JP2001109308A - オイル塗布ローラ - Google Patents
オイル塗布ローラInfo
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- JP2001109308A JP2001109308A JP28334799A JP28334799A JP2001109308A JP 2001109308 A JP2001109308 A JP 2001109308A JP 28334799 A JP28334799 A JP 28334799A JP 28334799 A JP28334799 A JP 28334799A JP 2001109308 A JP2001109308 A JP 2001109308A
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- roller
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 定着装置の小型化に対応可能であり、経時的
なオイル塗布量の変化がなく、定着部材表面に均一に塗
布可能であり、グロス(光沢)ムラができないよう常時
適量のオイル塗布ができる。 【解決手段】 画像形成装置の定着部に設けられるオイ
ル塗布ローラであって、該オイル塗布ローラは、シリコ
ーンゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した
弾性体からなり、該ローラの本体が中実体である。
なオイル塗布量の変化がなく、定着部材表面に均一に塗
布可能であり、グロス(光沢)ムラができないよう常時
適量のオイル塗布ができる。 【解決手段】 画像形成装置の定着部に設けられるオイ
ル塗布ローラであって、該オイル塗布ローラは、シリコ
ーンゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した
弾性体からなり、該ローラの本体が中実体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やレーザービ
ームプリンタ等の定着装置に用いられるオイル塗布ロー
ラに関する。
ームプリンタ等の定着装置に用いられるオイル塗布ロー
ラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法による画像形成プロセスの定
着工程において、定着ローラ等の定着部材を用いトナー
等現像剤を溶融定着し定着画像を形成する加熱定着方法
が広く行なわれている。この加熱定着方法では、溶融ト
ナーの一部が定着部材の表面に転移付着し、これが次に
送られてくる記録紙に再転移して画像を汚すオフセット
現象が発生しやすい。従来、オフセット現象の発生を防
止するには、定着部材の表面にオフセット防止液、例え
ばシリコーンオイル等を塗布するオイル塗布装置を設
け、定着部材の表面上にオフセット防止液(以下、オイ
ルという)の塗膜を形成することによって、現像剤の離
型性を向上させる手段(オイル塗布方式)が行なわれて
いる。
着工程において、定着ローラ等の定着部材を用いトナー
等現像剤を溶融定着し定着画像を形成する加熱定着方法
が広く行なわれている。この加熱定着方法では、溶融ト
ナーの一部が定着部材の表面に転移付着し、これが次に
送られてくる記録紙に再転移して画像を汚すオフセット
現象が発生しやすい。従来、オフセット現象の発生を防
止するには、定着部材の表面にオフセット防止液、例え
ばシリコーンオイル等を塗布するオイル塗布装置を設
け、定着部材の表面上にオフセット防止液(以下、オイ
ルという)の塗膜を形成することによって、現像剤の離
型性を向上させる手段(オイル塗布方式)が行なわれて
いる。
【0003】このようなオイル塗布方式では、オイルを
染み込ませたローラ態のオイル塗布ローラを用いるのが
一般的である。オイル塗布ローラに含まれるオイルは、
別に用意されたオイル貯留部材からオイル塗布ローラに
逐次供給される場合もあるが、オイル貯留部材からのオ
イルが洩れる等の問題がある。そのため、オイル塗布ロ
ーラ自身にオイルを一定量保持させておき、保持させた
オイルがなくなったときはオイル塗布ローラ全体を交換
する方式(カートリッジ式)が、装置の小型化やオイル
洩れによる汚れの心配が無い等のメリットがあり近年多
用されている。
染み込ませたローラ態のオイル塗布ローラを用いるのが
一般的である。オイル塗布ローラに含まれるオイルは、
別に用意されたオイル貯留部材からオイル塗布ローラに
逐次供給される場合もあるが、オイル貯留部材からのオ
イルが洩れる等の問題がある。そのため、オイル塗布ロ
ーラ自身にオイルを一定量保持させておき、保持させた
オイルがなくなったときはオイル塗布ローラ全体を交換
する方式(カートリッジ式)が、装置の小型化やオイル
洩れによる汚れの心配が無い等のメリットがあり近年多
用されている。
【0004】従来のカートリッジ式のオイル塗布ローラ
としては、大きく 2種類に分類される。第一はオイル塗
布ローラの軸芯をパイプ状に形成してその内部にオイル
を保持させる方式であり、第二はオイル塗布ローラの軸
芯にオイルを保持しないでローラ本体をポーラス体で形
成してオイルを含浸させる方式である。第一の方式を次
の1)〜4)に示す。 1)中空状のローラの表面にフッ素樹脂多孔質体の多孔
質層を形成しローラの中空部に離型剤を保持して密閉し
ローラの回転による遠心力によって離型剤を塗布する
(特開昭58-215674 号公報)。 2)内部にシリコ−ンオイルを封入したアルミパイプに
第1の耐熱性繊維としてのシ−ト状アラミド繊維と、独
立気泡のシリコ−ンゴムと、第2の耐熱性繊維としての
フェルトを巻回する(特開平5-123623号公報)。 3)オイルを内部に充填して外周から流出する流出穴を
有する中空体と、中空体からのオイルを供給する弾性体
(例えば連泡の発泡スポンジ材)からなる中間層と、中
間層の外側を覆う微細穴を有する離型層とを有する(特
開平8-160800号公報)。 4)内部にオイルが貯留されたロール体と、ロール体の
外周に配設されたオイル規制層とを具備し、オイル規制
層を介して所望のオイル塗布量を達成するために、オイ
ル規制層の透気度が、オイルの粘度との関連において規
定されている(特開平11-184296 号公報)。
としては、大きく 2種類に分類される。第一はオイル塗
布ローラの軸芯をパイプ状に形成してその内部にオイル
を保持させる方式であり、第二はオイル塗布ローラの軸
芯にオイルを保持しないでローラ本体をポーラス体で形
成してオイルを含浸させる方式である。第一の方式を次
の1)〜4)に示す。 1)中空状のローラの表面にフッ素樹脂多孔質体の多孔
質層を形成しローラの中空部に離型剤を保持して密閉し
ローラの回転による遠心力によって離型剤を塗布する
(特開昭58-215674 号公報)。 2)内部にシリコ−ンオイルを封入したアルミパイプに
第1の耐熱性繊維としてのシ−ト状アラミド繊維と、独
立気泡のシリコ−ンゴムと、第2の耐熱性繊維としての
フェルトを巻回する(特開平5-123623号公報)。 3)オイルを内部に充填して外周から流出する流出穴を
有する中空体と、中空体からのオイルを供給する弾性体
(例えば連泡の発泡スポンジ材)からなる中間層と、中
間層の外側を覆う微細穴を有する離型層とを有する(特
開平8-160800号公報)。 4)内部にオイルが貯留されたロール体と、ロール体の
外周に配設されたオイル規制層とを具備し、オイル規制
層を介して所望のオイル塗布量を達成するために、オイ
ル規制層の透気度が、オイルの粘度との関連において規
定されている(特開平11-184296 号公報)。
【0005】第二の方式を次の5)〜8)に示す。 5)中空部にシリコーンオイルを封入された焼結金属と
その表面をおおう綿布状の外皮とを有する(特開昭60-2
47276 号公報)。 6)芯金の外側に離型剤保持弾性体層(連続気泡のシリ
コーンゴム)を設け、その外側にPTFE等フッ素樹脂
多孔質チューブを被せ、離型剤保持弾性体層にはあらか
じめ離型剤を含浸させる(特開昭61-183679 号公報)。 7)熱硬化性樹脂発泡体の表面に多孔質PTFE等のオ
イル透過制御層を形成する(特開平4-139477号公報)。 8)多数の極小気孔を有したセラミック部材にオイルを
含浸させ保持させる(特開平10-186924 号公報)。
その表面をおおう綿布状の外皮とを有する(特開昭60-2
47276 号公報)。 6)芯金の外側に離型剤保持弾性体層(連続気泡のシリ
コーンゴム)を設け、その外側にPTFE等フッ素樹脂
多孔質チューブを被せ、離型剤保持弾性体層にはあらか
じめ離型剤を含浸させる(特開昭61-183679 号公報)。 7)熱硬化性樹脂発泡体の表面に多孔質PTFE等のオ
イル透過制御層を形成する(特開平4-139477号公報)。 8)多数の極小気孔を有したセラミック部材にオイルを
含浸させ保持させる(特開平10-186924 号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記第一の方式は、軸
芯にオイルが封入されているため、長期間の運転休止
や、カートリッジの保管時において、フェルトや弾性体
等にオイル保持層の内部でオイルの片寄りが生じる。こ
の場合、オイル塗布ローラ表面のオイルの分布が不均一
となり、オイルを定着部材に均一に塗布できなくなりグ
ロス(光沢)ムラが生じる等の不都合がある。また、オ
イル洩れ防止のため軸芯部のシールを確実に行なう必要
があり、シール工程の付随やコスト上昇の原因となって
いる。
芯にオイルが封入されているため、長期間の運転休止
や、カートリッジの保管時において、フェルトや弾性体
等にオイル保持層の内部でオイルの片寄りが生じる。こ
の場合、オイル塗布ローラ表面のオイルの分布が不均一
となり、オイルを定着部材に均一に塗布できなくなりグ
ロス(光沢)ムラが生じる等の不都合がある。また、オ
イル洩れ防止のため軸芯部のシールを確実に行なう必要
があり、シール工程の付随やコスト上昇の原因となって
いる。
【0007】上記第二の方式はポーラス体の空孔にオイ
ルが含浸されているため、ローラ体積当たり少量のオイ
ルしか保持されないためカートリッジを頻繁に交換する
必要が生じる。あるいはオイル量を増やし寿命を延ばす
ためには必然的にローラが大きくなり、装置の小型化に
対応することが困難となる。また、ローラから供給され
るオイルは、オイル塗布ローラの回転に伴う遠心力や遠
心力と毛細管現象を併用して行なわれるため、運転の経
過時間によって供給量が少なくなり、オイル供給量の安
定化が困難である。
ルが含浸されているため、ローラ体積当たり少量のオイ
ルしか保持されないためカートリッジを頻繁に交換する
必要が生じる。あるいはオイル量を増やし寿命を延ばす
ためには必然的にローラが大きくなり、装置の小型化に
対応することが困難となる。また、ローラから供給され
るオイルは、オイル塗布ローラの回転に伴う遠心力や遠
心力と毛細管現象を併用して行なわれるため、運転の経
過時間によって供給量が少なくなり、オイル供給量の安
定化が困難である。
【0008】本発明は、上述した問題点を克服したオイ
ル塗布ローラの提供を課題とする。すなわち、定着装置
の小型化に対応可能であり、経時的なオイル塗布量の変
化がなく、定着部材表面に均一に塗布可能であり、グロ
ス(光沢)ムラができないよう常時適量のオイル塗布が
できるオイル塗布ローラの提供である。
ル塗布ローラの提供を課題とする。すなわち、定着装置
の小型化に対応可能であり、経時的なオイル塗布量の変
化がなく、定着部材表面に均一に塗布可能であり、グロ
ス(光沢)ムラができないよう常時適量のオイル塗布が
できるオイル塗布ローラの提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成装置
の定着部に設けられるオイル塗布ローラであって、該オ
イル塗布ローラは、シリコーンゴム成分とオフセット防
止液との混合物を成形した弾性体からなり、該ローラ本
体が中実体であることを特徴とする。さらに、該ローラ
表面が中実面であることを特徴とする。本発明において
「中実」とは、空孔あるいは微小孔が存在しない状態を
いい、ポーラス体は含まれない。この中実体または中実
面は、シリコーンゴム成分とオフセット防止液とを所定
量均一に混合した後、ゴム成分を架橋させることによっ
て形成される。架橋する前に混合で生じた気泡は真空引
き等の手法で脱泡する。また、気泡が発生せずに混合可
能な混合器等を使用してもよい。なお、たとえわずかに
気泡が残っていたとしても機能上問題はないため、気泡
を完全に取り除く必要はない。
の定着部に設けられるオイル塗布ローラであって、該オ
イル塗布ローラは、シリコーンゴム成分とオフセット防
止液との混合物を成形した弾性体からなり、該ローラ本
体が中実体であることを特徴とする。さらに、該ローラ
表面が中実面であることを特徴とする。本発明において
「中実」とは、空孔あるいは微小孔が存在しない状態を
いい、ポーラス体は含まれない。この中実体または中実
面は、シリコーンゴム成分とオフセット防止液とを所定
量均一に混合した後、ゴム成分を架橋させることによっ
て形成される。架橋する前に混合で生じた気泡は真空引
き等の手法で脱泡する。また、気泡が発生せずに混合可
能な混合器等を使用してもよい。なお、たとえわずかに
気泡が残っていたとしても機能上問題はないため、気泡
を完全に取り除く必要はない。
【0010】上記混合物は、シリコーンゴム100 重量部
に対してオフセット防止液 100〜1900重量部含むことを
特徴とする。また、このオフセット防止液はシリコーン
オイルおよびフッ素変性シリコーンオイルから選ばれた
少なくとも一種であることを特徴とする。また、オフセ
ット防止液はさらにフッ素オイルとを配合してなること
を特徴とする。また、上記シリコーンオイルは40℃にお
ける動粘度が 10〜1200cst であることを特徴とする。
また、シリコーンゴム成分とオフセット防止液との混合
物は、配合剤を混合物全体に対して 0〜25重量%配合し
てなることを特徴とする。
に対してオフセット防止液 100〜1900重量部含むことを
特徴とする。また、このオフセット防止液はシリコーン
オイルおよびフッ素変性シリコーンオイルから選ばれた
少なくとも一種であることを特徴とする。また、オフセ
ット防止液はさらにフッ素オイルとを配合してなること
を特徴とする。また、上記シリコーンオイルは40℃にお
ける動粘度が 10〜1200cst であることを特徴とする。
また、シリコーンゴム成分とオフセット防止液との混合
物は、配合剤を混合物全体に対して 0〜25重量%配合し
てなることを特徴とする。
【0011】本発明のオイル塗布ローラは、シリコーン
ゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した弾性
体からなり、該ローラ本体が中実体であるのでポーラス
体のローラと異なり、オフセット防止液が均一にローラ
表面から滲み出てくる。その結果、常時適量のオイル塗
布ができる。
ゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した弾性
体からなり、該ローラ本体が中実体であるのでポーラス
体のローラと異なり、オフセット防止液が均一にローラ
表面から滲み出てくる。その結果、常時適量のオイル塗
布ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のオイル塗布ローラの一例
を図1により説明する。図1はオイル塗布ローラの斜視
図である。オイル塗布ローラ1は、金属製などの芯棒を
軸芯3として、その軸芯3の外周に中実円柱状のローラ
本体2が一体成形されている。
を図1により説明する。図1はオイル塗布ローラの斜視
図である。オイル塗布ローラ1は、金属製などの芯棒を
軸芯3として、その軸芯3の外周に中実円柱状のローラ
本体2が一体成形されている。
【0013】このオイル塗布ローラ1を用いた定着装置
の例を図2および図3に示す。図2は定着ローラにオイ
ル塗布ローラを直接接触させる例であり、図3は定着ベ
ルトにオイル塗布ローラを接触させる例である。図2に
おいては、定着ローラ4の下部に定着ローラを押圧して
ニップ部5を形成する加圧ローラ6が設けられ、ニップ
部5を顕像化された未定着トナー7が通過することによ
り、トナー7が複写用紙8に定着される。オイル塗布ロ
ーラ1は定着ローラ4の表面に接して設けられ、定着ロ
ーラ4表面にオイルを塗布する。
の例を図2および図3に示す。図2は定着ローラにオイ
ル塗布ローラを直接接触させる例であり、図3は定着ベ
ルトにオイル塗布ローラを接触させる例である。図2に
おいては、定着ローラ4の下部に定着ローラを押圧して
ニップ部5を形成する加圧ローラ6が設けられ、ニップ
部5を顕像化された未定着トナー7が通過することによ
り、トナー7が複写用紙8に定着される。オイル塗布ロ
ーラ1は定着ローラ4の表面に接して設けられ、定着ロ
ーラ4表面にオイルを塗布する。
【0014】また、図3においては、駆動ローラ4aと
従動ローラ4bとが、その間に張設された無端状の定着
ベルト4cにより連結され、定着ベルト4cの内面下部
には加熱部材4dが配設され、定着ベルト4cを介して
ニップ部5を形成する加圧ローラ6が設けられている。
上記ニップ部5を顕像化された未定着トナー7が通過す
ることにより、トナー7が複写用紙8に定着される。定
着ベルト4cの上部に接してオイル塗布ローラ1が設け
られ、定着ベルト4c表面にオイルを塗布する。
従動ローラ4bとが、その間に張設された無端状の定着
ベルト4cにより連結され、定着ベルト4cの内面下部
には加熱部材4dが配設され、定着ベルト4cを介して
ニップ部5を形成する加圧ローラ6が設けられている。
上記ニップ部5を顕像化された未定着トナー7が通過す
ることにより、トナー7が複写用紙8に定着される。定
着ベルト4cの上部に接してオイル塗布ローラ1が設け
られ、定着ベルト4c表面にオイルを塗布する。
【0015】本発明に使用できるシリコーンゴム成分
は、直鎖状で高重合度のポリオルガノシロキサンで天然
ゴムなどと同様に取り扱えるいわゆるミラブル型シリコ
ーンゴム、あるいは架橋性基を有するポリオルガノシロ
キサンでペースト状や流動性の液状物を注型することに
よりゴム弾性体となる液状シリコーンゴムのいずれも使
用できる。本発明においては含油量を大きくできる液状
シリコーンゴムが特に好ましい。液状シリコーンゴムと
しては、付加型液状シリコーンゴムあるいは縮合型液状
シリコーンゴムのいずれも使用できる。本発明において
は、副生成物が発生しないで、硬化反応が表面から内部
まで均質に進行する付加型液状シリコーンゴムが特に好
ましい。
は、直鎖状で高重合度のポリオルガノシロキサンで天然
ゴムなどと同様に取り扱えるいわゆるミラブル型シリコ
ーンゴム、あるいは架橋性基を有するポリオルガノシロ
キサンでペースト状や流動性の液状物を注型することに
よりゴム弾性体となる液状シリコーンゴムのいずれも使
用できる。本発明においては含油量を大きくできる液状
シリコーンゴムが特に好ましい。液状シリコーンゴムと
しては、付加型液状シリコーンゴムあるいは縮合型液状
シリコーンゴムのいずれも使用できる。本発明において
は、副生成物が発生しないで、硬化反応が表面から内部
まで均質に進行する付加型液状シリコーンゴムが特に好
ましい。
【0016】付加型液状シリコーンゴムは、ビニル基を
末端または側鎖に有するポリオルガノシロキサンベース
と、分子末端に−SiH基を 3個以上有する−SiH基
含有化合物とを白金系触媒の存在下に付加反応であるヒ
ドロシリル化反応させて架橋させるゴムである。ポリオ
ルガノシロキサンベースは、主鎖のケイ素原子にメチル
基を、また必要に応じてフェニル基、トリフルオロプロ
ピル基等が結合しているポリオルガノシロキサンであ
る。架橋剤である−SiH基含有化合物は、比較的低分
子量のポリマーであり、ポリオルガノシロキサンベース
のビニル基 1モル当量当たり−SiH基 1〜3 モル当量
程度用いられる。
末端または側鎖に有するポリオルガノシロキサンベース
と、分子末端に−SiH基を 3個以上有する−SiH基
含有化合物とを白金系触媒の存在下に付加反応であるヒ
ドロシリル化反応させて架橋させるゴムである。ポリオ
ルガノシロキサンベースは、主鎖のケイ素原子にメチル
基を、また必要に応じてフェニル基、トリフルオロプロ
ピル基等が結合しているポリオルガノシロキサンであ
る。架橋剤である−SiH基含有化合物は、比較的低分
子量のポリマーであり、ポリオルガノシロキサンベース
のビニル基 1モル当量当たり−SiH基 1〜3 モル当量
程度用いられる。
【0017】付加型液状シリコーンゴムの市販品として
は、例えば信越化学工業社製、KE1603、KE16
00、KE1310T、KE1310S等を例示でき
る。
は、例えば信越化学工業社製、KE1603、KE16
00、KE1310T、KE1310S等を例示でき
る。
【0018】本発明に使用できるオフセット防止液は、
上記シリコーンゴム成分に配合でき、トナー付着を防止
可能な液状物質であれば使用することができる。また、
シリコーンゴム成分100 重量部に対してオフセット防止
液が 100〜1900重量部、好ましくは200 〜1900重量部配
合される。上記の割合とすることによってオイル塗布ロ
ーラに十分なオイルを保持するとともに、ローラ強度が
低下しないオイル塗布ローラが得られる。オフセット防
止液としては、シリコーンオイル、フッ素変性シリコー
ンオイル、またはこれらの混合物が挙げられる。さら
に、フッ素オイルを配合することで、優れた保油性と離
油性のバランスがとれる。
上記シリコーンゴム成分に配合でき、トナー付着を防止
可能な液状物質であれば使用することができる。また、
シリコーンゴム成分100 重量部に対してオフセット防止
液が 100〜1900重量部、好ましくは200 〜1900重量部配
合される。上記の割合とすることによってオイル塗布ロ
ーラに十分なオイルを保持するとともに、ローラ強度が
低下しないオイル塗布ローラが得られる。オフセット防
止液としては、シリコーンオイル、フッ素変性シリコー
ンオイル、またはこれらの混合物が挙げられる。さら
に、フッ素オイルを配合することで、優れた保油性と離
油性のバランスがとれる。
【0019】本発明に使用できるシリコーンオイル、フ
ッ素変性シリコーンオイルは、オフセット防止に優れ、
かつシリコーンゴムへの保油性に優れたオイル成分であ
れば使用できる。上記シリコーンゴムの溶解度パラメー
タと近似する溶解度パラメータを有するシリコーンオイ
ル等を用いると保油性に優れるので好ましく、具体的に
はシリコーンゴムがメチルシリコーンゴムであった場
合、シリコーンオイルがメチルシロキサン単位を有する
シリコーンオイルであることが好ましい。なお、シリコ
ーンゴムの溶解度パラメータは側鎖によっても変わる
が、略 7〜10である。
ッ素変性シリコーンオイルは、オフセット防止に優れ、
かつシリコーンゴムへの保油性に優れたオイル成分であ
れば使用できる。上記シリコーンゴムの溶解度パラメー
タと近似する溶解度パラメータを有するシリコーンオイ
ル等を用いると保油性に優れるので好ましく、具体的に
はシリコーンゴムがメチルシリコーンゴムであった場
合、シリコーンオイルがメチルシロキサン単位を有する
シリコーンオイルであることが好ましい。なお、シリコ
ーンゴムの溶解度パラメータは側鎖によっても変わる
が、略 7〜10である。
【0020】ここで、溶解度パラメータとは、分子凝集
エネルギー(cal/mol) を△E、分子容(ml/mol)をVとし
たとき、(△E/V)1/2で定義される値であり、 2成
分を混合溶解したときの溶解熱△Hmが溶解度パラメー
タの関数となる。 2成分におけるそれぞれの溶解度パラ
メータの差が小さいほど溶解熱△Hmが小さくなり、相
溶性に優れることになる。なお、溶解度パラメータは、
沸点が測定できる物質については蒸発潜熱法により、沸
点が測定できないあるいは測定しにくい物質であって化
学構造式が既知の物質については分子引力定数法により
計算できる。本発明における付加型液状シリコーンゴム
と上記オイル成分との溶解度パラメータの差は、好まし
くは 3以内である。
エネルギー(cal/mol) を△E、分子容(ml/mol)をVとし
たとき、(△E/V)1/2で定義される値であり、 2成
分を混合溶解したときの溶解熱△Hmが溶解度パラメー
タの関数となる。 2成分におけるそれぞれの溶解度パラ
メータの差が小さいほど溶解熱△Hmが小さくなり、相
溶性に優れることになる。なお、溶解度パラメータは、
沸点が測定できる物質については蒸発潜熱法により、沸
点が測定できないあるいは測定しにくい物質であって化
学構造式が既知の物質については分子引力定数法により
計算できる。本発明における付加型液状シリコーンゴム
と上記オイル成分との溶解度パラメータの差は、好まし
くは 3以内である。
【0021】本発明に使用できるシリコーンオイルは、
ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーン
オイル等のいわゆるストレートシリコーンオイル、およ
びアルキル変性シリコーンオイルやアラルキル変性シリ
コーンオイル等のいわゆる変性シリコーンオイルのいず
れも使用できる。これらの中でも側鎖が非反応性を示す
シリコーンオイルが保油性と離油性の均衡を得やすいの
で好ましく、具体的には非反応性ストレートシリコーン
オイルであるメチルシロキサン単位を有するジメチルシ
リコーンオイルおよびメチルフェニルシリコーンオイル
が好ましい。また、シリコーンオイルは、 40 ℃におけ
る動粘度が 1200cst以下、好ましくは 10〜500cstが高
温での蒸発が少ないので好ましい。
ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーン
オイル等のいわゆるストレートシリコーンオイル、およ
びアルキル変性シリコーンオイルやアラルキル変性シリ
コーンオイル等のいわゆる変性シリコーンオイルのいず
れも使用できる。これらの中でも側鎖が非反応性を示す
シリコーンオイルが保油性と離油性の均衡を得やすいの
で好ましく、具体的には非反応性ストレートシリコーン
オイルであるメチルシロキサン単位を有するジメチルシ
リコーンオイルおよびメチルフェニルシリコーンオイル
が好ましい。また、シリコーンオイルは、 40 ℃におけ
る動粘度が 1200cst以下、好ましくは 10〜500cstが高
温での蒸発が少ないので好ましい。
【0022】本発明に使用できるフッ素変性シリコーン
オイルは、側鎖のメチル基がフルオロアルキル基等で置
換されているシリコーンオイルである。フルオロアルキ
ル基としてはトリフルオロプロピル基などが挙げられ
る。フッ素変性シリコーンオイルは、上記シリコーンオ
イルに比較して潤滑性に優れるため、オフセット防止液
として好適である。また、ジメチルシリコーンオイルお
よびメチルフェニルシリコーンオイルと併用することに
より、より少ないオイル成分量でも離油性を向上させる
ことができる。
オイルは、側鎖のメチル基がフルオロアルキル基等で置
換されているシリコーンオイルである。フルオロアルキ
ル基としてはトリフルオロプロピル基などが挙げられ
る。フッ素変性シリコーンオイルは、上記シリコーンオ
イルに比較して潤滑性に優れるため、オフセット防止液
として好適である。また、ジメチルシリコーンオイルお
よびメチルフェニルシリコーンオイルと併用することに
より、より少ないオイル成分量でも離油性を向上させる
ことができる。
【0023】フッ素オイルは、ペルフルオロポリエーテ
ル構造を有する液状物質である。フッ素油の溶解度パラ
メータはシリコーンゴムの溶解度パラメータと差がある
ので、シリコーンゴムに対する保油性はシリコーンオイ
ルより劣る。しかし、このフッ素オイルをシリコーンオ
イル等と少量併用することにより離油性が向上する。な
お、上記したオフセット防止液は、あらかじめ増ちょう
剤と混和してゲル状にした後、シリコーンゴム成分と混
合してもよい。
ル構造を有する液状物質である。フッ素油の溶解度パラ
メータはシリコーンゴムの溶解度パラメータと差がある
ので、シリコーンゴムに対する保油性はシリコーンオイ
ルより劣る。しかし、このフッ素オイルをシリコーンオ
イル等と少量併用することにより離油性が向上する。な
お、上記したオフセット防止液は、あらかじめ増ちょう
剤と混和してゲル状にした後、シリコーンゴム成分と混
合してもよい。
【0024】オイル塗布ローラを形成する混合物は、混
合物全体に対して 0〜25重量%の配合剤を配合できる。
配合剤としては、補強材あるいは保油剤が挙げられる。
オイル塗布ローラを形成するシリコーンゴムはオフセッ
ト防止液の保持体であり、含油量が増加するとローラと
しての硬さが不足する。オイル塗布ローラでは、適度の
硬さ、強度、例えばゴム硬度 1度以上が必要である。こ
のため、適度の硬さ、強度を維持するために補強材を配
合できる。配合する補強材は、平均粒径 20 μm 以下で
あれば所定の補強効果を維持し、かつ成形作業時の流動
性も良好である。なお、平均粒径 0.005〜0.2μm 程
度、表面積は 50m2/g以上の範囲であると、成形作業性
は低下するが補強材の補強効果が高くなり好ましい。補
強材は無機質のものが使用でき、例えば、金属酸化物お
よび非酸化物系セラミックスである。形状は球状、燐片
状、または繊維状のいずれでもよく、繊維状の場合、平
均粒径は平均繊維長さを指す。
合物全体に対して 0〜25重量%の配合剤を配合できる。
配合剤としては、補強材あるいは保油剤が挙げられる。
オイル塗布ローラを形成するシリコーンゴムはオフセッ
ト防止液の保持体であり、含油量が増加するとローラと
しての硬さが不足する。オイル塗布ローラでは、適度の
硬さ、強度、例えばゴム硬度 1度以上が必要である。こ
のため、適度の硬さ、強度を維持するために補強材を配
合できる。配合する補強材は、平均粒径 20 μm 以下で
あれば所定の補強効果を維持し、かつ成形作業時の流動
性も良好である。なお、平均粒径 0.005〜0.2μm 程
度、表面積は 50m2/g以上の範囲であると、成形作業性
は低下するが補強材の補強効果が高くなり好ましい。補
強材は無機質のものが使用でき、例えば、金属酸化物お
よび非酸化物系セラミックスである。形状は球状、燐片
状、または繊維状のいずれでもよく、繊維状の場合、平
均粒径は平均繊維長さを指す。
【0025】補強材の具体例としては、シリカ、マイ
カ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸
化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの細粉を
例示できる。これらの中でシリカ微粉末が最も好まし
く、また酸化アルミニウム微粉末、酸化チタン微粉末等
も後述する保油性を向上させるので好ましい。
カ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸
化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの細粉を
例示できる。これらの中でシリカ微粉末が最も好まし
く、また酸化アルミニウム微粉末、酸化チタン微粉末等
も後述する保油性を向上させるので好ましい。
【0026】本発明のオイル塗布ローラは、保管時ある
いは機器の停止時等の定着装置が昇温していない常温時
はオイルの滲み出しが極力少ないが、昇温時は適度のオ
イルが滲み出すものである。しかしシリコーンゴム成分
100重量部に対してオフセット防止液が 1000重量部を
越える多量を含むとゴムへのオイル保持性が不安定にな
るおそれがあるため、保油剤を配合することが好まし
い。
いは機器の停止時等の定着装置が昇温していない常温時
はオイルの滲み出しが極力少ないが、昇温時は適度のオ
イルが滲み出すものである。しかしシリコーンゴム成分
100重量部に対してオフセット防止液が 1000重量部を
越える多量を含むとゴムへのオイル保持性が不安定にな
るおそれがあるため、保油剤を配合することが好まし
い。
【0027】保油剤としては上記補強材の微粒子が補強
効果とともに保油効果があり好ましい。また、上記増ち
ょう剤として用いられる石鹸、ウレア化合物、PTFE
テロマーが使用可能である。これら保油剤は平均粒径が
5μm 以下のものが使用可能であり、平均粒径 0.2μm
以下であれば、保油能力が大きく少量の配合ですむので
好ましい。
効果とともに保油効果があり好ましい。また、上記増ち
ょう剤として用いられる石鹸、ウレア化合物、PTFE
テロマーが使用可能である。これら保油剤は平均粒径が
5μm 以下のものが使用可能であり、平均粒径 0.2μm
以下であれば、保油能力が大きく少量の配合ですむので
好ましい。
【0028】オイル塗布ローラの作製は、シリコーンゴ
ム成分、オフセット防止液、必要に応じ補強材あるいは
保油剤等の配合剤の混合物を室温で均質になるように混
合し、脱泡した後、所定の型に充填し、必要に応じ加熱
して硬化させる。得られたオイル塗布ローラは表面のオ
イル分が減少すると、オイル分濃度を平均化するように
内部からオイルが表面のオイル分の少ない部分に移行す
るので常に表面にはオイルが存在する。また、外部から
力をローラ表面に加えると内部のオイルがその力の大き
さに応じて押し出される。本発明のオイル塗布ローラは
オイルの滲み出し量は温度によって変化する。高温にな
ると滲み出し量は多くなり、低温あるいは室温では殆ど
オイルが滲み出ない。
ム成分、オフセット防止液、必要に応じ補強材あるいは
保油剤等の配合剤の混合物を室温で均質になるように混
合し、脱泡した後、所定の型に充填し、必要に応じ加熱
して硬化させる。得られたオイル塗布ローラは表面のオ
イル分が減少すると、オイル分濃度を平均化するように
内部からオイルが表面のオイル分の少ない部分に移行す
るので常に表面にはオイルが存在する。また、外部から
力をローラ表面に加えると内部のオイルがその力の大き
さに応じて押し出される。本発明のオイル塗布ローラは
オイルの滲み出し量は温度によって変化する。高温にな
ると滲み出し量は多くなり、低温あるいは室温では殆ど
オイルが滲み出ない。
【0029】
【実施例】各実施例および比較例に用いた材料を以下に
示す。なお、[ ]内は表1における略号を示す。 1)シリコーンゴム成分 付加重合タイプの液状シリコーンゴム[ゴム]:KE1
603AおよびKE1603B(信越化学工業社製)、
このゴム成分はKE1603A(動粘度 750cst(40
℃))とKE1603B(動粘度 500cst(40℃))とを
重量比 1/1で配合硬化させるゴム成分である。 2)オフセット防止液 (イ)ジメチルシロキサンタイプのシリコーンオイル
[オイル1]:KF96SS(信越化学工業社製、動粘
度 100cst(40℃)) (ロ)フッ素変性シリコーンオイル[オイル2]:FS
1265(東レシリコーン社製、動粘度 300cst(40
℃)) (ハ)ペルフルオロポリエーテルタイプのフッ素オイル
[オイル3]:デムナムS200(ダイキン工業社製、
動粘度 200cst(40℃)) 3)配合剤 (イ)シリカ[SiO2]:アエロジル200(日本ホ
ワイトカーボン社製、乾式法ホワイトカーボン、平均粒
径 0.0165μm ) (ロ)酸化チタン[TiO2]:タイペークCR60
(石原産業社製、平均粒径0.2μm ) (ハ)シリカ[adSiO2]:アドマフィンC5(ア
ドマテック社製、球状シリカ、平均粒径 2μm )
示す。なお、[ ]内は表1における略号を示す。 1)シリコーンゴム成分 付加重合タイプの液状シリコーンゴム[ゴム]:KE1
603AおよびKE1603B(信越化学工業社製)、
このゴム成分はKE1603A(動粘度 750cst(40
℃))とKE1603B(動粘度 500cst(40℃))とを
重量比 1/1で配合硬化させるゴム成分である。 2)オフセット防止液 (イ)ジメチルシロキサンタイプのシリコーンオイル
[オイル1]:KF96SS(信越化学工業社製、動粘
度 100cst(40℃)) (ロ)フッ素変性シリコーンオイル[オイル2]:FS
1265(東レシリコーン社製、動粘度 300cst(40
℃)) (ハ)ペルフルオロポリエーテルタイプのフッ素オイル
[オイル3]:デムナムS200(ダイキン工業社製、
動粘度 200cst(40℃)) 3)配合剤 (イ)シリカ[SiO2]:アエロジル200(日本ホ
ワイトカーボン社製、乾式法ホワイトカーボン、平均粒
径 0.0165μm ) (ロ)酸化チタン[TiO2]:タイペークCR60
(石原産業社製、平均粒径0.2μm ) (ハ)シリカ[adSiO2]:アドマフィンC5(ア
ドマテック社製、球状シリカ、平均粒径 2μm )
【0030】実施例1〜実施例5 外径φ 6.4mm、長さ 345mmのステンレス製芯棒外周のロ
ーラが形成される部位にローレット加工を施し軸芯を作
製した。このローレット加工を施した軸芯の外周に弾性
体からなるローラを設けるために、軸芯を金型の所定位
置に設置して金型空隙部に表1に示す組成からなる混合
物を流し込んだ。混合物は気泡が極めて発生し難い混合
器を用いて混合し、目視では気泡が認められなかった。
金型に混合物を充填後 60 ℃の恒温槽に移して 1時間保
持し、ローラ長 310mm、ローラ外径φ25.6mmのゴムロー
ラを有するオイル塗布ローラを得た。
ーラが形成される部位にローレット加工を施し軸芯を作
製した。このローレット加工を施した軸芯の外周に弾性
体からなるローラを設けるために、軸芯を金型の所定位
置に設置して金型空隙部に表1に示す組成からなる混合
物を流し込んだ。混合物は気泡が極めて発生し難い混合
器を用いて混合し、目視では気泡が認められなかった。
金型に混合物を充填後 60 ℃の恒温槽に移して 1時間保
持し、ローラ長 310mm、ローラ外径φ25.6mmのゴムロー
ラを有するオイル塗布ローラを得た。
【0031】次に、外径φ 40mm で表面にPTFEの被
覆層を有する定着ローラと、外径φ40mm で、厚さ 5mm
のシリコーンゴム層の上に厚さ 70 μm のチューブを被
着した加圧ローラとを備えた試験用複写機(定着温度 1
90℃、A4複写速度 57枚/分)に、上記のオイル塗布
ローラを、軸受に各 200gfの荷重をかけて定着ローラに
周接し、従動するように取り付けた。
覆層を有する定着ローラと、外径φ40mm で、厚さ 5mm
のシリコーンゴム層の上に厚さ 70 μm のチューブを被
着した加圧ローラとを備えた試験用複写機(定着温度 1
90℃、A4複写速度 57枚/分)に、上記のオイル塗布
ローラを、軸受に各 200gfの荷重をかけて定着ローラに
周接し、従動するように取り付けた。
【0032】そして画像比率30%のラインチャートを原
稿とし、A4普通紙を用いて、5000枚の連続通紙による
複写試験を 20000枚まで行なった。5000枚毎に複写済み
の用紙を目視にてグロスの低下およびグロスムラを確認
した。グロスの低下が認められなかったものを○で、グ
ロスの低下が許容範囲と認められたものを△で、グロス
の低下により不良と判断したものを×で表した。また、
グロスムラが認められなかったものを○で、グロスムラ
が許容範囲と認められたものを△で、グロスムラにより
不良と判断したものを×で表した。なお、グロスの低下
およびグロスムラの許容範囲とは、初期状態と比較し
て、グロスの低下あるいはグロスムラが生じているが、
実際の使用には問題ない程度であることを意味する。結
果を表1に示す。
稿とし、A4普通紙を用いて、5000枚の連続通紙による
複写試験を 20000枚まで行なった。5000枚毎に複写済み
の用紙を目視にてグロスの低下およびグロスムラを確認
した。グロスの低下が認められなかったものを○で、グ
ロスの低下が許容範囲と認められたものを△で、グロス
の低下により不良と判断したものを×で表した。また、
グロスムラが認められなかったものを○で、グロスムラ
が許容範囲と認められたものを△で、グロスムラにより
不良と判断したものを×で表した。なお、グロスの低下
およびグロスムラの許容範囲とは、初期状態と比較し
て、グロスの低下あるいはグロスムラが生じているが、
実際の使用には問題ない程度であることを意味する。結
果を表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1に用いたシリコーンゴム成分に発泡剤を添加し
て発泡させ、実施例と同じ金型に流し込み 60℃の恒温
槽で 1時間保持しゴムローラ本体に 0.1〜 10μm 径の
連通した気泡を有するオイル塗布ローラを作製した。さ
らに気泡中に上記ジメチルシロキサンタイプのシリコー
ンオイルを含浸させてオイル塗布ローラを得た。実施例
1と同一の方法で評価し、結果を表1に示す。
て発泡させ、実施例と同じ金型に流し込み 60℃の恒温
槽で 1時間保持しゴムローラ本体に 0.1〜 10μm 径の
連通した気泡を有するオイル塗布ローラを作製した。さ
らに気泡中に上記ジメチルシロキサンタイプのシリコー
ンオイルを含浸させてオイル塗布ローラを得た。実施例
1と同一の方法で評価し、結果を表1に示す。
【0034】比較例2 ゴムローラ本体に最大孔径 0.1μm 以下、空孔率約 40
%、表面粗さRa 0.5μm 以下のPTFEフイルムを巻
き付けた以外は比較例1と同様にしてオイル塗布ローラ
を得て、実施例1と同一の方法で評価し、結果を表1に
示す。
%、表面粗さRa 0.5μm 以下のPTFEフイルムを巻
き付けた以外は比較例1と同様にしてオイル塗布ローラ
を得て、実施例1と同一の方法で評価し、結果を表1に
示す。
【0035】
【表1】
【0036】評価試験の結果、各実施例はいずれも 200
00枚までの連続通紙による複写試験において満足できる
結果が得られた。なお、オフセット防止液を 400重量部
配合した実施例1は 20000枚連続通紙試験終了時に初期
状態に比較してグロス低下が認められたが許容範囲内で
あった。比較例はいずれも 20000枚連続通紙試験に合格
できなかった。特にシリコーンゴムをポーラス体として
オフセット防止液を含浸しただけの比較例1は 5000枚
連続通紙時点でグロス低下およびグロスムラが発生して
おり、ローラ体積を相当大きくしないと 20000枚連続通
紙は不可能と判断された。
00枚までの連続通紙による複写試験において満足できる
結果が得られた。なお、オフセット防止液を 400重量部
配合した実施例1は 20000枚連続通紙試験終了時に初期
状態に比較してグロス低下が認められたが許容範囲内で
あった。比較例はいずれも 20000枚連続通紙試験に合格
できなかった。特にシリコーンゴムをポーラス体として
オフセット防止液を含浸しただけの比較例1は 5000枚
連続通紙時点でグロス低下およびグロスムラが発生して
おり、ローラ体積を相当大きくしないと 20000枚連続通
紙は不可能と判断された。
【0037】
【発明の効果】本発明のオイル塗布ローラは、シリコー
ンゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した弾
性体からなり、該ローラ本体が中実体であるので以下の
効果が得られる。 1)長期間の運転休止や、カートリッジの保管時におい
て、ローラ内部でオイルの片寄りが生じず、オイル塗布
ローラ表面のオイルの分布が均一である。その結果、グ
ロス(光沢)ムラが生じない。 2)画像形成装置の定着部材の仕様温度に合わせてオイ
ル塗布量が容易に設定できる。 3)ローラ体積当たり多量のオイルが保持できるのでカ
ートリッジを頻繁に交換する必要がなく、かつローラ部
を小径にすることにより定着装置の小型化に対応可能で
ある。 4)オイル塗布量に運転の経過時間によって供給量の低
下がなく、オイル供給量が安定している。 5)オイル洩れ防止のため軸芯部のシールが不要であり
コストが低く抑えられる。
ンゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した弾
性体からなり、該ローラ本体が中実体であるので以下の
効果が得られる。 1)長期間の運転休止や、カートリッジの保管時におい
て、ローラ内部でオイルの片寄りが生じず、オイル塗布
ローラ表面のオイルの分布が均一である。その結果、グ
ロス(光沢)ムラが生じない。 2)画像形成装置の定着部材の仕様温度に合わせてオイ
ル塗布量が容易に設定できる。 3)ローラ体積当たり多量のオイルが保持できるのでカ
ートリッジを頻繁に交換する必要がなく、かつローラ部
を小径にすることにより定着装置の小型化に対応可能で
ある。 4)オイル塗布量に運転の経過時間によって供給量の低
下がなく、オイル供給量が安定している。 5)オイル洩れ防止のため軸芯部のシールが不要であり
コストが低く抑えられる。
【図1】オイル塗布ローラの斜視図である。
【図2】定着ローラにオイル塗布ローラを直接接触させ
た定着装置の例である。
た定着装置の例である。
【図3】定着ベルトにオイル塗布ローラを接触させた定
着装置の例である。
着装置の例である。
1 オイル塗布ローラ 2 ローラ本体 3 軸芯 4 定着ローラ 5 ニップ部 6 加圧ローラ 7 トナー 8 複写用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福澤 覚 三重県員弁郡東員町大字穴太970 NTN 精密樹脂株式会社内 Fターム(参考) 2H033 BA42 BA43 3J103 AA02 AA13 AA21 AA32 BA41 BA48 FA12 FA14 FA15 FA16 FA18 FA19 FA25 GA02 GA57 GA58 GA73 HA03 HA05 HA12 HA15 HA31 HA53 HA60
Claims (7)
- 【請求項1】 画像形成装置の定着部に設けられるオイ
ル塗布ローラであって、該オイル塗布ローラは、シリコ
ーンゴム成分とオフセット防止液との混合物を成形した
弾性体からなり、該ローラの本体が中実体であることを
特徴とするオイル塗布ローラ。 - 【請求項2】 前記ローラの表面が中実面であることを
特徴とする請求項1記載のオイル塗布ローラ。 - 【請求項3】 前記混合物は、シリコーンゴム100 重量
部に対してオフセット防止液 100〜1900重量部含むこと
を特徴とする請求項1または請求項2記載のオイル塗布
ローラ。 - 【請求項4】 前記オフセット防止液は、シリコーンオ
イルおよびフッ素変性シリコーンオイルから選ばれた少
なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし請
求項3のいずれか一項記載のオイル塗布ローラ。 - 【請求項5】 前記オフセット防止液は、さらにフッ素
オイルを配合してなることを特徴とする請求項4記載の
オイル塗布ローラ。 - 【請求項6】 前記シリコーンオイルは、40℃における
動粘度が 10〜1200cst であることを特徴とする請求項
4または請求項5記載のオイル塗布ローラ。 - 【請求項7】 前記混合物は、配合剤を混合物全体に対
して 0〜25重量%配合してなることを特徴とする請求項
1ないし請求項6のいずれか一項記載のオイル塗布ロー
ラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28334799A JP2001109308A (ja) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | オイル塗布ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28334799A JP2001109308A (ja) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | オイル塗布ローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001109308A true JP2001109308A (ja) | 2001-04-20 |
Family
ID=17664319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28334799A Pending JP2001109308A (ja) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | オイル塗布ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001109308A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018180488A (ja) * | 2017-04-21 | 2018-11-15 | キヤノン株式会社 | 電子写真用の定着部材、定着装置および電子写真画像形成装置 |
-
1999
- 1999-10-04 JP JP28334799A patent/JP2001109308A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018180488A (ja) * | 2017-04-21 | 2018-11-15 | キヤノン株式会社 | 電子写真用の定着部材、定着装置および電子写真画像形成装置 |
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