JP2006257216A - ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液、および多孔質膜の製造方法 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液、および多孔質膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期間にわたってゲル化を起こしにくく、膜素材として好適なポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液の提供。
【解決手段】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルピロリドン、ジメチルアセトアミドを含有するとともに、水を0.5〜3質量%含有するポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液であり、85℃で20日以上保存後の粘度上昇が5倍以下であるものが好ましい。この樹脂溶液は、ジメチルアセトアミドと水からなる混合物にポリフッ化ビニリデン系樹脂を添加することによって好適に得ることができる。また、上述のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を用いて湿式賦形することによって、安定した物性を有する多孔質膜を長期間連続的に生産することが可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液、およびこれを用いた多孔質膜の製造方法に関するものである。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化により、分離の完全性やコンパクト性などに優れた多孔質膜を用いた水処理、例えば、限外ろ過や精密ろ過による産業排水、下廃水、浄水などの処理が注目を集めている。
従来、透過性能の優れた透過膜として、湿式または乾湿式紡糸法により製造される、ポリスルホン系、ポリアクリロニトリル系、セルロースアセテート系、ポリフッ化ビニリデン系等の濾過膜が知られている。
これら濾過膜素材の中でもポリフッ化ビニリデン系樹脂は、耐薬品性、耐熱性に優れており、分離膜の素材として好適に用いられている。
有機溶媒にポリフッ化ビニリデン系樹脂とポリビニルピロリドン等の造孔用添加剤を溶解させた溶液を紡糸し、ミクロ層分離させた後、非溶媒中で凝固させることによって、三次元網目構造を持つ中空糸膜を得ることができる。
この溶液の製造方法としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンとポリビニルピロリドンをジメチルアセトアミドに混合し、50〜60℃の温度で48hr〜72hrの時間をかけて攪拌する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
しかし、このような方法で得られた溶液は一般的に熱安定性が低く、長期間熱履歴を受けることによって溶液中にゲルが生成されやすい傾向にあるため、この溶液を用いて上述の中空糸膜を製造すると、中空糸膜にピンホールが発生することがあった。
D.Wang et al,Journal ofMembrane Science,163,P211,1999
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、長期間にわたってゲル化を起こしにくく、膜素材として好適なポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明の第一の要旨は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルピロリドン、ジメチルアセトアミドを含有するとともに、水を0.5〜3質量%含有するポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液である。
本発明の第二の要旨は、上述のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を用いて湿式賦形する、多孔質膜の製造方法である。
本発明によって、熱安定性に優れたポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を得ることが可能となり、これを用いることによって、安定した物性を有する多孔質膜を長期間連続的に生産することが可能となる。
本発明で使用するポリフッ化ビニリデン系樹脂は、特に限定されるものではないが、フッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体であり、重量平均分子量Mwが200,000〜2,000,000の範囲のものが多孔質膜の素材として好適に使用できる傾向にあるので好ましい。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を10〜30質量%含有するのが好ましい。これは、10質量%以上とすることによって、多孔質膜中にボイドが形成されにくくなる傾向にあるためである。また、30質量%以下とすることによって、製膜原液の粘度が製膜に適した数値となり、生産性が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは、12〜25質量%の範囲である。
本発明で使用するポリビニルピロリドンは、特に限定されるものではないが、造孔用添加剤としての機能と、溶液化する際の溶解性を両立できる傾向にあることから、重量平均分子量Mwが10,000〜3,000,000の範囲のものが好ましい。また、分子量の異なるポリビニルピロリドンを複数混合して使用することも可能である。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は、ポリビニルピロリドンを1〜25質量%含有するのが好ましい。これは、1質量%以上とすることによって、得られる膜が、十分なフラックス性能を発揮する多孔質構造に形成される傾向があり、25質量%以下とすることによって、ポリビニルピロリドンの除去が容易となり生産性が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは、5〜20質量%の範囲である。
またポリビニルピロリドンの含有量は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の20〜70質量%に相当する量であることが好ましい。これは、20質量%以上とすることによって得られる膜が十分なフラックス性能を発揮する多孔質構造に形成される傾向にあり、70質量%以下とすることによって、必要とされる膜の機械的強度を維持できる傾向にあるためである。より好ましくは、30〜60質量%の範囲である。
本発明で使用するジメチルアセトアミドは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、ポリビニルピロリドンの溶媒として使用されるものであり、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を多孔質膜の製造に使用する場合において、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、ポリビニルピロリドンの溶解性が高いという特徴を有するものである。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は、ジメチルアセトアミドを42〜88.5質量%含有するのが好ましい。これは、42質量%以上とすることによって、ノズルから吐出して製膜しやすい溶液粘度を維持しつつ、膜表面の細孔を形成しやすい傾向となり、また88.5質量%以下とすることによって、ノズルから吐出して製膜しやすい溶液粘度を維持しつつ、得られた膜の機械的強度を維持できる傾向にあるためである。より好ましくは、60〜85質量%の範囲である。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は、水を0.5〜3質量%含有する必要がある。
これは、水の含有量が0.5質量%未満であると、本発明の特徴であるゲル化抑制の効果が充分に得られない傾向にあるためである。より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上である。
また、水の含有量が3質量%を超えると、溶液中のポリフッ化ビニリデン系樹脂が析出しやすい傾向にあるためである。より好ましくは2.8質量%以下であり、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は、ジメチルアセトアミドと水からなる混合物にポリフッ化ビニリデン系樹脂を添加して得るのが好ましい。
これは、ジメチルアセトアミドと水からなる混合物をポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶媒として使用することによって、溶液を高温で長期間保持した時に、溶液がゲル化する速度が遅延される傾向にあるためである。
この場合ポリビニルピロリドンは、ジメチルアセトアミドと水からなる混合物に予め添加しておいても良いし、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と同時に添加しても良いし、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解後に添加しても良い。
例えば、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を得るには、まず、溶解釜に任意量のジメチルアセトアミドと、得られる樹脂溶液中の水の比率が0.5〜3質量%の範囲となる量の水を溶媒として投入する。
次に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を投入する。この段階では、ヘラや簡易的な装置を用いて、ポリフッ化ビニリデン系樹脂がこの溶媒に一様に濡れる状態になるまで攪拌する。さらに、ポリビニルピロリドンを投入し、これが溶媒に一様に濡れる状態になるまで、同様の方法を用いて攪拌する。ポリフッ化ビニリデン系樹脂やポリビニルピロリドンが複数種あるときは、それぞれを順次投入するごとに前記方法の攪拌を行うのが、ダマの発生を抑制し、より均一に溶解することができるので好ましい。
このときの溶解釜の温度は常温で良いが、ポリビニルピロリドン投入後は混合物の粘度が大きく上昇し、攪拌の際には高いトルクが必要となる傾向にあるため、必要に応じて溶解釜を加熱し、溶液の粘度を下げることができる。この場合、30℃以上となるように加熱するのが好ましい。より好ましくは40℃以上である。
一方で、過剰な加熱はゲル化の原因となることがあるので、加熱温度を70℃以下とするのが好ましい。より好ましくは60℃以下である。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂やポリビニルピロリドン投入後の攪拌時間は、2〜10時間の範囲とするのが好ましい。これは、攪拌時間を2時間以上とすることによって、各樹脂成分を均一に溶解させることができる傾向にあるためである。より好ましくは、4時間以上である。また攪拌時間を10時間以下とすることによって、生産性が良好となるとともに、樹脂成分のゲル化を抑制できる傾向にあるためである。より好ましくは、6時間以下である。
また例えば、溶解させるポリフッ化ビニリデン系樹脂とポリビニルピロリドンの質量比に対応するようにジメチルアセトアミドを2つの分量に分け、添加しようとする水をそれぞれの分量の比に相当する量に分けて添加して、2種類の溶媒を用意し、さらに、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とポリビニルピロリドンをそれぞれに対応する溶媒に添加・攪拌することによって溶解させた後、双方を混合することによって、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を得ることができる。
上記溶解方法を用いる際のポリフッ化ビニリデン系樹脂とジメチルアセトアミド混合物の攪拌及び、ポリビニルピロリドンとジメチルアセトアミド混合物の攪拌、さらに双方を混合するそれぞれの攪拌時間は、それぞれ2〜10時間の範囲とするのが好ましい。これは、それぞれの攪拌時間を2時間以上とすることによって、各樹脂成分を均一に溶解させることができる傾向にあるためである。より好ましくは、3時間以上である。また、それぞれの攪拌時間を10時間以下とすることによって、生産性が良好となるとともに、樹脂成分のゲル化を抑制できる傾向にあるためである。より好ましくは、6時間以下である。
このようにして得られた溶液の粘度は、これを中空糸膜用素材として使用する場合に必要な曳糸性の観点から、30〜200Pa・s(30℃)の範囲とするのが好ましい。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を製造する際に使用する攪拌溶解手段は、必要に応じて適宜選択することができるが、例えば、プロペラ型翼、タービン型翼、ファンタービン型翼、アンカー型翼、パドル型翼等の各種の撹拌翼を用いた撹拌機を用いることができる。
また、高い粘度の混合物を攪拌する場合には、遊星攪拌式の攪拌装置を好適に用いることができ、中でも2軸の遊星攪拌式攪拌装置がより好適である。
この場合撹拌速度は、使用する撹拌手段に応じて、また目的とする溶液の粘度に応じて適宜調整されるが、攪拌翼自身の回転を自転、回転する攪拌翼を保持しながら旋回する軸の回転を公転とした時、自転の回転数が50〜400rpmの範囲であり、公転の回転数が自転の回転数の1/3であることが、攪拌効率の点から好ましい。
さらに、溶媒及びポリマーを投入する溶解釜は、上記の攪拌翼を問題なく使用できる構造のものが好ましい。また調製する溶液の必要量に応じた容量を有するものが使用されるが、例えば15Lの溶液に対して20L以上の容量の釜を用いることで、ポリマーの未溶解部分が釜の上蓋内側壁面に飛散するのを防ぐことができることから、より均一に溶解できる点で好ましい。また溶解釜は釜の内壁と外壁の間に水、もしくはシリコンオイル等の熱媒体を循環させる構造を有し、容易に任意の温度に調整可能な構造を有するものが好ましい。
このようにして得られるポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は、長時間加熱してもゲル化しにくく、熱安定性に優れるものであり、85℃で20日以上経過後の粘度上昇を5倍以下に抑えることができる。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液は膜素材として好適なものであり、これを湿式賦形することによって、分画性能や透水性能に優れた多孔質膜を製造することができる。
本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を所定のノズルより押し出し、湿式紡糸することによって、多孔質膜を製造することができる。湿式紡糸は、さらに湿式法と乾湿式法とに分類することができるが、ろ過性能と分画性能を両立するためには、乾湿式紡糸がより好ましい。多孔質膜が中空糸膜の場合には、管状ノズルより押し出す。
この場合、押し出し温度は20〜40℃の範囲とするのが好ましい。これは、この温度範囲とすることによって、製膜原液の粘度が安定な紡糸が可能な領域となり、生産性に優れた製造条件となる傾向にあるためである。
本発明によって得られる多孔質膜の形態は特に限定されるものではなく、平膜であっても中空糸膜であっても良いが、水処理装置の小型化の観点からは、中空糸膜が好適である。
得られる多孔質膜の強度が不十分な場合には、多孔質膜中に繊維を配置した繊維補強多孔質膜としたり、組み紐に製膜原液を塗布した組み紐補強多孔質膜とすること等によって、強度を向上させることができる。
繊維補強多孔質膜の場合には、ノズルから製膜原液と同時に繊維を吐出してから凝固し、組み紐補強多孔質膜の場合には、ノズルにて組み紐の上に製膜原液を塗布して吐出し、凝固することによって、これらを得ることができる。
また、組み紐と多孔質膜の接着性を向上するため、始めに薄い製膜原液を組み紐に含浸した後、製膜原液を塗布しても良い。
製膜時に使用する凝固液としては、紡糸原液に用いられる溶剤を含む水溶液が好ましい。溶媒濃度は、目的とする多孔質構造や溶媒の種類にもよるが、例えばジメチルアセトアミドを1〜50質量%の範囲含有するものが好ましい。また凝固浴の温度は、通常90℃以下、好ましくは50〜85℃の範囲とするが好適である。
さらに、多孔質膜中に含まれている溶媒の洗浄を凝固に引き続いて行う。この洗浄はできるだけ高温の水中で行うのが効果的である。
多孔質膜の製造時においては、ポリビニルピロリドンを水洗や熱水洗浄、酸化剤、光触媒などを用いて可能な限り除去した方が、透水性能を高くするためにも好適である。ここで酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウムやオゾンなどを用いることができる。酸化剤等を用いた場合には、60〜95℃の熱水中で洗浄するのが好ましい。洗浄された膜は、乾燥させた後、ボビン又は枷に巻き取ることが好ましい。
本発明によって得られる多孔質膜は、複数の多孔質層からなるものであっても良い。例えば、2つの多孔質層からなる場合には、第1の多孔質膜を製膜して巻き取る等した後、その上に第2の多孔質層を形成して多孔質膜を作製しても良いし、第1の多孔質層を凝固した後、連続して第2の多孔質層を形成して多孔質膜を製造しても良い。
以下実施例を基に、本発明を更に詳しく説明する。なお、本実施例におけるゲル発生の有無の判断を目的として、熱安定性の評価は以下の方法で行った。
[熱安定性]
得られた溶液を落球粘度試験管にとり、85℃の恒温油槽にセットした状態で落球粘度測定法を用いて、経時的な粘度変化を測定した。
20日以上経過した時の粘度が、溶液製造時の粘度の5倍以下であれば、ゲル化しにくく、熱安定性に優れると判断することができる。
<実施例1>
二軸の遊星攪拌翼を持つ5L溶解釜にジメチルアセトアミド2340gと水16.7gを添加し溶解させた後、ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン製、KYNER301F(重量平均分子量:約1,000,000)396g、ポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン製、KYNER9000LD、重量平均分子量:約200,000)364g、及びポリビニルピロリドン(ISP社製、K−90、重量平均分子量:1,200,000)330gをそれぞれ順番に投入し、各ポリマーを投入するごとにスパチェラを用い、ポリマーが一様に濡れるまで手で攪拌をおこなった。その後、溶解釜のジャケット温度を60℃に昇温をした後、4時間の溶解攪拌を行い、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液(水含有比率:0.5質量%、粘度9Pa・s(85℃))を得た。
得られた溶液を製膜して得た中空糸膜は、水を添加しなかった溶液から得られた中空糸膜と同様の断面構造を有し、目的とする用途に使用できる膜性能を確保していた。
得られた溶液の粘度変化を上述の条件で測定したところ、測定開始から23日経過後の粘度が溶液製造時の4.6倍であり(粘度 41.5Pa・s(85℃))、熱安定性に優れていた。
<実施例2>
水の添加量を増やし、その含有比率を1質量%とした以外は実施例1と同じ条件で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液(粘度 8.5Pa・s(85℃))を得た。
得られた溶液の粘度変化は、測定開始から23日経過後の粘度が溶液製造時の4.5倍(粘度 38.3Pa・s(85℃))であり、熱安定性に優れていた。
<実施例3>
水の添加量を増やし、その含有比率を3質量%とした以外は実施例1と同じ条件で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を得た(粘度 5.4Pa・s(85℃))。
得られた溶液の粘度変化は、測定開始から23日経過後の粘度が溶液製造時の3.1倍(粘度 17.0Pa・s(85℃))であり、熱安定性に優れていた。
<比較例1>
水を添加しなかった以外は実施例1と同じ条件で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を得た(粘度9.8Pa・s(85℃))。
得られた溶液の粘度変化は、測定開始から18日経過後の粘度が溶液製造時の7.6倍(粘度74.1Pa・s(85℃))であった。さらに、23日経過後においては、溶液のゲル化が進んでいたため、粘度測定ができなかった。
<比較例2>
水の添加量を増やし、その含有比率を5.3質量部とした以外は実施例1と同じ条件で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を得た(粘度1.1Pa・s(85℃))。
得られた溶液は、ポリフッ化ビニリデンが析出したことによって白濁しており、また得られた溶液を製膜して得られた膜は、表面にピンホールが多発しており、膜素材として適さないものであった。


Claims (5)

  1. ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルピロリドン、ジメチルアセトアミドを含有するとともに、水を0.5〜3質量%含有するポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液。
  2. ポリフッ化ビニリデン系樹脂を10〜30質量%、ポリビニルピロリドンを1〜25質量%、ジメチルアセトアミドを42〜88.5質量%含有する、請求項1記載のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液。
  3. 85℃で20日以上保存後の粘度上昇が5倍以下である、請求項1又は2記載のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液。
  4. ジメチルアセトアミドと水からなる混合物にポリフッ化ビニリデン系樹脂を添加して得られる、請求項1〜3のいずれかに記載のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を用いて湿式賦形する、多孔質膜の製造方法。


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