JP2006258620A - タイヤ劣化促進処理方法及びタイヤ耐久試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づけることが可能なタイヤ劣化促進処理方法及び該処理方法を用いたタイヤ耐久試験方法を提供する。
【解決手段】無負荷状態の空気入りタイヤ1の表面及び内部を表面温度40〜100℃、内部温度60〜140℃で内部温度を表面温度以上に維持しながら少なくとも24時間加熱する。
【選択図】図1
【解決手段】無負荷状態の空気入りタイヤ1の表面及び内部を表面温度40〜100℃、内部温度60〜140℃で内部温度を表面温度以上に維持しながら少なくとも24時間加熱する。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤ劣化促進処理方法及びタイヤ耐久試験方法に関し、更に詳しくは、比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づけることができるタイヤ劣化促進処理方法及び該処理方法を用いたタイヤ耐久試験方法に関する。
従来、タイヤの耐久性試験として、空気入りタイヤをドラム耐久試験機に取り付けて耐久試験を行う前に、空気入りタイヤを予め劣化促進処理する前処理工程を行うようにしたタイヤ耐久試験方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
空気入りタイヤは、空気中に存在する酸素や走行中の発熱などの熱により経年劣化することが知られているが、上記のように劣化促進処理を施すことにより、新品のタイヤにおいて、短期間に効率良く実使用における市場レベルの経年劣化を再現してタイヤの耐久性を評価できる。
しかしながら、中近東などの比較的暑い地域(タイヤ温度が約60〜70℃になる地域)で使用される空気入りタイヤでは、市場レベルの熱酸化疲労の状態を必ずしも再現できているとは言えず、その結果、耐久試験結果のバラツキが大きく、精度良く再現評価することが難しいという問題があった。
特開2003−161674号公報
本発明の目的は、比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づけることが可能なタイヤ劣化促進処理方法及び該処理方法を用いたタイヤ耐久試験方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ劣化促進処理方法は、無負荷状態の空気入りタイヤの表面及び内部を表面温度40〜100℃、内部温度60〜140℃で内部温度を表面温度以上に維持しながら少なくとも24時間加熱することを特徴とする。
本発明のタイヤ耐久試験方法は、空気入りタイヤを劣化促進処理する前処理工程を有するタイヤ耐久試験方法において、前記前処理工程を上記タイヤ劣化促進処理方法により行うことを特徴とする。
上述した本発明のタイヤ劣化促進処理方法によれば、上記のように空気入りタイヤの表面及び内部を共に加熱することにより、タイヤ内部の酸素取り込み量を増やして内部の酸化疲労を促進し、比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づけることが可能になる。
また、そのタイヤ劣化促進処理方法を前処理に使用したタイヤ耐久試験方法では、比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤに発生しがちな故障を精度良く再現評価することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤ劣化促進処理方法の一実施形態を示し、1は劣化促進処理する空気入りタイヤ、2はオーブン、3は電磁誘導加熱手段である。この図1に示す処理方法は、先ず、空気入りタイヤ1をオーブン2内に配置する。この際、空気入りタイヤ1を載置台4上に静置し、無負荷状態とする。ここで無負荷状態とするのは、熱酸化劣化以外の要因を排除するためである。
空気入りタイヤ1をオーブン2内に配置した後、オーブン2の輻射熱により空気入りタイヤ1を表面から加熱する一方、電磁誘導加熱手段3による電磁誘導加熱により空気入りタイヤ1の内部を加熱する。
この時、オーブン2により表面温度が40〜100℃の範囲となるように空気入りタイヤ1を加熱する。この表面温度が40℃より低いと、酸化劣化の促進が極めて遅いため、処理期間が長くかかり、処理効率が大幅に低下する。逆に100℃を超えると、熱的影響が大きくなり過ぎて、酸化疲労の度合いが不足する。好ましくは、表面温度の下限値を60℃以上にするのが、劣化促進処理を促進する上でよい。
また、電磁誘導加熱により内部温度が60〜140℃の範囲となるように空気入りタイヤ1を加熱する。この内部温度が60℃より低くても、酸化劣化の促進が極めて遅くなるため、処理期間が長くかかり、処理効率が大幅に低下する。逆に140℃を超えると、熱的影響が大きくなり過ぎて、酸化疲労の度合いが不足する。なお、本発明で言う内部温度とは、トレッド部内の中央部、即ちベルト層とトレッド部のゴムブロック中央部を含む領域、好ましくはベルトエッジ付近で測った時の温度である。
この加熱時には、更に空気入りタイヤ1の内部温度を表面温度以上に維持する。内部温度を表面温度未満にすると、表層劣化促進で内部劣化が促進されない。
加熱時間は少なくとも24時間維持する。加熱時間が24時間より短いと、熱によるタイヤ成長が不十分である。加熱時間の上限値としては、加熱温度60℃では30日以下、140℃では5日以下にするのがよい。
空気入りタイヤ1を少なくとも24時間加熱した後、オーブン2から劣化促進処理した空気入りタイヤ1を取り出して、劣化促進処理が終了する。
この電磁誘導加熱を使用した処理方法は、内部を加熱するために、空気入りタイヤ1のベルト層やカーカス層にスチールコードが使用されていることが前提となる。一般には、乗用車用の空気入りタイヤではベルト層の補強コードにスチールコードが使用され、また重荷重用の空気入りタイヤでは、ベルト層に加えて、カーカス層の補強コードにもスチールコードが使用されているものがあるため、それらの空気入りタイヤに対して用いることができる。
図2は、本発明のタイヤ劣化促進処理方法の他の実施形態を示し、この処理方法では、空気入りタイヤ1の内部を加熱するために、上記電磁誘導加熱手段3に代えて、マイクロ波照射加熱手段5を用いたものである。このマイクロ波照射加熱手段5を用いた方法は、いずれの空気入りタイヤにも使用でき、上述した限定を受けない。なお、図中6は、劣化促進処理する空気入りタイヤ1を回転させるための回転手段である。
この図2に示すタイヤ劣化促進処理方法は、先ず、空気入りタイヤ1をリム組し、そのリム組した空気入りタイヤ1をオーブン2中の回転手段6の回転軸7に取り付ける。次いで、回転軸7に支持された無負荷状態の空気入りタイヤ1を、オーブン2の輻射熱によりタイヤ表面から加熱する一方、マイクロ波照射加熱手段5によるマイクロ波照射加熱により空気入りタイヤ1の内部を加熱する。マイクロ波としては、周波数が300MHz〜30GHz(波長1cm〜1m)のものを使用することができる。
マイクロ波を空気入りタイヤ1のトレッド部に均等に照射するため、回転手段6のモータ8により回転軸7を回転させ、それにより劣化促進処理する空気入りタイヤ1を回転させながら加熱する。加熱条件は、上記と同じである。
図3は、本発明のタイヤ劣化促進処理方法の更に他の実施形態を示し、この処理方法は、上記マイクロ波照射加熱手段5に代えて、遠赤外線加熱手段9を使用し、空気入りタイヤ1の内部を遠赤外線加熱により加熱するようにした他は、図2の処理方法と同じである。遠赤外線加熱に用いる遠赤外線は、波長が3〜1000μmの範囲のものから適宜選択するようにすればよい。
本発明者は、中近東などの比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを、市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づける劣化促進処理方法について、鋭意検討し、実験を繰り返し行った結果、以下のことを知見した。
即ち、比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤは、熱酸化劣化した際に、タイヤ内部の酸素取り込み量が他の地域で使用される空気入りタイヤよりも多く、タイヤ内部での酸化劣化の度合いが高い。そこで、タイヤ内部の熱老化を促進することにより、酸化疲労即ち酸素取り込み量を増加させることができると考え、オーブンによるタイヤ表面の加熱に加えて、タイヤ内部を加熱してみると、タイヤ内部での酸素の取り込み量が増して、酸化疲労が進むことがわかった。加熱条件を様々変えて調べたところ、上述したような結果を得たのである。
従って、本発明では、空気入りタイヤ1の表面及び内部を共に上記のような条件で加熱するようにしたものであり、これによりタイヤ内部の酸素取り込み量を増やして内部の酸化疲労を促進することができるので、比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づけることが可能になる。
本発明のタイヤ耐久試験方法は、空気入りタイヤを劣化促進処理する前処理工程を有するタイヤ耐久試験方法において、その前処理工程を上述したタイヤ劣化促進処理方法により行うものである。
前処理工程後に実施するドラム走行試験は、その劣化促進処理した空気入りタイヤに試験荷重を加えながら所定の試験速度で行うが、その時の各条件はJIS D4230に準拠することができる。また、JIS D4230に記載される耐久試験方法を更に改良した公知の方法におけるドラム走行試験の各条件を採用してもよい。
このタイヤ耐久試験方法によれば、前処理工程で比較的暑い地域で使用される空気入りタイヤを市場レベルの熱酸化疲労の状態に近づけることができるので、タイヤ故障を精度良く再現評価することが可能になる。
本発明において、上記空気入りタイヤ1をオーブン2内で加熱する際に、タイヤをリム組し、タイヤ空洞部内に空気圧(そのタイヤが使用される圧力)を付与した状態で加熱するのが、実使用の状態で劣化促進処理することができるので好ましいが、タイヤ空洞部内に空気を充填せずに、タイヤ内圧を大気圧と同じ状態にしてもよい。
空気入りタイヤ1の空洞部内には、空気に代えて、酸素濃度を60%以上と高くした気体を充填して内圧を付与するようにするのが、劣化促進処理を効率的に行う上で好ましい。酸素濃度は高ければ高いほど劣化を促進できるので好ましく、酸素濃度の上限値は可能であれば100%であってもよい(実際上は100%未満)。
なお、ここで言う酸素濃度は、充填気体の全圧力に対する酸素の分圧の割合を酸素濃度とする。例えば、通常のやり方でタイヤをリム組みし、酸素を300kPa充填した場合、タイヤ内の1気圧(100kP)の空気に含まれる酸素分(20kPa)を加え、このタイヤ内の酸素分圧は320kPaとなり、酸素分圧の割合は80%となる。従って、酸素濃度は80%である。但し、空気中に含有される酸素の量は20%とする。
1 空気入りタイヤ
2 オーブン
3 電磁誘導加熱手段
5 マイクロ波照射加熱手段
9 遠赤外線加熱手段
2 オーブン
3 電磁誘導加熱手段
5 マイクロ波照射加熱手段
9 遠赤外線加熱手段
Claims (8)
- 無負荷状態の空気入りタイヤの表面及び内部を表面温度40〜100℃、内部温度60〜140℃で内部温度を表面温度以上に維持しながら少なくとも24時間加熱するタイヤ劣化促進処理方法。
- 前記空気入りタイヤの内部を電磁誘導加熱により加熱する請求項1に記載のタイヤ劣化促進処理方法。
- 前記空気入りタイヤの内部をマイクロ波照射加熱により加熱する請求項1に記載のタイヤ劣化促進処理方法。
- 前記空気入りタイヤの内部を遠赤外線加熱により加熱する請求項1に記載のタイヤ劣化促進処理方法。
- 前記空気入りタイヤをオーブン内で加熱することにより、タイヤ表面を加熱する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタイヤ劣化促進処理方法。
- 前記空気入りタイヤの空洞部内に空気圧を付与した状態で加熱する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタイヤ劣化促進処理方法。
- 前記空気入りタイヤの空洞部内に酸素濃度60%以上の気体による内圧を付与した状態で加熱する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタイヤ劣化促進処理方法。
- 空気入りタイヤを劣化促進処理する前処理工程を有するタイヤ耐久試験方法において、前記前処理工程を請求項1乃至7のいずれか1項に記載のタイヤ劣化促進処理方法により行うタイヤ耐久試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005076759A JP2006258620A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | タイヤ劣化促進処理方法及びタイヤ耐久試験方法 |
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Publications (1)
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JP2006258620A true JP2006258620A (ja) | 2006-09-28 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241597A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 測定対象タイヤ、測定対象タイヤの前処理方法およびタイヤ耐久試験方法 |
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2005
- 2005-03-17 JP JP2005076759A patent/JP2006258620A/ja active Pending
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JP2008241597A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 測定対象タイヤ、測定対象タイヤの前処理方法およびタイヤ耐久試験方法 |
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