JP2006257171A - 残存揮発分の低減方法 - Google Patents

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敏治 古川
Mitsuteru Nojiri
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Abstract

【課題】 スチレンアクリル共重合体の分子量を低下させる等の特性を悪化させることなく、且つ樹脂中の残存揮発分の除去率を高くする方法を提供することにある。
【解決手段】 残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体を、スクリューのL/Dが30以下である混練押出機内に供給し、前記スチレンアクリル共重合体に水を添加し混練させた後減圧脱気させる工程を、2回以上繰り返した後、吐出する残存揮発分の低減方法であって、添加する水の合計量が、スチレンアクリル共重合体に対し1〜10重量%であることを特徴とする残存揮発分の低減方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スチレンアクリル共重合体の残存揮発分の低減方法に関する。
電子写真において静電荷像を現像する方式として、乾式現像方式が多用されている。乾式現像方式において、通常、トナーは、キャリアと呼ばれる鉄粉、ガラスビーズ等との摩擦によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気的引力によって付着し、次に用紙上に転写され、加熱ローラー等によって定着されて永久可視像となる。
定着の方法としては、トナーに対して離型性を有する材料で表面を形成した熱定着ローラの表面に、被定着シートのトナー画像を圧接触させながら通過せしめることにより行う加熱ローラ法が汎用されている。
ここで用いられるトナー用樹脂としては種々のものが検討されているが、特にスチレンアクリル系共重合体が幅広く利用されている。しかしながら、従来から用いられているトナー用樹脂やそれらを用いたトナーには、モノマー、有機溶剤、副生成物等の残存揮発分が多く含まれてしまう場合があり、トナーとしての要求性能、特に耐ブロッキング性の効果が充分に発揮できないという問題を生じる。
これらの問題に対して、樹脂中の揮発分を低減する方法としては、従来から種々検討されている。
例えば、特許文献1には、スチレン系重合体を含む重合液組成物を真空槽内にフラッシュさせ揮発性物質を分離した後、二軸混練装置に導入して揮発性物質を低減させる方法が提案されている。
また、特許文献2には、210℃以下の温度で単軸の薄膜蒸発機を用いてスチレンアクリル共重合体からなる樹脂組成物から揮発成分を除去する方法が提案されている。
しかしながら、上記の従来の方法では、揮発分を除去する効果はあるが未だ不十分であり、また、揮発成分の低減の手段を実施すると、分子量を低下させる等の樹脂の特性を悪化させることがあるという問題があった。
特開平6−157640号公報 特開平8−41123号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、スチレンアクリル共重合体の分子量を低下させる等の特性を悪化させることなく、且つ樹脂中の残存揮発分の除去率を高くする方法を提供することにある。
本発明による残存揮発分の低減方法は、残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体を、スクリューのL/Dが30以下である混練押出機内に供給し、前記スチレンアクリル共重合体に水を添加し混練させた後、減圧脱気させる工程を2回以上繰り返した後、吐出する残存揮発分の低減方法であって、添加する水の合計量が、スチレンアクリル共重合体に対し1〜10重量%であることを特徴とする。
本発明によるスチレンアクリル共重合体としては特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマーとの共重合体が好適に用いられる。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸エステルを意味する。
スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとの共重合体を用いる場合には、スチレン系モノマー成分の含有率が50〜95重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの含有率が5〜50重量%であることが好ましい。スチレン系モノマー成分の含有率が50重量%より少なくなるとトナーの粉砕性が悪化し、95重量%よりも多くなるとトナーの定着性が悪化する場合がある。また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの含有率が5重量%よりも少なくなるとトナーの定着性が悪化し、50重量%よりも多くなるとトナーの粉砕性が悪化する。
本発明による残存揮発分の低減方法において、原料樹脂である上記残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体の製造方法としては特に限定されず、通常の重合方法、即ち懸濁重合、溶液重合、塊状重合、乳化重合等が用いられるが、溶液重合によるものの方がそのまま残存揮発分の除去工程に移行することができるため好ましい。
本発明による残存揮発分としては、主として未反応のスチレン系モノマーやアクリル系モノマー、重合において用いたトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の有機溶剤又は重合における副生成物等が挙げられる。
本発明においては、原料樹脂として、残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体を用いる。残存揮発分が10000ppmを超えると、脱気部での樹脂の発泡が激しくベントアップしやすくなる。
また、トナー用樹脂やそれらを用いたトナーとして、特に耐ブロッキング性の効果を充分に発揮させるためには、残存揮発分が1000ppm以下のスチレンアクリル共重合体を用いることが好ましい。
本発明においては、添加する水の合計量は、残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体に対し1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%である。
上記添加する水の合計量が、スチレンアクリル共重合体に対し1重量%未満では、残存揮発分が低減する効果が悪くなり、逆に、10重量%を超えると、樹脂の温度が低下して粘度が高くなるため、混練による樹脂へのストレスが大きくなり、樹脂物性が変化してしまう。ここで、1回の水の添加量は、多くなると脱気部でベントアップしやすくなるので、3重量%以下が好ましい。
また、本発明による残存揮発分の低減方法においては、水を添加し混練させた後減圧脱気させる工程を2回以上繰り返した後、吐出する。
上記の工程が1回だけでは、残存揮発分が低減する効果が悪くなる。
更に、本発明による残存揮発分の低減方法においては、混練押出機のスクリューのL/D(長さと径の比)が30以下、好ましくは20以下である。L/Dが大きいほうが残存揮発分を低減させる効果は大きいが、樹脂へのストレスが長時間かかるため分子量等の樹脂物性が変化してしまう。
上記混練押出機としては特に限定されず、単軸混練押出機や多軸混練押出機が挙げられるが、2軸混練押出機を用いることが好ましい。
本発明による残存揮発分の低減方法において、混練時の温度としては高温ではスチレンの分解が発生するため210℃以下が好ましい。より好ましくは、180℃から200℃である。
本発明の残存揮発分の低減方法は、上述の通りの構成であるので、スチレンアクリル共重合体の分子量を低下させる等の特性を悪化させることなく、スチレンアクリル共重合体中の残存揮発分の除去率を高くすることができる。
以下に本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
図1に概略構成を示した製造装置を用い、表1に示した原料樹脂(残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体)の残存揮発分濃度の低減を実施した。
原料樹脂1は、通常の溶液重合の方法により重合され、重合終了後、加熱及び減圧により樹脂中の残存揮発濃度を所定濃度以下に留出させた後、単軸の混練押出機4に供給され、樹脂温度190±5℃で溶融された状態で、原料供給部5から2軸の混練押出機7(プラスチック工学研究所社製、BT40−S2の改造機)内に供給される。
Figure 2006257171
混練押出機7内に供給された原料樹脂1は、バレルヒーターによる加熱(及びスクリュー6(のせん断により溶融、分散される。このようにして溶融された樹脂に、原料供給部5の下流側で水2aがポンプ8aを介して混練押出機7内に供給された後混練され、次に脱気部3aから真空ポンプを用いて残存揮発分を減圧脱気させる。
更に、脱気部3aの下流側で水2bがポンプ8bを介して混練押出機7内に供給された後混練され、次に脱気部3bから真空ポンプを用いて残存揮発分を減圧脱気させる。即ち、水を添加して混練させた後に減圧脱気させる工程が2回行われることとなる。このようにして、混練押出機7から残存揮発分濃度の低減されたスチレンアクリル共重合体が押出される。
(実施例1)
表1に示した原料樹脂Aを用い、スクリュー6のL/Dが18、スクリュー回転数が150rpmで、バレル温度が200℃である混練押出機7に供給した後、水2aと水2bをそれぞれ2重量%添加し、脱気部3a(減圧度5.3kPa)及び脱気部3b(減圧度1.5kPa)からの減圧脱気を行い、出口樹脂温度193℃で揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(実施例2)
表1に示した原料樹脂Bを用い、脱気部3a(減圧度6.4kPa)及び脱気部3b(減圧度2.5kPa)からの減圧脱気、及び出口樹脂温度が195℃であること以外は実施例1と同様にして、揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(比較例1)
表1に示した原料樹脂Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、押出しを実施したが、脱気部からのベントアップがひどくてスチレンアクリル共重合体を得ることができなかった。
(比較例2)
水2aと水2bの添加を行はず、脱気部3a(減圧度5.9kPa)及び脱気部3b(減圧度2.2kPa)からの減圧脱気、及び出口樹脂温度が197℃であること以外は実施例1と同様にして、揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(比較例3)
水2aと水2bをそれぞれ10重量%添加し、脱気部3a(減圧度8.2kPa)及び脱気部3b(減圧度5.3kPa)からの減圧脱気、及び出口樹脂温度が185℃であること以外は実施例1と同様にして、揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(比較例4)
スクリュー6のL/Dが36であり、脱気部3a(減圧度5.6kPa)及び脱気部3b(減圧度1.9kPa)からの減圧脱気、及び出口樹脂温度が196℃であること以外は実施例1と同様にして、揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(比較例5)
水2aのみ2重量%添加し、脱気部3a(減圧度5.7kPa)からのみの減圧脱気を行い、出口樹脂温度194℃であること以外は実施例1と同様にして、揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(比較例6)
表1に示した原料樹脂Dを用い、190℃で溶融させた後に、遠心薄膜蒸発器(日立製作所社製コントロ)に投入し、本体温度190℃、本体減圧度2kPaで減圧脱気を行い、出口樹脂温度が198℃で揮発分を低減させたスチレンアクリル共重合体を得た。
(性能評価)
1)残存揮発分濃度
3mのパックドカラムに充填剤PEG−20M(柳本製作所製)を充満させたガスクロマトグラフィー(柳本製作所製、G−2800)を用いて、下記の条件により測定して各残存揮発分物質の検量線から算出して残存揮発分濃度を求めた。
・インジェクション温度:200℃
・ディテクター温度:250℃
・カラム温度:100℃で15分間保持した後に、毎分10℃で190℃まで昇温させ 190℃で25分間保持して設定
・打ち込み試料量:6μL
・測定サンプル準備:樹脂0.5gをN,N−ジメチルホルムアミド4.5gに30 分間振とう機にて溶解
2)重量平均分子量(MW)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)測定装置(日本ミリポアリミテッド社製、HTR−C)を用い、カラムには昭和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1本)を直列につないで使用し、下記の条件により測定して重量平均分子量を求めた。
・温度:40℃
・試料:0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)
・注入量:100μL
・キャリアー溶媒:THF
・校正試料:標準ポリスチレン
実施例及び比較例で得られたスチレンアクリル共重合体について、性能(残存揮発分濃度、重量平均分子量)を評価した。その結果は表2に示す通りであった。
Figure 2006257171
本発明に従う一実施例の製造装置を示す概略構成図。
符号の説明
1…原料樹脂
2a、2b…水
3a、3b…脱気部
4…単軸スクリュー
5…原料樹脂供給部
6…2軸スクリュー
7…混練押出機
8a、8b…ポンプ

Claims (1)

  1. 残存揮発分が10000ppm以下のスチレンアクリル共重合体を、スクリューのL/Dが30以下である混練押出機内に供給し、前記スチレンアクリル共重合体に水を添加し混練させた後、減圧脱気させる工程を2回以上繰り返した後、吐出する残存揮発分の低減方法であって、添加する水の合計量が、スチレンアクリル共重合体に対し1〜10重量%であることを特徴とする残存揮発分の低減方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009039518A2 (en) * 2007-09-21 2009-03-26 Gelesis, Inc. Methods of purifying poly(styrene-co-maleic anhydride/acid)

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WO2009039518A3 (en) * 2007-09-21 2009-06-18 Gelesis Inc Methods of purifying poly(styrene-co-maleic anhydride/acid)

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