機械的動作を行うという動作原理そのものに起因するものであるが、故障しやすい(レーザダイオードの寿命あるいは機械動作部分の故障)という性格もある。とりわけ、本発明に特有な紙粉やトナー、インクなどの浮遊は、機械的動作の故障を引き起こす重要因子である。
そこで、本発明では、これら汚れ、あるいは故障等による、信頼性の低さを補償するために、ピックアップユニットをドライブ部分から着脱可能とし、故障したり、レンズ等の光学系が汚れたりして、使用に支障をきたす場合に簡単に交換、あるいはレンズ部分の清浄化ができるようにしている。
このように、MFP内に、このような光メモリ等のストレージを有するような本発明の場合、紙粉やトナー、インクなどによる光学系の汚染、あるいはピックアップユニットの機械的動作部分の故障があっても、これを着脱交換できるようにしているので、簡単に機能回復できるという利点がある。
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