JP2006259503A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】
安全性を確保しつつ、信号の欠落等による解像度の低下を抑えた画像を形成できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】
解像度変換部2での変換信号S1の作成において、画像信号S0から間引かれたことで欠落した信号を、データ比較部4において補間信号S2として復元することにより、図3に示す投影領域DD上において、外部からの画像信号S0には存在し、本来画素領域PPL間に存在すべきである画素を、当該画素領域PPL間に存在する照射点SPによって復元することができる。
【選択図】
図2
安全性を確保しつつ、信号の欠落等による解像度の低下を抑えた画像を形成できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】
解像度変換部2での変換信号S1の作成において、画像信号S0から間引かれたことで欠落した信号を、データ比較部4において補間信号S2として復元することにより、図3に示す投影領域DD上において、外部からの画像信号S0には存在し、本来画素領域PPL間に存在すべきである画素を、当該画素領域PPL間に存在する照射点SPによって復元することができる。
【選択図】
図2
Description
本発明は、レーザ光を利用し、離れた位置から像光をスクリーンに投射するプロジェクタに関する。
プロジェクタは、種々の画像供給装置(例えばコンピュータ等)からの画像信号に応じて画像をスクリーン等に投射して表示する画像表示装置である。プロジェクタの画像形成方法としては、主に透過型の液晶パネルや反射型の液晶パネル、あるいは、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたもの等が一般的に知られている。
また、上記とは異なる新たな方式として、光源光にレーザ光を用い、レーザ光を二次元方向に走査させることにより画像を表示するレーザプロジェクタが知られている(特許文献1)。
特開2004−341211号公報
しかしながら、上述した一般的なタイプのプロジェクタは、いずれも解像度がプロジェクタごとに決まっており、これに伴い、当該プロジェクタの解像度を示す表示画素の画素数も一定である一方、各画像供給装置からの画像信号による画像は、画像供給装置ごとに固有の画素数を有する。このため、画像供給装置からの画像とこれに対応するプロジェクタとで画素数が異なる場合、投射を行うにあたって、当該プロジェクタの解像度に合わせて画像供給装置からの画像信号に関して、解像度変換が必要となることがある。
当該解像度変換にあたって、例えば、元の画像が有する画素数よりプロジェクタの画素数が小さい場合、元の画像の画像信号から信号を間引く等の処理が行われる。つまり、この過程において、欠落する信号が発生してしまう。
また、新方式としてのレーザプロジェクタは、光源にレーザ光を用いているために安全上の理由から出力に制限がある。特に、フロントプロジェクタ等での使用においては出力の制限が厳しい。
そこで、本発明は、安全性を確保しつつ、信号の欠落等による解像度の低下を抑えた画像を形成できるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、照明光を形成する光源装置と、照明光によって照明される被照明対象である光変調装置と、光変調装置を経た像光を投射光としてスクリーンに投射する投射光学系と、変調された状態のレーザ光を射出するレーザ光源と、レーザ光源からの前記レーザ光を走査させる光走査部と、光変調装置の解像度に応じて、例えば外部から与えられた画像信号を変換した変換信号を作成するとともに、画像信号に基づいて補間信号を作成する制御装置と、変換信号に応じて光変調装置を駆動する第1駆動装置と、補間信号に応じて、レーザ光源と光走査部とを駆動する第2駆動装置とを備える。
上記プロジェクタにおいては、変換信号と補間信号とを作成し、変換信号に応じて第1駆動装置により光変調装置を、補間信号に応じて第2駆動装置によりレーザ光源等をそれぞれ駆動させることにより、例えば、一定範囲で補間を行う解像度補完が行われ、解像度の低下を抑えることができる。
また、本発明の具体的な態様として、制御装置が、補間信号により、画像信号から変換信号への変換において欠落した信号を補間する。この場合、欠落した信号を補間信号によって補うことで解像度補完が行われるので、信号の欠落による解像度の低下を抑えることができる。
また、本発明の具体的な態様として、制御装置が、第1及び第2駆動装置を制御することにより、投射光とレーザ光とをスクリーン上の投影領域で重畳させ、第2駆動装置を介してレーザ光源及び光走査部を動作させることにより、投射光によって投影領域に形成される投射画素間の境界を補填する位置に前記レーザ光を入射させる。ここで、「投影領域」とは、スクリーン上に形成される一領域であり、特に投射光とレーザ光とによる画像が投影されるべき範囲を意味し、「境界を補填する」とは、当該境界の全部又は一部について埋め合わせを行うことを意味する。この場合、投射光による投影画像とレーザ光による投影画像とを投影領域上で重ね合わせて1つの画像とすることができ、かつ、当該補填によって、当該境界による網目状の暗部から生じる目障り感を解消することができる。特に、上記補間信号によって解像度補完を行う場合、当該補間信号に対応するレーザ光により、境界を補填することができる。
また、本発明の具体的な態様として、投影領域の表示状態を検出する検出手段をさらに備える。この場合、検出手段の検出結果に基づいて投射光とレーザ光とをスクリーン上の投影領域において重畳させることができる。
また、本発明の具体的な態様として、制御装置が、検出手段の検出結果に基づき光走査部によるレーザ光の照射領域を調整する。ここで、「レーザ光の照射領域」とは、レーザ光が走査されることによってスクリーン上を照射する領域を意味する。この場合、制御装置による制御のもと、検出手段の検出結果に基づいて光走査部によりレーザ光の照射領域を調整するので、投射光とレーザ光とをスクリーン上の投影領域において確実に重畳させることができる。
また、本発明の具体的な態様として、光変調装置を経た像光が、複数色の色光を含み、レーザ光が、複数色に対応する色レーザ光を含む。この場合、安全性を確保しつつ解像度の低下を抑えたカラー画像を形成できる。
また、本発明の具体的な態様として、第2駆動装置が、画像信号に応じるとともに、光変調装置に連動して変調され、走査されたレーザ光を射出させる。この場合、投射光とレーザ光とにより、投射光による投影画像とレーザ光による投影画像とを連関させ、両者を合わせた画像を統一的な画像として表示させることができる。
図1は、本実施形態に係るプロジェクタについて説明するための平面図である。本実施形態におけるプロジェクタ100は、第1プロジェクタ部分100Aと、第2プロジェクタ部分100Bと、検出手段である撮影カメラ60と、制御装置90とを備える。第1プロジェクタ部分100Aは、光源装置10と、光変調装置である液晶ライトバルブ30と、投射光学系である投射レンズ50と、第1駆動装置91とを備える。第2プロジェクタ部分100Bは、レーザ光源70と、光走査部80と、第2駆動装置92とを備える。
第1プロジェクタ部分100Aにおいて、光源装置10は、光源11と、集光レンズアレイ12と、ロッドインテグレータ13とを備える。このうち、光源11は、基板上に発光素子である複数のLEDを適当な2次元的配列で取り付けたものである。集光レンズアレイ12は、光源11の各LEDの正面にビーム整形用のレンズエレメントを個別に配置したレンズ群である。ロッドインテグレータ13は、光均一化手段であり、光の入射端である入射ポートIPと、射出端である射出ポートOPとを備える。ここで、光源11を構成する異なる複数のLEDは、例えば、青色光、緑色光、赤色光の三つの光源光を一つのLEDパッケージとして内蔵するものが考えられる。この場合、例えば、液晶ライトバルブ30がカラーフィルタ(不図示)を備えることにより、カラー画像を投影させることが可能となる。
液晶ライトバルブ30は、入射偏光フィルタ32と、液晶パネル33と、射出偏光フィルタ34とを備える。入射偏光フィルタ32は、射出ポートOPに対向配置され、入射する照明光の偏光方向を調整する。液晶パネル33は、第1駆動装置91から入力される駆動信号D1に対応して、照明光の偏光状態を調整することにより、入射した照明光を画素単位で変調する。射出偏光フィルタ34は、射出される照明光から所定の偏光方向の成分を変調光として取り出し、これによって像光が形成される。
投射レンズ50は、形成された像光を所望の拡大率で投射光としてスクリーンSRへ投射するための投射光学系である。
第1駆動装置91は、制御装置90から入力される電気的信号である変換信号S1(詳しくは図2で後述する)を駆動信号D1に変換し、当該信号に応じて液晶パネル33に表示動作を行わせる。
第2プロジェクタ部分100Bにおいて、レーザ光源70は、開口部71と、色レーザ光源72r、72g、72bと、ダイクロイックミラー73g、73bとを備える。色レーザ光源72r、72g、72bは、それぞれ赤色、緑色、青色の各色レーザ光を射出する。各色レーザ光は、第2駆動装置92から入力される駆動信号D2に対応して変調された状態で射出される。ダイクロイックミラー73g、73bは、それぞれ、緑色レーザ光と青色レーザ光とを反射する特性を有し、各色レーザ光を合成する。開口部71は、当該合成によって得られたレーザ光をレーザ光LLとして射出する。
光走査部80は、ミラー81と、アクチュエータ82とを備える。ミラー81は、レーザ光源70からのレーザ光LLを反射することで光路方向を変える。アクチュエータ82は、第2駆動装置92からの駆動信号D2′に従ってミラー81を回転運動等させる。これにより、ミラー81は、レーザ光LLをスクリーンSR上で二次元方向に走査させる。光走査部80としては、例えば、2軸のガルバノミラーや半導体基板上に薄膜作製プロセスによりアクチュエータが一体的に形成されたMEMS(MicroElectroMechanicalSystems)素子等を用いることができる。
第2駆動装置92は、制御装置90から入力される電気的信号である補間信号S2(詳しくは図2で後述する)を駆動信号D2、D2′に変換し、駆動信号D2、D2′及び後述する制御装置90からの制御信号CSに応じてレーザ光源70と光走査部80とを同期して動作させる。
撮影カメラ60は、スクリーンSR上における投射光PLが映し出す投射画像の投影領域DDの位置・形状を撮影し、撮影によって得られた画像情報から画像データを検出するとともに、さらに距離測定機能を有することで距離データも併せて検出する検出手段である。撮影カメラ60で検出された各データは、制御装置90に入力される。
制御装置90は、プロジェクタ100の動作を統括的に制御するための制御手段であり、外部からの入力画像信号等を適当に加工して、変換信号S1及び補間信号S2に変換し(詳しくは図2で後述する)、変換信号S1及び補間信号S2を電気的信号としてそれぞれ第1及び第2駆動装置91、92に振り分けて出力する。また、制御装置90は、撮影カメラ60によって検出された投射光PLが映し出す投射画像の投影領域DDに関する画像データ及び距離データを受信する。さらに、制御装置90は、これらの各データを基に、後述するレーザ光LLの照射領域を投射光PLの投影領域DDに一致させるとともに、レーザ光LLの照射を投射光PLの投影に同期させるための制御信号CSを割り出し、制御信号CSを補間信号S2と併せて第2駆動装置92に出力する。第2駆動装置92は、補間信号S2を変換した駆動信号D2、D2′とともに制御信号CSにも基づいてレーザ光源70や光走査部80等の駆動制御を行う。これにより、投射光PLに応じてレーザ光LLの強度、投射位置、照射タイミング等の調整を行い、第1プロジェクタ部分100Aと第2プロジェクタ部分100Bとによる画像を互いに連関・整合させて投影する。
以下、光路の順を追って本実施形態におけるプロジェクタ100の機能を説明する。まず、第1プロジェクタ部分100Aにおいて、光源11から射出された光源光は、集光レンズアレイ12を経た後、ロッドインテグレータ13の入射ポートIPに入射する。この際、光源光は、集光レンズアレイ12を構成する各レンズエレメントによってそれぞれ適宜発散するとともに所定位置に集まる楕円或いは矩形断面のビーム形状の照明光ELとなる。つまり、光源11からの光源光は、ロッドインテグレータ13に設けた矩形の入射ポートIPに全体として集められ、照明光ELとした入射ポートIPに重畳した状態でそれぞれ漏れなく入射する。ロッドインテグレータ13を経た照明光ELは、射出ポートOPから射出される。
次に、液晶ライトバルブ30において、ロッドインテグレータ13から射出された照明光ELは、射出ポートOPに対向配置された偏光フィルタ32により、偏光方向が調整される。このように偏光方向が調整された照明光ELは、液晶パネル33において、第1駆動装置91からの駆動信号D1に応じて、画素単位でそれぞれ偏光状態が調整され、さらに、射出偏光フィルタ34によって所定の偏光方向の成分が変調光として取り出され、これによる像光が射出される。
射出された像光は、投射レンズ50から投射光PLとしてスクリーンSRに投射され、スクリーンSR上の投影領域DDに所定の拡大率のカラーの投射画像が表示される。以上のようにして、第1プロジェクタ部分100Aによって画像が投影される。
尚、本実施形態では、光源として複数のLEDを用い、特に、青色光、緑色光、赤色光の三つの光源光を一つのLEDパッケージとして内蔵するものとしたが、本発明に用いる光源はこれに限られない。例えば、この他にも、白色のLEDチップを備える場合なども考えられる。
ここで、撮影カメラ60は、投射光PLによって映し出される投射画像の投影領域DDの位置・形状を撮影し、これによる画像情報から画像データを検出し、また、距離測定機能により距離データを検出する。検出された各データは、制御装置90に入力される。制御装置90は、入力された各データに基づいて制御信号CSを作成し、制御信号CSにより第2駆動装置92を介してレーザ光源70や光走査部80の駆動制御を行うことにより、後述するレーザ光LLの照射領域が投影領域DDに一致するように調整する。尚、本投影の前に、予備的な投射光PLの投射をし、これを用いて事前に撮影カメラ60による画像データ及び距離データの検出を行えば、本投影時にはレーザ光LLの照射領域と投影領域DDとが一致した状態となっている。
次に、第2プロジェクタ部分100Bにおいて、まず、レーザ光源70の色レーザ光源72r、72g、72bにより、第2駆動装置92から入力される駆動信号D2、D2′に対応して赤色、緑色、青色の各色レーザ光RR、GG、BBがそれぞれ変調した状態で射出される。射出された各色レーザ光RR、GG、BBについて、ダイクロイックミラー73gは、赤色レーザ光RRを透過する一方、緑色レーザ光GGを反射する性質を有することで、赤色レーザ光RRと緑色レーザ光GGとを合成する。さらに、ダイクロイックミラー73bは、赤色レーザ光RRと緑色レーザ光GGとの合成光を透過する一方、青色レーザ光BBを反射する性質を有することで、当該合成光と青色レーザ光BBとを合成する。以上、各色レーザ光RR、GG、BBの合成により、カラーのレーザ光LLが形成され、このようなレーザ光LLが、開口部71より射出される。
次に、開口部71から射出されたレーザ光LLは、光走査部80のミラー81により反射される。この際、上述したように、アクチュエータ82が、第2駆動装置92からの駆動信号D2′に従ってミラー81を回転運動等させる。これにより、ミラー81は、レーザ光LLを投影領域DD上で走査させる。以上のようにして、第2プロジェクタ部分100Bによって画像が投影される。
この際、制御装置90により、第1及び第2駆動装置91、92を介して投射光PLとレーザ光LLとが同期するように、レーザ光LLは、強度、投射位置、照射タイミング等の調整が行われている。以下、当該調整について各信号と投射光PL及びレーザ光LLとの関係から説明する。
まず、上述したように、制御装置90は、外部からの入力画像信号等を変換信号S1及び補間信号S2に変換し、変換信号S1及び補間信号S2を電気的信号としてそれぞれ第1及び第2駆動装置91、92に振り分けて出力する。次に、制御装置90は、撮影カメラ60による画像データ及び距離データから射光PLの投影領域DDの位置及び形状を把握する。これらに基づいて、制御装置90は、レーザ光LLの照射領域が投射光PLの投影領域DDに一致し、かつ、投射光PLによる投影とレーザ光LLによる投影とが同期するようにレーザ光LLを制御するための制御信号CSを割り出す。従って、制御信号CSは、より具体的には、レーザ光LLの投射位置、照射タイミングを制御するための信号である。
投射光PLを形成するための信号処理については、まず、制御装置90からの変換信号S1を第1駆動装置91により変換することで駆動信号D1を得る。次に、駆動信号D1の入力を受けた液晶パネル33によって照明光ELが駆動信号D1に応じて変調され、投射光PLが形成される。
一方、レーザ光LLを形成するための信号処理については、まず、制御装置90からの補間信号S2をもとに第2駆動装置92により駆動信号D2、D2′を得る。駆動信号D2、D2′は、投影すべきレーザ光の強度分布等に関する情報を含むものとなっている。また、制御装置90からの制御信号CSをもとに第2駆動装置92によりレーザ光源70及び光走査部80用の制御信号CSを得る。この制御信号CSは、第2プロジェクタ部分100Bが投影すべき画像が第1プロジェクタ部分100Aによる画像と互いに連関し、併せて統一した画像となるように投影すべきレーザ光の投射位置、照射タイミングを制御するための情報を含むものとなっている。以上の駆動信号D2、D2′及び制御信号CSの入力を受けたレーザ光源70及び光走査部80により、走査や照射タイミング等の制御されたレーザ光LLが形成される。
以上により、投射光PLとレーザ光LLとが投影領域DDにおいて重畳される際、両者によるそれぞれの画像は、合わせて統一的な画像として表示させるものとなっている。
図2は、制御装置90の要部を説明するためのブロック図であり、制御装置90における第1及び第2駆動装置91、92へ出力する変換信号S1及び補間信号S2の形成を説明するためのものである。制御装置90は、画像データ入力部1と、解像度変換部2と、第1送信出力部3と、データ比較部4と、第2送信出力部5と、データ処理装置6とを備える。
画像データ入力部1は、外部から入力された入力画像信号等を、形成すべき画像の情報源である画像信号S0として受信し、画像信号S0を解像度変換部2及びデータ比較部4へ出力する。
解像度変換部2は、画像データ入力部1から入力された画像信号S0の解像度を認識し、図1の液晶パネル33が有する解像度に合わせて当該画像信号の解像度変換を行い、これにより電気的信号である変換信号S1を作成し、変換信号S1を第1送信出力部3及びデータ比較部4へ出力する。第1送信出力部3は、解像度変換部2からの変換信号S1を受け取り、次段での処理に適した形で第1駆動装置91へ出力する。
データ比較部4は、画像データ入力部1から入力された画像信号S0と、解像度変換部2での処理により作成された変換信号S1とを比較し、これらの各信号S0、S1に基づいて、当該解像度変換により欠落等した分の信号を補間することで解像度補完する補間信号S2を作成し、補間信号S2を第2送信出力部5へ出力する。第2送信出力部5は、データ比較部4で作成された補間信号S2を受け取り、次段での処理に適した形で第2駆動装置92へ出力する。
データ処理装置6は、画像データ入力部1と、解像度変換部2と、データ比較部4とに電気的に接続されており、本制御装置90における信号形成を統括する。ここでは、例えば、解像度変換部2での当該解像度変換の換算式を検出し、これに基づいて、データ比較部4で作成される補間信号S2が、解像度補完として最適なものとなるようなデータ処理を決定し、データ比較部4に伝達する。尚、当該データ処理は、例えば、画像信号S0の解像度と液晶パネル33が有する解像度(即ち変換信号S1の解像度)との関係から一義的に決定する場合も考えられる。
以上により、変換信号S1と補間信号S2とは、補間信号S2が変換信号S1の最適な解像度補完を行うものとして、それぞれ第1及び第2駆動装置91、92に出力される。第1及び第2駆動装置91、92は、それぞれ出力された各信号を駆動信号に変換し、当該信号に応じて、図1を用いて説明したように、液晶パネル33や、レーザ光源70及び光走査部80を駆動させる。
尚、データ処理装置6における解像度補完のためのデータ処理については、画像信号S0及び変換信号S1の解像度の関係から一義的に決定される場合のみではなく、さらに、必要に応じて、変換信号S1及び補間信号S2と、画像データ入力部1で認識された画像信号S0とを比較し、補間信号S2が解像度補完として最適であるかを判定するためのフィードバックを行うものであってもよい。
図3は、本実施形態におけるプロジェクタ100による画像形成についての一実施例を説明するための図であり、図1の投影領域DDにおける投影画像を模式的に示している。画素領域PPLは、投射光PLによって投影される各投射画素が占める領域であり、マトリックス状に配列されている。画素領域PPL全体が投射光PLによる投影画像の領域となっている。ここで、各画素領域PPL間には、図1の液晶パネル33内に存在する遮光部等が原因となって生じる画素境界BDが存在する。この画素境界BDは、X及びY方向について延びており、全体として網目状の領域を形成している。
一方、図中一筆書き状の実線は、レーザ光LLの走査の軌跡を示しており、当該実線上に黒の点で示した複数の照射点SPは、それぞれレーザ光LLの照射による一画素を模式的に示している。尚、照射点SPについて詳しくは後述する。以下、レーザ光LLの動作について説明する。
レーザ光LLは、まず、投影領域DDの左端から最上段に位置する各画素領域PPLに重畳するように投影領域DD上X方向正の向きに走査される。次に、投影領域DDの右端に達したレーザ光LLは、Y方向負の向きにシフトし、最上段に位置する各画素領域PPLと2段目に位置する各画素領域PPLとの間の画素境界BDをX方向負の向きに走査される。再び、投影領域DDの右端に達したレーザ光LLは、Y方向負の向きにシフトし、2段目に位置する各画素領域PPLに重畳するように投影領域DD上X方向正の向きに走査される。以下この動作を繰り返すことによってレーザ光LLは投影領域DD全体に亘って走査される。
さらに、ここでは、一実施例として、図2の画像信号S0の解像度が、1600×1200ピクセルであるのに対し、変換信号S1の解像度(即ち図1の液晶パネル33が有する解像度)が800×600ピクセルであるものとする。つまり、図3において、画素領域PPLは、横一列で800個、縦一列で600個の投影画素として並んでいるものとする。一方、図2の画像信号S0は、横一列で1600個分、縦一列で1200個分の情報を有していることになる。
つまり、ここで図2に戻ってみると、解像度変換部2において、1600×1200ピクセルから800×600ピクセルへの解像度変換を行う必要があることになる。ここでは、説明の簡単のために、当該解像度変換の具体的な処理内容は、縦横ともに1つおきに画素を間引くことによって1600×1200ピクセルの画像から800×600ピクセルの画像に変換するものとする。これにより得られた変換信号S1は第1送信出力部3から電気的信号として第1駆動装置91へ出力され、変換信号S1に基づいて、投射光PLにより、各画素領域PPLに投射画素が形成される。また、変換信号S1は、データ比較部4にも入力される。
ここで、当該解像度変換により、元の画像信号S0が有する情報のうち3/4が失われ、解像度の低下が生じていることになる。これについて解像度補完を行うために、図2のデータ比較部4において、画像データ入力部1からの画像信号S0と、解像度変換部2からの変換信号S1との比較が行われる。この際、データ処理装置6により、解像度変換部2での当該解像度変換の換算式が検出される。つまり、本実施例の場合、解像度変換部2において、当該解像度変換は、1600×1200ピクセルの画像から800×600ピクセルの画像への変換であり、1つおきに画素が間引いているものであることが確認される。以上を基に、データ比較部4において、欠落した分の信号を補間するデータ処理をすることで、解像度補完を行うための第2駆動装置92への補間信号S2が作成される。以下、本実施例における解像度補完の方法について説明する。
図3において、レーザ光LLの軌跡を示す一筆書き状の実線上にある照射点SPは、レーザ光LLの照射によって形成される画像の一画素に対応している。つまり、図2のデータ比較部4で作成される補間信号S2が有する一画素についての情報と、1つの照射点SPとが一対一に対応している。尚、この際におけるレーザ光LLの照射位置は、駆動装置91を介した制御装置90からの制御信号CSにより的確に制御することができる。
ここでは、図3から分かるように、特に、各画素領域PPLの領域間の画素境界BD毎に照射点SPを1つ設けている。これにより、X方向に関して、まず、最上段の横一列において、画素領域PPLと照射点SPとを交互に並ばせ、同数存在させることができる。つまり、この場合、画素領域PPLと照射点SPとの合計で横一列が1600個の画素を有することになる。次に、最上段の画素領域PPLの列と2段目の画素領域PPLの列との間の画素境界BDにおいて、最上段の画素領域PPL及び照射点SPに一対一に対応する照射点SPを設ける。これにより、当該画素境界BDにも、照射点SPのみで横一列が1600個の画素を設けることができる。
2段目以降についても同様に繰り返すことにより、最終的に、横の列については、それぞれの列がいずれも1600個の画素を有することになる。一方、縦の列については、それぞれの列がいずれも1200個の画素を有することになる。以上により、画素領域PPLと照射点SPとを合わせた解像度は、1600×1200ピクセルとなる。
これに対し、本実施例での解像度変換部2による解像度変換は、縦横ともに1つおきに画素を間引いたものである。従って、図2の解像度変換部2での変換信号S1の作成において、画像信号S0から間引かれたことで欠落した信号を、データ比較部4においてそのまま補間信号S2として復元すればよい。これにより、図3に示す投影領域DD上において、基の画像情報である外部からの画像信号S0には存在し、本来画素領域PPL間に存在すべきである画素を、当該画素領域PPL間に存在する照射点SPによって復元することができる。従って、低下した解像度が補完されることになり、解像度の低下を抑えられた画像の形成が可能となる。尚、この場合、間引かれたことで欠落した信号を、データ比較部4においてそのまま補間信号S2として復元しているので、データ処理装置6において解像度補完として最適であるかを判定するためのフィードバックを行う必要はない。
また、例えば、当該解像度変換に関して、換算式に相当する処理を、「1600×1200ピクセルの画像から800×600ピクセルの画像への変換」においては、常に「主走査及び副走査方向に関して1つおきに画素を間引く」ものとしておき、データ処理装置6では、当該解像度のみを検出し、検出結果から、対応するデータ処理を「欠落した分の信号をそのまま補間信号S2として復元することで補間する」と決定するものとすることができる。また、画像信号S0の解像度が1600×1200ピクセル以外であっても、同様に、画像信号S0の解像度毎に、解像度変換部2での解像度変換の換算式と、これに応じるデータ処理装置6でのデータ処理とを定めておけば、画像信号S0がどのような解像度を有する場合であっても当該データ処理を一義的に決定できる。
また、画像信号S0の解像度によって、解像度変換の換算式とこれに応じるデータ処理装置6でのデータ処理とを予め定める場合において、制御装置90における信号の形成は、以下のようにして行う場合も考えられる。
本プロジェクタ100では、第1プロジェクタ部分100Aと第2プロジェクタ部分100Bとによって1600×1200ピクセルの画像を投射できるのであるから、まず、このピクセル数に合わせて、画像信号S0の解像度変換を行う。尚、当該解像度変換は、画像信号S0の解像度毎に定まっているものとする。
次に、1600×1200ピクセルに解像度変換された画像信号S0を2×2ピクセルの4画素ブロックに分割し、各ブロックにおいて、左上の画像を第1プロジェクタ部分100Aに割り当て、左下、右上及び右下の画像を第2プロジェクタ部分100Bに割り当てるように変換信号S1及び補間信号S2をそれぞれ作成する。以上により、制御装置90において各信号S1、S2が形成される。
ここで、図4は、図3の投影領域DDの左上部を破線で区切った一区画を示しており、2×2の4画素で1つの単位ブロックUBを形成している。この場合、変換信号S1及び補間信号S2の作成方法から、解像度変換された画像信号S0の各4画素ブロックは、それぞれ各単位ブロックUB内の画素領域PPL及び照射点SPに対応するものとなる。
尚、本実施例のように、画像信号S0の解像度が元々1600×1200ピクセルであれば当該解像度変換は不要としてもよい。不要とした場合、最終的に得られる画像は、「主走査及び副走査方向に関して1つおきに画素を間引く」場合と同じものになる。
ところで、図2の解像度変換部2における解像度変換の際、画像信号S0の解像度が例えば1200×900ピクセルであり、図1の液晶パネル33の解像度が800×600である場合、横方向についての解像度変換は、1200ピクセルから800ピクセルへの変換であるから、圧縮される画素数は半分未満であり、当該解像度変換の方法によって、画素領域PPLの中には、信号の欠落等がなくそのままの情報を保存している画素領域PPLが存在する可能性もある。このような場合であっても、例えば、当該画素領域PPLの周りに存在する画素境界BDに適切なレーザ光LLを照射することで当該画素境界BDの光量不足を補填することも可能である。適切なレーザ光LLとしては、例えば、当該画素境界BDに隣接する左右(あるいは上下)いずれかの画素領域PPLに投影されている投影色に合わせた配分で各色レーザ光を合成したものでもよいし、該当する左右(あるいは上下)の画素領域PPLの中間色のものとしてもよい。
また、本実施例での照射点SPの位置から分かるように、レーザ光LLの照射は、画素境界BDにおいて行われている。これにより、レーザ光LLを用いない場合には暗く見える画素境界BDに、レーザ光LLを集中的に照射することで画素境界BDの光量不足が補填され、このような光量不足によって生じていた目障り感といった視覚上の問題を解消することもできる。また、レーザ光LLが、画素領域PPLをほとんど照射せず画素境界BDに集中して照射するものとしているので、レーザ光LLの総出力量を安全のための基準となる制限値以下に保つことができる。
尚、図3において、画素領域PPLが配列されている方向とレーザ光LLの走査方向とは平行であり、一致したものとなっているが、これは説明の便宜上のための例示であり、必ずしも、完全に一致している必要はない。例えば、図3において、横方向に関する画素領域PPLの配列がX方向である一方、レーザ光LLの走査方向がX方向に対して多少ずれたものであってもレーザ光LLの照射タイミング等を適宜補正することで、全体として統一された画像を形成することは可能である。
尚、本実施形態では、所謂単板方式のプロジェクタシステムによる投影画像にレーザ直描方式のレーザプロジェクタシステムを付加する方式となっているが、本発明は、単板式のプロジェクタシステム以外のものであっても適用可能である。例えば、同じく液晶タイプのものである3板式のプロジェクタシステムにおいても、液晶パネル内のブラックマトリックスといった遮光部等により、本実施形態の画素境界BDと同様、投影画像上に網目状の暗部が生じる。3板式のプロジェクタシステムにも、本発明による方式でレーザ光を照射すれば、解像度の低下を抑えられた画像の形成が可能となる。また、これ以外にも、反射型の液晶パネル、あるいは、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたもの等いずれのタイプにおいても、本発明による方式でレーザ光を照射すれば、解像度の低下を抑えられた画像の形成が可能となる。
さらに、本実施形態では、図1の投影領域DDの決定において、まず投射光PLを映し出し、これによるスクリーンSR上の領域を基準としてレーザ光LLの照射領域を合わせているが、投影領域DDの設定方法はこれに限らない。例えば、投射光PLの代わりに投射光PLが映し出すべき領域を予め表示するマーカを用いてもよい。当該マーカを基準としてレーザ光LLの照射領域を合わせることで同等の機能が果たされる。
マーカとしては、例えば、当該領域の四隅を示すものであってもよいし、格子状のものであってもよい。あるいは、点と線とによるものであってもよい。この場合、併せて台形補正等を行うことも可能である。また、可視光外領域波長の光を用いる、あるいは、スクリーン上の投影領域外の部分を用いることも可能である。この場合、必要に応じて、本投影中であっても随時第1及び第2プロジェクタ部分100A、100B相互の画像領域を合わせるための調整が可能となる。
また、投影領域DDの設定順序も変更可能である。つまり、本実施形態とは逆に、まず、レーザ光LLを照射し、これによる照射領域を基準とし、投射光PLの投影領域をこれに合わせるものであってもよい。この場合、例えば、図1の投射レンズ50にあおりをつけること等により投射光PLの光路や投影状態を調整すればよい。
尚、図1において、光走査部80は、一枚構成のミラーとなっているが、光走査部80は複数枚のミラーを備える構成であっても構わない。例えば、互いに直交する2つの軸を2枚のミラーがそれぞれ有し、一方の軸が図3におけるX方向の走査を制御し、他方がY方向の走査を制御する構成であってもよい。
100…プロジェクタ、 10…光源装置、 30…液晶ライトバルブ、 50…投射レンズ、 60…撮影カメラ、 70…レーザ光源、 80…光走査部、 90…制御装置、 91…第1駆動装置、 92…第2駆動装置、 DD…投影領域、 PPL…画素領域、 BD…投射画素境界、 PL…投射光、 LL…レーザ光、 SP…照射点、 1…画像データ入力部、 2…解像度変換部、 3…第1送信出力部、 4…データ比較部、 5…第2送信出力部、 6…データ処理装置
Claims (7)
- 照明光を形成する光源装置と、
前記照明光によって照明される被照明対象である光変調装置と、
前記光変調装置を経た像光を投射光としてスクリーンに投射する投射光学系と、
変調された状態のレーザ光を射出するレーザ光源と、
前記レーザ光源からの前記レーザ光を走査させる光走査部と、
前記光変調装置の解像度に応じて、与えられた画像信号を変換した変換信号を作成するとともに、前記画像信号に基づいて補間信号を作成する制御装置と、
前記変換信号に応じて前記光変調装置を駆動する第1駆動装置と、
前記補間信号に応じて、前記レーザ光源と前記光走査部とを駆動する第2駆動装置と
を備えるプロジェクタ。 - 前記制御装置は、前記補間信号により、前記画像信号から前記変換信号への変換において欠落した信号を補間することを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
- 前記制御装置は、前記第1及び第2駆動装置を制御することにより、前記投射光と前記レーザ光とを前記スクリーン上の投影領域で重畳させ、前記第2駆動装置を介して前記レーザ光源及び前記光走査部を動作させることにより、前記投射光によって前記投影領域に形成される投射画素間の境界を補填する位置に前記レーザ光を入射させることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記投影領域の表示状態を検出する検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記制御装置は、前記検出手段の検出結果に基づき前記光走査部による前記レーザ光の照射領域を調整することを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ。
- 前記光変調装置を経た前記像光は、複数色の色光を含み、前記レーザ光は、前記複数色に対応する色レーザ光を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記第2駆動装置は、前記画像信号に応じるとともに、前記光変調装置に連動して変調され、走査された前記レーザ光を射出させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項記載のプロジェクタ。
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2005
- 2005-03-18 JP JP2005079328A patent/JP2006259503A/ja not_active Withdrawn
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