JP2006260662A - 磁気転写用マスターディスクの製造方法及び磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスター基板の打ち抜き時に発生するバリの大きさを極力低減し、スレーブディスクとの密着性を損なわない磁気転写用マスターディスクの製造方法を提供するとともに、良好な情報が磁気転写された磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】マスター基板11の打ち抜き加工では、固定側ダイ42と移動側ダイ45とからなる打ち抜き工具40を用い、打ち抜き工具の中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスを1μm〜15μmとするとともに、外周用固定刃42bと外周用移動刃45bとのクリアランスを2μm〜30μmに設定し、金属盤18を所定形状のマスター基板11に打ち抜くようにした。
【選択図】 図6
【解決手段】マスター基板11の打ち抜き加工では、固定側ダイ42と移動側ダイ45とからなる打ち抜き工具40を用い、打ち抜き工具の中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスを1μm〜15μmとするとともに、外周用固定刃42bと外周用移動刃45bとのクリアランスを2μm〜30μmに設定し、金属盤18を所定形状のマスター基板11に打ち抜くようにした。
【選択図】 図6
Description
本発明は、磁気転写用マスターディスクの製造方法及び磁気記録媒体に係り、特にハードディスク装置等に用いられる磁気ディスクにフォーマット情報等の磁気情報を転写するのに好適な磁気転写用マスターディスクの製造方法及び磁気記録媒体に関する。
近年、急速に普及しているハードディスクドライブに使用される磁気ディスク(ハードディスク)は、磁気ディスクメーカーよりドライブメーカーに納入された後、ドライブに組み込まれる前に、フォーマット情報やアドレス情報がプリフォーマット情報として書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれたマスターディスクより一括転写する方法が効率的であり、好ましい。
この一括転写する磁気転写方法は、磁気転写用マスターディスク(以下、マスターディスクとのみ称することがある)と被転写用ディスク(以下、磁気記録媒体又はスレーブディスクと称することがある)とを密着させた状態で、片面又は両面に電磁石装置、永久磁石装置等の磁界生成手段を配設して転写用磁界を印加することにより、マスターディスクの有する情報(例えばサーボ信号)をスレーブディスクに磁気転写する。そして、磁気転写を精度良く行うには、マスターディスクとスレーブディスクとを均一に隙間なく密着させることが極めて重要である。
ところで、この磁気転写方法に使用されるマスターディスクとしては、マスター基板の表面に情報信号に対応する凹凸パターンを形成し、この凹凸パターンの表面に磁性層を被覆したものが通常使用されている。この磁気転写用のマスターディスクは、情報を凹凸パターンで形成した原盤上に電鋳を施して、電鋳層から成る金属盤を原盤上に積層して該金属盤面に凹凸パターンを転写する電鋳工程、金属盤を原盤上から剥離する剥離工程、剥離した金属盤を所定サイズに打ち抜きする打ち抜き工程を経た後、凹凸パターンの面に磁性層を被覆することにより製造されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−256644号公報
ところで、前述の打ち抜き工程では、固定刃と移動刃とが一対となった打ち抜き工具で金属盤の中心孔の穿孔及び外周の打ち抜きを行うが、この中心孔及び外周の打ち抜き部分にバリが生じる。
一般に金属板のプレス抜き加工においては、打ち抜き工具による打ち抜き部分に形成されるバリの高さがおおむね0.1mm以下であれば品質良好とされているが、磁気転写用マスターディスクのマスター基板としては、5μm程度のバリであっても、磁気転写時のスレーブディスクとの密着性が悪化し、マスターディスクとスレーブディスクとの間のスペーシングのため転写された信号強度が低くなり、良好な転写が行われないという問題があった。
マスターディスクとスレーブディスクとの密着性を高めるには、密着圧力を高める方法が考えられるが、密着圧力を高めることはマスターディスクに形成された凹凸パターンを破損したり変形を発生させる可能性があり、マスターディスクの耐久性能を低下させる原因になる。
このため、マスターディスクとスレーブディスクとの密着性を損なうマスター基板のバリの発生率及びバリ高さを極限まで低減させることが厳格に要求される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、情報信号に対応する凹凸パターンを有した金属盤を打ち抜いて所定形状のマスター基板を製造する磁気転写用マスターディスクの製造方法において、打ち抜き時に発生するバリの大きさを極力低減し、スレーブディスクとの密着性を損なわない磁気転写用マスターディスクの製造方法を提供するとともに、良好なプリフォーマット情報が磁気転写された磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、転写情報に応じた凹凸パターンが形成された原盤に、電鋳等により所定厚さの金属盤を積層し、前記原盤より剥離した前記金属盤に中心孔及び円形外周の打ち抜き加工を施してマスター基板とし、該マスター基板の凹凸パターン上に磁性層を成膜する磁気転写用マスターディスクの製造方法において、前記マスター基板の凹凸パターンの最小パターンサイズが100nm以下であり、前記打ち抜き加工は、中心孔用固定刃と外周用固定刃とを有する固定側ダイ、及び中心孔用移動刃と外周用移動刃とを有する移動側ダイからなる打ち抜き工具を用い、前記中心孔用固定刃と前記中心孔用移動刃とのクリアランス(半径差)を1μm〜15μmとするとともに、前記外周用固定刃と前記外周用移動刃とのクリアランス(半径差)を2μm〜30μmとすることを特徴とする。
最小パターンサイズが100nm以下の凹凸パターンを有するマスター基板からなるマスターディスクでは、磁気転写するスレーブディスクとの位置決め精度及び密着性が極めて重要になる。そのためマスター基板の打ち抜き工程では寸法精度と打ち抜き時のバリの大きさの管理が特に重要である。
ところで、打ち抜き工具の固定刃と移動刃とのクリアランスが小さすぎると打ち抜き部分に発生するバリの高さが高くなり、クリアランスが大きすぎると寸法精度が悪化するが、請求項1の発明によれば、打ち抜き工具の中心孔用固定刃と中心孔用移動刃とのクリアランスを1μm〜15μmとするとともに、外周用固定刃と外周用移動刃とのクリアランスを2μm〜30μmに設定しているので、マスター基板に形成されるバリの大きさを低減することができるとともに打ち抜きの寸法精度が高い。
本発明の請求項2は、請求項1の発明において、前記打ち抜き工具の前記固定側ダイの側又は前記移動側ダイの側に前記金属盤を載置する載置台を設け、前記固定側ダイ又は前記移動側ダイの前記金属盤と接する面と前記載置台の載置面との段差を±0.2mm以内とするとともに、前記固定側ダイ又は前記移動側ダイの周方向の前記段差のばらつきを0.05mm以内とすることを特徴とする。
固定側ダイ又は移動側ダイの金属盤と接する面と載置台の載置面とは同一面内にあることが好ましいが、請求項2の発明によれば、固定側ダイ又は移動側ダイの金属盤と接する面と載置台の載置面との段差を±0.2mm以内に抑え、周方向の前記段差のばらつきを0.05mm以内に抑えているので、良好な打ち抜きを行うことができる。
本発明の請求項3は、請求項1又は請求項2の発明において、前記打ち抜き加工では、前記固定側ダイ又は前記移動側ダイが前記金属盤に当接する位置から打ち抜き方向への前記金属盤との相対的移動距離を打ち抜きストロークとし、前記金属盤の厚さをtとしたときに、前記マスター基板の外径寸法が21.5〜22.5mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.0mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が27.0〜28.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.5mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が47.0〜49.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.0mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が64.0〜66.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.5mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が84.0〜86.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+5.0mmの範囲に設定することを特徴とする。
一般的にプレス打ち抜き加工において、打ち抜き部に発生するバリを小さくするためには、打ち抜きストローク(ワークへの切刃の押し込み量)をワークが裁断されるギリギリに設定するのが好ましいが、請求項3の発明によれば、マスター基板の寸法に応じて打ち抜きストロークを最適に設定しているので、打ち抜き部に発生するバリを低減することができる。
また、本発明の請求項4に記載の磁気記録媒体は、外径呼称寸法が10mm〜65mmの磁気記録媒体であって、前記請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法によって製造された磁気転写用マスターディスクを用い、プリフォーマット情報が磁気転写されたことを特徴とする磁気記録媒体である。
外径呼称寸法が10mm〜65mmの磁気記録媒体においては、情報信号のビット長が極めて短いが、請求項4の発明によれば、密着性に優れた磁気転写用マスターディスクを用いて情報が正確に磁気転写されているので、良好なプリフォーマット情報信号を得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る磁気転写用マスターディスクの製造方法及び磁気記録媒体によれば、転写用情報に対応した凹凸パターンを有する金属盤を打ち抜いて磁気転写用マスターディスクのマスター基板を製造するにあたり、打ち抜き工具の固定刃と移動刃とのクリアランスを最適に設定しているので、マスター基板の裏面に形成されるバリの大きさを低減することができるとともに打ち抜きの寸法精度が高い。
また、磁気記録媒体はこの製造方法によって製造された磁気転写用マスターディスクを用いてプリフォーマット情報が磁気記録されるので、良好なプリフォーマット情報信号が得られる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る磁気転写用マスターディスクの製造方法及び磁気記録媒体の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は磁気転写用マスターディスク10(以下、単にマスターディスク10と称する場合がある)の部分斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿った断面図であり、磁気記録媒体である被転写用ディスク(スレーブディスク14)を想像線で示したものである。
図1及び図2に示すように、マスターディスク10は、金属製のマスター基板11と磁性層12とで構成され、マスター基板11の表面に転写情報に対応する微細な凹凸パターンP(例えばサーボ情報パターン)を有すると共にその凹凸パターンPに磁性層12が被覆されている。
これにより、マスター基板11の片面に磁性層12が被覆された微細な凹凸パターンPを有する情報担持面13が形成される。図1から分かるように、この微細な凹凸パターンPは、平面視で長方形であり、磁性層12が形成された状態でトラック方向(図の矢印方向)の長さpと、半径方向の長さLとによりなる。
この長さpと長さLとの最適値は、記録密度や記録信号波形により異なるが、例えば長さpを80nm、長さLを200nmにできる。この微細な凹凸パターンPはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。この場合、例えば半径方向の長さLが0.05〜20μm、トラック方向(円周方向)の長さpが0.01〜5μmであることが好ましい。
この範囲で半径方向の方が長い凹凸パターンPを選ぶことがサーボ信号を担持するパターンとして好ましい。凹凸パターンPの深さh(突起の高さ)は、30〜800nmの範囲が好ましく、50〜300nmの範囲がより好ましい。
マスター基板11は、電鋳により作製され、図3に示すように、中心孔11G及び円形外周11Hを有する円盤状に形成され、片面の(情報担持面13)の内周部11D及び外周部11Eを除く円環状領域11Fに凹凸パターンPが形成される。
このマスター基板11の製造の詳細は後述するが、主に、情報を凹凸パターンPで形成した原盤上に電鋳を施して、電鋳層から成る金属盤を原盤上に形成して該金属盤に凹凸パターンPを転写する電鋳工程と、金属盤を原盤上から剥離する剥離工程と、剥離された金属盤を所定形状に打ち抜く打ち抜き工程とにより製造される。
本発明において、電鋳層としては各種金属や合金類を使用できるが、本実施の形態では好ましい一例として、Ni電鋳層の例で以下に説明する。このNi電鋳層は柔軟性をもたせるため、所定の結晶構造を有するように、電鋳時の電流密度を制御しながら電鋳する。
次に、上記の如く構成される本発明のマスターディスク10の製造方法を詳細に説明する。図4はマスターディスク10を製造するステップを示す工程図である。先ず、図4(a)に示すように、表面が平滑且つ清浄なシリコーンウエハーによる原板15(ガラス板、石英板でもよい)の上に、密着層形成等の前処理を行い、電子線レジスト液をスピンコート等で塗布してレジスト膜16を形成し、ベーキングする。
そして、高精度な回転ステージ又はX−Yステージを備えた電子ビーム露光装置(図示せず)にて、そのステージに搭載した原板15にサーボ信号等に対応して変調した電子ビームBを照射し、レジスト膜16に所望の凹凸パターンP' を描画露光する。
次に、図4(b)に示すように、レジスト膜16を現像処理し、露光部分を除去して残ったレジスト膜16によって所望の凹凸パターンP' を形成する。この凹凸パターンP' 上に例えばスタッパリングによりNi導電膜(図示せず)を付与し、電鋳可能な原盤17を作製する。
次に、この原盤17を図4(c)に示すように、原盤17の全面に電鋳装置で電鋳処理を施し、Ni金属による所望厚みの金属盤18(Ni電鋳層)を積層する。Niは面心立方格子の結晶構造を有しており、電鋳時の電流密度を制御して所定の結晶構造となるように電鋳する。
本発明では、電鋳処理による金属盤18の積層において、結晶構造を規定して柔軟性のあるNi電鋳層が形成されるようにした。即ち、Ni導電膜が付与された原盤17を、Ni電鋳浴に浸漬させて50〜150rpmの回転速度で回転させながらNi電鋳浴中に通電する電流の電流密度を変えることにより所望の結晶構造を有する電鋳層を形成する。
通常、マスターディスク10に使用される金属はニッケル(Ni)であるが、マスターディスク10を電鋳で製造する場合には、応力の小さなマスター基板11が得られ易いスルファミン酸ニッケル浴を使用することが好ましい。
スルファミン酸ニッケル浴は、例えば、スルファミン酸ニッケルを400〜800g/L、ホウ酸を20〜50g/L(過飽和)をベースとして界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)等の添加物を必要に応じて添加したものである。メッキ浴の浴温度は40〜60°Cが好適である。電鋳時の対極にはチタンケースに入れたニッケルボールを使用することが好ましい。
次に、金属盤18を原盤17から剥離し、残留するレジスト膜16を除去・洗浄する。これにより、図4(d)に示すように、反転した凹凸パターンPを有し、且つ所定サイズに打ち抜く前の外径Dを有するマスター基板11の原板11' が得られる。
この原板11' を打ち抜いて、図4(e)に示す外径dの所定サイズのマスター基板11が得られる。このマスター基板11の凹凸パターン面に磁性層12を成膜することでマスターディスク10を製造することができる。
尚、マスターディスク10の他の製造工程としては、原盤17に電鋳を施して第2原盤を作製する。そして、この第2原盤を使用して電鋳を行い、反転した凹凸パターンPを有する金属盤を作製し、所定サイズに打ち抜いてマスター基板11としてもよい。
更には、第2原盤に電鋳を行うか、樹脂液を押しつけて硬化を行って第3原盤を作製し、この第3原盤に電鋳を行って金属盤18を作製し、更に反転した凹凸パターンPを有する金属盤18を剥離して所定サイズに打ち抜き、マスター基板11としてもよい。第2原盤又は第3原盤を繰り返し使用し、複数の金属盤18を作製することができる。
また、原盤の作製において、レジスト膜を露光・現像処理した後、エッチング処理を行って、原盤の表面にエッチングによる凹凸パターンP’を形成してからレジスト膜を除去してもよい。
金属盤18からなる原板11’の打ち抜き工程では、打ち抜き部分にバリが生ずるので、このバリをいかに小さくするかが重要な課題である。図5に、本発明の磁気転写用マスターディスクの製造方法で使用する打ち抜き工具を示す。
打ち抜き工具40は、図5に示すように、固定側ダイセット40Aと移動側ダイセット40Bとで構成されている。固定側ダイセット40Aは打ち抜き時に位置が固定のダイセットで、移動側ダイセット40Bは打ち抜き時に原板11’対して移動するダイセットである。
固定側ダイセット40Aは、ベース41、ベース41の上面にねじで固定されたリング状の固定側ダイ42、固定側ダイ42の外周部を囲んでベース41にリング状のスペーサ44を介してねじで固定されたリング状の載置台43、とからなっている。
固定側ダイ42の上面の内周エッジ部が中心孔用固定刃42aとして機能し、外周エッジ部が外周用固定刃42bとして機能する。また、ベース41の中心部には、マスター基板11の中心孔11Gを打ち抜いたときの打ち抜かれた廃材が落下する孔41aが形成されている。
移動側ダイセット40Bは、移動側ダイ45、ノックアウトプレート46等からなっている。移動側ダイ45は、円盤状で下面に中心部及び外周周辺部を残して円周溝45Gが形成され、円周溝45Gの上面内側エッジ部が中心孔用移動刃45aとして機能し、上面外側エッジ部が外周用移動刃45bとして機能する。
また、ノックアウトプレート46はリング形状で、円周上に3個設けられた段付ガイドピン47、47、47によって案内されて円周溝45G内を上下移動可能に支持されている。また、ノックアウトプレート46は円周上に3個設けられた圧縮コイルバネ48、48、48によって下方に押圧されている。
マスター基板11の打ち抜きにおいては、マスター基板11の原板11' の凹凸パターンPが形成されている表面側を上にし裏面側を下にして載置台43の上面に載置し、固定側ダイ42の面内に埋め込まれた図示しない複数のマグネットで固定する。これにより、原板11' の凹凸パターンPがある表面側から下面側に向かって打ち抜かれるので、打ち抜き部分に発生するバリを裏面側に形成することができる。
本発明においては、固定刃と移動刃とのクリアランスを調整してバリの大きさを小さくする。このクリアランスは大きすぎても小さすぎてもバリが小さくならない。具体的には、中心孔用固定刃42aの内径寸法d2と中心孔用移動刃45aの外径寸法d4との差の1/2(中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランス)を1〜15μm、好ましくは5〜10μmになるように固定側ダイ42及び移動側ダイ45を作成する。
中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスが1μmに満たないと、中心孔用移動刃45aと中心孔用固定刃42aとの嵌合がきつすぎてうまく挿入できない。また挿入できたとしても極めて薄くて長いバリが発生する。また、中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスが15μmを超えた場合は、打ち抜かれたマスター基板11の中心孔11Gの寸法精度が悪くなる。
図6は、マスター基板11の原板11' の中心孔11Gを打ち抜く様子を概念的に表してたものである。図6に示すように、中心孔用移動刃45aが原板11' の表面側から押し込まれて中心孔11Gを打ち抜く。このとき、原板11' の表面側には塑性変形ダレ部DAが形成され、裏面側には塑性破壊によってバリBAが発生する。なお、図6はバリBAを説明するための概念図であるため、バリBAを分かり易く表現するために原板11' と移動側ダイ45との上下方向の位置関係をわざとずらして記載してある。
塑性変形ダレ部DA及びバリBAの大きさは、中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスCの値に左右される。このクリアランスCの値は小さいほどよい訳ではなく、小さすぎるとバリBAの高さが高くなる。
また、外周用移動刃45bの内径寸法d3と外周用固定刃42bの外径寸法d1との差の1/2(外周用移動刃45bと外周用固定刃42bとのクリアランスC)を2〜30μm、好ましくは5〜20μmになるように固定側ダイ42及び移動側ダイ45を作成する。
外周用移動刃45bと外周用固定刃42bとのクリアランスCが2μmに満たないと、外周用移動刃45bと外周用固定刃42bとの嵌合がきつすぎてうまく挿入できない。また挿入できたとしても極めて薄くて長いバリが発生する。また、外周用移動刃45bと外周用固定刃42bとのクリアランスCが30μmを超えた場合は、打ち抜かれたマスター基板11の外周11Hの寸法精度、即ちマスター基板11の外径寸法精度が悪くなる。
また、本発明においては、固定側ダイ42の上面と載置台43の上面との段差を±0.5mm以内、好ましくは±0.2mm以内に調整する。また、固定側ダイ42の周方向でのこの段差の分布を0.05mm以内に調整する。この調整は載置台43の下面に敷設したスペーサ44の厚さを調整して行う。段差がこの範囲を超えると精度のよいうち抜きができない。
また、本発明においては、移動側ダイ45の打ち抜きストローク(中心孔用移動刃45a及び外周用移動刃45bがマスター基板11の原板11' に当接した位置を0としたときの、そこからの移動側ダイ45の押し込み量)を、マスター基板11の寸法に応じて最適に規定している。
即ち、原板11' の厚さ(金属盤18の厚さ)をtとしたときに、マスター基板11の外径寸法が21.5〜22.5mmの場合は打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.0mmの範囲に設定し、マスター基板11の外径寸法が27.0〜28.0mmの場合は打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.5mmの範囲に設定し、マスター基板11の外径寸法が47.0〜49.0mmの場合は打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.0mmの範囲に設定し、マスター基板11の外径寸法が64.0〜66.0mmの場合は打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.5mmの範囲に設定し、マスター基板11の外径寸法が84.0〜86.0mmの場合は打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+5.0mmの範囲に設定する。
一般的にプレス打ち抜き加工において、打ち抜き部に発生するバリBAを小さくするためには、打ち抜きストローク(ワークへの切刃の押し込み量)をワークが裁断されるギリギリに設定するのが好ましいが、本発明者は、マスター基板11の寸法に応じて最適な打ち抜きストロークを実験により求め、前記のような最適な打ち抜きストロークを設定し、打ち抜き部に発生するバリを低減するようにした。
打ち抜きストロークが前記の設定値に満たないとマスター基板11が完全に裁断されない。また、打ち抜きストロークが前記の設定値を超えた場合は、打ち抜き部に発生するバリBAが大きく、スレーブディスク14との密着性が悪化し、良好な磁気転写が行われない。
マスター基板11の原板11' の打ち抜きにあたっては、最初に原板11' の凹凸パターンPが形成された表面側に保護シートを貼付して、原板11' の凹凸パターンPが形成された表面を保護する。保護シートとしては、トライレイナ社製の商品名シリテクト、日東電工社製の商品名KLシート等が用いられる。
次に、原板11' を保護シート側を上にして固定側ダイ42及び載置台43に載置し、マグネットで固定する。次に移動側ダイ45が下降してきて、最初にノックアウトプレート46が原板11' のマスター基板11となる部分に当接し、次いで中心孔用移動刃45a及び外周用移動刃45bが原板11' に接触して押し込まれ、原板11' からマスター基板11を打ち抜く。このとき、ノックアウトプレート46は圧縮コイルバネ48の力によって原板11' を押圧している。
以上の打ち抜き工程によって、図4(d)に示すマスター基板11の原板11' から図4(e)に示す表面に凹凸パターンPを有するマスター基板11が形成される。この打ち抜き工程においては、マスター基板11の原板11' の凹凸パターンPが形成された表面側から裏面側に打ち抜くので、打ち抜き部分のバリBAはマスター基板11の裏面側に発生し、表面側には塑性変形ダレ部DAが形成される。また、固定刃と移動刃とのクリアランスCを適切な値に設定するとともに、打ち抜きストロークもマスター基板11の寸法に応じて適切な値に設定するので、打ち抜き部分のバリBAも小さい。
打ち抜き工程によって中心孔11Gと外周11Hが所定寸法に打ち抜かれたマスター基板11は、次に凹凸パターンP側に貼付されていた保護シートが剥離され、次いで凹凸パターンPに磁性層12が形成される。磁性層12の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、あるいはメッキ法、塗布法等により成膜する。
磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。特にFeCo、FeCoNiを好ましく使用することができる。磁性層12の厚みは50〜500nmの範囲が好ましく、100〜400nmの範囲が更に好ましい。
尚、磁性層12の上に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、スパッタカーボン等の保護膜を設けることが好ましく、保護膜の上に更に潤滑剤層を設けても良い。この場合、保護膜として厚さが3〜30nmのDLC膜と潤滑剤層とする構成が好ましい。
また、磁性層と保護膜との間に、Si等の密着強化層を設けるようにしても良い。潤滑剤はスレーブディスク14との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化を改善する効果を有する。以上の工程によって、裏面に発生するバリBAが小さいマスターディスク10が製造される。
次に、上記の如く製造したマスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14に転写する磁気転写方法について説明する。図8は本発明に係るマスターディスク10を使用して磁気転写を行うための磁気転写装置20の要部斜視図である。
磁気転写時には図10(a)に示される後記する初期直流磁化を行った後のスレーブディスク14のスレーブ面(磁気記録面)を、マスターディスク10の情報担持面13に接触させ、所定の押圧力で密着させる。そして、このスレーブディスク14とマスターディスク10との密着状態で、磁界生成手段30により転写用磁界を印加して、マスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14に転写する。
スレーブディスク14は、両面又は片面に磁気記録層が形成されたハードディスク、フレキシブルディスク等の円盤状記録媒体であり、マスターディスク10に密着させる以前に、グライドヘッド、研磨体などにより表面の微小突起及び付着塵埃を除去するクリーニング処理(バーニッシィング等)が必要に応じて施される。
スレーブディスク14の磁気記録層には、塗布型磁気記録層、メッキ型磁気記録層、又は金属薄膜型磁気記録層を採用できる。金属薄膜型磁気記録層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。
これらは磁束密度が大きいこと、磁界印加方向と同じ方向(面内記録なら面内方向)の磁界異方性を有していることにより、明瞭な転写を行えるため好ましい。そして、磁性材料の下(支持体側)に必要な磁気異方性を付与するために、非磁性の下地層を設けることが好ましい。この下地層には、結晶構造と格子定数を磁性層12に合わすことが必要である。その為には、Cr、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru等を用いることが好ましい。
マスターディスク10による磁気転写は、スレーブディスク14の片面にマスターディスク10を密着させて片面に転写を行う場合と、図示しないが、スレーブディスク14の両面に一対のマスターディスク10を密着させて両面で同時転写を行う場合とがある。
転写用磁界を印加する磁界生成手段30は、密着保持されたスレーブディスク14とマスターディスク10の半径方向に延びるギャップ31を有するコア32にコイル33が巻き付けられた電磁石装置34、34が上下両側に配設されており、上下で同じ方向にトラック方向と平行な磁力線G(図9参照)を有する転写用磁界を印加する。図9は、円周トラック14A、14A…と磁力線Gとの関係を示したものである。
磁界印加時には、スレーブディスク14とマスターディスク10とを一体的に回転させつつ磁界生成手段30によって転写用磁界を印加させ、マスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14のスレーブ面に磁気的に転写する。尚、この構成以外に磁界生成手段の方を回転移動させるようにしてもよい。
転写用磁界は、最適転写磁界強度範囲(スレーブディスク14の保磁力Hcの0.6〜1.3倍)の最大値を超える磁界強度がトラック方向のいずれにも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度となる部分が1つのトラック方向で少なくとも1カ所以上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度が何れのトラック方向位置においても最適転写磁界強度範囲内の最小値未満である磁界強度分布の磁界をトラック方向の一部分で発生させている。
図10は、面内記録による磁気転写方法の基本工程を説明する説明図である。先ず、図10(a) に示すように、予めスレーブディスク14に初期磁界Hi をトラック方向の一方向に印加して初期磁化( 直流消磁) を施しておく。
次に、図10(b) に示すように、このスレーブディスク14の記録面(磁気記録部)とマスターディスク10の凹凸パターンPが形成された情報担持面13とを密着させ、スレーブディスク14のトラック方向に初期磁界Hi とは逆方向に転写用磁界Hd を印加して磁気転写を行う。転写用磁界Hd が凹凸パターンPの凸部の磁性層12に吸い込まれてこの部分の磁化は反転せず、その他の部分の磁界が反転する結果、図10(c) に示すように、スレーブディスク14の磁気記録面にはマスターディスク10の凹凸パターンPが磁気的に転写記録される。
かかる磁気転写において、スレーブディスク14とマスターディスク10とを良好に密着させることが高精度な転写を行う上で重要であるが、本発明の磁気転写用マスターディスクの製造方法によって製造されたバリBAの小さなマスターディスク10を使用することにより、良好な密着を行うことができ、良質な磁気記録媒体14を得ることができる。
次に、実施例について説明する。外径寸法が22.0mm、27.5mm、48mm、65mm、85mmの5種類のマスターディスク10を製造した。夫々のマスターディスク10に対して、先ず図4(a)から図4(d)に示す工程を経て夫々の外径寸法に応じたマスター基板11の原板11’を作成した。
原板11’の厚さtは、0.05mm〜0.4mmの中で外径寸法に応じて適宜の厚さとした。これらの原板11’に対して打ち抜き加工を施し、図4(e)に示すマスター基板11を作成した。
マスター基板11の打ち抜き工程においては、打ち抜き工具40の固定側ダイ42の上面と載置台43の上面との段差を±0.2mm以内に調整し、固定側ダイ42の周方向でのこの段差の分布を0.05mm以内に調整した。
また、中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスCを5〜10μmの範囲とし、外周用移動刃45bと外周用固定刃42bとのクリアランスCを5〜20μmの範囲になるようにした。
5種類の外径寸法のマスターディスク10に対して、夫々打ち抜きストロークをパラメータとして変化させ打ち抜きを行った。外径22.0mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+0.8mm、t+1.0mm、t+3.0mm、t+3.2mmの4種類に変化させた。
また、外径27.5mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+0.8mm、t+1.0mm、t+3.5mm、t+3.7mmの4種類に変化させた。また、外径48mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+0.8mm、t+1.0mm、t+4.0mm、t+4.2mmの4種類に変化させた。
また、外径65mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+0.8mm、t+1.0mm、t+4.5mm、t+4.7mmの4種類に変化さ、外径85mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+0.8mm、t+1.0mm、t+5.0mm、t+5.2mmの4種類に変化させた。
このようにして打ち抜かれた夫々のマスター基板11の凹凸パターンP上に磁性層12を成膜してマスターディスク10を製造した。
これら全てのマスターディスク10を用いて、スレーブディスク14にトラッキング用フォーマット情報を磁気転写し、転写されたスレーブディスク14によってマスターディスク10の評価を行った。
評価方法は、スレーブディスク14のトラッキングを行ったときの読み取りヘッドの位置ズレ量をトラックの周方向で測定し、測定値のオシログラフ上の波形の振幅の大きさで評価した。
なお、測定開始の半径位置は、各マスターディスク10の外径毎に一定の半径位置に統一した。また、評価の判定は、読み取りヘッドの位置ズレ量200nm未満を示す振幅の場合にOKとし、位置ズレ量200nm以上を示す振幅の場合にNGとした。
図7にこの実施例の評価結果を一覧表で示す。この結果から判るように、打ち抜きストロークがt+0.8mmの場合は全ての外径のマスター基板11に対しても外周端が形成されず、即ち完全に打ち抜きが行われず、スレーブディスク14への転写が不能であった。
また、外径22.0mmのマスター基板11に対して、打ち抜きストロークがt+1.0mm、t+3.0mmがOKであり、t+3.2mmがNGであった。外径27.5mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークがt+1.0mm、t+3.5mmがOK、t+3.7mmがNGであり、外径48mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークがt+1.0mm、t+4.0mmがOK、t+4.2mmがNGであった。
また、外径65mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークがt+1.0mm、t+4.5mmがOK、t+4.7mmがNGであり、外径85mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークがt+1.0mm、t+5.0mmがOK、t+5.2mmがNGであった。
以上説明したように、本発明の磁気転写用マスターディスクの製造方法では、中心孔用固定刃42aと中心孔用移動刃45aとのクリアランスを1〜15μm(好ましくは5〜10μm)の範囲とし、外周用移動刃45bと外周用固定刃42bとのクリアランスCを2〜30μm(好ましくは5〜20μm)の範囲になるようにする。
また、マスター基板11の打ち抜き工程において、打ち抜き工具40の固定側ダイ42の上面と載置台43の上面との段差を±0.2mm以内に調整し、固定側ダイ42の周方向でのこの段差の分布を0.05mm以内に調整する。
更に、外径22.0mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.0mmの範囲に設定し、外径27.5mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.5mmの範囲に設定し、外径48mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.0mmの範囲に設定し、外径65mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.5mmの範囲に設定し、外径85mmのマスター基板11に対しては、打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+5.0mmの範囲に設定する。
これらによって、打ち抜き時のバリBAを小さくするとともに、寸法精度の高いマスター基板11を作成することができ、良好な磁気転写を行うことのできるマスターディスク10を得ることができる。また、このマスターディスク10によって高品質の磁気記録媒体を安価に得ることができる。
なお、前述した実施の形態では、原板11' の打ち抜き工程において、固定された原板11' に対して移動側ダイ45が移動して打ち抜き加工を行ったが、本発明はこれに限らず、原板11' が移動側ダイ45に向かって移動してもよく、ダイと原板11' とが相対的に移動して原板11' の表面側(凹凸パターンP側)から裏面に向けて打ち抜く方法であれば、種々の変形が適用できる。
10…マスターディスク(磁気転写用マスターディスク)、11…マスター基板、11’…原板、11G…中心孔、11H…円形外周、12…磁性層、14…スレーブディスク(磁気記録媒体)、17…原盤、18…金属盤、40…打ち抜き工具、42…固定側ダイ、42a…中心孔用固定刃、42b…外収用固定刃、43…載置台、45…移動側ダイ、45a…中心孔用移動刃、45b…外周用移動刃、BA…バリ、C…クリアランス、P・P’…凹凸パターン、t…原板(金属盤)の厚さ
Claims (4)
- 転写情報に応じた凹凸パターンが形成された原盤に、電鋳等により所定厚さの金属盤を積層し、前記原盤より剥離した前記金属盤に中心孔及び円形外周の打ち抜き加工を施してマスター基板とし、該マスター基板の凹凸パターン上に磁性層を成膜する磁気転写用マスターディスクの製造方法において、
前記マスター基板の凹凸パターンの最小パターンサイズが100nm以下であり、
前記打ち抜き加工は、
中心孔用固定刃と外周用固定刃とを有する固定側ダイ、及び中心孔用移動刃と外周用移動刃とを有する移動側ダイからなる打ち抜き工具を用い、
前記中心孔用固定刃と前記中心孔用移動刃とのクリアランス(半径差)を1μm〜15μmとするとともに、前記外周用固定刃と前記外周用移動刃とのクリアランス(半径差)を2μm〜30μmとすることを特徴とする磁気転写用マスターディスクの製造方法。 - 前記打ち抜き工具の前記固定側ダイの側又は前記移動側ダイの側に前記金属盤を載置する載置台を設け、
前記固定側ダイ又は前記移動側ダイの前記金属盤と接する面と前記載置台の載置面との段差を±0.2mm以内とするとともに、前記固定側ダイ又は前記移動側ダイの周方向の前記段差のばらつきを0.05mm以内とすることを特徴とする請求項1に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。 - 前記打ち抜き加工において、
前記固定側ダイ又は前記移動側ダイが前記金属盤に当接する位置から打ち抜き方向への前記金属盤との相対的移動距離を打ち抜きストロークとし、前記金属盤の厚さをtとしたときに、前記マスター基板の外径寸法が21.5〜22.5mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.0mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が27.0〜28.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+3.5mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が47.0〜49.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.0mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が64.0〜66.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+4.5mmの範囲に設定し、前記マスター基板の外径寸法が84.0〜86.0mmの場合は前記打ち抜きストロークをt+1.0mm〜t+5.0mmの範囲に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法。 - 外径呼称寸法が10mm〜65mmの磁気記録媒体であって、
前記請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の磁気転写用マスターディスクの製造方法によって製造された磁気転写用マスターディスクを用い、プリフォーマット情報が磁気転写されたことを特徴とする磁気記録媒体。
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