JP2006254771A - そば繋ぎ用甘皮微粉末、その製造方法、手打ち用そば原料および機械製麺用そば原料 - Google Patents
そば繋ぎ用甘皮微粉末、その製造方法、手打ち用そば原料および機械製麺用そば原料 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】そば粉に対し従来に比べて少量で繋ぎ作用が働き、同時に滑らかな食感を発現することが可能なそば繋ぎ用甘皮微粉末を提供する。
【解決手段】そば実の表層から取り出した甘皮を含み、平均粒径が25μm以下であることを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末。
【選択図】 なし
【解決手段】そば実の表層から取り出した甘皮を含み、平均粒径が25μm以下であることを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末。
【選択図】 なし
Description
本発明は、そば繋ぎ用甘皮微粉末、その製造方法、手打ち用そば原料および機械製麺用そば原料に関する。
そば実は、外形が三角錐で、中心から外側に向けて胚芽、胚乳、甘皮が存在し、最外層に殻が存在する構造を有する。このそば実から取れるそば粉は、採取箇所によって胚芽を主体とする一番粉、胚乳を主体とする二番粉、甘皮を主体とする三番粉に分けられる。一番粉は、胚芽を主体とするために白く、デンプン質が多いために歯切れのよい食感を有するものの、タンパク質が少ないためにそばの風味が欠ける。二番粉は、胚乳を主体とするためにデンプン質とタンパク質のバランスがよく、バランスのよい食感と風味を有する。三番粉は、甘皮を主体とするためにタンパク質が多く、かつ最も色合いが濃く、そば風味が強いものの、歯切れのような食感に欠ける。
ところで、そば粉を製造する業者において最外層の殻を除いたそば実を粉砕する際、甘皮は胚芽、胚乳に比べて硬いために、そば粉に粗い粉末状の形態で存在する。篩い分け後の粗い甘皮粉末は、廃棄処理されていたが、主にそば粉の歩留まりを改善する目的で、粗い甘皮粉末をさらに粉砕してそば粉の原料として利用することがなされている。
すなわち、粗い粉末状の甘皮を臼で粉砕して平均粒径で60〜70μmの粉末にするか、または衝撃式、気流式などの粉砕機で粉砕して平均粒径30〜40μm前後の粉末にすることが行われている。そば職人がこれらの方法で得られた甘皮粉末を含むそば粉から手打ちそば(いわゆる十割そば)を作ると、十分な繋ぎ力が働かないために短く切れてぼろぼろのそばになり易い。特に、前者の方法で得られた甘皮粉末を含むそば粉から手打ちそばを作ると、その甘皮粉末の粒径の粗さに起因して滑らかな食感が低下する。
ところで、そば粉を製造する業者において最外層の殻を除いたそば実を粉砕する際、甘皮は胚芽、胚乳に比べて硬いために、そば粉に粗い粉末状の形態で存在する。篩い分け後の粗い甘皮粉末は、廃棄処理されていたが、主にそば粉の歩留まりを改善する目的で、粗い甘皮粉末をさらに粉砕してそば粉の原料として利用することがなされている。
すなわち、粗い粉末状の甘皮を臼で粉砕して平均粒径で60〜70μmの粉末にするか、または衝撃式、気流式などの粉砕機で粉砕して平均粒径30〜40μm前後の粉末にすることが行われている。そば職人がこれらの方法で得られた甘皮粉末を含むそば粉から手打ちそば(いわゆる十割そば)を作ると、十分な繋ぎ力が働かないために短く切れてぼろぼろのそばになり易い。特に、前者の方法で得られた甘皮粉末を含むそば粉から手打ちそばを作ると、その甘皮粉末の粒径の粗さに起因して滑らかな食感が低下する。
一方、特許文献1には表面の殻を除いたそば実を全て粉砕した3〜40μmの全粒そば粉から無添加そば(いわゆる十割そば)を製造する方法が記載されている。この特許文献1の全粒そば粉は、実施例1〜3いずれにおいても3〜40μmと記載されている。この全粒そば粉は、粉砕時においてそば実表層の甘皮が胚芽、胚乳に比べて硬いことに起因して40μm付近に粗い甘皮粉末が存在する形態になる。このため、得られたそばは粗い甘皮粉末が存在することに依存してそば粉から作られたそばを喫食する際にざらざらした食感を与え、滑らかさに欠ける問題がある。
また、特許文献2には甘皮粉と胚乳粉とが15〜35:85〜65で、そば粉以外の繋ぎ材を用いることなく水で混練して繋がるそば用そば粉が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載のそば粉は水冷式ロール製粉機で粉砕し、十分な微粉化が図れず、比較的粗い甘皮粉末が存在する形態になり易いため、特許文献1と同様にそば粉から作られたそばを喫食する際にざらざらした食感を与え、滑らかさに欠ける問題がある。
特開平7−222563号公報
特公昭54−19450号公報
また、特許文献2には甘皮粉と胚乳粉とが15〜35:85〜65で、そば粉以外の繋ぎ材を用いることなく水で混練して繋がるそば用そば粉が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載のそば粉は水冷式ロール製粉機で粉砕し、十分な微粉化が図れず、比較的粗い甘皮粉末が存在する形態になり易いため、特許文献1と同様にそば粉から作られたそばを喫食する際にざらざらした食感を与え、滑らかさに欠ける問題がある。
本発明者らは、そば実の表層から取り出した甘皮を平均粒径25μm以下の微細な粉末にすることによって、驚くべきことにそば粉に対し従来に比べて少量で繋ぎ作用が働き、同時に滑らかな食感を発現することが可能なそば繋ぎ用甘皮微粉末を見出した。
また、本発明者らはトルネード型粉砕装置を用い、甘皮粉を液体窒素のミストと一緒にそのトルネード型粉砕装置のケーシングに供給することによって、その甘皮特有の香り、風味を落とすことなく平均粒径25μm以下の微細な粉末に粉砕でき、前記特性を有する繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法を見出した。
さらに、本発明者はそば繋ぎ用甘皮微粉末をそば粉に特定量配合することによって、手打ち製麺工程で短く切れてぼろぼろにならずに滑らかで長く、良好な食感および風味を有する手打ちそばを作ることが可能な手打ち用そば原料を見出した。
さらに、本発明者はそば繋ぎ用甘皮微粉末をそば粉および小麦粉に特定量配合することによって、機械製麺工程で短く切れてぼろぼろにならずに滑らかで長く、良好な食感および風味を有する機械製麺そばを作ることが可能な機械製麺用そば原料を見出した。
また、本発明者らはトルネード型粉砕装置を用い、甘皮粉を液体窒素のミストと一緒にそのトルネード型粉砕装置のケーシングに供給することによって、その甘皮特有の香り、風味を落とすことなく平均粒径25μm以下の微細な粉末に粉砕でき、前記特性を有する繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法を見出した。
さらに、本発明者はそば繋ぎ用甘皮微粉末をそば粉に特定量配合することによって、手打ち製麺工程で短く切れてぼろぼろにならずに滑らかで長く、良好な食感および風味を有する手打ちそばを作ることが可能な手打ち用そば原料を見出した。
さらに、本発明者はそば繋ぎ用甘皮微粉末をそば粉および小麦粉に特定量配合することによって、機械製麺工程で短く切れてぼろぼろにならずに滑らかで長く、良好な食感および風味を有する機械製麺そばを作ることが可能な機械製麺用そば原料を見出した。
本発明によると、そば実の表層から取り出した甘皮を含み、平均粒径が25μm以下であることを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末が提供される。
また本発明によると、ケーシングと、このケーシング内の翼面間に狭小空間を形成するように対向配置した一対の回転翼と、この一対の回転翼を中心にして両側の前記ケーシングに形成された供給部および排出部と、この排出部に連結された吸引回収部材とを備えるトルネード型粉砕装置を準備する工程と、
前記一対の回転翼を互いに反対方向に高速度で回転させると共に、前記吸引回収部材によりケーシング内の排出部を通して吸引する工程と、
そば実の甘皮粉末を液体窒素のミストと一緒に供給部を通して前記ケーシング内に供給し、甘皮粉末を回転翼との衝突により粉砕し、さらに粉砕された甘皮粉末を前記回転翼間の狭小空間内の気流中で相互に衝突破砕して平均粒径25μm以下の微粉末とし、排出部を通して前記吸引回収部材に吸引回収する工程と
を含むことを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法が提供される。
前記一対の回転翼を互いに反対方向に高速度で回転させると共に、前記吸引回収部材によりケーシング内の排出部を通して吸引する工程と、
そば実の甘皮粉末を液体窒素のミストと一緒に供給部を通して前記ケーシング内に供給し、甘皮粉末を回転翼との衝突により粉砕し、さらに粉砕された甘皮粉末を前記回転翼間の狭小空間内の気流中で相互に衝突破砕して平均粒径25μm以下の微粉末とし、排出部を通して前記吸引回収部材に吸引回収する工程と
を含むことを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法が提供される。
さらに本発明によると、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%と小麦粉0〜40重量%と残部が実質的にそば粉であることを特徴とする手打ち用そば原料が提供される。
さらに本発明によると、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と、小麦粉0〜75重量%と、残部が実質的にそば粉であることを特徴とする機械製麺そば用原料が提供される。
さらに本発明によると、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と、小麦粉0〜75重量%と、残部が実質的にそば粉であることを特徴とする機械製麺そば用原料が提供される。
本発明は、そば粉に対し従来に比べて少量で繋ぎ作用が働き、同時に滑らかな食感を発現することが可能なそば繋ぎ用甘皮微粉末を提供できる。
本発明は、甘皮特有の香り、風味を落とすことなく平均粒径25μm以下の微細な粉末に粉砕でき、前記特性を有する繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法を提供できる。
本発明は、手打ち製麺工程で短く切れてぼろぼろにならずに滑らかで長く、良好な食感および風味を有する手打ちそば、例えば十割そばを作ることが可能な手打ち用そば原料を提供できる。
本発明は、機械製麺工程で短く切れてぼろぼろにならずに滑らかで長く、良好な食感および風味を有する機械製麺そばを作ることが可能な機械製麺用そば原料を提供できる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<そば繋ぎ用甘皮微粉末>
このそば繋ぎ用甘皮微粉末は、そば実の表層から取り出した甘皮を含み、平均粒径が25μm以下のものである。
前記そば繋ぎ用甘皮微粉末は、例えば甘皮単独、または50重量%以下のそば実の胚乳を含む甘皮からなる。
このそば繋ぎ用甘皮微粉末は、そば実の表層から取り出した甘皮を含み、平均粒径が25μm以下のものである。
前記そば繋ぎ用甘皮微粉末は、例えば甘皮単独、または50重量%以下のそば実の胚乳を含む甘皮からなる。
前記そば繋ぎ用甘皮微粉末の平均粒径が25μmを超えると、そば粉に対する繋ぎ効果を十分に発揮することが困難になり、かつこの甘皮微粉末を含むそば原料から滑らかなそばを作ることが困難になる。より好ましい前記そば繋ぎ用甘皮微粉末の平均粒径は、15μm以下、最も好ましくは10μm以下である。
前記甘皮微粉末は、55℃以上、より好ましくは10℃以上の熱履歴を受けないものであることが好ましい。
<そば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法>
そば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法を図1を参照して説明する。
<そば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法>
そば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法を図1を参照して説明する。
図1は、トルネード型粉砕装置を示す概略図である。ケーシング1は、例えば2つの略円錐台をそれらの底辺で結合した外形形状を有する。一対の回転翼2,3は、前記ケーシング1内中央にそれらの翼面が互いに対向し、狭小空間4が形成されるように配置されている。一対の回転軸5、6は、前記ケーシング1の両端(左右端)からそれぞれ挿入され、先端が前記一対の回転翼2,3の中心にそれぞれ軸着されている。これら回転軸5、6の後端は、図示しないモータにそれぞれ連結され、互いに反対方向に回転される。なお、ケーシング1内には前記狭小空間4を挟んで左側に回転翼2の回転軸5が位置する第1空間7、右側に回転翼3の回転軸6が位置する第2空間8をそれぞれ形成している。第1空間7側、第2空間8側のケーシング1には、供給部、排出部がそれぞれ形成されている。
液体窒素のミスト生成塔9は、前記第1空間7が位置するケーシング1部分(供給部)に配管10を介して連結されている。液体窒素噴射管11は、前記ミスト生成塔9の上部に挿入され、液体窒素の供給によりミスト状の液体窒素が前記ミスト生成塔9内に噴射される。甘皮粉末の導入管12は、前記ミスト生成塔9の上端に連結されている。
甘皮微粉末の回収容器13は、ケーシング1に吸引管14を通して連結されている。なお、吸引管14は前記第2空間8が位置するケーシング1部分(排出部)に一端が連結されている。ブロア15を有する配管16は、前記回収容器13に連結されている。
このような粉砕装置による繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法を説明する。
図示しない一対のモータにより回転軸5、6を互いに反対方向に回転させ、それら回転軸5、6先端の回転翼2,3を高速回転して回転翼2,3間の狭小空間4に旋回気流を発生させる。配管16のブロア15を作動してケーシング1内の気体をその第2空間8側から吸引管14を通して回収容器13に所望の吸引力で吸引する。
このように狭小空間4に旋回気流を発生させ、吸引した状態で、液体窒素を噴射管11に供給してミスト生成塔9内にミスト状の液体窒素を噴射すると共に、甘皮粉末を導入管12を通してミスト生成塔9内に導入することにより甘皮粉末はミスト状液体窒素と共にケーシング1の第1空間7内部分に配管10を通して導入する。このとき、ケーシング1内はミスト状液体窒素により冷却される。また、甘皮粉末は互いに反対方向に高速回転される回転翼2、3との衝突により粉砕され、さらに同回転翼2、3間の狭小空間4、つまり旋回気流が発生された狭小空間4に移動され、この旋回気流により甘皮粉末が相互に高速度で衝突し合って粉砕がなされる。同時に、ケーシング1内に導入されたミスト状液体窒素が蒸発、膨張し、この膨張に伴って前記旋回気流の流速が増大するため、甘皮粉末の粉砕が助長される。
狭小空間4で微粉砕された甘皮粉末のうち平均粒径25μm以下の微粉末は、ブロア15による吸引力との関係でその狭小空間4から第2空間8に排出され、第2空間8から吸引管14を通して回収容器13に輸送され回収される。
このような粉砕装置による甘皮粉末の粉砕において、ケーシング1内を約77Kの融点を有する液体窒素のミストにより冷却するため、甘皮粉末を冷却された低温の回転翼2、3に衝突させ、さらにそれら回転翼2、3間の狭小空間4の旋回気流により甘皮粉末を相互に高速度で衝突させることにより、粉砕することが可能になる。すなわち、甘皮粉末を回転翼2、3に衝突させ、かつ旋回気流により相互に高速度で衝突させる際に発生する高温度の熱影響を受けることなく、つまり変質することなく、粉砕することができる。その結果、25μm以下の平均粒径を有し、粉砕前の甘皮粉末の香り、風味が維持された甘皮微粉末を製造することができる。
<手打ち用そば原料>
この手打ち用そば原料は、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と小麦粉0〜40重量%と残部が実質的にそば粉である組成を有する。
この手打ち用そば原料は、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と小麦粉0〜40重量%と残部が実質的にそば粉である組成を有する。
前記そば粉は、そば実から取れる胚芽を主体とする一番粉および/または胚乳を主体とする二番粉、三番粉を含み、例えば60〜70μmの平均粒径を有する。
前記そば繋ぎ用甘皮微粉末の含有量を3重量%未満にすると、手打ち用そば原料から手打ちそば(いわゆる十割そば)を作る際、そば粉に対する甘皮微粉末による十分な繋ぎ力が働かないために短く切れてぼろぼろのそばになる虞がある。一方、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末の含有量が15重量%以上にすると、手打ち用そば原料から作った手打ちそばの風味が強くなり過ぎ、かつ歯切れのような食感に欠ける虞があった。より好ましい手打ち用そば原料中のそば繋ぎ用甘皮微粉末の含有量は、5〜10重量%である。
このような組成の手打ち用そば原料から手打ちそば、例えば十割そばを作る手法を以下に説明する。
こね鉢に手打ち用そば原料(そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満および残部が実質的にそば粉からなる)を入れ、よくかき混ぜ合わせた後、そば原料に対して例えば45〜53重量%の水を3〜4回に分けて加え、そば原料全体をすり合わせてよく混ぜる。こね鉢内で水を加えたそば原料を両手で軽くもむようにしてかき混ぜ、粒がしっとりになるまで続ける。頃合を見て一つの団子に纏め、上から押しつぶすように力を入れて菊練りの形で繰り返す。脱気のためのへそ出しを行い、ひっくり返して丸い団子にする。
こね鉢から団子(そば玉)を取り出し、予め打ち粉がまぶされた打ち板に移し、さらに打ち粉をそば玉にまぶし、両手で丸く平たくする。円形にしたそば玉に打ち棒を当て、打ち棒に両手に体重をかけてそば玉をのす。そば玉を打ち棒に巻きつけて手でそば玉を叩きながら、打ち棒を前方に転がす。そば玉を広げ、打ち板上で90°回転させ、同じ動作を数回連続して繰り返し、正方形に広げる。正方形に広げた玉板の半分を打ち棒に巻き取り、残りの半分を別の打ち棒で向こう側に厚さが等しくなるようにのす。打ち棒に巻き取った残りの半分もその打ち棒で手前側に厚さが等しくなるようにのす。のした長方形のそば玉に打ち粉をまぶし、重ねて折りたたむ。折りたたんだのしそば玉をまな板に移し、包丁で小口から同じ幅で切断して手打ち生そばを作る。この後、熱湯で茹で、水で冷やすことによって手打ちそばを作る。
<機械製麺用そば原料>
この機械製麺用そば原料は、そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と、小麦粉0〜75重量%と、残部が実質的にそば粉である組成を有する。
この機械製麺用そば原料は、そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と、小麦粉0〜75重量%と、残部が実質的にそば粉である組成を有する。
前記そば粉は、そば実から取れる胚芽を主体とする一番粉および/または胚乳を主体とする二番粉、三番粉を含み、例えば60〜70μmの平均粒径を有する。
前記そば繋ぎ用甘皮微粉末の含有量を3重量%未満にすると、機械製麺用そば原料から機械製麺によりそばを作る際、そば粉に対する甘皮微粉末による十分な繋ぎ力が働かないために短く切れてぼろぼろのそばになる虞がある。一方、前記そば繋ぎ用甘皮微粉末の含有量が15重量%以上にすると、機械製麺用そば原料から機械製麺により作ったそばが歯切れのような食感に欠ける虞があった。より好ましい機械製麺用そば原料中のそば繋ぎ用甘皮微粉末の含有量は、5〜10重量%である。
前記小麦粉としては、例えば強力粉を用いることができる。この小麦粉は、スーパーやコンビニエンスストアーで市販されているそば風のものの場合、75重量%まで含有される。ただし、原料そば粉の風味を十分に有するそばを製造する場合には小麦粉を30〜40重量%にすることが好ましい。この小麦粉の含有量を30重量%未満にすると、機械製麺用そば原料から一般的な機械製麺によりそばを作る際、甘皮微粉末を所定量添加してもそば粉に対する十分な繋ぎ力が働かないために短く切れてぼろぼろのそばになる虞がある。一方、小麦粉の含有量が40重量%を超えると、そば粉の量が減少して機械製麺用そば原料から一般的な機械製麺により作ったそばの風味が損なわれる虞がある。
このような組成の機械製麺用そば原料からそばを作る手順を以下に説明する。
機械製麺用そば原料(そば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と、小麦粉0〜75重量%と、残部が実質的にそば粉である組成を有する)を混合機に所定量入れ、3〜5分間程度混合する。この混合機に水を加えてさらに10〜15分間程度練り、塊状の麺生地を作る。この麺生地を麺帯機に移し、そのロールで圧着して粗麺帯とする。この粗麺帯を複合機に2回〜3回通し、例えば厚さ6〜10mmの麺帯にする。この麺帯を多段ロール(4〜5段)で圧延し所定の厚さにする。この薄肉化された麺帯を切刃に通して切断することにより機械製麺されたそばを製造する。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1;そば繋ぎ用甘皮微粉末の製造)
前述した図1に示す粉砕装置を用い、約7μmにピーク粒度を持つ平均粒径7μmの甘皮微粉末をケーシング1から回収容器13に輸送、回収した。
前述した図1に示す粉砕装置を用い、約7μmにピーク粒度を持つ平均粒径7μmの甘皮微粉末をケーシング1から回収容器13に輸送、回収した。
(粉砕条件)
・回転翼2,3:直径が400mm、
・互いに反対方向に回転される回転翼2,3の回転速度:6000rpm、
・ミスト生成塔9への甘皮粉末の供給量:50kg/hr、
・ミスト生成塔9への液体窒素の供給量:400kg/hr、
・吸引管14からの吸引速度:20m3/hr、
・ケーシング1の第1空間7の入口温度:−120℃、
・ケーシング1の第2空間8の出口温度:0℃。
・回転翼2,3:直径が400mm、
・互いに反対方向に回転される回転翼2,3の回転速度:6000rpm、
・ミスト生成塔9への甘皮粉末の供給量:50kg/hr、
・ミスト生成塔9への液体窒素の供給量:400kg/hr、
・吸引管14からの吸引速度:20m3/hr、
・ケーシング1の第1空間7の入口温度:−120℃、
・ケーシング1の第2空間8の出口温度:0℃。
(比較例1;そば繋ぎ用甘皮微粉末の製造)
前述した図1に示す粉砕装置を用い、約7μmにピーク粒度を持つ平均粒径7μmの甘皮微粉末をケーシング1から回収容器13に輸送、回収した。
前述した図1に示す粉砕装置を用い、約7μmにピーク粒度を持つ平均粒径7μmの甘皮微粉末をケーシング1から回収容器13に輸送、回収した。
(粉砕条件)
・回転翼2,3:直径が400mm、
・互いに反対方向に回転される回転翼2,3の回転速度:6000rpm、
・ミスト生成塔9への甘皮粉末の供給量:50kg/hr、
・ミスト生成塔9への液体窒素の供給量:0、
・吸引管14からの吸引速度:20m3/hr、
・ケーシング1の第1空間7の入口温度:室温、
・ケーシング1の第2空間8の出口温度:55℃。
・回転翼2,3:直径が400mm、
・互いに反対方向に回転される回転翼2,3の回転速度:6000rpm、
・ミスト生成塔9への甘皮粉末の供給量:50kg/hr、
・ミスト生成塔9への液体窒素の供給量:0、
・吸引管14からの吸引速度:20m3/hr、
・ケーシング1の第1空間7の入口温度:室温、
・ケーシング1の第2空間8の出口温度:55℃。
得られた実施例1および比較例1の甘皮微粉末の香りを調べた。その結果、比較例1の甘皮微粉末は香りが弱いのに対し、実施例1の甘皮微粉末は粉砕前の甘皮粉末の香りを強く有することがわかった。このように比較例1の甘皮微粉末は香りが喪失したのは、粉砕装置のケーシング内での甘皮粉末相互の衝突で熱が発生し、ケーシングの出口温度が55℃と比較的高温になって甘皮粉末が熱劣化および酸化劣化を受けて変質したためであると考えられる。
(実施例2;手打ちそば、いわゆる十割そばの製造)
そば実から取れる胚芽を主体とする一番粉および胚乳を主体とする二番粉、三番粉からなる平均粒径60μmのそば粉450gおよび実施例1で得られた甘皮微粉末50gを手打ち用そば原料とし、このそば原料を用いて前述の手法に従って手打ちそばを製造した。
そば実から取れる胚芽を主体とする一番粉および胚乳を主体とする二番粉、三番粉からなる平均粒径60μmのそば粉450gおよび実施例1で得られた甘皮微粉末50gを手打ち用そば原料とし、このそば原料を用いて前述の手法に従って手打ちそばを製造した。
このような実施例2では、包丁で切断して手打ち生そばを作る工程および熱湯で茹でる工程において甘皮微粉末による十分な繋ぎ力によって短く切れることがなく、所期長さの手打ちそばを得ることができた。
また、得られた手打ちそばを喫食したところ、甘皮微粉末による香り、風味を有し、かつ滑らかな食感を有することがわかった。
(実施例3;機械製麺によるそばの製造)
実施例1で得られた甘皮微粉末500g、小麦粉(強力粉)1000gおよびそば実から取れる胚芽を主体とする一番粉および胚乳を主体とする二番粉、三番粉からなる平均粒径60μmのそば粉3500gを機械製麺用そば原料とし、混合機に所定量入れ、4分間程度混合した。この混合機に水を加えてさらに15分間程度練り、塊状の麺生地を作った。この麺生地を麺帯機に移し、そのロールで圧着して粗麺帯とした。この粗麺帯を複合機に2回〜3回通し、厚さ8mmの麺帯にした。この麺帯を多段ロール(4〜5段)で圧延することにより2mmの厚さにした。この薄肉化された麺帯を切刃に通して切断することにより機械製麺されたそばを製造した。
実施例1で得られた甘皮微粉末500g、小麦粉(強力粉)1000gおよびそば実から取れる胚芽を主体とする一番粉および胚乳を主体とする二番粉、三番粉からなる平均粒径60μmのそば粉3500gを機械製麺用そば原料とし、混合機に所定量入れ、4分間程度混合した。この混合機に水を加えてさらに15分間程度練り、塊状の麺生地を作った。この麺生地を麺帯機に移し、そのロールで圧着して粗麺帯とした。この粗麺帯を複合機に2回〜3回通し、厚さ8mmの麺帯にした。この麺帯を多段ロール(4〜5段)で圧延することにより2mmの厚さにした。この薄肉化された麺帯を切刃に通して切断することにより機械製麺されたそばを製造した。
このような実施例3では、切刃に通して切断する工程および喫食のためそばを熱湯で茹でる工程において小麦粉がそば原料中に20重量%と少ない量で配合されていても、甘皮微粉末による十分な繋ぎ力によって短く切れることがなく、所期長さのそばを得ることができた。
また、得られた機械製麺されたそばを喫食したところ、実施例2の十割そばほどではないが、甘皮微粉末による香り、風味を有し、かつ滑らかな食感を有することがわかった。
1…ケーシング、2,3…回転翼、4…狭小空間、9…ミスト生成塔、13…回収容器、14…吸引管、15…ブロア。
Claims (4)
- そば実の表層から取り出した甘皮を含み、平均粒径が25μm以下であることを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末。
- ケーシングと、このケーシング内に翼面間に狭小空間を形成するように対向配置した一対の回転翼と、この一対の回転翼を中心にして両側の前記ケーシングに形成された供給部および排出部と、この排出部に連結された吸引回収部材とを備えるトルネード型粉砕装置を準備する工程と、
前記一対の回転翼を互いに反対方向に高速度で回転させると共に、前記吸引回収部材によりケーシング内の排出部を通して吸引する工程と、
そば実の甘皮粉末を液体窒素のミストと一緒に供給部を通して前記ケーシング内に供給し、甘皮粉末を回転翼との衝突により粉砕し、さらに粉砕された甘皮粉末を前記回転翼間の狭小空間内の気流中で相互に衝突破砕して平均粒径25μm以下の微粉末とし、排出部を通して前記吸引回収部材に吸引回収する工程と
を含むことを特徴とするそば繋ぎ用甘皮微粉末の製造方法。 - 請求項1記載のそば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と小麦粉0〜40重量%と残部が実質的にそば粉であることを特徴とする手打ち用そば原料。
- 請求項1記載のそば繋ぎ用甘皮微粉末3重量%以上、15重量%未満と、小麦粉0〜75重量%と、残部が実質的にそば粉であることを特徴とする機械製麺用そば原料。
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---|---|---|---|
JP2005075967A JP2006254771A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | そば繋ぎ用甘皮微粉末、その製造方法、手打ち用そば原料および機械製麺用そば原料 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009112253A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Nitsukoku Seifun Kk | ソバ麺における食感・風味を改良できるソバ粉の製造方法 |
JP2014068649A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Yen Wen Kung | 安定化米糠微粉末の製造方法 |
-
2005
- 2005-03-16 JP JP2005075967A patent/JP2006254771A/ja active Pending
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