JP2006261019A - 燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 集電体と発電部との電気的接続に優れ、または小型化、薄型化および軽量化された燃料電池を提供する。
【解決手段】 本燃料電池は、酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極と、これらの電極間に設けられた電解質層と、これらの電極について電解質層と反対側にある一対の集電体と、これらの電極とこれらの集電体との間に挟持された熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層とを含み、これらの集電体と、これらの密着層についてこれらの集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が存在する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料極(負極)と空気極(正極)と電解質層とからなり、燃料を使用して発電する燃料電池に関する。
燃料電池は、主に物質を構成する共有結合を切断して得られる化学ポテンシャルエネルギ差を、直接電気エネルギに変換することで発電する電気化学的エネルギデバイスである。通常、燃料として水素やアルコールなどの還元性物質を燃料として使用し、これらの物質を大気中の酸素と反応させることで発電を行う。
その発電部は、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれ、触媒を含む負極、電解質層および触媒を含む正極からなる。負極に燃料である水素やアルコールを接触させると同時に正極に空気中の酸素を供給することで発電する。得られた電気エネルギは、集電体を通じて外部に取り出されて利用される。
特開2002−56863(特許請求の範囲)
従来、集電体とMEAの間は、かしめ、ネジの締結力など物理的に圧力をかけることで、電気的接続を図っていた。
しかしながら、この方法には次のような問題点があった。すなわち、特に、高出力の燃料電池においては、MEAの電気的インピーダンス低減のため、大きな圧力をかける必要があった。また、この圧力を掛けるには、頑丈な板を挟むことや、ネジを使用することが必要となり、燃料電池の小型化、軽量化の妨げとなっていた。さらに、カシメやネジ締めでは、集電体とMEAとの周辺部に圧力が集中するため、集電体とMEAとの全面で電気的接続を計ることが困難であった。
この対策として、導電性接着剤という特殊な材料を使用する技術が提案されている(たとえば特許文献1参照。)。
本発明は、上記事情に鑑み、集電体とMEAとの全面で電気的接続を実現できる新規な技術を提供することを目的としている。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極と、これらの電極間に設けられた電解質層と、これらの電極について電解質層と反対側にある一対の集電体と、これらの電極とこれらの集電体との間に挟持された熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層とを含み、これらの集電体と、これらの密着層についてこれらの集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が存在する燃料電池が提供される。本発明態様により、集電体とMEAとの電気的接続に優れ、または小型化、薄型化および軽量化された燃料電池が得られる。
上記集電体と上記集電体対向層との面間距離が50〜500μmの範囲にあること、上記密着層が開口部を有することおよび、上記熱硬化材料が、エポキシ系、アクリル系、フェノール樹脂系、ウレア樹脂系、メラミン樹脂系、メラミンフェノール樹脂系、ジアリルフタレート系、ウレタン系または不飽和ポリエステル系の熱硬化材料であることが好ましい。
本発明の他の一態様によれば、酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極間に電解質層を設け、これらの電極について電解質層と反対側にある一対の集電体とこれらの電極との間に熱可塑性材料または熱硬化性材料を挟持し、これらの集電体と、熱可塑性材料または熱硬化性材料についてこれらの集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が生じる程度にプレス処理を行い、熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層を形成することを含む燃料電池の製造方法が提供される。
本発明態様により、集電体とMEAとの電気的接続に優れ、または小型化、薄型化および軽量化された燃料電池を低コストで信頼性高く生産できる。
上記プレス処理の前または途中に上記熱可塑性材料または熱硬化性材料を加熱すること、上記熱可塑性材料または熱硬化性材料が、開口部を有するシート、粉体、織物、編み物、不織布または塗り残しのある塗布物であること、上記集電体と上記集電体対向層との面間距離が50〜500μmの範囲になるように、上記凸部の程度ならびに上記熱可塑性材料または熱硬化性材料の使用量を選択することおよび、上記熱硬化性材料が、エポキシ系、アクリル系、フェノール樹脂系、ウレア樹脂系、メラミン樹脂系、メラミンフェノール樹脂系、ジアリルフタレート系、ウレタン系または不飽和ポリエステル系の熱硬化性材料であることが好ましい。
また、上記いずれの態様についても、上記集電体が、互いに独立に、凸部のある表面を有すること、上記集電体が、互いに独立に、金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタルであること、上記熱可塑性材料または熱硬化材料が非導電体であること、上記熱可塑性材料または熱硬化材料が、使用される燃料に対し、実質的に、膨潤および溶解を起こさないことおよび、上記熱可塑性材料が、ポリオレフィンまたはその変性物であることが好ましい。
本発明により、集電体とMEAとの電気的接続に優れ、または小型化、薄型化および軽量化された燃料電池が得られる。また、そのような燃料電池を低コストで信頼性高く生産できる。
以下に、本発明の実施の形態を図、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。図中、同一の符号は同一の要素を意味する。
本発明に係る燃料電池は、酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極と、これらの電極間に設けられた電解質層と、これらの電極について電解質層と反対側にある一対の集電体と、これらの電極とこれらの集電体との間に挟持された熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層とを含み、これらの集電体と、これらの密着層についてこれらの集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が存在する。
この様子を、図1を使用して説明する。図1は、燃料としてメタノールを使用した場合の本発明に係る燃料電池の例の一部の模式的側断面図である。図1において、燃料電池1のMEA2は負極3、電解質層4および正極5よりなっており、その外側に、それぞれ、密着層6,7を介して集電体8,9が配されている。メタノールは右向き矢印の方向に移動し、負極3で炭酸ガスとプロトンと電子とになり、酸素は、左向き矢印の方向に移動し、正極5でこれらプロトンおよび電子と反応し、水を生じる。両極および燃料電池全体における反応を図2に示してある。MEAは、図3に示すように、電極基体(通常カーボンペーパ)33,34からなり、その片方に触媒層31,32が含浸により形成されている。負極の触媒としてPt−Ruを、正極の触媒としてPtを使用することができる。電解質層は、固形状またはゲル状の高分子材料よりなる固体電解質層であることが多く、好ましい。このような固体電解質層を含む燃料電池は固体高分子型の燃料電池と呼称される場合がある。
このような構成とすることにより、集電体とMEAとの全面で電気的接続を計ることが可能となり、MEAの電気的インピーダンスを低減でき、燃料電池の小型化、薄型化、軽量化を実現できる。
このような構成においては、電極(より厳密に言えば図3のカーボンペーパ33,34)が、「密着層について集電体の反対側にある集電体対向層」に該当する。「直接接触する部分」を模式的に表すと図4のようになる。このような直接接触する部分41があると、集電体と集電体対向層とが接触し、電極から集電体に向け電気がスムーズに流れるようになる。なお、接触していることは、集電体と集電体対向層との間で電気がスムーズに流れることで容易に確認できる。
図5には、電極(より厳密に言えば図3のカーボンペーパ)が、「密着層について集電体の反対側にある集電体対向層」に該当しない場合を例示する。図1が液体供給型と呼ばれる形式の燃料電池の部分図であるのに対し、図5は、気化供給型と呼ばれる形式の燃料電池の部分図であり、集電体8と負極3の間に燃料ガス拡散層51が設けられている。図5の場合には更に、集電体9と正極5の間に空気拡散層52も設けられている。これらの拡散層はカーボンペーパで作製されることが多い。この場合には、燃料ガス拡散層および空気拡散層が、「密着層について集電体の反対側にある集電体対向層」に該当する。更に他の構造を有する場合にも、本発明に係る「密着層について集電体の反対側にある集電体対向層」の概念を適用することができる。
本発明において、密着層は、集電体と集電体対向層とを相互に密着させる働きを有し、集電体と集電体対向層との間での電気の流れに直接関与する必要はない。しかしながら、ネジやカシメの場合と異なり、密着層の全面で集電体と集電体対向層とを密着することができるため、集電体と集電体対向層とが接触する場所を、集電体や集電体対向層の周辺部のみならず、内部にも確保できる。従って、間接的な意味では、集電体と集電体対向層との間での電気の流れに関与することになる。
集電体と集電体対向層との接触は、集電体と集電体対向層とが積層された状態で層の全体(図1で言えば、両矢印の方向)にプレス圧を掛けることで実現することができる。プレス圧は、上記接触が実現できることと部品に破損が生じないこととを考慮して任意に定めることができる。プレスは、集電体とMEAとが積層された段階で行っても、その後の段階で行っても構わない。
集電体と集電体対向層とが接触するためには、上記一対の集電体が、凸部のある表面を有することが好ましい。これら一対の集電体の凸部のある表面は、二つの集電体について同一である必要はない。集電体が凸部のある表面を有していれば、集電体と集電体対向層とを含む積層物のプレス処理の際に、集電体の凸部が密着層を押しのけて集電体対向層と直接接触するようになりやすい。集電体の凸部は、たとえば図4に例示するようなものを意味するが、その他のどのような構造のものでもよい。この場合、集電体と集電体対向層との面間距離は50〜500μmの範囲にあることが好ましい。この範囲であれば充分相互の接触を確保でき、下記材料を使用することで容易に凸部を形成することができる。なお、面間距離とは凸部ではない集電体面と集電体対向層との距離であることは言うまでもない。
集電体を構成する材料には特に制限はなく公知の材料を使用することができる。一般的にはステンレススチール等の金属が使用される。集電体上における凸部は、集電体として、金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタルを使用することで容易に得ることができる。これら一対の集電体を構成する材料は、 二つの集電体について同一である必要はない。金属の織物、金属の編み物および金属の不織布の場合は繊維の重なりにより凸部が形成される。金属のパンチングプレートの場合は打ち抜きの際のバリが凸部になる。金属のエッチング箔の場合は、エッチングにより表面が粗面化して凸部が形成される。エキスパンドメタルの場合は、シートを引き延ばす際に、予め設けられた開口部がねじれて凸部を形成する。なお、MEAに向かう燃料、酸素やMEAで生じた二酸化炭素ガス、水は、織目、編み目、パンチ孔およびエキスパンドメタルの開口部を介して容易に移動可能である。
本発明に係る密着層を構成する材料は、密着性を有するものであれば上述のごとく、導電体である必要はなく、非導電体でよい。熱可塑性材料と熱硬化材料のいずれでも使用することができる。密着性は実際に使用する用途におけるニーズに応じて任意に選択することができる。熱可塑性材料と熱硬化材料に導電性を付与しようとすると、多量のフィラーや特殊な樹脂を使用することが必要となり、コストアップ、機械的特性低下等の問題を生じやすくなるが、本発明に係る密着層を構成する材料にはそのような制限がないため、コストを抑制でき、また、密着性を含め所望の機械的特性を実現することが容易になる。
なお、これらの熱可塑性材料または熱硬化材料については、使用される燃料に対し、実質的に、膨潤および溶解を起こさないことに留意することが好ましい。メタノール等の使用燃料に膨潤および溶解を起こすものでは充分な密着性やシール性を確保することが困難になる。実質的に膨潤や溶解を起こさないかどうかは電池としての実用性があるかどうかで判断することができる。膨潤や溶解は使用される燃料に所定時間、所定温度で浸漬した後の材料の重量変化等で容易に知ることができる。
上記熱可塑性材料としては、ポリオレフィンまたはその変性物を挙げることができる。たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体、それらから誘導される変性物を例示することができる。また、上記熱硬化材料としては、エポキシ系、アクリル系、フェノール樹脂系、ウレア樹脂系、メラミン樹脂系、メラミンフェノール樹脂系、ジアリルフタレート系、ウレタン系または不飽和ポリエステル系の熱硬化材料を挙げることができる。
なお、密着層は、集電体と同様、燃料、酸素、二酸化炭素および水の導通を確保する必要性があるが、これは、開口部を有する密着層を使用することで容易に実現することができる。開口部の形状はどのようなものでもよい。このことについては後述する。
以下、本発明に係る燃料電池の製造方法について説明する。用語の意味および好ましい範囲は上記と同様である。
本発明に係る燃料電池は、酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極間に電解質層を設け、これらの電極について電解質層と反対側にある一対の集電体とこれらの電極との間に熱可塑性材料または熱硬化性材料を挟持し、これらの集電体と、熱可塑性材料または熱硬化性材料についてこれらの集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が生じる程度にプレス処理を行い、熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層を形成することで作製することができる。
このような製造方法を採用することにより、集電体とMEAとの全面で電気的接続され、これによってMEAの電気的インピーダンスの低減された燃料電池を作製することができる。密着層により集電体とMEAとの全面での電気的接続が容易に実現されるため、プレス圧も小さくて済む。頑丈な板を挟むことや、ネジを使用することも不要になり、燃料電池の小型化、薄型化、軽量化が容易になる。さらに、カシメやネジ締めが不要になるため、集電体とMEAとの周辺部に圧力が集中することがない。また、このような利点から、燃料電池を低コストで信頼性高く生産できるようになる。
プレス処理の前または途中に上記熱可塑性材料または熱硬化性材料を加熱することにより、熱可塑性材料の場合には、溶融または変形することにより、集電体と集電体対向層との密着性を実現でき、プレス処理の際に、集電体と集電体対向層とが直接接触し易いように熱可塑性材料を押しのけ易くできる。また、熱硬化性材料の場合には、溶融または変形することにより、集電体と集電体対向層との密着性を実現でき、プレス処理の際に、集電体と集電体対向層とが直接接触し易いように熱硬化性材料を押しのけ易くできると共に、熱硬化性材料を熱硬化して熱硬化材料となし、燃料への非溶解性等所定の物性を付与することができる。
このような熱可塑性材料としては、上記したようなポリオレフィンまたはその変性物を挙げることができる。また、熱硬化性材料としては、エポキシ系、アクリル系、フェノール樹脂系、ウレア樹脂系、メラミン樹脂系、メラミンフェノール樹脂系、ジアリルフタレート系、ウレタン系または不飽和ポリエステル系の熱硬化性材料を挙げることができる。その形状は、開口部を有するシート、粉体、織物、編み物、不織布または塗り残しのある塗布物が好ましい。開口部を有するシートとは、いわゆる穴あきシートを意味する。穴あきフィルムでも良い。開口部の大きさ、開口部の形状および開口場所についてはメタノール等の移動がスムーズに行われるならば特に制限はなく、任意に定めることができる。粉体、織物、編み物または不織布の場合は、プレス処理前またはプレス処理中の加熱とプレスにより、初期の形状を失うのが一般的であるが、密着層形成後にメタノール等の移動がスムーズに行われる程度の空隙が残っていれば充分である。塗り残しのある塗布物とは、一様な面状の塗布状態ではない塗布物を意味する。たとえばストライプ状に隙間を空けたもの、格子状に塗布したもの、ドット状に塗布したものを例示できるが他の形状であってもよい。
上記したように、集電体が、金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタル等に例示されるような凸部のある表面を有していると、プレスの際にこの凸部が集電体対向層と直接接触するようになる。この際、集電体と集電体対向層との面間距離が50〜500μmの範囲になるように、凸部の程度ならびに熱可塑性材料または熱硬化性材料の使用量を選択することが好ましい。このような凸部の程度は、実際に金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタル等を使用して容易に定めることができる。熱可塑性材料または熱硬化性材料の使用量が少なすぎると密着性が不足し、多すぎると、面間距離が500μmを超えたり、500μm以下の面間距離を得るのに過大なプレス圧を要したりするようになる。
なお、本発明の上記諸態様は、本発明の趣旨に反しない限り、酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極と、これらの電極間に設けられた電解質層と、これらの電極について電解質層と反対側にある一対の集電体とを含んでなる公知の燃料電池に適用することが可能であり、これらの公知の燃料電池に付随する種々の構成、材料、製造方法を併用することも可能である。
その燃料供給方法として、水素ガスを燃料極に直接供給する方法、有機燃料を改質することによって生ずる水素ガスを燃料極に供給する方法、液体燃料を燃料極に直接供給する方法などを採用できる。
また、小型電源を構成するという観点からは、液体燃料を供給する方式を採用する燃料電池、特に、メタノール水溶液を燃料極に対して供給するダイレクトメタノール方式の燃料電池(DMFC)が好ましい。MEAへ供給する燃料の状態としては、液体燃料をそのままMEAに供給する「液体供給型」と、液体燃料を気化させて燃料ガスをMEAに供給する「気化供給型」に分類できるが、そのいずれにも本発明の諸態様を適用できる。
次に本発明の実施例を詳述する。
[実施例1]
各電極を以下のように作製した。まず、ケッチェンブラック(ライオン社製の製品名ケッチェンブラックEC)に粒径2nm〜5nm程度のPt触媒を約50%担持させた触媒粒子2g、Nafion(デュポン社製)の溶液4.8g、水7g、プロパノール10gをボールミルで混合、脱泡してペースト状とした。これをテフロン(商標名)シートに塗布し、80℃で30分間乾燥し、正極を得た。
負極も同様にして作製した。すなわち、ケッチェンブラック(ライオン社製の製品名ケッチェンブラックEC)に粒径2nm〜5nmのPt(白金)−Ru(ルテニウム)でモル比が1:1の合金触媒を約50%担持させた触媒粒子2g、Nafion(デュポン社製)の溶液4.8g、水7g、プロパノール10gをボールミルで混合、脱泡してペースト状とした。これを同様にテフロン(商標名)シートに塗布し、80℃で30分間乾燥し、負極を得た。
次に、これらの電極で固体電解質層であるNafion 117シートを挟み、160℃で2分間ホットプレスしてMEAを作製した。続いて、このMEAの両側にカーボンペーパー(東レ社製の製品名TGP−H−090、290μm)をホットプレスにより圧着した。次に、ポリエステル系ホットメルト接着剤シート(クラボウ社製、クランベター、厚み50μm)に、直径200μmの孔を500μmピッチで穿孔したシートを上記両カーボンペーパの表面に配置し、さらに集電体としてこの外側にステンレスエキスパンドメタル(開口率60%)を配置後、全体を120℃1分間ホットプレスして集電体を接着した。さらに燃料タンクを含む燃料極外装材、空気極外装材によって発電部をパッキングした。
作製した燃料電池の燃料タンク内にメタノールの10体積%水溶液を充填し、外部負荷に接続して発電を行った結果、平均出力20mW/cm2と良好な発電特性を示した。
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極と、
当該電極間に設けられた電解質層と、
当該電極について当該電解質層と反対側にある一対の集電体と、
当該電極と当該集電体との間に挟持された熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層と
を含み、
当該集電体と、当該密着層について当該集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が存在する、
燃料電池。
(付記2)
前記集電体が、互いに独立に、凸部のある表面を有する、付記1に記載の燃料電池。
(付記3)
前記集電体と前記集電体対向層との面間距離が50〜500μmの範囲にある、付記1または2に記載の燃料電池。
(付記4)
前記集電体が、互いに独立に、金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタルである、付記1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
(付記5)
前記密着層が開口部を有する、付記1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
(付記6)
前記熱可塑性材料または熱硬化材料が非導電体である、付記1〜5のいずれかに記載の燃料電池。
(付記7)
前記熱可塑性材料または熱硬化材料が、使用される燃料に対し、実質的に、膨潤および溶解を起こさない、付記1〜6のいずれかに記載の燃料電池。
(付記8)
前記熱可塑性材料が、ポリオレフィンまたはその変性物である、付記1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
(付記9)
前記熱硬化材料が、エポキシ系、アクリル系、フェノール樹脂系、ウレア樹脂系、メラミン樹脂系、メラミンフェノール樹脂系、ジアリルフタレート系、ウレタン系または不飽和ポリエステル系の熱硬化材料である、付記1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
(付記10)
酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極間に電解質層を設け、
当該電極について当該電解質層と反対側にある一対の集電体と当該電極との間に熱可塑性材料または熱硬化性材料を挟持し、
当該集電体と、当該熱可塑性材料または熱硬化性材料について当該集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が生じる程度にプレス処理を行い、当該熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層を形成することを含む、
燃料電池の製造方法。
(付記11)
前記プレス処理の前または途中に前記熱可塑性材料または熱硬化性材料を加熱する、付記に記載10の燃料電池の製造方法。
(付記12)
前記熱可塑性材料または熱硬化性材料が、
開口部を有するシート、
粉体、
織物、
編み物、
不織布または
塗り残しのある塗布物
である、付記10または11に記載の燃料電池の製造方法。
(付記13)
前記集電体が、互いに独立に、凸部のある表面を有する、付記10〜12のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記14)
前記集電体と前記集電体対向層との面間距離が50〜500μmの範囲になるように、前記凸部の程度ならびに前記熱可塑性材料または熱硬化性材料の使用量を選択する、付記10〜13のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記15)
前記集電体が、互いに独立に、金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタルである、付記10〜14のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記16)
前記熱可塑性材料または熱硬化材料が非導電体である、付記10〜15のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記17)
前記熱可塑性材料または熱硬化材料が、使用される燃料に対し、実質的に、膨潤および溶解を起こさない、付記10〜16のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記18)
前記熱可塑性材料が、ポリオレフィンまたはその変性物である、付記10〜17のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記19)
前記熱硬化性材料が、エポキシ系、アクリル系、フェノール樹脂系、ウレア樹脂系、メラミン樹脂系、メラミンフェノール樹脂系、ジアリルフタレート系、ウレタン系または不飽和ポリエステル系の熱硬化性材料である、付記10〜17のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
本発明に係る燃料電池の例の一部の模式的側断面図である。 燃料電池における反応を示す式である。 MEAの詳細図である。 集電体と集電体対向層との直接接触する部分を模式的に表す図である。 本発明に係る燃料電池の他の例の一部の模式的側断面図である。
符号の説明
1 燃料電池
2 MEA
3 負極
4 電解質層
5 正極
6 密着層
7 密着層
8 集電体
9 集電体
31 触媒層
32 触媒層
33 電極基体
34 電極基体
41 直接接触する部分
51 燃料ガス拡散層
52 空気拡散層

Claims (5)

  1. 酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極と、
    当該電極間に設けられた電解質層と、
    当該電極について当該電解質層と反対側にある一対の集電体と、
    当該電極と当該集電体との間に挟持された熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層と
    を含み、
    当該集電体と、当該密着層について当該集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が存在する、
    燃料電池。
  2. 前記集電体が、互いに独立に、凸部のある表面を有する、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記集電体が、互いに独立に、金属の織物、金属の編み物、金属の不織布、金属のパンチングプレート、金属のエッチング箔またはエキスパンドメタルである、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
  4. 酸素を還元する正極と燃料を酸化する負極とよりなる一対の電極間に電解質層を設け、
    当該電極について当該電解質層と反対側にある一対の集電体と当該電極との間に熱可塑性材料または熱硬化性材料を挟持し、
    当該集電体と、当該熱可塑性材料または熱硬化性材料について当該集電体の反対側にある集電体対向層との間に、直接接触する部分が生じる程度にプレス処理を行い、当該熱可塑性材料または熱硬化材料よりなる一対の密着層を形成することを含む、
    燃料電池の製造方法。
  5. 前記熱可塑性材料または熱硬化性材料が、
    開口部を有するシート、
    粉体、
    織物、
    編み物、
    不織布または
    塗り残しのある塗布物
    である、請求項4に記載の燃料電池の製造方法。
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