JP2006258712A - マトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法 - Google Patents
マトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 マトリクス構造におけるスイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を容易に検出可能にするマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法を提供する。
【解決手段】 X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが格子状に交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子を流れる信号で駆動される駆動素子とを有してなるマトリクス構造の検査方法であって、前記ゲート線は、前記スイッチング素子の開閉状態を制御する信号が与えられるものであり、前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号P2を前記ゲート線に印加することを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが格子状に交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子を流れる信号で駆動される駆動素子とを有してなるマトリクス構造の検査方法であって、前記ゲート線は、前記スイッチング素子の開閉状態を制御する信号が与えられるものであり、前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号P2を前記ゲート線に印加することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、マトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法に関するものである。
液晶表示装置の各画素領域を薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)を用いて表示制御するTFT液晶表示装置は、薄型テレビ、パソコンのモニタ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話などへの応用により、急速に市場が拡大している。また従来では、TFT液晶表示装置などの表示装置の製造工程において、画素欠陥及び輝度ムラなどの表示欠陥を、テストプローブを用いて検査する方法があった。また、液晶表示装置における走査信号のオン期間又はオフ期間を通常表示時と比べて長くして、画素電極部の充電不良又はリーク不良を検査する方法も考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−292428号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の検査方法では、走査信号のオン期間又はオフ期間を通常表示時と比べて長く検査しているので、検査時の走査信号の周期が通常表示時の周期よりも長くなっていまう。これにより、従来の検査方法では、検査時間が長時間となり、製造コストを上昇させてしまう。例えば、従来の検査方法では、走査信号のオフ期間を通常表示時の2倍にする。すると、スイッチング用トランジスタでのリーク量が通常表示時の2倍となりリーク不良の検出が容易化されるが、その検査時間に長時間を要してしまう。
また、上記特許文献1に記載の従来の検査方法では、検査時の走査信号の周期が通常表示時の周期よりも長くなり、検査時と通常表示時とで検査対象(スイッチング素子など)の動作状態が大きく異なり、欠陥検出精度の向上を阻害しているという問題点もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を容易に検出可能にするマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を、高精度に且つ低コストで検出することができるマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を、高精度に且つ低コストで検出することができるマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のマトリクス構造の検査方法は、X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが互いに交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に対応して配置された画素電極とを有してなるマトリクス構造の検査方法であって、前記ゲート線は、前記スイッチング素子の開閉状態を制御する信号が与えられるものであり、前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号を前記ゲート線に印加することを特徴とする。
本発明によれば、検査用信号によりスイッチング素子が閾値状態となる。この状態で、例えばデータ線に最大レベルの信号を印加する。すると、その最大レベルの信号は、閾値状態のスイッチング素子を通過すると、中間レベルの信号になることができる。その中間レベルの信号は、画素電極(駆動素子)を中間状態に駆動することができる。ここで、中間状態とは、例えば駆動素子の駆動状態における最大状態(例えば黒表示)と最低状態(例えば白表示)との間の状態(例えば灰色表示)である。
そして、例えばスイッチング素子にリーク不良がある場合は、データ線に印加された最大レベルの信号がスイッチング素子を通り抜けてしまう。これにより、駆動素子が中間状態(例えば灰色表示)ではなく、最大状態(例えば黒表示)に近い状態になる。したがって、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。そして、本発明によれば、検査用信号を前記ゲート線に印加することにより、簡便に上記検査をすることができるので、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥などを容易に検出することができる。また、本発明によれば、スイッチング素子におけるON抵抗の過大不良なども上記作用と同様にして検出することもできる。ON抵抗の過大不良の場合は駆動素子が中間状態(例えば灰色表示)ではなく、最小状態(例えば白表示)に近い状態になる。
本発明によれば、検査用信号によりスイッチング素子が閾値状態となる。この状態で、例えばデータ線に最大レベルの信号を印加する。すると、その最大レベルの信号は、閾値状態のスイッチング素子を通過すると、中間レベルの信号になることができる。その中間レベルの信号は、画素電極(駆動素子)を中間状態に駆動することができる。ここで、中間状態とは、例えば駆動素子の駆動状態における最大状態(例えば黒表示)と最低状態(例えば白表示)との間の状態(例えば灰色表示)である。
そして、例えばスイッチング素子にリーク不良がある場合は、データ線に印加された最大レベルの信号がスイッチング素子を通り抜けてしまう。これにより、駆動素子が中間状態(例えば灰色表示)ではなく、最大状態(例えば黒表示)に近い状態になる。したがって、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。そして、本発明によれば、検査用信号を前記ゲート線に印加することにより、簡便に上記検査をすることができるので、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥などを容易に検出することができる。また、本発明によれば、スイッチング素子におけるON抵抗の過大不良なども上記作用と同様にして検出することもできる。ON抵抗の過大不良の場合は駆動素子が中間状態(例えば灰色表示)ではなく、最小状態(例えば白表示)に近い状態になる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法は、前記スイッチング素子が前記データ線と前記画素電極との間の信号伝送について制御するものであり、少なくとも前記ゲート線への検査用信号の印加時において、前記データ線に対して、前記スイッチング素子が閉状態であるならば前記画素電極に駆動レベル信号を印加することが好ましい。
本発明によれば、検査用信号によって閾値状態となったスイッチング素子は、駆動レベル信号(例えば最大レベル信号)を中間レベル信号にすることができる。この中間レベル信号によって駆動素子は中間状態(例えば灰色表示)になる。しかし、スイッチング素子にリーク不良がある場合は、スイッチング素子を通り抜ける電流が正常時よりも多くなり、最大状態(例えば黒表示)に近い状態になる。そこで、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。
本発明によれば、検査用信号によって閾値状態となったスイッチング素子は、駆動レベル信号(例えば最大レベル信号)を中間レベル信号にすることができる。この中間レベル信号によって駆動素子は中間状態(例えば灰色表示)になる。しかし、スイッチング素子にリーク不良がある場合は、スイッチング素子を通り抜ける電流が正常時よりも多くなり、最大状態(例えば黒表示)に近い状態になる。そこで、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法における前記検査用信号は、前記スイッチング素子が正常であって、さらに前記データ線に駆動レベル信号が印加されたときに、前記画素電極に供給される信号に基づいて駆動される駆動素子の駆動状態を最大状態と最低状態との間の状態である中間状態にする信号であることが好ましい。
本発明によれば、マトリクス構造が正常であれば、検査用信号と所定レベル以上のデータ線信号(例えば駆動レベル信号)とにより、駆動素子を所定の中間状態(例えば灰色表示)にすることができる。一方、例えばスイッチング素子にリーク不良などの特性不良がある場合は、検査用信号と所定レベル以上のデータ線信号を印加しても、駆動素子は所定の中間状態とはならない。ここで、駆動素子における中間状態は、一般に、最大状態及び最低状態に比べて状態が変化し易い。すなわち、最大状態はこれ以上大きくなりにくい状態であり、最低状態はこれ以上小さくなりにくい状態である。そこで、本発明は、検査用信号が駆動素子を中間状態にするための信号であるので、高精度にスイッチング素子の特性などを検査することができる。
本発明によれば、マトリクス構造が正常であれば、検査用信号と所定レベル以上のデータ線信号(例えば駆動レベル信号)とにより、駆動素子を所定の中間状態(例えば灰色表示)にすることができる。一方、例えばスイッチング素子にリーク不良などの特性不良がある場合は、検査用信号と所定レベル以上のデータ線信号を印加しても、駆動素子は所定の中間状態とはならない。ここで、駆動素子における中間状態は、一般に、最大状態及び最低状態に比べて状態が変化し易い。すなわち、最大状態はこれ以上大きくなりにくい状態であり、最低状態はこれ以上小さくなりにくい状態である。そこで、本発明は、検査用信号が駆動素子を中間状態にするための信号であるので、高精度にスイッチング素子の特性などを検査することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法における前記検査用信号は、前記マトリクス構造の通常動作時に前記ゲート線に印加される走査信号の周波数とほぼ同一の周波数の信号であり、前記検査用信号のハイレベルは、前記走査信号のハイレベルとローレベルとの中間に近いレベルであることが好ましい。
本発明によれば、検査用信号の周波数が通常動作時(例えば製品の動作時)の走査信号の周波数とほぼ同一であるので、特許文献1などの従来の検査方法に比べて、検査時間を短縮することができる。また、本発明によれば、検査用信号の周波数が通常動作時の走査信号の周波数とほぼ同一であるので、スイッチング素子及び駆動素子などを通常動作時の状態に近づけて検査することができる。そこで、本発明は、スイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を、高精度に且つ低コストで検出することができる。
本発明によれば、検査用信号の周波数が通常動作時(例えば製品の動作時)の走査信号の周波数とほぼ同一であるので、特許文献1などの従来の検査方法に比べて、検査時間を短縮することができる。また、本発明によれば、検査用信号の周波数が通常動作時の走査信号の周波数とほぼ同一であるので、スイッチング素子及び駆動素子などを通常動作時の状態に近づけて検査することができる。そこで、本発明は、スイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を、高精度に且つ低コストで検出することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法は、前記ゲート線に検査用信号を印加したときに前記駆動素子の状態を検出し、前記検出の結果に基づいて前記スイッチング素子に欠陥があるか否か判断することが好ましい。
本発明によれば、例えば前記ゲート線に検査用信号を印加したときに駆動素子の状態が所定の中間状態でない場合、その駆動素子を制御するスイッチング素子に欠陥があると判断することができる。そこで、本発明は、スイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を高精度に且つ低コストで検出することができる。
本発明によれば、例えば前記ゲート線に検査用信号を印加したときに駆動素子の状態が所定の中間状態でない場合、その駆動素子を制御するスイッチング素子に欠陥があると判断することができる。そこで、本発明は、スイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を高精度に且つ低コストで検出することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法は、前記マトリクス構造が液晶表示装置の構成要素であり、前記駆動素子は前記画素電極と対向電極とで挟持された液晶を有してなる画素であり、前記スイッチング素子は薄膜トランジスタであり、前記薄膜トランジスタのゲートは前記ゲート線に接続されており、前記薄膜トランジスタは前記データ線から前記画素電極に流れる信号の量又はレベルを制御するものであることが好ましい。
本発明によれば、マトリクス構造が正常である場合、検査用信号の印加などにより、画素の表示状態を所定の中間状態(例えば灰色表示)にすることができる。一方、薄膜トランジスタにリーク不良などの特性不良がある場合は、検査対象の画素が所定の中間状態とはならない。そこで、本発明は、マトリクス構造の各画素の表示状態に基づいて、薄膜トランジスタの特性不良などを高精度に且つ低コストで検出することができる。
本発明によれば、マトリクス構造が正常である場合、検査用信号の印加などにより、画素の表示状態を所定の中間状態(例えば灰色表示)にすることができる。一方、薄膜トランジスタにリーク不良などの特性不良がある場合は、検査対象の画素が所定の中間状態とはならない。そこで、本発明は、マトリクス構造の各画素の表示状態に基づいて、薄膜トランジスタの特性不良などを高精度に且つ低コストで検出することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法は、前記駆動素子の中間状態が前記画素における中間調の表示状態であることが好ましい。
本発明によれば、検査用信号の印加時に、画素が中間調の表示状態(例えば灰色表示)になったか否かで、スイッチング素子の特性不良などを検出することができる。
本発明によれば、検査用信号の印加時に、画素が中間調の表示状態(例えば灰色表示)になったか否かで、スイッチング素子の特性不良などを検出することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法は、前記検査用信号のハイレベルについて複数レベルにすることが好ましい。
本発明によれば、例えば検査用信号のハイレベルとして、駆動素子の駆動状態を中間状態にする第1レベルと、第1レベルよりも僅かに大きい第2レベルと、第1レベルよりも僅かに小さい第3レベルとを有するものとする。そして、各レベルに対応する駆動素子の状態を第1から第3状態とする。第1から第3状態が所定の状態となれば、スイッチング素子などは正常であり、そうでない場合は不良と判断することができる。これらにより、本発明は、より高精度に、スイッチング素子の特性不良などを検出することができる。
本発明によれば、例えば検査用信号のハイレベルとして、駆動素子の駆動状態を中間状態にする第1レベルと、第1レベルよりも僅かに大きい第2レベルと、第1レベルよりも僅かに小さい第3レベルとを有するものとする。そして、各レベルに対応する駆動素子の状態を第1から第3状態とする。第1から第3状態が所定の状態となれば、スイッチング素子などは正常であり、そうでない場合は不良と判断することができる。これらにより、本発明は、より高精度に、スイッチング素子の特性不良などを検出することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査方法は、前記検査用信号のハイレベルについて変化させることが好ましい。
本発明によれば、例えば検査用信号のハイレベルを、駆動素子の駆動状態を中間状態にするレベルを含む範囲で変化させて、そのときの駆動素子の駆動状態を観察する。そして駆動素子の駆動状態が所定状態であれば、スイッチング素子などは正常であり、そうでない場合は不良と判断することができる。これらにより、本発明は、より高精度に、スイッチング素子の特性不良などを検出することができる。また、ハイレベルの変化速度は一定でもよく可変させてもよい。
本発明によれば、例えば検査用信号のハイレベルを、駆動素子の駆動状態を中間状態にするレベルを含む範囲で変化させて、そのときの駆動素子の駆動状態を観察する。そして駆動素子の駆動状態が所定状態であれば、スイッチング素子などは正常であり、そうでない場合は不良と判断することができる。これらにより、本発明は、より高精度に、スイッチング素子の特性不良などを検出することができる。また、ハイレベルの変化速度は一定でもよく可変させてもよい。
上記目的を達成するために、本発明のマトリクス構造の検査装置は、X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが互いに交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に対応して配置された画素電極とを有してなるマトリクス構造の検査装置であって、前記マトリクス構造における通常動作時に前記ゲート線に与えるられる走査信号に比べて、周波数がほぼ同一であってハイレベルが低い信号である検査用信号を、前記ゲート線に印加する検査用信号印加手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、検査用信号印加手段は、検査用信号をゲート線に印加することができる。そして、検査用信号は、通常動作時の信号である走査信号と比べて周波数がほぼ同一で且つハイレベルが低い、矩形波などの信号で構成できる。ここで、走査信号は、一般に、スイッチング素子をほぼ完全な閉(ON又は導通)状態にする信号である。したがって、検査用信号は、スイッチング素子を開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にすることができる。例えば、検査用信号のハイレベルを走査信号の1/3から2/3にすると、スイッチング素子が開状態又は閉状態に変化し易い状態となる。また、スイッチング素子を閾値状態にすると、そのスイッチング素子を通り抜けた信号により駆動素子が中間状態(最大状態と最低状態の間)となり、そのスイッチング素子の特性(リーク特性等)を反映しやすい状態となる。そこで、本発明によれば、検査用信号印加手段によって検査用信号をゲート線に印加したときの駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。
また、本発明によれば、検査用信号の周波数が通常動作時の走査信号の周波数とほぼ同一であるので、特許文献1などの従来の検査方法に比べて、検査時間を短縮することができる。また、本発明によれば、通常動作時の状態に近づけて検査することができる。そこで、本発明は、スイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を、高精度に且つ低コストで検出することができる。
本発明によれば、検査用信号印加手段は、検査用信号をゲート線に印加することができる。そして、検査用信号は、通常動作時の信号である走査信号と比べて周波数がほぼ同一で且つハイレベルが低い、矩形波などの信号で構成できる。ここで、走査信号は、一般に、スイッチング素子をほぼ完全な閉(ON又は導通)状態にする信号である。したがって、検査用信号は、スイッチング素子を開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にすることができる。例えば、検査用信号のハイレベルを走査信号の1/3から2/3にすると、スイッチング素子が開状態又は閉状態に変化し易い状態となる。また、スイッチング素子を閾値状態にすると、そのスイッチング素子を通り抜けた信号により駆動素子が中間状態(最大状態と最低状態の間)となり、そのスイッチング素子の特性(リーク特性等)を反映しやすい状態となる。そこで、本発明によれば、検査用信号印加手段によって検査用信号をゲート線に印加したときの駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。
また、本発明によれば、検査用信号の周波数が通常動作時の走査信号の周波数とほぼ同一であるので、特許文献1などの従来の検査方法に比べて、検査時間を短縮することができる。また、本発明によれば、通常動作時の状態に近づけて検査することができる。そこで、本発明は、スイッチング素子などの特性不良などに起因する点状の欠陥を、高精度に且つ低コストで検出することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査装置は、前記検査用信号を前記ゲート線に印加するとき、前記マトリクス構造における通常動作時に前記データ線に与えられるデータ信号における最大レベルの信号を、該データ線に印加するデータ信号印加手段を有することが好ましい。
本発明によれば、データ信号印加手段によってデータ線に印加された最大レベルの信号は、検査用信号によって閾値状態となったスイッチング素子を通り抜けるときに制限され、駆動素子を中間状態にする中間レベル信号になることができる。この中間レベル信号により、駆動素子は中間状態(例えば灰色表示)になる。しかし、スイッチング素子にリーク不良がある場合は、スイッチング素子を通り抜ける電流が正常時よりも多くなり、最大状態(例えば黒表示)に近い状態になる。そこで、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。
本発明によれば、データ信号印加手段によってデータ線に印加された最大レベルの信号は、検査用信号によって閾値状態となったスイッチング素子を通り抜けるときに制限され、駆動素子を中間状態にする中間レベル信号になることができる。この中間レベル信号により、駆動素子は中間状態(例えば灰色表示)になる。しかし、スイッチング素子にリーク不良がある場合は、スイッチング素子を通り抜ける電流が正常時よりも多くなり、最大状態(例えば黒表示)に近い状態になる。そこで、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否か簡便に検査することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査装置は、前記マトリクス構造におけるスイッチング素子がゲート線に印加される信号で開閉状態が制御されるものであり、前記検査用信号のハイレベルは前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にするレベルであることが好ましい。
本発明によれば、例えば、検査用信号のハイレベルを、スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との中間の状態である閾値状態にするレベルとすることができる。そこで、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否かを、より正確に且つ簡便に検査することができる。
本発明によれば、例えば、検査用信号のハイレベルを、スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との中間の状態である閾値状態にするレベルとすることができる。そこで、本発明によれば、例えば駆動素子の状態をみることにより、スイッチング素子などが正常であるか否かを、より正確に且つ簡便に検査することができる。
また、本発明のマトリクス構造の検査装置は、前記検査用信号印加手段が入力信号の電圧を分圧する可変抵抗器を有してなり、前記可変抵抗器の入力端子は前記マトリクス構造のゲート線に印加される走査信号の信号源に電気的に接続されるものであり、前記可変抵抗器の分圧端子は前記マトリクス構造のゲート線に電気的に接続されるものであることが好ましい。
本発明によれば、マトリクス構造の検査装置の主要部をなす検査用信号印加手段を、可変抵抗器で構成することができる。したがって、本発明は、簡素な構成であって小型化でき、マトリクス構造のスイッチング素子などを高精度に検査できるマトリクス構造の検査装置を廉価に提供することができる。
本発明によれば、マトリクス構造の検査装置の主要部をなす検査用信号印加手段を、可変抵抗器で構成することができる。したがって、本発明は、簡素な構成であって小型化でき、マトリクス構造のスイッチング素子などを高精度に検査できるマトリクス構造の検査装置を廉価に提供することができる。
上記目的を達成するために、本発明のマトリクス構造の製造方法は、X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが互いに交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に対応して配置された画素電極とを有してなるマトリクス構造の製造方法であって、前記ゲート線は前記スイッチング素子の開閉状態を制御する信号が与えられるものであり、前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号を前記ゲート線に印加するとともに、少なくとも前記ゲート線への検査用信号の印加時において、前記データ線に対して、前記スイッチング素子が閉状態であるならば前記画素電極に駆動レベル信号を印加し、前記検査用信号及び駆動レベル信号を印加したときに、前記駆動素子の状態を検出し、前記検出の結果に基づいて、前記マトリクス構造の一部を修正又は形成することを特徴とする。
本発明によれば、検査用信号及び駆動レベル信号を印加して駆動素子の状態を検出することにより、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの欠陥を高精度に検出することができる。さらに、本発明によれば、欠陥を検出したときはその欠陥に係るスイッチング素子を他のスイッチング素子に置き換えるなどの修正をすることができる。そこで、マトリクス構造の一部に欠陥があった場合でも、修正等してその欠陥を解消でき、高品位なマトリクス構造を安価に且つ迅速に提供することができる。
本発明によれば、検査用信号及び駆動レベル信号を印加して駆動素子の状態を検出することにより、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの欠陥を高精度に検出することができる。さらに、本発明によれば、欠陥を検出したときはその欠陥に係るスイッチング素子を他のスイッチング素子に置き換えるなどの修正をすることができる。そこで、マトリクス構造の一部に欠陥があった場合でも、修正等してその欠陥を解消でき、高品位なマトリクス構造を安価に且つ迅速に提供することができる。
また、本発明のマトリクス構造の製造方法は、前記検査用信号が、前記マトリクス構造における通常動作時(検査時に対応する概念)に前記ゲート線に与えられる走査信号に比べて、周波数がほぼ同一であってハイレベルが低い信号であり、前記検査用信号及び駆動レベル信号は前記マトリクス構造が正常である場合に、前記駆動素子の駆動状態を最大状態と最低状態との間における中間近傍の状態である中間状態にする信号であり、前記検出の結果が中間状態でないと判断したときに、該検出対象の駆動素子を駆動制御する前記スイッチング素子について修正することが好ましい。
本発明によれば、駆動素子を中間状態にして検査するので、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの欠陥を、より高精度に検出することができる。したがって、本発明は、さらに高品位なマトリクス構造を安価に且つ迅速に提供することができる。
本発明によれば、駆動素子を中間状態にして検査するので、マトリクス構造におけるスイッチング素子などの欠陥を、より高精度に検出することができる。したがって、本発明は、さらに高品位なマトリクス構造を安価に且つ迅速に提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法について、図面を参照して説明する。以下に示す実施形態では、マトリクス構造の一例として液晶表示装置の表示部を挙げる。
図1は本発明の実施形態に係るマトリクス構造の検査装置の一例を示す回路図である。本マトリクス構造の検査装置は、本発明に係るマトリクス構造の検査方法の実施に用いることができる。そこで、本マトリクス構造の検査装置の構成及び動作の説明に伴って本発明に係るマトリクス構造の検査方法を説明する。本実施形態に係るマトリクス構造の検査装置は、検査用信号印加手段20とデータ信号印加手段30とを有して構成されている。そして、本マトリクス構造の検査装置は、マトリクス構造100を検査する装置である。
先ず、マトリクス構造100について説明する。マトリクス構造100は、TFT駆動によるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置の表示部をなすものである。そして、マトリクス構造100は、Y軸方向に配置された複数のデータ線3a,3bと、X軸方向に配置された複数のゲート線4a,4b,4c,4d,4eとが格子状に交差している構造を有してなる。そして、マトリクス構造100におけるデータ線3a,3bとゲート線4a,4b,4c,4d,4eとの交差部位毎にTFT(スイッチング素子)2が配置されている。TFT2は、スイッチング素子であり、データ線3a,3bと駆動素子である液晶画素1との間の信号伝送について制御するものである。このTFT2は、例えばnチャネルTFTとする。データ線3a,3bには、そのデータ線3a,3bの近傍に配置されているTFT2のソースが電気的に接続されている。ゲート線4a,4b,4c,4d,4eには、そのゲート線4a,4b,4c,4d,4eの近傍に配置されているTFT2のゲートが電気的に接続されている。
また、マトリクス構造100におけるデータ線3a,3bとゲート線4a,4b,4c,4d,4eとの交差部位毎に、液晶画素(駆動素子)1が配置されている。液晶画素1は、TFT2を流れる信号で駆動される駆動素子をなす。そして、液晶画素1は、液晶を画素電極1aと対向電極1bとで挟持する構成を有してなる。画素電極1aは、TFT2のドレインに電気的に接続されている。対向電極1bには基準電位(例えば0ボルト)が印加されている構成となっている。また、各TFT2のドレインには、補助容量5が電気的に接続されている。
このような構成のマトリクス構造100は、TFT2によって明暗などの表示状態が駆動制御される複数の液晶画素1が碁盤の目のように配置されており、所望形状の画像を表示することができる。画像表示においては、データ線3a,3bに画像信号(データ信号)が供給され、ゲート線4a,4b,4c,4d,4eには走査信号が供給されることとなる。例えば、ゲート線4a,4b,4c,4d,4eに順次印加されるパルス状の走査信号によって、各TFT2が一定期間だけON(導通状態)となる。この一定期間に、データ線3a,3bに印加されている画像信号がTFT2を通って画素電極1aに印加される。画素電極1aに印加されされた画像信号(電位)は、補助容量5によって一定期間保持される。画素電極1aと対向電極1bで挟持されている液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化して、光の透過率を変調し、階調表示を可能にする。これにより、その液晶画素1は、一定期間、画像信号に応じたほぼ一定の明度になる。
例えば、マトリクス構造100は、ノーマリホワイト型の表示部をなすものとする。すると、画像信号のレベルがゼロレベルのとき、その液晶画素1は白表示となる。画像信号のレベルが最大レベルのとき、その液晶画素1は黒表示となる。画像信号のレベルが中間レベルのとき、その液晶画素1は灰色(中間調)表示となる。なお、図1においては、画像信号を供給する画像信号供給部及び走査信号を供給する走査信号供給部は示していない。また、各液晶画素1にカラーフィルタを重ねることにより、カラー画像を表示する構成ともなる。
また、図1に示すマトリクス構造100においては、データ線3aとゲート線4cとの交差部位の近傍に、1つの短絡欠陥111がある。この短絡欠陥111は、データ線3aとゲート線4cと交差部位近傍のTFT2のドレインとソース間を短絡する欠陥、又はそのドレインとソース間の抵抗を設計値よりも大幅に低下させている欠陥とする。短絡欠陥111は、例えばマトリクス構造100において静電破壊が起こり、TFT2のドレイン・ソース間についての物性が変化したことで生じる。あるいは、マトリクス構造100の製造工程において、配線などをなす金属パターンの残渣などからなる微小な導電性異物がTFT2の形成層に混入することにより、短絡欠陥111をなす場合もある。
次に、図1におけるマトリクス構造の検査装置について説明する。データ信号印加手段30は、データ線3a,3bに対して、駆動レベル信号を印加することができるものである。ここで、駆動レベル信号は、TFT2が充分に導通状態(閉状態)であるならば液晶画素1を最大の駆動状態(黒表示状態)にする電位レベルを有する信号である。換言すれば、駆動レベル信号は、前記画像信号における最大レベルの信号である。
また、データ信号印加手段30は、出力プローブ31を有している。そして、データ信号印加手段30は、出力プローブ31に駆動レベル信号を出力する。そこで、出力プローブ31をマトリクス構造100のデータ線3a,3bの電極17に接触させることにより、データ線3a,3bに駆動レベル信号を印加することができる。なお、データ信号印加手段30は、全てのデータ線3a,3bに同時に駆動レベル信号を出力してもよく、各データ線3a,3bについて個別に、タイミングをずらすなどして駆動レベル信号を出力してもよい。また、データ信号印加手段30は、出力についての電流制限手段を有する構成としてもよい。マトリクス構造100における短絡欠陥などにより、過大電流が流れることを回避するためである。
次に、本マトリクス構造の検査装置における主要部をなす検査用信号印加手段20について説明する。検査用信号印加手段20は、TFT2の開閉(導通)状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号をゲート線4a,4b,4c,4d,4eに印加するものである。また、検査用信号印加手段20は、出力プローブ21を有している。そして、検査用信号印加手段20は、出力プローブ21に検査用信号を出力する。そこで、出力プローブ21をマトリクス構造100のゲート線4a,4b,4c,4d,4eの電極16に接触させることにより、ゲート線4a,4b,4c,4d,4eに検査用信号を印加することができる。なお、検査用信号印加手段20は、全てのゲート線4a,4b,4c,4d,4eに同時に検査用信号を出力してもよく、各ゲート線4a,4b,4c,4d,4eについて個別に、タイミングをずらすなどして検査用信号を出力してもよい。また、検査用信号印加手段20は、出力についての電流制限手段を有する構成としてもよい。マトリクス構造100における短絡欠陥などにより、過大電流が流れることを回避するためである。
図2は、検査用信号印加手段20が出力する検査用信号の一例を示す波形図である。図2において実線で示す検査用信号P2が本発明の実施形態に係るマトリクス構造の検査方法に用いられる検査用信号である。また、図2には、マトリクス構造100の通常動作時にゲート線4a,4b,4c,4d,4eに印加される走査信号P1も、点線で示している。ここで、通常動作時とは、マトリクス構造100が完成品として液晶表示装置に組み込まれたときの動作時であり、液晶表示装置が所望の設計通りの動作をするときをいう。
検査用信号P2は、上記にようにTFT2を閾値状態にする信号である。そして、検査用信号P2の周期Tは、走査信号P1の周期Tと同一となっている。さらに、検査用信号P2のハイレベルL2は、走査信号P1のハイレベルL1よりも低く、走査信号P1のハイレベルL1とローレベルとの中間のレベルに近いレベルである。
この検査用信号P2のハイレベルL2は、TFT2が正常であって、さらにデータ線3a,3bに駆動レベル信号が印加されたときに、液晶画素1の駆動状態を最大状態(黒表示)と最低状態(白表示)との間の状態である中間状態(中間調の灰色表示)にする信号であることが好ましい。
具体的には、例えば、走査信号P1のハイレベルL1が10ボルトから15ボルトとした場合、検査用信号P2のハイレベルL2は5ボルト以下とする。なお、ゲート線4a,4b,4c,4d,4eが480本あり、1/60秒毎に全てのゲート線4a,4b,4c,4d,4eをそれぞれ選択するものとすると、周期Tは1/60Hz/480本=34.8μ秒となる。
図3はマトリクス構造100の構成要素であるTFT2の動作特性例を示す図である。図3において、横軸はTFT2のゲートに印加する電圧(ゲート電圧)であり、縦軸はそのゲート電圧においてTFT2のドレイン・ソース間に流れる電流である。この動作特性例では、TFT2のソース・ドレイン間に、上記画像信号における最大レベルの信号である駆動レベル信号を印加しているものとする。そして、図3において、実線は正常なTFT2の特性を示し、点線はドレイン・ソース間が短絡などしているリーク不良のあるTFT2の特性を示している。
TFT2のゲートに走査信号P1のハイレベルL1を印加した場合、実線は正常なTFT2に流れる電流I11とリーク不良のあるTFT2に流れる電流I12とは殆ど同じであり、電流I11と電流I12との差である電流Id1は非常に小さな値となる。したがって、この場合、正常なTFT2で駆動制御される液晶画素1及びリーク不良のあるTFT2で駆動制御される液晶画素1は、ほぼ同じ輝度又は濃度の「黒」表示となる。
TFT2のゲートに検査用信号P2のハイレベルL2を印加した場合、正常なTFT2は閾値状態となり電流I22が流れ、リーク不良のあるTFT2には電流I22に比べて明らかに大きな電流I21が流れる。すなわち、電流I21と電流I22の差である電流Id2は比較的に大きな値となる。したがって、この場合、正常なTFT2で駆動制御される液晶画素1は中間調の「灰」色表示となり、リーク不良のあるTFT2で駆動制御される液晶画素1は「黒」表示となり、表示状態に明らかな差ができる。
図4は、本実施形態のマトリク構造の検査装置によりマトリクス構造100を検査している状態を示す図である。すなわち、図4は、マトリクス構造100に対して、検査用信号印加手段20により検査用信号P2を印加するとともに、データ信号印加手段30により駆動レベル信号を印加している状態を示している。換言すれば、全てのゲート線4a,4b,4c,4d,4eに検査用信号P2が印加されているとともに、全てのデータ線3a,3bに駆動レベル信号が印加されている。
ここで、マトリクス構造100のTFT2及び液晶画素1などが正常であり欠陥がない場合、検査用信号P2及び駆動レベル信号により、液晶画素1は図4に示すように中間調の「灰」色表示となる。
一方、短絡欠陥111がある場合、その短絡欠陥111を含むTFT2において、最大レベルの画像信号である駆動レベル信号がリークしてしまう。したがって、短絡欠陥111を含むTFT2では、正常なTFT2よりも大きな電流を液晶画素1に供給する。これにより短絡欠陥111を含むTFT2で駆動制御される液晶画素1は、図4に示すように最大状態の「黒」表示又は「黒」表示に近い状態となる。
そこで、マトリクス構造100に対して検査用信号P2及び駆動レベル信号を印加してそのときのマトリクス構造100の表示状態を検出することにより、TFT2に短絡欠陥111などの異常があるか否かを検査することができる。すなわち、上記表示状態の検出において、全ての液晶画素1が所定の灰色表示であれば、そのマトリクス構造100は欠陥がないと判断することができる。一方、上記表示状態の検出において、「黒」表示又は「黒に近い灰色」表示の液晶画素1がある場合、その液晶画素1を駆動制御するTFT2にリーク不良をなす短絡欠陥111があると判断することができる。また、上記表示状態の検出において、「白」表示又は「白に近い灰色」表示の液晶画素1がある場合、その液晶画素1を駆動制御するTFT2のON抵抗が過大である等の特性不良があると判断することができる。
これらにより、本実施形態のマトリクス構造の検査装置及び検査方法によれば、TFT2のリーク不良等について、簡便に且つ正確に検査することができる。また、本実施形態によれば、検査用信号P2の周期Tが走査信号P1の周期Tと同一であるので、従来の検査装置及び方法に比べて、検査時間を短縮でき、TFT2の特性不良などに起因する点状の欠陥を高精度に且つ低コストで検出することができる。
また、本実施形態において、検査用信号P2はハイレベルL2が複数レベルであることとしてもよい。例えば検査用信号P2のハイレベルL2は、液晶画素1を中間調にする第1レベル(例えば4ボルト)と、第1レベルよりも僅かに大きい第2レベル(例えば5ボルト)と、第1レベルよりも僅かに小さい第3レベル(例えば3ボルト)とを有するものとする。そして、各レベルに対応する液晶画素1の表示状態を第1,第2,第3状態とする。第1,第2,第3状態が所定の状態となれば、TFT2などは正常であり、そうでない場合は不良と判断することができる。これらにより、TFT2のリーク不良などを、より高精度に検出することができる。
また、本実施形態において、検査用信号P2はハイレベルL2が変化するものとしてもよい。例えば検査用信号P2のハイレベルL2は、液晶画素1を中間調にするレベルを含む範囲で変化するものとする。その変化させたときの液晶画素1の表示状態を観察する。そして液晶画素1の表示状態が所定状態であれば、TFT2などは正常であり、そうでない場合は不良があると判断することができる。これらにより、TFT2のリーク不良などを、より高精度に検出することができる。
図5は、本実施形態に係るマトリクス構造の検査装置における検査用信号印加手段20の具体例を示す図である。図6は、検査用信号印加手段20の入力信号(走査信号P1)と出力信号(検査用信号P2)を示す波形図である。なお、図1から図4の構成要素又は信号と同一のものには同一符号を付けている。図5に示す検査用信号印加手段20は、可変抵抗器20Aで構成されている。
可変抵抗器20Aは、走査信号P1を分圧して検査用信号P2を生成するものである。すなわち、可変抵抗器20Aの入力端子20aは走査信号P1の信号源が電気的に接続され、入力端子20aに走査信号P1が印加される。可変抵抗器20Aの基準電位端子20cは、走査信号P1の信号源の基準電位端子及びマトリクス構造100の基準電位端子が電気的に接続される。可変抵抗器20Aの出力端子20bは、マトリクス構造100のゲート線4a,4b,4c,4d,4eが電気的に接続される。したがって、出力端子20bからは走査信号P1を分圧してなる検査用信号P2が出力され、ゲート線4a,4b,4c,4d,4eに検査用信号P2が印加される。
本実施形態によれば、マトリクス構造の検査装置の主要部をなす検査用信号印加手段20を簡素に且つコンパクトに構成でき、マトリクス構造100を高精度に検査できるマトリクス構造の検査装置を廉価で提供することができる。
また、本実施形態に係るマトリクス構造の検査装置は、マトリクス構造100自体、又はマトリクス構造100を備えてなる液晶表示装置の構成要素であってもよい。例えばマトリクス構造100に可変抵抗器20Aを内蔵させる。そして、検査時は可変抵抗器20Aで走査信号P1を分圧して検査用信号P2をゲート線4a,4b,4c,4d,4eに印加し、通常動作時は可変抵抗器20Aが分圧せずに走査信号P1をそのままゲート線4a,4b,4c,4d,4eに印加する。ここで、検査時にデータ線3a,3bに印加する画像信号は上記駆動レベル信号とする。これらにより、上記本実施形態に係るマトリクス構造の検査方法を実行することができる。
図7及び図8は、本実施形態に係るマトリクス構造の検査装置についての他の構成例を示す回路図である。図7及び図8において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。図7に示すマトリクス構造の検査装置における図1に示す検査装置との相違点は、検査用信号印加手段20の出力プローブ21が共通プローブ21aを有している点である。
共通プローブ21aは、ゲート線4a,4b,4c,4d,4eの複数の電極16に同時に接触可能な棒状の電極を有している。検査用信号印加手段20は、共通プローブ21aに検査用信号P2を出力する。これにより、共通プローブ21aを介して複数のゲート線4a,4b,4c,4d,4eに同一の検査用信号P2を印加することができる。したがって、本マトリクス構造の検査装置によれば、複数の電極16にそれぞれ出力プローブ21を接触させるよりも、簡便に、複数の電極16に共通プローブ21aを接触させることができる。そこで、本マトリクス構造の検査装置は、マトリクス構造100の検査をより容易化することができる。
図8に示すマトリクス構造の検査装置における図7に示す検査装置との相違点は、検査用信号印加手段20における共通プローブ21bがゲート線4a,4b,4c,4d,4eの複数の電極16に対して容量結合するものである点である。すなわち、検査時において共通プローブ21bと複数の電極16とは、接触させずに、所定の隙間をもって配置される。共通プローブ21bには、交流又は脈流の検査用信号P2が印加される。その検査用信号P2は、容量結合により、共通プローブ21bから複数の電極16に伝送される。そこで本マトリクス構造の検査装置は、共通プローブ21bが電極16に接触する必要がないので検査による電極16などの損傷を回避することができるとともに、より簡便かつ信頼性高く検査用信号P2を複数の電極16に印加することができる。
図9は、本実施形態に係るマトリクス構造の検査装置についての変形例を示す回路図である。なお、図9において図1に示す構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本変形例のマトリクス構造の検査装置では、図1から図8に示す上記実施形態の構成に加えて、撮像手段201、パターン認識手段202、同期化手段203及び制御手段204を有している。
撮像手段201は、例えばCCDカメラなどで構成する。そして、撮像手段201の被写体はマトリクス構造100の表示領域とする。本構成例によれば、マトリクス構造100において点状の欠陥が、例えば灰色の領域における「黒」点の画像パターンとして表示される。そこで、撮像手段201の感度及び解像度などを上げることなく、高精度に点状の欠陥などを検出することができる。
パターン認識手段202は、撮像手段201が入力した画像について、例えば点状のパターンがあるか否かについてパターン認識するものである。したがって、本変形例によれば、撮像手段201の入力画像全体についての外乱光などのノイズなどがあっても、誤検出を低減でき、高精度に点状の欠陥を検出することができる。
同期化手段203は、検査用信号印加手段20による信号の印加のタイミングと、撮像手段201が画像を検出するタイミングとを同期させるものである。制御手段204は、本マトリクス構造の検査装置全体の動作を制御するものである。本変形例によれば、同期化手段203による同期タイミングに非同期な外乱光などのノイズを除去することができる。したがって、より高精度に、点状の欠陥などを検出することができる。
(製造方法)
次に、図4を参照して、本発明の実施形態に係るマトリクス構造の製造方法について説明する。本マトリクス構造の製造方法は、図4に示すマトリクス構造100のようなマトリクス構造を製造するための方法である。そして、一旦、マトリクス構造100を製造して、そのマトリクス構造100に対して、上記実施形態のマトリクス構造の検査装置又は検査方法を用いて検査する。
次に、図4を参照して、本発明の実施形態に係るマトリクス構造の製造方法について説明する。本マトリクス構造の製造方法は、図4に示すマトリクス構造100のようなマトリクス構造を製造するための方法である。そして、一旦、マトリクス構造100を製造して、そのマトリクス構造100に対して、上記実施形態のマトリクス構造の検査装置又は検査方法を用いて検査する。
この検査においてマトリクス構造100の一部に欠陥にあることを検出した場合、その欠陥について修正して、マトリクス構造100全体を正常な構造にする。これにより、マトリクス構造100についての製造が完了する。例えば、図4に示すように、マトリクス構造100におけるデータ線3aとゲート線4cとの交差部位近傍のTFT2に短絡欠陥111があることを検出した場合、そのTFT2を予め予備としてマトリクス構造100内に形成してある正常なTFTに置き換える。また、正常なTFTに置き換えるかわりに、短絡欠陥のあるTFT2を正常なTFTに修復することとしてもよい。また、短絡欠陥のあるTFT2の近傍に正常なTFTを別途形成してもよい。
これらにより、本実施形態のマトリクス構造の製造方法によれば、高品位なマトリクス構造を安価に且つ迅速に提供することができ、例えば、大画面の液晶表示装置を安価に且つ迅速に提供することができる。
(応用例)
図10は、本実施形態の応用例に係る液晶表示装置の要部を示す平面図である。この液晶表示装置の要部は、上記本実施形態に係るマトリクス構造の検査方法およびマトリク構造の検査装置で欠陥検査されるマトリクス構造を有してなるものである。なお、図10において、図1に示す構成要素と同一のものには同一符号を付けている。
図10は、本実施形態の応用例に係る液晶表示装置の要部を示す平面図である。この液晶表示装置の要部は、上記本実施形態に係るマトリクス構造の検査方法およびマトリク構造の検査装置で欠陥検査されるマトリクス構造を有してなるものである。なお、図10において、図1に示す構成要素と同一のものには同一符号を付けている。
本液晶表示装置の要部は、マトリクス構造100に相当する構成をなすTFTアレイ基板7を有する。そして、図10に示すように、TFTアレイ基板7上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる複数の画素電極1a(輪郭を破線で示す)がマトリクス状に配置されており、画素電極1aの紙面縦方向に延びる辺に沿ってデータ線3(輪郭を2点鎖線で示す)が設けられ、紙面横方向に延びる辺に沿ってゲート線(走査線)4および容量線6(ともに輪郭を実線で示す)が設けられている。
本液晶表示装置の要部において、ゲート線4は、複数のデータ線3に交差する主ゲート線4Aと、該主ゲート線4Aから分岐して延びた分岐ゲート線4Bとを備え、ポリシリコン膜からなる半導体層(第1の容量電極)8(輪郭を1点鎖線で示す)には、分岐ゲート線4Bおよび主ゲート線4Aに交差するL字状部8aが形成されている。すなわち、このL字状部8aは、主ゲート線4Aおよび分岐ゲート線4Bと交差して、2つのチャネル領域を形成している。
半導体層8のL字状部8aの両端にコンタクトホール9,10が形成され、一方のコンタクトホール9はデータ線3と半導体層8のソース領域とを電気的に接続するソースコンタクトホールとなり、他方のコンタクトホール10はドレイン電極11(輪郭を2点鎖線で示す)と半導体層8のドレイン領域とを電気的に接続するドレインコンタクトホールとなっている。すなわち、ソースコンタクトホール9とドレインコンタクトホール10とは、ゲート線4を挟んで互いに反対側に配設されている。また、ドレイン電極11上のドレインコンタクトホール10が設けられた側と反対側の端部には、ドレイン電極11と画素電極1aとを電気的に接続するための画素コンタクトホール12が形成されている。
本液晶表示装置の要部におけるTFT2は、半導体層8のL字状部8aで主ゲート線4Aおよび分岐ゲート線4Bに交差しており、半導体層8とゲート線4が2回交差していることになるため、1つの半導体層上に2つのゲートを有するTFT、いわゆるデュアルゲート型TFTを構成する。また、容量線6はゲート線4に沿って紙面横方向に並ぶ画素を貫くように延びるとともに、分岐した一部6aがデータ線3に沿って紙面縦方向に延びている。そこで、ともにデータ線3に沿った半導体層8と容量線6とによって蓄積容量5が形成されている。なお、本実施形態では、分岐ゲート線4Bの半分を、データ線3の幅を拡げた幅広部3Aで覆うことにより、この部分のチャネル領域に光が入ることを抑制している。
図11は、TFTアレイ基板7の断面構造を示す図である。図11に示すように、TFTアレイ基板7はガラス基板41を支持基板として内面上に下地絶縁膜42を介してTFT2が形成されている。該TFT2は、ゲート線4、該ゲート線4からの電界によりチャネルが形成される半導体層8のチャネル領域50、ゲート線4と半導体層8とを絶縁する絶縁薄膜であるゲート絶縁膜44、データ線3、半導体層8のソース領域49及びドレイン領域51を備えている。
また、ゲート線4及びゲート絶縁膜44上を含むガラス基板41上には、ソース領域49へ通じるソースコンタクトホール9及びドレイン領域51へ通じるドレインコンタクトホール10がそれぞれ形成された第1層間絶縁層52が形成されている。つまり、データ線3は、第1層間絶縁層52を貫通するソースコンタクトホール9を介してソース領域49に電気的に接続されている。さらに、データ線3及び第1層間絶縁層51上には、ドレイン領域51へ通じるドレインコンタクトホール10が形成された第2層間絶縁層53が形成されている。つまり、ドレイン領域51は、第1層間絶縁層52及び第2層間絶縁層53を貫通するドレインコンタクトホール10を介してドレイン電極11及び画素電極1aに電気的に接続されている。また、第2層間絶縁層53及び画素電極1a上には、ラビング処理により一定のラビング方向Yに配向処理が施された配向膜54が設けられている。この配向膜54は、ポリイミド系の高分子樹脂からなる水平配向膜である。
なお、上記幅広部(遮光層)3A及び容量線(遮光層)6は、各画素の表示領域以外の領域を遮光するいわゆるブラックマトリクスとして機能する。すなわち、幅広部3A及び容量線6は、ディスクリネーション部を隠す機能に加え、対向基板15の側からの入射光がTFT2の半導体層8におけるチャネル領域50、ソース領域49及びドレイン領域51等に侵入することを防止すると共に、コントラスト比の向上、カラーフィルタ色材の混色防止等の機能を有している。
本液晶表示装置の要部では、幅広部3A及び容量線6と画素電極1aとの重なり部(図10中のハッチング部分)が、画素電極1aの周縁部分のうちラビング方向Yの逆方向側の周縁部分(ディスクリネーションが大きい領域)と重なる領域がラビング方向Yの順方向側の周縁部分(ディスクリネーションが小さい領域)よりも広く形成されている。すなわち、重なり部aより重なり部bの幅が広いとともに、重なり部dより重なり部cの幅が広く設定され、重なり部が左右及び上下で非対称になっている。なお、これらの重なり部a,b,c,dの幅は、その部分で生じるディスクリネーションの範囲に応じて決定される。
図12はTFTアレイ基板7を有してなる液晶表示装置40の全体構成を示す平面図である。すなわち、図12は本実施形態の応用例に係る液晶表示装置40の全体構成を示している。図13は図12に示す液晶表示装置40の断面図である。液晶表示装置40は、TFTアレイ基板7と対向基板15とで液晶層116を挟持した構成を有している。
図12および図13において、TFTアレイ基板7の上には、シール材28がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して額縁としての遮光膜29が設けられている。シール材28の外側の領域には、データ線駆動回路130および外部回路接続端子31がTFTアレイ基板7の一辺に沿って設けられており、ゲート線駆動回路32がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。ゲート線4に供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、ゲート線駆動回路32は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路130を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば、奇数列のデータ線3は画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線3は前記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。このようにデータ線3を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。さらに、TFTアレイ基板7の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられたゲート線駆動回路32間をつなぐための複数の配線33が設けられている。また、内側に対向電極が形成された対向基板15のコーナー部の少なくとも1箇所には、TFTアレイ基板7と対向基板15との間で電気的導通をとるための導通材34が設けられている。そして、シール材28とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板15が該シール材28によりTFTアレイ基板7に固着されている。
本液晶表示装置40では、幅広部3A及び容量線6と画素電極1aとの重なり部において、画素電極1aの周縁部分のうちラビング方向Yの逆方向側の周縁部分と重なる領域がラビング方向Yの順方向側と重なる領域よりも広く形成されているので、ラビング方向で決まるディスクリネーションの大きさに応じて適切な大きさのブラックマトリクス(重なり部)が配置されて、開口部からディスクリネーションが出ることを防ぐことができるとともに、ディスクリネーションが小さい部分において必要以上に遮光しないことにより開口率を向上させることができる。
なお、上記液晶表示装置40では、遮光層としてデータ線3の一部である幅広部3A及び容量線6を用いたが、これらとは別に遮光層を設けても構わない。例えば、対向基板15の内側にブラックマトリクスを形成してもよい。但し、本液晶表示装置40のようにデータ線3の幅広部3A及び容量線6をブラックマトリクスとしても機能させれば、別個にブラックマトリクスとなる遮光層を対向基板15等に設ける必要が無く、構造の簡略化及び製造工程の削減を図ることができる。
さらに、液晶表示装置40の構成要素であるTFTアレイ基板7の製造工程では、本発明の実施形態に係るマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法を用いている。これにより、TFT2のリーク不良などが高精度に且つ低コストで検出されており、その不良を回避又は修正した液晶表示装置40を製造することができる。したがって、本応用例によれば、高品位且つ低価格の液晶表示装置40を提供することができる。
(電子機器)
次に上記応用例の液晶表示装置40を構成要素とする他の電子機器について説明する。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記応用例の液晶表示装置40を有してなる表示部を示している。図14(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図14(b)において、符号600は時計本体を示し、符号601は上記応用例の液晶表示装置40を有してなる表示部を示している。図14(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14(c)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記応用例の液晶表示装置40を有してなる表示部、符号703は情報処理装置本体を示している。
次に上記応用例の液晶表示装置40を構成要素とする他の電子機器について説明する。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記応用例の液晶表示装置40を有してなる表示部を示している。図14(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図14(b)において、符号600は時計本体を示し、符号601は上記応用例の液晶表示装置40を有してなる表示部を示している。図14(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14(c)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記応用例の液晶表示装置40を有してなる表示部、符号703は情報処理装置本体を示している。
図14に示す電子機器は、上記応用例の液晶表示装置40を有しているので、信頼性が高く、高性能であり、かつ低コストで製造できる電子機器となることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、マトリクス構造の一例として液晶表示装置に用いられるものを挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マトリクス構造を有する各種装置に適用することができる。すなわち、本発明に係るマトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法の適用対象は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などからなるメモリ集積回路又は撮像素子集積回路などのマトリクス構造が挙げられる。
また、上記実施形態ではノーマリホワイト型の液晶表示装置について説明したが、ノーマリブラック型の表示装置にも本発明を適用することができる。また、上記実施形態では検査用信号P2として矩形波を挙げているが、矩形波以外の波形(例えば三角波、ノコギリ波、サイン波など)を検査用信号P2に適用してもよい。
1…液晶画素、1a…画素電極、1b…対向電極、2…TFT、3a,3b…データ線、4a,4b,4c,4d…ゲート線(走査線)、5…補助容量、16,17…電極、20…検査用信号印加手段、20A…可変抵抗器、30…データ信号印加手段、100…マトリクス構造、111…短絡欠陥、L1,L2…ハイレベル、P1…走査信号、P2…検査用信号、T…周期
Claims (15)
- X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが互いに交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に対応して配置された画素電極とを有してなるマトリクス構造の検査方法であって、
前記ゲート線は、前記スイッチング素子の開閉状態を制御する信号が与えられるものであり、
前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号を前記ゲート線に印加することを特徴とするマトリクス構造の検査方法。 - 前記スイッチング素子は、前記データ線と前記画素電極との間の信号伝送について制御するものであり、
少なくとも前記ゲート線への検査用信号の印加時において、前記データ線に対して、前記スイッチング素子が閉状態であるならば前記画素電極に駆動レベル信号を印加することを特徴とする請求項1に記載のマトリクス構造の検査方法。 - 前記検査用信号は、前記スイッチング素子が正常であって、さらに前記データ線に駆動レベル信号が印加されたときに、前記画素電極に供給される信号に基づいて駆動される駆動素子の駆動状態を最大状態と最低状態との間の状態である中間状態にする信号であることを特徴とする請求項2に記載のマトリクス構造の検査方法。
- 前記検査用信号は、前記マトリクス構造の通常動作時に前記ゲート線に印加される走査信号の周波数とほぼ同一の周波数の信号であり、
前記検査用信号のハイレベルは、前記走査信号のハイレベルとローレベルとの中間に近いレベルであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマトリクス構造の検査方法。 - 前記ゲート線に検査用信号を印加したときに、前記駆動素子の状態を検出し、
前記検出の結果に基づいて、前記スイッチング素子に欠陥があるか否か判断することを特徴とする請求項3または4に記載のマトリクス構造の検査方法。 - 前記マトリクス構造は、液晶表示装置の構成要素であり、
前記駆動素子は、前記画素電極と対向電極とで挟持された液晶を有してなる画素であり、
前記スイッチング素子は、薄膜トランジスタであり、
前記薄膜トランジスタのゲートは、前記ゲート線に接続されており、
前記薄膜トランジスタは、前記データ線から前記画素電極に流れる信号の量又はレベルを制御するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のマトリクス構造の検査方法。 - 前記駆動素子の中間状態は、前記画素における中間調の表示状態であることを特徴とする請求項6に記載のマトリクス構造の検査方法。
- 前記検査用信号のハイレベルについて、複数レベルにすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のマトリクス構造の検査方法。
- 前記検査用信号のハイレベルについて、変化させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のマトリクス構造の検査方法。
- X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが互いに交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に対応して配置された画素電極とを有してなるマトリクス構造の検査装置であって、
前記マトリクス構造における通常動作時に前記ゲート線に与えるられる走査信号に比べて、周波数がほぼ同一であってハイレベルが低い信号である検査用信号を、前記ゲート線に印加する検査用信号印加手段を有することを特徴とするマトリクス構造の検査装置。 - 前記検査用信号を前記ゲート線に印加するとき、前記マトリクス構造における通常動作時に前記データ線に与えられるデータ信号における最大レベルの信号を、該データ線に印加するデータ信号印加手段を有することを特徴とする請求項10に記載のマトリクス構造の検査装置。
- 前記マトリクス構造におけるスイッチング素子は、ゲート線に印加される信号で開閉状態が制御されるものであり、
前記検査用信号のハイレベルは、前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にするレベルであることを特徴とする請求項10又は11に記載のマトリクス構造の検査装置。 - 前記検査用信号印加手段は、入力信号の電圧を分圧する可変抵抗器を有してなり、
前記可変抵抗器の入力端子は、前記マトリクス構造のゲート線に印加される走査信号の信号源に電気的に接続されるものであり、
前記可変抵抗器の分圧端子は、前記マトリクス構造のゲート線に電気的に接続されるものであることを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載のマトリクス構造の検査装置。 - X軸方向に配置された複数のゲート線とY軸方向に配置された複数のデータ線とが互いに交差している構造と、該交差部位に配置されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に対応して配置された画素電極とを有してなるマトリクス構造の製造方法であって、
前記ゲート線は、前記スイッチング素子の開閉状態を制御する信号が与えられるものであり、
前記スイッチング素子の開閉状態における開状態と閉状態との間の状態である閾値状態にする検査用信号を前記ゲート線に印加するとともに、
少なくとも前記ゲート線への検査用信号の印加時において、前記データ線に対して、前記スイッチング素子が閉状態であるならば前記画素電極に駆動レベル信号を印加し、
前記検査用信号及び駆動レベル信号を印加したときに、前記駆動素子の状態を検出し、
前記検出の結果に基づいて、前記マトリクス構造の一部を修正又は形成することを特徴とするマトリクス構造の製造方法。 - 前記検査用信号は、前記マトリクス構造における通常動作時に前記ゲート線に与えられる走査信号に比べて、周波数がほぼ同一であってハイレベルが低い信号であり、
前記検査用信号及び駆動レベル信号は、前記マトリクス構造が正常である場合に、前記駆動素子の駆動状態を最大状態と最低状態との間における中間近傍の状態である中間状態にする信号であり、
前記検出の結果が中間状態でないと判断したときに、該検出対象の駆動素子を駆動制御する前記スイッチング素子について修正することを特徴とする請求項14に記載のマトリクス構造の製造方法。
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JP2005079152A JP2006258712A (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | マトリクス構造の検査方法、マトリクス構造の検査装置およびマトリクス構造の製造方法 |
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WO2024192811A1 (zh) * | 2023-03-17 | 2024-09-26 | 惠州华星光电显示有限公司 | 显示面板及其驱动方法、电子装置 |
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2005
- 2005-03-18 JP JP2005079152A patent/JP2006258712A/ja not_active Withdrawn
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