JP2006256070A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の版胴を有する、孔版印刷装置等の印刷装置であって、一方の版胴に与えられた駆動力を他方の版胴に伝達して各版胴を駆動するとともに印刷速度が調整可能であり、印刷速度を調整したときにも印刷位置のずれが生じることがない印刷装置の提供。
【解決手段】第1、第2の版胴の駆動速度が調整されたときに、印刷位置調整手段83によって、第1の版胴による印刷位置と第2の版胴による印刷位置との相対位置を調整する制御手段90を有する印刷装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の版胴を有する、孔版印刷装置等の印刷装置であって、特に、一方の版胴に与えられた駆動力を他方の版胴に伝達して各版胴を駆動するとともに印刷速度が調整可能である印刷装置に関する。
従来より、多数枚の印刷等を目的として印刷装置が用いられている。印刷装置として、例えば孔版印刷装置が知られている。孔版印刷装置としては、多孔性の支持円筒体に樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複数層巻装した構成の回転自在な版胴と、大体1〜3μmm程度の厚みのものが一般に用いられる熱可塑性樹脂フイルムと、和紙繊維、合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものが一般に用いられる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造の孔版マスタとを用い、このマスタのフィルム面をサーマルヘッドで加熱穿孔製版したうえで版胴に巻着して、版胴内部に設けられたインキ供給部材よりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段で用紙を連続的に版胴に押圧して、版胴開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う、感熱デジタル孔版印刷装置が良く知られている。
かかる印刷装置においては、近年、プレゼン用等として多色印刷を行うための方法として、色インキ毎に複数の版胴を取り替えながら印刷する印刷方法が採られている。しかし、このような印刷方法では、インキの色毎に印刷するために、排紙積載された用紙を揃え直して再度給紙部にセットすることを要し、印刷作業が面倒であるという問題があった。また、再給紙の際に、印刷された用紙に転移しているインキが、用紙の搬送部に付着堆積するため、清掃が必要になってしまうという問題もあった。また、かかる搬送部の汚染を防止しようとすると、インキを乾燥させるための時間が必要になり、能率が悪いという問題があった。
そこで、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕に記載されているように、複数の版胴を備え、一回の通紙で多色印刷を行うことが可能な印刷装置が提案されている。
このような印刷装置においては、各版胴によって用紙に対して印刷を行う位置を合わせる必要がある。ここで、用紙の搬送方向を左右方向、用紙の搬送方向に直行する方向を上下方向とすると、上下方向の位置合わせは各版胴自体をその軸方向に移動することによって行うことができ、左右方向の位置合わせは各版胴相互間の位相を調整すること等によって行うことができる。
また、複数の版胴を備えた印刷装置においては、一方の版胴に与えられた駆動力を他方の版胴に伝達して各版胴を駆動するよう構成されていることが一般的である。
一方、〔特許文献3〕等に記載されているように、印刷速度を調整可能な印刷装置が提案されている。なお、〔特許文献3〕に記載の印刷装置は、版胴が1つの、単胴タイプの印刷装置であり、印刷速度を調整したときのために、版胴の位相を調整する機構を備えている。
特開2001−219635号公報 特開平10−297074号公報 特開平2−220880号公報
しかし、一方の版胴に与えられた駆動力を他方の版胴に伝達して各版胴を駆動するよう構成されているとともに、印刷速度を調整可能な印刷装置においては、印刷速度を変更したときに、左右方向において位置ずれが発生するという問題がある。
すなわち、たとえば、一方の版胴に与えられた駆動力を他方の版胴に伝達する構成が、ベルトやギヤで構成されている場合に、印刷速度が変更されると、かかる構成に加わる負荷が変動し、ベルトの撓みや伸び、その他軸等の部材の撓み等の変形等により、他方の版胴の位相が遅れ、結果として、他方の版胴による印刷位置が、一方の版胴による印刷位置よりも、用紙の搬送方向において上流側にずれるといった問題がある。
また、かかるずれが生じると、ゴースト画像の発生という問題も生ずる。
すなわち、一方及び他方の版胴にて繰り返し印刷を行うと、用紙の搬送方向において上流側の版胴によって用紙に印刷を行ったインキが、下流側の版胴に転移し、蓄積される。これらの版胴の位相が変動しなければ、下流側の版胴に転移したインキが再度用紙に付着してもゴースト画像は発生しない。しかし、上述した原因によって上流側、下流側の版胴による印刷位置がずれ、下流側の版胴に転移したインキが再度用紙に付着すると、上流側の版胴による印刷画像が本来の印刷位置からずれた位置にも形成されゴースト画像が発生する。
このような問題は、印刷速度を調整したときに、印刷位置を調整するためのモードに移り、調整を行いながら試し刷りを行うことによって解決することも考えられるが、これでは試し刷りを行うための作業が面倒である、時間がかかる、試し刷りのための用紙が無駄になるといった問題が発生する。
本発明は、複数の版胴を有する、孔版印刷装置等の印刷装置であって、一方の版胴に与えられた駆動力を他方の版胴に伝達して各版胴を駆動するとともに印刷速度が調整可能であり、印刷速度を調整したときにも印刷位置のずれが生じることがない印刷装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、第1の版胴及び第2の版胴と、第1の版胴を駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって第1の版胴に与えられた駆動力を第2の版胴に伝達して第2の版胴を駆動する駆動力伝達手段と、第1の版胴及び第2の版胴の駆動速度を調整する駆動速度調整手段と、第1の版胴による用紙に対する印刷位置である第1の印刷位置と第2の版胴による用紙に対する印刷位置である第2の印刷位置との相対位置を調整する印刷位置調整手段と、前記駆動速度調整手段によって前記駆動速度が調整されたときに前記印刷位置調整手段により前記相対位置を調整する制御手段とを有する印刷装置にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、前記印刷位置調整手段が、第1の版胴と第2の版胴との間の位相を調整する位相調整手段を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記駆動力伝達手段が、第1の版胴及び第2の版胴と係合し一体で回転する無端ベルトを有し、前記位相調整手段が、前記制御手段により変位されることで前記無端ベルトと第1の版胴及び/又は第2の版胴との係合位置が変化し前記位相を調整する位相調整部材を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の印刷装置において、前記印刷位置調整手段が、第1の版胴に巻装される第1のマスタへの製版位置と第2の版胴に巻装される第2のマスタへの製版位置との相対的な位置を調整することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の印刷装置において、前記制御手段が、前記駆動速度が速いときは、遅いときに比べて、用紙の搬送方向において、第2の印刷位置を下流側にずらすこと及び/又は第1の印刷位置を上流側にずらすことにより、前記相対位置を調整することを特徴とする。
本発明は、第1の版胴及び第2の版胴と、第1の版胴を駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって第1の版胴に与えられた駆動力を第2の版胴に伝達して第2の版胴を駆動する駆動力伝達手段と、第1の版胴及び第2の版胴の駆動速度を調整する駆動速度調整手段と、第1の版胴による用紙に対する印刷位置である第1の印刷位置と第2の版胴による用紙に対する印刷位置である第2の印刷位置との相対位置を調整する印刷位置調整手段と、前記駆動速度調整手段によって前記駆動速度が調整されたときに前記印刷位置調整手段により前記相対位置を調整する制御手段とを有する印刷装置にあるので、印刷速度を調整したときに駆動力伝達手段にかかる駆動負荷の変化によって生じる第1の印刷位置と第2の印刷位置との相対位置の変化を相殺することで、印刷速度の調整前後で印刷位置のずれが生じることがなく、ゴースト画像の発生も防止して容易に高画質の印刷を行うことができる印刷装置を提供することができる。
前記印刷位置調整手段が、第1の版胴と第2の版胴との間の位相を調整する位相調整手段を有することとすれば、印刷速度を調整したときに駆動力伝達手段にかかる駆動負荷の変化によって生じる第1の印刷位置と第2の印刷位置との相対位置の変化を、第1の版胴と第2の版胴との位相を調整することで相殺することで、印刷速度の調整前後で印刷位置のずれが生じることがなく、ゴースト画像の発生も防止して容易に高画質の印刷を行うことができる印刷装置を提供することができる。
前記駆動力伝達手段が、第1の版胴及び第2の版胴と係合し一体で回転する無端ベルトを有し、前記位相調整手段が、前記制御手段により変位されることで前記無端ベルトと第1の版胴及び/又は第2の版胴との係合位置が変化し前記位相を調整する位相調整部材を有することとすれば、印刷速度を調整したときに駆動力伝達手段にかかる駆動負荷の変化によって生じる第1の印刷位置と第2の印刷位置との相対位置の変化を、比較的簡易な構成で第1の版胴と第2の版胴との位相を調整することで相殺することで、印刷速度の調整前後で印刷位置のずれが生じることがなく、ゴースト画像の発生も防止して容易に高画質の印刷を行うことができる印刷装置を提供することができる。
前記印刷位置調整手段が、第1の版胴に巻装される第1のマスタへの製版位置と第2の版胴に巻装される第2のマスタへの製版位置との相対的な位置を調整することとすれば、印刷速度を調整したときに駆動力伝達手段にかかる駆動負荷の変化によって生じる第1の印刷位置と第2の印刷位置との相対位置の変化を、各版胴に巻装されるマスタへの製版位置を調整することで相殺することで、印刷速度の調整前後で印刷位置のずれが生じることがなく、ゴースト画像の発生も防止して容易に高画質の印刷を行うことができる印刷装置を提供することができる。
前記制御手段が、前記駆動速度が速いときは、遅いときに比べて、用紙の搬送方向において、第2の印刷位置を下流側にずらすこと及び/又は第1の印刷位置を上流側にずらすことにより、前記相対位置を調整するとすれば、印刷速度を調整したときに駆動力伝達手段にかかる駆動負荷の変化によって生じる第1の印刷位置と第2の印刷位置との相対位置の変化を、駆動力伝達手段において生じる相対位置の変化の方向を考慮して相殺することで、印刷速度の調整前後で印刷位置のずれを良好に防止し、ゴースト画像の発生も防止して容易に高画質の印刷を行うことができる印刷装置を提供することができる。
図1に、本発明を適用した、白黒画像またはカラー画像を形成可能な、印刷装置としての多色孔版印刷装置である感熱デジタル製版一体型の孔版印刷装置の概略を示す。孔版印刷装置100は、それぞれ互いに異なる色のインキにて印刷を行うための複数の版胴、具体的には、第1の版胴としての第1の印刷ドラム1A及び第2の版胴としての第2の印刷ドラム1B(以下それぞれ、「印刷ドラム1A」、「印刷ドラム1B」と記す。)を有している。印刷ドラム1Aは矢印Zで示す用紙搬送方向(以下、「用紙搬送方向Z」と記す。)の上流側に、印刷ドラム1Bは印刷ドラム1Aよりも用紙搬送方向Zの下流側すなわち図1における左方に配置され、互いに並設されている。
本形態において、印刷ドラム1Aに対応する構成部材には数字符号の末尾に符号Aを付し、印刷ドラム1Bに対応する構成部材には数字符号の末尾に符号Bを付す。また、同一の機能及び構成を有する構成部材には、同一の数字符号を付し重複説明は極力省略する。
孔版印刷装置100は、装置本体内の印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとの外廻りにそれぞれ、印圧部材としての押圧手段であるプレスローラ2A,2Bと、第1の製版手段、第2の製版手段としての製版給版装置3A,3Bと、使用済みマスタを印刷ドラム1A、印刷ドラム1Bから剥離廃棄する図3に示す排版装置88A,88Bと、プレスローラ2A,2Bを印刷ドラム1A,1Bのそれぞれの外周面(以下「ドラム外周面1Aa」、「ドラム外周面1Ba」と記す。)から離間した位置に保持する係止手段としての保持手段5A,5Bと、印刷ドラム1A、印刷ドラム1Bから印刷済みの用紙35を分離するための、第1剥離爪としての分離爪7A,第2剥離爪としての分離爪7B及び第1剥離ファンとしての気流発生手段120A,第2剥離ファンとしての気流発生手段120Bとを有している。
孔版印刷装置100はまた、用紙35を積載するとともに印刷ドラム1A,1Bに向けて供給する給紙手段としての給紙装置4と、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとの間に配設され、用紙35を印刷ドラム1Aから印刷ドラム1Bに向けて搬送する搬送手段としての搬送装置21と、印刷済みの用紙35を積載する排紙トレイ45と、装置本体上部に配設された、図3に示す操作パネル51及び制御手段90と、スキャナ部としての図示しない原稿読取装置とを有している。
印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとは、製版給版装置3A,3B及び排版装置の下方に位置している。印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとは、開口部1a1,1b1と非開口部1a2,1b2とを有する多孔性支持円筒体1a,1bと、多孔性支持円筒体1a,1bの外周を覆う図示しない複数層のメッシュスクリーンとを有する、周知の多孔性円筒状をなす構造である。メッシュスクリーンは樹脂または金属網体等によって構成されている。
印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとはまた、ドラム外周面1Aa,1Baの、非開口部1a2,1b2に対応する部分に、印刷ドラム1A,1Bの1つの母線に沿って磁性体で形成された、第1ステージ41A,第2ステージ41Bと、第1ステージ41A、第2ステージ41Bのそれぞれに対して開閉可能なように、回動可能に支持された第1クランパ42A,第2クランパ42Bとを有している。
第1クランパ42Aと第2クランパ42Bとは、図示しない開閉装置により所定位置で開閉されるようになっている。印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとは、ドラムフランジ20A,20Bを介して第1インキパイプとしてのドラム軸25A,第2インキパイプとしてのドラム軸25Bに回転自在に支持されている。ドラム軸25A,25Bは、装置本体に対して着脱可能に設けられた図示しない側板対にその両端が固定されている。印刷ドラム1A、印刷ドラム1Bは、図2に示す駆動手段としての本体モータ81により、図1に示す矢印方向に、ドラム外周面1Aa,1Baの回転速度V1が1000mm/sとなるように回転駆動されるようになっている。
図1に示すように、印刷ドラム1A,1Bの内部にはそれぞれ、インキ溜り62A,62Bを構成する第1インキローラとしてのインキローラ60A,第2インキローラとしてのインキローラ60Bと、インキローラ60A,60Bに僅かに隙間を設けて配設された第1ドクタローラとしてのドクタローラ61A,第2ドクタローラとしてのドクタローラ61Bとがそれぞれ配置されている。インキ溜り62A,62Bはそれぞれ、インキローラ60Aとドクタローラ61Aとによって形成される楔状空間,インキローラ60Bとドクタローラ61Bとによって形成される楔状空間に形成されている。
インキローラ60A,60Bは、ドラム軸25A,25Bが固設された側板対により、その軸部をそれぞれ回転自在に支持されており、それぞれ、図示しないギヤやベルトを備えた図示しない駆動伝達手段を介して、本体モータ81により、印刷ドラム1A,1Bと同期して矢印方向に回転駆動されるようになっている。インキローラ60A,60Bは回転することでインキ溜り62A,62Bのインキを混練して伸ばし、インキ溜り62A,62Bのインキが、インキローラ60A,60Bの外表面を経て、ドラム内周面に供給されるようになっている。
ドラム軸25A,25Bはそれぞれ、インキ供給パイプの機能を有している。ドラム軸25A,25Bには、その軸方向にそれぞれ図示しない供給穴としての複数の孔が形成されている。ドラム軸25A,25Bはそれぞれ、その一端が、図示しないインキポンプを介して、異なる色のインキが収納された、印刷ドラム1A、印刷ドラム1Bの外部に設けられた図示しないインキパックに接続されている。
インキ溜り62A,62Bのインキ量が図示しないインキセンサによって低減したことが検知されたときに、インキパック内のインキがインキポンプにより吸引され、ドラム軸25A,25Bに形成された複数の孔から、インキ溜り62A,62Bに供給される。インキ溜り62Aには黒色のインキが、インキ溜り62Bには赤色のインキが、それぞれ供給されるようになっている。
なお、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとはそれぞれ、インキローラ60A,60Bとドクタローラ61A,61Bとを含むインキ供給部等と一体で、ユニットとして、装置本体に対して着脱可能となっている。
製版給版装置3A,3Bはそれぞれ、第1のマスタとしてのマスタ31A,第2のマスタとしてのマスタ31Bをロール状に巻成したマスタロール32A,32Bと、熱によりマスタ31A,31Bの穿孔を行う第1の穿孔部材としてのサーマルヘッド33A,第2の穿孔部材としてのサーマルヘッド33Bと、サーマルヘッド33A,33Bに対向して配設されたプラテンローラー34A,34Bと、穿孔が行われたマスタ31A,31Bを切断する切断手段35A,35Bと、穿孔が行われたマスタ31A,31Bを搬送するマスタ搬送ローラー対36A,36Bと、マスタ搬送ローラー対36A,36Bによって搬送されるマスタ31A,31Bを印刷ドラム1A,1Bへと案内するガイド板37A,37Bとを有している。
プラテンローラー34A,34Bはその軸方向長さがマスタ31A,31Bの幅とほぼ同じ長さに形成されており、装置本体の図示しない側板間に回転自在に支持されている。プラテンローラー34A,34Bは図示しないステッピングモーターから駆動力を伝達され、図1において時計回り方向に回転駆動される。
サーマルヘッド33A,33Bはその幅がプラテンローラー34A,34Bの軸方向長さよりも大きく形成されており、その上面には複数の発熱素子が配設されている。サーマルヘッド33A,33Bはその発熱素子面をプラテンローラー34A,34Bに圧接させるように図示しない付勢手段によって付勢されており、各発熱素子は図示しないサーマルヘッドドライバーによってその作動を個々に制御される。
切断手段35A,35Bは、図示しない装置本体に固定されその幅がマスタ31A,31Bの幅よりも長く形成された下刃35Aa,35Baと、下刃35Aa,35Ba上をマスタ31A,31Bの幅方向に移動しつつ回転自在に設けられた上刃35Ab,35Bbとを有する周知の構成である。
マスタ搬送ローラー対36A,36Bは、図示しない側板間に回転自在に支持された、図示しないマスタ搬送駆動手段により回転駆動される駆動ローラー36Aa,36Baと、駆動ローラー36Aa,36Baに圧接された従動ローラー36Ab,36Bbとを有しており、駆動ローラー36Aa,36Baと従動ローラー36Ab,36Bbとによってマスタ31A,31Bを挟持して搬送するものである。
ガイド板37A,37Bは図示しない側板間に固定されている。マスタ31A,31Bは、熱可塑性樹脂フイルムと、多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造の孔版マスタである。熱可塑性樹脂フィルムとしては、大体1〜3μmm程度の厚みのものが用いられる。多孔性支持体としては、和紙繊維、合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものが用いられる。
保持手段5A,5Bは、プレスローラ2A、2Bをドラム外周面1Aa,1Baに接離可能に支持する第1プレスローラアームとしてのアーム部材40A,第2プレスローラアームとしてのアーム部材40Bと、アーム部材40A,40Bを搖動自在に支持する軸44A,44Bとを有し、これらのみを図1に示しているが、他にも、支持アーム部材40A,40Bに対してそれぞれ係脱可能に設けられたストッパ、各ストッパをアーム部材40A,40Bとの係止方向にそれぞれ付勢する付勢手段としての引っ張りバネ、ストッパをアーム部材40A,40Bとの離脱位置に向かって移動するストッパ駆動源としての電磁ソレノイド等を備えている。
アーム部材40A,40Bは、一部図示を省略しているが、略L字状をなし、その屈曲部が軸44A,44Bでそれぞれ揺動自在に支持されている。軸44A,44Bは、図示しない筐体としての本体フレームに回転自在に支持されている。プレスローラ2A,2Bは、アーム部材40A,40Bの一端にそれぞれ回転自在に支持されている。
プレスローラ2A,2Bは、芯金と、円筒形状に成形され芯金の周囲に装着された弾性体としてのニトリルゴムまたはクロロプレンゴムとを有している。アーム部材40A,40Bの他端側には、アーム部材40A,40Bに時計回り方向への回動習性を与えるとともに印刷ドラム1A,1Bに対して印圧を与える働きを有するプレスローラテンションの一端が係止されている。プレスローラテンションの他端は、図示しない本体フレーム側に係止されている。
アーム部材40A,40Bの他端にはそれぞれ、図示しないコロが配設されている。このコロは、プレスローラ2A,2Bの外周面をそれぞれ各ドラム外周面1Aa,1Baに対して接離させる図示しないカムの輪郭周面と圧接している。このカムは、図示しない連結機構を介して印刷ドラム1A及び印刷ドラム1Bの回転と同期して回転するように構成されている。
これらの部材により、プレスローラ2A,2Bは、ドラム外周面1Aa,1Baから離れた離間位置と、ドラム外周面1Aa,1Baに圧接する押圧位置との間で移動可能となっている。すなわち、プレスローラ2A,2Bは、印刷ドラム1A、印刷ドラム1Bに接離可能とされている。また、これらの部材により、プレスローラ2A,2Bは、第1クランパ42A,第2クランパ42Bがプレスローラ2A,2Bとドラム外周面1Aa,1Baとの対向領域である印刷部18A,18Bを通過する際に、ドラム外周面1Aa,1Baから離間するようになっている。
プレスローラ2A,2Bは、給送されてきた用紙35をドラム外周面1Aa,1Baに、その開口部1a1,1b2の前縁部分より連続的に押し付けてインキ画像を用紙35上に転写し、印刷を行う機能を有している。プレスローラ2A,2Bは、インキ画像を用紙35上に転写するときには、印刷ドラム1A,1Bの回転方向における開口部1a1,1b1形成部分の前縁から僅かに前方位置から印刷ドラム1A,1Bに当接するように印刷ドラム1A,1Bに近接する。
分離爪7A,7B及び気流発生手段120A,120Bは、図1において印刷ドラム1A,1Bの左方に配設されており、用紙35をドラム外周面1Aa,1Baからそれぞれ分離・剥離するためのものである。分離爪7A,7Bは、印刷ドラム1A,1Bの回転方向における印刷部18A,18Bの下流側からドラム外周面1Aa,1Baにそれぞれ接近するよう配置されている。気流発生手段120A,120Bは、気流発生源となるファン駆動モータ66A,66Bと、ファン駆動モータ66A,66Bによって発生した気流を印刷部18A,18Bに向けて吹き付ける噴出部6A,6Bとを備えている。分離爪7A,7Bは、用紙35の幅方向に複数のものが櫛状に形成されて配置されており、噴出部6A,6Bから供給される気流を印刷部18,19の近傍に通風可能に構成されている。
給紙装置4は、装置本体の右方、言い換えると印刷ドラム1Aの右方に配設されている。給紙装置4は、用紙35が積載される昇降可能な給紙トレイ10と、給紙トレイ10に積載された用紙35の最上位のものから送り出す給紙ローラーとしての呼び出しコロ11と、呼び出しコロ11によって送り出された用紙35を1枚だけ分離してさらに送る分離ローラーとしての分離コロ12及び分離部材としての分離板14と、分離コロ12及び分離板14によって送られた1枚の用紙35を、印刷部18Aに向けて所定のタイミングで送り出すレジストローラ対17と、給紙トレイ10に配設され、給紙トレイ10に積載された用紙35の長さを検出するための用紙長さ検出手段としての複数のセンサ15とを有している。センサ15による検知信号は、制御手段90に送られるようになっている。
これら呼び出しコロ11、分離コロ12は、版付け時、印刷時、試し刷り時に、制御手段90によって適宜後述の駆動部の駆動を制御されることで回転動作し、マスタ31A,31Bの巻着後に行われる版付け時には用紙35を1枚給紙し、印刷時や試し刷り時には設定された枚数分の印刷が終了するまで用紙35を給紙するように構成されている。
レジストローラ対17は、駆動ローラ17aとこれに圧接する従動ローラ17bとを有しており、駆動ローラ17aが図示しないステッピングモータによって回転駆動される。駆動ローラ17aと従動ローラ17bとは、図示しない側板に回転自在に支持されている。レジストローラ対17は、用紙35の送り出しタイミングをステッピングモータの駆動タイミングを変更することで調整可能である。レジストローラ対17から用紙35が送り出されたことは、図示しない用紙挿入センサにより検知されるようになっている。
搬送装置21は、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bの間の用紙搬送経路を構成している。搬送装置21は、図示しない筐体側板に回転自在に支持された搬送ローラ右としての駆動ローラ26及び搬送ローラ左としての従動ローラ27と、駆動ローラ26及び従動ローラ27に巻き掛けられ張設された多数の開孔を有する搬送ベルト28と、搬送ベルト28の内側に配置された吸着ファン29とを備えている。
搬送ベルト28の搬送面には吸着ファン29の回転により発生する吸引力が作用している。吸引ファン29は、制御手段90が電流や電圧や通電波形などを変えることでその回転数が制御されるようになっている。
搬送装置21はこのような構成であるので、印刷部18Aを通過し、分離爪7A,7B及び気流発生手段120A,120Bによってドラム外周面1Aa,1Baから分離・剥離された用紙35を搬送ベルト28上に吸着して、用紙搬送方向Zの下流側、すなわち、印刷部18Bや排紙トレイ45へ向かって搬送するように構成されている。
排紙トレイ45は、用紙搬送方向Zにおける印刷部18Bの下流側に配設されている。排紙トレイ45は、多数枚の印刷済みの用紙35を積載できるようになっている。印刷部18Bと排紙トレイ45の間には、印刷済みの用紙35の通過を検出する図示しない排紙チェックセンサが配設されており、印刷済みの用紙35が排紙トレイ45に排出されたことを検知するようになっている。
操作パネル51には、原稿の画像読み取りから製版、給版、版付けに至るまでの一連の動作を開始させるための図示しない製版キー、試し刷り開始させるための図示しない試し刷りキー、テンキー52、テンキー52で入力される設定枚数に対する印刷動作を開始させるための図示しない印刷キー、1つの印刷ドラムを用いたシングル印刷モードを設定する図示しないシングルモードキー、2つの印刷ドラムを用いたタンデム印刷モードを設定する図示しないタンデムモードキー、印刷ドラムを任意に選択するときに用いる図示しない第1ドラム選択キー及び第2ドラム選択キー、印刷速度を調整する速度調整キー53、画像位置調整動作を開始させるための画像位置調整キーとしての位相調整キー54、印刷枚数や印刷残枚数、選択された印刷ドラムの情報や印刷モード等を表示するための図示しない液晶表示装置で構成された図示しない表示部等が配置されている。
原稿読取装置はADF、CCD等の光電変換素子からなる画像センサ、アナログ/デジタル変換基板等を有し、読み取った画像を画像センサにより光電変換し、この光電変換された電気信号を図示しないアナログ/デジタル変換基板に送信することによりデジタル画像信号に変換する周知の構成である。原稿読取装置により生成されたデジタル画像信号は、制御手段90に送られる。
ドラム外周面1Aa,1Baの長さは、ドラム外周面1Aa,1Baからの用紙35の分離、剥離位置の間のスパンの略3/4となっている。また、搬送装置21による用紙35の搬送速度は、印刷ドラム1Aの回転速度V1と略等しい。このような長さ、速度の関係から、印刷ドラム1Aによる印刷画像と印刷ドラム1Bによる印刷画像が用紙35上において同じ位置を占めるように、印刷ドラム1Bの位相は、印刷ドラム1Aの位相より、略1/3だけ遅れた関係すなわち略120°遅い方にずれた関係となっている。
印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとのこのような位相の関係、言い換えると位置関係は、図2に示す天地移動手段である天地移動装置80によって設定することが可能であるようになっている。天地移動装置80は、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとを互いに連結するベルトタイプのものである。
天地移動装置80は、本体モータ81と、印刷ドラム1A,1Bにそれぞれ備えられ印刷ドラム1A,1B本体と一体回転する第1版胴プーリとしてのプーリ82A,第2版胴プーリとしてのプーリ82Bと、印刷ドラム1A,1B間に配置されたスライダ83と、スライダ83の両端に回転自在に支持された移動プーリ84,84と、プーリ82A,82Bに巻き掛けられた無端ベルトとしての歯付ベルトである連結ベルト85と、移動プーリ84,84の近傍に位置し、スライダ83の両側に配置されて連結ベルト85を押圧する複数の固定プーリとしてのテンションローラ86と、スライダ83を変位させる図3に示す天地移動モータ87とを有している。
本体モータ81は、プーリ82Aに連結されており、制御手段90により駆動されるようになっている。テンションローラ86はそれぞれ、図示しない本体フレームに回転自在に支持されている。スライダ83は、図2おいて矢印a,bで示す上下方向(以下「上下方向a,b」と記す)に延設されていて、図示しない本体フレームにより上下方向a,bに移動可能に支持されている。スライダ83は天地移動モータ87により上下方向a,bに選択的に変位される。印刷ドラム1Aは、本体モータ81と直結されているので、天地移動モータ87が駆動される画像調整時に、本体モータ81が負荷となって固定側となる。
天地移動装置80はこのような構成であるから、印刷ドラム1Bは、天地移動モータ87の駆動により、スライダ83が矢印a方向に移動すると時計回り方向に回転してその印刷位置が用紙搬送方向Zにおける下流側に移動し、スライダ83が矢印b方向に移動すると反時計回り方向に回転してその印刷位置が用紙搬送方向Zにおける上流側に移動する。また、本体モータ81が駆動されると、印刷ドラム1A,1Bが連動して同一方向すなわち時計回り方向に回転駆動される。
印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bは、制御手段90によって本体モータ81の駆動が制御されることで、その回転速度や回転方向が制御される。回転速度は、速度調整キー53の操作に基づいて制御される。回転速度の調整は、たとえば、雰囲気温度の変化に応じて行われるものであって、本形態では、極低速、低速、中速、高速の何れかが速度調整キー53の操作によって選択されるようになっている。
よって、移動プーリ84,84と、連結ベルト85と、テンションローラ86とは、本体モータ81によって印刷ドラム1Aに与えられた駆動力を印刷ドラム1Bに伝達して印刷ドラム1Bを駆動する駆動力伝達手段として機能している。また、駆動手段90、速度調整キー53は、印刷ドラム1A及び印刷ドラム1Bの駆動速度を調整する駆動速度調整手段として機能する。
図3に示すように、制御手段90は、CPU91、ROM92、RAM93等を備え、それらが図示しない信号バスによって接続された周知のマイクロコンピュータから主に構成されている。CPU91には、インターフェース94を介して、本体モータ81、天地移動モータ87、製版給版装置3A,3B、排版装置88A,88B、給紙装置4、操作パネル51の各種キーや表示部、原稿読取装置等が電気的にそれぞれ接続されている。ROM92には、後述するテーブル等が記録されている。
センサ15に関し、制御手段90においては、センサ15からの検出信号に応じて用紙35の大きさが判断され、また用紙35の有無も判断される。製版給版装置3A,3Bに関し、制御手段90においては、サーマルヘッド33A,33Bと、プラテンローラー34A,34Bと、切断手段35A,35Bと、マスタ搬送ローラー対36A,36Bとの駆動制御等が行われる。給紙装置4に関し、制御手段90においては、呼び出しコロ11と、分離コロ12と、レジストローラ対17との駆動制御、給紙トレイ10の昇降に関する制御等が行われる。
また制御手段90においては、本体モータ81の駆動制御、排版装置88A,88Bにおける各制御、原稿読取装置における各制御、表示部への出力制御、後述する天地移動モータ87の駆動制御等が行われる。これらの制御は、ROM93に記録された各種データに基づき、また操作パネルの入力等に基づき、RAM92を適宜使用する等しながらCPU91によって行われる。
ここで、速度調整キー53が押下され、制御手段90が本体モータ81の回転速度を変更して、印刷速度を変更したときに、用紙搬送方向Zにおいて印刷位置ずれが発生するという問題がある。すなわち、印刷速度が変更されると、図4(a)に示すようにそれまで印刷ドラム1Aによる印刷画像55A、印刷ドラム1Bによる印刷画像55Bが用紙35の適正な位置に形成されていたにもかかわらず、印刷速度の変更によって連結ベルト85等に加わる負荷が変動し、連結ベルト85の撓みや伸び、その他移動プーリ82A、82B、84、テンションローラ86や、その他の軸等の部材の撓み等の変形等が生じることにより、印刷ドラム1Bの位相が変化し、この変化が遅れ側に生じたときには、結果として、図4(b)に示すように、印刷画像55Bの印刷位置が、印刷画像55Aの印刷位置よりも、用紙搬送方向Zにおいて上流側にずれるといった問題がある。
また、かかるずれが生じると、ゴースト画像の発生という問題も生ずる。すなわち、印刷ドラム1A,1Bにて繰り返し印刷を行うと、用紙搬送方向Zにおいて上流側の印刷ドラム1Aによって用紙35に印刷を行ったインキが、用紙搬送方向Zにおいて下流側の印刷ドラム1B上に巻装されたマスタ31Bに転移し、蓄積される。印刷ドラム1A,1Bの位相が変動しなければ、マスタ31Bに転移したインキが再度用紙35に付着しても、図4(a)に示した画像が形成されるのみでゴースト画像は発生しない。しかし、上述した原因によって印刷ドラム1A、1Bによる相対的な印刷位置がずれ、マスタ31Bに転移したインキが再度用紙35に付着すると、印刷ドラム1Aによる印刷画像55Aが本来の印刷位置からずれた位置にも形成され、図4(b)に示すようにゴースト画像55A’が発生する。
このような問題は、印刷速度を調整したときに、印刷位置を調整するためのモードに移り、調整を行いながら試し刷りを行うことによって解決することも考えられるが、これでは試し刷りを行うための作業が面倒である、時間がかかる、試し刷りのための用紙が無駄になるといった問題が発生する。
そこで、本形態の孔版印刷装置100においては、印刷速度を調整したときには、調整前の印刷速度及び調整後の印刷速度に対応して、制御手段90が、天地移動装置80により、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとの相対的な位相をずらすことにより、印刷画像55A、55Bを本来の印刷位置に印刷するよう構成されている。
具体的には、制御手段90は、調整前の印刷速度及び調整後の印刷速度に応じたテーブルによってROM93に記録されたスライダ83の変位量を読み出し、これに基づいて天地移動モータ87を駆動する。これにより、印刷ドラム1Aの位相を基準に、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとの間の相対位置が調整され、印刷ドラム1Aによる用紙35に対する印刷位置と印刷ドラム1Bによる用紙35に対する印刷位置との相対位置が調整されて、印刷画像55A,55Bが図4(a)に示したように、印刷速度の変化の前後にわたって、本来の印刷位置に印刷される。
たとえば、図4に示す例で説明すると、印刷速度を早くする方向に調整を行うと、連結ベルト85等に加わる負荷が増加し、連結ベルト85が伸びること等により、印刷ドラム1Bの位相が遅れ側に変化する。この場合、これを放置すれば結果として図4(b)に示すように、印刷画像55Bの印刷位置が用紙搬送方向Zにおいて上流側にずれ、またゴースト画像55A’が発生し得る。そこで、制御手段90は、変化前後の速度から決定される、ROM93に記録されたスライダ83の変位量を読み出し、スライダ83を所定量上方に変位させ、印刷ドラム1Bを時計回り方向に回転駆動し、位相を進めて、印刷画像55Bの印刷位置を印刷画像55Aの印刷位置に適合させる。
スライダ83の変位量は、たとえば、極低速から低速に変速されたときには0.3mm程度、低速から中速に変速されたときには0.5mm程度、中速から高速に変速されたときには0.7mm程度であって、印刷画像55Bの印刷位置が用紙搬送方向Zにおいて上流側にずれるように定められ、これらがROM93のテーブルに記録されている。
天地移動モータ87、スライダ83、制御手段90は、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとの間の位相を調整する位相調整手段として機能するとともに、これによって印刷画像55Aの印刷位置と印刷画像55Bの印刷位置との相対位置を調整する印刷位置調整手段として機能する。また、スライダ83は、制御手段90によって変位されることで連結ベルト85と印刷ドラム1Bとの係合位置が変化し、印刷ドラム1Aと印刷ドラム1Bとの間の位相を調整する位相調整部材として機能する。そして、制御手段90は、かかる印刷位置調整手段により、かかる相対位置を調整し、かかる印刷位置を相対的に一致させるようになっている。
孔版印刷装置100は以上のような構成であるので、操作者が原稿を原稿読取装置にセットして操作パネル51において所定の設定を行い、製版キーを押下すると、制御手段90により、排版を行うべく印刷ドラム1A,1Bの回転が行われ、排版装置88A,88Bにより排版を行いこれが完了すると、読み取った原稿に基づいて製版給版装置3A,3Bにより製版が行うとともに給版が行われ、給版が完了する。
続いて、制御手段90は、給紙装置4を駆動して給紙をスタートし、用紙挿入センサによりレジストローラ対17から用紙35が送り出されたことを検知すると、ドラム外周面1Aa,1Baから離れた離間位置でのプレスローラ2A,2Bの保持を解除し、プレスローラ2A,2Bを、用紙35の通過タイミングに合わせて、ドラム外周面1Aa,1Baに圧接する押圧位置に移動させ、用紙35への印刷を行う。印刷済みの用紙35の通過を排紙チェックセンサによって検出すると、版付けが完了する。この後、必要に応じて、操作者は位置調整キー54により、たとえば図4(a)に示すような画像を得るべく、印刷ドラム1A、1Bによる印刷位置を調整するとともに、調整後に試し刷りキーを押下することで試し刷りを行うことができる。
操作者がテンキー52で印刷枚数を入力し、印刷キーを押下すると、制御手段90は、印刷を開始し、印刷枚数をカウントしつつ,入力された印刷枚数に達するまで印刷を繰り返し、入力された枚数の印刷が完了すると、印刷を停止する。これら版付け、試し刷り、印刷の過程において、速度調整キー53により印刷速度の調整が行われると、上述したように印刷ドラム1Bの位相が調整され、常に印刷位置ずれ、ゴースト画像の発生が防止され、良好な印刷が行われる。この際、位置調整キー54の操作は必要ない。
以上、本発明を実施するための形態として、孔版印刷装置100を説明したが、印刷位置の調整の基準とするのは、上述の孔版印刷装置100のように用紙搬送方向上流側の版胴でなく、下流側の版胴であっても良く、この場合に駆動力伝達手段に無端ベルトを用いるときにはこの無端ベルトと下流側の版胴との係合位置を変化させることとなる。また、両方の版胴の印刷位置を調整しても良く、この場合に駆動力伝達手段に無端ベルトを用いるときにはこの無端ベルトと上流側、下流側それぞれの版胴との係合位置を変化させることとなる。
印刷位置調整手段は、版胴の位相を調整するものでなく、各版胴に巻装されるマスタへの製版位置を相対的に調整するものであっても良く、この場合には、たとえばサーマルヘッド33A,33Bの間の相対的な動作タイミングを調整することでこれを実現できる。
上述の形態では、駆動速度が速いときは、遅いときに比べて、第2の印刷位置を用紙の搬送方向において下流側にずらすことによって印刷位置を調整したが、これに代えて、あるいはこれと併せて、第1の印刷位置を用紙の搬送方向において上流側にずらすことによって印刷位置を調整してもよい。
駆動手段は用紙搬送方向下流側の版胴を駆動し、駆動力伝達手段は用紙搬送方向下流側の版胴に与えられた駆動力を上流側の版胴に伝達するようにしてもよい。駆動力伝達手段は、無端ベルトを用いることなく、ギヤによって構成してもよいし、無端ベルトとギヤとの組み合わせによって構成してもよい。
上述の形態では、各版胴に対して用紙を連続的に圧接することで1回の通紙で2色の画像を印刷するようにしているが、印刷位置の調整後、一方の版胴による印刷を休止させて他方の版胴だけで印刷を行って1色のみによる印刷を行い、その後、一方の版胴による印刷も開始させることで2色の印刷を行うようにしてもよい。このとき、かかる一方の版胴を下流側の版胴とすれば、位置調整時に下流側の版胴にインクが転移していても、1色のみによる印刷時にゴースト画像が発生することはない。なお、どちらかの版胴のみを用いて印刷を行う場合には、その版胴に対して配設されたファン駆動モータ66は不作動としておくことができる。
上述したように、印刷速度の調整は、雰囲気温度等に応じてなされるため、たとえば孔版印刷装置100にサーミスタ等の温度検知手段を設け、これによって検知した温度に応じて制御手段90が自動的に印刷速度の調整を行うようにしても良く、この場合にも、印刷速度の調整に応じて、上述したような印刷位置の調整を行うようにすることができる。また、制御手段90に、操作者が位置調整キー54により調整した値をスライダ83の変位量の補正値として保存する不揮発性メモリを設ければ、更に利便性が向上し、より精度よく印刷位置ずれ、ゴースト画像の発生を防止できる。
本発明は、孔版印刷装置のみならず、他のタイプの印刷装置に適用することができる。版胴の数は、孔版印刷装置100のように2つであるに限らず、例えば4つとしてフルカラー印刷を行うものであっても良い。
本発明の適用は、上述の説明において特に限定を行っていない限り、上述の形態に限られるものではない。
本発明を適用した印刷装置の概略を示す正面図である。 図1に示した印刷装置に搭載された駆動力伝達手段、駆動速度調整手段、印刷位置調整手段、位相調整手段を示す正面図である。 図1に示した印刷装置に搭載された制御手段の構成とこれにつながる各部のブロック図である。 第1の印刷位置と第2の印刷位置との相対位置の調整を説明するための模式図である。
符号の説明
1A 第1の版胴
1B 第2の版胴
31A 第1のマスタ
31B 第2のマスタ
35 用紙
53、90 駆動速度調整手段
81 駆動手段
83 位相調整部材
83、87、90 印刷位置調整手段、位相調整手段
84、85、86 駆動力伝達手段
85 無端ベルト
90 制御手段
100 印刷装置
Z 用紙の搬送方向

Claims (5)

  1. 第1の版胴及び第2の版胴と、
    第1の版胴を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段によって第1の版胴に与えられた駆動力を第2の版胴に伝達して第2の版胴を駆動する駆動力伝達手段と、
    第1の版胴及び第2の版胴の駆動速度を調整する駆動速度調整手段と、
    第1の版胴による用紙に対する印刷位置である第1の印刷位置と第2の版胴による用紙に対する印刷位置である第2の印刷位置との相対位置を調整する印刷位置調整手段と、
    前記駆動速度調整手段によって前記駆動速度が調整されたときに前記印刷位置調整手段により前記相対位置を調整する制御手段とを有する印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置において、前記印刷位置調整手段が、第1の版胴と第2の版胴との間の位相を調整する位相調整手段を有することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2記載の印刷装置において、前記駆動力伝達手段が、第1の版胴及び第2の版胴と係合し一体で回転する無端ベルトを有し、前記位相調整手段が、前記制御手段により変位されることで前記無端ベルトと第1の版胴及び/又は第2の版胴との係合位置が変化し前記位相を調整する位相調整部材を有することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の印刷装置において、前記印刷位置調整手段が、第1の版胴に巻装される第1のマスタへの製版位置と第2の版胴に巻装される第2のマスタへの製版位置との相対的な位置を調整することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の印刷装置において、前記制御手段が、前記駆動速度が速いときは、遅いときに比べて、用紙の搬送方向において、第2の印刷位置を下流側にずらすこと及び/又は第1の印刷位置を上流側にずらすことにより、前記相対位置を調整することを特徴とする印刷装置。
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