JP2006286146A - 磁気転写用マスターディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気転写によって転写する情報を担持したマスターディスクであって、電鋳を行う際に電鋳層に内部応力を生じにくく、高平坦であり、被転写用のスレーブディスクに対して密着性の高いマスターディスクを提供する。
【解決手段】表面に転写情報に対応する凹凸パターンPが形成され、凹凸パターン上に磁性層12が成膜されてなる磁気転写用マスターディスク10である。凹凸パターンPの面サイズが50nm×50nm〜30μm×15mmの略矩形であり、ディスクの平坦度が50μm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気転写用マスターディスクに係り、特にハードディスク装置等に用いられる磁気ディスクにフォーマット情報等の磁気情報を転写するのに好適な磁気転写用マスターディスクに関する。
近年、急速に普及しているハードディスクドライブに使用される磁気ディスク(ハードディスク)は、磁気ディスクメーカーよりドライブメーカーに納入された後、ドライブに組み込まれる前に、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれたマスターディスクより一括転写する方法が効率的であり、好ましい。
この一括転写する磁気転写方法は、マスターディスクと被転写用ディスク(スレーブディスク)とを密着させた状態で、片面又は両面に電磁石装置、永久磁石装置等の磁界生成手段を配設して転写用磁界を印加することにより、マスターディスクの有する情報(たとえばサーボ信号)をスレーブディスクに磁気転写する。そして、磁気転写を精度良く行うには、マスターディスクとスレーブディスクとを均一に隙間なく密着させることが極めて重要である。
ところで、この磁気転写方法に使用されるマスターディスクとしては、基板の表面に情報信号に対応する凹凸パターンを形成し、この凹凸パターンの表面に磁性層を被覆したものが通常使用されている。この磁気転写用のマスターディスクは、情報を凹凸パターンで形成した原版上に電鋳を施して、電鋳層から成る金属盤を原版上に積層して該金属盤面に凹凸パターンを転写する電鋳工程、金属盤を原版上から剥離する剥離工程、剥離した金属盤を所定サイズに打ち抜きする打ち抜き工程を経た後、凹凸パターンの面に磁性層を被覆することにより製造されるのが一般的である(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2001−256644号公報
しかしながら、上記の工程によって製造された従来のマスターディスクは、電鋳を行う際に、電鋳層に内部応力を生じやすく、また、金属盤を原版から剥離する剥離工程や所定サイズに打ち抜く打ち抜き工程等の加工時に発生した変形等によりマスターディスクは必ずしも平坦面ではなく、反りや歪みを有している。
ところで、磁気転写を行う際に、品質良く信号を転写するにはマスターディスクとスレーブディスクとを隙間なく密着させることが重要である。しかし前述のように、マスターディスクには反りが生じているため、スレーブディスクに密着させるにあたり転写時の密着圧力を高めること、又はマスターディスクを保持するホルダーの平坦性を高めることなどが行われてきた。
しかし、密着圧力を高めることは、マスターディスクに形成された凹凸パターンを破損したり変形を発生させる可能性があり、マスターディスクの耐久性能を低下させる原因になる。
一方、信号が転写されるスレーブディスクにも基板全面に渡って反りや歪みといった形状変形や、端面だれ、スキージャンプといった項目で評価される形状変形が生じている。このため、信号を所望の位置に転写するためには更に高い密着性が必要となる。密着性が低い場合には、マスターディスクとスレーブディスクとの間のスペーシングのため転写された信号強度が低くなり、良好な転写が行われないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、磁気転写によって転写する情報を担持したマスターディスクであって、電鋳を行う際に電鋳層に内部応力を生じにくく、高平坦であり、被転写用のスレーブディスクに対して密着性の高いマスターディスクを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、表面に転写情報に対応する凹凸パターンが形成され、該凹凸パターン上に磁性層が成膜されてなる磁気転写用マスターディスクであって、前記凹凸パターンの平面サイズが50nm×50nm〜30μm×15mmの略矩形であり、ディスクの外径が21〜95mmであり、ディスクの平坦度が50μm以下であることを特徴とする磁気転写用マスターディスクを提供する。
本発明によれば、ディスクの平坦度が50μm以下であるので、被転写用のスレーブディスクに対して密着性を非常に良好にでき、転写された信号強度が高く、良好な磁気転写を行える。
本発明において、前記ディスクの平坦度が円周方向で50μm以下であり、径方向で50μm以下であることが好ましい。このように、円周方向でも径方向でも50μm以下の平坦度であれば、一層被転写用のスレーブディスクに対して密着性を非常に良好にできる。
また、本発明において、±60°Cの温度変化による前記ディスクの平坦度の変化が±50μm以下であることが好ましい。このような温度変化による平坦度の変化であれば、被転写用のスレーブディスクに対して密着性を非常に良好にできる。
なお、本発明の磁気転写用マスターディスクは、外径が21.6mm(0.85インチ)、27.4mm(1インチ)、48mm(1.8インチ)、65mm(2.5インチ)、84mm(3.25インチ)、及び95mm(3.5インチ)のサイズのスレーブディスクに対応させたものである。
以上説明したように、本発明によれば、被転写用のスレーブディスクに対して密着性を非常に良好にでき、転写された信号強度が高く、良好な磁気転写を行える。
以下、添付図面に従って、本発明に係る磁気転写用マスターディスクの好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明の磁気転写用マスターディスク10(以下、マスターディスク10という)の部分斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿った断面図であり、被転写用ディスク(スレーブディスク14)を想像線で示したものである。
図1及び図2に示されるように、マスターディスク10は、金属製のマスター基板11と磁性層12とで構成され、マスター基板11の表面に転写情報に対応する微細な凹凸パターンP(たとえばサーボ情報パターン)を有するとともに、その凹凸パターンPに磁性層12が被覆されている。
これにより、マスター基板11の片面に磁性層12が被覆された微細な凹凸パターンPを有する情報担持面13が形成される。図1から解るように、この微細な凹凸パターンPは、平面視で長方形であり、磁性層12が形成された状態でトラック方向(図の矢印方向)の長さpと、半径方向の長さLとよりなる。
この長さpと長さLとの最適値は、記録密度や記録信号波形により異なるが、50nm×50nm〜30μm×15mmの範囲とする。この範囲内で、たとえば長さpを80nm、長さLを200nmにできる。この微細な凹凸パターンPはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。この場合、たとえば半径方向の長さLが0.05〜20μm、トラック方向(円周方向)の長さpが0.01〜5μmであることが好ましい。
この範囲で半径方向の方が長い凹凸パターンPを選ぶことがサーボ信号を担持するパターンとして好ましい。凹凸パターンPの深さt(突起の高さ)は、30〜800nmの範囲が好ましく、50〜300nmの範囲がより好ましい。
マスター基板11は、電鋳により作製され、図3に示されるように、中心孔11Gを有する円盤状に形成され、片面の(情報担持面13)の内周部11D及び外周部11Eを除く円環状領域11Fに凹凸パターンPが形成される。このマスター基板11の製造の詳細は後述するが、主に、情報を凹凸パターンPで形成した原版上に電鋳を施して、電鋳層から成る金属盤を原版上に形成して、この金属盤に凹凸パターンPを転写する電鋳工程と、金属盤を原版上から剥離する剥離工程とにより製造される。
本発明において、電鋳層としては各種金属や合金類を使用できるが、本実施の形態では好ましい一例として、Ni電鋳層の例で以下に説明する。このNi電鋳層は柔軟性をもたせるため、規定された結晶構造を有するように、電鋳時の電流密度を制御しながら電鋳する。電鋳時の電流密度については、後述する。
次に、上記の如く構成される本発明のマスターディスク10の製造方法を詳細に説明する。
図4はマスターディスク10を製造するステップを示す工程図である。先ず、図4(a)に示されるように、表面が平滑且つ清浄なシリコーンウエハーによる原板15(ガラス板、石英板でもよい)の上に、密着層形成等の前処理を行い、電子線レジスト液をスピンコート等で塗布してレジスト膜16を形成し、ベーキングする。
そして、高精度な回転ステージ又はX−Yステージを備えた電子ビーム露光装置(図示せず)にて、そのステージに搭載した原板15にサーボ信号等に対応して変調した電子ビームBを照射し、レジスト膜16に所望の凹凸パターンP' を描画露光する。
次に、図4(b)に示されるように、レジスト膜16を現像処理し、露光部分を除去して残ったレジスト膜16によって所望の凹凸パターンP' を形成する。この凹凸パターンP' 上にたとえばスタッパリングによりNi導電膜(図示せず)を付与し、電鋳可能な原版17を作製する。
次に、図4(c)に示されるように、原版17の全面に電鋳装置で電鋳処理を施し、Ni金属による所望厚さの金属盤18(Ni電鋳層)を積層する。Niは面心立方格子の結晶構造を有しており、電鋳時の電流密度を制御して規定の結晶構造となるように電鋳する。
図5は、電鋳装置60の断面図である。この電鋳装置60は、鍍金液(浴)62を貯留する鍍金槽64と、鍍金槽64よりオーバーフローした鍍金液62を受けるドレーン槽66と、陽極となるNiペレット68、68…が充填され、鍍金槽64よりオーバーフローした鍍金液62を受けるアノード室70と、原版17を保持する陰極72等より構成される。
鍍金槽64には鍍金液供給配管74より鍍金液62が供給されるようになっている。また、鍍金槽64よりドレーン槽66にオーバーフローした鍍金液62は、ドレーン槽排水配管76より回収されるようになっている。また、鍍金槽64よりアノード室70にオーバーフローした鍍金液62は、アノード室排水配管78より回収されるようになっている。
鍍金槽64とアノード室70とは、隔壁板80により区切られている。また、鍍金槽64側の隔壁板80の表面には、電極遮蔽板82が陰極72と対向するように固定されている。この電極遮蔽板82は、電鋳した膜厚が面内で均一になるように、電極の所定部分を覆うように形成されているものである。
以上の構成からなる電鋳装置60において、陰極72に原版17を保持させ、陰極72に負電極を接続し、アノード室70の正電極を接続して通電することにより、マスター基板11の電鋳が行われる。
電鋳において、本実施の形態では、電鋳時の電流密度を図6に示されるパターンで制御する。すなわち、電鋳工程を3以上の時間帯に分割し、スタート時よりの所定時間、全電鋳工程の平均電流密度の65%以下の電流密度で電鋳を行う初期電鋳工程50と、初期電鋳工程の後に所定時間行う電鋳工程であって、全電鋳工程の平均電流密度の140%以上の電流密度で電鋳を行う本電鋳工程52と、終了時までの所定時間、全電鋳工程の平均電流密度の50%以下の電流密度で電鋳を行う終期電鋳工程54と、を含ませる。
この図6は、横軸に時間を、縦軸に電流密度をとったX−Yグラフである。そして、初期電鋳工程50の時間50T、本電鋳工程52の時間52T、及び終期電鋳工程54の時間54Tがそれぞれ示されている。
この初期電鋳工程50の時間50Tは、全電鋳工程の30〜75%の時間とすることが好ましく、終期電鋳工程54の時間54Tは、全電鋳工程の5〜10%の時間とすることが好ましい。また、全電鋳工程の平均電流密度を5〜15A/dm2 とすることが好ましい。
このように、電鋳工程の電流密度と時間を制御することにより、電鋳層に内部応力を生じにくく、電鋳後のディスクの平坦度を非常に高精度に(平坦度を小さく)維持できる。また、電鋳後のディスクの表面粗さを非常に高精度に(表面粗さを小さく)維持できる。更に、電鋳速度は従来と同様に維持でき、生産性に劣ることもない。
なお、初期電鋳工程50における電流密度を全電鋳工程の平均電流密度の65%超とした場合には、電鋳層に内部応力を生じるので好ましくなく、終期電鋳工程54における電流密度を全電鋳工程の平均電流密度の50%超とした場合には、電鋳後のディスクの表面粗さが劣るので好ましくない。
また、初期電鋳工程50の時間50Tを全電鋳工程の30%の時間未満とした場合には、電鋳層に内部応力を生じるので好ましくなく、時間50Tを全電鋳工程の75%の時間超とした場合には、生産性に劣るので好ましくない。
同様に、終期電鋳工程54の時間54Tを全電鋳工程の5%の時間未満とした場合には、電鋳後のディスクの表面粗さが劣るので好ましくなく、時間54Tを全電鋳工程の10%の時間超とした場合には、生産性に劣るので好ましくない。
なお、「全電鋳工程の平均電流密度」とは、全電鋳工程の積算した電流密度を全電鋳工程の時間で除した値であり、図6のグラフの面積を全電鋳工程の時間で除した値でもある。
図4に戻り、次に、前述のように規定した結晶構造を有する金属盤18を原版17から剥離し、残留するレジスト膜16を除去・洗浄する。これにより、図4(d)に示されるように、反転した凹凸パターンPを有し、且つ所定サイズに打ち抜く前の外径Dを有するマスター基板11の原盤11' が得られる。
この原盤11' を打ち抜いて、図4(e)に示される外径dの所定サイズのマスター基板11が得られる。このマスター基板11の凹凸パターン面に磁性層12を成膜することでマスターディスク10を製造することができる。
なお、マスターディスク10の他の製造工程としては、原版17に電鋳を施して第2原版を作製する。そして、この第2原版を使用して電鋳を行い、反転した凹凸パターンを有する金属盤を作製し、所定サイズに打ち抜いてマスター基板としてもよい。
更には、第2原版に電鋳を行うか、樹脂液を押しつけて硬化を行って第3原版を作製し、この第3原版に電鋳を行って金属盤を作製し、更に反転した凹凸パターンを有する金属盤を剥離してマスター基板としてもよい。第2原版又は第3原版を繰り返し使用し、複数の金属盤18を作製することができる。
また、原版の作製において、レジスト膜を露光・現像処理した後、エッチング処理を行って、原版の表面にエッチングによる凹凸パターンを形成してからレジスト膜を除去してもよい。
磁性層12の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、又はメッキ法、塗布法等により成膜する。磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。特にFeCo、FeCoNiを好ましく使用することができる。磁性層12の厚さは50〜500nmの範囲が好ましく、100〜400nmの範囲が更に好ましい。
なお、磁性層12の上に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、スパッタカーボン等の保護膜を設けることが好ましく、保護膜の上に更に潤滑剤層を設けても良い。この場合、保護膜として厚さが3〜30nmのDLC膜と潤滑剤層とする構成が好ましい。
また、磁性層と保護膜との間に、Si等の密着強化層を設けるようにしても良い。潤滑剤はスレーブディスク14との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化を改善する効果を有する。
本発明では、電鋳処理による金属盤18の積層において、電流密度と時間を制御して、残留応力の非常に小さいNi電鋳層が形成されるようにした。
通常、マスターディスク10に使用される金属はニッケル(Ni)であるが、マスターディスク10を電鋳で製造する場合には、応力の小さなマスター基板11が得られ易いスルファミン酸ニッケル浴を使用することが好ましい。
スルファミン酸ニッケル浴は、たとえば、スルファミン酸ニッケルを400〜800g/L、ホウ酸を20〜50g/L(過飽和)をベースとして界面活性剤(たとえばラウリル硫酸ナトリウム)等の添加物を必要に応じて添加したものである。メッキ浴の浴温度は40〜60°Cが好適である。電鋳時の対極にはチタンケースに入れたニッケルボールを使用することが好ましい。
次に、上記の如く製造したマスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14に転写する磁気転写方法について説明する。図7は本発明のマスターディスク10を使用して磁気転写を行うための磁気転写装置20の要部斜視図である。
磁気転写時には図9(a)に示される後述する初期直流磁化を行った後のスレーブディスク14のスレーブ面(磁気記録面)を、マスターディスク10の情報担持面13に接触させ、所定の押圧力で密着させる。そして、このスレーブディスク14とマスターディスク10との密着状態で、磁界生成手段30により転写用磁界を印加して、マスターディスク10の凹凸パターンPをスレーブディスク14に転写する。
スレーブディスク14は、両面又は片面に磁気記録層が形成されたハードディスク、フレキシブルディスク等の円盤状記録媒体であり、マスターディスク10に密着させる以前に、グライドヘッド、研磨体などにより表面の微小突起及び付着塵埃を除去するクリーニング処理(バーニッシィング等)が必要に応じて施される。
スレーブディスク14の磁気記録層には、塗布型磁気記録層、メッキ型磁気記録層、又は金属薄膜型磁気記録層を採用できる。金属薄膜型磁気記録層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi等)、Ni、Ni合金(NiFe等)、を用いることができる。
これらは磁束密度が大きいこと、磁界印加方向と同じ方向(面内記録なら面内方向)の磁界異方性を有していることにより、明瞭な転写を行えるため好ましい。そして、磁性材料の下(支持体側)に必要な磁気異方性を付与するために、非磁性の下地層を設けることが好ましい。この下地層には、結晶構造と格子定数を磁性層12に合わすことが必要である。その為には、Cr、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru等を用いることが好ましい。
マスターディスク10による磁気転写は、スレーブディスク14の片面にマスターディスク10を密着させて片面に転写を行う場合と、図示しないが、スレーブディスク14の両面に一対のマスターディスク10を密着させて両面で同時転写を行う場合とがある。
転写用磁界を印加する磁界生成手段30は、密着保持されたスレーブディスク14とマスターディスク10の半径方向に延びるギャップ31を有するコア32にコイル33が巻き付けられた電磁石装置34、34が上下両側に配設されており、上下で同じ方向にトラック方向と平行な磁力線G(図8参照)を有する転写用磁界を印加する。図8は、円周トラック14A、14A…と磁力線Gとの関係を示したものである。
磁界印加時には、スレーブディスク14とマスターディスク10とを一体的に回転させつつ磁界生成手段30によって転写用磁界を印加させ、マスターディスク10の凹凸パターンをスレーブディスク14のスレーブ面に磁気的に転写する。なお、この構成以外に磁界生成手段の方を回転移動させるようにしてもよい。
転写用磁界は、最適転写磁界強度範囲(スレーブディスク14の保磁力Hcの0.6〜1.3倍)の最大値を超える磁界強度がトラック方向のいずれにも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度となる部分が1つのトラック方向で少なくとも1カ所以上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度が何れのトラック方向位置においても最適転写磁界強度範囲内の最小値未満である磁界強度分布の磁界をトラック方向の一部分で発生させている。
図9は、面内記録による磁気転写方法の基本工程を説明する説明図である。先ず、図9(a)に示されるように、予めスレーブディスク14に初期磁界Hi をトラック方向の一方向に印加して初期磁化(直流消磁)を施しておく。
次に、図9(b)に示されるように、このスレーブディスク14の記録面(磁気記録部)とマスターディスク10の凹凸パターンPが形成された情報担持面13とを密着させ、スレーブディスク14のトラック方向に初期磁界Hi とは逆方向に転写用磁界Hd を印加して磁気転写を行う。転写用磁界Hd が凹凸パターンPの凸部の磁性層12に吸い込まれてこの部分の磁化は反転せず、その他の部分の磁界が反転する結果、図9(c)に示されるように、スレーブディスク14の磁気記録面にはマスターディスク10の凹凸パターンPが磁気的に転写記録される。
このような磁気転写において、スレーブディスク14とマスターディスク10とを良好に密着させることが高精度な転写を行う上で重要であるが、本発明の高平坦なマスターディスク10を使用することにより、良好な密着を行うことができる。
以上、本発明に係る磁気転写用マスターディスクの製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態において、全電鋳工程を、初期電鋳工程50と、本電鋳工程52と、終期電鋳工程54との3の時間帯に分割しているが、これ以上の時間帯に分割する方法をも採用できる。このように、多数の時間帯に分割し、よりきめの細かい制御を行うことも好ましく採用できる。
また、本実施形態において、マスターディスク10の裏面の加工は行っていないが、マスターディスク10の裏面に機械加工等を施して、板厚偏差を無くすようにする態様も採用できる。
更に、本実施形態のマスターディスク10は、内径を有する円環状(ドーナツ状)のものであるが、内径を有しない円盤状のものであってもよい。
次に本発明の実施例と比較例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
図5に示される既述の電鋳装置60を使用して、マスター基板11の電鋳を行った。電鋳装置60の鍍金槽64の容量は、30Lである。鍍金液(浴)62の組成は、以下の通りである。
・スルファミン酸ニッケル :600g/L
・ホウ酸 :40g/L
・界面活性剤(ラウリル硫酸Na):0.15g/L
鍍金液(浴)62の温度は55°Cに制御した。
実施例において、マスター基板11の電鋳の際の電流密度を、図6に示されるパターンで制御した。
一方、比較例(3条件のもの)において、電鋳の際の電流密度は、スタートより10分間で所定の電流密度まで上昇させて行き、その後、電流密度を変化させず、所定の電流密度に維持させる方法を採用した。後述する図11の表において、電流密度を24A/dm2 (例1)、20.5A/dm2 (例2)、及び10.3A/dm2 (例3)とした。
ディスクの平坦度の評価は、次の構成の測定装置により行った。この測定装置において、マスター基板11が回転ステージ上に固定され、一定の回転数で回転されるようになっている。同時に、マスター基板11の上方の所定距離に設けられたレーザ方式の位置センサが、マスター基板11の表面と所定距離を保った状態で、径方向に移動するようになっている。位置センサより取り込まれたデータは、コンピュータに転送され、マスター基板11の位置情報に対応する変位が算出され、3次元表示されるとともに、円周方向の変位量と径方向の変位量が表示される。
図10は、平坦度の測定例を示すグラフであり、(A)は、径方向の変位量(平坦度)を示し、(B)は、円周方向の変位量(平坦度)を示す。なお、(B)においては、複数の径位置における円周方向の変位量が重畳して示されている。
本発明の実施例と比較例の平坦度の評価結果を図11の表に示す。
比較例(例1〜例3)においては、径方向の平坦度が138〜242μmであり、周方向の平坦度が16〜37μmであった。一方、本発明の実施例(研磨なし)においては、径方向の平坦度が15μmであり、周方向の平坦度が28μmであった。
更に、裏面研磨の効果を確認すべく、本発明の実施例(研磨あり)において、研磨の前後の平坦度を評価した。なお、この試料は、先の(研磨なし)とは別個の試料である。平坦度の評価結果によれば、研磨前の周方向の平坦度(−129μm)が大きく改善されていることが確認された。
更に、本発明の実施例の別個の試料により温度変化(加熱)による平坦度の変化を実測した。室温で径方向の平坦度が25μmであり、周方向の平坦度が19μmである試料を60°Cで30分加熱した直後、再度平坦度を測定した。平坦度の評価結果によれば、径方向の平坦度が28μmであり、周方向の平坦度が22μmであり、平坦度の変化が非常に小さいことが確認された。
同様に、本発明の実施例の別個の試料により温度変化(冷却)による平坦度の変化を実測した。室温で径方向の平坦度が49μmであり、周方向の平坦度が28μmである試料を−20°Cで30分冷却した直後、再度平坦度を測定した。平坦度の評価結果によれば、径方向の平坦度が44μmであり、周方向の平坦度が35μmであり、平坦度の変化が非常に小さいことが確認された。
以上、実施例の効果が確認できた。
本発明のマスターディスクの部分斜視図 図1のA−A線に沿った断面図 マスター基板の平面図 本発明のマスターディスクの製造方法の一実施の形態における工程図 電鋳装置の断面図 電鋳時の電流密度パターンを示すグラフ 磁気転写装置の要部斜視図 転写用磁界の印加方法を示す平面図 磁気転写方法の基本工程を示す工程図 平坦度の測定例を示すグラフ 実施例における平坦度の測定結果を示す表図
符号の説明
10…マスターディスク(磁気転写用マスターディスク)、11…マスター基板、12…磁性層、14…スレーブディスク、20…磁気転写装置、50…初期電鋳工程、52…本電鋳工程、54…終期電鋳工程、P…凹凸パターン

Claims (3)

  1. 表面に転写情報に対応する凹凸パターンが形成され、該凹凸パターン上に磁性層が成膜されてなる磁気転写用マスターディスクであって、
    前記凹凸パターンの平面サイズが50nm×50nm〜30μm×15mmの略矩形であり、
    ディスクの外径が21〜95mmであり、
    ディスクの平坦度が50μm以下であることを特徴とする磁気転写用マスターディスク。
  2. 前記ディスクの平坦度が円周方向で50μm以下であり、径方向で50μm以下である請求項1に記載の磁気転写用マスターディスク。
  3. ±60°Cの温度変化による前記ディスクの平坦度の変化が±50μm以下である請求項1又は2に記載の磁気転写用マスターディスク。
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