JP2006255953A - 折り曲げ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】90度超を含む様々な曲げ角度による樹脂シートの1工程による折り曲げを可能とし、かつ該シートの材料破壊や折り皺を伴わずに、精度の高いシャープな折り曲げを省スペースで実現する折り曲げ装置を提供する。
【解決手段】剪断方式によるシャープな曲げと、回転ロール式による90度を超える折り曲げ角度を共に実現すべく、曲げ部材を上/下型に対して相対的に昇降駆動させ、第一段階として精度の高い剪断曲げを行った後、続けて該曲げ部材をその回転軸まわりに回動駆動することで第二段階の回転曲げを追加し、合計して90度を超える曲げ角度を得る。また、上型のエッジの曲率半径を小さくすることでシャープな曲げが、曲げ部材を自転回動させることで曲げ角度の精度の高い調整が、それぞれ可能となる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、樹脂シートの折り曲げ装置に関する。更に詳しくは、硬質および軟質を問わず広く樹脂シートについてシャープかつ再現性の良い折り曲げを可能にし、さらに90度以上の曲げ角度を1工程で実現する折り曲げ装置に関する。
樹脂シートの折り曲げについては様々な方式が従来から用いられている。最も代表的なものは樹脂シートに描かれた折り曲げ線に沿って手で折り曲げる方法であるが、手作業による効率の悪さ、折り曲げ線の近傍にかかる過大なモーメントストレスによる材料破壊、および、曲げ径が大きくなることでシャープな折り曲げができないという欠点がある。
機械装置による折り曲げについて最も代表的なものは図17に示す上/下型による「プレス曲げ方式」である。しかし、この方式では上型3を下型4に押入、引抜する必要があることから、シート2の曲げ角度は90度以下に限定される。
ここで「曲げ角度」について図1を用いて定義を明らかにしておく。図1(a)に示すように、樹脂シートの折り曲げられる端部(図中左側)が、曲げの前後それぞれにおいて属する平面同士のなす角Aを「曲げ角度」と呼ぶものとする。ここで、同図(a)から(b)の状態に至るまで第二段階の曲げを行った場合、第二段階の曲げ角度は図中Bで表わされ、第一段階の曲げ角度Aと合計して、初期状態から90度以上の曲げが行われたことを示している。
機械装置による90度以上の曲げ角度を実現する樹脂シートの折り曲げ方法としては、図18に示すクサビによる曲げ方式が代表的である。しかし、この方式では樹脂シート2が下型4に対してズレながら折り曲げが行われるため、折り曲げ線の位置精度を高めることが困難であるほか、樹脂シート2に擦過傷が生じやすい。また、曲げ径を小さくするにはクサビ状の上型のエッジをシャープにする必要があるため、押圧時には、シャープなエッジの近傍に荷重が集中し、樹脂シートの材料破壊が生じ易く、特に硬質または厚手の樹脂シートの折り曲げは困難となる。逆に軟質樹脂シートの場合は押し込みの際に折り皺が生じ易く、いずれも不適となり、折り曲げの対象として好適な材料が極めて限定的であるという問題点がある。
90度以上の曲げ角度を実現する樹脂シートの別の折り曲げ方法としては、図19に示す2工程による折り曲げが一般的である。荷重点から加えられる剪断力により略90度に至るまでシートを折り曲げる「剪断曲げ方式」による第1工程(a)と、上型3をシャープなものに交換した上で側方から折り曲げを行う第2工程(b)による折り曲げ方式である。しかし、かかる方式では2種類の上型が必要であり部品点数が増加するほか、上型3の交換や樹脂シートとの位置合わせをする工程を別途要するため、折り曲げ作業の効率の点で問題があった。
これらの問題点を解消し、樹脂シートの90度以上の折り曲げを1工程で行う発明がこれまでに各種提案されている。先行文献1(特許文献1:特開平10−202736号公報)には、表面に擦過傷を生じさせることのないプラスチックシートの冷間折り曲げ装置の発明が記載されている。しかし、かかる発明では台盤に樹脂シートをセットする工程に多くの作業時間を要するほか、上型が存在しない折り曲げ方法であるため、手曲げと同様に比較的大きな曲げ径による折り曲げ結果となるという問題点がある。
また、先行文献2(特許文献2:特開平6−339984号公報)には複合材料の成形装置の発明が、先行文献3(特許文献3:特開平9−201624号公報)には金属製板材の折り曲げ機の発明が、先行文献4(特許文献4:特開平9−295050号公報)には金属コア化粧板の曲げ加工装置の発明がそれぞれ記載されている。これらの発明は樹脂シートを折り曲げ対象とするものではないが、いずれも上型を交換することなく1工程にて板材料の90度以上の曲げ角度による折り曲げを可能とする発明である。
先行文献2および3に共通する基本的な作動原理の概念図を図20に示す。但し、該文献に記載の発明は基本的に大きな曲げ径による折り曲げを想定したものであり、薄い樹脂シートをシャープに折り曲げるものではない。そこで同図においては、本件発明の解決課題に対し、これらの先行文献に基づいて当業者が想到すると考えられる応用的な折り曲げ装置を示した。かかる装置においては、先行文献に記載の発明から、上型3のエッジの曲率半径を小さくし、かつ斜角9を小さなものとしている。
同図は、上型3と下型4に挟み固定された板材料2を、上型3のエッジに沿って回転体14を用いて折り曲げる「回転ロール方式」の仕組みを模式的かつ連続的に表わしたものである。回転体14は具体的には、先行文献2に記載の成形装置では回転ブロック、先行文献3に記載の折り曲げ機では移動ロールがこれに相当する。同図において、回転体14は初期状態(t=0)から中間状態(t=1)を経て最終状態(t=2)に至ることで板材料2の折り曲げを行っているが、この間の回動角度αは板材料2の曲げ角度Aに比べてかなり小さいことが特徴である。すなわち曲げ角度Aに対する回転体14の回動角度αの感度が高いことになり、回動角度αを所定の目標値に制御したとしても、これに内在する角度誤差が板材料2の曲げ角度Aへの大きな誤差となり、角度精度のよい曲げ加工を困難にしている。
曲げ角度Aに対して回動角度αが小さくなる原因は、上型3および下型4と干渉せずにローラ部14−1を回動駆動させるため、アーム14−2のリンク長さLがローラ部14−1の半径Rの少なくとも数倍程度を要し、図中黒丸で表わされるアームの回転軸16がローラ部14−1の外部に存在する必要があるためである。該回転軸がローラ部14−1内部ではなく、上型3または、同図の如く下型4の内部を貫くことにより、ローラ部14−1は回転軸16のまわりを公転回動することとなり、必然的に回動角度αは曲げ角度Aよりも小さくなる。ローラ部の半径Rとアームのリンク長さLをともに極めて小さくすれば回動角度αを曲げ角度Aに近づけることができるが、その場合アームが短くなることにより必要な回動トルクが増え、かつローラ部が細くなることで強度や剛性の面からも別の問題が生じる。
なお、曲げ角度の精度が低いという従来技術の有する上記の不都合は、図20において、板材料2を上型3に完全に押し付けるまで曲げを行うことで角度の再現性が確保され、この問題は解消する。しかしかかる方式では、異なる曲げ角度による折り曲げを行う際にはその都度斜角9の異なる上型に交換しなければならないため、上型交換の手間と部品点数の増加を招くという新たな問題が生じる。
特開平10−202736号公報 特開平6−339984号公報 特開平9−201624号公報 特開平9−295050号公報
上記の従来技術の課題を解決し、上/下型または回転体などの装置部品を交換することなく90度超を含む様々な曲げ角度での樹脂シートの折り曲げを可能とし、かつ樹脂シートの材料破壊や折り皺の発生を回避しつつ、曲げ径が小さく、位置精度および角度精度の高い再現性ある折り曲げを1工程にて効率よく省スペースで実現する折り曲げ装置が切望されていた。
そこで本発明者は鋭意検討の末、剪断曲げ方式によるシャープな折り曲げと、回転ロール方式による90度を超える曲げ角度を共に実現すべく、曲げ部材を上/下型に対して相対的に昇降駆動させ、第一段階として位置精度の高い剪断曲げを行った後、続けて該曲げ部材をその回転軸まわりに回動させて更に第二段階の回転曲げを追加して行うことで、両段階を合計して90度を超える曲げ角度が得られるという知見に基づき、これらを1工程で行うことを可能とする本発明の完成に至った。
すなわち、本発明によれば、
(1)樹脂シートを載置する下型と、
前記下型との間で前記樹脂シートの一端を挟み固定する上型と、
前記樹脂シートの他端を折り曲げる棒状の曲げ部材と、を有する前記樹脂シートの折り曲げ装置であって、かつ、
前記曲げ部材を、前記樹脂シートを挟み固定した上型および下型に対して相対的に昇降駆動させ、前記樹脂シートの他端に対し、前記上型または下型の一辺に沿って、剪断力による曲げを行う昇降手段と、
前記曲げ部材を、前記一辺と平行な回転軸まわりに自転回動させ、前記剪断力により折り曲げられた樹脂シートの他端に対し、前記一辺に沿って、曲げ力による曲げを更に追加する回動手段と、
を備えることを特徴とする前記樹脂シートの折り曲げ装置
によって上記の各課題を解決することが可能である。
また、本発明は、その具体的な実施の態様として以下の各関連発明をも含むものである。
(2)樹脂シートを載置する下型と、
前記下型との間で前記樹脂シートの一端を挟み固定する上型と、
前記樹脂シートの他端を折り曲げる棒状の曲げ部材と、を有する前記樹脂シートの折り曲げ装置であって、かつ、
前記曲げ部材を、前記樹脂シートを挟み固定した上型および下型に対して相対的に昇降駆動させ、前記樹脂シートの他端に対し、前記上型または下型の一辺に沿って、剪断力による曲げを行う昇降手段と、
前記曲げ部材を、前記一辺と平行であって前記上型および下型の外部に位置する回転軸まわりに回動させ、前記剪断力により折り曲げられた樹脂シートの他端に対し、前記一辺に沿って、曲げ力による曲げを更に追加する回動手段と、
を備えることを特徴とする前記樹脂シートの折り曲げ装置。
(3)前記回動手段による前記曲げ部材の回動角度に所定の最大値を設けるストッパー機能を有する回動制限手段を更に備えることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の折り曲げ装置。
(4)前記回動制限手段が、前記所定の最大値を増減させる角度調整機能を有する最大曲げ角度調整手段を備える(3)に記載の折り曲げ装置。
(5)前記剪断力による第一段階の曲げ角度と、曲げ力による第二段階の曲げ角度の合計が90度を超えることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
(6)前記回動手段がラックおよびピニオンを備える(1)から(5)のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
(7)折り曲げ前の樹脂シートを加熱軟化させる加熱手段と、折り曲げ後の該樹脂シートを冷却硬化させる冷却手段を備えることを特徴とする(1)から(6)のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
(8)前記昇降手段および前記回動手段をともに駆動させる一の駆動装置を更に備えることを特徴とする(1)から(7)のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
本発明では、上/下型で一端を挟み固定した樹脂シートについて、まず曲げ部材の相対的な昇降運動により、図19(a)の如く樹脂シート断面への剪断力による第一段階の曲げを行う。かかる第一段階の曲げ方式を本発明では「剪断曲げ」と呼ぶ。本発明の如く上/下型で挟み固定することにより、従来のプレス方式などに比べて樹脂シートの位置精度が高くなる。剪断曲げに際しては、上/下型で挟み固定された一辺にて樹脂シートへの曲げモーメントが最大となり、また応力集中が発生するため、同部にて折り曲げられる。このとき例えば上型の、樹脂シートを折り曲げるエッジの曲率半径を小さくすることでシャープな曲げが可能となる。また、上/下型で樹脂シートを固定する本方式では曲げに際しシートのズレがないため擦過傷や折り皺が生じにくく、かつ樹脂シートの折り曲げ線の全体に曲げ荷重が均一に負荷されるため、樹脂シートの材料破壊も生じにくいという利点がある。
一方、かかる剪断曲げのみでは90度を超える曲げ角度を得ることはできないため、続けて曲げ部材を回転軸まわりに回動させることで樹脂シートの第二段階の曲げを追加する。かかる第二段階の曲げ方式を本発明では「回転曲げ」と呼ぶ。
ここで、図20に示す従来の回転体方式とは異なり、本発明の請求項1に記載の発明では、曲げ部材の回動中心である回転軸が曲げ部材自身の内部を貫いて、曲げ部材が自転回動をするため、曲げ部材の回動角度がほぼ樹脂シートの第二段階の折り曲げ角度と一致することとなる。また、請求項2に記載の発明では、かかる回転軸が上/下型の外部に位置していることを特徴とする。これにより、曲げ部材の回動角度と樹脂シートの回転曲げによる曲げ角度は同オーダーとなり、従って回動角度の角度誤差と樹脂シートの回転曲げ角度の誤差程度は一致し、曲げ部材の回動角度の制御によって高精度の折り曲げ作業が行われる。
なお、本発明にかかる折り曲げ装置は、上/下型によって樹脂シートの一端を挟み固定し、そのエッジに沿って挟まれていないシートの他端を折り曲げる方式であるため、前記した曲げ部材の回転軸はかかるエッジと平行であることが好ましい。本発明では、上/下型の一辺と回転軸の間の「平行」とは、数学的に厳密な平行関係のほか、実質的に平行な略平行の関係を含むものとする。
請求項3に記載の折り曲げ装置によれば、曲げ部材の回動角度に所定の角度を上限として設けるストッパー機能を回動制限手段として有することで、かかる上限の角度まで折り曲げを行うことが再現性良く行うことができる。
請求項4に記載の折り曲げ装置によれば、かかる回動制限手段が、曲げ角度の上限値そのものを適宜調整できる最大曲げ角度調整手段を有することにより、同一の上/下型を用いたとしても樹脂シートの曲げ角度を様々に変えることが可能となる。これにより折り曲げ装置の汎用性が向上し、部品点数の増大を防ぐことができる。
請求項5に記載の折り曲げ装置によれば、剪断力による第一段階の曲げと、曲げ力による第二段階の曲げを合計して90度を超える曲げ角度が得られる。剪断力による曲げだけでは、図19(a)の如く90度を超えることができず、かつ曲げ力による曲げだけでは図20の如く回転アームの長さが長くなり、曲げ角度の誤差が大きくなるところ、本発明によればこれらの利点のみを享受し、90度を超える大きな曲げ角度でのシャープで再現性の良い折り曲げ作業が可能となる。
請求項6に記載の折り曲げ装置によれば、回動手段の具体的な例として、ラックピニオン構造を採用することで、曲げ角度の微調整と安定した回動トルクを得ることができる。
請求項7に記載の折り曲げ装置によれば、樹脂シートを折り曲げ前に加熱して軟化させることで折り曲げを容易とし、また曲げ部材にて折り曲げた後、冷却手段によって特に折り曲げ線の近傍を冷却することで、上/下型から樹脂シートを取り外す際のスプリングバックを抑えることができる。
請求項8に記載の折り曲げ装置によれば、昇降手段と回動手段を一の駆動装置によって駆動されることにより、装置全体がコンパクトになるとともに、かかる一の駆動装置の出力のみによって樹脂シートの折り曲げ角度が制御されるという利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて具体的に説明する。但し、特に曲げ部材の形状やその具体の駆動手段などにつき、本発明はかかる実施の形態のみに限定されるものではない。図2は本発明の実施の形態を表わす折り曲げ装置の斜視図であり、図3〜7までとあわせて一連の折り曲げ動作を連続的に表わしている。
図2において、1は本発明にかかる折り曲げ装置、2は樹脂シート、3は上型、4は下型、5は曲げ部材、6は昇降手段、7は回動手段、8は回動制限手段、9は斜角、10は台盤、15は折り曲げ線をそれぞれ表わす。また、曲げ部材5は折り曲げ部5−1、駆動部5−2、回転軸5−3を備える。なお、本実施の形態において回動制限手段8は、後述する最大曲げ角度調整手段としての機能をあわせもつ。図3〜7については特徴的な動作部位についてのみ符号を付記している。また図8(a)〜(f)は図2〜7にそれぞれ対応し、各状態における樹脂シート2、上型3、下型4、曲げ部材5の動作および位置関係を表わす正面模式図である。
図2および図8(a)は折り曲げ装置の初期状態を表わす。昇降手段6の例として空気圧シリンダ、回動手段7の例としてラック7−2、ピニオン7−3及び空気圧シリンダ7−1を図示してある。樹脂シート2は下型4と、曲げ部材5の折り曲げ部5−1に跨って載置されている。
図示しない天板に固定された空気圧シリンダ6が伸張駆動して上型3が押し下げられ、樹脂シート2と接した状態が図3および図8(b)であり、第一段階の剪断曲げ作業の開始時点である。このとき、回動手段7はまだ駆動していない。
空気圧シリンダ6の更なる伸張駆動により、上型3と下型4が樹脂シート2の一部を挟み固定したまま図中下方に押し下げられ、高さの固定された折り曲げ部5−1が樹脂シート2の端部を、折り曲げ線15に沿って図中上方に曲げた状態が図4および図8(c)である。曲げ角度Aが略90度となったこの時点で空気圧シリンダ6の駆動を停止し、もって第一段階の剪断曲げ作業が終了する。なお、続けてこの状態から回動手段7が駆動を開始し、第二段階の回転曲げ作業が開始する。
回動手段7が駆動し、空気圧シリンダ7−1がラック7−2を押し下げた結果、回動制限手段8の例としてのボルトがラック7−2の下部と干渉し、ピニオン7−3および曲げ部材5の回動が、回動角度αにて停止した状態が図5および図8(d)である。これをもって第二段階の回転曲げ作業が終了する。
空気圧シリンダ7−1を短縮駆動し、曲げ部材5の回動を元に戻した状態が図6および図8(e)である。樹脂シート2はスプリングバック(元に戻る力)の効果により曲げ角度が若干回復するため、必要な曲げ角度A+Bが最終的に得られるよう、予め最大曲げ角度調整手段によって角度調整しておくことが好適である。
昇降手段6を短縮駆動し、上型3を樹脂シート2より離脱した状態が図7および図8(f)である。下型4は下部に連接したバネ12の働きにより初期状態の高さまで戻っている。また、上型3を樹脂シート2より単純に上方に引き抜くと、折り曲げられた樹脂シート2の端部と接触し、スプリングバックを増大することとなるため、その影響分を予め最大曲げ角度調整手段による曲げ角度の調整時に織り込んでおくか、あるいは、樹脂シート2または上型3を図8の紙面に対し面外方向にずらしてから引き抜きを行うことも好適である。
以上で一連の折り曲げ作業が完了し、樹脂シート2には第二段階の折り曲げ角度Bが追加され、結果として90度を超える曲げ角度A+Bによる折り曲げが行われることとなる。
本発明において、折り曲げの対象である樹脂シート2には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、塩化ビニルなどのプラスチック樹脂やケブラー樹脂等は勿論、液晶ポリマーやメタ系/パラ系アラミド紙など、広義の樹脂素材も含み、硬質/軟質の別を問わない。また、シート厚は特に限定されるものではないが、50〜1000μm(0.05〜1mm)程度であれば好適に折り曲げを行うことができる。
上型3および下型4は樹脂シート2の一部を上下より挟み固定し、後述する昇降手段6によって曲げ部材5との間で相対的に昇降動作をする。材質は特に限定されるものではないが、入手性、加工性、耐久性などの観点から金属類、特にアルミ合金、軟鉄、SUS、銅などが好適に用いられる。なお、本発明にかかる折り曲げ装置は通常の地上重力環境下での使用を鑑み、上下方向を鉛直方向と一致させた場合を図示しているが、本発明の目的を達成するためには如何なる向きに設置しても問題はない。従って、以下断り無き場合は、上下方向とは図中の上下方向を意味し、必ずしも鉛直方向を意味しないものとする。
本実施の形態では、上型3を昇降手段6にて上下駆動させる方式としているが、後述する実施例2の如く下型4に昇降手段6が連接し、下型4を上下駆動する方式を採ることもできる。また、本実施の形態および各実施例では具体的に図示しないが、樹脂シート2を挟みこんだ後で上/下型を空間に固定し、曲げ部材5を昇降手段6によって上下駆動させ、樹脂シート2を折り曲げる方式としても本発明の目的を達することができる。すなわち、上/下型と曲げ部材は相対的に昇降駆動させることが剪断曲げをする際に必要である。
上述のように本実施の形態では、上型3を昇降手段6にて上下駆動させる方式としているため、下型4は下部にバネなどの弾性体12を介して台盤10と所定のクリアランスをもって弾設されている。また下型4の並進自由度を上下方向のみに制限し、折り曲げ線15の位置の再現性を高めることが好適であるため、下型4の四方には図示しない側壁を配するとともに、空気圧シリンダ6の伸縮駆動も上下方向のみに限定している。
本実施の形態では、樹脂シート2は端部が上方に折り曲げられるため、上型3の少なくとも一辺には樹脂シート2の折り曲げ線15と当接するシャープなエッジが設けられ、斜角9をもって回転曲げ動作のための逃げ部分が作られている。斜角9の大きさは特に限定されるものではないが、好ましくは3〜60度、更に好ましくは5〜45度とする。これより小さい斜角では上型3が薄くなりすぎ、樹脂シート2の保持性に問題がある。また、斜角9は樹脂シート2のスプリングバックを考慮しない曲げ角度A+Bの最大値の補角であるため、上記範囲より大きな斜角9では実現可能な曲げ角度が浅くなる。特に、スプリングバックの影響を考慮すると、折り曲げに際しては製品として必要な曲げ角度A+Bよりもやや大きな曲げを行っておく必要があり、斜角9は上記範囲内で極力小さなものとしておくとよい。
曲げ部材5は本発明の主要な構成要素であり、上/下型との間で相対的な昇降運動をすることで樹脂シート2の第一段階の剪断曲げを行い、続けて後述する回動手段7によって自転回動することで樹脂シート2に対して回転ロール式による第二段階の回転曲げを連続的に追加するものである。材質は特に限定されるものではないが、強度や耐久性などの観点から金属類、特にアルミ合金、軟鉄、SUS、銅などが好適に用いられる。
曲げ部材5は大きく分けて、樹脂シート2と直接接触する折り曲げ部5−1と、これを駆動する駆動部5−2とから成るが、駆動部5−2は複数の箇所に設けられていてもよい。また、両部は外観上、明示的に切り分けられる必要はなく、例えば曲げ部材5が単純な一の柱状部品である場合は、かかる柱状部品のうち樹脂シート2と接触し折り曲げを行う部位を折り曲げ部5−1と、回動手段7とインタフェースする部位を駆動部5−2と、それぞれ便宜上呼称するだけである。駆動部5−2は後述する回動手段7と連接し、曲げ部材5全体を自転回動させるほか、昇降手段6が曲げ部材5を上下駆動させる方式を採る場合は、かかる昇降手段6とのインタフェースの構造も駆動部5−2には必要である。
曲げ部材5の形状については、棒状であれば特に一通りに限定されるものではなく、太さや断面形状が長手方向に沿って途中で変化してもよい。駆動部5−2が回動手段7と連接する特性上、円柱または円筒形状を基本とするが、多角柱形状などを除外するものではない。また本実施の形態を表わす図2においては、駆動部5−2には後述する回動手段7の構成要素の例としてのピニオン7−3が周着してある。折り曲げ部5−1の形状についても特に限定されるものではないが、長手方向(回転軸方向)に対する垂直断面形状は半円形、切頭半円形、矩形、多角形およびこれらの組み合わせなどが好適である。また、円形断面については後述する回転軸5−3の位置によっては採用することができる。
曲げ部材5の回転軸5−3は、後述する回動手段7による曲げ部材5の回転の中心軸である。かかる回転軸5−3は樹脂シート2の折り曲げ線15と平行であって、かつ曲げ部材5の駆動部5−2を長手方向に貫くものである。曲げ部材5はかかる回転軸5−3を中心に自転回動をする。回転軸5−3は駆動部5−2のみならず折り曲げ部5−1をも貫き、回転ロール式による第二段階の回転曲げ動作に際しては、折り曲げ部5−1の公転運動を排し、極力純粋に自転回動させることが好ましいが、駆動部5−2と折り曲げ部5−1の形状/位置関係によっては、折り曲げ部5−1の長手方向に対する垂直断面から回転軸5−3が僅かに外部にオフセットしていてもよい。すなわち、本発明を通じて「自転回動」とは、具体的には該オフセット長さが折り曲げ部5−1の断面形状の代表長(直径または辺長など)以下にとどまる範囲内のものであって、曲げ部材5全体の回動時における、折り曲げ部5−1の公転回動の効果が僅かである場合、すなわち実質的に折り曲げ部5−1の自転回動が支配的である場合を含むものとする。本実施の形態にかかる曲げ部材5の回転軸5−3について、図2に一点鎖線にて示している。
上記の回転軸5−3を中心とする曲げ部材5の自転回動により、曲げ部材5は回転ロール式により樹脂シート2の第二段階の回転曲げを行う。このとき、回転軸5−3は樹脂シート2の折り曲げ線15に平行し、かつその近傍にあることが好ましい。折り曲げ部5−1は回転軸5−3を中心に自転回動をするため、回転軸5−3を折り曲げ線15に近接させることによって、曲げ部材5の回動角度αと樹脂シート2の第二段階の回転曲げ角度Bがほぼ等しくなるためである。その結果、回動角度αを制御した場合、最終的な樹脂シート2の曲げ角度A+Bについても高精度での角度調整が再現され、図20に示した従来技術の有する角度精度の低さを解消しうる。
曲げ部材5の自転回動による第二段階の回転曲げ動作が開始する時点における、折り曲げ部5−1、樹脂シート2、上型3および下型4の長手方向(回転軸方向)に対する垂直断面の例を図9に示す。各図とも回転軸5−3を黒丸で示している。(a)〜(c)は好適な例、(d)および(e)は不適な例である。(c−2)は(c)の場合について、回転軸5−3を中心とする折り曲げ部5−1の回動と樹脂シート2の折り曲げの様子を表わしたものである。
図9(a)は図2に示した折り曲げ装置の斜視図と対応しており、曲げ部材5は円柱材料の太径部を半円形にカットした折り曲げ部5−1と、該円柱を同心で細径に削り出した駆動部5−2から成る。なお、折り曲げ部5−1は更に頂部をフラットにカットしてあり、樹脂シート2の上/下型への挟み固定時には該シートを安定して載置できるようにしてある。
同図(b)は折り曲げ部5−1の断面を矩形としたものであるが、回転軸5−3の位置および樹脂シート2との接触部の形状が(a)と全く同じであるため、いずれの折り曲げ装置によっても同一の折り曲げ動作が得られ、好適といえる。
同図(c)と(d)は折り曲げ部5−1を円形断面とした場合であるが、(d)は回転軸5−3がかかる円形断面の中心を貫いているため、折り曲げ部5−1を回転軸5−3回りに回動駆動しても樹脂シート2をこれ以上折り曲げることができず、不適な例である。これに対し(c)は回転軸を樹脂シート2の折り曲げ線に近接させたため、(c−2)に連続的に示す通り回転軸まわりの回動により折り曲げ部5−1は樹脂シート2に対し第二段階の回転曲げを好適に行うことができる。曲げ部材5の回動角度αと、樹脂シートの第二段階の回転曲げ角度Bはほぼ同等であるため、後述する最大曲げ角度調整手段によって回動角度αを微調整することで、曲げ角度Bを精度よく調整し、また再現することができる。
同図(e)は折り曲げ部5−1の断面が(b)同様に矩形であるものの、その長辺方向が、第一段階の剪断曲げが施された樹脂シート2の法線方向と一致してしまっているため、黒丸で表わされる回転軸を中心にかかる折り曲げ部5−1を回転しても、樹脂シート2をほぼこれ以上折り曲げることはできない。以上より、曲げ部材5の好適な形状は折り曲げ部5−1の断面形状のみによって決まるものではなく、樹脂シート2の折り曲げ線15と回転軸5−3との位置関係、および折り曲げ部5−1と樹脂シート2の当接角度などによって決定されるといえる。
曲げ部材5の形状について総括すると、第一段階の剪断方式にて樹脂シート2を所定の剪断曲げ角度Aまで折り曲げたのち、回転軸5−3まわりの自転回動によって更に所定の折り曲げ角度Bが付加されるまで回転ロール方式にて該シートの第二段階の回転曲げを行うことができる形状であればよく、かつ第二段階の折り曲げ角度Bに対し、回動角度αが同等程度の大きさを有していることが好適である。
図2にて図示される昇降手段6は、樹脂シート2の一部を挟み固定した上型3および下型4を、曲げ部材5との間で相対的に昇降自在に上下駆動するものである。その方式は特に限定されるものではなく、図2にて例示した空気圧シリンダのほか、例えば油圧シリンダ、手動などによる上下動方式、またはモータなどの回転運動をワイヤーやラックピニオンなどにより直線運動に変換する方式でもよい。また、複数の樹脂シート2について1枚ずつ連続的に折り曲げ作業を行う場合、図7に示す曲げ動作の終了状態で下型4が図2の初期状態に戻っていることが作業効率上、望ましい。よって下型4に対してバネに例示される弾性体12を連接し、空気圧シリンダ等とあわせて昇降手段6を構成することが好適である。
回動手段7は駆動部5−2と連接し、曲げ部材5を回転軸まわりに自転回動させるものである。その方式は特に限定されるものではなく、ラックピニオンやカム送り機構を空気圧シリンダ、油圧シリンダ、または手動にて昇降駆動させる方式のほか、モータ回転、ハンドルの手動回転、およびこれらと歯車の組み合わせなど、様々な方式を採用し得る。
また、図2では昇降手段6を構成する空気圧シリンダと回動手段7を構成する空気圧シリンダ7−1を別離しているが、上型3とラック7−2のインタフェースを連結した上で一の駆動源によって動作させる方式を採ることも装置の簡略化の点で好適である。
回動制限手段8は、回動手段7の動作に対するストッパーであり、樹脂シート2の第二段階の折り曲げ動作の終点を定めるものである。その方式は特に限定されるものではなく、機械式、電気式など様々な方式を採ることができる。機械式では、例えば図2に示したボルトなどの構造部材によりラックの動作範囲の終端を定める方式、曲げ部材5の表面に突出部を設け、所定の回動角度αにて別部材と干渉させる方式などが挙げられる。電気式では、例えば空気圧シリンダや油圧シリンダのストロークをプログラム制御する方式や、曲げ部材5の回動角度αをロータリーエンコーダで検出し、回動手段7にフィードバックする方式などが用いられる。
図8(d)は第二段階の回転曲げが終了した状態を示しているが、折り曲げ部5−1および樹脂シート2は上型3に当接するまでは折り曲げられていない。樹脂シート2に与えられる曲げ角度A+Bは、上型3の斜角9の補角ではなく、回動制限手段8の機能によってその値を決定され、また再現されることが望ましい。
また図2にて、かかる回動制限手段の例示であるボルト8は、単にピニオン7−3および曲げ部材5の回動を停止させるストッパーとして機能するのみならず、螺子回すことで突出部の長さを容易に伸長/短縮することができるため、回動手段7の駆動量の上限値を変動させる「最大曲げ角度調整手段」としての機能も有している。このため、上型3の斜角9を小さくし、折り曲げ動作に対する逃げ部分を充分に確保しておくことにより、上型3を交換せずとも曲げ角度A+Bの広範囲にわたる要求値に対応した折り曲げ作業を行うことができる。
本発明にかかる折り曲げ装置で実現される曲げ角度の精度については、ボルト8は一般的にその突出部を0.1mm以下のオーダーで伸張/短縮の調整ができるため、ピニオン7−3も同等のオーダーで回動長を制御できることとなる。したがって、ピニオン7−3の直径を仮に20mmとすると、回動角度αに換算して0.5度以下程度の高いオーダーによる制御が可能となる。上述のように曲げ角度A+Bは回動角度αと少なくとも同程度の精度で誤差調整が可能であることから、曲げ角度A+Bも0.5度以下という高精度で再現することが可能といえる。なお、最大曲げ角度調整手段としては、このほか、例えば電気式の回動制限手段8については回動角度αの制御値をプログラム上で変更する方式なども採り得る。
(実施例1)以下、本発明にかかる折り曲げ装置の実施例を、図面を用いて更に詳細に説明する。但し、本発明は各実施例に限定されるものではない。図10は第1の実施例にかかる折り曲げ装置の斜視図である。図11および12は、その側面図および正面図である。図10、11では、上型3および下型4の側壁の1枚を図示せず、内部のバネ支持構造が視認できるようにしてある。1は折り曲げ装置、2は樹脂シート、3は上型、4は下型、5は曲げ部材、6は空気圧シリンダ、7は回動手段、8は回動制限手段としてのストッパー、10は台盤である。昇降手段は空気圧シリンダ6およびバネ11、12から成る。回動手段7はラック7−2、ピニオン7−3、バネ13およびラックを押下するボルト7−1を備える。空気圧シリンダ6は、上/下型の昇降手段であるのみならず、ボルト7−1の昇降のための駆動源を兼ねているため回動手段7の構成要素でもある。また、ボルト7−1は螺子回しによる伸長/短縮によってラック7−2との距離を変動することが可能であり、最大曲げ角度調整手段としての役割を併せ持つ。本実施例にかかる折り曲げ装置1は、曲げ部材5および回動手段7を2式ずつ備え、樹脂シート2の両端を同時に折り曲げることが可能である。
本実施例にかかる折り曲げ装置1の動作原理について説明する。
(1)下型4および2式の曲げ部材5に跨って樹脂シート2が載置される。
(2)空気圧シリンダ6を駆動して上型3を下型4に押し付け、曲げ部材5の相対的な昇降運動にて第一段階のプレス曲げを行う。このとき樹脂シート2の材質によっては、上型3および/または下型4の内部などに設けられた図示しないヒータを点灯し、樹脂シート2を加熱することにより該シートを軟化し、十分な曲げ加工性を得るとともに、後のスプリングバックを排除することが期待できる。
(3)下型4が十分に押下げられて台盤10に接触し、樹脂シート2の第一段階の曲げ角度Aが略90度となった時点で第一段階の剪断曲げが完了する。その後、上型3とともに下降してきたボルト7−1がラック7−2と接触する。
(4)更に空気圧シリンダ6を伸長駆動することで、ボルト7−1にてラック7−2を押下げ、ピニオン7−3を介して曲げ部材5を自転回動し、樹脂シート2の第二段階の回転曲げを行う。このとき下型4は台盤10と接触しているため、上型3の上方に連接したバネ11は以後の空気圧シリンダ6の伸長分を吸収する。
(5)空気圧シリンダ6の伸長駆動はストッパー8同士が干渉した時点で終了し、曲げ部材5の回動も止まる。もって第二段階の回転曲げが完了し、樹脂シート2が90度を超える曲げ角度A+Bにて折り曲げられた状態となる。尚、ここで樹脂シート2を十分に冷却硬化させてから次工程に進むのがスプリングバックを抑える意味で好適である。具体的には、樹脂シート2の折り曲げ線の近傍に冷却水を吹き付ける方法などが好適である。
(6)空気圧シリンダ6を短縮していくと、まずストッパー8同士が乖離し、続けて圧縮されていたバネ13がラック7−2を押上げるため、ピニオン7−3を介して曲げ部材5が(4)と逆向きに回動し、元の位置に戻る。また、圧縮されていたバネ11および12もそれぞれ上型3および下型4を押し戻し、初期状態に戻る。更に空気圧シリンダ6を引き戻すと、上型3は樹脂シート2から離脱し、全ての折り曲げ動作が完了することとなる。
本実施例では、ボルト7−1を螺子回し、例えば突出部の長さを短くすることにより、初期状態におけるラック7−2との距離が大きくなる。すると上記(3)におけるボルト7−1とラック7−2の接触時点から、(5)におけるストッパー8同士の干渉に至るまでの空気圧シリンダ6のストロークが短くなり、曲げ部材5に許される最大の回動角度αが小さく制限される。したがってストッパー8同士が干渉するまで空気圧シリンダ6を駆動させた場合、樹脂シート2の第二段階の回転曲げ角度Bの値は小さなものとなり、もってボルト7−1が最大曲げ角度調整手段として機能したことになる。
(実施例2)
図13は、図2に示す折り曲げ装置について、昇降手段としての空気圧シリンダ6を下型4に連接した場合の正面図である。この場合、空気圧シリンダ6を伸長駆動すると、上型3と下型4で挟み固定した樹脂シート2は下型4に沿って下向きに折り曲げられることになる。そのため斜角9は下型4のエッジに設け、曲げ部材5と樹脂シート2との位置関係も図2の場合とは逆転したものとなる。
(実施例3)
図14は、図2に示す折り曲げ装置について、樹脂シート2の折り曲げ線15の向きを台盤10の面内で回転させた場合の平面図である。曲げ部材5の一点鎖線で表わされる回転軸5−3は、駆動部5−2を貫くが、かかる折り曲げ線15に平行であることが好ましい。必要があることから、曲げ部材5全体を樹脂シート2の折り曲げ線15の向きにあわせ、上/下型に対して斜めに配設してある。
(実施例4)
図15および16は、図2に示す折り曲げ装置について、曲げ部材5の折り曲げ部5−1の断面形状を変更し、第一段階の剪断曲げが完了した時点で樹脂シート2が折り曲げ部5−1と面接触をするよう斜めに面取りしたものである。また、曲げ部材5の回転軸5−3を樹脂シート2の折り曲げ線15と完全に一致させ、折り曲げ部5−1の断面からは僅かにオフセットさせた状態としている。これにより、第二段階の回転曲げは樹脂シート2と折り曲げ部5−1が面接触を保ったまま行われるため、該シートへの荷重付加が分散され、擦過傷の発生が抑えられる。なお、回転軸5−3は折り曲げ部5−1の断面のわずかに外部にあるが、そのオフセット長は折り曲げ部5−1の代表長である直径の高々数分の一であって、折り曲げ部5−1の回動は自転回動が支配的であるため本発明の目的を十分に果たす。
本発明は、材料の硬度や厚さを問わず、様々な樹脂シートに対し、高い位置精度および角度精度を持ち、曲げ径が小さく、90度以上の曲げ角度による折り曲げ動作を1工程にて可能とする折り曲げ装置を提供するものである。したがって、ブリスターパックなどに代表されるプラスチック容器などの成形作業を効率化する際に好適に用いられるほか、金属板や紙類など広くシート状の材料全般についても同様の折り曲げを行うことができる。
曲げ角度AおよびBの説明図である。 本発明を実施するための最良の形態を表わす斜視図であり、曲げ動作の初期状態を表わす。 第一段階のプレス曲げの開始時点を表わす斜視図である。 第一段階のプレス曲げの終了時点を表わす斜視図である。第二段階の折り曲げの開始時点でもある。 第二段階の折り曲げの終了時点を表わす斜視図である。 曲げ部材の回動を元に戻した状態を表わす斜視図である。 折り曲げ動作の終了状態を表わす斜視図である。 一連の折り曲げ動作を説明する模式的断面図である。 折り曲げ部5−1の断面形状と回転軸を説明する模式的断面図である。 本発明の第一の実施例を表わす斜視図である。 本発明の第一の実施例を表わす側面図である。 本発明の第一の実施例を表わす正面図である。 本発明の第二の実施例を表わす正面図である。 本発明の第三の実施例を表わす平面図である。 本発明の第四の実施例を表わす正面図であり、第一段階のプレス曲げの開始時点を表わす。 本発明の第四の実施例を表わす正面図であり、第一段階のプレス曲げの終了時点を表わす。 プレス方式による従来技術を表わす。 プレス方式による従来技術を表わす。 プレス方式による従来技術を表わす。 回転ロール式による従来技術を表わす。
符号の説明
1 折り曲げ装置
2 樹脂シート
3 上型
4 下型
5 曲げ部材
5−1 折り曲げ部
5−2 駆動部
5−3 回転軸
6 昇降手段
7 回動手段
8 回動制限手段
9 斜角
10 台盤
14 回転体
15 折り曲げ線
16 アームの回転軸
A 第一段階のプレス曲げ角度
B 第二段階の折り曲げ角度
α 回動角度

Claims (8)

  1. 樹脂シートを載置する下型と、
    前記下型との間で前記樹脂シートの一端を挟み固定する上型と、
    前記樹脂シートの他端を折り曲げる棒状の曲げ部材と、を有する前記樹脂シートの折り曲げ装置であって、かつ、
    前記曲げ部材を、前記樹脂シートを挟み固定した上型および下型に対して相対的に昇降駆動させ、前記樹脂シートの他端に対し、前記上型または下型の一辺に沿って、剪断力による曲げを行う昇降手段と、
    前記曲げ部材を、前記一辺と平行な回転軸まわりに自転回動させ、前記剪断力により折り曲げられた樹脂シートの他端に対し、前記一辺に沿って、曲げ力による曲げを更に追加する回動手段と、
    を備えることを特徴とする前記樹脂シートの折り曲げ装置。
  2. 樹脂シートを載置する下型と、
    前記下型との間で前記樹脂シートの一端を挟み固定する上型と、
    前記樹脂シートの他端を折り曲げる棒状の曲げ部材と、を有する前記樹脂シートの折り曲げ装置であって、かつ、
    前記曲げ部材を、前記樹脂シートを挟み固定した上型および下型に対して相対的に昇降駆動させ、前記樹脂シートの他端に対し、前記上型または下型の一辺に沿って、剪断力による曲げを行う昇降手段と、
    前記曲げ部材を、前記一辺と平行であって前記上型および下型の外部に位置する回転軸まわりに回動させ、前記剪断力により折り曲げられた樹脂シートの他端に対し、前記一辺に沿って、曲げ力による曲げを更に追加する回動手段と、
    を備えることを特徴とする前記樹脂シートの折り曲げ装置。
  3. 前記回動手段による前記曲げ部材の回動角度に所定の最大値を設けるストッパー機能を有する回動制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の折り曲げ装置。
  4. 前記回動制限手段が、前記所定の最大値を増減させる角度調整機能を有する最大曲げ角度調整手段を備える請求項3に記載の折り曲げ装置。
  5. 前記剪断力による第一段階の曲げ角度と、曲げ力による第二段階の曲げ角度の合計が90度を超えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
  6. 前記回動手段がラックおよびピニオンを備える請求項1から5のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
  7. 折り曲げ前の樹脂シートを加熱軟化させる加熱手段と、折り曲げ後の該樹脂シートを冷却硬化させる冷却手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。
  8. 前記昇降手段および回動手段が、一の駆動装置にて駆動されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の折り曲げ装置。

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