JP2006256932A - 燃料改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質用燃料と加熱流体との効率的な熱交換を行うとともに、簡単且つコンパクトに構成することを可能にする。
【解決手段】燃料改質装置10を構成する蒸発器12は、湾曲管部材20を備えるとともに、前記湾曲管部材20は、断面円弧状を有し、且つ同一円周上に複数配設される円弧状管28a、28bを備える。円弧状管28a、28bは、同心円上に2列に配列されるとともに、前記円弧状管28a、28b内には、加熱流体を流通させる第1通路30が形成される。内筒部材22、外筒部材24及び湾曲管部材20の間には、改質用燃料を流通させる第2通路32が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、改質用燃料を改質することにより、水素リッチな燃料ガスを生成する燃料改質装置に関する。
例えば、燃料電池では、燃料ガスとして主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)が供給されている。この水素含有ガスとしては、一般的に、メタノールやLNG等の化石燃料等の炭化水素燃料から改質原料ガスを得、この改質原料ガスに水蒸気改質や部分酸化改質、オートサーマル改質等を施して生成される改質ガスが用いられている。
例えば、特許文献1に開示されている改質装置では、図14に示すように、蒸発器1に供給された純水が燃焼排気ガスを介して蒸発された後、水蒸気が熱交換器2を通って改質器3に供給されるように構成されている。蒸発器1は、熱交換用ガスである燃焼排気ガスにより通過する水を蒸発させて水蒸気を生成する熱交換部を備えた蒸発熱交換器4を設けている。蒸発熱交換器4は、互いに平行に配設される複数の配管5と、前記配管5の上流端及び下流端が開口する入口マニホールド6及び出口マニホールド7とを備えている。この入口マニホールド6には、繊維状の突出防止部材8が配設されている。
特開2003−192304号公報(図1)
ところで、上記の蒸発器1では、純水が複数の配管5に沿って矢印X方向に流れる一方、燃焼排気ガスは、矢印X方向に直交する矢印Y方向に供給されている。その際、配管5を通る純水を確実に蒸発させて水蒸気を生成するためには、前記純水に燃焼排気ガスから所定の熱量を与える必要がある。従って、純水と燃焼排気ガスとの熱交換時間を確保するために、前記配管5を矢印X方向に相当に長尺化しなければならない。これにより、蒸発器1は、矢印X方向に相当に大型化し、改質装置全体の小型化が図ることができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、改質用燃料と加熱流体との効率的な熱交換を行うとともに、簡単且つコンパクトに構成することが可能な燃料改質装置を提供することを目的とする。
本発明は、改質用燃料を改質することにより、水素リッチな燃料ガスを生成する燃料改質装置であり、この燃料改質装置は、前記改質用燃料を加熱流体との熱交換により蒸発させる蒸発器を備える。
蒸発器は、湾曲管部材と、湾曲管部材の両側に且つ前記湾曲管部材と同心円上に配設される内筒部材及び外筒部材とを有する。湾曲管部材内には、加熱流体又は改質用燃料の一方を流通させる第1通路が形成されるとともに、内筒部材、外筒部材及び前記湾曲管部材の間には、前記加熱流体又は前記改質用燃料の他方を流通させる第2通路が形成される。
また、湾曲管部材は、複数の同心円上に配設されることが好ましい。多数の(長尺な)第1及び第2通路を設けることができ、改質用燃料の熱交換効率が有効に向上するからである。
さらに、湾曲管部材内に配設される湾曲燃焼触媒を設け、第1通路は、前記湾曲燃焼触媒により燃焼した加熱流体を流通させる加熱流体通路である一方、第2通路は、改質用燃料を流通させて前記加熱流体と熱交換を行う改質用燃料通路であることが好ましい。
さらにまた、湾曲燃焼触媒は、扁平型メタルハニカムを備えることが好ましい。ハニカム内の面内温度分布を均一化することができ、触媒の性能を維持し且つ前記触媒の温度制御が容易に遂行されるからである。
また、改質用燃料通路には、伝熱促進用フィン部材が配設されることが好ましい。改質用燃料の熱交換効率が一層向上するからである。
さらに、湾曲管部材は、軸方向一端を固定端に構成するとともに、軸方向他端を自由端に構成することが好ましい。湾曲管部材は、改質用燃料及び加熱流体の流れ方向(軸方向)に伸縮が規制されることがないため、運転時と停止時との温度差に起因する流れ方向の熱応力が発生することを阻止できる。これにより、湾曲管部材は、耐久性が向上するとともに、薄肉化が容易に図られ、燃料改質装置全体の軽量化及び小型化が可能になる。
さらにまた、湾曲管部材は、開口断面円弧状を有し且つ同一円周上に配設される2以上の円弧状管を備え、前記円弧状管内には、断面円弧状の湾曲燃焼触媒が少なくとも1つ配設されることが好ましい。
また、湾曲管部材は、開口断面リング状を有する円筒管を備え、前記円筒管内には、断面円弧状の湾曲燃焼触媒が配設されることが好ましい。
さらに、燃料改質装置は、蒸発器で蒸発した改質用燃料を、改質反応に必要な温度まで昇温させる過熱器と、昇温した前記改質用燃料を改質して改質ガスを生成する改質器とを備え、前記過熱器を囲繞して前記蒸発器が同心円上に配設されるとともに、前記過熱器と前記改質器とは、互いに同軸且つ直列に連結されることが好ましい。燃料改質装置全体をコンパクトに集積することができるとともに、配管を一挙に削減して放熱ロス及び圧損の低減を図ることが可能になる。
さらにまた、燃料改質装置は、蒸発器で改質用燃料を蒸発させるための加熱流体を予熱する予熱器を備え、前記予熱器は、過熱器に改質器とは反対側に同軸且つ直列に連結されることが好ましい。これにより、コンポーネントの集積化と、配管の削減による放熱ロス及び圧損の低減が図られる。
本発明によれば、湾曲管部材内に形成される第1通路と、内筒部材、外筒部材及び前記湾曲管部材の間に形成される第2通路とに、加熱流体及び改質用燃料が流通する。このため、湾曲管部材の軸方向に沿って、すなわち、同一方向又は逆方向に沿って改質用燃料及び加熱流体を流すことができ、前記改質用燃料と前記加熱流体との効率的な熱交換を行うとともに、蒸発器を簡単且つコンパクトに構成することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料改質装置10の概略斜視説明図であり、図2は、前記燃料改質装置10内の流れ状態を示す断面図である。
燃料改質装置10は、例えば、メタン等の炭化水素やアルコール等を含む改質用燃料を改質することにより水素リッチな燃料ガスを生成して、前記燃料ガスを、例えば、燃料電池(図示せず)に供給する。
燃料改質装置10は、改質用燃料を蒸発させる蒸発器12と、蒸発した前記改質用燃料を、改質反応に必要な温度まで昇温させる過熱器14と、昇温した前記改質用燃料を改質して改質ガスを生成する改質器16と、前記蒸発器12で前記改質用燃料を蒸発させるための加熱流体を予熱する予熱器18とを備える。蒸発器12は、過熱器14を囲繞して同心円上に配設されるとともに、前記過熱器14と改質器16とは、互いに同軸且つ直列に連結される。予熱器18は、過熱器14に改質器16とは反対側に同軸且つ直列に連結される。
図3〜図5に示すように、蒸発器12は、湾曲管部材20と、前記湾曲管部材20の両側に且つ前記湾曲管部材20と同心円状に配設される内筒部材22及び外筒部材24とを有する。湾曲管部材20は、軸方向(矢印A方向)一端(下端)を第1セパレータ26に固定する固定端として構成されるとともに、軸方向他端(上端)を自由端として構成される開口断面円弧状の複数の円弧状管28a、28bを備える。
図3及び図6に示すように、複数、例えば、4つの円弧状管28aが同一円周上に等角度間隔ずつ離間して併設されるとともに、この第1列目の4つの円弧状管28aの外周には、同心円状に複数、例えば、4つの円弧状管28bが同一円周上に等角度間隔ずつ離間して設けられる。1列目の円弧状管28aと2列目の円弧状管28bとは、互いに位相をずらして設けられる。各円弧状管28a、28b内には、加熱流体である燃焼ガスを流通させる第1通路30が形成されるとともに、内筒部材22、外筒部材24及び各円弧状管28a、28bの間には、改質用燃料である原燃料を流通させる第2通路32が形成される。
湾曲管部材20内には、湾曲燃焼触媒34が配設される。湾曲燃焼触媒34は、断面円弧状を有し、軸方向一端が第2セパレータ36に固定された固定端とするとともに、軸方向他端が自由端に構成される複数且つ2列の触媒外筒38a、38bを設ける。1列目の触媒外筒38aは、1列目の円弧状管28a内に1つずつ配設されるとともに、2列目の触媒外筒38bは、2列目の円弧状管28b内に2つずつ配設される。
各触媒外筒38a同士は、等角度間隔ずつ離間して配設されるとともに、各触媒外筒38b同士は、同様に所定角度間隔ずつ離間して配設される。触媒外筒38a、38bには、燃焼触媒を担持した偏平型メタルハニカム40a、40bが収容される。
図2及び図5に示すように、第1セパレータ26は、外筒部材24の下端部に固着されるとともに、第2セパレータ36は、前記外筒部材24の外方に配置される略円筒状のケーシング42の下端に固着される。第1及び第2セパレータ26、36は、所定距離離間しており、オフガス流体経路44が形成される。このオフガス流体経路44は、第1セパレータ26と触媒外筒38a、38bとの間に形成される通路46a、46bに連通するとともに、ケーシング42と外筒部材24との間を通って前記ケーシング42の上端縁部に形成される排気口48から外部に連通する。
図5に示すように、外筒部材24の上端部は、ケーシング42の上端部に固着されるとともに、円弧状管28a、28bの上端部に蓋部材50が装着される。円弧状管28a、28bの上端と触媒外筒38a、38bの上端との間には、室52が形成され、後述するように、メタルハニカム40a、40bを上方に向かって流動した加熱流体が前記室52で折り返して第1通路30に送られる。
図2及び図3に示すように、ケーシング42の上端部には、リング部材54が取り付けられる。このリング部材54には、メタン等の改質用燃料供給管56と空気供給管58とが取り付けられる。このリング部材54内に給水管60が配設されており、この給水管60の端部60aは、前記リング部材54を貫通して外部に露呈する。給水管60は、リング状に成形されており、下部側に複数の孔部(図示せず)を設けてシャワー状に給水することができる。リング部材54の上部には、ドーナツ状の蓋体62が固定される。なお、メタンと空気とを予め混合して燃料供給管56から供給する場合には、空気供給管58を不要にすることができる。
図2及び図7に示すように、過熱器14は、外筒64を備え、この外筒64は、蒸発器12の内筒部材22に固定される。外筒64は、内筒部材22よりも矢印A方向に長尺に構成され、下端縁部には、前記内筒部材22の下部から下方に位置して第2通路32に連通する複数の原燃料入口66が、例えば、4箇所に形成される。この原燃料入口66は、周方向に延在するスリット状又は多孔状を有している。外筒64の下端部に第3セパレータ68が固定される。
図7に示すように、略円板状の第3セパレータ68には、複数の孔部70が形成され、前記孔部70には、管体72の一端が溶接やろう付け等により固定される。管体72には、複数の仕切り板74が圧入やろう付け等によりそれぞれ所定の高さ位置に固定される。仕切り板74には、各管体72を挿入するための複数の孔部76が形成されるとともに、それぞれ交互に異なる位置に切り欠き部78が形成される。
外筒64内には、複数の管体72の外周部と複数の仕切り板74の切り欠き部78とによって蛇行する過熱用通路82が形成される(図2参照)。各管体72内には、改質後に加熱された改質ガス(水素リッチガス)を上方から下方に向かって流すための通路84が形成される。管体72の上部側には、分配板86を介して第4セパレータ88が固着される。分配板86には、管体72を挿通するための孔部90が形成されるとともに、中央部に分配用の開口部92が設けられる。第4セパレータ88には、管体72を挿通するための孔部94が形成される。
図2及び図8に示すように、改質器16は、外筒96と内筒98とを備え、前記外筒96と前記内筒98との間には、原燃料通路100が形成される。外筒96の上部には、閉塞された室102が形成され、原燃料通路100からこの室102に導入された原燃料は、内筒98内に配設される複数の整流板104に供給される。外筒96を囲ってカバー部材111が配設され、このカバー部材111内に断熱層111aが形成される。
各整流板104には、複数の孔部106が形成され、原燃料の整流機能を有する。整流板104の下方には、Pd、Pt、Rh等の改質用触媒を担持したハニカム状の触媒部108が配設される。この触媒部108に第4セパレータ88が固定されるとともに、前記第4セパレータ88内には、各管体72の通路84に連通する室110が形成される。
図2及び図5に示すように、予熱器18は、連結部材112を介して蒸発器12の下端部に連結される。連結部材112は、略リング状の室114を形成しており、この室114の上部側には、リング状の板部材116が配設され、前記板部材116に複数の孔部118が形成される。板部材116は、蒸発器12の第2セパレータ36に対向してこの第2セパレータ36との間に室120を形成し、室114は、孔部118及び前記室120を介して触媒外筒38a、38b内に連通する。
図2に示すように、連結部材112には、室114に連通する通路122が設けられ、この通路122は、予熱器18を構成する外筒部材124内に連通する。外筒部材124内には、過熱器14と同様に、複数の管体126と複数の仕切り板128とが配設される。管体126は、矢印A方向に延在するとともに、前記管体126の所定の高さ位置には、交互に切り欠き部130が設けられる仕切り板128が固着される。
管体126内には、過熱器14を通過した改質ガスを鉛直下方向に流すための通路132が設けられる一方、前記管体126の外周面及び各仕切り板128を介し加熱流体を蛇行するようにして鉛直上方向に導く予熱用通路134が設けられる。外筒部材124の外周下端縁部には、加熱流体を供給するための供給口136が設けられる。
図2に示すように、蒸発器12を構成する内筒部材22と過熱器14を構成する外筒64との間には、この蒸発器12への伝熱を抑制するために伝熱抑制媒体として、例えば、フィン部材142が挿入される。
なお、燃料改質装置10では、蒸発器12を構成する円弧状管28a、28b間には、例えば、図6に示すように、伝熱促進フィン部材140が挿入される。このフィン部材140は、波状に形成しているが、直線状であってもよく、円弧状管28a、28bの矢印A方向の長さよりも短尺に構成されることが好ましい。
また、過熱器14と予熱器18とは直結されているが、この過熱器14とこの予熱器18との間には、水素リッチガス中の二酸化炭素を水素に転化するCO変成器(図示せず)を介装してもよい。さらに、予熱器18の下流側に水素リッチガス中に残存する一酸化炭素を除去する選択酸化除去装置(PROX)を設けてもよい。
このように構成される燃料改質装置10の動作について、以下に説明する。
例えば、図示しない燃料電池から排出されるオフガスが、加熱流体として予熱器18の供給口136からこの予熱器18に供給される。予熱器18では、図2に示すように、加熱流体は、各仕切り板128の切り欠き部130と複数の管体126の外周との間に形成される予熱用通路134を通って蛇行しながら鉛直上方向に移動する。一方、管体126の通路132には、後述するように改質によって生成された水素リッチな改質ガスが、過熱器14を通過して、例えば、300℃前後に冷却された後に供給されている。
このため、加熱流体は、改質ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、連結部材112の通路122から室114に導入される。この室114の上部には、板部材116が配設されており、予熱された加熱流体は、前記板部材116に形成される複数の孔部118から一旦室120に導入された後、前記室120に連通する触媒外筒38a、38b内のメタルハニカム40a、40bに沿って鉛直上方向に移動する。従って、加熱流体は、メタルハニカム40a、40bに担持された燃焼触媒を介して燃焼し、燃焼ガスが得られる。
この燃焼ガスは、図5に示すように、触媒外筒38a、38bの上端部と円弧状管28a、28bの閉塞された上端部との間に形成された室52に導入された後、鉛直下方向に折り返して第1通路30を鉛直下方向に移動する。一方、燃料供給管56には、例えば、メタン等を含む改質用燃料が供給されるとともに、空気供給管58には、空気が供給される。さらに、給水管60に水が供給され、改質用燃料空気及び水がリング部材54内で混在して原燃料が得られる。
この原燃料は、内筒部材22、外筒部材24及び円弧状管28a、28bの間に形成された第2通路32に沿って鉛直下方向に流動し、第1通路30を流動する燃焼ガスとの間で熱交換が行われる。これにより、原燃料は、気化した後に過熱器14を構成する外筒64の下部に形成された原燃料入口66からこの外筒64の内部に導入される。
このため、図2に示すように、気化した原燃料は、複数の仕切り板74に設けられている切り欠き部78及び複数の管体72の間を形成される過熱用通路82を通って鉛直上方向に移動する。一方、後述する改質後の高温(650℃前後)の改質ガスは、管体72内の通路84に沿って鉛直下方向に向かって移動する。従って、過熱用通路82を移動する気化状態の原燃料は、通路84に沿って移動する改質ガスによって昇温され、例えば、550℃前後まで加熱された後、分配板86の開口部92から改質器16に供給される。
この改質器16では、気化及び加熱された原燃料は、原燃料通路100を通って一旦室102に導入された後、鉛直下方向に向かって移動する。改質器16には、複数の整流板104が多段に配設されており、前記整流板104によって整流された原燃料は、触媒部108によって改質されて改質ガスが得られる。
具体的には、改質器16では、改質用燃料中のメタン、空気中の酸素及び水蒸気によって、酸化反応であるCH4+2O2→CO2+2H2O(発熱反応)と、燃料改質反応であるCH4+2H2O→CO2+4H2(吸熱反応)とが同時に行われる。このため、二酸化炭素と水素とを含む改質ガスが生成され、この改質ガスは、室110から複数の管体72の通路84に供給される。
さらに、通路84に供給された高温(650℃前後)の改質ガスは、鉛直下方向に移動しながら、過熱用通路82に沿って移動する原燃料を加熱した後、予熱器18を構成する管体126内の通路132に供給される。この改質ガスは、通路132を鉛直下方向に移動することにより予熱用通路134に沿って移動する加熱流体を予熱した後、図示しない燃料電池等に供給される。
この場合、第1の実施形態では、蒸発器12がそれぞれ同心円上に2列に配設される開口断面円弧状の複数の円弧状管28a、28bを備えるとともに、前記円弧状管28a、28b内には、メタルハニカム40a、40bを収容した開口断面円弧状の触媒外筒38a、38bが配設されている。そして、各円弧状管28a、28b内には、触媒外筒38a、38bを周回して矢印A方向に延在する第1通路30が形成されるとともに、内筒部材22、外筒部材24及び前記円弧状管28a、28bの間には、矢印A方向に延在する第2通路32が形成されている。
このため、加熱流体がメタルハニカム40a、40bを通過して生成された燃焼ガスは、第1通路30に沿って鉛直下方向に流動する。一方、改質用燃料、空気及び水が混在した原燃料は、第2通路32に沿って鉛直下方向に移動し、前記燃焼ガスと前記原燃料との間で熱交換が行われている。
このように、加熱流体である燃焼ガスと原燃料とは、同一方向に移動しながら熱交換を行うため、効率的な熱交換が行われるとともに、矢印A方向の寸法を有効に短尺化することが可能になる。これにより、蒸発器12は、熱交換効率が向上するとともに、簡単且つコンパクトに構成することが可能になるという効果が得られる。
さらに、湾曲管部材20は、それぞれ複数の円弧状管28a、28bを同心円上に2列に配設するとともに、各円弧状管28a、28bには、湾曲燃焼触媒34を構成する触媒外筒38a、38bが配設されている。従って、外筒部材24と内筒部材22との間には、多数の(すなわち、長尺な)第1及び第2通路30、32を設けることができ、原燃料と燃焼ガスとの熱交換効率が有効に向上するという利点がある。
また、湾曲燃焼触媒34は、偏平型のメタルハニカム40a、40bを備えている。これにより、メタルハニカム40a、40b内の面内温度分布を均一化することでき、触媒の性能を維持し、且つ前記触媒の温度制御が容易に遂行される。さらにまた、円弧状管28a、28b間には、伝熱促進用のフィン部材140が配設されており、原燃料と燃焼ガスとの熱交換効率が一層向上する。
さらに、円弧状管28a、28bは、軸方向一端が開放された第1セパレータ26に固定された固定端を構成するとともに、軸方向他端が自由端を構成している。このため、円弧状管28a、28bは、軸方向に伸縮が規制されることがないため、運転時と停止時との温度差に起因する流れ方向(軸方向)の熱応力が発生することを阻止できる。従って、円弧状管28a、28bは、耐久性が向上するとともに、薄肉化が容易に図られ、蒸発器12全体の軽量化及び小型化が遂行可能になる。
さらにまた、第1の実施形態では、過熱器14と改質器16とは、互いに同軸且つ直列に連結されるとともに、予熱器18は、前記過熱器14に前記改質器16とは反対側に同軸且つ直列に連結されている。これにより、改質器16、過熱器14及び予熱器18を繋ぐ配管を一挙に削減することができ、燃料改質装置10全体を小型化するとともに、配管からの放熱を抑制して熱効率の向上を図ることが可能になる。しかも、少ない始動エネルギで、燃料改質装置10の始動が良好に遂行され、省エネが確実に行われる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る燃料改質装置150の流れ状態を示す断面図である。なお、第1の実施形態に係る燃料改質装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3及び第4の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
蒸発器152を構成する円筒管部材154は、開口断面リング状を有し且つ同心円上に2列に配置される外側円筒管156及び内側円筒管158を備える。外側円筒管156は、2枚の円筒板156a、156bの上端部を固着するとともに、内側円筒管158は、2枚の円筒板158a、158bの上端部を固着して構成される。
図10に示すように、外側円筒管156及び内側円筒管158は、それぞれの上部に室52を設ける。外側円筒管156を構成する円筒板156aの下端部は、外筒部材24に固着され、前記外側円筒管156を構成する円筒板156bと、内側円筒管158を構成する円筒板158aとは、下端部同士を固着する。内側円筒管158を構成する円筒板158bの下端部は、過熱器14を構成する外筒64の下端部に原燃料入口66の下方に位置して固着される。
このように構成される第2の実施形態では、改質用燃料、空気及び水を含む原燃料が蒸発器152に供給されると、主に、水は、外側円筒管156及び内側円筒管158と外筒部材24との間に形成された第2通路32に沿って鉛直下方向に落下する(図10及び図11参照)。その際、湾曲燃焼触媒34では、加熱流体が燃焼されて燃焼ガスが生成され、この燃料ガスは、第1通路30に沿って鉛直下方向に移動する。
このため、高温の燃焼ガスと水との間で熱交換が行われて蒸気が発生する。この蒸気は、鉛直上方向に移動して改質用燃料及び空気が混在して蒸気化した原燃料が得られ、この原燃料が過熱器14を構成する外筒64の原燃料入口66からこの外筒64内に導入される。
これにより、第2の実施形態では、円筒管部材154の軸方向に沿って原燃料及び燃焼ガスを流すことができ、原燃料が通路32を往復して流れることから、第1の実施形態に比べ飛躍的に効率的な熱交換を行うとともに、簡単且つコンパクトに構成することができる等、第1の実施形態以上の効果が得られる。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る燃料改質装置を構成する蒸発器170の横断面図である。
蒸発器170は、湾曲管部材172を備え、この湾曲管部材172は、開口断面円弧状の円弧状管174a、174b及び174cがそれぞれ同心円上に複数配設される。円弧状管174a〜174cは、互いに位相をずらして配設されることにより、各円弧状管174a〜174cには、蛇行するように第2通路132が形成される。円弧状管174a〜174c内には、湾曲燃焼触媒176を構成する触媒外筒178a〜178cが収容される。触媒外筒178a〜178cには、メタルハニカム180a〜180cが配設される。
このように構成される第3の実施形態では、湾曲管部材172及び湾曲燃焼触媒176が同心円上に3列に配設されている。従って、第1及び第2通路30、32が多数設けられることにより、出力のアップ(処理原料ガス量のアップ)に対して、容易に対応することで可能である。
図13は、本発明の第4の実施形態に係る燃料改質装置を構成する蒸発器190の概略構成説明図である。
蒸発器190を構成する湾曲燃焼触媒192は、触媒外筒38a、38b内に第1燃焼触媒層194aと第2燃焼触媒層194bとを加熱流体の流れ方向に沿って収容する。具体的には、触媒外筒38a、38bの下部側には、低温着火性に優れるPt系触媒を担持したハニカムが配置される一方、前記触媒外筒38a、38bの上部には、特にメタンの浄化性能に優れるPd/Pt合金を担持したハニカムが配置される。
このように構成される第4の実施形態では、湾曲燃焼触媒192の上流側に設けられる第1燃焼触媒層194aによって低温着火性が向上する。しかも、下流側に配置される第2燃焼触媒層194bによって加熱流体中のCH4が燃焼されずに流動しても、このCH4が前記第2燃焼触媒層194bで浄化される。これにより、燃焼ガス中にCH4が混在することを確実に阻止することができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料改質装置の概略斜視説明図である。 前記燃料改質装置内の流れ状態を示す断面図である。 前記燃料改質装置を構成する蒸発器の分解斜視説明図である。 前記蒸発器の一部省略斜視説明図である。 前記蒸発器の一部断面説明図である。 前記蒸発器の横断面図である。 前記燃料改質装置を構成する過熱器の分解斜視図である。 前記燃料改質装置を構成する改質器の分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料改質装置内の流れ状態を示す断面図である。 前記燃料改質装置を構成する蒸発器の一部断面説明図である。 前記蒸発器の一部省略斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料改質装置を構成する蒸発器の横断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料改質装置を構成する蒸発器の断面説明図である。 従来技術の改質装置の概略説明図である。
符号の説明
10、150…燃料改質装置 12、152、170、190…蒸発器
14…過熱器 16…改質器
18…予熱器 20、172…湾曲管部材
22…内筒部材 24、124…外筒部材
26、36、68、88…セパレータ
28a、28b、174a〜174c…円弧状管
30、32、84、122、132…通路
34、176、192…湾曲燃焼触媒
38a、38b、178a〜178c…触媒外筒
40a、40b、180a〜180c…メタルハニカム
42…ケーシング 52、102、110、114、120…室
56…燃料供給管 58…空気供給管
64、96…外筒 66…原燃料入口
72、126…管体 74、128…仕切り板
78、130…切り欠き部 82…過熱用通路
86…分配板 98…内筒
100…原燃料通路 104…整流板
112…連結部材 140、142…フィン部材
154…円筒管部材 156…外側円筒管
158…内側円筒管 194a、194b…燃焼触媒層

Claims (10)

  1. 改質用燃料を改質することにより、水素リッチな燃料ガスを生成する燃料改質装置であって、
    前記改質用燃料を加熱流体との熱交換により蒸発させる蒸発器を備え、
    前記蒸発器は、湾曲管部材と、
    前記湾曲管部材の両側に且つ該湾曲管部材と同心円上に配設される内筒部材及び外筒部材と、
    を有し、
    前記湾曲管部材内には、前記加熱流体又は前記改質用燃料の一方を流通させる第1通路が形成されるとともに、
    前記内筒部材、前記外筒部材及び前記湾曲管部材の間には、前記加熱流体又は前記改質用燃料の他方を流通させる第2通路が形成されることを特徴とする燃料改質装置。
  2. 請求項1記載の燃料改質装置において、前記湾曲管部材は、複数の同心円上に複数列に配設されることを特徴とする燃料改質装置。
  3. 請求項1又は2記載の燃料改質装置において、前記湾曲管部材内に配設される湾曲燃焼触媒を設け、
    前記第1通路は、前記湾曲燃焼触媒により燃焼した加熱流体を流通させる加熱流体通路である一方、
    前記第2通路は、前記改質用燃料を流通させて前記加熱流体と熱交換を行う改質用燃料通路であることを特徴とする燃料改質装置。
  4. 請求項3記載の燃料改質装置において、前記湾曲燃焼触媒は、扁平型メタルハニカムを備えることを特徴とする燃料改質装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料改質装置において、前記改質用燃料通路には、伝熱促進用フィン部材が配設されることを特徴とする燃料改質装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料改質装置において、前記湾曲管部材は、軸方向一端を固定端に構成するとともに、軸方向他端を自由端に構成することを特徴とする燃料改質装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料改質装置において、前記湾曲管部材は、開口断面円弧状を有し且つ同一円周上に配設される2以上の円弧状管を備え、
    前記円弧状管内には、断面円弧状の前記湾曲燃焼触媒が少なくとも1つ配設されることを特徴とする燃料改質装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料改質装置において、前記湾曲管部材は、開口断面リング状を有する円筒管を備え、
    前記円筒管内には、断面円弧状の前記湾曲燃焼触媒が配設されることを特徴とする燃料改質装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の燃料改質装置において、前記蒸発器で蒸発した前記改質用燃料を、改質反応に必要な温度まで昇温させる過熱器と、
    昇温した前記改質用燃料を改質して改質ガスを生成する改質器と、
    を備え、
    前記過熱器を囲繞して前記蒸発器が同心円上に配設されるとともに、
    前記過熱器と前記改質器とは、互いに同軸且つ直列に連結されることを特徴とする燃料改質装置。
  10. 請求項9記載の燃料改質装置において、前記蒸発器で前記改質用燃料を蒸発させるための前記加熱流体を予熱する予熱器を備え、
    前記予熱器は、前記過熱器に前記改質器とは反対側に同軸且つ直列に連結されることを特徴とする燃料改質装置。
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