JP2009160490A - 多孔質膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】相分離を制御するために添加される添加剤を、短時間の処理で除去でき、良好な透過性能を有する多孔質膜を製造できる多孔質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】膜材形成ポリマーと、相分離を制御する添加剤とを含む製膜液を凝固液中で凝固させて多孔質膜前駆体を得る工程と、該多孔質膜前駆体中に残存する前記相分離を制御する添加剤を除去する工程とを有する多孔質膜の製造方法において、前記相分離を制御する添加剤として、積分分子量分布曲線における高分子量域面積(図中の斜線部)の割合が10.1%以下であるポリビニルピロリドンを用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、水処理における精密濾過膜または限外濾過膜として好適な、多孔質膜の製造方法に関する。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化に伴って、分離の完全性やコンパクト性などに優れる点で、濾過膜を用いた膜法による水処理が注目を集めている。このような水処理の用途において、濾過膜には優れた分離特性や透過性能や機械物性が要求される。
従来、透過性能の優れた濾過膜としては、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート、ポリフッ化ビニリデンなどの疎水性ポリマーを膜材形成ポリマーとして用い、湿式または乾湿式紡糸法により製造される濾過膜が知られている。これらの濾過膜は、ポリマー溶液をミクロ相分離させた後、該ポリマー溶液を非溶媒中で凝固させて製造されるものであり、緻密層と支持層とを具備し、高空孔率で且つ非対称な構造をもつ。具体的な製膜方法として、膜材形成ポリマーと、相分離を制御する添加剤とを含む製膜液を凝固液中で凝固させる方法が知られている。相分離を制御する添加剤としては、例えばポリエチレングリコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーが用いられる。該相分離を制御する添加剤は凝固後に除去される。
凝固後に親水性ポリマーを除去する方法として、特許文献1では、酸化剤で親水性ポリマーを分解する方法が提案されており、特許文献2では、親水性ポリマーを化学処理する方法が提案されている。また特許文献3では、ポリビニルピロリドン等の分解性ポリマーを、分解剤を用いて除去する方法が提案されている。
特許第3196029号公報 米国特許第5076925号明細書 特許第3169404号公報
疎水性ポリマーからなる多孔質膜において、成膜後の多孔質部に親水性ポリマー(相分離を制御する添加剤)が残存していると透過性能が低下するため、かかる相分離を制御する添加剤を、より簡便な方法で、より高度に除去する方法が求められる。
しかしながら上記特許文献1記載の方法は、親水性ポリマーの除去処理に数時間から数十時間以上要するなど生産性の点で不都合がある。
また特許文献2、3記載の方法は、親水性ポリマーの種類によって良好な透過性能が得られない場合があり、必ずしも満足できる方法ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、相分離を制御するために添加される添加剤を、短時間の処理で除去でき、良好な透過性能を有する多孔質膜を製造できる多孔質膜の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の多孔質膜の製造方法は、膜材形成ポリマーと、相分離を制御する添加剤とを含む製膜液を凝固液中で凝固させて多孔質膜前駆体を得る工程と、該多孔質膜前駆体中に残存する前記相分離を制御する添加剤を除去する工程とを有する多孔質膜の製造方法において、前記相分離を制御する添加剤として、下記の方法で求められる、積分分子量分布曲線における高分子量域面積の割合が10.1%以下であるポリビニルピロリドンを用いることを特徴とする多孔質膜の製造方法。
以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリビニルピロリドンの分子量分布を測定し、横軸(X軸)をLogM(Mは分子量を示す。)、縦軸(Y軸)を積分分布値(質量%)とする積分分子量分布曲線を得る。該積分分子量分布曲線がY=100に達した点のXの値をPとする。該積分分子量分布曲線とX=Pを表わす直線とY=0を表わす直線とで囲まれた領域の面積を100%とするとき、該積分分子量分布曲線とX=6を表わす直線とX=Pを表わす直線とY=0を表わす直線とで囲まれた領域の面積の割合を、高分子量域面積の割合の値として求める。
カラム:TSKgel、カラム温度:25℃、移動相(溶離液):0.2molのNaNO水溶液とアセトニトリルの混合液、NaNO水溶液/アセトニトリルで表される混合割合は8/2(vol/vol)、流量:0.6ml/min、サンプル濃度:1mg/ml、検出器:RI検出器、注入量:20μl、分子量校正PEO:ポリエチレンオキサイド(ポリマーラボラトリーズ)、検量線:標準PEO(Polymer Laboratories社製)3次元近似曲線、測定装置:東ソー製HLC−8020GPC、サンプルは、測定直前にセルロースアセテート製カートリッジフィルター(分画性能0.45μm)でろ過する。
前記高分子量域面積の割合が5%以上であることが好ましい。
前記ポリビニルピロリドンのK値が82以下であることが好ましい。
前記ポリビニルピロリドンのK値が78以上であることが好ましい。
本発明によれば、膜材形成ポリマーと、相分離を制御する添加剤とを含む製膜液を凝固液中で凝固させて多孔質膜前駆体を得る工程と、該多孔質膜前駆体中に残存する相分離を制御する添加剤を除去する工程とを有する多孔質膜の製造方法において、相分離を制御する添加剤を、短時間の処理で除去でき、良好な透過性能を有する多孔質膜を製造できる。
<膜材形成ポリマー>
耐薬品性および耐熱性を向上させる観点からは、膜材形成ポリマーとしてフッ素系樹脂を用いることが好ましい。中でもポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。特に、重量平均分子量(以下、Mwということもある。)100,000〜1,000,000のポリフッ化ビニリデン(A)と、重量平均分子量10,000〜500,000のポリフッ化ビニリデン(B)とを、(A)のMwが(B)のMwより大きく、かつ両者のMwの差が30,000以上となるように組み合わせて用いるのが好ましい。(A)と(B)を組み合わせて用いる場合、(A)/(B)の質量比が0.5〜10の範囲内であることが好ましく、1〜3がより好ましい。(A)/(B)の質量比が上記の範囲内であると、膜の孔径の調整を容易にすることができる。
<相分離を制御する添加剤>
本発明において、相分離を制御する添加剤(以下、相分離制御剤ということもある。)として、上記の方法で求められる高分子量域面積の割合が10.1%以下であるポリビニルピロリドンを用いる。
該高分子量域面積の割合は具体的に以下の手順で求める。
まず、ポリビニルピロリドンを秤量し、下記溶離液をポリビニルピロリドンの濃度(サンプル濃度)が1mg/mlとなるように加え、16時間、静置溶解させ、測定直前にセルロースアセテート製カートリッジフィルター(分画性能0.45μm)でろ過する。得られたろ液をサンプルとして、上記の条件で分子量分布を測定し、積分分子量分布曲線を得る。
図2はポリビニルピロリドンの一例について、上記の方法で分子量分布を測定して得られた積分分子量分布曲線である。横軸(X軸)はLogM(Mは分子量)、縦軸(Y軸)は積分分布値(質量%)である。積分分子量分布曲線がY=100に達した点のXの値をPとする。図中符号aは積分分子量分布曲線、符号bはX=Pを表わす直線、符号cはY=0を表わす直線、符号dはX=6を表わす直線である。
曲線aと直線bと直線cとで囲まれた領域の面積を100%とするとき、曲線aと直線dと直線bと直線cとで囲まれた領域(斜線部分)の面積の割合を高分子量域面積の割合の値として求める。
上記の方法で求められる高分子量域面積の割合は、全体の分子量合計のうち、分子量10以上の分子量合計が占める割合を表わす。ポリビニルピロリドンの該高分子量域面積の割合はビニルピロリドンの重合時間によって制御できる。
相分離制御剤として、この高分子量域面積の割合が10.1%以下であるポリビニルピロリドンを用いることにより、相分離制御剤の良好な洗浄性(除去性)が得られる。該高分子量域面積の割合が10.1%を超えると洗浄性が低下し、多孔質膜における濾過性能が低下する、もしくは、多孔質膜に微細な割れが発生しやすくなり好ましくない。
該高分子量域面積の割合はゼロでもよいが、5%以上が好ましく、6%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。該高分子領域面積の割合が5%未満であると、形成される孔径が小さくなり過ぎ、下排水用濾過膜として使用する場合に濾過特性が低下するため、好ましくない。
また本発明で用いるポリビニルピロリドンは、K値が82以下であることが好ましい。K値が82を超えると相分離制御剤の洗浄性が低下し、濾過性能が低下するため好ましくない。また、ポリビニルピロリドンのK値が78以上であることが好ましい。K値が78未満であると多孔質膜における孔径が小さくなり過ぎ、下排水用濾過膜として使用する場合に濾過特性が低下するため好ましくない。
なお、ポリビニルピロリドンのK値は、分子量と相関する粘性特性値で、毛細管粘度計により測定される相対粘度値(25℃)を下記[数1]に示すFikentscherの式に適用して計算される値である。ポリビニルピロリドンの、該K値はビニルピロリドンの重合時間によって制御できる。市販品のポリビニルピロリドンはグレードによってそれぞれ固有のK値を有しており、各製品毎にK値が表示されている。
Figure 2009160490
本発明において、相分離制御剤として、ポリビニルピロリドン以外の他の相分離制御剤を、本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。該他の相分離抑制剤としては、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとを含む製膜液を凝固液中で凝固させる工程を経て多孔質膜を製造する方法において用いられる公知の親水性ポリマーを適宜用いることができる。例えば、ポリエチレングリコールに代表されるモノオール系、ジオール系、トリオール系などの親水性ポリマーが挙げられる。
使用する相分離制御剤の全体を100質量%とするとき、そのうちポリビニルピロリドン以外の他の相分離制御剤が占める割合は5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、ゼロが最も好ましい。
<溶媒>
製膜液は、溶媒に、膜材形成ポリマーおよび相分離制御剤を溶解させて調製する。溶媒としては有機溶媒が好ましい。有機溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。その中でも得られる多孔質体の透水流量が高いという点で、N,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。
<多孔質膜の製造方法>
本発明の多孔質膜の製造方法の一実施形態として、多孔質中空糸膜の製造方法を例に挙げて説明する。
本実施形態では乾湿式紡糸法を用いる。即ち、環状ノズルから製膜液を吐出させた後、所定時間膜を空走させ、しかる後に凝固液に浸漬させることによって多孔質状の膜材を形成する。
本実施形態では、概略、基材として組紐を用い、環状ノズルを用いて該組紐に第一製膜液を塗布し、凝固液中で凝固させて第一多孔質層を形成した後、環状ノズルを用いて該第一多孔質層の表面に第二製膜液を塗布し、凝固液中で凝固させて第二多孔質層を形成することにより多孔質膜前駆体を得る。
第一製膜液は第二製膜液よりポリマー濃度が低いことが好ましい。すなわち第一製膜液は、組紐中に含浸し易い程度のポリマー濃度であることが好ましい。第二製膜液は多孔質層の形成に好適な程度のポリマー濃度であることが好ましい。このように濃度が異なる第一製膜液および第二製膜液を使用することにより、組紐の主要部分に製膜液を充分に含浸させることができ、膜材(多孔質層)が組紐から剥がれるのを抑制できる。
組紐中への含浸性を考慮すると、第一製膜液中における膜材形成ポリマーの合計の濃度は、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。下限値は1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。
この範囲とすることにより、第一製膜液が組紐中へ容易に含浸する。また多孔質中空糸膜に用いられる組紐の空隙率は、一般に90〜95%程度であり、得られる多孔質中空糸膜において、組紐の空隙中に占める膜材形成ポリマーの割合が、第一製膜液中の膜材形成ポリマー濃度と同程度になる。したがって濾過時の膜の透水性を高く保つことができる。さらに、膜材を充分な強度で組紐に付着させることができる。
第一製膜液中における相分離制御剤の濃度は透水性を高く保つ点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、ポリビニルピロリドン洗浄性の点から5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
第二製膜液は、多孔質膜とした際にボイド層が形成されにくく良好な機械的強度を得るためには、上記第一製膜液以上のポリマー濃度を有することが好ましい。具体的には、第二製膜液中における膜材形成ポリマーの合計の濃度は、12%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。透過流量を上げるため、該ポリマー濃度は25%を超えない範囲が好ましい。
第二製膜液中における相分離制御剤の濃度は透水性を高く保つ点から5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましい。上限は、ポリビニルピロリドン洗浄性の点から15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。
膜材形成ポリマーとして上記ポリフッ化ビニリデン(A)と(B)を併用する場合、第一製膜液における(A)/(B)の質量比と、第二製膜液における(A)/(B)の質量比は、同じであっても、異なっていてもよい。透水性を高く保つ点からは同じであることが好ましい。
環状ノズルとしては、紐状の基材上に第一多孔質層および第二多孔質層を形成して多孔質中空糸膜を製造する方法に用いられる公知の環状ノズルを適宜用いることができる。
図1は本実施形態の多孔質中空糸膜の製造方法に好適に用いられる環状ノズルの一例を示した断面図である。この環状ノズルは、分配プレート10と、第一分配ノズル9と、環状ノズルの先端部をなす第二分配ノズル8とが、この順で積層されて概略構成されている。
分配プレート10は略円盤状の部材であり、その中心には組紐が通過する管路1が形成されている。分配プレート10の、管路1の周囲には、第一製膜液を供給するための第一供給口6と、第二製膜液を供給するための第二供給口7とが設けられている。
第一分配ノズル9は、断面形状が概略T字状の部材であり、平面形状が円盤形状の部材である。その中心には、上記第二分配ノズル8内へ突出する突出管状部13が形成されている。この突出管状部13の内部は中空部であり、この中空部は上記管路1と連通して組紐通路100を形成している。第一分配ノズル9と分配プレート10とを同心状に重ねると、それらの中心に組紐通路100が形成される。
第一分配ノズル9の、組紐通路100の周囲には、第一供給口6に連通する中空部と、第二供給口7に連通する中空部とがそれぞれ設けられている。
分配プレート10の下面と第一分配ノズル9の上面とが接触するように、これらを同心状に重ねた状態で、上記第一供給口6に連通する第一液プール部11が形成されるように、分配プレート10の下面および第一分配ノズル9の上面に、それぞれ溝が形成されている。また、これらを同心状に重ねた状態で、組紐通路100の周壁の全周に渡って第一吐出口2が形成されるように、環状スリットが形成されている。この第一吐出口2は上記第一液プール部11と連通している。さらに、上記第一液プール部11と第一吐出口2とは連通している。
分配プレート10と第一分配ノズル9とを同心状に重ね、第一供給口6に液を供給すると、供給された液を第一プール部11に貯め、次いで第一吐出口2から組紐通路100に向かって液を吐出させることができる。
第二分配ノズル8も円盤状の部材であり、その中心には第二液プール部12が形成され、さらに第二液プール部12と連通する中空部が形成されている。この中空部は、第一分配ノズル9に形成された第二供給口7に連通する中空部を介して、上記第二供給口7に連通している。第二分配ノズル8と第一分配ノズル9とを同心円状に重ねることにより、第一分配ノズル9の突出管状部13の周囲に第二液プール部12が形成される。具体的には、突出環状部13の基端に連なる、第一分配ノズル9の端面と、突出管状部13の外壁と、第二分配ノズル8の上面とで形成された空間が第二液プール部12となる。上記第二液プール部12は、第一分配ノズル9の突出管状部13の先端方向に向かってその断面積が小さくなるように形成されている。つまり、第二分配ノズル8の内壁が突出環状部13に向かって徐々に張り出している。
さらに第二プール液部12の先端部には第二突出口3が形成されている。つまり、突出管状部13の先端部の外壁と、第二分配ノズル8の内壁とで第二吐出口3を形成している。
特に、突出環状部13の先端面、つまり組紐通路100の先端面110は、第二吐出口3の先端面5、つまり第二分配ノズル8の先端面5よりも環状ノズルの内方に位置することが好ましい。
言い換えると、突出環状部13の先端面、つまり組紐通路先端面110と、第二吐出口3の先端面5、つまり第二分配ノズル8の先端面5との距離4(以下、液シール長という。)が、0.5〜150mmとなるように構成されていることが好ましい。液シール長の下限は0.6mm以上であることがより好ましく、0.8mm以上であることが更に好ましい。液シール長が0.5mm未満である場合、第一多孔質層の表面にコーティングされる第二製膜液は、コーティング圧力がほとんどかかることなく吐出される。このため第二多孔質層は、第一多孔質層が形成された膜の外径が細い部分があっても、同じ径で吐出されることになる。その結果、第一多孔質層と第二多孔質層との間に大きな隙間が発生する恐れがある。多孔質中空糸膜を水処理に実際に使用する場合、一次側と二次側とを仕切るために、通常合成樹脂等の固定部材を使用するが、第一多孔質層と第二多孔質層との間にこのような隙間が形成されると、固定部材を構成する樹脂が該隙間に入り込み、処理すべき水が多孔質膜全体に含浸し難くなる可能性が高くなる。上記液シール長を適切な長さにすると、吐出される製膜液のコーティング圧力が大きくなる傾向にある。従って第一多孔質層と第二多孔質層との間に大きな隙間が形成されることを防ぐことができる。
なお、液シール長の上限は、コーティング圧力の観点からは特にないが、あまり長くし過ぎると環状ノズルを製造し難くなる傾向にある。従って液シール長の上限は150mm以下であることが好ましい。液シール長の上限は100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが更に好ましい。
かかる構成の環状ノズルにあっては、分配プレート10、第一分配ノズル9、および第二分配ノズル8を同心状に重ね合わせた状態で、第二供給口7に液を供給すると、供給された液は第一分配ノズル9の中空部および第一分配ノズル9と第二分配ノズル8とで形成された中空部を介して、第二プール部12に貯められ、次いで第二吐出口3から組紐通路100に向かって吐出させることができる。
このような構造の環状ノズルを用いて多孔質膜を製造するには、まず組紐を管路1から組紐通路100に供給し、第一供給口6から第一液プール部11に第一製膜液を供給し、第二供給口7から第二液プール部12に第二製膜液を供給する。
管路1に組紐を供給しつつ、つまり組紐を組紐通路100中で移動させながら、第一吐出口2から第一製膜液を吐出して組紐に含浸させ、第二吐出口3からは第二製膜液を吐出して組紐に含浸させる。
吐出される際の各製膜液の温度は、20℃未満であると、製膜液が低温ゲル化するおそれがあり好ましくない。一方、40℃以上であると孔径制御が困難であり、その結果大腸菌などの細菌や浮遊物質の透過を生じ実用的に好ましくない。従って第一製膜液および第二製膜液の吐出時の温度はいずれも20〜40℃の範囲が好ましい。
次いで組紐上に塗布された製膜液を空走させた後、凝固液に浸漬させて第一製膜液および第二製膜液を凝固させることにより、第一多孔質膜前駆体を形成する。
空走時間は0.01秒以下であると濾過性能が低くなり好ましくない。走行時間に上限はないが実用的には4秒あれば十分である。従って空走時間は0.01〜4秒の範囲が好ましい。
凝固液としては、製膜液に用いられる溶剤を含む水溶液が好適に用いられる。使用する溶剤の種類にも依存するが、例えば製膜液の溶剤として、ジメチルアセトアミドを使用する場合、凝固液中のジメチルアセトアミドの濃度は1〜50%が好ましい。
凝固液の温度は、機械的強度を上げる観点からは低い方が好ましい。しかしながら、凝固液の温度を下げすぎるとできあがった膜の透水流量が低下するため、通常、90℃以下、より好ましくは50℃以上85℃以下の範囲に選択する。
凝固させた後、60℃〜100℃の熱水中で溶剤を洗浄することが好ましい。この段階で膜表面に付着している相分離制御剤の一部が除去される。
この洗浄浴温度は、第一多孔質膜同士が融着しない範囲で、できるだけ高温にすることが効果的である。この観点から、洗浄浴の温度は60℃以上が好ましい。
熱水洗洗浄の後に次亜塩素酸などで薬液洗浄を施すことが好ましい。これにより膜内部の相分離制御剤が分解、除去される。この段階で相分離制御剤の大部分を除去することができる。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する場合、その濃度は10〜120,000mg/Lの範囲であることが好ましい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度が10mg/L未満であるときはできあがった膜の透水流量が低下するため好ましくない。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度に上限はないが、実用的には120,000mg/Lあれば十分である。
次いで、薬液洗浄後の膜を60℃〜100℃の熱水中で洗浄することが好ましい。これにより、残存している相分離制御剤を除去することができる。
その後、60℃以上120℃未満で1分間以上24時間未満乾燥させることが好ましい。60℃未満では、乾燥処理時間がかかりすぎ,生産コストが上昇するため工業生産上好ましくない。120℃以上では,乾燥工程で膜が収縮しすぎ、膜表面に微小な亀裂が発生する恐れが有るので好ましくない。
乾燥後の膜は、ボビンまたはカセに巻き取ることが好ましい。
こうして組紐の周囲に第一多孔質層(多層膜)が形成された紐状体が得られる。
次に、形成された第一多孔質層上に第二多孔質層を形成するが、第一多孔質層と第二多孔質層とが完全に接着すると透水性が低下することから、これを防止するため、第二多孔質層を形成する前に、第一多孔質層の表面に、膜材を溶解しない溶液を付着させることが好ましい。
かかる膜材を溶解しない溶液としては、製膜液に用いられる溶剤を含む水溶液が好適に用いられる。例えば、製膜液の溶剤としてジメチルアセトアミドを使用する場合、溶剤を溶解しない溶液中のジメチルアセトアミドの濃度は1〜50%が好ましい。その他に好ましい膜材を溶解しない溶液として、有機溶媒、有機溶媒と水の混合物、またはそれらにグリセリンなどを主成分とする添加剤を添加した溶液が好ましく用いられる。
該第一多孔質層の表面に膜材を溶解しない溶液を付着させる工程と、その上に第二製膜液を塗布する工程は、例えば図1に示す構造の環状ノズルを用いて連続的に行うことが好ましい。また第一多孔質層の形成に用いた環状ノズルを引き続き使用し、第一製膜液の代わりに膜材を溶解しない溶液を供給し、既に供給されている第二製膜液をそのまま用いてもよい。
すなわち上記で得た、第一多孔質層を有する紐状体を、管路1から組紐通路100に供給し、第一供給口6に膜材を溶解しない溶液を供給し、第一吐出口2から膜材を溶解しない溶液を吐出させて第一多孔質層の表面に該溶液を塗布する。また、第二供給口7から供給されて第二液プール部12に蓄えられていた第二製膜液を再度第二吐出口3から吐出させて、第一多孔質層の表面に塗布する。
次いで、第一多孔質層を形成する工程と同様に凝固液に浸漬させ、第二製膜液を凝固させることにより、第二多孔質膜前駆体を形成する。
この後、第一多孔質層を形成する工程と同様にして、熱水および薬剤洗浄して該第二多孔質膜前駆体中に残存する相分離制御剤を除去し、乾燥させ、巻き取ることにより、組紐の周囲に第一多孔質層および第二多孔質層が形成された多孔質中空糸膜が得られる。
本実施形態によれば、相分離制御剤として、上記の方法で求められる高分子量域面積の割合の値が特定の範囲にあるポリビニルピロリドンを用いることにより、多孔質膜前駆体中に残存する相分離制御剤の洗浄性(除去性)が向上する。したがって、相分離制御剤を短時間の処理で高度に除去でき、良好な透過性能を有する多孔質膜が得られる。
かかる高分子量域面積の割合が相分離制御剤の除去性に関与しているということは驚くべき知見である。その理由は明確ではないが、高分子領域面積の割合が少なすぎる場合、透水性が低下し、高分子領域面積の割合が多すぎる場合、相分離制御剤の分解・除去性が低下する傾向にある。
また本発明において、相分離制御剤として、上記高分子量域面積の割合の値が特定の範囲にあるとともに、K値が特定の範囲にあるポリビニルピロリドンを用いることにより、多孔質膜前駆体中に残存する相分離制御剤の洗浄性(除去性)がより向上する。
該K値が相分離制御剤の除去性に関与しているということは驚くべき知見である。その理由は明確ではないが、K値が低すぎる場合、透水性が低下し、K値が高すぎる場合、相分離制御剤の分解・除去性が低下する傾向にある。
なお、上記実施形態では、組紐に膜材を一部含浸させるように形成して多孔質中空糸膜を形成したが、多孔質膜の形状および構造はこれに限らない。
特に多孔質中空糸膜であると生産コストを低くできる点で好ましい。
また水処理用途に使用される多孔質膜にあっては、膜透過の一次側の液を膜面に対して流動させる必要がある。この膜面流により膜が揺動し、引っ張られるため、十分な機械的強度が必要である。特に、組紐を基材に用いた多孔質中空糸膜は、この機械的強度を組紐が担うため優れた機械的強度を有する。
また、上記実施形態では、膜材が第一多孔質層と第二多孔質層とからなる多孔質膜を説明したが、膜構成はこれに限らない。
膜材は、少なくとも1層の緻密層を有していればよいが、2層以上の緻密層を有する膜材が配設されていることが、膜の耐久性を向上させることができるため、より好ましい。また、本実施形態における第二多孔質層の上に、更に多層の緻密層を設けても構わない。その場合、第一多孔質層上に第二多孔質層を形成する手順と同様にして、順次多孔質層を形成すればよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において含有率および濃度の表記に用いる「%」は質量%を表す。
各物性値は以下に示す方法で測定した。
[高分子量域面積の割合]
ポリビニルピロリドンの高分子量域面積の割合は上記の方法で測定した。
[K値]
K値は、毛細管粘度計で相対粘度値(25℃)を測定し、上記[数1]に示すFikentscherの式に適用して計算した。
なお、K値は同じ規格の製品であっても、製造ロットにより若干の差がある。また、自己酸化等により経時的に分子量が低下することもある。
[バブルポイント]
バブルポイントは、JIS K 3832に従って、エチルアルコールを測定媒体として測定した。該バブルポイントの値は最大孔径の指標となる値であり、この値が大きいほど最大孔径が小さいことを示す。
また相分離制御剤の洗浄性(除去性)が悪いと膜表面に微細な亀裂等の大きな欠陥が発生し、その結果バブルポイントの値が低くなる。
[残存PVP]
赤外吸収分析法(IR法)により下記の手順で測定した。装置はVarian社製、FTS−40(製品名)を用いた。
(1)まず、膜をDMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解し、スライドガラス上で薄く延ばし、フィルム状にする。
(2)該フィルムについて、IRスペクトルを測定し、その波形から1700cm−1周辺のピーク値(PVP値)と、1400cm−1周辺のピーク値(PVDF値)を読み取る。
(3)下記の計算式に代入して値を求める。
残存PVP量(%)=PVP値×a/PVDF値×100
(式中のaは、検量線より求めた定数。この場合、26.3。)
[透過性能]
透過性能の評価は、以下の方法で、圧力差あたりの透過流束(透過度)の値を測定した。この値が大きいほど透過性能が良いことを示す。下排水ろ過の用途においてはこの値が30以上であることが要求される。
(測定方法)
下記の方法で、中空糸膜を用いてミニモジュール(中空糸膜の有効長は約4cm)を作製し、中空糸膜の中空部に200kPaの圧力がかかる条件で、下記足部のキャップから水を圧入し、中空糸膜の内壁部から外壁部に向かう方向に水を透過させ、その1分間の流出量から水フラックスを算出した。
(ミニモジュールの作製方法)
(1)中空糸膜を束ね、中空糸膜の片端部(足部)にキャップを取り付ける。
(2)ポッティング剤(コロネート4403(日本ポリウレタン工業社製)52質量%:ニッポラン4423(日本ポリウレタン工業社製)48質量%の割合で調合したもの)を、スパチュラで攪拌する。
(3)調合したポッティング剤をキャップ(足部)に垂らす。
(4)40℃に設定した乾燥機中で3時間放置し、ポッティング剤を硬化させ、足部とキャップを固定する。
(5)上記中空糸膜のもう一方の端部(先端部)とキャップを(1)〜(4)と同様な工程で固定する。
(実施例1)
相分離制御剤として、高分子量域面積の割合が10.1%、K値が81.4であるポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名:K−90)を用い、膜材形成ポリマーとしてポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン社製、商品名:カイナー301F、Mw500,000)およびポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン製、商品名カイナー9000LD、Mw20,000)を用い、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用いて、表1に示す組成を有する第一製膜液及び第二製膜液を調製した。
Figure 2009160490
図1に示す構成の環状ノズルを用いて多孔質中空糸膜を製造した。
すなわち、外径2.5mm、内径2.4mmの、30℃に保温した環状ノズルの管路1にポリエステルマルチフィラメント単織組紐(マルチフィラメント;トータルデシテックス830/96フィラメント、16打ち)を導入し、第一吐出口2から第一製膜液を吐出させ、第二吐出口3から第二製膜液を吐出させた。第一及び第二製膜液が塗布された組紐を、N,N−ジメチルアセトアミド5質量%および水95質量%からなる80℃に保温した凝固浴中に導き、第一及び第二製膜液を凝固させて第一多孔質膜前駆体を得た。
この第一多孔質膜前駆体を98℃の熱水中で1分間脱溶剤させた後、50,000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬後、90℃の熱水中で10分間洗浄し、90℃で10分間乾燥させワインダーで巻き取った。こうして第一多孔質層を有する紐状体を得た。
次に、外径2.7mm、内径2.6mmからなる30℃に保温した図1に示す環状ノズルの管路1に、上記第一多孔質層を有する紐状体を導入し、第一吐出口2から、膜材を溶解しない溶液としてグリセリン(和光純薬工業社製、一級)を吐出させ、第二吐出口3からは第二製膜液を吐出させた。これにより第一多孔質層の上に第二製膜液が塗布された。これをN,N−ジメチルアセトアミド5質量%、水95質量%からなる80℃に保温した凝固浴中に導き、第二製膜液を凝固させて第二多孔質膜前駆体を得た。
この第二多孔質膜前駆体を98℃の熱水中で1分間脱溶剤させた後、50,000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬後、90℃の熱水中で10分間洗浄し、90℃で10分間乾燥させワインダーで巻き取った。こうして多孔質中空糸膜を得た。
得られた多孔質中空糸膜の外径/内径は約2.8/1.1mm、膜厚は900μm、組紐から表面までの樹脂層の厚みは400μmであった。
上記の方法でバブルポイント、透過性能および残存PVP量を評価した。その結果を表2に示す。表2には、使用したポリビニルピロリドンの高分子量域面積の割合およびK値を合わせて示す(以下、同様。)。
(実施例2)
相分離制御剤として、高分子量域面積の割合が9.0%、K値が79.9であるポリビニルピロリドン(日本触媒社製、商品名:K−80)を使用した以外は、実験例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
得られた多孔質中空糸膜の外径/内径は約2.8/1.2mm、膜厚は800μm、組紐から表面までの樹脂層の厚みは400μmであった。
実施例1と同様に、バブルポイント、透過性能および残存PVP量を評価した。その結果を表2に示す。
(実施例3)
相分離制御剤として、高分子量域面積の割合が7.9%、K値が78.5であるポリビニルピロリドン(日本触媒社製、商品名:K−80)を使用した以外は、実験例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
得られた多孔質中空糸膜の外径/内径は約2.8/1.2mm、膜厚は800μm、組紐から表面までの樹脂層の厚みは400μmであった。
実施例1と同様に、バブルポイント、透過性能および残存PVP量を評価した。その結果を表2に示す。
(実施例4)
相分離制御剤として、高分子量域面積の割合が9.2%、K値が84であるポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名:K−90)を使用した以外は、実験例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
実施例1と同様に、バブルポイント、透過性能および残存PVP量を評価した。その結果を表2に示す。
(比較例1)
相分離制御剤として、高分子量域面積の割合が13.2%、K値が82.9であるポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名:K−90)を使用した以外は、実験例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
得られた多孔質中空糸膜の表面に微細な亀裂が観察された。実施例1と同様にバブルポイントを測定したところ20kPaに低下し、製品合格率が著しく低下した。
(比較例2)
相分離制御剤として、高分子量域面積の割合が11.4%であるポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名K81/86)を使用した以外は、実験例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。
得られた多孔質中空糸膜の表面に微細な亀裂が観察された。実施例1と同様にバブルポイントを測定したところ30kPaに低下し、製品合格率が著しく低下した。
Figure 2009160490
表2の結果に示されるように、実施例1〜4で得られた多孔質中空糸膜は、残存PVP量が少なく、バブルポイントが高く、良好な透過性能を有する。
これに対して比較例1,2は、実施例1〜4と同じ膜形成ポリマーを用いたにもかかわらず、膜の表面に微細な亀裂が生じ、バブルポイントが大きく低下した。
本発明の多孔質膜の製造方法は、相分離を制御する添加剤の洗浄性に優れ、濾過性能に優れた多孔質膜が得られる。本発明の方法により得られる多孔質膜は透過性能が高いため、使用膜面積が少なくなり、設備をコンパクト化することも可能である。
本発明の多孔質膜の製造に使用する環状ノズルの一例を示す断面図である。 積分分子量分布曲線の一例である。
符号の説明
1 管路、
2 第一吐出口、
3 第二突出口、
4 組紐通路先端面と第二分配ノズルの先端面との距離(液シール長)、
5 第二分配ノズルの先端面、
6 第一供給口、
7 第二供給口、
8 第二分配ノズル、
9 第一分配ノズル、
10 分配プレート、
11 第一液プール部、
12 第二液プール部、
13 突出管状部、
100 組紐通路、
110 組紐通路先端面。

Claims (4)

  1. 膜材形成ポリマーと、相分離を制御する添加剤とを含む製膜液を凝固液中で凝固させて多孔質膜前駆体を得る工程と、該多孔質膜前駆体中に残存する前記相分離を制御する添加剤を除去する工程とを有する多孔質膜の製造方法において、
    前記相分離を制御する添加剤として、下記の方法で求められる、積分分子量分布曲線における高分子量域面積の割合が10.1%以下であるポリビニルピロリドンを用いることを特徴とする多孔質膜の製造方法。
    以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリビニルピロリドンの分子量分布を測定し、横軸(X軸)をLogM(Mは分子量を示す。)、縦軸(Y軸)を積分分布値(質量%)とする積分分子量分布曲線を得る。該積分分子量分布曲線がY=100に達した点のXの値をPとする。該積分分子量分布曲線とX=Pを表わす直線とY=0を表わす直線とで囲まれた領域の面積を100%とするとき、該積分分子量分布曲線とX=6を表わす直線とX=Pを表わす直線とY=0を表わす直線とで囲まれた領域の面積の割合を、高分子量域面積の割合の値として求める。
    カラム:TSKgel、
    カラム温度:25℃、
    移動相(溶離液):0.2molのNaNO水溶液とアセトニトリルの混合液、NaNO水溶液/アセトニトリルで表される混合割合は8/2(vol/vol)、
    流量:0.6ml/min、
    サンプル濃度:1mg/ml、
    検出器:RI検出器、
    注入量:20μl、
    分子量校正PEO:ポリエチレンオキサイド(ポリマーラボラトリーズ)、
    検量線:標準PEO(Polymer Laboratories社製)3次元近似曲線、測定装置:東ソー製HLC−8020GPC、
    サンプルは、測定直前にセルロースアセテート製カートリッジフィルター(分画性能0.45μm)でろ過する。
  2. 前記高分子量域面積の割合が5%以上である、請求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
  3. 前記ポリビニルピロリドンのK値が82以下である、請求項1または2に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 前記ポリビニルピロリドンのK値が78以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質膜の製造方法。
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