JP2006255625A - 磁石装着配管 - Google Patents

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和博 吉田
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Abstract

【課題】配管に磁性異物吸着用の電磁石を容易に後付けして、磁性異物による油圧機器の事故発生を防止し、さらに濾過した磁性異物を配管外に容易に排出する。
【解決手段】コイルの一半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の一方の半円筒状体15Aと、コイルの他半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の他方の半円筒状体15Bとを備え、一方の半円筒状体15Aと他方の半円筒状体15Bとで磁性体製の配管8を抱持するように当該両半円筒状体15A,15Bを対接させるとともに対応する一半周分側の各巻線の両端部11a,…,11a,…と他半周分側の各巻線の両端部11b,…,11b…とを嵌合接続させることにより配管8の外周部にコイルを構成し、また、磁性異物が吸着捕捉される配管8の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁石装着配管に関するものであり、特に、配管に磁性異物吸着用の電磁石を容易に後付けして、磁性異物による油圧機器の事故発生を防止することができ、さらには濾過した磁性異物を配管外に容易に排出することができる磁石装着配管に関するものである。
磁石装着配管に関連する従来技術として、例えば次のような鉄粉吸着フィルタが知られている。この従来技術は、軸方向両端側に圧油の流入口及び流出口が設けられ、該流入口、流出口間が流路面積の大きい油室となったケーシングと、該ケーシングの油室内に設けられ、前記流入口から油室内に流入してくる圧油に乱流を発生させる複数の油孔が穿設された乱流発生板と、該乱流発生板の下流側面に設けられ、該乱流発生板により乱流状態となった圧油中から鉄粉を吸着するマグネットとしての磁石板とを備えて構成され、油圧回路の高圧側管路途中に配設されている(例えば、特許文献1参照)。
また、磁石装着配管に関連する他の従来技術として、例えば次のようなマグネティックフイルタが知られている。この従来技術は、平面状の濾過部材に、その縁部全周にわたって該濾過部材を囲むようにしてマグネット材製の支持部材が接合されている。該マグネット材製の支持部材により、前記濾過部材の表面上に、磁束が該表面にほぼ直角な方向に並んだ磁界を形成するようにしている。マグネティックフイルタは、このように構成されて電磁弁の上流側管路途中に配設されている。
そして、管路を流れる圧油中に混入している磁性材コンタミナントを、前記支持部材からの磁力により引き付け、該磁性材コンタミナントを濾過部材の表面に前記磁束の方向に沿って重なるように捕捉し、濾過部材表面に、より多くの磁性材コンタミナントを保持できるようにしている。このようにして、捕捉した磁性材コンタミナントにより目詰まりが生じるまでの時間、即ちマグネティックフイルタの交換もしくは清掃のためのインターバルを長くするようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−329311号公報(第2頁、図2)。 特公平3−18484号公報(第2頁、図1〜3)。
特許文献1に記載の従来技術においては、流路面積の大きい油室を持つケーシングを備えた鉄粉吸着フィルタが、油圧回路の高圧側管路途中に配設されている。このため、管路途中への鉄粉吸着フィルタの配設には、管路等の設計変更が必要である。そして、鉄粉を吸着捕捉した鉄粉吸着フィルタの交換もしくは清掃に関しては、何等の開示もない。
また、特許文献2に記載の従来技術においては、濾過部材とマグネット材製の支持部材とが接合されたマグネティックフイルタが、電磁弁の上流側管路途中に配設されている。このため、管路途中へのマグネティックフィルタの配設には、上記特許文献1に記載の従来技術の場合と同様に、管路等の設計変更を伴うか、もしくは管路への何らかの加工等が必要である。そして、磁性材コンタミナントを吸着捕捉したマグネティックフイルタの交換もしくは清掃に関しては、そのインターバルを長くするようにしているとだけ記載されて、具体的な手段は、開示されていない。
そこで、配管に磁性異物吸着用の電磁石を容易に後付けして磁性異物による油圧機器の事故発生を防止し、さらに濾過した磁性異物を配管外に容易に排出するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、油圧機器へ圧油が流れる磁性体製の配管の外周部に、巻線を複数回巻回したコイルを装着することにより構成され、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する電磁石を有する磁石装着配管であって、前記配管の外周面形状に対応した内周面形状をそれぞれ有し、前記コイルの一半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の一方の半円筒状体と、前記コイルの他半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の他方の半円筒状体とを備え、前記一方の半円筒状体と前記他方の半円筒状体とで前記配管を抱持するように当該両半円筒状体を対接させるとともに対応する前記一半周分側の各巻線の両端部と前記他半周分側の各巻線の両端部とを嵌合接続させることにより前記コイルを構成してなる磁石装着配管を提供する。
この構成によれば、磁性体製の配管をコアとして、該配管の外周部に、対応する一半周分側の各巻線の両端部と他半周分側の各巻線の両端部とを嵌合接続させてコイルを形成することにより電磁石が構成される。そして、該電磁石に給電することで、圧油中の磁性異物が配管の内周部に吸着捕捉され、該磁性異物が濾過された圧油が油圧機器に供給される。
請求項2記載の発明は、上記磁性異物が吸着捕捉される上記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能としてなる磁石装着配管を提供する。
この構成によれば、圧油中の磁性異物を磁性体製のシートに吸着捕捉したのち、電磁石への給電を切ることで、配管の内周面から磁性体製のシートの吸着状態が解放されるとともに吸着捕捉された磁性異物が該磁性体製のシート上に解放される。この状態で磁性体製のシートを取り出すことにより、濾過した磁性異物が配管外に排出される。
請求項1記載の発明は、配管の外周面形状に対応した内周面形状をそれぞれ有し、コイルの一半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の一方の半円筒状体と、前記コイルの他半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の他方の半円筒状体とを備え、前記一方の半円筒状体と前記他方の半円筒状体とで前記配管を抱持するように当該両半円筒状体を対接させるとともに対応する前記一半周分側の各巻線の両端部と前記他半周分側の各巻線の両端部とを嵌合接続させることにより前記コイルを構成したので、磁性体製の配管の外周部に、対応する一半周分側の各巻線の両端部と他半周分側の各巻線の両端部とを嵌合接続させてコイルを形成することで、配管等には殆ど設計変更を必要とせずに配管に対し磁性異物吸着用の電磁石を容易に後付けすることができる。そして、磁性異物が濾過された圧油が油圧機器に供給されることで、磁性異物による油圧機器の事故発生を防止することができるという利点がある。
請求項2記載の発明は、上記磁性異物が吸着捕捉される上記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能としたので、電磁石への給電を切ることで、配管の内周面から磁性体製のシートの吸着状態を解放するとともに吸着捕捉した磁性異物を磁性体製のシート上に解放したのち、該磁性体製のシートを配管外に取り出すことにより濾過した磁性異物を配管外に容易に排出することができるという利点がある。
配管に磁性異物吸着用の電磁石を容易に後付けして磁性異物による油圧機器の事故発生を防止し、さらに濾過した磁性異物を配管外に容易に排出(清掃)するという目的を、油圧機器へ圧油が流れる磁性体製の配管の外周部に、巻線を複数回巻回したコイルを装着することにより構成され、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する電磁石を有する磁石装着配管であって、前記配管の外周面形状に対応した内周面形状をそれぞれ有し、前記コイルの一半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の一方の半円筒状体と、前記コイルの他半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の他方の半円筒状体とを備え、前記一方の半円筒状体と前記他方の半円筒状体とで前記配管を抱持するように当該両半円筒状体を対接させるとともに対応する前記一半周分側の各巻線の両端部と前記他半周分側の各巻線の両端部とを嵌合接続させることにより前記コイルを構成し、また、磁性異物が吸着捕捉される前記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能とすることにより実現した。
以下、本発明の実施例を図面に従って詳述する。まず、図1乃至図5を用いて、本実施例に係る磁石装着配管の構成を説明する。図1において、油圧ポンプ1の吸入口1aが、吸入配管2を経てタンク3に連通され、該油圧ポンプ1の吐出口1bが、吐出配管4を経て油圧機器としてのコントロールバルブ5における給油ポート5aに連通されている。該コントロールバルブ5の出力ポート5bは、給油配管6を経て油圧モータ7の一方のポート7aに連通され、該油圧モータ7の他方のポート7bは、戻り配管8を経て前記コントロールバルブ5の戻りポート5cに連通されている。該コントロールバルブ5の排油ポート5dは、排油配管9を経てタンク3に連通されている。
上記各配管2,4,6,8,9の内、少なくとも前記戻り配管8については、磁性体である鉄製のものが用いられている。そして、前記油圧モータ7からコントロールバルブ5へ圧油が流れる該戻り配管8の外周部に、該圧油中に混入している磁性異物を当該戻り配管8の内周部に吸着捕捉するための電磁石10が装着されている。
図2に示すように、該電磁石10は、鉄製の戻り配管8をコアとして、該戻り配管8の外周部に、巻線11を複数回巻回したコイル12を装着することにより構成されている。該コイル12の両端は、スイッチ13を介して直流電源14に接続されている。
本実施例は、前記電磁石10を、戻り配管8上に容易に後付けすることが可能に構成されており、図3及び図4の(a)、(b)は、この後付けを可能とした構成を示している。図3は、コイル12の各半周分の巻線をそれぞれ支持する一対のプラスチック等からなる絶縁体製の半円筒状体15A,15Bを示している。図4は、戻り配管8の外周部への前記半円筒状体15A,15Bの固定手段を示しており、同図(a)はねじによる固定手段を示し、同図(b)はロック機構による固定手段を示している。
前記各半円筒状体15A,15Bは、前記戻り配管8の外周面形状に対応した内周面形状をそれぞれ有し、一方の半円筒状体15Aには、前記コイル12の一半周分側の各巻線が支持され、他方の半円筒状体15Bには、前記コイル12の他半周分側の各巻線が支持されている。
前記一方の半円筒状体15Aと前記他方の半円筒状体15Bとで前記戻り配管8を抱持するように当該両半円筒状体15A,15Bを各フランジ15a,15bの部分で対接固定させるとともに対応する前記一半周分側の各巻線の両端部11a,…,11a,…と前記他半周分側の各巻線の両端部11b,…,11b…とを嵌合接続させることにより前記コイル12が完成されるように構成されている。
前記両半円筒状体15A,15Bにおける両フランジ15a,15b部分の固定手段としては、ねじ16による固定方法(図4(a))、又はロック機構17による固定方法(図4(b))が用いられている。ロック機構17の先端部には、バネ性を持つ爪17aが形成されている。
このように、前記一方の半円筒状体15Aと前記他方の半円筒状体15Bとを、戻り配管8を抱持するように対接させて、対応する一半周分側の各巻線の両端部11a,…,11a,…と他半周分側の各巻線の両端部11b,…,11b…とを嵌合接続させることで、コアとなる当該戻り配管8の外周部にコイル12が完成されて電磁石10が構成されるので、該電磁石10は、その戻り配管8等には、格別の設計変更を必要とすることなく該戻り配管8上に容易に後付けすることが可能である。
また、図5に示すように、磁性異物が吸着捕捉される戻り配管8の内周部には、該吸着捕捉した磁性異物を配管外に排出(清掃)するための一手段として、磁性体製のシート18が挿脱可能とされている。電磁石10が装着されている部位近傍の戻り配管8の一部は、フランジ8aを介して取り外し可能に構成されている。戻り配管8の内周部に対する磁性体製のシート18の挿脱は、該一部の戻り配管8を取り外して、図示のように、フランジ8aの部分から行われる。
磁性体製のシート18の端部には、鍔部18aが形成されており、該磁性体製のシート18が戻り配管8内に挿し込まれたとき前記鍔部18aがフランジ8a側に形成された切欠き凹部8bに掛け止められて、戻り配管8の内周部における磁性体製のシート18の移動が規制されるように構成されている。
次に、上述の構成された磁石装着配管の作用を説明する。磁性異物が吸着捕捉される戻り配管8の内周部領域には、予め磁性体製のシート18が挿入されている。スイッチ13をオンして電磁石10に給電することにより、前記磁性体製のシート18が戻り配管8の内周面に緊密に吸着固定されるとともに戻り配管8内を流れる圧油中の磁性異物が磁性体製のシート18の内面側に吸着捕捉されて、該磁性異物が濾過される。
したがって、例えば、油圧モータ7内に破損が起きて戻り配管8内の圧油中に磁性破損片が混入したとしても、該磁性破損片は、戻り配管8内における磁性体製のシート18の内面側に吸着捕捉されて、その下流側のコントロールバルブ5には、該磁性破損片が濾過された圧油が供給される。
この結果、上流側の油圧モータ7内に事故が起きても、該事故に起因する磁性破損片が下流側のコントロールバルブ5に回って、該コントロールバルブ5に二次事故の発生することが防止される。
そして、吸着捕捉した磁性異物を配管外に排出する際は、スイッチ13をオフして電磁石10への給電を切り、戻り配管8の内周面から磁性体製のシート18の吸着状態を解放するとともに吸着捕捉した磁性異物を前記磁性体製のシート18上に解放する。この後、フランジ8a等の部分から一部の戻り配管8を取り外し、フランジ8aの部分から磁性体製のシート18を引き出して吸着捕捉した磁性異物を戻り配管8外に排出する。
上述したように、本実施例に係る磁石装着配管においては、磁性体製の戻り配管8の外周部に、対応する一半周分側の各巻線の両端部11a,…,11a,…と他半周分側の各巻線の両端部11b,…,11b…とを嵌合接続させてコイル12を形成することで、戻り配管8等には殆ど設計変更を必要とせずに該戻り配管8に対し磁性異物吸着用の電磁石10を容易に後付けすることができる。
戻り配管8の上流側の油圧モータ7内に事故が発生して、戻り配管8内の圧油中に磁性破損片が混入しても、電磁石10に給電することで、その圧油中の磁性破損片を濾過することができる。したがって、下流側のコントロールバルブ5に、該磁性破損片による二次事故の発生するのを防止することができる。
磁性異物を磁性体製のシート18の内面側に吸着捕捉後、電磁石10への給電を切り、磁性異物を磁性体製のシート18上に解放し、該磁性体製のシート18を引き出すことで、吸着捕捉した磁性異物を配管外に容易に排出(清掃)することができる。
次いで、変形例を述べる。本実施例は、コアとなる戻り配管8の外周部にコイル12を形成することで、該戻り配管8上に電磁石10の後付けを可能としたものであるが、配管上への電磁石の後付けは、次のような構成によっても可能である。即ち、比較的小型のコア入り電磁石を、当該配管に必要とされるフィルタ能力に応じて複数個準備し、該複数個の電磁石を、適宜の支持具を介して配管の外周部に、その管軸に直交するように放射状に装着しても、電磁石の後付けが可能である。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
図は、本発明の実施例に係る磁石装着配管を示すものである。
圧油がコントロールバルブに流れる配管上に電磁石を装着した状態を示す油圧回路図。 巻線を複数回巻回したコイルを配管の外周部に装着して構成した電磁石を示す構成図。 コイルの各半周分の巻線を支持する一対の絶縁体製の半円筒状体を示す斜視図。 配管の外周部への半円筒状体の固定手段を示す斜視図で、(a)はねじによる固定手段を示す図、(b)はロック機構による固定手段を示す図。 配管の内周部に挿脱可能とした磁性体製のシートを示す斜視図。
符号の説明
1 油圧ポンプ
5 コントロールバルブ(油圧機器)
7 油圧モータ
8 戻り配管(配管)
10 電磁石
11 巻線
12 コイル
15A,15B 半円筒状体
18 磁性体製のシート

Claims (2)

  1. 油圧機器へ圧油が流れる磁性体製の配管の外周部に、巻線を複数回巻回したコイルを装着することにより構成され、前記圧油中に混入している磁性異物を前記配管の内周部に吸着捕捉する電磁石を有する磁石装着配管であって、
    前記配管の外周面形状に対応した内周面形状をそれぞれ有し、前記コイルの一半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の一方の半円筒状体と、前記コイルの他半周分側の各巻線を支持する絶縁体製の他方の半円筒状体とを備え、前記一方の半円筒状体と前記他方の半円筒状体とで前記配管を抱持するように当該両半円筒状体を対接させるとともに対応する前記一半周分側の各巻線の両端部と前記他半周分側の各巻線の両端部とを嵌合接続させることにより前記コイルを構成してなることを特徴とする磁石装着配管。
  2. 上記磁性異物が吸着捕捉される上記配管の内周部には、磁性体製のシートを挿脱可能としてなることを特徴とする請求項1記載の磁石装着配管。
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