JP2006255022A - 超音波ドプラ血流計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 周波数、フィルタの遮断特性に関係なくフィルタにおける位相歪を低減させることにより、フィルタによる過渡応答を抑制することができ、高精度な血流情報の推定が可能な超音波ドプラ血流計を提供する。
【解決手段】 超音波パルスを送受信する送受信手段と、送受信手段から得られた離散データのクラッタ成分を除去するフィルタリング手段1と、離散データから血流情報を推定する手段とを備え、フィルタリング手段は、離散データのクラッタ成分を除去する第1の高域通過フィルタ3と、第1の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第1のデータ逆順部4と、第1のデータ逆順部からの出力データをフィルタリングし、第1の高域通過フィルタと同一の周波数応答を有する第2の高域通過フィルタ5と、第2の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第2のデータ逆順部6を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波のドプラ現象を利用して体内の血流情報を測定し、血流情報を画像表示する超音波ドプラ血流計に関する。
超音波のドプラ現象を利用し、生体中の血流速分布を色に対応させ、白黒の二次元断層像(Bモード画像)と重ね合わせて表示を行う超音波ドプラ血流計(カラーフロー装置)が知られている。
図6は、超音波ドプラ血流計の構成を示すブロック図である。この図の送信部101は、超音波を発生させる信号を生成する。送信部101に接続されたプローブ102は、送信部101からの信号に基づき超音波パルスを生体内へ照射するとともに、その反射波である超音波パルスエコーを受信し電気信号に変換する。受信部103は、変換された電気信号を増幅する。位相検波部104は、増幅された電気信号を位相検波し、ドプラ偏移信号を発生させる。A/D変換器105は、ドプラ偏移信号を離散データに変換する。
MTIフィルタ部106は、高域通過デジタルフィルタを有し、離散データからクラッタと呼ばれる不要な体内組織から生じる低周波数信号を除去する。速度演算部107は、クラッタ成分が除去されたドプラ偏移信号を用いて血流速度を算出し、血流速分布画像データを形成する。包絡線検波部108は、受信部103からの電気信号から包絡線検波を行い、Bモード画像データを生成する。デジタルスキャンコンバータ(DSC)109は、速度演算部107からの血流速画像データおよび包絡線検波部108からのBモード画像データを混合し走査変換する。モニタ110は、DSC109からの信号に基づき二次元血流画像を表示する。
なお、MTIフィルタ部6は、低周波数において急峻な遮断特性が得られるという理由から無限インパルス応答フィルタ(IIRフィルタ)が用いられる。IIRフィルタは、位相特性が著しい非線型を有しており、過渡応答が極めて大きいため、フィルタリング後のデータに高周波成分が生じる。この高周波成分は、血流情報を反映したものではなく、血流情報の推定精度を悪化させる要因となる。
このような過渡応答に起因する血流速度推定精度の悪化を回避する方法として、フィルタ出力のうち過渡応答が現れているとみられる部分のデータを破棄する方法がある。しかし、過渡応答が大きいほど速度演算部7において使用できるデータ数が少なくなり、信号対雑音比の低下につながる。フィルタ出力のうち過渡応答が現れている部分のデータを破棄し、信号対雑音比を高くするためには、速度演算部7において使用できるデータ数を十分確保する必要がある。そのため、多くのドプラーデータが必要となり、超音波信号の同一方向への送受信回数を多くしなければならず、リアルタイム性が低下する。
この過渡応答の原因について、図7を用いて説明する。図7は、フィルタに入力されるデータおよびフィルタが認識するデータについて示した図である。MTIフィルタ部106にデータが入力される時刻を0とすると、入力はx(0)から始まるが、フィルタとしてはそれ以前のデータを値0として認識する。従って、時刻0より以前の負の時刻ではフィルタに入力されるフィルタリング対象データ値が0であったが、時刻0において対象データ値が0からx(0)まで急変すること、つまり、時刻0においてデータに不連続性が生じることが過渡応答の原因である。この不連続性の影響を緩和するために、一般的には、初期値減算処理(例えば、特許文献1参照)、テーパリングデータの外挿(例えば、特許文献2参照)、フィルタの初期値設定(例えば、特許文献3参照)のような対策がある。
初期値減算処理は、対象データ値x(n)から時刻0での対象データ値x(0)を減算したデータに対しフィルタリングを行うものである。このように対象データを減算処理することで、時刻0におけるデータがステップ状に急変するという対象データ値の不連続性が緩和される。しかし、時刻0における対象データの微分係数に不連続性が残存し、フィルタリング後のデータに過渡応答による高周波成分が現れてしまう。
これを回避する対策がテーパリングデータ外挿である。これは時刻0の前後でのデータの微分係数が連続にするようなテーパリングされたデータ列を時刻0以前に外挿することにより、時刻0での微分係数の不連続性をなくし、さらに、外挿したデータの始点を擬似的に時刻0とみなすことができるので本来のデータ列全体を過渡応答の時間的影響範囲から遠ざけるものである。
クラッタ成分が血流成分と比較して大振幅の直流ないしは低周波成分から構成されることから、フィルタの初期値設定は、フィルタの入力データを時刻0の値と大きさが等しい単位ステップ入力に近似し、それが時刻0以前より無限に続いていたものとみなして、時刻0におけるフィルタの初期値として設定するものである。しかし、この手段によっては、時刻0でのデータの不連続性は緩和されるが、データの微分係数の不連続性はなくならない。
特開昭63−84532号公報 特開2002−143162号公報 特開平10−127640号公報
しかしながら、上記従来の対策では、フィルタリング対象データ値を人為的に加工することにより、過渡応答の影響を低減させるものであり、フィルタの遮断特性、クラッタの大きさまたは周波数によっては、十分に過渡応答を抑制することができず、血流情報の推定に使用するドプラ偏移データの一部を破棄しなければならない場合がある。従って、クラッタ除去能力、信号対雑音比を向上させ、さらに高精度な血流情報の推定には不十分であるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、周波数、フィルタの遮断特性に関係なくフィルタにおける位相歪を低減させることにより、フィルタによる過渡応答を抑制することができ、血流情報の推定に使用するデータを破棄することがなくなるため、クラッタ成分の除去能力、血流情報推定時の信号対雑音比を向上させ、高精度な血流情報の推定が可能な超音波ドプラ血流計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の超音波ドプラ血流計は、超音波パルスを送受信し、離散データを得る送受信手段と、前記離散データに対して低周波のクラッタ成分を除去するフィルタリング手段と、前記クラッタが除去された離散データから血流情報を推定する手段とを備え、前記フィルタリング手段は、前記離散データをフィルタリングする第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第1のデータ逆順部と、前記第1のデータ逆順部からの出力データをフィルタリングする第2の高域通過フィルタと、前記第2の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第2のデータ逆順部とを有し、前記第1の高域通過フィルタと前記第2の高域通過フィルタが同一の周波数応答を示すことを特徴とする。この構成により、データのフィルタリングによる過渡応答を抑制することができる。
また、本発明に係る第2の超音波ドプラ血流計は、超音波パルスを送受信し、得られた信号を離散データとする送受信手段と、前記離散データに対して低周波のクラッタを除去するフィルタリング手段と、前記クラッタ成分が除去された離散データから血流情報を推定する手段とを備え、前記フィルタリング手段は、前記離散データを時間軸に対して反転させる第1のデータ逆順部と、反転された離散データをフィルタリングする第1の高域通過フィルタと、前記第1の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第2のデータ逆順部と、前記第2のデータ逆順部からの出力データをフィルタリングする第2の高域通過フィルタとを有し、前記第1の高域通過フィルタと前記第2の高域通過フィルタが同一の周波数応答を示すことを特徴とする。この構成によっても、第1の超音波ドプラ血流計と同様の効果を得ることができる。
また、前記フィルタリング手段は、前記離散データが前記フィルタリング手段に入力される以前のデータとして所定の値の初期値データを設定する制御手段を備えた構成にすることもできる。この構成により、データの入力時におけるデータの不連続性を防ぐことができる。
また、前記フィルタリング手段は、前記離散データの前後に、前記離散データと相関があり、かつ、データ端点において前記離散データの端部のデータ値となめらかに接続される値をもつ外挿データを付加するデータ外挿手段を有し、前記データ外挿手段は、外挿データを付加した離散データを第1の高域通過フィルタまたは第1のデータ逆順部へ送信する構成にすることもできる。この構成により、データ入力時におけるデータの微分係数における不連続性を防ぐことができる。
また、前記データ外挿手段は、前記入力データの前後に接合部分のデータに対して点対称な値の外挿データを付加する構成にすることもできる。この構成により、データのフィルタによる過渡応答を抑制することができる。
また、前記フィルタリング手段は、前記第2のデータ逆順部または前記第2の高域通過フィルタより送出されたデータに対して、前記データ外挿手段が付加したデータに対応するデータの一部または全部を破棄するデータ破棄手段を有する構成にすることもできる。
本発明によれば、周波数、フィルタの遮断特性に関係なくフィルタにおける位相歪を低減させることにより、フィルタによる過渡応答を抑制することができ、血流情報の推定に使用するデータを破棄することがなくなるため、クラッタ成分の除去能力、血流情報推定時の信号対雑音比を向上させ、高精度な血流情報の推定が可能な超音波ドプラ血流計を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態における超音波診断装置の構成について説明する。図1は、本発明のドプラ血流計におけるMTIフィルタ部の一構成例を示すブロック図である。このMTIフィルタ部1(フィルタリング手段)は、図6に示す従来の超音波ドプラ血流計のMTIフィルタ部106に対応するものである。MTI(Moving Target Indicator)フィルタは、ハイパスデジタルフィルタである。本実施の形態における超音波ドプラ血流計は、MTIフィルタ部1以外の構成要素については、図6に示す従来例と同様であるので、その説明は省略する。
データ外挿部2(データ外挿手段)は、図6に示す送信部101、プローブ102、受信部103(送受信手段)により検出され、デジタル化された血流データにデータを外挿する。第1の高域通過フィルタ3は、IIRフィルタで構成され、外挿されたデータの低周波成分をカットする。第1のデータ逆順部4は、第1の高域通過フィルタ3を通過したデータの時間的順序を反転させる。第2の高域通過フィルタ5は、IIRフィルタで構成され、第1の高域通過フィルタ3同一の周波数応答を有し、第2のデータ逆順部6は、第1のデータ逆順部4と同一の特性を有する。データ破棄部7(データ破棄手段)は、データ外挿部2により付加されたデータに対応するデータを破棄し、残りのデータを血流量の推定のため、速度演算部107(血流情報を推定する手段)へ送信する。制御部8(制御手段)は、外挿データの付加および破棄、初期値設定のための制御を行う。なお、第1の高域通過フィルタ3および第2の高域通過フィルタ5は、IIRフィルタを用いることが好ましいが、これに限定されず、他のフィルタを用いることも可能である。
次に、上記のMTIフィルタ部1のような構成において、周波数、フィルタの遮断特性に依らずフィルタの過渡応答を抑制する方法について、その原理を説明する。図2A、図2B、図2Cは、フィルタの過渡応答を抑制する原理を示すブロック図である。各ブロックの入出力信号x(n)、yf(n)、yf(−n)、yfb(n)、yfb(−n)の離散データの一例を各入出力信号の下に示す。
図2Aにおいて、第1のフィルタ11と、第2のフィルタ13とは同一の周波数応答特性を示す一般的なフィルタであり、第1のデータ逆順部12と、第2のデータ逆順部14はデータの時間的順序を反転するものである。図2Aの入力データをx(n)、第1のフィルタ11、第2のフィルタ13のインパルス応答をh(n)、第1のフィルタ11によりフィルタリング(順方向フィルタリング)されたデータをyf(n)とし、それぞれのz変換をX(z)、H(z)、Yf(z)とすると、
f(z)=H(z)X(z)
の関係が成り立つ。
第1のデータ逆順部12において、yf(n)がデータの時間的順序を反転したデータ列yf(−n)が生成される。反転されたデータ列は、第2のフィルタ13において、フィルタリング(逆方向フィルタリング)が行われ、その出力yfb(n)のz変換は、yf(−n)のz変換がYf(1/z)であるから、
fb(z)=Yf(1/z)H(z)=H(z)H(1/z)X(1/z)
となる。さらに、このyfb(n)を時間軸に対して反転させたデータ列yR fb(n)=yfb(−n)のz変換は、
R fb(z)=Yfb(1/z)=H(z)H(1/z)X(z)
となる。
図2Bは、図2Aに示すフィルタの一連の処理過程を1つの合成フィルタG15とみなしたブロック図である。合成フィルタG15の伝達関数G(z)は、上記式より、
G(z)=H(z)H(1/z)
となる。上記式にz=ejwを代入して得られるこの伝達関数の周波数特性G(ejw)は、G(ejw)=H(e-jw)H(ejw)=|H(ejw)|2となり、位相歪を生じさせない。よって、フィルタの一連の処理過程において、周波数、遮断特性に関わらず位相歪が0となる。
つまり、入力データx(n)を第1のフィルタ11によりフィルタリング(順方向フィルタリング)し、得られたデータyfを時間的に反転させたデータ列yf(−n)を第2のフィルタ13によりフィルタリング(逆方向フィルタリング)を行い、得られたデータ列yfbを反転させて得られるデータ列yR fbは、x(n)との位相差が、周波数に関係なく0となる。
図2Cは、別の構成の入力信号に対するフィルタの信号処理過程を示すブロック図である。図2Cに示す構成は、図2Aに示す構成のデータの入力側に対して、第1のフィルタ11と第1のデータ逆順部12および第2のフィルタ13と第2のデータ逆順部14をそれぞれ入れ替えた構成である。
従って、入力データx(n)の時間的順序を逆にしたデータx(−n)を第1のフィルタ11によりフィルタリング(逆方向フィルタリング)し、得られたデータyb(n)を反転させたデータ列yb(−n)を第2のフィルタ13によって、フィルタリング(順方向フィルタリング)を行えば、入力データx(n)とybf(n)のそれぞれのz変換X(z)、Ybf(z)は、
bf(z)=H(z)H(1/z)X(z)
の関係が成り立つ。この伝達関数の周波数特性も虚数項を持たない。つまり、逆方向フィルタリングを行った後に順方向フィルタリングを行った場合にも、フィルタの一連の処理により、データの周波数、フィルタの遮断特性に依らず入力データと出力データの位相差が0となる。
しかし、上記説明は、理論上は成り立つが、実際には、位相推移を完全に無くすことはできない。これは、順方向フィルタリングを行った後に逆方向フィルタリングを行う順逆フィルタリングにおいて得られたデータ列yfbと、逆方向フィルタリングを行った後に順方向フィルタリングを行う逆順フィルタリングにおいて得られたデータ列ybfは、理論上、入力データが同一であるならば一致するはずであるが、実際には両フィルタリングでの位相推移の対称性は保証されないからである。
従って、一般にはこの対称性をできる限り保証するようにフィルタの初期値を設定する。フィルタの初期値設定方法については、順逆フィルタリング後の波形と逆順フィルタリング後の波形とを用いて、両者の対称性が保証されるように最小2乗法によって推定するのが最適であるが、本発明は初期値の設定手法をこれに限定するものではなく、できるだけ対称性を保証できる手法であれば何でも良く、例えば、フィルタの状態方程式から初期値を推定する手法や最初の入力データの値を初期値とする手法を用いても良い。
次に、上記原理を用いて初期値設定を行うMTIフィルタ部1の一例について説明する。図3は、MTIフィルタ部1を構成する高域通過フィルタであるIIRフィルタの一構成例を示すブロック図である。
この高域通過フィルタは、乗算器31〜35と、加算器36〜38と、レジスタ39、42と、セレクタ40、43とライン41、44を有する。セレクタ40、43には、ON側にレジスタ39、42が接続され、OFF側には図1における制御部8からの初期値ライン47、48が接続され、セレクタ40、43のスイッチングは、初期値設定ライン45、46を介して、制御部8により制御される。乗算器31〜35に入力される信号b3、b2、b1、a3、a2は、IIRフィルタのフィルタ係数を示す。レジスタ39、42は、信号を一時的に記憶する。
図3に示すIIRフィルタは、時刻nにおける入力をx(n)、出力をy(n)とすると、
y(n)=b1x(n)+b2x(n−1)+b3x(n−2)−(a2y(n−1)+a3y(n−2))
となり、その伝達関数H(z)は、
H(z)=(b1+b2z-1+b3z-2)/(1+a2z-1+a3z-2
となり、フィルタ係数を設定することにより所望の伝達関数を得ることができる。
以上のように構成される超音波ドプラ血流計のMTIフィルタの動作について図1、図3、図4および図5を参照しながら説明する。図4、図5は、それぞれ、データ外挿部2、第1の高域通過フィルタ3におけるデータのタイミングチャートである。
まず、図4(a)に示すように、A/D変換部105から送られる被検体内の同一部位からのドプラ偏移信号データ列は、データ外挿部2において、制御部8からの制御信号がONの場合には、外挿データを付加されて(図4(c))、制御信号がOFFの場合には、外挿データを付加されずに(図4(b))、後段の第1の高域通過フィルタ3へ入力される。第1の高域通過フィルタ3へ入力されたデータは、その遮断特性に従ってクラッタ成分が除去される。
その際、上述したように、第1の高域通過フィルタ3の初期値を設定する必要がある。図3に示すように、第1の高域通過フィルタ3は制御部8により制御されるセレクタ40、43と、セレクタ40、43を制御する制御信号を伝達する初期値設定ライン45、46と初期値ライン47、48を有しており、ライン41、44に出力されるデータを制御部8により設定された初期値ライン47、48の値もしくはレジスタ39、42の値に切り替えることができる。
例えば、超音波診断装置が受信した最初のデータをデータが外挿部2から入力される以前において、制御部8から初期値ライン47、48に適切な初期値が出力され、かつ、初期値設定ライン45、46を介して制御部8により、セレクタ40、43が図5(d)に示すようにOFF側の信号へ接続されるよう設定される。従って、図5(b)、(c)に示すように第1の高域通過フィルタ3の初期値X1、X2がライン41、44に出力され、これによりフィルタの初期値設定が行われる。なお、本発明は上述した制御信号のタイミング等、初期値設定方法をこれに限定するものではなく、フィルタの初期値が適切に設定できるのであれば良い。
初期設定完了後、データが入力され、初期値設定ライン45、46を介して制御部8によりセレクタ40、43が図5(d)に示すようにON側の信号へ接続される。これにより、第1の高域通過フィルタ3は、図5(d)に示ようにデータ外挿部2からのデータに対してフィルタリングを行う。
次に、フィルタリングされたデータは、第1のデータ逆順部4へ送信される。第1のデータ逆順部4により受信されたデータは、データの時間的順序に対して反転される。反転されたデータは、第1の高域通過フィルタ3と同じ伝達関数を有する第2の高域通過フィルタ5に送信される。第2の高域通過フィルタ5によりフィルタリングされたデータは、第2のデータ逆順部6に送信され、データの時間的順序に対して反転される。
反転されたデータは、データ破棄部7に送信される。データ破棄部7では、データ外挿部2において外挿データが付加された場合に外挿したデータに対応するデータを破棄するが、データを破棄するか否かは、データを外挿する場合と同様、制御部8からの信号により制御され、破棄しない場合は、反転されたデータがそのまま出力される。
なお、破棄するデータの位置およびデータ数は、データ外挿部2において外挿したデータの位置およびデータ数と同一であることが望ましい。しかし、本実施の形態においては、同一の場合に限定するものではなく、出力データの過渡応答を抑制でき、かつ、速度演算部7における血流情報推定時の信号対雑音比を適切に保つことができれば、破棄するデータの位置およびデータ数と付加したデータの位置およびデータ数が同一である必要はない。
出力されたデータが、速度演算部107により演算されることにより血流量が測定される。以下従来の超音波ドプラ血流計と同様であり、説明を省略する。
なお、本発明に係る超音波ドプラ血流計は、MTIフィルタ部6において過渡応答を抑制するために、順方向フィルタリングを行った後に逆方向フィルタリングを行い得られたデータ列を反転させる構成であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、逆方向フィルタリングを行った後に順方向フィルタリングを行う構成にすることもできる。
また、データ外挿部2が付加するデータは、離散データと関連が有り、離散データとの接合部において離散データとなめらかに接続する構成にすることもできる。ここで、なめらかにとは、データが連続的に接合され、隣接するデータとで形成する傾きがデータの接合部で急激に変化しないことである。好ましくは、付加するデータが接合部において離散データに対し点対称である。
以上のような超音波診断装置により、フィルタの過渡応答を抑制することができ、血流情報の推定に使用するデータを破棄することがなくなるため、クラッタ成分の除去能力、血流情報推定時の信号対雑音比を向上させ、高精度な血流情報の推定が可能となる。
なお、第1の高域通過フィルタ3と第2の高域通過フィルタ5の周波数応答を同一のものとしたが厳密に同一である必要はなく、過渡応答を抑えることができる範囲のフィルタであればよい。
また、周波数の低いクラッタ成分を除去するために、高域を通過させるMTIフィルタを用いたが、ドプラ血流データの周波数成分を通過させるバンドパスフィルタを用いても同様の効果を得ることができる。
本発明の超音波ドプラ血流計は、血流情報推定に使用するデータを無駄に破棄することなくクラッタ成分を除去することができるので、クラッタ除去能力および血流情報推定時の信号対雑音比が向上し、高精度な血流情報の推定が可能であるという効果を有し、医療分野の血流動態の診断などにおいて有用である。
本発明の実施の形態におけるMTIフィルタの構成を示すブロック図 本実施の形態におけるフィルタの過渡応答を抑制する原理を示す概念図 同フィルタの過渡応答を抑制する原理を示す概念図 同フィルタの過渡応答を抑制する原理を示す概念図 本発明の実施の形態における高域通過フィルタの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態におけるデータ外挿部のタイミングチャート 本発明の実施の形態における高域通過フィルタのタイミングチャート 従来の超音波ドプラ血流計の構成を示すブロック図 フィルタに入力されるデータとフィルタが認識するデータを示す図
符号の説明
1 MTIフィルタ
2 データ外挿部
3、11 第1の高域通過フィルタ
4、12 第1のデータ逆順部
5、13 第2の高域通過フィルタ
6、14 第2のデータ逆順部
7 データ破棄部
8 制御部
15 合成フィルタG
31〜35 乗算器
36〜38 加算器
39、42 レジスタ
40、43 セレクタ
41、44 ライン
45、46 初期値設定ライン
47、48 初期値ライン

Claims (6)

  1. 超音波パルスを送受信し、離散データを得る送受信手段と、
    前記離散データに対して低周波のクラッタ成分を除去するフィルタリング手段と、
    前記クラッタが除去された離散データから血流情報を推定する手段とを備え、
    前記フィルタリング手段は、
    前記離散データをフィルタリングする第1の高域通過フィルタと、
    前記第1の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第1のデータ逆順部と、
    前記第1のデータ逆順部からの出力データをフィルタリングする第2の高域通過フィルタと、
    前記第2の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第2のデータ逆順部とを有し、
    前記第1の高域通過フィルタと前記第2の高域通過フィルタが同一の周波数応答を示すことを特徴とする超音波ドプラ血流計。
  2. 超音波パルスを送受信し、得られた信号を離散データとする送受信手段と、
    前記離散データに対して低周波のクラッタを除去するフィルタリング手段と、
    前記クラッタ成分が除去された離散データから血流情報を推定する手段とを備え、
    前記フィルタリング手段は、
    前記離散データを時間軸に対して反転させる第1のデータ逆順部と、
    反転された離散データをフィルタリングする第1の高域通過フィルタと、
    前記第1の高域通過フィルタからの出力データのデータ列を時間軸に対して反転させる第2のデータ逆順部と、
    前記第2のデータ逆順部からの出力データをフィルタリングする第2の高域通過フィルタとを有し、
    前記第1の高域通過フィルタと前記第2の高域通過フィルタが同一の周波数応答を示すことを特徴とする超音波ドプラ血流計。
  3. 前記フィルタリング手段は、前記離散データが前記フィルタリング手段に入力される以前のデータとして所定の値の初期値データを設定する制御手段を備えた請求項1または2記載の超音波ドプラ血流計。
  4. 前記フィルタリング手段は、前記離散データの前後に、前記離散データと相関があり、かつ、データ端点において前記離散データの端部のデータ値となめらかに接続される値をもつ外挿データを付加するデータ外挿手段を有し、
    前記データ外挿手段は、外挿データを付加した離散データを第1の高域通過フィルタまたは第1のデータ逆順部へ送信する請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波ドプラ血流計。
  5. 前記データ外挿手段は、前記入力データの前後に接合部分のデータに対して点対称な値の外挿データを付加する請求項4記載の超音波ドプラ血流計。
  6. 前記フィルタリング手段は、前記第2のデータ逆順部または前記第2の高域通過フィルタより送出されたデータに対して、前記データ外挿手段が付加したデータに対応するデータの一部または全部を破棄するデータ破棄手段を有する請求項4または5記載の超音波ドプラ血流計。
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