JP2006258224A - 磁石装着配管 - Google Patents

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和博 吉田
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Abstract

【課題】配管に磁性異物吸着用の磁石を容易に装着して磁性異物による油圧機器の事故発生を防止し、さらに濾過した磁性異物を配管外に容易に排出する。
【解決手段】油圧機器へ圧油が流れる配管8の外周部に、圧油中に混入している磁性異物を配管8の内周部に吸着捕捉する磁石10Aを装着し、また磁性異物が吸着捕捉される配管8の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁石装着配管に関するものであり、特に、配管に磁性異物吸着用の磁石を容易に装着して、磁性異物による油圧機器の事故発生を防止することができ、さらには濾過した磁性異物を配管外に容易に排出することができる磁石装着配管に関するものである。
磁石装着配管に関連する従来技術として、例えば次のような鉄粉吸着フィルタが知られている。この従来技術は、軸方向両端側に圧油の流入口及び流出口が設けられ、該流入口、流出口間が流路面積の大きい油室となったケーシングと、該ケーシングの油室内に設けられ、前記流入口から油室内に流入してくる圧油に乱流を発生させる複数の油孔が穿設された乱流発生板と、該乱流発生板の下流側面に設けられ、該乱流発生板により乱流状態となった圧油中から鉄粉を吸着するマグネットとしての磁石板とを備えて構成され、油圧回路の高圧側管路途中に配設されている(例えば、特許文献1参照)。
また、磁石装着配管に関連する他の従来技術として、例えば次のようなマグネティックフイルタが知られている。この従来技術は、平面状の濾過部材に、その縁部全周にわたって該濾過部材を囲むようにしてマグネット材製の支持部材が接合されている。該マグネット材製の支持部材により、前記濾過部材の表面上に、磁束が該表面にほぼ直角な方向に並んだ磁界を形成するようにしている。マグネティックフイルタは、このように構成されて電磁弁の上流側管路途中に配設されている。
そして、管路を流れる圧油中に混入している磁性材コンタミナントを、前記支持部材からの磁力により引き付け、該磁性材コンタミナントを濾過部材の表面に前記磁束の方向に沿って重なるように捕捉し、濾過部材表面に、より多くの磁性材コンタミナントを保持できるようにしている。このようにして、捕捉した磁性材コンタミナントにより目詰まりが生じるまでの時間、即ちマグネティックフイルタの交換もしくは清掃のためのインターバルを長くするようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−329311号公報(第2頁、図2)。 特公平3−18484号公報(第2頁、図1〜3)。
特許文献1に記載の従来技術においては、流路面積の大きい油室を持つケーシングを備えた鉄粉吸着フィルタが、油圧回路の高圧側管路途中に配設されている。このため、管路途中への鉄粉吸着フィルタの配設には、管路等の設計変更が必要である。そして、鉄粉を吸着捕捉した鉄粉吸着フィルタの交換もしくは清掃に関しては、何等の開示もない。
また、特許文献2に記載の従来技術においては、濾過部材とマグネット材製の支持部材とが接合されたマグネティックフイルタが、電磁弁の上流側管路途中に配設されている。このため、管路途中へのマグネティックフィルタの配設には、上記特許文献1に記載の従来技術の場合と同様に、管路等の設計変更を伴うか、もしくは管路への何らかの加工等が必要である。そして、磁性材コンタミナントを吸着捕捉したマグネティックフイルタの交換もしくは清掃に関しては、そのインターバルを長くするようにしているとだけ記載されて、具体的な手段は、開示されていない。
そこで、配管に磁性異物吸着用の磁石を容易に装着して磁性異物による油圧機器の事故発生を防止し、さらに濾過した磁性異物を配管外に容易に排出するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、油圧機器へ圧油が流れる配管の外周部に、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する磁石を装着してなる磁石装着配管を提供する。
この構成によれば、配管の外周部に装着された磁石により、圧油中の磁性異物が配管の内周部に吸着捕捉されることで、磁性異物が濾過された圧油が、油圧機器に供給される。
請求項2記載の発明は、上記配管は磁性体製であり、上記磁石は、前記磁性体製の配管の外周部にコイルを巻回することにより構成した電磁石である磁石装着配管を提供する。
この構成によれば、磁性体製の配管をコアとして、該配管の外周部に巻回したコイルにより電磁石が構成される。そして、該電磁石に給電することで、圧油中の磁性異物が配管の内周部に吸着捕捉される。
請求項3記載の発明は、上記磁石は、上記配管の外周部に着脱可能とした永久磁石である磁石装着配管を提供する。
この構成によれば、磁性異物の濾過が必要な配管の外周部に永久磁石を取り付けることで、圧油中の磁性異物が配管の内周部に吸着捕捉されて磁性異物の濾過が行われる。
請求項4記載の発明は、上記磁性異物が吸着捕捉される上記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能としてなる磁石装着配管を提供する。
この構成によれば、圧油中の磁性異物を磁性体製のシートに吸着捕捉したのち、電磁石の場合は給電を切り、また永久磁石の場合は配管の外周部から取り外すことで、配管の内周面から磁性体製のシートの吸着状態が解放されるとともに吸着捕捉された磁性異物が該磁性体製のシート上に解放される。この状態で磁性体製のシートを取り出すことにより、濾過した磁性異物が配管外に排出される。
請求項1記載の発明は、油圧機器へ圧油が流れる配管の外周部に、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する磁石を装着したので、磁石を配管の外周部に装着することで、配管等には殆ど設計変更を必要とせずに配管に対し磁石の装着を容易に行うことができる。そして、磁性異物が濾過された圧油が油圧機器に供給されることで、磁性異物による油圧機器の事故発生を防止することができるという利点がある。
請求項2記載の発明は、上記配管は磁性体製であり、上記磁石は、前記磁性体製の配管の外周部にコイルを巻回することにより構成した電磁石としたので、磁性体製の配管をコアとして、該配管の外周部にコイルを巻回することで、配管上に容易に電磁石を構成することができる。そして、例えば配管の上流側の他の油圧機器に事故が発生して特に圧油中へ磁性異物が混入したと考えられるときに、電磁石に給電することで、その圧油中の磁性異物を濾過することができるという利点がある。
請求項3記載の発明は、上記磁石は、上記配管の外周部に着脱可能とした永久磁石としたので、配管への磁石の装着を一層容易に行うことができるという利点がある。
請求項4記載の発明は、上記磁性異物が吸着捕捉される上記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能としたので、電磁石の場合は給電を切り、また永久磁石の場合は配管の外周部から取り外すことで、配管の内周面から磁性体製のシートの吸着状態を解放するとともに吸着捕捉した磁性異物を磁性体製のシート上に解放したのち、該磁性体製のシートを配管外に取り出すことにより濾過した磁性異物を配管外に容易に排出することができるという利点がある。
配管に磁性異物吸着用の磁石を容易に装着して磁性異物による油圧機器の事故発生を防止し、さらに濾過した磁性異物を配管外に容易に排出(清掃)するという目的を、油圧機器へ圧油が流れる磁性体製の配管の外周部に、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する電磁石又は永久磁石を装着し、また、磁性異物が吸着捕捉される前記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能とすることにより実現した。
以下、本発明の実施例1を図面に従って詳述する。図1は、圧油がコントロールバルブに流れる配管上に磁石を装着した状態を示す油圧回路図、図2は、電磁石を示す構成図、図3は、配管の内周部に挿脱可能とした磁性体製のシートを示す斜視図である。
まず、図1乃至図3を用いて、本実施例に係る磁石装着配管の構成を説明する。図1において、油圧ポンプ1の吸入口1aが、吸入配管2を経てタンク3に連通され、該油圧ポンプ1の吐出口1bが、吐出配管4を経て油圧機器としてのコントロールバルブ5における給油ポート5aに連通されている。該コントロールバルブ5の出力ポート5bは、給油配管6を経て油圧モータ7の一方のポート7aに連通され、該油圧モータ7の他方のポート7bは、戻り配管8を経て前記コントロールバルブ5の戻りポート5cに連通されている。該コントロールバルブ5の排油ポート5dは、排油配管9を経てタンク3に連通されている。
上記各配管2,4,6,8,9の内、少なくとも前記戻り配管8については、磁性体である鉄製のものが用いられている。そして、前記油圧モータ7からコントロールバルブ5へ圧油が流れる該戻り配管8の外周部に、該圧油中に混入している磁性異物を当該戻り配管8の内周部に吸着捕捉するための磁石10が装着されている。本実施例は、該磁石10として、図2に示すように、電磁石10Aが適用されている。
該電磁石10Aは、鉄製の戻り配管8をコアとして、該戻り配管8の外周部にコイル11を巻回することにより構成されている。該コイル11の両端は、スイッチ12を介して直流電源13に接続されている。このように、電磁石10Aは、コアとなる戻り配管8の外周部にコイル11を巻回することで、その戻り配管8等には、格別の設計変更を必要とすることなく該戻り配管8上に容易に装着することが可能である。
図3に示すように、磁性異物が吸着捕捉される戻り配管8の内周部には、該吸着捕捉した磁性異物を配管外に排出(清掃)するための一手段として、磁性体製のシート14が挿脱可能とされている。電磁石10Aが装着されている部位近傍の戻り配管8の一部は、フランジ8aを介して取り外し可能に構成されている。戻り配管8の内周部に対する磁性体製のシート14の挿脱は、該一部の戻り配管8を取り外して、図示のように、フランジ8aの部分から行われる。
磁性体製のシート14の端部には、鍔部14aが形成されており、該磁性体製のシート14が戻り配管8内に挿し込まれたとき前記鍔部14aがフランジ8a側に形成された切欠き凹部8bに掛け止められて、戻り配管8の内周部における磁性体製のシート14の移動が規制されるように構成されている。
次に、上述の構成された磁石装着配管の作用を説明する。磁性異物が吸着捕捉される戻り配管8の内周部領域には、予め磁性体製のシート14が挿入されている。スイッチ12をオンして電磁石10Aに給電することにより、前記磁性体製のシート14が戻り配管8の内周面に緊密に吸着固定されるとともに戻り配管8内を流れる圧油中の磁性異物が磁性体製のシート14の内面側に吸着捕捉されて、該磁性異物が濾過される。
したがって、例えば、油圧モータ7内に破損が起きて戻り配管8内の圧油中に磁性破損片が混入したとしても、該磁性破損片は、戻り配管8内における磁性体製のシート14の内面側に吸着捕捉されて、その下流側のコントロールバルブ5には、該磁性破損片が濾過された圧油が供給される。
この結果、上流側の油圧モータ7内に事故が起きても、該事故に起因する磁性破損片が下流側のコントロールバルブ5に回って、該コントロールバルブ5に二次事故の発生することが防止される。
そして、吸着捕捉した磁性異物を配管外に排出する際は、スイッチ12をオフして電磁石10Aへの給電を切り、戻り配管8の内周面から磁性体製のシート14の吸着状態を解放するとともに吸着捕捉した磁性異物を前記磁性体製のシート14上に解放する。この後、フランジ8a等の部分から一部の戻り配管8を取り外し、フランジ8aの部分から磁性体製のシート14を引き出して吸着捕捉した磁性異物を戻り配管8外に排出する。
上述したように、本実施例に係る磁石装着配管においては、電磁石10Aを戻り配管8の外周部に装着することで、該戻り配管8等には、格別の設計変更を必要とすることなく、該電磁石10Aの容易装着性が得られる。
戻り配管8の上流側の油圧モータ7内に事故が発生して、戻り配管8内の圧油中に磁性破損片が混入しても、電磁石10Aに給電することで、その圧油中の磁性破損片を濾過することができる。したがって、下流側のコントロールバルブ5に、該磁性破損片による二次事故の発生するのを防止することができる。
磁性異物を磁性体製のシート14の内面側に吸着捕捉後、電磁石10Aへの給電を切り、磁性異物を磁性体製のシート14上に解放し、該磁性体製のシート14を引き出すことで、吸着捕捉した磁性異物を配管外に容易に排出(清掃)することができる。
本発明の実施例2を図面に従って詳述する。図4は、永久磁石を示す構成図、図5は、図4のD−D線に沿う断面図である。本実施例は、磁石10として、戻り配管8の外周部に着脱可能とした永久磁石10Bが適用されている。戻り配管8の外周部に装着する永久磁石10Bの個数としては、図5に示すように、2個用いられているが、戻り配管8に必要とされるフィルタ能力に応じて3個以上の適宜の個数を用いることができる。
永久磁石10Bは、その磁石自身の吸着力により、磁性体製の戻り配管8の外周部に吸着固定されるが、さらに、例えば割ナットとボルト等を用いて締め付け固定してもよい。このように、永久磁石10Bは、戻り配管8等には、格別の設計変更を必要とすることなく該戻り配管8上に一層容易に装着することが可能である。その他の構成、例えば戻り配管8の内周部に、磁性体製のシート14(図3参照)を挿脱可能とした構成等は、前記実施例1と同様である。
そして、本実施例では、磁性異物の濾過が必要な戻り配管8の外周部に永久磁石を取り付け固定するだけで、前記磁性体製のシート14が戻り配管8の内周面に緊密に吸着固定されるとともに戻り配管8内を流れる圧油中の磁性異物が磁性体製のシート14の内面側に吸着捕捉されて、該磁性異物が濾過される。
該吸着捕捉した磁性異物を配管外に排出する際は、永久磁石10Bを戻り配管8の外周部から取り外すことで、戻り配管8の内周面から磁性体製のシート14の吸着状態を解放するとともに吸着捕捉した磁性異物を前記磁性体製のシート14上に解放する。この後、前記と同様に、磁性体製のシート14を引き出して吸着捕捉した磁性異物を戻り配管8外に排出する。
上述したように、本実施例に係る磁石装着配管においては、前記磁石10を、戻り配管8の外周部に着脱可能とした永久磁石10Bとしたことで、該戻り配管8等には、格別の設計変更を必要とすることなく、該永久磁石10Bの一層の容易装着性が得られる。
なお、前記電磁石10A又は前記永久磁石10Bによる磁化が及ぶ範囲内に継手が存在する場合には、該継手も磁性体製とする。該継手を磁性体製とすることで、前記電磁石10A又は前記永久磁石10Bにより磁化されて磁性異物の吸着機能が生じ、吸着効果が高められる。そして、継手の内周部に吸着捕捉された磁性異物は、該継手自体を配管から取り外してその内周部を清掃することによっても外部に排出することが可能である。
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
図は、本発明の実施例に係る磁石装着配管を示すものである。
圧油がコントロールバルブに流れる配管上に磁石を装着した状態を示す油圧回路図。 実施例1に係る電磁石を示す構成図。 配管の内周部に挿脱可能とした磁性体製のシートを示す斜視図。 実施例2に係る永久磁石を示す構成図。 図4のD−D線に沿う断面図。
符号の説明
1 油圧ポンプ
5 コントロールバルブ(油圧機器)
7 油圧モータ
8 戻り配管(配管)
10 磁石
10A 電磁石
10B 永久磁石
11 コイル
14 磁性体製のシート

Claims (4)

  1. 油圧機器へ圧油が流れる配管の外周部に、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する磁石を装着してなることを特徴とする磁石装着配管。
  2. 上記配管は磁性体製であり、上記磁石は、前記磁性体製の配管の外周部にコイルを巻回することにより構成した電磁石であることを特徴とする請求項1記載の磁石装着配管。
  3. 上記磁石は、上記配管の外周部に着脱可能とした永久磁石であることを特徴とする請求項1記載の磁石装着配管。
  4. 上記磁性異物が吸着捕捉される上記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能としてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の磁石装着配管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011125811A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Hitachi Plant Technologies Ltd 廃水処理装置
KR101306095B1 (ko) * 2011-12-16 2013-09-09 주식회사 포스코 폐윤활제의 철분 제거 장치
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