JP2006259024A - オイル塗布ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 初期通紙時にオイルで紙を汚すことがなく、初期と後期のオイル塗布量の差が小さく安定したオイル塗布ができ、耐久性に優れる微量塗布を目的としたオイル塗布ローラを提供すること。
【解決手段】 軸芯10と、軸芯の外周に付設されるシリコーンゴム成形体を備えるオイル塗布ローラ1であって、該シリコーンゴム成形体は、気孔率3〜40%であり、且つ液状シリコーンゴムと離型剤を含有する混合物を成形硬化して得られるものであり、混合物全体に対する離型剤の体積比率が30〜53%である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子複写機や電子写真印刷機のトナー定着部において離型剤を微量塗布するオイル塗布ローラに関する。
例えば電子写真式画像形成装置の定着工程では、定着ローラや定着ベルトを介して圧力と熱エネルギーをトナー像に付与し、トナーを半溶融状態にして記録紙へ浸透させ、これを定着する方法をとっている。トナーは、定着時に半溶融状態であるため、半溶融トナーの一部が定着ローラや定着ベルトの表面に転移付着し、これが次に送られてくる記録紙に再転移して画像を汚すオフセット現象が発生することがある。このオフセット現象を防止するため、オイル塗布ローラを用い、トナーと接する定着ローラや定着ベルトの表面にシリコーンオイルなどの離型剤を約0.1〜5.0mg/A4程度ほど塗布している。
また、ここ数年、離型機能を有するワックス成分を内包した重合トナーの使用により、離型剤を塗布しなくてもオフセットを防止することが可能となっている。しかし、オイルレス化が進む一方で、定着部材表面は摩耗し易く耐久性に劣るという問題がある。このため、重合トナーを使用したオイルレスの場合であっても定着部材表面に0.01〜0.05mg/A4程度の極微量のオイルを塗布して定着部材表面の摩耗を防止している。
近年、オイル塗布ローラは、保持された離型剤がなくなったときに交換するカートリッジ式のものが、装置の小型化に対応できる点で多用されている。このようなカートリッジ式オイル塗布ローラとしては、軸芯の周りにオイル保持体としてアラミドペーパー等の不織布を巻きつけ、これに離型剤を含浸させ、さらにその外周に多孔質PTFEなどのオイル塗布制御層を設けたもの(特開2000−181259号公報)、また、オイル保持部材の外周面を被覆するフェルト層と、該フェルト層の表面を被覆するPTFE多孔質層からなるオイル塗布ローラ(特開2002−102763号公報)が知られている。これらのオイル塗布ローラは、オイル含浸工程などの製造工程が複雑であること、オイル塗布制御層に使用している多孔質PTFEが高価であること、オイル漏れ防止のために端部構造に工夫が必要などの理由により、コスト高となる問題がある。これを解決したものとして、塗布ローラ本体がシリコーンゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した弾性体からなる中実体であるオイル塗布ローラが開示され(特開2001−109308号公報)、離型作用を有するオイルをオイルゲル化剤を用いてゲル化させることにより形成したオイル固形物からなり、該オイル固形物の表面の少なくとも一部をオイル塗布面とするオイル塗布部材が開示されている(特開2002−202680号公報)。特開2001−109308号公報のオイル塗布ローラは構成部材も少なく、製造工程もシンプルであるため、低コスト化できる。また、特開2002−202680号公報のオイル塗布ローラは安定したオイル塗布を維持しながら、省スペースに対応し、更に、再利用又は分別廃棄が容易にできる。
一方、オイル塗布ローラは、熱源である定着ローラあるいは定着ベルト等に直接あるいはドナーローラ等を介して圧接され、回転して使用されるため、運転開始時あるいは連続運転時において、熱エネルギーを熱源側から奪い取り、更にその熱エネルギーを放熱してしまう。このため、消費電力が多くなって、エネルギー効率を悪化させる。近年、電子複写機や電子写真印刷機について省エネルギー対策が一層求められており、低熱容量化、低熱伝導率化されたオイル塗布ローラの開発が切望されている。
しかしながら、特開2001−109308号公報記載のオイル塗布ローラは、成形前の混合物中のシリコーンゴムと離型剤(オフセット防止液)の配合比率が100:400〜100:2000であり、離型材の体積比率が大きく、高オイル塗布量の使用目的には好適であるものの、塗布量が多いために、オイルが滲み出し初期通紙時にオイルで紙を汚す、初期と後期のオイル塗布量の差が大きく安定したオイル塗布ができない、ゴム比率が低いためにゴム硬度が低く、通紙時にローラが破損し耐久性が無い等種々の問題を有していた。また、特開2002−202680号公報記載のオイル塗布ローラは、構成部材のオイル固形化物には、気泡が含まれるとの記載がないため、低熱容量化や低熱伝導率化を達成したものではない。
従って、本発明の目的は、上記従来のオイル塗布ローラの問題点を解決したものであって、低熱容量化、低熱伝導率化され、且つ初期通紙時にオイルで紙を汚すことがなく、初期と後期のオイル塗布量の差が小さく安定したオイル塗布ができ、耐久性に優れる微量塗布を目的としたオイル塗布ローラを提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、軸芯の外周に付設されるシリコーンゴム成形体が、気孔率3〜40%であり、且つ液状シリコーンゴムと離型剤を含有する混合物を成形硬化して得られ、該混合物全体に対する離型剤の体積比率が30〜53%であるオイル塗布ローラであれば、低熱容量化、低熱伝導率化でき、更にシリコーンゴム成形体中の離型剤配合比率が好適な範囲であるため、初期通紙時にオイルで紙を汚すことがなく、初期と後期のオイル塗布量の差が小さく安定したオイル塗布ができ、耐久性に優れることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、軸芯と、軸芯の外周に付設されるシリコーンゴム成形体を備えるオイル塗布ローラであって、該シリコーンゴム成形体は、気孔率3〜40%であり、且つ液状シリコーンゴムと離型剤を含有する混合物を成形硬化して得られるものであり、混合物全体に対する離型剤の体積比率が30〜53%であるものであることを特徴とするオイル塗布ローラを提供するものである。
本発明のオイル塗布ローラによれば、低熱容量化、低熱伝導率化でき、更に構造が簡素で安価に製造できると共に、使用条件下、極めて少量の離型剤を安定して塗布できる。特に、オイルの滲み出しがないため、初期通紙時にオイルで紙を汚すことがなく、初期と後期のオイル塗布量の差が小さく安定したオイル塗布が長期間に亘り可能であり、且つ耐久性に優れる。
次に、本発明の実施の形態におけるオイル塗布ローラを図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施の形態であるオイル塗布ローラの定着装置における設置状態を示す側面図、図2は本実施の形態であるオイル塗布ローラの径方向の断面図、図3は本実施の形態であるオイル塗布ローラの軸方向の断面図である。図中、オイル塗布ローラ1は軸芯10と、軸芯の外周に付設されると共に離型剤を保持し離型剤を定着ローラに供給する機能を備えるシリコーンゴム成形体2を備える。オイル塗布ローラ1は、定着装置4に組み込まれ、定着装置4は加熱定着ロール5と加圧ロール6との間に記録紙7を通し、記録紙7の表面7aに転写されたトナー8を定着させるものであるが、加熱定着ロール5にオイル塗布ローラ1をニップ部9を形成するように対接させ、離型剤であるシリコーンオイルを加熱定着ロール5に塗布している。
シリコーンゴム成形体の混合物全体に対する離型剤(R)の体積比率は、30〜53%、好ましくは40〜50%である。シリコーンゴム成形体の混合物全体に対して、離型剤の体積比率が30%未満であると、オイルレス化の傾向となり定着部材表面が摩耗し易く耐久性に劣る傾向となり、シリコーンゴム成形体の混合物全体に対して、離型剤の体積比率が53%を超えると、塗布量が多いために、オイルの滲み出しにより初期通紙時にオイルで紙を汚す、初期と後期のオイル塗布量の差が大きく安定したオイル塗布ができない、ゴム比率が低いためにゴム硬度が低く、通紙時にローラが破損し耐久性が無い等種々の問題が起こり易くなる。
液状シリコーンゴム(SG1)としては、特に制限されないが、一般的には、ポリジメチルシロキサン等のポリマー、シリカ等の無機充填材、架橋剤及び触媒から構成されるものであって、具体的には、付加反応型液状シリコーンゴムが挙げられる。付加反応型液状シリコーンゴムは、ビニル末端を有するポリジメチルシロキサン(A液)にケイ素原子結合水素原子を有するポリメチルシロキサン(B液)が付加することにより得られる架橋されたゴムである。付加反応型液状シリコーンゴムは無機充填材を含むものであっても、無機充填材の配合が微量もしくは無配合のものであってもよいが、無機充填材を含有するものが、3次元網目構造の微細孔を適度に閉塞して、塗布量を制限し、定着部材表面に0.01〜0.05mg/A4程度の極微量のオイルの塗布を可能にすることができる点で好ましい。無機充填材配合の付加反応型液状シリコーンゴムとしては、「KE1300」(信越化学工業社製)が使用できる。当該無機充填材としては、特に制限されないが、例えば平均粒径0.005〜0.2μm、特に0.01〜0.03μmのシリカフィラーが挙げられる。また、無機充填材の配合が微量のものか又は無配合の付加反応型液状シリコーンゴムとしては、例えばオイルブリードタイプの「KE1311T」(信越化学工業社製)、充填材無配合の「KE106」(信越化学工業社製)が挙げられる。
離型剤(R)としては、上記液状シリコーンゴムに配合可能で、トナーの付着を防止できる液状物であれば特に制限されず、例えばシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル又はこれらの混合物が挙げられる。また、シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、ジメチル基のいくつかを他の有機基に置き換えられた変性シリコーンオイルが挙げられる。このうち、ストレートシリコーンオイルが特に付加反応型液状シリコーンゴムとの混和性及び優れた離型性を有する点で好ましい。シリコーンオイルの25℃の粘度は0.1〜10cm2/s(10〜1000cSt)、好ましくは0.1〜3cm2/s(10〜300cSt)である。
シリコーンゴム成形体において、混合物中、液状シリコーンゴム(SG1)及び離型剤(R)以外の他の任意成分は、シリコーンゴム成形体の作用効果を損なわない限り、適宜配合されていてもよい。他の任意成分としては、シリコーンフォーム、水及び揮発性物質等の発泡剤、ガラスバルーン、パーライト、フライアッシュ等の気孔率3%以上を有する無機材料が挙げられる。
該シリコーンゴム成形体は、中心に軸芯を設置した金型に、液状シリコーンゴム及び離型剤を含有する混合物を流し込み、硬化させ、脱型して得られる。硬化条件としては、特に制限されず、室温〜150℃、好ましくは40〜100℃、15分〜2時間の範囲で適宜決定される。該混合物を得る方法としては、特に制限されず、例えば液状シリコーンゴム及び離型剤をそれぞれ計量し、これをハイブリッドミキサーで室温下、数分間攪拌して混合物を得る方法が挙げられる。
該シリコーンゴム成形体は、ゴム成分中の反応成分の架橋により形成された3次元網目構造部と、シリコーンフォームや揮発性物質等により形成された気孔率3〜40%、好ましくは気孔率5〜35%の気体が満たされた気泡部を有する多孔質体である。気孔率が3%未満では、低熱容量化、低熱伝導率化を達成できず、エネルギー効率を高めることができない。一方、気孔率が40%を超えると、シリコーンゴム成形体の強度が低下し成形型から脱型する際、あるいは実使用の際に欠損を生じ易い。当該気泡の大きさとしては、特に制限されないが、概ね100μm程度と三次元網目構造の空隙よりは大きいものである。
該シリコーンゴム成形体に上記気孔率の気泡部を形成する方法としては、前記の発泡剤を使用する方法、ガラスバルーン、パーライト、フライアッシュ等の気孔を有する無機材料を添加する方法及び真空脱泡の際の真空ポンプの圧力と時間を調節して所望の気孔率を調整する方法等が挙げられる。発泡剤としてシリコーンフォームを用いる場合、液状シリコーンゴム(SG1)、シリコーンフォーム(SG2)及び離型剤(R)の混合物中の配合割合としては、適宜決定されるが、(SG1)と(SG2)の配合割合(重量部比率)は、該混合物中、(SG1)/(SG2)は20/80〜80/20が好ましい。(SG1)/(SG2)が20/80未満であると、気孔率が大きくなり過ぎてシリコーンゴム発泡体の強度が低下し成形型から脱型する際、あるいは実使用の際に欠損を生じ易い。一方、(SG1)/(SG2)が80/20を超えると、気孔率が小さ過ぎて、低熱容量化、低熱伝導率化を達成することができない。
微細空隙を持つセラミックス粉末を添加する場合、液状シリコーンゴム(SG1)、離型剤(R)及び微細空隙を持つセラミックス粉末(F)の混合物中の配合割合としては、適宜決定されるが、(SG1)と(F)の配合割合(重量部比率)は、該混合物中、(SG1)/(F)は40/60〜98/2が好ましい。(SG1)/(F)が40/60未満であると、硬化成分であるゴムの比率が低すぎてシリコーンゴム発泡体の強度が低下し成形型から脱型する際、あるいは実使用の際に欠損を生じ易い。一方、(SG1)/(F)が98/2を超えると、気孔率が小さ過ぎて、低熱容量化、低熱伝導率化を達成することができない。
三次元網目構造部における離型剤は液状シリコーンとの親和性が高いため、三次元網目構造部内に安定して保持される。また、該シリコーンゴム成形体のゴム硬度(アスカーC)は2.0〜65、好ましくは2.0〜35であることが、適度の硬度と柔軟性を併せ持つため、成形型からの脱型が円滑に行え、また使用時にはニップ部を形成することができる点で好ましく、ゴム硬度(アスカーC)が10〜65、特に10〜35であると更に耐久性に優れる点で好適である。
本発明のオイル塗布ローラは、シリコーンゴム成形体2の外周面に更に離型剤塗布制御層を付設してもよい。離型剤塗布制御層としては、特に制限されず、微細の孔が形成されたPTFE膜、あるいはシリコーンゴム及びシリコーンオイルを含有する混合物の加熱硬化体が挙げられる。この加熱硬化体はシリコーンゴム(SG)とシリコーンオイル(SO)の重量配合比(SG/SO)が1/2〜9/1、好ましくは1/1〜4/1の混合物をシリコーンゴム成形体2の外周に均一に塗布し、加熱することで得られる。
本実施の形態例のオイル塗布ローラ1において、離型剤は、架橋された3次元網目構造部であるゴム弾性体に安定して取り込まれる。また、シリコーンゴム成形体2中のゴム比率と離型剤の含有量が好適な範囲にあるため、離型剤の滲み出しが無く微量な離型剤を長期間に亘り安定して塗布することができる。また、離型剤は、定着部材に当接して使用される状態において、加熱、外的応力又は型剤中の粘度を均一化しようとする拡散現象等により、シリコーンゴム発泡体2の表面から適度の量が滲み出てくる。特にシリコーンゴム成形体2に粒径0.01〜0.2μmのシリカフィラー配合の付加反応型液状シリコーンゴムを使用する場合、シリカフィラーが架橋ゴムの微細孔を閉塞し、離型剤の移動をより確実に抑制するため、微量塗布が可能となる。また、シリコーンゴム発泡体2は気体で満たされた気孔率3〜40%の気泡を有するため、低熱容量化、低熱伝導率化を達成することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
外径8mmの中実体の軸芯を径16mm、長さ304mmの中空状の成形型の中心にセットした。次いで、粒径0.02μmのシリカフィラー配合の付加反応型液状シリコーンゴム「KE1300」と離型剤「ジメチルシリコーンオイルKF96−300cs」(信越化学工業社製)と気孔率3%以上を有する無機材料としてのガラスバルーン「CER−STAR Z−39」(旭硝子社製)を100:100:20の重量比で混合した混合液を、前記成形型の型内に流し込んだ。前記成形型を100℃の乾燥機に1時間入れ、ゴムを架橋させた後、型を脱型して離型剤保持体を得、オイル塗布ローラAとした。このオイル塗布ローラAを、下記の評価試験(1)〜(5)により評価した。その結果を表1に示し、表面滲み出し性は図4に、オイル塗布性は図5に示した。なお、オイル塗布ローラAの気孔率は17.2%、離型剤の体積比率は42.2%であった。
(評価試験(1);表面滲み出し性)
オイル塗布ローラを、室温で10日間静置し、ローラ表面から滲み出てくるオイル量を測定する。
オイル塗布ローラを、室温で10日間静置し、ローラ表面から滲み出てくるオイル量を測定する。
(評価試験(2);オイル塗布性)
市販のカラープリンター(カラー通紙速度6枚/分)に装着されている定着温度170℃の定着装置に上記オイル塗布ローラを搭載し、A4紙を通紙する。3000枚毎にオイル塗布ローラの重量を測定し、オイル塗布ローラ減量分よりA4用紙1枚当りのオイル塗布量を算出する。なお、オイル塗布量は6K〜21K枚を初期塗布量、135K〜150K枚を後期塗布量として表記する。
市販のカラープリンター(カラー通紙速度6枚/分)に装着されている定着温度170℃の定着装置に上記オイル塗布ローラを搭載し、A4紙を通紙する。3000枚毎にオイル塗布ローラの重量を測定し、オイル塗布ローラ減量分よりA4用紙1枚当りのオイル塗布量を算出する。なお、オイル塗布量は6K〜21K枚を初期塗布量、135K〜150K枚を後期塗布量として表記する。
(評価試験(3);耐久性)
オイル塗布ローラのゴム成形体の硬度をアスカーC硬度計で測定する。硬度10以上のものは耐久性に優れ、硬度10未満のものは耐久性にやや劣るものとなる。
オイル塗布ローラのゴム成形体の硬度をアスカーC硬度計で測定する。硬度10以上のものは耐久性に優れ、硬度10未満のものは耐久性にやや劣るものとなる。
(評価試験(4);気孔率)
付加反応型液状シリコーンゴム及びジメチルシリコーンオイル、ガラスバルーンの真比重を空気比較式比重計「1000型」(東京サイエンス社製)を用いて測定する。次いでその真比重値をベースにシリコーンゴム成形体の見掛け密度を実測し、その密度差から気孔率を次式に基づき算出する。気孔率(%)=(真比重−成形体の見掛け密度)×100/真比重
付加反応型液状シリコーンゴム及びジメチルシリコーンオイル、ガラスバルーンの真比重を空気比較式比重計「1000型」(東京サイエンス社製)を用いて測定する。次いでその真比重値をベースにシリコーンゴム成形体の見掛け密度を実測し、その密度差から気孔率を次式に基づき算出する。気孔率(%)=(真比重−成形体の見掛け密度)×100/真比重
(評価試験(5);離型剤の体積比率)
配合した配合量より、離型剤の体積比率を次式に基づき算出する。
離型剤の体積比率(%)=(離型剤の配合量/離型剤の密度)/{(液状シリコーンゴムの配合量/液状シリコーンゴムの密度)+(離型剤の配合量/離型剤の密度)+(ガラスバルーンの配合量/ガラスバルーンの見掛け密度)}×100
なお、実施例および比較例で用いた離型剤の密度は0.965g/cm3、液状シリコーンゴムの密度は1.1g/cm3、ガラスバルーンの見掛け密度は0.39g/cm3であった。
配合した配合量より、離型剤の体積比率を次式に基づき算出する。
離型剤の体積比率(%)=(離型剤の配合量/離型剤の密度)/{(液状シリコーンゴムの配合量/液状シリコーンゴムの密度)+(離型剤の配合量/離型剤の密度)+(ガラスバルーンの配合量/ガラスバルーンの見掛け密度)}×100
なお、実施例および比較例で用いた離型剤の密度は0.965g/cm3、液状シリコーンゴムの密度は1.1g/cm3、ガラスバルーンの見掛け密度は0.39g/cm3であった。
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:130:20とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラBを得た。なお、オイル塗布ローラBの気孔率は15.2%、離型剤の体積比率は48.7%であった。
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:150:20とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラCを得た。なお、オイル塗布ローラCの気孔率は14.2%、離型剤の体積比率は52.2%であった。
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:100:5とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラDを得た。なお、オイル塗布ローラDの気孔率は5.1%、離型剤の体積比率は50.0%であった。
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:400:150とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラEを得た。なお、オイル塗布ローラEの気孔率は35.6%、離型剤の体積比率は46.6%であった。
比較例1
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:200:20とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラFを得た。なお、オイル塗布ローラFの気孔率は12.1%、離型剤の体積比率は59.3%であった。
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:200:20とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラFを得た。なお、オイル塗布ローラFの気孔率は12.1%、離型剤の体積比率は59.3%であった。
比較例2
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:400:20とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラG得た。なお、オイル塗布ローラGの気孔率は7.6%、離型剤の体積比率は74.5%であった。
離型剤保持体に使用する付加反応型液状シリコーンゴムと離型剤とガラスバルーンの重量配合比100:100:20に代えて、100:400:20とした以外は、実施例1と同様の方法でオイル塗布ローラG得た。なお、オイル塗布ローラGの気孔率は7.6%、離型剤の体積比率は74.5%であった。
表1から明らかなように、液状シリコーンゴムと離型剤を含有する混合物を成形硬化して得られた該シリコーンゴム成形体全体に対する離型剤の体積比率が30〜53%である実施例1〜5は、10日室温で放置しても、ローラ表面からの離型剤の滲み出しはほとんどなかった。一方、該シリコーンゴム成形体全体に対する離型剤の体積比率が53%を超える比較例1及び2の滲み出し量は、かなり多く、10日目では2mg/mm2以上と問題になるレベルであった。また実施例1〜5のオイル塗布量は、ほぼ狙い通りの0.01〜0.1mg/A4であり、離型剤塗布量も初期と後期の差が小さく安定した結果となった。一方、比較例1及び2の場合、初期の離型剤塗布量が多く、且つ初期と後期の離型剤塗布量の差が大きく安定しない結果となった。また、実施例1〜5はゴム硬度が10以上であり、耐久性として十分な強度であった。また、実施例1〜5のシリコーンゴム成形体は上記気孔率を有していても強度は十分であった。一方、比較例1、2は硬度が低くなる傾向にあり、比較例2については、明らかに耐久性で問題のある硬度であった。
本実施の形態例のオイル塗布ローラによれば、(1)縦置き時の離型剤漏れがない。(2)ローラを長期間放置しても、離型剤の滲み出しがなく、初期通紙時にオイルで紙を汚すことがない。(3)オイル塗布量が少量で、更に初期と後期のオイル塗布量の差が小さく非常に安定した塗布性を示し、且つ定着ベルトや定着ローラの表面摩耗を長期間低減できる。(4)構造が簡素であり、製造方法が簡略化でき、オイル塗布ローラの低コスト化が可能である。(5)低熱容量化、低熱伝導率化が図れ、エネルギー効率が高いものである。
1 オイル塗布ローラ
2 離型剤保持体
4 定着装置
5 加熱定着ロール
6 加圧ロール
7 記録紙
7a 記録紙の表面
8 トナー
9 ニップ部
10 軸芯
2 離型剤保持体
4 定着装置
5 加熱定着ロール
6 加圧ロール
7 記録紙
7a 記録紙の表面
8 トナー
9 ニップ部
10 軸芯
Claims (3)
- 軸芯と、軸芯の外周に付設されるシリコーンゴム成形体を備えるオイル塗布ローラであって、該シリコーンゴム成形体は、気孔率3〜40%であり、且つ液状シリコーンゴムと離型剤を含有する混合物を成形硬化して得られるものであり、混合物全体に対する離型剤の体積比率が30〜53%であることを特徴とするオイル塗布ローラ。
- 前記シリコーンゴム成形体は、ゴム硬度(アスカーC)が2.0〜65.0であることを特徴とする請求項1記載のオイル塗布ローラ。
- 前記シリコーンゴム成形体の外周面に、更に離型剤塗布制御層を付設することを特徴とする請求項1又は2記載のオイル塗布ローラ。
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006259024A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009062493A (ja) * | 2007-09-07 | 2009-03-26 | Japan Gore Tex Inc | 油類除放用ゴム質部材 |
JP2010231129A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 弾性ローラ及び定着装置 |
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2005
- 2005-03-16 JP JP2005074285A patent/JP2006259024A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009062493A (ja) * | 2007-09-07 | 2009-03-26 | Japan Gore Tex Inc | 油類除放用ゴム質部材 |
JP2010231129A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 弾性ローラ及び定着装置 |
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