JP2006261526A - 希土類焼結磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形体の強度が高く、最終的に得られる焼結磁石の磁気特性が高い希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 原料合金粉を粉砕して粉砕粉を得て、粉砕粉に磁場を印加し、かつ加圧成形することにより成形体を得て、成形体を焼結する希土類焼結磁石の製造方法であって、原料合金粉および/または粉砕粉に、テトラフルオロエチレン系の化合物Aと、一般式R1−COO−R2、R1−OHおよび(R1−COO)nMからなる群のいずれかの一種で示される化合物B(但しR1はCn2n+1;R2はH、Cn2n+1またはCn2n-1n-1;Mは金属;nは整数)とを含む潤滑剤を添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、Nd−Fe−B系に代表される希土類焼結磁石の製造方法に関する。
希土類焼結磁石(以下、単に焼結磁石と称する)は高性能な磁石として広く使用されており、各種電子デバイスの小型化、また、自動車における電子デバイスの増加に伴いますますその需要が増している。一般に磁石は、その配向度が高いほど高い残留磁束密度を示す。このため成形時には原料粉に磁場を与え、原料粉を配向させたまま圧縮成形を行うことが多い(いわゆる磁場中成形)。
このとき磁場に対する原料粉の配向性を向上させるため、原料粉に潤滑剤が加えられることがある。
また、上記のように磁場中成形を行うに先立ち、原料合金をジェットミル等で粉砕して原料粉を得る工程で、粉砕性を向上させるために潤滑剤を加えることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−111308号公報(特許請求の範囲)
ところで、高い磁気特性を得るために潤滑剤の種類や添加量を調整すると、成形体の強度が低下してしまい、成形体の歩留が低くなる。一方、成形体の強度が高くなるように潤滑剤を調整すると、最終的に得られる焼結磁石の磁気特性を高めることは困難である。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、成形体の強度が高く、高い磁気特性を持つ希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、原料合金粉を粉砕して粉砕粉を得る工程と、粉砕粉に磁場を印加し、かつ加圧成形することにより成形体を得る工程と、成形体を焼結する工程とを備え、テトラフルオロエチレン系の化合物Aと、一般式R1−COO−R2、R1−OHおよび(R1−COO)nMからなる群のいずれかの一種で示される化合物B(但しR1はCn2n+1;R2はH、Cn2n+1またはCn2n-1n-1;Mは金属;nは整数)とを添加した粉砕粉を用い、成形体を得ることを特徴とするものである。このとき、潤滑剤の添加タイミングは、粉砕前の原料合金粉の状態でも良いが、原料粉の粉砕過程または原料粉の粉砕後とするのが好ましい。特に、原料合金粉の粉砕過程で、粒状とした潤滑剤を原料合金粉とともに粉砕手段に投入することで、潤滑剤を添加するのが好ましい。
ここで、化合物Aは、ポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。
また、化合物BのR1は、Cn2n+1のnが10以上であることが好ましく、例えば炭素数17の炭化水素である。具体例としては、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸亜鉛およびステアリルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
さらに、テトラフルオロエチレン系樹脂および化合物Bの粒子径は、それぞれ800μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン系の化合物Aと、一般式R1−COO−R2、R1−OHおよび(R1−COO)nMからなる群のいずれかの一種で示される化合物B(但しR1はCn2n+1;R2はH、Cn2n+1またはCn2n-1n-1;Mは金属;nは整数)とを原料合金粉や粉砕粉に添加することで、粉砕工程における原料合金の粉砕性や磁場中成形工程における粉砕粉の配向性を確保しつつ、成形体の強度、および最終的に得られる焼結磁石の磁気特性を高いものとすることが可能となる。
以下、実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明は、例えば、希土類焼結磁石、特にR−T−B系焼結磁石に適用することができる。
このR−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、本発明におけるRはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR214B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR214B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。望ましいRの量は28〜35wt%、さらに望ましいRの量は29〜33wt%である。
また、このR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
このR−T−B系焼結磁石は、Coを2.0wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜1.0wt%、さらに望ましくは、0.3〜0.7wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上に効果がある。
また、このR−T−B系焼結磁石は、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%の範囲で含有することができる。この範囲でAl及びCuの1種又は2種を含有させることにより、得られるR−T−B系焼結磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Alを添加する場合において、望ましいAlの量は0.03〜0.3wt%、さらに望ましいAlの量は、0.05〜0.25wt%である。また、Cuを添加する場合において、望ましいCuの量は0.15wt%以下(0を含まず)、さらに望ましいCuの量は0.03〜0.12wt%である。
さらに、このR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を5000ppm以下、さらには3000ppmと以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
本発明は、上記したようなR−T−B系焼結磁石に限らず、他の希土類焼結磁石に適用することも可能である。例えば、R−Co系焼結磁石に本発明を適用することもできる。
R−Co系焼結磁石は、Rと、Fe、Ni、MnおよびCrから選ばれる1種以上の元素と、Coとを含有する。この場合、望ましくはさらにCuまたは、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVから選ばれる1種以上の元素を含有し、特に望ましくはCuと、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVから選ばれる1種以上の元素とを含有する。これらのうち特に、SmとCoとの金属間化合物、望ましくはSm2Co17金属間化合物を主相とし、粒界にはSmCo5系を主体とする副相が存在する。具体的組成は、製造方法や要求される磁気特性等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、R:20〜30wt%、特に22〜28wt%程度、Fe、Ni、MnおよびCrの1種以上:1〜35wt%程度、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVの1種以上:0〜6wt%、特に0.5〜4wt%程度、Cu:0〜10wt%、特に1〜10wt%程度、Co:残部の組成が望ましい。
以上、R−T−B系焼結磁石、R−Co系焼結磁石について言及したが、本発明は他の希土類焼結磁石への適用を妨げるものではない。
以下、本発明による希土類焼結磁石の製造方法を工程順に説明する。
原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはアルゴン雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をアルゴンガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
R−T−B系焼結磁石を得る場合、R214B結晶粒を主体とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用いる所謂混合法を本発明に適用することもできる。
原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金及び高R合金は別々に又は一緒に粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。
まず、粗粉砕工程では、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕し、粗粉砕粉末(原料合金粉)を得る。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行うことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行うことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粗粉砕粉末を微粉砕することで、平均粒径が好ましくは2.5〜6μm、後述する成形体の強度を高め、焼結磁石の磁気特性を高くするためにさらに好ましくは3〜5μmの微粉砕粉末(粉砕粉)を得る。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
このとき、微粉砕工程において原料合金粉に潤滑剤を添加する。潤滑剤を添加することで、成形時の潤滑及び配向性を向上させることができる。なお、潤滑剤は微粉砕工程の開始前に原料合金粉へ添加することが好ましいが、微粉砕工程において粉砕中に添加したり、微粉砕工程の終了後であって顆粒作製工程前や磁場中成形工程前に微粉砕粉に添加するものであってもよい。
潤滑剤は、テトラフルオロエチレン系の化合物Aと、一般式R1−COO−R2、R1−OHおよび(R1−COO)nMからなる群のいずれかの一種で示される化合物B(但しR1はCn2n+1;R2はH、Cn2n+1またはCn2n-1n-1;Mは金属;nは整数)とを含む。
テトラフルオロエチレン系の化合物Aとしては、例えばテトラフルオロエチレンが重合したポリテトラフルオロエチレン((CF2−CF2)n)が好ましいが、ポリテトラフルオロエチレンに他の化合物が共重合しているものであってもよい。
潤滑剤に含まれる化合物Bとは、例えば脂肪酸化合物やアルコールであり、具体的には炭素数が10以上の高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、高級アルコール等が挙げられる。この中でも化合物は、R1がCn2n+1(nが10以上)であることが好ましく、例えばR1の炭素数が17および18の炭化水素である化合物が好ましい。具体例としてステアリン酸(C1735O−O−H)、モノステアリン酸グリセリン(C1735−COO−C372)、ステアリン酸亜鉛((C1735−COO)- 2Zn2+)およびステアリルアルコール(C1837−O−H)を挙げることができる。この中でもステアリン酸が好ましい。このR2−O−基を有する化合物としては1種類のみの化合物を用いてもよいが、複数の化合物を用いてもよい。
潤滑剤は、粒状にして添加するのが好ましい。その場合、原料合金粉を粉砕するジェットミルに、粒状とした潤滑剤を投入することで、潤滑剤を添加する。
潤滑剤の粒径は、好ましくは1000μm以下、後述する成形体の強度を高め、焼結磁石の磁気特性を高くするためにさらに好ましくは800μm以下、特に好ましくはほぼ500μm以下である。なお潤滑剤を上記粒径とするには、潤滑剤を粉砕し、篩等で分級するのが好ましい。潤滑剤を粉砕するには、潤滑剤を、例えば液体窒素を用いて冷凍し、その状態のまま、粉砕ミル等で粉砕するのが好ましい。
潤滑剤の添加量は、粉砕性を向上させるという点からすれば、なるべく多くするのが好ましいが、磁気特性および成形体の強度の観点からすれば、なるべく少なくするのが好ましい。したがって、潤滑剤の添加量は、化合物Aと化合物Bとの合計を0.01〜1.0wt%とするのが好ましく、後述する成形体の強度を高め、焼結磁石の磁気特性を高くするためにさらに好ましくは0.05〜0.1wt%である。
混合法による場合、2種の合金を混合するタイミングは限定されるものではないが、微粉砕工程において低R合金及び高R合金を別々に粉砕した場合には、微粉砕された低R合金粉末及び高R合金粉末を窒素雰囲気中で混合する。低R合金粉末及び高R合金粉末の混合比率は、重量比で80:20〜97:3程度とすればよい。低R合金及び高R合金を一緒に粉砕する場合の混合比率も同様である。
以上のようにして得られた顆粒状の造粒粉(顆粒作製工程を省略する場合には微粉砕粉末)は、金型キャビティに充填され、磁場中成形に供される。
磁場中成形における成形圧力は0.3〜3ton/cm2(30〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、50〜60%である。
また、印加する磁場は、12〜20kOe(960〜1600kA/m)程度とすればよい。また、印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
磁場中成形により得られた成形体には、脱バインダ処理が施される。炭素残留による磁気特性低下を防止するためである。脱バインダ処理は、水素雰囲気中で、所定の熱処理条件で行うのが好ましい。
脱バインダ処理後、成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、真空中で、1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよい。
さて、焼結後には、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行う場合には、750〜950℃、500〜700℃での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行うと、保磁力が増大するため、混合法においては特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
<希土類焼結磁石の製造>
先ず、評価対象となる成形体及びこれを焼結した希土類焼結磁石を作製した。原料合金の組成は、Nd24.5wt%、Pr6.0wt%、Dy1.8wt%、Co0.5wt%、Al0.2wt%、Cu0.07wt%、B1.0wt%、残部Feとした。原料となる金属又は合金を前記組成となるように配合し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。
得られた原料合金薄板を水素粉砕した後、ブラウンミルにて機械的粗粉砕を行い、原料合金粗粉を得る。原料合金粗粉に潤滑剤(粉砕助剤)として、化合物Aとしてポリテトラフルオロエチレン系と表1に示す化合物Bとをそれぞれ0.05wt%づつ添加した。次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用して高圧窒素ガス雰囲気中でD50=4.1μmとなるように微粉砕を行い、希土類合金粉を得た。ここで、D50とは、微粉砕後の粉体の粒度分布を測定して、累積体積比率が50%になる粒径のことである。
Figure 2006261526
得られた粉体を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記粉体を、1200kA/mの磁場中において、成形圧147MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。成形体の寸法は、20mm×18mm×6.5mmと20mm×18mm×13mmとの2種類を得た。そして前者の成形体を用い、成形体の強度として抗折強度を以下の方法で測定した。
抗折強度測定は、日本工業規格JIS R 1601に準じて行った。具体的には、図1に示すように、20mm×18mm×6.5mm形状の成形体11を丸棒状の2本の支持具12,13の上に載置し、成形体11上の中央位置に丸棒状の支持具14を配置して荷重を加えた。抗折圧を加える方向はプレス方向とした。丸棒状の支持具12,13,14の半径は3mm、支点間距離は10mm、荷重点移動速度は0.5mm/分とした。成形体11の長手方向と支持具14とを互いに平行となるように配置した。サンプル数nは10個で測定を行った。
さらに磁気特性の評価を行なった。評価試料として20mm×18mm×13mm形状の成形体を得た。この成形体を1030℃で4時間、900℃で1時間、530℃で1時間焼結、時効処理を行った。得られた焼結体表面を研削し直方体の試料とした。この試料を、BHトレーサを用いて磁気特性を評価した。
さらに比較例として、ポリテトラフルオロエチレンを加えずに表1に示す化合物Bのみを0.1wt%添加した以外は実施例1と同様にして試料を作製し、成形体と焼結磁石を得て、強度および磁気特性の評価を行った。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例においては、Brは13.2kGを上回ったが成形体強度が0.9MPaを下回った。
これに対し、表1に示すポリテトラフルオロエチレンと化合物Bを複合添加した場合、Brは13.2kGを上回り、成形体強度も1.1MPaを上回り、高い成形体強度と高い磁気特性を兼ね備えることができることが確認された。しかも、得られる磁気特性は、比較例における磁気特性と同等であることがわかり、ポリテトラフルオロエチレンを添加することで、磁気特性を大幅に低下させることなく、成形体強度を高めることができるのが確認された。
このように、微粉砕工程において原料合金に潤滑剤を添加することで、粉砕工程における原料合金の粉砕性や磁場中成形工程における粉砕粉の配向性を確保しつつ、成形体の強度が高く、さらに最終的に得られる焼結磁石の磁気特性が高いものを得ることができた。
日本工業規格JIS R 1601に準じる抗折強度測定方法を説明する図である。

Claims (5)

  1. 原料合金粉を粉砕して粉砕粉を得る工程と、
    テトラフルオロエチレン系の化合物Aと、一般式R1−COO−R2、R1−OHおよび(R1−COO)nMからなる群のいずれかの一種で示される化合物B(但しR1はCn2n+1;R2はH、Cn2n+1またはCn2n-1n-1;Mは金属;nは整数)とを添加した前記粉砕粉に磁場を印加し、かつ加圧成形することにより成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼結する工程とを備えることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  2. 前記化合物Aは、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  3. 前記化合物Bの前記R1は、Cn2n+1のnが10以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  4. 前記化合物Bは、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸亜鉛およびステアリルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項3に記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  5. 前記化合物Aおよび前記化合物Bの粒子径が800μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。
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