JP2006258622A - 酸素ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質の局部的な温度斑を抑えて割れを防止し、加熱手段から効率よく固体電解質に熱伝達して必要な電力を低減させた酸素ポンプを提供することを目的とする。
【解決手段】酸素イオン導電性の固体電解質15と、固体電解質15の両面に形成された正極第一電極膜16および負極第一電極膜17と、正極、負極第一電極膜16、17の面上に形成された正極第二電極膜21および負極第二電極膜22と、正極、負極第二電極膜21、22の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質15側に絶縁配置した加熱用抵抗体19とを有する。これによって、固体電解質15は加熱用抵抗体19によって加熱されるため、エネルギー損失が小さくなる。また加熱用抵抗体19の熱は第二電極膜によって全面に熱伝達され、固体電解質上の温度が均一化し、温度斑による割れが防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学的に酸素イオンを移動させることにより、一方の空間から酸素を排気したり、一方の空間へ酸素を富化したりする酸素ポンプに関するものである。
従来、この種の酸素ポンプの基本素子構成として、図3に示すような構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、酸素イオン導電性の固体電解質1の両側に電極膜2、3が形成され、それぞれの電極膜2、3との接点からリード部材4、5が取り出されて電源(図示せず)に接続されている。酸素イオン導電性基板1は支持部材6によって固定されている。
また、この種の酸素ポンプとして、図4に示すような構成のものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この酸素ポンプは、アルミナなどの多孔質基板7に形成された負電極8と酸素イオン導電性基板9と正電極10とから構成されている。ここで、加熱手段は、アルミナなどの絶縁性基板11上に導電性ペーストを印刷によってパターン形成した抵抗体12から構成され、加熱手段は筐体13に内包されず大気に解放された状態で配置されている。ここで、抵抗体12によって酸素イオン導電性基板9を加熱し、負電極8と正電極9の間に直流電圧を印加すると、図中矢印で示すように、負電極8上で解離吸着された空気中の酸素は酸素イオンとして酸素イオン導電性基板9中を移動し、正電極10に運ばれ、酸素分子となって大気中に放出される。これによって、筐体13を取り付けた容器内の酸素濃度を減少させることができるというものである。
特開2000−86204号公報 特開平11−23525号公報
しかしながら、前記従来の酸素ポンプ素子(特許文献1)では、動作時に発生する熱がリード部材4、5に集中し、固体電解質1に局部的な温度斑部分が生じるため、熱応力によって割れが生ずるという課題があった。
また、従来の酸素ポンプ(特許文献2)では、抵抗体12が大気に解放された状態にあるので、抵抗体12からの熱エネルギーは酸素イオン導電性基板9だけでなく大気中の空気の加熱にも使われ、その結果、熱効率が低下して消費電力が高くなるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、固体電解質に生ずる局部的な温度斑を抑えることによって割れを防止し、加熱手段からの熱を効率よく固体電解質に伝達して加熱に必要な電力を低減させた酸素ポンプを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素ポンプは、酸素イオン導電性の固体電解質と、前記固体電解質の両面に形成された金属酸化物を主体とする正極第一電極膜および負極第一電極膜と、前記正極、負極第一電極膜の面上に形成された貴金属を主体とする正極第二電極膜および負極第二電極膜と、前記正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置した加熱用抵抗体とを有するものである。
これによって、固体電解質は第二電極膜の加熱用抵抗体によって加熱されるため、エネルギー損失が小さくなる。また加熱用抵抗体の熱は導電性の第二電極膜によって全面に熱伝達されるため、固体電解質上の温度が均一化し、温度斑による割れを防止することができる。
本発明の酸素ポンプでは、動作時に必要な加熱電力を抑え、動作時に生ずる固体電解質の面上の温度斑を抑えることができる。
第1の発明は、酸素イオン導電性の固体電解質と、前記固体電解質の両面に形成された金属酸化物を主体とする正極第一電極膜および負極第一電極膜と、前記正極、負極第一電極膜の面上に形成された貴金属を主体とする正極第二電極膜および負極第二電極膜と、前記正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置した加熱用抵抗体とを有する酸素ポンプとすることにより、固体電解質は第二電極膜の加熱用抵抗体によって加熱されるため、エネルギー損失が小さくなる。また加熱用抵抗体の熱は導電性の第二電極膜によって全面に熱伝達されるため、固体電解質上の温度が均一化し、温度斑による割れを防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、加熱用抵抗体を正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置することに代えて、加熱用抵抗体を正極、負極第一電極膜の少なくとも一方の第一電極膜の固体電解質側に絶縁配置したことにより、第1の発明と同様、エネルギー損失が小さく、固体電解質上の温度が均一化し、温度斑による割れを防止することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、加熱用抵抗体を正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置することに代えて、加熱用抵抗体を正極、負極第一電極膜の少なくとも一方の第一電極膜に設けた空隙の一部に第一電極膜と接することなく配置したことにより、第1の発明と同様、エネルギー損失が小さく、固体電解質上の温度が均一化し、温度斑による割れを防止することができるとともに、加熱用抵抗体の固体電解質側の絶縁層を形成させる工程を省くことができ、製造工程を簡素化できる。
第4の発明は、特に、第1の発明において、加熱用抵抗体を正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置することに代えて、加熱用抵抗体を正極第二電極膜の下層のみに配置したことにより、動作時の消費電力の減少させるだけでなく、動作性能の低下を抑えることができる。すなわち、酸素ポンプでは、酸素イオンの移動性能を律する部分は第二電極膜の面積であり、特に、負極第二電極膜に依存している。このため、加熱用抵抗体を正極第二電極膜の下層のみに配置しても性能低下が少ない。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、加熱用抵抗体を絶縁配置する絶縁物が、SiO2−B23−MgO−BaO系のアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有する結晶化ガラスであることにより、約800℃で焼成してある程度結晶化したガラスセラミック状態となり、固体電解質若しくは第一電極膜または加熱用抵抗体との密着性を保持させることができ、また、加熱用抵抗体と電極膜との絶縁も十分に確保することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、固体電解質がランタンガレートであることにより、ランタンガレートはランタンとガリウムを主成分としたペロブスカイト型複合金属酸化物であり、低温でも高い酸素イオン導電性を示す。したがって、酸素ポンプの動作温度を低く設定しても所定の性能を確保でき、熱応力による固体電解質の割れを抑えることができる。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、正極、負極第二電極膜の外周部に接合した金属箔部材を有することにより、固体電解質の周囲に導電性のよい材料を接触させることで、固体電解質の温度斑をさらに抑えることができる。また、金属箔部材は柔軟性があるため、熱応力によるストレスを吸収する働きがある。これらにより、熱応力による固体電解質の割れを防止することができる。
第8の発明は、特に、第7の発明において、金属箔部材がアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスであることにより、高温による酸化劣化に対して優れた防止効果を得られるようになり、800℃付近での長期使用に対しても安定した導電性を維持することができる。すなわち、固体電解質の温度斑を抑えることができ、熱応力による固体電解質の割れを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における酸素ポンプを示すものである。
図に示すように、本実施の形態における酸素ポンプは、酸素イオン導電性の固体電解質15と、固体電解質15の両面に形成された金属酸化物を主体とする正極第一電極膜16および負極第一電極膜17と、正極、負極第一電極膜16、17の面上に形成された貴金属を主体とする正極第二電極膜21および負極第二電極膜22と、正極、負極第二電極膜21、22間に電圧を印加する電源(図示せず)と、正極、負極第二電極膜21、22の少なくとも一方の第二電極膜(本実施の形態では21)の固体電解質15側に第一、第二絶縁層18、20で絶縁されて配置された加熱用抵抗体19と、正極、負極第二電極膜21、22の外周部に接合した金属箔部材23、24と、各金属箔部材23、24に接続したリード部材25、26とを有する。
前記固体電解質15は、ランタンガレート(La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3)の焼結体を平板状に成型したものであり、具体的には、寸法20×20mm、厚み100μmである。固体電解質15の正極側に正極第一電極膜16と負極側に負極第一電極膜17が酸素イオン導電性を発現するように結合されている。
正極第一電極膜16と負極第一電極膜17には、導電性を有するペロブスカイト型複合酸化物を用いた。具体的には、Sm0.5Sr0.5CoO3を有機溶剤であるセルロース系ビヒクルと混合したペーストを、スクリーン印刷により印刷膜を形成し、乾燥後、1100℃にて焼成することにより膜厚約10μmの多孔性を有したものである。
そして、第一絶縁層18には、SiO2−B23−MgO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を20wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を約1.0wt%含有する結晶化ガラスを使用した。第一絶縁層18の材料は先ず1300℃にて溶解後、ロール冷却機にてカレット状態に加工され、その後、さらにボールミルなどにて所定の粒度に粉砕される。粉砕されたガラス粒子を印刷ペーストに加工して供した。結晶化ガラスの結晶化開始温度は約770℃であるため、印刷後、900℃で焼成すると結晶化が進み、耐熱衝撃性に強い第一絶縁層18が形成される。
さらに、第一絶縁層18の上面には加熱用抵抗体19が形成されている。加熱用抵抗体19はAgPd(Ag:Pd=70:30)ペーストに絶縁層を構成する結晶化ガラス粒子を10wt%添加したものを使用した。同様に乾燥後、900℃にて焼成することにより形成した。ここでは蛇行型構造を形成させたが、正極第一電極膜16の全体に広く形成する構造であれば、はしご型、渦巻き型、環状型構造でもよい。
さらに、第一絶縁層18と加熱用抵抗体19の上面には、第二絶縁層20を形成している。形成方法は第一絶縁層18と同様である。ここで、加熱用抵抗体19は、白金、金、銀、パラジウム、ロジウムの少なくとも1種で構成されたものでもよい。加熱用抵抗体19を第一、第二絶縁層18、20で完全被覆することにより、各電極膜との短絡を防止することができ、また、加熱用抵抗体19を固定できるため、断線を抑えることができる。したがって、動作時の消費電力を減少させ、固体電解質15の熱応力による割れと加熱用抵抗体19の断線を防止することができる。なお、本実施の形態では、第一絶縁層18と加熱用抵抗体19と第二絶縁層20の各層を別々に焼成させたが、同時焼成して密着性向上を狙ってもよい。
次に、正極、負極第一電極膜16、17の面上には、第二電極膜としてそれぞれAuの多孔性導電膜である正極第二電極膜21と負極第二電極膜22を形成して積層させた。この場合、Auペーストを使い、スクリーン印刷により印刷膜を形成し、乾燥後、800℃にて焼成することにより膜厚約5μmの導電膜を得た。ここで、正極第二電極膜21上に加熱用抵抗体19を形成させないのは、正極第二電極膜21の焼成温度が、加熱用抵抗体19の焼成温度と比べて低いからである。
さらに、正極、負極第一電極膜16、17には導電性を有する金属箔部材23、24が接続されている。金属箔部材23、24としてはFe−20Cr−5Al、厚さ10μmを使用し、電極面が露出するように中央に開口部が設けられている。接合にはAuペーストを用い、乾燥後、750℃にて焼成することによって形成した。
以上のように構成された酸素ポンプについて、以下その動作、作用を説明する。なお、図4の従来例における筐体13に相当するケースは図示していないが、同様に構成することができる。
まず、酸素ポンプは、室内空気などの大気中に置かれる。この時、窒素や酸素などの大気成分(以下、単に窒素、酸素とする)は、酸素ポンプの周りを覆う通気性の断熱材(図示せず)を通過して正極第二電極膜21および負極第二電極膜22の表面まで拡散した状態で安定している。
この状態において加熱用抵抗体19に通電すると、固体電解質15の温度が上昇する。固体電解質15は動作するに必要な温度である約600℃まで加熱される。但し、この温度に限定されるものではなく、固体電解質15の特性に合わせて、また使用用途に合わせて任意の温度での動作も可能である。本実施の形態では、加熱用抵抗体19に18Wの電力を使用することで固体電解質15を約40秒で600℃にすることができた。また定常状態では600℃を維持するために必要な電力は11Wであった。
固体電解質15の酸素イオン導電可能な温度に達した時点で、正極第二電極膜21と負極第二電極膜22の間に1.0〜1.5V程度の電圧を印加すると、負極第二電極膜22の表面近傍の酸素が、電気化学反応によって負極第二電極膜22から固体電解質15の内部を酸素イオンとして、正極第二電極膜21へと移動し、正極第二電極膜21の表面から再結合された酸素分子として放出される。
この時、固体電解質15には大電流が流れることによって自己発熱する。例えば、0.5〜2.0A/cm2の電流を流すことになる。したがって、使用される金属箔部材23、24も600℃の雰囲気温度に加えて高温状態に曝されることになる。金属箔部材23、24の表面上に形成された導電膜は大電流に対する集電性を向上させるとともに、金属箔の表面酸化に対しても効果的に防御させることができる。
正極第二電極膜21の表面近傍は、純酸素に近い状態となるが、ガスリークの完全な防止ができない限り、正極第二電極膜21の表面から離れるとともに、排出された酸素はリークしたガスと自然に混合される。したがって、空間を区画する手段となる金属箔部材23、24が、負極第二電極膜22からのガスリークを防ぐ手段として有効に作用する。一方、窒素は負極第二電極膜22の側に残される。残された窒素は大気中に拡散していくとともに、負極第二電極膜22には新たな酸素が外部より供給される。
以上のように、本実施の形態では、固体電解質15と正極第一電極膜16と負極第一電極膜17とを酸素イオン導電性を発現するように結合させ、固体電解質15と金属箔部材23、24を介して空間部を区画してガスリークを抑制し、加熱昇温と電圧印加を行うことにより、酸素分子を正極第二電極膜21から放出させ、酸素富化された混合ガスを生成することとなる。
本実施の形態との比較例として、固体電解質15をリボンヒータによって間接加熱した場合には、立ち上げ時、リボンヒータに40Wの電力を使用することで固体電解質15を約40秒で600℃にすることができ、定常状態で600℃に維持するために必要な電力は28Wであった。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における酸素ポンプを示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態における酸素ポンプは、正極、負極第一電極膜16、17の少なくとも一方の第一電極膜(本実施の形態では16))に空隙27を設け、この空隙27の一部に加熱用抵抗体19を第一電極膜と接することがないように間隔をおいて配置したものである。また、加熱用抵抗体19上には、正極第二電極膜21と短絡しないように絶縁層28が形成されている。構成材料および寸法は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、実施の形態1と同様、エネルギー損失が小さく、固体電解質15上の温度が均一化し、温度斑による割れを防止することができた。また、加熱用抵抗体19の固体電解質15側の絶縁層を形成させる1工程を省くことができ、製造工程を簡素化できる。
なお、本実施の形態との比較例として、固体電解質15をリボンヒータによって間接加熱した場合には、立ち上げ時、リボンヒータに40Wの電力を使用することで固体電解質15を約60秒で600℃にすることができ、定常状態で600℃に維持するために必要な電力は30Wであった。
上記した各実施の形態1、2では、絶縁層18、20、28および加熱用抵抗体19を固体電解質15の正極側だけに配設した場合を図示したが、これに限定されず正極側にも配設した場合でもよい。また、固体電解質15に対して酸素イオン導電の要求特性が低い場合、例えば、電流密度1A/cm2以下であれば、固体電解質15の両面に絶縁層(ガラスセラミック膜)および加熱用抵抗体19を配設しても構わない。しかし、要求特性が電流密度1〜3A/cm2であれば正極側だけに配設することが好ましい。すなわち、固体電解質15で酸素イオンを移動させる場合に表面反応を律するのは負極側電極膜であるため、加熱用抵抗体19を正極側電極膜上に設けても特性低下は少ないからである。
また、各実施の形態1、2では、絶縁層18、20、28としてSiO2−B23−MgO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を20wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を1.0wt%含有するものを使用したが、これに限定されるものではない。電極膜との充分な絶縁性が維持でき、製造工程での処理温度に不具合を生じないものであればよい。アルカリ金属の酸化物含有率を抑えることでガラスの特性は高温化し、アルカリ土類金属酸化物の含有率を20wt%とすることで結晶化開始温度は850〜900℃とすることができる。その結果、Auペーストの焼成温度より高く設定することができる。
また、各実施の形態1、2では、固体電解質15としてランタンガレートを使用したが、これに限定させるものではなく、イットリウムドープ型のジルコニア(YSZ)、サマリウムドプ型のセリア(SDC)などであってもよい。ただし、現状ではランタンガレート系の材料が酸素イオン導電体として動作温度が低いので、材料の耐久性を鑑みた場合、もっとも好ましい材料といえる。
また、金属箔部材23、24としてFe−20Cr−5Alの材料を使用したが、これに限定させるものではなく、高温酸化に対して耐久性を有する材料であれば他の金属箔材料を使用することができる。しかし、現状ではアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスが高温酸化に対して優れた特性を有していた。さらに、耐高温酸化性を向上させる目的で希土類金属を添加することも可能である。また、厚み10μmを使用したが金属箔部材23、24としては5〜20μmが好ましいと考えられる。すなわち、加熱用抵抗体19で発生した熱を外周部方向へと伝熱拡散させないためには厚みが薄いほど好ましいが、5μm以下になると製造時でのハンドリングが悪くなるためである。
以上のように、本発明にかかる酸素ポンプは、動作時に必要な加熱電力を抑え、動作時に生ずる固体電解質の面上の温度斑を抑えることができるので、酸素を利用する空気清浄機や空調機器あるいは健康促進機器、健康増進機器など広範な用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における酸素ポンプの断面図 本発明の実施の形態2における酸素ポンプの断面図 従来例を示す酸素ポンプ素子の断面図 従来例を示す酸素ポンプの断面図
符号の説明
15 固体電解質
16 正極第一電極膜
17 負極第一電極膜
18 第一絶縁層
19 加熱用抵抗体
20 第二絶縁層
21 正極第二電極膜
22 負極第二電極膜
23、24 金属箔部材
27 空隙
28 絶縁層

Claims (8)

  1. 酸素イオン導電性の固体電解質と、前記固体電解質の両面に形成された金属酸化物を主体とする正極第一電極膜および負極第一電極膜と、前記正極、負極第一電極膜の面上に形成された貴金属を主体とする正極第二電極膜および負極第二電極膜と、前記正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置した加熱用抵抗体とを有する酸素ポンプ。
  2. 加熱用抵抗体を正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置することに代えて、加熱用抵抗体を正極、負極第一電極膜の少なくとも一方の第一電極膜の固体電解質側に絶縁配置した請求項1に記載の酸素ポンプ。
  3. 加熱用抵抗体を正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置することに代えて、加熱用抵抗体を正極、負極第一電極膜の少なくとも一方の第一電極膜に設けた空隙の一部に第一電極膜と接することなく配置した請求項1に記載の酸素ポンプ。
  4. 加熱用抵抗体を正極、負極第二電極膜の少なくとも一方の第二電極膜の固体電解質側に絶縁配置することに代えて、加熱用抵抗体を正極第二電極膜の下層のみに配置した請求項1に記載の酸素ポンプ。
  5. 加熱用抵抗体を絶縁配置する絶縁物が、SiO2−B23−MgO−BaO系のアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有する結晶化ガラスである請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素ポンプ。
  6. 固体電解質がランタンガレートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素ポンプ。
  7. 正極、負極第二電極膜の外周部に接合した金属箔部材を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸素ポンプ。
  8. 金属箔部材がアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスである請求項7に記載の酸素ポンプ。
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