JP2006257411A - 新規色素化合物及びその製造方法、並びに該色素化合物を含有するカラーフィルター用青色レジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】(I)スルホンアミド化の際の副反応を抑え、工業的に有利なトリフェニルメタン系色素の製造方法の提供。(II)カラーフィルター用着色剤として、優れた分光特性と有機溶剤やポリマーに対する溶解性とを併せ持つ色素化合物の提供。(III)明度が高く、青色の色相に優れ、分光特性及び表示コントラストが高い画像表示を可能とするカラーフィルター用青色レジスト組成物の提供。
【解決手段】本発明によれば、色素化合物中のスルホン酸基のハロゲン化による、スルホニルハライドの製造方法と、次いで該スルホニルハライド化合物をアミン類と縮合反応させることを特徴とする一般式(1)で表されるスルホンアミド化合物の製造方法が提供される。又、該色素化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする、カラーフィルター用青色レジスト組成物が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な色素化合物、その製造方法及び該化合物を含有してなるカラーフィルター用青色レジスト組成物に関する。
一般に有機合成化学の分野では、スルホンアミド化合物は、相当するスルホニルクロライド化合物と対応するアミンとの縮合反応により合成され、上記スルホニルクロライド化合物はスルホン酸基をクロル化することにより合成される。染料、顔料等の色素のスルホンアミド化の場合も同様であり、スルホン酸基のクロル化の際はクロロスルホン酸、五塩化燐或いは三塩化燐等を用いて色素のスルホニルクロライド体が製造されている。しかしながら、これらの方法は目的とするスルホン酸基のクロル化のみならず、色素骨格そのものにも新たにスルホン酸基が導入されてしまったり、色素骨格自体が分解してしまったりするといった副反応が生じ、工業的に満足できるものではなかった。
上記のような副反応を回避するため、塩化チオニルをスルホン酸基のクロル化に用いる方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、ここでの反応基質である色素はキサンテン系色素であり、トリフェニルメタン系色素での例はこれまで報告されていない。
一方、科学技術の進歩による生活様式の変化に伴い、これら色素の用途も、従来の繊維やプラスチック、皮革等の各種材料を染色或いは着色するだけのものに留まらず、その情報を記録若しくは表示する特性を活かし、様々な産業分野で利用されるようになった。特に、近年におけるパーソナルコンピューターの急速な普及に伴い、カラー液晶ディスプレイの需要が急増している。カラーフィルターは液晶ディスプレイのカラー表示化には必要不可欠であり、液晶ディスプレイの性能を左右する重要な部品である。ブロードバンド化が進むにつれ、より高精細な画像を表示するために、分光特性や、高いコントラスト比が実現できるカラーフィルターの開発が求められている。
従来のカラーフィルターの製造方法としては、染色法、印刷法、インクジェット法、フォトレジスト法等が知られている。中でも、分光特性の制御や再現性を容易にできること、解像度が高いためより高精細なパターニングが可能であることから、近年フォトレジスト法が製造方法の主流となっている。
このフォトレジスト法では、一般に着色剤として顔料が用いられている。しかし顔料は一定の粒径を有するため消偏作用(偏光が崩されること)を伴い、液晶ディスプレイのカラー表示のコントラスト比が低下することが知られている。又、顔料を用いた系ではバックライト光の高い透過性を得ることが困難であり、カラーフィルターの明度を向上させるには限界がある。更に、顔料は有機溶剤やポリマーに不溶であるため、着色レジスト組成物は分散物として得られるが、その分散の安定化は難しい。
これに対して、染料は一般に有機溶剤やポリマーに可溶であり、着色レジスト組成物中でも凝集を起こさずに安定している。このため、染料を着色剤として用いたレジスト組成物から得られるカラーフィルターは、染料が分子レベルで分散されているため消偏作用がなく、バックライト光の透過性も優れている。これまで、分光特性が良好で表示コントラストの高い画像表示を可能とするため、染料を用いたカラーフィルターが報告されている。
青色カラーフィルター用色素として、トリフェニルメタン系色素であるC.I.Acid Blue 104を用いる方法(特許文献2参照)や、赤色カラーフィルター用色素として、モノアゾ系色素であるC.I.Acid Red 6を用いる方法(特許文献3参照)が開示されている。この方法、特に前者のトリフェニルメタン系色素を用いる方法は、色素のモル吸光係数(ε)が高く、色調も鮮明で、分光特性が良好である。
又、青色カラーフィルター用色素として、アントラキノン系色素を用いる方法(特許文献4参照)やナフトキノン系色素を用いる方法(特許文献5参照)が開示されている。
特開平7−242651号公報 特開2003−5362号公報 特開2003−5361号公報 特開2001−108815号公報 特開2002−338839号公報
しかしながら、特許文献2及び3に記載の方法では、色素の有機溶剤やポリマーに対する溶解度が不足しているため、現像の際に色素の溶出がしやすい等の問題がある。又、特許文献4及び5に記載の染料は、有機溶剤やポリマーに対する溶解性は十分であるが、分光特性は顔料よりは優れているものの、満足のいくレベルには達していない。以上のように、良好な分光特性と有機溶剤やポリマーへの高い溶解性を併せ持つ色素はこれまで報告されていない。
本発明の第一の目的は、スルホンアミド化の際の副反応を抑え、工業的に有利なトリフェニルメタン系色素の製造方法を提供することである。又、本発明の第二の目的は、カラーフィルター用の着色剤として、優れた分光特性と有機溶剤やポリマーに対する溶解性とを併せ持った色素化合物を提供することである。更に本発明の第三の目的は、明度が高く色相に優れ、特に青色の色相に優れ、分光特性及び表示コントラストが高い画像表示を可能とする、カラーフィルター用青色レジスト組成物を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、下記一般式(1)で表わされる構造を有することを特徴とする色素化合物を提供する。
Figure 2006257411
[式中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO2NR910の何れかを表わし、上記R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わす。ここでR9及びR10は、窒素原子とともに複素環を形成してもよい。又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO2NR910ではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO2NR910を有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
上記本発明の色素化合物のなかでは、下記一般式(2)で表わされる構造を有する色素化合物が特に好ましい。
Figure 2006257411
[式中、R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わす。ここでR9及びR10は、窒素原子とともに複素環を形成してもよい。]
又、本発明は、前記本発明の色素化合物の製造に有用な下記一般式(4)で表わされる構造を有するスルホニルハライド化合物の製造方法を提供する。該製造方法は、下記一般式(3)で表わされる構造を有する色素化合物とハロゲン化チオニルとを、N,N−ジメチルホルムアミド及び有機溶剤の存在下で反応させる工程を有することを特徴とする。
Figure 2006257411
[式中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO3Mの何れかを表わし、又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO3Mではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO3Mを有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Mはスルホン酸基のカウンターカチオンを表わし、Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
Figure 2006257411
[式中、R1乃至R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO3Xの何れかを表わし、又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO3Xではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO3Xを有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Xはハロゲン原子を表わし、Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
又、本発明は、前記本発明の色素化合物の製造方法を提供する。該製造方法は、前記の構造を有するスルホニルハライド化合物の製造方法で得られた一般式(4)で表わされる構造を有するスルホニルハライド化合物を、下記一般式(5)で表わされる構造を有するアミン類と縮合反応させる工程を有することを特徴とする。
Figure 2006257411
[式中R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わす。ここでR9及びR10は、窒素原子とともに複素環を形成してもよい。]
又、本発明は、樹脂又はモノマー及び前記一般式(1)で表わされる構造を有する色素化合物を、少なくとも1種含有してなることを特徴とするカラーフィルター用青色レジスト組成物を提供する。
本発明によれば、発色性、透明性等の分光特性に優れた新規な色素化合物、及びその工業的に有利な製造方法が提供される。上記新規色素化合物は、その有機溶剤に対する溶解性を、該色素化合物の製造時における縮合反応時のアミン種を変えることにより制御することが可能である。該新規色素化合物を用いることで、良好な青色の色調を有するカラーフィルター用レジスト組成物が提供される。
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、前記一般式(1)で表わされる構造を有する色素化合物が、発色性、透明性等の分光特性に優れていることを見出し本発明に至った。又、前記一般式(1)の色素化合物は、その製造時において、スルホンアミド化の際にアミン種を変更することで、有機溶剤に対する溶解性を制御することが可能であり、該色素化合物を用い、レジスト組成物とした場合には、良好な青色の色調を有するカラーフィルターの提供が可能となる。
前記一般式(1)、(3)及び(4)中のR1乃至R4で表わされるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。R1とR3(若しくはR1とR4)、R2とR4(若しくはR2とR3)は同一であっても異なっていてもよいが、色調、原料のコストの点で好ましいのは、同一である場合である。特に好ましいのは、すべてエチル基の場合、R1とR3(若しくはR1とR4)がエチル基、R2とR4(若しくはR2とR3)がベンジル基の場合である。これらの置換基には−SO2NR910が置換していてもよい。
前記一般式(1)、(3)及び(4)中のR5、R6で表わされるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。より好ましい形態としては、R5、R6が水素原子或いはメチル基の何れかである場合が挙げられる。
前記一般式(1)、(3)及び(4)中のR7、R8のアミノ基には、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ベンゼンスルホン酸基等が置換していてもよい。前記一般式(1)中のR9、R10は、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わし、前記一般式(5)のアミンの置換残基に相当する。
一般式(5)中のアミンの置換基であるR9、R10は、一般式(1)の色素化合物の溶解性に大きな影響を与える。このため、このR9、R10を適宜に変更することで、所望する溶解性の色素化合物を得ることが可能である。R9、R10の例としては、下記のものが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等の鎖状若しくは環状アルキル基;
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
又、R9、R10は窒素原子とともに複素環を形成してもよい。具体的には、ピペリジノ基、ピペラジノ基、ピロール基、インドール基、カルバゾール基、ピラゾール基、インダゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、テトラゾール基等が挙げられる。スルホンアミド化の反応性の観点から言えば、R9、R10は、立体障害の小さいものの方が一般式(5)の化合物の反応性は高く、高収率で一般式(1)の色素化合物を得ることができるため好ましい。一方、有機溶剤に対する溶解性の観点から言えば、R9、R10は、長鎖のアルキル基等の脂溶性が高いものの方が好ましい。
本発明の新規色素化合物の製造方法について以下に説明する。本発明の色素化合物の製造方法は、少なくとも、以下の2工程を有する。即ち、前記一般式(3)で表わされる構造を有する色素化合物中のスルホン酸基のハロゲン化による前記一般式(4)で表わされる構造を有するスルホニルハライドを得る工程と;
次いで該スルホニルハライド化合物を前記一般式(5)で表わされる構造を有するアミン類と縮合反応させて前記一般式(1)で表わされる色素化合物を得る工程;を有する。
又、一般式(3)中のMの具体例としては、水素原子、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等の金属イオンが挙げられ、一般式(4)中のXの具体例としては、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
一般式(3)で表わされる構造を有する色素化合物の具体例としては、以下の一般式(6)〜(9)で表わされる構造を有する色素化合物を挙げることができるが、これらに限定される訳ではない。
Figure 2006257411
Figure 2006257411
Figure 2006257411
Figure 2006257411
[一般式(6)〜(9)中、Mは、前記一般式(3)における場合と同様のスルホン酸基のカウンターカチオンを表わす。]
これらの色素化合物は、単独で、又は2種以上混合してハロゲン化チオニルとの反応に供される。ハロゲン化チオニルとしては塩化チオニルが好ましい。反応溶媒としてはハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒が好ましい。具体的には、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、ジクロロペンタン、テトラクロロエタン及び1,2−ジブロモエタン等が挙げられる。これらの中でもクロロホルムがより好ましい。
一般式(3)の色素化合物とハロゲン化チオニルとの反応において、ハロゲン化チオニル(A)に対するN,N−ジメチルホルムアミド(B)の使用量は、好ましくはモル比でA:B=1:0.3から1:0.8の範囲である。ハロゲン化チオニルの使用量(A)は、使用する色素化合物(C)の種類及び純度により異なるが、通常は色素化合物に対してモル比でA:C=1:1から1:20の範囲である。一般に、色素化合物の純度が高い場合にはハロゲン化チオニルの使用量は化学量論的に当量或いは若干多めでよい。一方、食塩又は芒硝等の不純物が多く、色素純度が低い場合にはハロゲン化チオニルの使用量は化学量論的な当量よりも過剰に用いることが好ましい。反応は、通常は一般式(3)の色素化合物、N,N−ジメチルホルムアミド及びハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒の混合物中にハロゲン化チオニルを徐々に滴下する方法で行われる。反応温度は通常は約0℃から約70℃、好ましくは約30℃から60℃で行われ、反応時間は通常は30分から6時間程度である。色素化合物に対するハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒の使用量は適宜設定される。
一般式(4)で表わされるスルホニルハライド化合物の反応混合物からの取り出しは、通常は上記反応混合物を必要なら冷却後、水又は氷水中に注いで残存するハロゲン化チオニルを分解した後、抽出、洗浄及び濃縮等の慣用手段を用いて行われる。より好ましくは、得られた上記反応混合物(上記スルホニルハライド化合物及び残存するハロゲン化チオニルのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒溶液)を、そのまま前記一般式(5)で表わされるアミン類との縮合反応に供する方法が挙げられる。
一般式(4)で表わされるスルホニルハライド化合物と、一般式(5)で表わされるアミン類との縮合反応は、好ましくは塩基性触媒の存在下で行われる。当該塩基性触媒としては、具体的にはトリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、トリエタノールアミン等、脂肪族及び芳香族アミン類が挙げられるが、好ましいのは3級アミンである。前記反応混合物をそのまま一般式(5)で表わされるアミン類との反応に供し、且つ塩基性触媒を用いる場合に、一般式(5)のアミン類及び上記塩基性触媒の合計使用量(D)は、好ましくは、前記反応で使用したハロゲン化チオニル(A)に対してモル比でD:A=1:2.2から1:2.5の範囲である。
又、塩基性触媒を用いる場合には、当該触媒の使用量(E)は一般式(5)のアミン類(F)に対してモル比で通常E:F=1:0.5から1:1.5、好ましくはE:F=1:0.8から1:1.2の範囲である。ハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒等の縮合反応溶媒の使用量は適宜設定される。縮合反応は通常0℃から60℃、好ましくは5℃から40℃であり、縮合反応時間は通常30分から6時間である。一般式(1)で表わされる色素化合物の縮合反応混合物からの取り出しは、通常は上記反応混合物を必要なら冷却後、中和、抽出、洗浄及び濃縮等の慣用手段を用いて行われる。より好ましくは、中和後、抽出、洗浄を行った後、溶媒を濃縮し再結晶若しくはカラムクロマトグラフィーにより精製する方法が挙げられる。
本発明にかかる色素化合物は、鮮やかな青色の色調を有し、その分光特性により着色用色材、好ましくはカラーフィルター用着色剤として用いることができる。具体的には以下に詳述する、青色レジスト組成物を始めとして、その他、印刷用インク、塗料又は筆記具用インクの材料として用いることができる。
以下、本発明のカラーフィルター用青色レジスト組成物について説明する。
本発明の青色レジスト組成物は、バインダー樹脂及び光重合性モノマーの少なくとも一方と、前記一般式(1)で表わされる色素化合物を含有してなる。更に、光重合開始剤、溶剤を含有することが好ましい。
又、基板上に異なる分光特性を持つ二種以上の画素が隣接して配列されてなるカラーフィルターにおいて、その複数の画素(例えば、赤、緑、青)のうち、少なくとも1つに本発明の一般式(1)で表わされる色素化合物を用いることによって、高透明で高色純度な画素を得ることができる。しかし、顔料と染料とを混合することで分光特性を改善することもできるため、顔料と本発明の色素化合物との混合物を用いてもよい。又、分光特性を整えるための調色剤として他の染料を合わせて使用しても構わない。更に、本発明の色素化合物を含め使用される色素は、水溶性・油溶性の何れのものでもよく、染料は完全に溶解していることが好ましいが、十分に細かい粒子の状態で分散が可能ならば必ずしも溶解している必要はない。従って、市販されている着色剤から多くのものを選択可能である。
調色剤として用いることのできる色素の具体例としては、下記の染料及び顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、これらの染料や顔料は要望の色相を得るために2種類以上を混合して用いても構わない。
例えば、染料の具体例としては、Acid Red 52、87、92、122、486;
Solvent Red 8、24、83、109、125、132;
Disperse Red 60、72、88、206;
Basic Red 12、27;
Acid Blue 1、7、9、40、83、90、129、249;
Solvent Blue 25、35、36、55、67、70;
Disperse Blue 56、81、60、87、149、197、211、214;
Basic Blue 1、7、26、77;
Acid Green 18;
Solvent Green 3;
Basic Green 1;
Acid Yellow 38、99;
Solvent Yellow 25、88、89、146;
Disperse Yellow 42、60、87、198;
Basic Yellow 21等を挙げることができる。
又、顔料の具体例としては、Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、208、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240;
Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64;
Pigment Green 7、36;
Pigment Yellow 20、24、81、83、86、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185;
Pigment Orange 36;
Pigment Violet 23等を挙げることができる。
前記一般式(1)で表わされる色素化合物の含有量としては、下記バインダー樹脂の質量に対して、0.1質量%以上400質量%以下が好ましく、1質量%以上200質量%以下がより好ましい。
本発明のカラーフィルター用の青色レジスト組成物に使用できるバインダー樹脂としては、光照射部或いは遮光部が有機溶剤、アルカリ水溶液、水、又は市販の現像液によって溶解可能なものであればよく、特に限定されるものではない。しかし、作業性、廃棄物処理等の観点からは、水或いはアルカリ現像可能な組成を有すものがより望ましい。
このような樹脂としては、一般に、親水性のモノマーと、親油性のモノマーとを適度な混合比で既知の手法で共重合したバインダー樹脂が知られている。親水性のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸や2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、N−ビニルピロリドンやアンモニウム塩を有するモノマー等に代表されるものが使用される。又、親油性のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、N−ビニルカルバゾール等に代表されるようなモノマーが使用される。これらのバインダー樹脂は、エチレン性の不飽和基を有するラジカル重合性のモノマーやオキシラン環或いはオキセタン環を有するカチオン重合性のモノマー、ラジカル発生剤或いは酸発生剤や塩基発生剤との組み合わせによってネガ型、即ち遮光部分が現像によって除去されるタイプのレジストとして用いることができる。
又、ポリヒドロキシスチレンのtert−ブチル炭酸エステル、tert−ブチルエステル、テトラヒドロキシピラニルエステル或いはテトラヒドロキシピラニルエーテル等に代表されるバインダー樹脂を使用することもできる。この種のバインダー樹脂は、酸発生剤との組み合わせによってポジ型、即ち光照射部分が現像によって除去されるタイプのレジストとして用いることができる。
本発明のカラーフィルター用青色レジスト組成物は、光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとして、エチレン性不飽和二重結合を1個以上有する光重合性モノマーを含有することができる。前記光重合性モノマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートや;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル;
トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドにプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや、多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートも挙げられる。上記の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する光重合性モノマーは、単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。前記重合性化合物の含有量としては、着色感光性組成物の質量(全固形分)の5質量%以上50質量%以下が一般的であり、特に10質量%以上40質量%以下が好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、光感度や画素の強度が低下することがあり、50質量%を超えると、感光性樹脂層の粘着性が過剰になることがあり好ましくない。
本発明のカラーフィルター用青色レジスト組成物は、紫外線硬化性である場合には、光重合開始剤を含有して構成される。該光重合開始剤としては、ビシナールポリケトアルドニル化合物、α−カルボニル化合物、アシオインエーテル、多岐キノン化合物、トリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、トリオキサジアゾール化合物等が挙げられる。好ましくは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369:商品名、チバスペシャルティケミカルズ社製)が挙げられる。尚、本発明の着色レジストによる画素の形成に際し電子線を用いる場合には、上記の光重合開始剤は必須ではない。
本発明のカラーフィルター用の青色レジスト組成物は、上記バインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、着色剤等を溶解若しくは分散させるための溶剤を含有する。使用できる溶剤としては、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル;
エチルベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン;
エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン;
酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
以上のように、本発明のカラーフィルター用青色レジスト組成物は、着色剤として前記一般式(1)で表わされる色素化合物を含有して構成されるので、形成される画素の色相が良好で透明性、透光性を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
〔実施例1〕
下記のようにして、前記一般式(1)で表わされる構造を有する色素化合物を得た。
<合成例(下記式(10)で表わされる色素化合物の製造)>
Figure 2006257411
前記一般式(6)で表わされる色素化合物のMがナトリウム塩である化合物10g、クロロホルム80mL及びN,N−ジメチルホルムアミド2.4gの混合物に、室温下、塩化チオニル5.1mLを1時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を昇温し、60℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物に0℃で、ジ(2−エチルヘキシル)アミン15.5gとトリエチルアミン7.7gとの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を60℃に昇温し、3時間攪拌した。反応終了後、酢酸で中和し、250mLの水に注ぎ込み、クロロホルムで抽出した後、有機層を250mLの水で2回洗浄した。有機層を無水芒硝で乾燥させた後、沈殿を濾別し、濾液の溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製することで前記した式(10)の化合物を得た。
構造同定は、核磁気共鳴分光分析装置(ECA−400、日本電子(株)製)にて1H核及び13C核のNMR分析にて行い、HPLC(高速液体クロマトグラフィー、LC2010A、(株)島津製作所製)分析にて純度検定を行った。以下に分析結果を示す。
[式(10)で表わされる化合物についての分析結果]
[1]1H核のNMR(400MHz、CDCl3、室温)の結果(図1):
δ=0.80−0.89(m、24H)、1.22−1.39(m、42H)、2.81−3.00(m、8H)、3.60−3.70(m、4H)、4.75−4.85(m、4H)、6.77−6.79(m、4H)、6.95(dd、1H)、7.32(d、1H)、7.38(m、2H)、7.49−7.57(m、7H)、7.62(br、2H)、7.69−7.75(m、2H)、8.31(d、1H)
[2]13C核のNMR(100MHz、CDCl3、室温)の結果:
δ=10.1、12.5、14.0、23.0、23.4、28.6、30.3、37.7、46.6、53.4、113.2、125.2、126.6、126.8、128.0、128.7、129.1、130.0、130.1、130.3、130.4、136.2、137.0、140.4、141.7、147.4、156.1、182.1
[3]HPLCの結果 純度=96.7面積%、保持時間9.3分(MeOH/H2O=95/5)
<合成例(化合物番号(11)〜(24)の色素化合物の製造)>
前記した式(10)で表わされる色素化合物(化合物番号10)の製造方法に準じて、前記一般式(2)で表わされる一連の色素化合物(11)〜(24)を合成した。合成した一連の色素化合物(11)〜(24)における一般式(2)中のR9及びR10に該当する構造を、下記表1及び表2に示した。又、前記した式(10)で表わされる色素化合物の製造方法において、一般式(6)の色素化合物の代わりに、前記一般式(7)〜(9)で表わされる色素化合物をそれぞれ用いた以外は同様の操作によって、一連の色素化合物(25)〜(27)の合成を行った。合成した一連の色素化合物におけるR9及びR10に該当する構造を下記表3に示した。
〔実施例2〕
<色素化合物の溶解度の評価>
上記実施例1で合成した一連の色素化合物(10)〜(27)のシクロヘキサノンへの溶解度を以下の基準で評価した。又、比較化合物として、前記一般式(3)に含まれる一般式(6)で表わされる色素化合物のMがナトリウム塩である化合物(化合物番号6)をそのまま用い、同様の評価を行った。結果を表1〜3中に表記した。
○:シクロヘキサノンへの溶解度が10%以上。
△:シクロヘキサノンへの溶解度が5%以上、10%未満。
×:シクロヘキサノンへの溶解度が5%未満。
Figure 2006257411
Figure 2006257411
Figure 2006257411
表1〜3の結果より、本発明の一般式(1)で表わされる色素化合物は、スルホンアミド基を有することにより、いずれも比較した一般式(3)で表わされる色素化合物(6)よりもシクロヘキサノンに対する溶解性が飛躍的に向上することがわかった。このことから、本発明のスルホンアミド基を有する色素化合物は、レジスト組成物の着色剤とした際に、凝集等を起こさず、安定したレジスト組成物を得ることができることが示唆された。特にR9及びR10がアルキル基、中でも長鎖アルキル基である場合にシクロヘキサノンに対する溶解性が特に優れていることが確認された。
〔実施例3〕
<色素化合物の分光特性の評価>
前記した式(10)で表わされる色素化合物(10)をシクロヘキサノンに溶解し、吸光度が、2.0になるように調製した。得られた溶液について、分光光度計(U−3310形分光光度計、(株)日立製作所製)にて室温での紫外可視吸収スペクトルを測定した(図2)。測定したスペクトルから吸収極大波長(λmax[nm])を求めた。又、スペクトルの500nmから650nmにおける最大吸収波長と、400nmから500nmにおける最小吸収波長の吸光度比(最大吸収波長における吸光度/最小吸収波長における吸光度)で色素化合物の分光特性を評価した。ここで吸光度比は、その値が大きいほど明度が高い画素を有するカラーフィルターが作成可能であることを意味する。
尚、明度は、CIE(国際照明委員会:Commission Internationale de I’Eclairage)で制定されているXYZ(Yxy)表記法のY値でも評価可能であるが、色相の小さなずれで大きく異なるY値が計算されるため、本実施例では吸光度比で明度の評価を行った。
式(10)で表わされる色素化合物(10)について行った上記の分光特性評価と同様の評価を、同様の方法と同様の操作で行った。評価に用いた色素化合物は、前記した色素化合物(14)、(25)〜(27)と、比較するための下記式(28)で表わされるアントラキノン系染料であるC.I.Solvent Blue 35である。評価結果を表4に示した。
Figure 2006257411
Figure 2006257411
表4の結果より、先ず、色素化合物(10)と色素化合物(14)との比較から、同じ色素骨格を持つものは分光特性に顕著な違いは見られないことがわかった。又、一連の一般式(1)で表わされる色素化合物(10)、(14)、(25)〜(28)は、比較したアントラキノン系色素である色素化合物(28)よりも分光特性がよいことがわかった。更に、特に前記一般式(2)で表わされる色素骨格を持つ色素化合物(10)及び(14)が、明度が良好であり、カラーフィルター用着色剤として分光特性が良好であることが示唆された。
〔実施例4〕
<青色レジスト組成物の調製>
先に説明した合成例で得た色素化合物(10)を用い、下記の方法で青色レジスト組成物を調製した。具体的には、アクリル共重合組成物6.7部、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート1.3部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(光重合開始剤)0.4部及びシクロヘキサノン116部に、色素化合物(10)2.0部を加え、室温で3時間攪拌した。これを1.5μmフィルターで濾過することで、青色レジスト組成物を得た。
〔実施例5〕
<塗布サンプルの作成>
上記で得られた青色レジスト組成物を、ガラス上にスピンコートし、その後これを90℃で3分間乾燥させ全面露光し、180℃でポストキュアすることで塗布サンプルを作成した。得られた塗布サンプルは光透過性、色調共に良好なものであった。
本発明の活用例としては、本発明にかかる色素化合物は、有機溶剤に対する溶解性が高く、スルホンアミド化に用いるアミン種を変換することで用途に応じて溶解性を容易に制御することができるため、種々の用途に適用可能である。即ち、この特筆すべき物性によって、本発明にかかる色素化合物は、着色剤としての用途にとどまらず、光記録用色素等の電子材料への応用にも十分に適用できる。
本発明の色素化合物(10)の1H核のNMRスペクトル(400MHz、CDCl3、室温)を表わす図である。 本発明の色素化合物(10)のシクロヘキサノン中、室温での紫外可視吸収スペクトルを表わす図である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表わされる構造を有することを特徴とする色素化合物。
    Figure 2006257411
    [式中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO2NR910の何れかを表わし、上記R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わす。ここでR9及びR10は、窒素原子とともに複素環を形成してもよい。又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO2NR910ではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO2NR910を有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
  2. 下記一般式(2)で表わされる構造を有する請求項1に記載の色素化合物。
    Figure 2006257411
    [式中、R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わす。ここでR9及びR10は、窒素原子とともに複素環を形成してもよい。]
  3. 下記一般式(3)で表わされる構造を有する色素化合物とハロゲン化チオニルとを、N,N−ジメチルホルムアミド及び有機溶剤の存在下で反応させる工程を有することを特徴とする下記一般式(4)で表わされる構造を有するスルホニルハライド化合物の製造方法。
    Figure 2006257411
    [式中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO3Mの何れかを表わし、又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO3Mではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO3Mを有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Mはスルホン酸基のカウンターカチオンを表わし、Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
    Figure 2006257411
    [式中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO3Xの何れかを表わし、又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO3Xではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO3Xを有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Xはハロゲン原子を表わし、Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
  4. 下記一般式(4)で表わされる構造を有するスルホニルハライド化合物を、下記一般式(5)で表わされる構造を有するアミン類と縮合反応させる工程を有することを特徴とする色素化合物の製造方法。
    Figure 2006257411
    [式中、R1乃至R4はそれぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基及び置換されていてもよいアラルキル基の何れかを表わし、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基の何れかを表わす。又、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子、スルホン酸基、置換されていてもよいアミノ基、若しくは−SO3Xの何れかを表わし、又、nは、1乃至3の整数を表わす。更に、上記R7及びR8の何れもが−SO3Xではない場合には、上記R1乃至R4のうち少なくとも1つが、置換基として−SO3Xを有するアルキレン基、アリーレン基、若しくはアラルキレン基である。Xはハロゲン原子を表わし、Anは、カウンターアニオンを表わすが、分子中にカウンターアニオンが存在するときはAnは不要である。]
    Figure 2006257411
    [式中、R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基の何れかを表わす。ここでR9及びR10は、窒素原子とともに複素環を形成してもよい。]
  5. 樹脂又はモノマー及び請求項1に記載の色素化合物を含有してなることを特徴とするカラーフィルター用青色レジスト組成物。
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